JP3525040B2 - 流体抵抗減少衣服素材の製造方法及び流体抵抗減少衣服素材で構成したスポ−ツ用ウェア - Google Patents
流体抵抗減少衣服素材の製造方法及び流体抵抗減少衣服素材で構成したスポ−ツ用ウェアInfo
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Description
の流体抵抗減少技術に係り、自転車競技、スケート競技
またはスキー競技等の空気との抵抗を小さくした殊にス
ピード競技用ウェア、直接的に記録に現れることはない
が滑降速度が飛距離に影響するスキージャンプ競技用ウ
ェア、或は水泳競技等の泳中における水との抵抗を小さ
くした殊に競泳用水着として好適な流体抵抗減少衣服素
材の製造方法及び流体抵抗減少衣服素材で構成したスポ
ーツ用ウェアに関する。
技等の1/100秒のスピードを競う競技は空気または
水との流体抵抗が大きく影響する。またスピードが直接
得点に現れるものではないが、スキージャンプ競技は滑
降速度が飛距離に影響する。水着においては特にその流
体抵抗が大きいため、水との流体抵抗の大小によって記
録に大きな違いが生じることが判っている。
その形態の改良による抵抗力の軽減と共に材質表面の状
態の研究も行われており、材質の技術では一般にできる
限り滑らかな表面にすることによって水との流体抵抗を
小さくしようとしている。
気等の流体がウェアの表面を移動すると、その表面で粘
性抵抗が発生すると同時に後方でカルマン渦が発生して
該移動体を吸引するため、推力と逆向きの力が生じるこ
とが解明され、近年、流体をウェアの表面で剥離させる
ことによって粘性抵抗の減少及びカルマン渦の解消を図
ろうとする試みがなされてきた。
なされたものであり、表面を移動する流体を該表面から
剥離する作用に優れた流体抵抗減少衣服素材の製造方法
を提唱すると共に、該流体抵抗減少衣服素材で構成した
スポーツ用ウェアを提供することを目的とするものであ
る。
の製造方法は、布帛の表面を流動する流体を布帛の表面
で剥離させることにより流体抵抗を減少するようにした
衣服素材を製造する方法であって、編成または織成した
伸縮性を有する布帛の布帛組織の表面側繊維の表層面
に、合成樹脂プリントを点状に施してなるプリント域を
適宜面積をもって水玉模様状に配置し、前記布帛が伸展
したとき、該プリント域とプリント域以外の部位の布帛
部分との伸縮性についての物性値の差により、プリント
域の面が凹陥化する構造とすることを特徴とし、凹陥化
した前記プリント域の面により布帛の表面を流動する流
体を剥離させるものである。
ント域は、布帛の長手方向に対して市松格子状に縦列す
るように配置するか、または布帛の長手方向に対して千
鳥格子状に斜列するように配置して実施することができ
る。
で構成したスポーツ用ウエアは、ウエアを構成する少な
くとも最表面側の衣服素材であって、少なくともその一
部を、編成または織成した伸縮性を有する布帛の布帛組
織の表面側繊維の表層面に、合成樹脂プリントを点状に
施してなるプリント域を適宜面積をもって水玉模様状に
配置し、前記布帛が伸展したとき、該プリント域とプリ
ント域以外の部位の布帛部分との伸縮性についての物性
値の差により、プリント域の面が凹陥化する構造とした
衣服素材によって構成し、凹陥化した前記プリント域の
面によりウエアの表面を流動する流体を剥離して流体抵
抗を減少させることを特徴とするものである。
ント域は、着用使用時に流体が流れる方向に対して市松
格子状に縦列するように配置するか、または着用使用時
に流体が流れる方向に対して千鳥格子状に斜列するよう
に配置することによって実施することができる。
ト域からなる凹陥部を規則的にまたは不規則的に配列形
成することによってウェアを構成する布帛の表面を流れ
る水や空気の流体を、該布帛表面から剥離させる構造と
するものであり、その構造を布帛を構成する素材の物性
の差異によって達成したものである。
表面側に位置して、伸縮性を有する合成樹脂プリントを
適宜面積をもって水玉模様状に配置したプリント域に施
すことによって実施することができる。即ち、布帛の表
面側繊維の表層面に合成樹脂プリントを施して、該合成
樹脂プリントの各水玉模様状プリント域が布帛素材との
伸縮性において、物性値の差によって凹陥化した構造に
なる。
リント域の表面が「ディンプル」を形成することになっ
て、この凹陥化した合成樹脂プリントの各水玉模様状プ
リント域の面が布帛表面またはこの布帛素材で構成した
スポーツウェアの表面を流動する流体の剥離作用をなす
ものである。
プリント域は、使用するスポーツウェアの競技によっ
て、布帛の長手方向に対して市松格子状に縦列するよう
に配置するか、または布帛の長手方向に対して千鳥格子
状に斜列するように配置して実施することができるもの
であり、必要であれば該水玉模様状プリント域をランダ
ムに配置したり、別の模様状に配置することもできる。
た部分が各水玉模様状プリント域の組織の山部分にのみ
被着して布帛面に点状に転写した構造になっているた
め、生地の水抜け作用を維持することができる。
ーツ用ウェアは、ウェアを構成する少なくとも最表面側
の衣服素材であって、少なくともその一部を該流体抵抗
減少衣服素材によって構成することによって実施するも
のである。従って、スキージャンプ競技用ウェアでは積
層した最表面側の布帛に使用し、競泳用水着では胸部及
び臀部の対向傾斜部位等に部分的に使用することもでき
る。
衣服素材の製造方法を図1乃至図3に従って更に詳しく
説明する。図1は製造方法を工程順に説明するものであ
り、符号1は布帛である。該布帛1は、天然繊維または
合成繊維等、スポーツ用ウェアに使用する素材で編成ま
たは織成され、適当な伸縮性をもった布帛素材であり、
編成または織成による厚さT1を有している。
る水玉模様状プリント域3,3…に被設した合成樹脂プ
リントであり、該合成樹脂プリント2は、各水玉模様状
プリント域3の布帛の表面側繊維の最表層山部に点状に
施される。各水玉模様状プリント域3に施される合成樹
脂プリント2,2…は、転写シート4に極薄い厚さT2
(T1>>T2)の水玉状伸縮性合成樹脂シート片2
a,2a…を載せたものであり、布帛1の表面側から加
熱接触することによって布帛に転写する(図1(b)参
照)ことができる。
ニル、合成ゴム、ポリウレタン、またはシリコン等の伸
縮性を有する樹脂で、水玉状伸縮性合成樹脂シート片2
a、2a、--は、布帛1の最外層側の編み地または織り
地の山部にのみ貼着して、山部に合成樹脂プリント2が
点状に施され、合成樹脂プリント2を点状に施してなる
プリント域3が水玉模様状に配置される。従って布帛1
を伸展すると、水玉模様状に配置したプリント域3とプ
リント域3以外の布帛1の部分との伸縮性に係る物性値
の差によって、プリント域3の面が凹陥化5し、「ディ
ンプル」を形成する(図2参照)。
ィンプル状に凹陥化した水玉模様状プリント域3は、図
3に示すように、布帛の長手方向に対して市松格子状
(図3(a)参照)に縦列するように配置したり、また
は布帛の長手方向に対して千鳥格子状(図3(b)参
照)に斜列するように配置する。
は、必要に応じてランダム状に配置(図示せず)した
り、図柄や文字等の意味をもった模様状(図3(c)参
照)に配置することもできる。
減少衣服素材の製造方法によって製造した流体抵抗減少
衣服素材をもって構成するスポーツ用ウェアの例を図面
に従って説明する。
ものであり、図4(a)は、水着を構成する全体の布帛
素材を、布帛1に合成樹脂プリント2,2…による水玉
模様状プリント域3,3…を配設した流体抵抗減少衣服
素材Aとした構造を示す。また図4(b)は、流体抵抗
減少衣服素材Aを水着の胸部パーツに限って採用した構
造を示す。
に使用するジャンプウェアの積層布帛に流体抵抗減少衣
服素材Aを実施する例を示すものである。最表面側層
に、合成樹脂プリント2,2…による水玉模様状プリン
ト域3,3…を全面に配設した流体抵抗減少衣服素材A
を使用し、順次ポリウレタン通気外層6、通気量調整多
孔性シート層7、ポリウレタン通気内層8、裏地層9を
層設一体化している。
用ウェアの実施例を示すもので、本実施例では、ウェア
の全体を使用時における流体の向きに対応した合成樹脂
プリント2,2…による水玉模様状プリント域3,3…
の配列となる(市松格子状模様または千鳥格子状模様)
ように流体抵抗減少衣服素材Aのパーツを裁断し、また
ウェアと一体になるフード部10にも流体抵抗減少衣服
素材Aを採用している。
減少衣服素材の製造方法及び流体抵抗減少衣服素材で構
成したスポーツ用ウェアによれば、編成または織成した
伸縮性を有する布帛の表面側に位置して、伸縮性を有す
る合成樹脂プリントを適宜面積をもって水玉模様状に配
置したプリント域に、該布帛組織の表面側繊維の表層面
に施し、前記合成樹脂プリントの各水玉模様状プリント
域の面が他の部位の布帛素材との伸縮性との物性値の差
によって布帛を伸展した際凹陥化した「ディンプル」構
造となることを利用したものである。
各水玉模様状プリント域の面により布帛表面を流動する
流体の剥離作用をなす流体抵抗減少衣服素材を使用した
スポーツ用ウェアを簡単に製造することができるだけで
なく、また水玉模様状プリント域の配置を変えたり、衣
服素材の向きを変えることによって各種流体抵抗が問題
となるスポーツに適応させることができる等の特徴を有
するものであり、本発明の実施によって得られる効果は
極めて大きい。
を示すもので、(a)は布帛と合成樹脂プリントの対置
した状態、(b)は熱圧着した状態、(c)は熱圧着後
の状態を示す説明図である。
であり、(a)は平常時、(b)は伸展時の状態を表
す。
少衣服素材の正面図であり、(a)は市松格子模様状、
(b)は千鳥格子模様状、(c)は他の模様状の配置を
示すものである。
少衣服素材で構成したスポーツ用ウェアの実施例を示す
それぞれ女子競泳用水着の正面図である。
要部拡大断面図である。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 布帛の表面を流動する流体を布帛の表面
で剥離させることにより流体抵抗を減少するようにした
衣服素材を製造する方法であって、編成または織成した
伸縮性を有する布帛の布帛組織の表面側繊維の表層面
に、合成樹脂プリントを点状に施してなるプリント域を
適宜面積をもって水玉模様状に配置し、前記布帛が伸展
したとき、該プリント域とプリント域以外の部位の布帛
部分との伸縮性についての物性値の差により、プリント
域の面が凹陥化する構造とすることを特徴とし、凹陥化
した前記プリント域の面により布帛の表面を流動する流
体を剥離させる流体抵抗減少衣服素材の製造方法。 - 【請求項2】 前記合成樹脂プリントを点状に施してな
るプリント域を、布帛の長手方向に対して市松格子状に
縦列するように配置してなることを特徴とする請求項1
記載の流体抵抗減少衣服素材の製造方法。 - 【請求項3】 前記合成樹脂プリントを点状に施してな
るプリント域を、布帛の長手方向に対して千鳥格子状に
斜列するように配置してなることを特徴とする請求項1
記載の流体抵抗減少衣服素材の製造方法。 - 【請求項4】 ウエアを構成する少なくとも最表面側の
衣服素材であって、少なくともその一部を、編成または
織成した伸縮性を有する布帛の布帛組織の表面側繊維の
表層面に、合成樹脂プリントを点状に施してなるプリン
ト域を適宜面積をもって水玉模様状に配置し、前記布帛
が伸展したとき、該プリント域とプリント域以外の部位
の布帛部分との伸縮性についての物性値の差により、プ
リント域の面が凹陥化する構造とした衣服素材によって
構成し、凹陥化した前記プリント域の面によりウエアの
表面を流動する流体を剥離して流体抵抗を減少させるこ
とを特徴とする流体抵抗減少衣服素材で構成したスポー
ツ用ウエア。 - 【請求項5】 前記合成樹脂プリントを点状に施してな
るプリント域を、着用使用時に流体が流れる方向に対し
て市松格子状に縦列するように配置してなることを特徴
とする請求項4記載の流体抵抗減少衣服素材で構成した
スポーツ用ウエア。 - 【請求項6】 前記合成樹脂プリントを点状に施してな
るプリント域を、着用使用時に流体が流れる方向に対し
て千鳥格子状に縦列するように配置してなることを特徴
とする請求項4記載の流体抵抗減少衣服素材で構成した
スポーツ用ウエア。
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- 1997-10-02 JP JP28603997A patent/JP3525040B2/ja not_active Expired - Fee Related
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