JP3524583B2 - エレクトロクロミック表示素子 - Google Patents

エレクトロクロミック表示素子

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JP3524583B2
JP3524583B2 JP14506694A JP14506694A JP3524583B2 JP 3524583 B2 JP3524583 B2 JP 3524583B2 JP 14506694 A JP14506694 A JP 14506694A JP 14506694 A JP14506694 A JP 14506694A JP 3524583 B2 JP3524583 B2 JP 3524583B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は安定性が良く、信頼性が
高く、着色速度の大きいエレクトロクロミック表示素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロクロミック現象を利用
した表示素子の開発が行われている。該表示素子は、通
常透明電極と対向電極との間に発色材料と電解質とを挟
持し、電流を流すことにより発色材料が着色し、一旦着
色すれば電源を切った後も消色することはなく、電流を
逆方向に流すことにより消色するコントラストに優れた
素子である。すなわち、着色および消色時以外には電力
を要せず、液晶表示素子に比べて、制御が容易であり、
また視野角の依存性がなく、かつメモリー性があるとい
う利点を持っている。
【0003】エレクトロクロミック現象を利用し、電解
質として有機非水溶媒を使用した表示素子については種
々の提案がなされているが、そのいずれもが室温で液体
であるため、破損時に液漏れするという不安があり、強
く改善が望まれている。また従来の素子は着色効率、お
よび耐久性についても不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、印加
電圧が比較的低くても発色効率が高く、従って発色−消
色サイクルの寿命に優れ、また破損時に液漏れ等が生じ
ないエレクトロクロミック表示素子を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、エレク
トロクロミック発色層をもつ電極、および該電極間に存
在する電解質を基本構成単位とする透過型のエレクトロ
クロミック表示素子において、前記対向電極が透明導電
基板の上に、高さを500μmとして測定した際に1フ
ァラッド/g以上の電気容量を持つか、または0.2 V
の電圧を印可した際に1クーロン/g以上の電荷量を蓄
えることができる微粒子をドット状に分散して配置した
電極であり、該ドットの高さが10〜500μm、ドッ
トの外径が1〜10000μm、ドットの被覆率が5〜
50%であり、前記電解質が高分子固体電解質であるこ
とを特徴とする透過型のエレクトロクロミック表示素子
が提供される。また本発明によれば、エレクトロクロミ
ック発色層をもつ電極、および該電極間に存在する電解
質を基本構成単位とする透過型のエレクトロクロミック
表示素子において、前記対向電極が透明導電基板の上
に、高さを500μmとして測定した際に1ファラッド
/g以上の電気容量を持つか、または0.2 V の電圧を
印可した際に1クーロン/g以上の電荷量を蓄えること
ができる微粒子をストライプ状又は網目状に配置した電
極であり、該ストライプ状又は網目状を形成する線の厚
さが5μm〜0.5mm、線幅が50μm〜5mm、線
間隔が0.5mm〜5cmであり、前記電解質が高分子
固体電解質であることを特徴とする透過型のエレクトロ
クロミック表示素子が提供される。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
エレクトロクロミック表示素子は、前述のとおり、エレ
クトロクロミック発色層をもつ電極、対向電極、および
該電極間に存在する電解質を基本構成単位とする。
【0007】本発明において用いるエレクトロクロミッ
ク発色層をもつ電極は、非透光性、透光性のいずれも用
いることができるが、実質的に透光性を有するものが望
ましい。該電極は通常、基板および導電膜(層)、また
は非透光性導電基板、およびエレクトロクロミック発色
層から実質的になる。
【0008】前記基板は、非透明性、透明性のいずれも
用いることができるが、透明性のものが望ましく、また
平滑性を有しているものが好ましい。かかる基板として
は、材質、厚さ、寸法、形状等について目的に応じて適
宜選択することができる。材質としては具体的には例え
ば、ポリエステル、ポリスルホン、トリ酢酸セルロー
ス、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスチレン、ポ
リメチルペンテン等のプラスチックフィルム、ガラス等
が挙げられる。また前記非透光性導電基板としてはアル
ミニウム膜、ステンレス膜、銅膜等を挙げることができ
る。
【0009】導電膜(層)は、非透明性、透明性のいず
れも用いることができるが、透明性のものが望ましく、
具体的にはIn23:Sn、SnO2:F、ZnO:A
l等が挙げられる。これらは真空蒸着法、電子ビーム真
空蒸着法、スパッタリング法等公知の方法で基板上に成
膜することができる。
【0010】また、エレクトロクロミック発色層として
は、WO3、MoO3、V25、Nb23、TiO2等の
還元発色型材料や、NiO、Cr23、MnO2、Co
O等の酸化発色型材料等が好適であり、これらは真空蒸
着法、電子ビーム真空蒸着法、スパッタリング法等公知
の方法で成膜することができる。なお、膜厚は、特に限
定されないが、通常100〜20,000オングストロ
ーム、200〜10,000オングストロームが望まし
い。
【0011】本発明において用いる対向電極としては、
透明導電基板の上に1ファラッド/g以上の電気容量を
持つか、または1クーロン/g以上の電荷量を蓄えるこ
とができる微粒子が配置された電極である。透明導電基
板としては、透明基板、導電膜(層)から実質的になる
基板を用いることができる。
【0012】前記透明基板は、実質的に透明であるもの
である限り、特に限定されないが、平滑性を有している
ものが好ましい。かかる基板としては、材質、厚さ、寸
法、形状等について目的に応じて適宜選択することがで
きる。材質としては具体的に例えば、ポリエステル、ポ
リスルホン、トリ酢酸セルロース、ポリカーボネート、
ポリイミド、ポリスチレン、ポリメチルペンテン等のプ
ラスチックフィルム、ガラス等が挙げられる。また前記
導電膜(層)は、実質的に透明性を有するものである限
り特に限定されないが、具体的にはIn23:Sn、S
nO2:F、ZnO:Al等が挙げられる。これらは真
空蒸着法、電子ビーム真空蒸着法、スパッタリング法等
公知の方法で透明基板上に成膜することができる。
【0013】前記透明導電基板上に配置される微粒子と
しては、1ファラッド/g以上、好ましくは3ファラッ
ド/g以上の電気容量を有するか、または1クーロン/
g以上、好ましくは3クーロン/g以上の電荷量を蓄え
る少なくともいずれかの特性を有するものである。な
お、電気容量や電荷量の上限は特に限定されないが、通
常、電気容量は200ファラッド/g以下、電荷量は2
00クーロン/g以下である。さらに、係る微粒子とし
ては通常10~8S・cm~1以上、好ましくは10~3S・
cm~1以上、さらに好ましくは10~2S・cm~1以上の
導電性を示す物質であることが望ましい。微粒子の大き
さとしては、特に限定されないが、通常0.1μm〜1
00μm、好ましくは1μm〜70μmが望ましい。
【0014】このような、微粒子(以下特定微粒子とい
う)を構成する材料物質としては、前記特性を満たすも
のであれば特に限定されないが、有機系電解質中、好ま
しくは高分子固体電解質(後述)中で充放電可能なもの
が望ましく、具体的には多孔質カーボン、インターカレ
ーション材料、導電性高分子またはこれらの混合物等が
挙げられる。さらに具体的には、1ファラッド/g以上
の電気容量を有する材料としては、例えば表面積が10
2/g以上、好ましくは50〜5000m2/g、特に
好ましくは300〜4000m2/gである多孔質カー
ボン等が挙げられ、特に活性炭等を好適なものとして挙
げることができる。表面積が10m2/g未満の場合に
は、表示素子に使用した場合に、印加電圧1V以下にお
ける発色効率が十分でない場合がある。このような活性
炭は、例えばやしがら、石油ピッチ、フェノール樹脂レ
ーヨン、フェノール繊維、ポリアクリロニトリル繊維等
を炭化賦活処理することにより得ることができる。
【0015】1クーロン/g以上の電荷量を蓄えられる
ものは、印加電圧3V以内で該電荷量を蓄えることがで
きるものが好ましく、例えば、インターカレーション材
料、導電性高分子等が挙げられる。インターカレーショ
ンとしては、公知のTiS2、MoS2等の2硫化物、C
oO2、NiO2等の2酸化物、W1840,W2050
のエレクトロクロミック酸化物等を挙げることができ
る。また、前記導電性高分子としては、ポリアニリン、
ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレ
ン、ポリアセン等を主成分とし、ドーピング等を行なっ
て得られる導電性高分子等を挙げることができる。
【0016】また特定微粒子には、粒子間の導電性を向
上させるためにグラファイト、アセチレンブラック等の
導電性物質を混合することも好ましく行うことができ
る。前記特定微粒子と導電性物質との混合割合は、重量
比で通常100:0〜10:90、好ましくは97:3
〜15:85、特に好ましくは90:10〜20:80
である。また微粒子同志を結着させるために有機バイン
ダー等も好ましく使用される。該バインダーとしては、
硬化後に電解質に対して不活性で電解しないものであれ
ば特に限定されず、例えば後述するような高分子固体電
解質、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、テ
フロン、ポリスチロール、カルボキシメチルセルロース
又はこれらの混合物等が挙げられる。これらバインダー
を使用する場合の配合量は、前記特定微粒子/バインダ
ー(重量比)で、通常10/90〜90/10、好まし
くは20/80〜80/20の範囲が望ましい。
【0017】本発明において用いる対向電極は、前記特
定微粒子が前記透明導電基板上にドット状(不連続に点
在)、網目状、ストライプ状に配置される。また、配置
された特定微粒子部分の線の厚さは、5μm〜0.5m
mであり、微粒子の配置された部分と配置されない部分
との面積比(被覆割合)は、通常1:99〜80:2
0、好ましくは3:97〜70:30程度が望ましい。
【0018】本発明においては対向電極をシースルーに
する場合、特定微粒子をドット状、ストライプ状、また
は網目状に配置する。ドットの形状は特に限定はされな
いが、通常円柱、円錐、四角柱、四角錐等である。その
大きさ(外径、高さ)、およびドットの被覆率((ドッ
トの面積の和/電極面積)×100))は消色時の視覚
的快適性、美装性、および着色時の視覚的快適性、着色
度合いを勘案して総合的に決定することができるが、通
常ドットの外径は1〜10000μm、さらに好ましく
は10〜1000μmであり、ドットの高さは10〜5
00μmであり、ドットの被覆率は5〜50%である
ドットは通常、各々独立しており不連続であるが、消色
時の視覚的快適性、美装性が許される範囲内であれば、
各々が充放電可能な微粒子、導電性物質、およびバイン
ダー等からなる細線で連結されることも好ましく行われ
る。このときの細線の外径はドットの外径未満であれば
特に限定はされない。
【0019】前記ストライプの形状、網目の形状も特に
限定されず、通常直線、曲線を使用した種々の形状が可
能である。線の太さ、網目の大きさは、導電性物質の種
類、発色剤の容量、使用目的、表示素子の品位等に応じ
て適宜選択でき、線幅が50μm〜5mm、間隔は0.
5mm〜5cmである
【0020】また本発明においては、高容量の前記特定
微粒子を透明導電基板の周囲に配置した対向電極を使用
する場合、該特定微粒子を配置した素子外周部分を、不
透明な物質で覆うことによって実質的にドット、ストラ
イプ、または網目の形状が視角に入らない表示素子を作
製することも可能である。
【0021】前記対向電極を作製する方法は特に限定さ
れず、一般的には、例えば特定微粒子、前記導電性物質
およびバインダーを混合してペースト状とし、透明導電
性基板表面にスクリーン印刷、平板印刷、グラビア印
刷、凹版印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、特殊印刷する
方法、透明基板の表面に予め溝を形成しておき、該溝に
特定微粒子、導電性物質およびバインダーを混合したペ
ーストを充填し、へら等で余剰なペーストを除去する方
法等により製造することができる。
【0022】本発明におけるエレクトロクロミック表示
素子は必要に応じて不透明な背景板を両電極間または素
子の外側に配置し、非透過型(反射型)にすることも好
ましく行われる。素子内に配置する背景板としては、ポ
リオレフィン系多孔質フィルム、ポリオレフィン系不織
布、アルミナ、チタニア等を挙げることができる。
【0023】本発明に用いる高分子固体電解質として
は、特に限定されないが、イオン伝導度が室温で10 ̄
S/cm以上のものが応答性の面から望ましい。該高
分子固体電解質としては、ポリオキシアルキレン鎖を有
する重合性モノマーをアルカリ金属塩または4級アンモ
ニウム塩存在下に重合して得られるもの、ポリオキシア
ルキレン鎖を有する重合性モノマーを、プロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、スルホラン、γ−ブ
チロラクトン、ジメチルフォルムアマイド、ジメチルス
ルフォキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン
等の有機溶媒およびこれらの混合物(重合性モノマーと
非水溶媒との混合比は特に限定されないが、通常重合性
モノマー100重量部に対して、非水溶媒が10〜10
00重量部、好ましくは200〜700重量部)に、ア
ルカリ金属塩、4級アンモニウム塩存在下に重合して得
られるもの等を挙げることができ、係る重合の形態は特
に限定されないが、ラジカル重合開始剤や光重合開始剤
等を用いた熱や光重合等が挙げられる。
【0024】前記ポリオキシアルキレン鎖を有する重合
性モノマーとしては、アクリロイル基をもつもの、ビニ
ル基をもつもの等をあげることができる。具体的には、
メトキシトリエチレングリコールモノアクリレート、メ
トキシテトラエチレングリコールモノアクリレート、メ
トキシポリエチレングリコールモノアクリレート、エト
キシトリエチレングリコールモノアクリレート、エトキ
シテトラエチレングリコールモノアクリレート、エトキ
シポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシ
トリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシ
テトラエチレングリコールモノメタクリレート、メトキ
シポリエチレングリコールモノメタクリレート、エトキ
シトリエチレングリコールモノメタクリレート、エトキ
シテトラエチレングリコールモノメタクリレート、エト
キシポリエチレングリコールモノメタクリレート等の1
官能性モノマー;トリエチレングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト等の2官能性モノマー;ポリエチレングリコールシン
ナメート、トリエチレングリコールトリメチルプロパン
トリアクリレート、トリエチレングリコールトリメチル
プロパントリメタクリレート又はこれらの混合物等を挙
げることができる。またこれらの化合物のうち、エチレ
ングリコール構造をプロピレングリコール構造に変えた
ものも使用可能である。
【0025】前記アルカリ金属塩としては、過塩素酸リ
チウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、テト
ラフルオロホウ酸リチウム、テトラフルオロホウ酸ナト
リウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、ヘキサフルオ
ロリン酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、
ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸リ
チウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等を挙
げることができる。
【0026】前記4級アンモニウム塩としては、過塩素
酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトライソプロ
ピルアンモニウム、過塩素酸テトラn−ブチルアンモニ
ウム等の過塩素酸の4級アンモニウム塩;テトラフルオ
ロホウ酸テトラエチルアンモニウム、テトラフルオロホ
ウ酸テトラn−ブチルアンモニウム、ヘキサフルオロリ
ン酸テトラエチルアンモニウム、ヘキサフルオロリン酸
テトラn−ブチルアンモニウム等のテトラフルオロホウ
酸またはヘキサフルオロリン酸の4級アンモニウム塩;
トリフルオロメタンスルホン酸テトラn−ブチルアンモ
ニウム等のトリフルオロメタンスルホン酸の4級アンモ
ニウム塩等が例示される。
【0027】アルカリ金属塩や4級アンモニウム塩の含
有量は、特に限定されないが、通常得られる高分子固体
電解質において0.5〜30重量%、好ましくは1〜2
0重量%が望ましい。
【0028】本発明のエレクトロクロミック表示素子の
製造方法は、特に限定されないが、1例を示すと、対向
電極とエレクトロクロミック発色層をもつ電極とを、周
辺部にスペーサーを配置してできる間隙に、電解質用の
前記各成分および重合開始剤を充填し、シール材で封止
した後、光または熱により硬化させる方法等により製造
される。
【0029】本発明においては、高容量の前記特定微粒
子を、透明導電基板の周囲に配置した対向電極を使用し
て得られた素子の外周を不透明な物質で覆うことによ
り、実質的にドット、ストライプ、または網目の形状が
視角に入らない表示素子を作製することも可能である。
【0030】本発明の表示方法は特に限定されないが、
通常両電極間に0.2〜3Vの電圧、好ましくは0.3
〜2Vの範囲の電圧を印加することにより表示すること
ができる。
【0031】本発明の表示素子は、透過型表示であり
視野角の依存性がない、メモリー性がある、等の特徴を
生かした用途に応用できる。具体的には、一般的な表示
素子のほかに、高圧電線の漏電探知機、複写機における
コメント挿入機構、光学機器における各種表示、透明ガ
ラスでの表示等に応用される。
【0032】本発明のエレクトロクロミック表示素子の
断面図の代表的な例を図1を参照して説明する。図1に
おいて、1は透明基板であって、該透明基板1の上に透
明導電膜2及び対向電極のドット3が形成されている。
他方7は透明基板1の対向面側に設けられた透明基板で
あって、該透明基板7の下には透明導電膜6及び目的と
する表示パターンを有する還元発色型(または酸化発色
型)エレクトロクロミック膜5が順次形成されている。
両者を対向させた間隙には高分子固体電解質4が充填さ
れており、その周辺がシール材8で密封されている。も
ちろん、本発明はこのような例に限定されるものではな
い。
【0033】
【発明の効果】本発明の表示素子は、電気化学的に大容
量を有する特定微粒子を配置させた対向電極を使用し、
電解質として高分子固体電解質を用いているので、印加
電圧が比較的低くても発色効率が高く、その結果として
発色−消色サイクルの寿命に優れた表示素子を得ること
ができ、工業的に極めて有用である。
【0034】また本発明の表示素子は、実質的に透光性
(いわゆるシースルー)の素子とすることも可能であ
り、着消色のコントラストが大きく、且つ液漏れが生じ
ない。
【0035】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0036】
【実施例1】 対向電極の作製 活性炭粉末(商品名「YP−17」:クラレ社製、表面
積1500m2/g、電気容量48ファラッド/g)8
g、グラファイト(商品名「USSP」:日本黒鉛商事
社製)4g、アクリル系熱硬化性樹脂(商品名「S−4
030」:東亜合成化学社製)10g、メラミン樹脂
(商品名「MX−470」:三和ケミカル社製)2.2
g、ブチルセロソルブ24gを混合し活性炭ペーストを
調製した。上記活性炭ペーストを直径150μm、高さ
50μmの円柱状の孔が全面積の15%になるように均
一に配置されたスクリーンを使用し、10cm×10c
mのITOガラス(ガラス上にIn23、SnO2を蒸
着した透明導電性ガラス)上に印刷した。次いで165
℃で0.5時間熱硬化させ、対向電極を作製した。
【0037】エレクトロクロミック表示電極の作製 10cm×10cmのITOガラス上に、ステンレス製
の表示マスクを置き室温において20〜30オングスト
ローム/秒の条件下、厚さ約5000オングストローム
となるように、WO3を蒸着し、エレクトロクロミック
表示電極を作製した。
【0038】透過型表示素子の作製 前記エレクトロクロミック表示電極と前記対向電極を相
対向せしめ、周辺をエポキシ樹脂で5mm幅でシール
し、内部に、メトキシポリエチレングリコール(商品名
「M−40G」:新中村化学社製)2ml、LiClO
4のプロピレンカーボネート溶液(1M/リットル)6
ml、ラジカル開始剤(商品名「ナイパーDMT」:日
本油脂社製)40μlからなる混合液を所定量真空注入
して注入口をエポキシ樹脂で封止したのち、60℃で8
時間反応させ硬化させた。ついでエレクトロクロミック
表示電極および対向電極の各々にリード線を接続して透
過型表示調光素子とした。高分子固体電解質を使用する
ことにより素子の大型化を容易に行うことができた。次
いで得られた調光素子の性能評価を下記の各試験に基づ
いて評価した。
【0039】着色試験 次に、エレクトロクロミック表示電極側が負極、対向電
極側が正極となるように、1.5Vの電圧を30秒間印
加したところ、表示部は青色に均一に着色し、着色時の
光学密度は0.8であった。
【0040】サイクル試験 1.5Vで30秒間着色させ、−1.0Vで30秒間消
色させることを繰り返し100000回行ったが、着色
の消え残り、応答性の低下、光学密度差の低下等はみら
れず、きわめて安定したサイクル特性であった。
【0041】
【比較例1】実施例1において対向電極にドット状の活
性炭電極を設けなかった以外は実施例1と同様の操作で
表示素子を作製し、実施例1と同条件で表示素子を駆動
させたところ、着色時と消色時の光学密度差は、0.2
1であり発色効率は悪かった。またサイクル評価を行っ
たところ、3000回で素子に亀裂が生じ、駆動が不可
能になった。
【0042】
【実施例2】 対向電極の作製 実施例1で調製した活性炭ペーストを2cm×5cmの
ITOガラスの周辺に幅1mm、高さ50μmの線状に
配置し、次いで165℃で0.5時間熱硬化させ、対向
電極を作製した。
【0043】エレクトロクロミック表示電極の作製 2cm×5cmのITOガラス上に、ステンレス製の表
示マスクを置き、室温において20〜30オングストロ
ーム/秒の条件下、厚さ約5000オングストロームと
なるようにWO3を蒸着し、エレクトロクロミック表示
電極を作製した。
【0044】透過型表示素子の作製 前記エレクトロクロミック表示電極と前記対向電極を相
対向せしめ、周辺をエポキシ樹脂で5mm幅でシール
し、内部に、メトキシポリエチレングリコール(商品名
「M−40G」:新中村化学社製)2ml、LiClO
4のプロピレンカーボネート溶液(1M/リットル)6
ml、ラジカル開始剤(商品名「ナイパーDMT」:日
本油脂社製)40μlからなる混合液を所定量真空注入
して注入口をエポキシ樹脂で封止した後、60℃で8時
間反応させ硬化させた。次いでエレクトロクロミック電
極および対向電極の各々にリード線を接続し、周囲の活
性炭部をアルミ箔で覆い、実質的に活性炭部を視野から
はずして表示素子とした。次いで得られた表示素子の性
能評価を下記各試験に基づいて評価した。
【0045】着色試験 エレクトロクロミック電極側が負極、対向電極側が正極
となるように1.5Vの電圧を30秒間印加したとこ
ろ、青色に均一に着色し、着色時の光学密度は0.95
であった。
【0046】サイクル試験 1.5Vで30秒間着色させ、−1.0Vで30秒間消
色させることを繰り返し100000回行ったが、着色
の消え残り、応答性の低下、光学密度差の低下等はみら
れず、きわめて安定したサイクル特性であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の表示素子を一般的に説明する
ための一例を示す表示素子の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清家 哲也 神奈川県横浜市港南区港南2−24−31 (72)発明者 永井 順一 神奈川県横浜市保土ケ谷区上星川569− 9 (56)参考文献 特開 平6−102540(JP,A) 特開 昭64−82514(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/155

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレクトロクロミック発色層をもつ電
    極、および該電極間に存在する電解質を基本構成単位と
    する透過型のエレクトロクロミック表示素子において、 前記対向電極が透明導電基板の上に、高さを500μm
    として測定した際に1ファラッド/g以上の電気容量を
    持つか、または0.2 V の電圧を印可した際に1クーロ
    ン/g以上の電荷量を蓄えることができる微粒子をドッ
    ト状に分散して配置した電極であり、該ドットの高さが
    10〜500μm、ドットの外径が1〜10000μ
    m、ドットの被覆率が5〜50%であり、前記電解質が
    高分子固体電解質であることを特徴とする透過型のエレ
    クトロクロミック表示素子。
  2. 【請求項2】 エレクトロクロミック発色層をもつ電
    極、および該電極間に存在する電解質を基本構成単位と
    する透過型のエレクトロクロミック表示素子において、 前記対向電極が透明導電基板の上に、高さを500μm
    として測定した際に1ファラッド/g以上の電気容量を
    持つか、または0.2 V の電圧を印可した際に1クーロ
    ン/g以上の電荷量を蓄えることができる微粒子をスト
    ライプ状又は網目状に配置した電極であり、該ストライ
    プ状又は網目状を形成する線の厚さが5μm〜0.5m
    m、線幅が50μm〜5mm、線間隔が0.5mm〜5
    cmであり、前記電解質が高分子固体電解質であること
    を特徴とする透過型のエレクトロクロミック表示素子。
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