JP3525180B2 - 超微細組織鋼の製造方法 - Google Patents
超微細組織鋼の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、超微細組
織鋼の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、
この出願の発明は、高強度の溶接用鋼等として有用な超
微細組織鋼を高い生産性で製造することのできる新しい
方法に関するものである。
織鋼の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、
この出願の発明は、高強度の溶接用鋼等として有用な超
微細組織鋼を高い生産性で製造することのできる新しい
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、制御圧延−加速冷却技
術は、低合金鋼において、微細なフェライトを得るため
の有効な方法であった。すなわち、オーステナイト未再
結晶域における累積圧下率とその後の冷却速度を制御す
ることによって、微細な組織が得られている。しかし、
得られるフェライト粒径はせいぜいSi−Mn鋼で10
μm、Nb鋼で5μmが限界であった。さらに、特公昭
62−39228、特公昭62−7247に述べられて
いるように、2相域も含めたAr1〜Ar3+100℃
の温度域で合計減面率が75%以上の圧下を加え、その
後20K/s以上で冷却することによって、3−4μm
程度のフェライト粒が得られることが報告されている。
しかしながら、たとえば特公平5−65564に述べら
れているように、3μm未満となってくると、極めて大
きな圧下量と冷却速度(40K/s以上)が必要であ
る。20K/s以上の急冷は、板厚が薄い場合にのみ成
り立ち得る手段であり、実際的に広く一般溶接構造用鋼
の製造方法としては成立しがたい。また、強加工そのも
のについても、ロール圧延では、オーステナイト低温域
での50%を越える大圧下を行うことは、その変形抵抗
の大きさやロールのかみこみ制限から、一般的にはむず
かしい。また、未再結晶域での累積圧下には一般的には
70%以上必要であり、鋼板の温度低下によりそれも難
しい。
術は、低合金鋼において、微細なフェライトを得るため
の有効な方法であった。すなわち、オーステナイト未再
結晶域における累積圧下率とその後の冷却速度を制御す
ることによって、微細な組織が得られている。しかし、
得られるフェライト粒径はせいぜいSi−Mn鋼で10
μm、Nb鋼で5μmが限界であった。さらに、特公昭
62−39228、特公昭62−7247に述べられて
いるように、2相域も含めたAr1〜Ar3+100℃
の温度域で合計減面率が75%以上の圧下を加え、その
後20K/s以上で冷却することによって、3−4μm
程度のフェライト粒が得られることが報告されている。
しかしながら、たとえば特公平5−65564に述べら
れているように、3μm未満となってくると、極めて大
きな圧下量と冷却速度(40K/s以上)が必要であ
る。20K/s以上の急冷は、板厚が薄い場合にのみ成
り立ち得る手段であり、実際的に広く一般溶接構造用鋼
の製造方法としては成立しがたい。また、強加工そのも
のについても、ロール圧延では、オーステナイト低温域
での50%を越える大圧下を行うことは、その変形抵抗
の大きさやロールのかみこみ制限から、一般的にはむず
かしい。また、未再結晶域での累積圧下には一般的には
70%以上必要であり、鋼板の温度低下によりそれも難
しい。
【0003】制御圧延鋼の変態フェライト相は、一般に
集合組織を形成することが知られており、強圧下の結果
得られたフェライト相は小傾角粒界を有するようにな
る。すなわち、単純な強加工では、集合組織が形成さ
れ、大角粒界からなるフェライト粒を得ることはできな
いのである。したがって、特公昭62−39228、特
公昭62−7247に示された以上の強加工を行って
も、大傾角粒界からなるより微細なフェライト組織を得
ることは困難である。
集合組織を形成することが知られており、強圧下の結果
得られたフェライト相は小傾角粒界を有するようにな
る。すなわち、単純な強加工では、集合組織が形成さ
れ、大角粒界からなるフェライト粒を得ることはできな
いのである。したがって、特公昭62−39228、特
公昭62−7247に示された以上の強加工を行って
も、大傾角粒界からなるより微細なフェライト組織を得
ることは困難である。
【0004】このような状況において、この出願の発明
者らは、Ac3点以上に加熱しオーステナイト化した
後,Ar3以上の温度で、圧下率50%以上の圧縮加工
を加え、ついで冷却することにより、平均粒径3μm以
下のフェライトを母相とする超微細組織鋼を得る方法を
開発した(特願平9−256682、特願平9−256
802、特願平10−52545)。この新しい製造方
法によって、平均粒径が3μm以下で、方位差角15°
以上の大角粒界に囲まれたフェライトを母相とする超微
細組織鋼が提供可能となった。
者らは、Ac3点以上に加熱しオーステナイト化した
後,Ar3以上の温度で、圧下率50%以上の圧縮加工
を加え、ついで冷却することにより、平均粒径3μm以
下のフェライトを母相とする超微細組織鋼を得る方法を
開発した(特願平9−256682、特願平9−256
802、特願平10−52545)。この新しい製造方
法によって、平均粒径が3μm以下で、方位差角15°
以上の大角粒界に囲まれたフェライトを母相とする超微
細組織鋼が提供可能となった。
【0005】だが、この新たな方法については実際的に
はさらに改善が望まれてもいた。ひとつにはより微細な
組織をえることが、また、工業的見地からは、熱間加工
時の変形抵抗はできるだけ低いことが望ましいからであ
る。特に1パスで50%以上の加工をオーステナイト低
温域で行う場合、変形抵抗が大きく、これをできるだけ
低下させることが望ましいからである。すなわち、平均
粒径で3μm、望ましくは2μm以下のフェライトを主
相とする組織をオーステナイト低温域加工と制御冷却で
得ることに関して、より低い変形抵抗下、より少ない圧
下量と特に遅い冷却速度で得る方法が求められていると
言える。
はさらに改善が望まれてもいた。ひとつにはより微細な
組織をえることが、また、工業的見地からは、熱間加工
時の変形抵抗はできるだけ低いことが望ましいからであ
る。特に1パスで50%以上の加工をオーステナイト低
温域で行う場合、変形抵抗が大きく、これをできるだけ
低下させることが望ましいからである。すなわち、平均
粒径で3μm、望ましくは2μm以下のフェライトを主
相とする組織をオーステナイト低温域加工と制御冷却で
得ることに関して、より低い変形抵抗下、より少ない圧
下量と特に遅い冷却速度で得る方法が求められていると
言える。
【0006】この出願の発明は、以上のとおりの事情に
鑑みてなされたものであって、より低い変形抵抗下、よ
り少ない圧下量と特に遅い冷却速度で、平均粒径3μm
以下、さらには2μm以下のフェライトを母相とする超
微細組織鋼を製造することのできる新しい方法を提供す
ることを課題としている。
鑑みてなされたものであって、より低い変形抵抗下、よ
り少ない圧下量と特に遅い冷却速度で、平均粒径3μm
以下、さらには2μm以下のフェライトを母相とする超
微細組織鋼を製造することのできる新しい方法を提供す
ることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、前記
の課題を解決するものとして、まず第1には、原料溶製
後にAc3点以上の温度に加熱してオーステナイト化
し、次いでAe3点以下Ar3−150℃、または55
0℃以上の温度で、圧下率50%以上の圧縮加工を加
え、その後冷却して平均粒径3μm以下で方位差角15
°以上の大角粒界に囲まれたフェライトを母相とし、フ
ェライト−フェライト粒界における前記大角粒界の割合
が80%以上の超微細組織鋼の製造方法であって、圧縮
加工時の歪み速度を0.001〜0.1/sの範囲のも
のとすることを特徴とする超微細組織鋼の製造方法を提
供する。
の課題を解決するものとして、まず第1には、原料溶製
後にAc3点以上の温度に加熱してオーステナイト化
し、次いでAe3点以下Ar3−150℃、または55
0℃以上の温度で、圧下率50%以上の圧縮加工を加
え、その後冷却して平均粒径3μm以下で方位差角15
°以上の大角粒界に囲まれたフェライトを母相とし、フ
ェライト−フェライト粒界における前記大角粒界の割合
が80%以上の超微細組織鋼の製造方法であって、圧縮
加工時の歪み速度を0.001〜0.1/sの範囲のも
のとすることを特徴とする超微細組織鋼の製造方法を提
供する。
【0008】そして、この出願の発明は、第2には、A
r3−100℃以上の温度で圧縮加工を加える超微細組
織鋼の製造方法を提供し、第3には、加工後の冷却速度
を10K/s以下とする前記の製造方法をも提供する。
r3−100℃以上の温度で圧縮加工を加える超微細組
織鋼の製造方法を提供し、第3には、加工後の冷却速度
を10K/s以下とする前記の製造方法をも提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以上のとおりのこの出願の発明
は、発明者の検討の結果、圧縮加工時における温度とひ
ずみ速度の制御が、組織の微細化と変形抵抗の低下に極
めて有効であること、より具体的には、Ae3点以下の
温度における50%を超える強加工−制御冷却によって
フェライト−パーライト組織を形成する場合、歪み速度
が1/s以下でも平均粒径3μm以下、さらには2μm
以下の微細なフェライト粒径が得られることを見出し、
この知見に基づいて完成されたものである。
は、発明者の検討の結果、圧縮加工時における温度とひ
ずみ速度の制御が、組織の微細化と変形抵抗の低下に極
めて有効であること、より具体的には、Ae3点以下の
温度における50%を超える強加工−制御冷却によって
フェライト−パーライト組織を形成する場合、歪み速度
が1/s以下でも平均粒径3μm以下、さらには2μm
以下の微細なフェライト粒径が得られることを見出し、
この知見に基づいて完成されたものである。
【0010】そこで、さらに詳しくこの発明の製造方法
について説明すると、この発明の製造方法においては、 <A>原料の溶製によるAc3点以上の温度に加熱する
オーステナイト化と、 <B>Ae3点以下でAr3点−150℃または550
℃以上の温度、さらにはAr3点−100℃以上の温度
で、圧下率50%以上の圧縮加工 <C>その後の冷却 を基本的なプロセス要件としている。なお、ここで、A
e3点とは、オーステナイト、フェライト平衡変態点
で、状態図上で(デルタフェライトを除く)フェライト
の存在できる最高温度である。また、Ar3点とは、無
加工時におけるオーステナイト、フェライト変態の開始
温度を示している。
について説明すると、この発明の製造方法においては、 <A>原料の溶製によるAc3点以上の温度に加熱する
オーステナイト化と、 <B>Ae3点以下でAr3点−150℃または550
℃以上の温度、さらにはAr3点−100℃以上の温度
で、圧下率50%以上の圧縮加工 <C>その後の冷却 を基本的なプロセス要件としている。なお、ここで、A
e3点とは、オーステナイト、フェライト平衡変態点
で、状態図上で(デルタフェライトを除く)フェライト
の存在できる最高温度である。また、Ar3点とは、無
加工時におけるオーステナイト、フェライト変態の開始
温度を示している。
【0011】そして、この発明の方法では、前記<B>
圧縮加工時に、歪み速度を、0.001〜0.1/sの
範囲としている。
圧縮加工時に、歪み速度を、0.001〜0.1/sの
範囲としている。
【0012】たとえば図1に例示した上下に動くアンビ
ルによる平面圧縮加工について示したように、圧縮加工
による素材の厚みが、t秒の時間によってI0 からI
に変形したとすると、ひずみ(ε)は、 ε=ln(l0 /l) で表わされることから、歪み速度は、ε/t、すなわち ε/t =〔ln(l0 /l)〕/t として表わされる。
ルによる平面圧縮加工について示したように、圧縮加工
による素材の厚みが、t秒の時間によってI0 からI
に変形したとすると、ひずみ(ε)は、 ε=ln(l0 /l) で表わされることから、歪み速度は、ε/t、すなわち ε/t =〔ln(l0 /l)〕/t として表わされる。
【0013】この発明においては、以上のとおりの歪み
速度は、前記のとおり0.001〜0.1/sであって
より適当には0.01〜0.1/sである。
速度は、前記のとおり0.001〜0.1/sであって
より適当には0.01〜0.1/sである。
【0014】歪み速度が0.1/sより大きい場合に
は、変形抵抗が大きく、また、フェライトの微細化効果
が少ない。また、歪み速度が0.001/sより小さい
場合には、加工に極めて時間がかかることになり、工業
的にはいずれの場合にも不利である。
は、変形抵抗が大きく、また、フェライトの微細化効果
が少ない。また、歪み速度が0.001/sより小さい
場合には、加工に極めて時間がかかることになり、工業
的にはいずれの場合にも不利である。
【0015】圧縮加工は、この発明においては、より適
当には、図1に例示したアンビル加工の方法が採用され
る。
当には、図1に例示したアンビル加工の方法が採用され
る。
【0016】たとえばこのアンビル圧縮加工の場合に
は、減面率で1パス90%を超える強加工も可能な方法
であって、素材(sample)の上下に位置するアンビルの駆
動速度を制御することにより、圧縮加工時における歪み
速度の制御が可能になる。
は、減面率で1パス90%を超える強加工も可能な方法
であって、素材(sample)の上下に位置するアンビルの駆
動速度を制御することにより、圧縮加工時における歪み
速度の制御が可能になる。
【0017】また、この発明の製造方法においては、<
C>冷却の工程において、冷却速度が10K/s以下と
することが有効でもある。
C>冷却の工程において、冷却速度が10K/s以下と
することが有効でもある。
【0018】この発明の製造方法によって、平均粒径が
3μm以下、さらには2.5μm以下のフェライト、そ
して方位差角15°以上の大角粒界に囲まれたフェライ
トを母相とする超微細組織鋼が製造可能とされる。フェ
ライト−フェライト粒界における大角粒界の割合は80
%以上である。溶接可能な高強度の鋼が経済的に得られ
ることになる。この鋼の化学組成については、特に限定
されることはないが、好ましくは、0.3重量%以下の
C(炭素)と、Si、Mn、P、S、Nおよび不可避的
不純物を含有するFeにより構成することができる。よ
り好ましくは、重量%で、Siが2%以下、Mnが3%
以下、Pが0.1%以下、Sが、.02%以下、Nが
0.005%以下とすることが考慮される。
3μm以下、さらには2.5μm以下のフェライト、そ
して方位差角15°以上の大角粒界に囲まれたフェライ
トを母相とする超微細組織鋼が製造可能とされる。フェ
ライト−フェライト粒界における大角粒界の割合は80
%以上である。溶接可能な高強度の鋼が経済的に得られ
ることになる。この鋼の化学組成については、特に限定
されることはないが、好ましくは、0.3重量%以下の
C(炭素)と、Si、Mn、P、S、Nおよび不可避的
不純物を含有するFeにより構成することができる。よ
り好ましくは、重量%で、Siが2%以下、Mnが3%
以下、Pが0.1%以下、Sが、.02%以下、Nが
0.005%以下とすることが考慮される。
【0019】一方、重量%で3%以下のCr,Ni,M
o,Cu,Al,また、Ti:0.003−0.1%,
Nb:0.003−0.05%,V:0.005−0.
2%が含まれていてもよい。しかし、高価な元素である
Ni、Cr、Mo、Cu等を用いることなく、超微細組
織が得られ、高強度鋼が安価に製造できる。
o,Cu,Al,また、Ti:0.003−0.1%,
Nb:0.003−0.05%,V:0.005−0.
2%が含まれていてもよい。しかし、高価な元素である
Ni、Cr、Mo、Cu等を用いることなく、超微細組
織が得られ、高強度鋼が安価に製造できる。
【0020】溶製のための原料は、以上の化学組成に応
じて各元素の添加割合が定められることになる。
じて各元素の添加割合が定められることになる。
【0021】そこで以下、実施例を示し、さらに詳しく
この発明について説明する。
この発明について説明する。
【0022】
【実施例】(実施例1〜4)
(比較例1)
表1の組成の鋼(1)を900℃に加熱し、完全にオー
ステナイト化した後に表2の加工温度に冷却し、直ちに
圧下率75%で、図1に例示した平面歪み圧縮加工を行
った。Ae3点は817℃である。フォーマスターで測
定したAr3点は670℃であった。歪み速度と、圧縮
加工後の冷却速度を表2に示す条件で行った。得られた
組織についてのフェライトの平均粒径、第2相の種類、
その体積率、大角粒界(方位差角≧15°)の割合、加
工時の平均変形抵抗を表2に示した。フェライト粒の方
位差角は電子線後方散乱(EBSD)方で測定した。平
均粒径の測定は、直線切断法によって行った。第2相は
主としてパーライトおよび炭化物であった。
ステナイト化した後に表2の加工温度に冷却し、直ちに
圧下率75%で、図1に例示した平面歪み圧縮加工を行
った。Ae3点は817℃である。フォーマスターで測
定したAr3点は670℃であった。歪み速度と、圧縮
加工後の冷却速度を表2に示す条件で行った。得られた
組織についてのフェライトの平均粒径、第2相の種類、
その体積率、大角粒界(方位差角≧15°)の割合、加
工時の平均変形抵抗を表2に示した。フェライト粒の方
位差角は電子線後方散乱(EBSD)方で測定した。平
均粒径の測定は、直線切断法によって行った。第2相は
主としてパーライトおよび炭化物であった。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】以上の実施例1〜4および比較例1との対
比より明らかなように、歪み速度が0.01〜0.1/
sで最も微細なフェライト粒が得られ、また変形抵抗に
関しては、歪み速度を小さくすると顕著な低下が確認さ
れる。
比より明らかなように、歪み速度が0.01〜0.1/
sで最も微細なフェライト粒が得られ、また変形抵抗に
関しては、歪み速度を小さくすると顕著な低下が確認さ
れる。
【0026】また、実施例1および4からは、冷却速度
が速い場合にフェライト粒径の微細化が進むこともわか
る。 (実施例5〜13) 実施例1〜4と同様にして表3の条件において圧縮加工
を行い冷却した。
が速い場合にフェライト粒径の微細化が進むこともわか
る。 (実施例5〜13) 実施例1〜4と同様にして表3の条件において圧縮加工
を行い冷却した。
【0027】その結果を表3に示したが、歪み速度0.
001〜0.1/sにおいて、微細なフェライト粒が得
られることがわかる。また、加工温度の低下が組織の微
細化に有効であることがわかった。
001〜0.1/sにおいて、微細なフェライト粒が得
られることがわかる。また、加工温度の低下が組織の微
細化に有効であることがわかった。
【0028】
【表3】
【0029】(実施例14)
(比較例2〜6)
前記実施例において、オーステナイト粒径が17μmの
材料に対し、加工温度750℃、圧下率75%で、歪み
速度を0.1/s、冷却速度を10K/sとしたときの
断面SEM像を観察した。図2はこれを示した写真であ
る。
材料に対し、加工温度750℃、圧下率75%で、歪み
速度を0.1/s、冷却速度を10K/sとしたときの
断面SEM像を観察した。図2はこれを示した写真であ
る。
【0030】また、図3は、歪み速度を10/sとした
場合のものである。
場合のものである。
【0031】歪み速度を小さくすることで、フェライト
粒の微細化が図られていることがわかる。
粒の微細化が図られていることがわかる。
【0032】また、図4は、同様にして製造した微細組
織鋼のフェライト組織について、フェライト粒径dとビ
ッカース硬さ(Hv)との関係を示したものであるホー
ルペッチ型の直線関係が認められる。図中の温度は加工
温度を示す。
織鋼のフェライト組織について、フェライト粒径dとビ
ッカース硬さ(Hv)との関係を示したものであるホー
ルペッチ型の直線関係が認められる。図中の温度は加工
温度を示す。
【0033】平均粒径2.3μmのフェライト粒径のも
ののビッカース硬さは203であり、TS=3.435
Hvの関係式によると、引張強さでは約700MPaに
相当する。参考のために、微小な引張試験片(平行部長
さ3.5mm×幅2mm×厚さ0.5mm)を作製し、
クロスヘッド速度0.13mm/minで引張試験を行
ったところ、引張強さ675MPaが得られた。
ののビッカース硬さは203であり、TS=3.435
Hvの関係式によると、引張強さでは約700MPaに
相当する。参考のために、微小な引張試験片(平行部長
さ3.5mm×幅2mm×厚さ0.5mm)を作製し、
クロスヘッド速度0.13mm/minで引張試験を行
ったところ、引張強さ675MPaが得られた。
【0034】表4には、加工温度をAe3点(817
℃)を超える850℃とした場合の比較例を示してい
る。フェライト粒径はいずれの場合も5μmを超えてい
ることがわかる。
℃)を超える850℃とした場合の比較例を示してい
る。フェライト粒径はいずれの場合も5μmを超えてい
ることがわかる。
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によって、より低い変形抵抗下、より少ない圧下量
と特に遅い冷却速度で、平均粒径3μm以下のフェライ
トを母相とする超微細組織鋼を製造することのできる新
しい方法が提供される。
発明によって、より低い変形抵抗下、より少ない圧下量
と特に遅い冷却速度で、平均粒径3μm以下のフェライ
トを母相とする超微細組織鋼を製造することのできる新
しい方法が提供される。
【図1】アンビル圧縮加工と歪みについて示した要部断
面図である。
面図である。
【図2】この発明の鋼の断面を示した図面に代わるSE
M写真である。
M写真である。
【図3】比較例としての図面に代わるSEM写真であ
る。
る。
【図4】フェライト粒径とビッカース硬さとの関係を示
した図である。
した図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 長井 寿
茨城県つくば市千現1丁目2番1号 科
学技術庁金属材料技術研究所内
(56)参考文献 特開 平9−279233(JP,A)
特開2000−96137(JP,A)
特開 昭64−73019(JP,A)
特開 平11−92859(JP,A)
特開2000−104115(JP,A)
「材料とプロセス」Vol.10
(1997)No.6 (社)日本鉄鋼協会
(平成年9月5日)P1380,
「改訂5版金属便覧」丸善(株)(平
成5年10月10日)P1122
Claims (3)
- 【請求項1】 原料溶製後にAc3点以上の温度に加熱
してオーステナイト化し、次いでAe3点以下Ar3−
150℃または550℃以上の温度で、圧下率50%以
上の圧縮加工を加え、その後冷却して平均粒径3μm以
下で方位差角15°以上の大角粒界に囲まれたフェライ
トを母相とし、フェライト−フェライト粒界における前
記大角粒界の割合が80%以上の超微細組織鋼の製造方
法であって、圧縮加工時の歪み速度を0.001〜0.
1/sの範囲のものとすることを特徴とする超微細組織
鋼の製造方法。 - 【請求項2】 Ar3−100℃以上の温度で圧縮加工
を加える請求項1の超微細組織鋼の製造方法。 - 【請求項3】 加工後の冷却速度を10K/s以下とす
る請求項1または2の超微細組織鋼の製造方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24669899A JP3525180B2 (ja) | 1998-08-31 | 1999-08-31 | 超微細組織鋼の製造方法 |
TW089103117A TW477822B (en) | 1999-02-26 | 2000-02-23 | Manufacturing method for steel with ultra fine texture |
KR10-2000-0009032A KR100522418B1 (ko) | 1999-02-26 | 2000-02-24 | 초미세조직강의 제조방법 |
EP00301483A EP1031632B9 (en) | 1999-02-26 | 2000-02-24 | Production method of ultra fine grain steel |
US09/512,060 US6464807B1 (en) | 1999-02-26 | 2000-02-24 | Production method of ultra fine grain steel |
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