JP3525784B2 - Cvtベルトの組立方法および組立装置 - Google Patents

Cvtベルトの組立方法および組立装置

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JP3525784B2
JP3525784B2 JP01347799A JP1347799A JP3525784B2 JP 3525784 B2 JP3525784 B2 JP 3525784B2 JP 01347799 A JP01347799 A JP 01347799A JP 1347799 A JP1347799 A JP 1347799A JP 3525784 B2 JP3525784 B2 JP 3525784B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、板状の複数のエ
レメントを板厚方向に順次積層して環状に形成してエレ
メント組立体とし、このエレメント組立体をリング部材
により環状に保持して組み付けるCVTベルトの組立方
法および組立装置に関する。
【0002】この発明は、に関する。
【0003】
【従来の技術】図17に示すように、自動車におけるベ
ルト式無段変速機(CVT)では、CVTベルト1が、
入力軸3および出力軸5にそれぞれ取り付けられたプー
リ7および9に巻き掛けられて使用される(平成10年
8月 日産自動車株式会社発行新型車解説書(W11−
0)参照)。プーリ7および9は、それぞれ溝幅を無段
階に変えられる側板7aおよび9aを備え、この溝幅を
変えることでCVTベルト1の各プーリ7,9に対する
巻き付け半径が変わり、これにより入力軸3と出力軸5
との間の回転数比、すなわち変速比が連続的無段階に変
化することとなる。
【0004】図18は、CVTベルト1の一部を分解し
て示した斜視図で、CVTベルト1は、薄板状のエレメ
ント11を板厚方向に400枚程度順次積層して環状に
形成したエレメント組立体Eと、エレメント組立体Eを
環状に保持する二つのリング組立体Lとから構成されて
いる。各エレメント11は、両側部に切欠11aが形成
され、エレメント組立体Eとした状態でこの各切欠11
aが環状の溝13となって、この溝13にリング組立体
Lが両側部から挿入される。
【0005】図19は図18のA−A断面図で、エレメ
ント11は、環状のエレメント組立体Eとした状態で内
周側の板厚が外周側の板厚より薄く形成されるととも
に、外周側端部付近の一方の面に、隣接するエレメント
11の背面に形成した凹部11bに入り込むディンプル
11cが形成されている。また、リング組立体Lは、複
数の薄板(板厚0.18mm)を多層化したものであ
る。
【0006】上記したCVTベルト1を組み立てる作業
は、次のようにしてなされる。まず、図20に示すよう
に、図示しないパーツフィーダからパーツフィーダレー
ル15に供給されている規定量のエレメント11を、4
0〜80枚程度に分けたブロックBとし、このブロック
Bを数回に分けて一方のリング組立体Lに手作業により
組み付け、前述した環状のエレメント組立体Eを形成す
る。
【0007】次に、図21に示すように、エレメント組
立体Eの図中で上部側の溝13に、他方のリング組立体
Lを手作業により挿入し、これによりエレメント組立体
Eの二つの溝13にそれぞれリング組立体Lが挿入され
たCVTベルト1の組立が完了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記図21
において、リング組立体Lをエレメント組立体Eに組み
付けるには、エレメント組立体Eの外周径が小さくなる
ように手で圧縮してエレメント組立体Eの溝13とリン
グ組立体Lとの間に隙間Sを確保しつつ(図22参
照)、同時に挿入時に引っかかりがないことを手加減で
確認している。
【0009】しかしながら、このような手作業によるリ
ング組立体Lの挿入は煩雑であり、またこれを単に自動
化しても、エレメント組立体Eとリング組立体Lとの間
の芯ずれや、エレメント組立体Eの外周寸法のばらつ
き、リング組立体Lの変形ばらつきなどのため、リング
組立体Lを構成する板厚0.18mmの薄板に集中荷重
が働き、破損や傷が発生しやすいものとなっている。
【0010】そこで、この発明は、環状に形成したエレ
メント組立体へのリング部材の組み付け作業を、リング
部材に破損や傷を発生させることなく容易にすることを
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、板状の複数のエレメントを板厚
方向に積層して環状に形成してエレメント組立体とし、
このエレメント組立体をリング部材により環状に保持し
て組み付けるCVTベルトの組立方法において、前記リ
ング部材を振動させながらエレメント組立体にセットす
るとしてある。
【0012】上記したCVTベルトの組立方法によれ
ば、リング部材のエレメント組立体に対する見かけ上の
摩擦抵抗が低減する。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明の組立
方法において、各エレメントは、両側部に切欠が形成さ
れ、エレメント組立体とした状態でこの各切欠が環状の
溝となって、この溝にリング部材を挿入する。
【0014】上記組立方法によれば、リング部材は、振
動しながらエレメント組立体の環状の溝に挿入される。
【0015】請求項3の発明は、請求項2の発明の組立
方法において、リング部材は、複数の薄板を多層化した
ものである。
【0016】上記組立方法によれば、多層化した複数の
薄板からなるリング部材が、振動しながらエレメント組
立体の環状の溝に挿入される。
【0017】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの発明の組立方法において、リング部材に与える
振動の周波数は、60Hz〜600Hzである。
【0018】上記組立方法における振動周波数が、60
Hzを下回ると、全般にサイクルタイムが長くなり、6
00Hzを上回ると、共振や破損が発生しやすいものと
なる。
【0019】請求項5の発明は、板状の複数のエレメン
トを板厚方向に積層して環状に形成してエレメント組立
体とし、前記各エレメントは、前記環状部分の中心軸方
向両側部に切欠が形成され、前記エレメント組立体とし
た状態でこの各切欠が一対の環状の溝となって、この一
対の溝それぞれにリング部材を挿入して前記エレメント
組立体を環状に保持して組み付けるCVTベルトの組立
装置において、前記一対の溝それぞれに対向する側にて
前記リング部材を保持するリング部材保持具と、この各
リング部材保持具に保持されているリング部材それぞれ
を押圧して対向する溝に挿入させるリングプッシャとを
備えている。
【0020】上記構成によれば、二つのリング部材保持
具に保持されている各リング部材を、対応するリングプ
ッシャによりそれぞれ押圧することで、各リング部材
は、エレメント組立体の一対の溝に挿入される。
【0021】請求項6の発明は、請求項5の発明の構成
において、エレメント組立体の内周側に入り込んで外周
部にて前記エレメント組立体をガイドするエレメントガ
イドを設け、このエレメントガイドの外周部に向けてエ
レメント組立体を押圧して保持するエレメント押圧保持
具を設けた構成としてある。
【0022】上記構成によれば、エレメントガイドがエ
レメント組立体の内周側に入り込んで、その外周部でエ
レメント組立体をガイドし、このエレメント組立体をエ
レメント押圧保持具がエレメントガイドの外周部に向け
て押し付けることで、エレメント組立体が保持される。
【0023】請求項7の発明は、請求項6の発明の構成
において、エレメントガイドに、二つのリング部材保持
具のうちの一方を一体化して設けた構成としてある。
【0024】上記構成によれば、エレメントガイドがエ
レメント組立体の内周側に入り込んだ状態で、エレメン
トガイドに一体化しているリング部材保持具は、保持す
るリング部材がエレメント組立体の一方の溝に対向する
位置となる。
【0025】請求項8の発明は、請求項5ないし7のい
ずれかの発明の構成において、一方のリングプッシャ
は、リング部材保持具に保持されているリング部材を押
圧して他方のリング部材保持具に仮保持させる機能を備
えている。
【0026】上記構成によれば、一方のリングプッシャ
は、リング部材保持具に保持されているリング部材を押
圧して他方のリング部材保持具に仮保持させ、仮保持状
態のリング部材は、他方のリングプッシャによって押圧
されてエレメント組立体Eの一方の溝に挿入される。
【0027】請求項9の発明は、請求項5ないし8のい
ずれかの発明の構成において、リングプッシャによるリ
ング部材に対する押圧動作は、弾性手段の弾性力を利用
して行う構成としてある。
【0028】上記構成によれば、リング部材は、弾性手
段の弾性力によって極力弱い力でエレメント組立体の溝
に挿入される。
【0029】請求項10の発明は、請求項5ないし8の
いずれかの発明の構成において、一対のリングプッシャ
は、エレメント組立体に対して上下方向両側に配置さ
れ、上部側のリングプッシャによるリング部材に対する
下方への押圧動作は、リングプッシャの自重により行
い、このリングプッシャをその自重が軽減するよう上方
へ向けて押し付ける弾性手段を設けた構成としてある。
【0030】上記構成によれば、上部側のリングプッシ
ャは、自重により下降することでリング部材を押圧して
エレメント組立体の溝に挿入する。このときリングプッ
シャは、弾性手段の弾性力によって自重が軽減されてお
り、これによりリング部材の溝への挿入力が軽減され
る。
【0031】請求項11の発明は、請求項9または10
の発明の構成において、弾性手段はスプリングとしてあ
る。
【0032】上記構成によれば、リング部材のエレメン
ト組立体の溝への挿入力が、スプリングによって軽減さ
れる。
【0033】請求項12の発明は、請求項5ないし11
のいずれかの発明の構成において、リングプッシャを振
動させる振動ユニットを設けた構成としてある。
【0034】上記構成によれば、リング部材は、リング
プッシャの振動によって振動し、この振動状態でエレメ
ント組立体の溝に挿入される。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、リング部材
を、エレメント組立体に組み付ける際に振動させるよう
にしたため、エレメント組立体に対する見かけ上の摩擦
抵抗が低減し、リング部材の破損や傷を防止することが
できる。
【0036】請求項2の発明によれば、リング部材は、
振動しながらエレメント組立体の環状の溝に挿入される
ので、この溝に対する見かけ上の摩擦抵抗が低減し、リ
ング部材の破損や傷を防止することができる。
【0037】請求項3の発明によれば、多層化した複数
の薄板からなるリング部材が、振動しながらエレメント
組立体の環状の溝に挿入されるので、この溝に対する見
かけ上の摩擦抵抗が低減し、リング部材の破損や傷を防
止することができる。
【0038】請求項4の発明によれば、リング部材に与
える振動の周波数は、60Hz〜600Hzとしたた
め、全般的なサイクルタイムの短縮が達成できるととも
に、共振や破損を防止することができる。
【0039】請求項5の発明によれば、エレメント組立
体における一対の溝それぞれに対向する側にてリング部
材を保持するリング部材保持具と、この各リング部材保
持具に保持されているリング部材のそれぞれを押圧して
対向する溝に挿入させるリングプッシャとを備える構成
としたため、エレメント組立体を反転させずにそのまま
の状態で、二つのリング部材をエレメント組立体の一対
の溝にそれぞれ挿入することが可能となる。
【0040】請求項6の発明によれば、外周部にてエレ
メント組立体をガイドするエレメントガイドを設け、こ
のエレメントガイドの外周部に向けてエレメント押圧保
持具によりエレメント組立体を押圧して保持するように
したため、エレメント組立体は、外周径が小さくなるよ
う圧縮されて、リング部材の挿入が容易なものとなる。
【0041】請求項7の発明によれば、エレメントガイ
ドに、二つのリング部材保持具のうちの一方を一体化し
て設けたため、エレメントガイドをエレメント組立体の
内周側に入り込ませることで、エレメントガイドに一体
化しているリング部材保持具が保持するリング部材を、
エレメント組立体の一方の溝に対向する位置とすること
ができる。
【0042】請求項8の発明によれば、一方のリングプ
ッシャは、リング部材保持具が保持しているリング部材
を押圧して他方のリング部材保持具に仮保持させる機能
を備えているので、リング部材をリング部材保持具に仮
保持させるための専用の機構が不要となり、コスト低下
を図ることができる。
【0043】請求項9の発明によれば、リングプッシャ
によるリング部材に対する押圧動作は、弾性手段の弾性
力を利用して行うようにしたため、リング部材を、弾性
手段の弾性力によって極力弱い力でエレメント組立体の
溝に挿入でき、リング部材およびエレメントの損傷を防
止しつつ挿入作業を効率よく行うことができる。
【0044】請求項10の発明によれば、上部側のリン
グプッシャは、自重により下降することでリング部材を
押圧してエレメント組立体の溝に挿入し、このときリン
グプッシャは、弾性手段の弾性力によって自重が軽減さ
れているので、リング部材の溝への挿入力が軽減され、
リング部材およびエレメントの損傷を防止しつつ挿入作
業を効率よく行うことができる。
【0045】請求項11の発明によれば、弾性手段をス
プリングとしてあるので、リング部材のエレメント組立
体の溝への挿入力を、スプリングによって軽減すること
ができる。
【0046】請求項12の発明によれば、リング部材
は、エレメント組立体の溝への挿入時に振動が付与され
るので、エレメント組立体に対する見かけ上の摩擦抵抗
が低減し、リング部材の破損や傷を防止することができ
る。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づき説明する。
【0048】図1は、ここでのCVTベルトを組み立て
るにあたり、複数のエレメント1を板厚方向に積層して
環状のエレメント組立体Eとする方法を簡略化して示し
ている。なお、ここでのCVTベルトは、前記図18に
示したものと同様に、エレメント11を環状に積層配置
したエレメント組立体Eと、エレメント組立体Eの二つ
の環状の溝13に挿入される2本のリング部材としての
リング組立体Lとから構成されている。
【0049】上記したエレメント11は、図2に示すパ
ーツフィーダ17から、直線状となっている平板状のパ
ーツフィーダレール19に必要量供給される。パーツフ
ィーダレール19は、エレメント11の一方の側部の切
欠11aに挿入された状態でエレメント11を支持す
る。この状態から、上記必要量のエレメント11が板状
部材で構成されるダミーリング部材21に供給される。
ダミーリング部材21も全体として平板状で、エレメン
ト11の一方の側部の切欠11aに挿入された状態でエ
レメント11を支持する。
【0050】ダミーリング部材21は、厚さ0.2mm
の薄板を8枚重ねて多層化したもので、相互間は固着さ
れていないものとする。このダミーリング部材21のほ
ぼ全長わたって複数のエレメント11をセットした状態
で、ダミーリング部材21を環状に弾性変形させる。こ
れにより、ダミーリング部材21上の各エレメント11
も環状となってエレメント組立体Eが形成される。複数
のエレメント11をダミーリング部材21にセットする
際には、その全長Hをあらかじめ測定し、リング組立体
Lの周長に一致するよう調整用エレメントなどを使用し
て上記全長Hを調整する。
【0051】環状となったエレメント組立体Eに対し、
図中で上部側の環状の溝13に前記図18に示されてい
るリング組立体Lが挿入されるとともに、下部側の溝1
3にもリング組立体Lが挿入されるが、これら各リング
組立体Lの挿入作業の詳細は後述する。
【0052】前記図2に示したパーツフィーダ17は、
多数のエレメント11を収容した状態で上下左右の向き
を選別する選別部23と、選別部23で選別されたエレ
メント11を外部に送出する送出部25と、送出部25
から送り込まれたエレメント11を下方に落下させる落
下部27と、落下部27にて落下したエレメント11を
一つずつパーツフィーダレール19に送り出す分離切出
部29とを備えている。
【0053】選別部23は、エレメント11が内部で矢
印C方向に螺旋状に回転して徐々に上部へ移動し、最上
部の上記回転方向の終端にて連続する送出部25に送り
出される。送出部25は、エレメント11をガイドする
直線ガイド溝25aが、落下部27側が低い位置となる
よう傾斜しており、重力によって選別部23から落下部
27に移動する。この移動時でのエレメント11の姿勢
は、両側部の切欠11aが移動方向前後となるようにす
る。
【0054】落下部27は送出部25の直線ガイド溝2
5aに連続する曲線ガイド溝27aを備え、曲線ガイド
溝27aの下端が分離切出部29に接続されている。す
なわち、この曲線ガイド溝27aの落下時での姿勢は、
両側部の切欠11aが上下両側に位置している。
【0055】図3は、上記曲線ガイド溝27aと分離切
出部29との接続部周辺の断面図で、分離切出部29に
は、曲線ガイド溝27aから落下したエレメント11
を、その切欠11aに入り込んで支持する前記図1およ
び図2に示したパーツフィーダレール19が設置されて
いる。パーツフィーダレール19上に落下したエレメン
ト11は、エアシリンダによって図3中で左右方向に進
退移動する切出用ヘッド31が、左方向へ移動すること
で、1個ずつ前方へ送られる。
【0056】曲線ガイド溝27aに対し、切出用ヘッド
31によるエレメント11の送り方向前方側におけるパ
ーツフィーダレール19の上方には、上部レール33が
設けられている。この上部レール33は、エレメント1
1の上部側の切欠11aに入り込んでエレメント11を
ガイドする。切出用ヘッド31には、上部レール33お
よび下部のパーツフィーダレール19が入り込むガイド
溝31a,31bが上下にそれぞれ形成されている。
【0057】また、下部のパーツフィーダレール19お
よび上部レール33には、切出用ヘッド31によって送
り込まれたエレメント11の切出用ヘッド31側への戻
り動作を防ぐためのアンチバック用ブロック35,37
が設けられている。このアンチバック用ブロック35,
37は、それぞれの後端部に設けたスプリング39,4
1により相互に対向する方向に押し付けられており、切
出用ヘッド31側のガイド斜面35a,37aと、これ
と反対側に形成された係止面35b,37bとを備えて
いる。
【0058】すなわち、切出用ヘッド31によってを前
方へ送り込まれたエレメント11が、ガイド斜面35
a,37aに接触して押し付けられることで、アンチバ
ック用ブロック35,37がスプリング39,41に抗
して相互に離反する方向へ後退し、さらにエレメント1
1が前方へ移動してガイド斜面35a,37aを乗り越
えた時点で、アンチバック用ブロック35,37はスプ
リング39,41に押されて復帰する。これにより、エ
レメント11は係止面35b,37bに係止されて切出
用ヘッド31側への戻り動作が防止される。
【0059】図4は、前記図3に示した分離切出部29
の具体的構成を示す正面図で、図5は同平面図である。
切出用ヘッド31を図中で左右方向へ進退移動させるエ
アシリンダ43は、ガイドロッド45に沿って図中で左
右方向に移動可能なロッドレスシリンダ47に固定され
ている。すなわちロッドレスシリンダ47が図中で左方
向へ移動することで、エアシリンダ43および切出用ヘ
ッド31も一体となって同方向へ移動する。切出用ヘッ
ド31は、基端側にガイド48を備え、左右方向への移
動時に、ロッドレスシリンダ47側に設けたガイドレー
ル47aに沿って前記ガイド48が移動する。
【0060】上記ロッドレスシリンダ47による切出用
ヘッド31の移動は、曲線ガイド溝27aから必要数の
エレメント11が、パーツフィーダレール19上に落下
した後なされ、この移動により必要数のエレメント11
の全量が、ダミーリング部材21上に移送される。
【0061】図4中で位置Dで示す部位がダミーリング
部材21とパーツフィーダレール19との境界部位であ
る。上記ダミーリング部材21のパーツフィーダレール
19との突き合わせ端部は、両端部相互が一直線上とな
るようクランパ49によってクランプされている。クラ
ンパ49はパーツフィーダレール19の側部に設置され
るとともに、パーツフィーダレール19は底板51に設
置され、底板51は、21本の支持脚53によってベー
ス板55に固定されている。このベース板55には、前
記ガイドロッド45が、支持フレーム57を介して支持
されている。
【0062】なお、前記図3におけるパーツフィーダレ
ール19の上方に位置する上部レール33やアンチバッ
ク用ブロック35,37は、図4および図5では省略し
てある。
【0063】図6は、図4のF矢視図で、曲線ガイド溝
27aには、エレメント11を1個ずつパーツフィーダ
レール19上に落下させるための2本の切出ピン59,
61が、エレメント11の移動方向に沿ってそれぞれ設
けられている。各切出ピン59,61は、図示しないそ
れぞれ別々のエアシリンダによって図6中で紙面に直交
する方向に進退移動可能であり、図示されているよう
に、進出移動時にエレメント11を保持してその落下を
阻止する。
【0064】上部の切出ピン61がエレメント11を保
持している状態で下部の切出ピン59が後退すること
で、両切出ピン59,61相互間の1個のエレメント1
1がパーツフィーダレール19上に落下する。その後、
下部の切出ピン59が進出する一方、上部の切出ピン6
1が後退することで、切出ピン61の上部にあった1個
のエレメント11が下部の切出ピン59上に落下する。
この状態で、上部の切出ピン61を進出させることで図
に示す初期の状態に戻り、以後上記動作を繰り返す。
【0065】図7は、CVTベルトの組立装置の全体構
成を示す概略的な平面図である。パーツフィーダ17か
ら送られてくるエレメント11の供給を受けるダミーリ
ング部材21は、円板状のインデックステーブル63上
に、パーツフィーダ17と反対側の端部がその中心O付
近に位置する一方、パーツフィーダ17側の端部がイン
デックステーブル63から半径方向外側に突出した状態
で配置されている。インデックステーブル63は、中心
Oを中心として回転可能であり、この回転によりダミー
リング部材21は、パーツフィーダ17に接続された状
態のパーツ供給工程Pから、矢印G方向に回転してダミ
ーリング部材21を環状に弾性変形させるダミーリング
変形工程Qに移動する。
【0066】ダミーリング変形工程Qの側方には、ダミ
ーリング部材21を環状に変形させることで環状となっ
たエレメント組立体Eにリング組立体Lを組み付けるリ
ング組付装置65が配置されている。図7に示されてい
る、パーツフィーダ17からリング組付装置65に至る
構成は、インデックステーブル63の円周方向における
他の部位にも、円周方向に沿って複数設置されている。
【0067】ダミーリング部材21は、図8に概略した
斜視図で示すように、両端が支持具67,69によって
それぞれ固定支持されている。各支持具67,69に
は、固定ピン67a,69aがダミーリング部材21を
貫通して挿入されており、これによりダミーリング部材
21を環状に変形させる際の保持が確実になされる。
【0068】パーツフィーダ17側の支持具67は、イ
ンデックステーブル63の中心O付近からインデックス
テーブル63の外側に突出する位置まで延長されるベー
ス板71上に支持軸73を介して回転可能に支持されて
いる。一方、インデックステーブル63の中心O側の支
持具69は、ガイド75に支持軸77を介して回転可能
に支持されている。
【0069】ガイド75は、支持具67付近にまでベー
ス板71上にて延長固定されたガイドレール79上を移
動可能であり、支持具69が支持するダミーリング部材
21の端部を、ダミーリング変形工程Qにてガイドレー
ル79に沿って他方の支持具67に向けて接近させるこ
とで、ダミーリング部材21は直線状態から徐々に円弧
状に変形し、最終的に環状となる。
【0070】ダミーリング部材21の支持具69側の端
部の移動は、図8では省略してあるが、ガイド75に設
けた移動用ハンドル81を作業者が引っ張って行う。こ
のガイド75上における支持具69の前記移動用ハンド
ル81と反対側の側部には、固定用ハンドル83が設け
られるとともに、他方の支持具67にも、図8では省略
してあるが、固定用ハンドル85が設けられている。各
固定用ハンドル83,85は、ダミーリング部材21を
環状に変形させた状態で、相互に接近した状態となる。
【0071】図9は、図7の拡大されたT矢視図であ
る。固定用ハンドル85は、水平部85aと、水平部8
5aの先端から下方に延長される鉛直部85bとを有
し、鉛直部85bの下端はインデックステーブル63よ
り下方に位置している。鉛直部85bの下端近傍には、
鉛直部85bの下端を把持して二点鎖線位置から実線位
置へ回動させるチャック87が設けられている。
【0072】チャック87は、基部87aと、基部87
a上にて相互に接近離反する方向に移動可能な一対の把
持部87bとを備え、把持部87bによって固定用ハン
ドル85を把持する。基部87aには、その下方に配置
したシリンダ89のピストンロッド91が連結され、ピ
ストンロッド91の上下への進退移動によりチャック8
7全体が上下動する。シリンダ89は、支持軸93を中
心として回動可能なベース板95の端部に固定されてい
る。チャック87は、基部87aが鉛直部85bに対し
て上下方向に重ならない位置にあり、実線位置から上昇
して二点鎖線位置となった状態で、相互に接近した状態
の固定用ハンドル83,85を、把持部87bによって
固定把持する。
【0073】図7に示すように、両支持具67,69相
互間のダミーリング部材21は、図8では示していない
が、3箇所にてキャスタ97によって支持されている。
キャスタ97は、図7中でガイドレール79より上方側
に位置しており、これによりインデックステーブル63
上にてダミーリング部材21が図7中の二点鎖線で示す
ように円弧状となるよう移動可能である。
【0074】リング組付装置65には、インデックステ
ーブル63と同一平面となる補助テーブル99が設けら
れており、前記キャスタ97がインデックステーブル6
3上から、補助テーブル99上に移動してダミーリング
部材21が環状となる。環状となった状態で、二つのキ
ャスタ97は補助テーブル99上のラフガイド101に
ガイドされる。
【0075】ダミーリング部材21を環状に変形させる
ダミーリング変形工程Qに先立つパーツ供給工程Pで
は、ダミーリング部材21にセットされている複数のエ
レメント11の積層方向の全長をあらかじめ測定し、リ
ング組立体Lの周長に一致するよう調整用エレメントに
よって上記全長を調整しておく。
【0076】上記複数のエレメント11のパーツ供給工
程Pでの全長の測定は、ダミーリング部材21を、ダミ
ーリング変形工程Qにおける二点鎖線で示す程度の円弧
状に変形させた状態で、かつエレメント11をその積層
方向に所定の荷重(50kg〜100kg程度)を付与
していわゆる慣らしを行った後、一旦荷重の付与を解除
してから10kg〜40kgの荷重を付与した状態で行
う。このような作業を行うことで、より実際の使用時に
近い状態での測定がなされることとなる。
【0077】複数の薄板で構成されるダミーリング部材
21は、図10に示すように、全長がすべて異なってお
り、環状に変形させた状態で、両端部の各端面がともに
同一面となるよう内周側に位置するものが外周側に位置
するものより全長が短く形成されている。また、ダミー
リング部材21が直線状で二つの支持具67,69に支
持されている状態では、支持具67に支持されている端
面を揃えて同一面とし、他方の端面を階段状にずらした
状態とする。このとき、支持具69側の固定ピン69a
がすべての薄板を貫通して固定できるように、各薄板に
は固定ピン69aが挿入される長孔21aが形成されて
いる。
【0078】上記したダミーリング部材21にセットさ
れているエレメント11は、図10に示すように、両端
部のものがシャッタ103によって保持されて、脱落や
倒れが防止されている。シャッタ103は回動支持ピン
105を中心として、図に示す状態から矢印K方向に回
動可能である。
【0079】図7に示すリング組付装置65は、環状に
変形させたダミーリング部材21に、一方(下部側)の
環状の溝13を利用してセットされた状態の環状のエレ
メント組立体Eに対し、他方(上部側)の環状の溝13
にリング組立体Lを挿入する上リング挿入工程Rと、上
部側の環状の溝13にリング組立体Lが挿入された状態
のエレメント組立体Eに対し、ダミーリング部材21が
外された下部側の環状の溝13にリング組立体Lを挿入
する下リング挿入工程Sとが設けられている。
【0080】上リング挿入工程Rと下リング挿入工程S
との間を、図11に示すようなリング挿入ヘッド107
が移動可能に設けられている。図12は、図7の拡大さ
れたU−U断面図であり、環状に変形したダミーリング
部材21が、支持具67およびキャスタ97にて保持さ
れて補助テーブル99上に配置されている状態が示され
ている。但し、ここでの支持具69(67)、シャッタ
103、ガイド75、ガイドレール79などは、より具
体化したもので、前記図8および図10に示したものと
は形状が異なっている。
【0081】図13は、下リング挿入工程Sに設置され
ているリングプッシャ109およびその周辺構造を示し
ている。図14ないし図16は、図7にて環状に変形さ
せたダミーリング部材21とともに環状となったエレメ
ント組立体Eの図12中で上下に形成されている環状の
溝13にリング組立体Lをそれぞれ挿入する作業を示し
ている。
【0082】図13に示すリングプッシャ109の内側
には、初期セット用リングガイド111が収容されてい
る。初期セット用リングガイド111は、上端外周にリ
ング組立体Lが嵌め込まれてセットされる円筒状のリン
グ部材保持具としてのリング受け部111aと、リング
受け部111aの下端に連続する底部111bとを備
え、底部111bの中央にて下方に突出するボス部11
1cを介してベースプレート113にボルト115によ
り固定されている。
【0083】リングプッシャ109は、初期セット用リ
ングガイド111に対して上下動可能であり、リング受
け部111aにセットされているリング組立体Lを上端
にて上方に押し上げる円筒状の押圧部109aと、押圧
部109aの下端に連続する底部109bとを備えてい
る。
【0084】底部109bの下部には、下方に向けて突
出する摺動ロッド117が複数固定され、摺動ロッド1
17は、ベースプレート113を貫通し、ベースプレー
ト113の下面に固定されている摺動ロッドガイド11
9内に摺動可能に挿入されている。摺動ロッドガイド1
19の上端と底部109bとの間には、リングプッシャ
109を上方へ押し付ける弾性手段としてのリング挿入
力調整用スプリング121が介装されている。
【0085】底部109bには、さらに連結ロッド12
3が上下に貫通した状態で固定されており、連結ロッド
123の下端は可動板125に固定されている。連結ロ
ッド123の上部は、初期セット用リングガイド111
の底部111bを貫通し、底部111bの上面に固定さ
れたロッドガイド127に対して上下動可能となってい
る。
【0086】可動板125には、前記摺動ロッドガイド
119が上下方向に相対移動可能に保持されるととも
に、リングプッシャ109を上下動させる上昇下降用シ
リンダ129が取り付けられている。上昇下降用シリン
ダ129のピストンロッド131は、その先端(上端)
がベースプレート113に固定され、上下方向に進退移
動することで、リングプッシャ109が可動板125な
どとともにベースプレート113および初期セット用リ
ングガイド111に対して上下動する。
【0087】可動板125の下面には、リングプッシャ
109全体を振動させる振動ユニット133が装着され
ている。振動ユニット133は内部に鉄球を収容し、こ
の内部にエアを供給することで、鉄球が揺れて振動が発
生する。
【0088】図11に示すリング挿入ヘッド107は、
上部に設けられた支持ベース135上に上下動シリンダ
137が固定され、この上下動シリンダ137のピスト
ンロッド139の下端にヘッド本体141のヘッドベー
ス143が連結されている。支持ベース135には、複
数のガイドロッド144の上端が固定され、このガイド
ロッド144に対して上記ヘッドベース143が上下動
可能に支持されている。
【0089】ガイドロッド144の下端には、クランパ
保持ベース175が設けられ、クランパ保持ベース17
5には、下方に向けて突出する取付ブラケット177を
介してエレメント押圧保持具としてのエレメントクラン
パ179が取り付けられている。エレメントクランパ1
79は、図12における環状のエレメント組立体Eに対
し、外方向への広がりを抑えるべく、半径方向外側から
内側へ向けて押し付けるもので、取付ブラケット177
とともに、クランパ保持ベース175に対して図11中
で左右方向(図12における環状のエレメント組立体E
の半径方向)に向けてスライド移動可能である。
【0090】取付ブラケット177と、ガイドロッド1
44の下端に設けたスプリング保持ピン181との間に
は、エレメントクランパ179を図11中で右方向(図
12における環状のエレメント組立体Eの半径方向外
側)へ引張るスプリング183が設けられている。上記
取付ブラケット177には、さらにローラ状のカムフォ
ロワ185が回転可能に設けられている。
【0091】また、クランパ保持ベース175上に設け
たカムガイド187内には、カム189が上下動可能に
収容されている。このカム189は、下降により下端の
カム面189aが前記カムフォロワ185に接触し、こ
れによりエレメントクランパ179を図11中で左方向
(図12における環状のエレメント組立体Eの中心方
向)へ移動させる。カム189は、ヘッドベース143
に固定したエレメントクランプ用シリンダ191のピス
トンロッド193の下端に連結されて上下動する。
【0092】ヘッド本体141は、ヘッドベース143
の下方に、エレメントガイドとしてのエレメント内周ガ
イド145を備えている。エレメント内周ガイド145
は、図15に示されているように、エレメント組立体E
の内周側に入り込み、そのガイド部145aにおける外
周部にてエレメント組立体Eをガイドする。また、上記
エレメント内周ガイド145は、前記図13で示した初
期セット用リングガイド111にセットされたリング組
立体Lを、リングプッシャ109で上方へ押された後に
保持するリング部材保持具としてのヘッド側リング受け
部145bを上端外周に一体化して設けられている、さ
らに、初期セット用リングガイド111の下部中央に
は、前記図13におけるボス部111cのガイド孔11
1dに挿入されてセンタリングを行うセンタリングロケ
ート147が、下方に向けて突出して設けられている。
【0093】エレメント内周ガイド145におけるヘッ
ド側リング受け部145bの直下には、リング脱落防止
用プランジャ148が設けられている。リング脱落防止
用プランジャ148は、図示しないスプリングにより外
方向へ押し付けられてエレメント内周ガイド145の外
周面から僅かに突出した状態となってリング組立体Lの
脱落を防止している。
【0094】エレメント内周ガイド145には、上部側
に取付板149が固定され、取付板149の上面に保持
挿入切換シリンダ151が固定されている。保持挿入切
換シリンダ151は、上方に突出するピストンロッド1
53が保持ベース155に固定され、さらにその先端は
ヘッドベース143を貫通している。
【0095】保持ベース155には、複数の保持ロッド
161が上下に貫通した状態で固定され、保持ロッド1
61の下部側はリングプッシャとしての上リングプッシ
ャ163に固定されている。上リングプッシャ163
は、円筒部163aの下端で、エレメント内周ガイド1
45に保持されているリング組立体Lを下方に向けて押
し付ける。
【0096】保持ロッド161の下端は、取付板149
に固定されているガイド165内に上下動可能に挿入さ
れ、保持ロッド161の上部側は、ヘッドベース143
を上下動可能に貫通して上方に突出している。この突出
した部位の保持ロッド161には、上部スプリング受け
167が固定され、スプリング受け167とヘッドベー
ス143上の下部スプリング受け168との間には、保
持ロッド161を上方に押し付ける弾性手段としての上
リング挿入力軽減用バランススプリング169が介装さ
れている。
【0097】保持ベース155の上面には、保持ベース
155および保持ロッド161を介して上リングプッシ
ャ163を振動させる振動ユニット171が装着されて
いる。振動ユニット171は、前記図13に示した振動
ユニット133と同様に、内部に収容した鉄球が、エア
の供給により揺れることで振動が発生する。
【0098】次に、図14ないし図16も参照して、リ
ング組立体Lの挿入作業を説明する。まず、図13に示
すように、初期セット用リングガイド111にリング組
立体Lをセットした状態で、図11に示すリング挿入ヘ
ッド107を上下動シリンダ137の作動により下降さ
せ、図14に示すように、エレメント内周ガイド145
を初期セット用リングガイド111内に入り込ませる。
このとき、センタリングロケート147が、初期セット
用リングガイド111のガイド孔111dに挿入されて
リング挿入ヘッド107側とリングプッシャ109側と
の芯ずれが防止されている。
【0099】続いて、リングプッシャ109を振動ユニ
ット133で振動を与えながら上昇させることで、その
押圧部109aにより、初期セット用リングガイド11
1が保持しているリング組立体Lを上方に移動させる。
これによりリング組立体Lは、リング脱落防止用プラン
ジャ148を乗り越えてリング挿入ヘッド107側のエ
レメント内周ガイド145の上端のヘッド側リング受け
部145bに仮保持される。
【0100】上記したリングプッシャ109は、後述す
るように、リング組立体Lをエレメント組立体Eの下部
側の溝13に挿入するものであるが、上記したように、
上部側の溝13に挿入するリング組立体Lを、エレメン
ト内周ガイド145のヘッド側リング受け部145bに
仮保持させる機能をも備えている。このため、リング組
立体Lをヘッド側リング受け部145bに仮保持させる
ための専用の機構が不要となり、コスト低下を図ること
ができる。
【0101】リングプッシャ109の上昇動作は、上昇
下降用シリンダ129の作動によるものではなく、上昇
下降用シリンダ129を図13の位置でフリーにした状
態で、リング挿入力調整用スプリング121の弾性力を
利用し、極力弱い力で上昇させる。そのために、リング
プッシャ109は、材質をアルミニウムにしたり、薄肉
化したりすることで、軽量化することが望ましい。これ
により、リング組立体Lの損傷や傷付きが防止される。
【0102】リング組立体Lをエレメント内周ガイド1
45で保持したリング挿入ヘッド107は、図7にて環
状に変形したダミーリング部材21が配置されている上
リング挿入工程Rに移動した後、この位置で下降する。
この下降により、エレメント内周ガイド145は、図1
5に示すように、ダミーリング部材21にセットされて
いる環状のエレメント組立体Eの内側に入り込む。
【0103】このとき、センタリングロケート147
が、補助テーブル99のボス部99aに設けたガイド孔
99bに挿入されてリング挿入ヘッド107側と補助テ
ーブル99側との芯ずれが防止されている。また、エレ
メントクランプ用シリンダ191の作動によりカム18
9が下降し、エレメントクランパ179がエレメント組
立体Eをその中心に向けて押し付けてエレメント内周ガ
イド145に密着させる。これにより、環状のエレメン
ト組立体Eの半径方向外側への広がりを防止するととも
に、エレメント組立体Eの環状の溝13の幅を、リング
組立体Lが容易に挿入できるよう確保している。
【0104】そして、上リングプッシャ163を振動ユ
ニット171で振動を与えながら下降させることで、エ
レメント内周ガイド145が保持しているリング組立体
Lを、エレメント組立体Eの上部側の溝13に押し込み
挿入する。この挿入作業時での上リングプッシャ163
の下降動作は、保持挿入切換シリンダ151によるもの
ではなく、このシリンダ151を図15の位置にてフリ
ーにした状態で、上リングプッシャ163や保持ベース
155などの自重により行う。これらの自重は、上リン
グ挿入力軽減用バランススプリング169により軽減さ
れており、このため上記挿入作業は、極めて弱い力でな
され、これに合わせて前記したリングプッシャ109と
同様に、上リングプッシャ163などの材質をアルミニ
ウムにしたり、薄肉化したりして極力軽量化すること
で、リング組立体Lの損傷や傷付きが防止される。
【0105】その後、エレメントクランパ179でエレ
メント組立体Eをクランプしたまま、リング挿入ヘッド
107を、上下動シリンダ137により上昇させること
で、エレメント組立体Eからダミーリング部材21が外
される。次に、上昇したリング挿入ヘッド107を、前
記図13に示したリングプッシャ109の上方、すなわ
ち図7における下リング挿入工程Sに移動させる。この
とき、初期セット用リングガイド111のリング受け部
111aには、あらかじめリング組立体Lをセットして
おく。
【0106】次に、リング挿入ヘッド107を、保持し
ているエレメント組立体Eがリングプッシャ109側の
リング組立体Lに近接する位置まで下降させる。この状
態で、図16に示すように、前記図14でのリング組立
体Lのエレメント内周ガイド145へのセット動作と同
様な動作により、リングプッシャ109を上昇させ、初
期セット用リングガイド111が保持しているリング組
立体Lをエレメント組立体Eの下部側の溝13に挿入す
る。
【0107】すなわち、このときのリングプッシャ10
9の上昇動作も、上昇下降用シリンダ129の作動によ
るものではなく、上昇下降用シリンダ129をフリーに
した状態で、リング挿入力調整用スプリング121の弾
性力を利用し、極力弱い力で上昇させ、これにより、リ
ング組立体Lの損傷および傷付きが防止される。
【0108】以上の動作により、環状のエレメント組立
体Eの両側部に設けた環状の溝13に、リング組立体L
がそれぞれ挿入されてCVTベルト1の組み付けが完了
する。組み付けが完了したCVTベルト1は、エレメン
トクランパ179でのクランプ動作を解除することで、
リングプッシャ109上に載置されることとなる。その
後、このリングプッシャ109を例えば傾斜させること
で、CVTベルト1を外部へ払い出すようにする。
【0109】このように、上記したCVTベルトの組立
装置においては、二つのリング部材Lをエレメント組立
体Eの両側部に形成される二つの溝13にそれぞれ挿入
する作業が、エレメント組立体Eを上下反転させずにそ
のままの状態で行えるので、極めて容易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態に係わるCVTベルト
の複数のエレメントを、環状に形成してエレメント組立
体とする方法を簡略化して示した動作説明図である。
【図2】図1のパーツフィーダレールにエレメントを供
給するパーツフィーダの全体構成を簡略化して示した斜
視図である。
【図3】図2における曲線ガイド溝と分離切出部との接
続部周辺の断面図である。
【図4】図3に示した分離切出部の具体的構成を示す正
面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】図4のF矢視図である。
【図7】CVTベルトの組立装置の全体構成を示す概略
的な平面図である。
【図8】図7の組立装置におけるエレメントがダミーリ
ング部材に保持されている状態を示す斜視図である。
【図9】図7の拡大されたT矢視図である。
【図10】図7の組立装置におけるダミーリング部材の
具体的構成を示す説明図である。
【図11】図7の組立装置におけるリング挿入ヘッドの
正面断面図である。
【図12】図7の拡大されたU−U断面図である。
【図13】図7における下リング挿入工程に設置されて
いるリングプッシャおよびその周辺構造を示す正面断面
図である。
【図14】図11のリング挿入ヘッドにリング組立体を
セットする動作を示す動作説明図である。
【図15】リング組立体をエレメント組立体の上部側の
溝に挿入する動作を示す動作説明図である。
【図16】リング組立体をエレメント組立体の下部側の
溝に挿入する動作を示す動作説明図である。
【図17】CVTベルトが使用される自動車におけるオ
ートマチックトランスアクスルの要部の断面図である。
【図18】CVTベルトの一部を分解して示した斜視図
である。
【図19】図18のA−A断面図である。
【図20】リング組立体に必要枚数のエレメントを嵌め
込む従来の作業方法を示す説明図である。
【図21】図20で環状に形成したエレメント組立体に
リング組立体を組み付ける動作を示す説明図である。
【図22】図21での組み付け作業における要部の拡大
された断面図である。
【符号の説明】
E エレメント組立体 L リング組立体(リング部材) 11 エレメント 11a 切欠 13 環状の溝 109 リングプッシャ 111a リング受け部(リング部材保持具) 121 リング挿入力調整用スプリング(弾性手段) 133,171 振動ユニット 145 エレメント内周ガイド(エレメントガイド) 145a ヘッド側リング受け部(リング部材保持具) 163 上リングプッシャ(リングプッシャ) 169 上リング挿入力軽減用バランススプリング(弾
性手段) 179 エレメントクランパ(エレメント押圧保持具)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 5/16 B23P 21/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の複数のエレメントを板厚方向に積
    層して環状に形成してエレメント組立体とし、このエレ
    メント組立体をリング部材により環状に保持して組み付
    けるCVTベルトの組立方法において、前記リング部材
    を振動させながらエレメント組立体にセットすることを
    特徴とするCVTベルトの組立方法。
  2. 【請求項2】 各エレメントは、両側部に切欠が形成さ
    れ、エレメント組立体とした状態でこの各切欠が環状の
    溝となって、この溝にリング部材を挿入することを特徴
    とする請求項1記載のCVTベルトの組立方法。
  3. 【請求項3】 リング部材は、複数の薄板を多層化した
    ものであることを特徴とする請求項2記載のCVTベル
    トの組立方法。
  4. 【請求項4】 リング部材に与える振動の周波数は、6
    0Hz〜600Hzであることを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかに記載のCVTベルトの組立方法。
  5. 【請求項5】 板状の複数のエレメントを板厚方向に積
    層して環状に形成してエレメント組立体とし、前記各エ
    レメントは、前記環状部分の中心軸方向両側部に切欠が
    形成され、前記エレメント組立体とした状態でこの各切
    欠が一対の環状の溝となって、この一対の溝それぞれに
    リング部材を挿入して前記エレメント組立体を環状に保
    持して組み付けるCVTベルトの組立装置において、前
    記一対の溝それぞれに対向する側にて前記リング部材を
    保持するリング部材保持具と、この各リング部材保持具
    に保持されているリング部材それぞれを押圧して対向す
    る溝に挿入させるリングプッシャとを備えていることを
    特徴とするCVTベルトの組立装置。
  6. 【請求項6】 エレメント組立体の内周側に入り込んで
    外周部にて前記エレメント組立体をガイドするエレメン
    トガイドを設け、このエレメントガイドの外周部に向け
    てエレメント組立体を押圧して保持するエレメント押圧
    保持具を設けたことを特徴とする請求項5記載のCVT
    ベルトの組立装置。
  7. 【請求項7】 エレメントガイドに、二つのリング部材
    保持具のうちの一方を一体化して設けたことを特徴とす
    る請求項6記載のCVTベルトの組立装置。
  8. 【請求項8】 一方のリングプッシャは、リング部材保
    持具に保持されているリング部材を押圧して他方のリン
    グ部材保持具に仮保持させる機能を備えていることを特
    徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のCVTベ
    ルトの組立装置。
  9. 【請求項9】 リングプッシャによるリング部材に対す
    る押圧動作は、弾性手段の弾性力を利用して行うことを
    特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載のCVT
    ベルトの組立装置。
  10. 【請求項10】 一対のリングプッシャは、エレメント
    組立体に対して上下方向両側に配置され、上部側のリン
    グプッシャによるリング部材に対する下方への押圧動作
    は、リングプッシャの自重により行い、このリングプッ
    シャをその自重が軽減するよう上方へ向けて押し付ける
    弾性手段を設けたことを特徴とする請求項5ないし8の
    いずれかに記載のCVTベルトの組立装置。
  11. 【請求項11】 弾性手段はスプリングであることを特
    徴とする請求項9または10記載のCVTベルトの組立
    装置。
  12. 【請求項12】 リングプッシャを振動させる振動ユニ
    ットを設けたことを特徴とする請求項5ないし11のい
    ずれかに記載のCVTベルトの組立装置。
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