JP3523918B2 - トンネルの型枠継手 - Google Patents

トンネルの型枠継手

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JP3523918B2 JP29068494A JP29068494A JP3523918B2 JP 3523918 B2 JP3523918 B2 JP 3523918B2 JP 29068494 A JP29068494 A JP 29068494A JP 29068494 A JP29068494 A JP 29068494A JP 3523918 B2 JP3523918 B2 JP 3523918B2
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田 威 美 松
藤 雅 春 斎
葉 敬 介 千
岡 茂 松
藤 芳 夫 近
信 治 楠
田 稔 吉
樹 弘 三
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は簡単な構成で安価に製作
できるとともに、トンネルの軸方向に隣接する型枠ピー
スを迅速かつ強固に接続できる十分な強度を備えたトン
ネルの型枠継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばシールド工法によってトン
ネルを築造する場合、一般にいわゆるセグメント工法か
直打ちライニング工法の何れかが採用される。このう
ち、セグメント工法は、例えば特開平3ー132600
号公報のように、シールド機でトンネルを掘削し、シー
ルドのテール部に継手金物とボルトナットとを用いて、
複数のセグメントピースを筒状に組み立て、該セグメン
トをトンネルの覆工体として構築するとともに、シール
ド機を前進させて、セグメントを延設するようにしてい
る。
【0003】また、直打ちライニング工法は、シールド
機でトンネルを掘削し、該シールドのテール部に型枠を
組み立て、該枠と地山との間にコンクリートを加圧して
直打ちし、該コンクリートが所定強度に達したところ
で、型枠を解体し、上記コンクリートをトンネルの覆工
体として構築するとともにシールド機を前進させて、型
枠を組み立ててコンクリートを打設するようにしてい
る。
【0004】この場合、セグメント工法によるトンネル
は、構造上、土圧や水圧等の外力によってセグメント本
体や継手部に曲げモーメントや軸圧縮力が生じ、この曲
げモーメントを継手金物間を連結するボルトに分担させ
ている。したがって、ボルトの連結部周辺に高い剛性と
強度を要求されるため、継手金物の強度強化やセグメン
トピースに多量の鉄筋を埋設する等して、セグメントが
非常に高価になるという問題があった。
【0005】また、ボルトナットによる連結作業を従来
より人手で行なっているが、その場合には多大の労力と
時間を要し、しかも締め付け力が不均一になったり緩み
が生じたりする問題もある。なお、最近ではセグメント
を組み立てるロボットが開発されているが、位置合わせ
やボルトの締結が非常に複雑で大規模になり、組み立て
スピードにも問題があって実用に供し難い。
【0006】しかも、セグメント工法は、その構造上、
シールドテール部とセグメントとの間のテールボイドの
発生を避けられず、当該空間を填充し覆工強度を強化す
るための裏込め注入が不可欠になって、工期の長期化と
工費増を助長する一方、上記注入を完全に充填すること
は困難であった。
【0007】一方、前記直打ちライニング工法は、施工
条件によっては覆工体に曲げモーメントが発生するた
め、コンクリートを鉄筋で補強する必要があり、その場
合には施工環境が複雑で施工スピードが遅くなり、工期
の長期化を助長する。この場合、無筋構造体ではトンネ
ルの用途によって、ヒビ割れの問題から二次覆工を要す
ることがあり、その場合には覆工構造としては高品質と
なるが、二次覆工は一次覆工が完了してから施工するの
で、その分工期が長くなる等の問題がある。
【0008】出願人は上述の問題を解決し、型枠と地山
との間に所定圧の覆工材を打設し、それらの間に覆工材
を高密度に充填するとともに、覆工材の打設圧により型
枠に軸圧縮力を形成し、該型枠と覆工材とで内外二重の
トンネル覆工体を構成することで、型枠の軽量化と強度
および剛性の低減を図り、型枠のコスト低減とその組み
付けの容易化を実現して、工期の短縮化と工費の低減を
図り、シールド工法やTBM工法の合理化を促すように
した、トンネルの覆工構造と覆工装置および築造方法を
開発し、これを特願平5ー351317号として既に出
願している。
【0009】上記出願において、型枠の継手作業は簡易
かつ迅速性を要請され、これに適う型枠継手として、例
えばUSP5232302号がある。上記継手は、型枠
であるセグメントの軸方向、つまりトンネルの長さ方向
側の端面に圧入孔を設け、該孔に合成樹脂製のプラグ状
のアンカーを圧入し、軸方向に隣接する一対のセグメン
トを摩擦結合するものである。上記アンカーは半径方向
に弾性変形可能に構成され、その周面に先端方向に段階
的に縮径する複数の円筒部を有し、各円筒部は周面に鋸
歯状の環状溝を有し、該溝にアンカーよりも高摩擦係数
の合成樹脂製の環状パッドを装着し、その内部に金属管
製の補強枠を埋設している。
【0010】しかし、上記アンカーは形状および構造が
複雑で部品点数が多く、製造が複雑でコスト高になると
ともに、セグメントの接続強度を環状パッドと圧入孔と
の間の摩擦力によっているため、概して結合強度が低
い、という問題があった。しかも、上記アンカーによっ
て接続するセグメントは、土圧や水圧等の外力によって
継手部に曲げモーメントや軸圧縮力が生じるトンネルの
構造上、継手部のに大きな強度を要する一方、これを合
成樹脂製とするには強度上の不安があった
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決し、簡単な構成で安価に製作できるとともに、
軸方向に隣接する型枠ピースを十分な強度で迅速かつ強
固に接続できるようにした、トンネルの型枠継手を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の発
明は、接合端面に複数の継手孔を形成し、トンネルの軸
方向に配置する型枠ピ−スと、相対する型枠ピ−スの継
手孔に挿入して、トンネルの軸方向に隣接する型枠ピ−
スを接続するとともに、周面に複数のスリットを軸方向
に沿って形成し、内部に前記スリットに連通する凹孔を
形成し、少なくとも半径方向に弾性変形可能な略円筒軸
状の継手ピンとを設けたトンネルの型枠継手において、
前記継手ピンの両端部に係合フランジを突設し、該係合
フランジに前記スリットを形成するとともに、前記継手
孔の奥部に、前記係合フランジと係合可能な係合部を設
け、係合フランジと係合部の強力な係合作用を介して、
型枠ピ−スを強固かつ確実に接続するとともに、係合フ
ランジの円滑な圧入を図るようにしている。請求項2の
発明は、前記継手ピンの両端部の係合フランジの内側に
小径軸部を形成し、該小径軸部の間に大径軸部を形成
し、該大径軸部と前記係合フランジとを略同径に形成
、前記係合フランジと係合部との強力な係合作用を得
られるようにしている。
【0013】
【作用】請求項1の発明は、継手ピンの両端部に係合フ
ランジを突設し、該係合フランジに前記スリットを形成
するとともに、前記継手孔の奥部に、前記係合フランジ
と係合可能な係合部を設け、係合フランジと係合部の強
力な係合作用を介して、型枠ピ−スを強固かつ確実に接
するとともに、係合フランジの円滑な圧入を図る。請
求項2の発明は、前記継手ピンの両端部の係合フランジ
の内側に小径軸部を形成し、該小径軸部の間に大径軸部
を形成し、該大径軸部と前記係合フランジとを略同径に
形成し、前記係合フランジと係合部との強力な係合作用
を得られるようにしている。
【0014】
【実施例】以下、本発明をシールドトンネルの施工に適
用した図示実施例について説明すると、図1乃至図7に
おいて1は地山2の内部をシールド機(図示略)で掘削
した掘削穴で、該穴1の内側にシールド機の周壁を構成
する鋼板製のスキンプレート3が配置され、該プレート
3の内側に複数のシールドジャッキ4が軸方向へ伸縮可
能に配置されている。
【0015】前記掘削穴1の内側には、型枠である複数
の筒状の存置型枠5が掘削穴1と同軸方向に隣接して配
置され、それらの前端部がシールド機の後端部、つまり
掘進機と反対側端部のシールドテール部6に位置してい
る。
【0016】存置型枠5は複数の存置型枠ピース7で構
成され、これは例えばコンクリート系材料により曲面板
状に成形されていて、その内部に所定量の鉄筋を埋設し
て強度を強化している。この場合の鉄筋の量は、該型枠
5ないし型枠ピース7の運搬時や、組み立て時にヒビ割
れが生じない程度の強度を維持し得る相当量で足り、従
来のセグメントピースのような多量の鉄筋を要しない。
【0017】存置型枠5の内径Dはトンネルの内径と同
径に形成され、また存置型枠ピース7の形状寸法を規定
する上記存置型枠5の分割数は、トンネルの径によって
異なるが、運搬や組み立ての施工性を考慮して、5〜1
0程度に分割されている。したがって、存置型枠ピース
7の断面形状もトンネルの径によって異なり、これらは
実施例の場合、同形の地紙形状に形成され、かつ軸方向
長さを同長に形成されている。
【0018】存置型枠ピース7の厚さt1 は、後述のよ
うに存置型枠5に対し曲げモーメントや曲げ応力が低減
する分、強度や剛性を低減されて薄厚に形成され、実施
例では従来の同形状のセグメントピースの厚さの略2/
3に形成されている。
【0019】存置型枠ピース7の軸方向側端面の両側に
は継手孔8,8が設けられ、該孔8,8に型枠継手であ
る円筒軸状の継手ピン9,9が圧入されている。継手孔
8は存置型枠ピース7の軸方向に形成され、その形状は
前記継手ピン9の片側半部と略同形状に形成されてい
て、これは上記ピース7の端面に開口した係入部8a
と、該係入部8aより内側へ縮径するテーパ部8bと、
テーパ部8bの小径部に連続する挿通部8cと、該挿通
部8cに連続する係入部8aと略同径の係合部8dと、
該係合部8dより内側へ縮径するテーパ部8eとを有し
ている
【0020】継手ピン9は、機械的性質に優れるエンジ
ニアリング・プラスティックまたはFRP等の合成樹脂
で構成され、少なくとも半径方向へ弾性変形可能にされ
ていて、これは図5のように水平および垂直軸線に対し
対称に形成され、その両端に先細のテーパ面9a,9a
を有する係合フランジ部9b,9bが形成され、前記係
合部8d,8dと係合可能にされている。
【0021】係合フランジ部9b,9bの後端部には小
径軸部9c,9cが形成され、該軸部9c,9cの他端
に中央側へ増径するテーパ面9d,9dが形成され、該
テーパ面9d,9dの間に、係合フランジ部9bと略同
径の大径軸部9eが形成されている。
【0022】継手ピン9の両端部内には凹孔10,10
が形成され、その奥部は小径軸部9c,9cの内側端部
に位置しており、また係合フランジ部9b,9bと小径
軸部9c,9cの周面には、複数のスリット11,11
が形成され、該スリット11,11が凹孔10,10に
連通している。図中、12,12は存置型枠ピース7の
軸方向側端面に取付けたシールパッキンである。
【0023】なお、存置型枠ピース7は、後述のように
存置型枠5に対し曲げモーメントや曲げ応力が低減する
ため、その円周方向の端面を隣接する存置型枠ピース7
の端面に単に接合して筒状に組み付けられ、従来のよう
に各ピース7,7同士を円周方向に連結したり、このた
めの継手を特に要しないが、例えば存置型枠5の組み立
て時の安全を図るため、存置型枠ピース7相互を仮止め
する場合は、公知のボルト継手やホゾ継手を採用する。
【0024】一方、シールドテール部6に臨む存置型枠
5の外周面と、スキンプレート3との間には、複数の打
設管13が存置型枠5の円周方向に配置され、該管13
はシールド機の軸方向の移動と同動可能にされていて、
その打設口13aを後方に向け、所定圧の覆工材14を
吐出可能にしている。実施例では覆工材14として、流
動性に富み、かつ材料分離抵抗性を有するコンクリート
系のものを使用しており、またその吐出圧は、シールド
テール部6における土圧と水圧との相加以上に設定さ
れ、かつ当該圧を覆工材14が硬化するまで保持可能に
している。
【0025】上記打設管13は、例えばローターバルブ
等の分配弁(図示略)に接続され、該分配弁はコンクリ
ートポンプ等の圧送ポンプ(図示略)に連通していて、
前記覆工材14を順次打設管13に圧送可能にしてお
り、これら打設管13と圧送ポンプと分配弁等で、覆工
装置の覆工材打設手段を構成している。
【0026】覆工材14の覆工厚t2 、つまり地山2と
存置型枠5との間隔は、従来の直打ちライニング工法に
おけるコンクリート厚よりも存置型枠5の介在分、薄厚
に設定され、該覆工材14の覆工厚t2 と存置型枠5の
厚さt1 との相加厚を、従来の直打ちライニング工法に
おけるコンクリート厚と同厚に設定している。
【0027】更に、上述の実施例は本発明をシールド工
法に適用しているが、これに限らず山岳トンネルの築造
に採用されるTBM工法(トンネルボーリングマシンを
使用する工法)に適用することも可能である。
【0028】図8乃至36は本発明の応用形態を示し、
前述の構成と対応する部分には同一の符号を用いてい
る。このうち、図8および図13に示す第1応用形態
は、継手孔8,8に継手ピン9,9を直接圧入する代わ
りに、存置型枠ピ−ス7に継手ソケット15を埋設若し
くは圧入、螺着、接着等適宜手段で固定し、該ソケット
15に継手ピン9を圧入し、軸方向に隣接する存置型枠
ピ−ス7,7を接続している。
【0029】すなわち、前述と同形同質の存置型枠ピー
ス7の軸方向側端面に、継手ソケット15が埋設され、
または継手孔8に圧入若しくはネジ連結または接着され
て固定されている。継手ソケット15は継手ピン9と同
様に、機械的性質に優れるエンジニアリング・プラステ
ィックまたはFRP等の合成樹脂で円筒状に構成され、
その長さは継手孔8と同長に形成されていて、その内側
に凹孔状の嵌合孔16が形成されている。
【0030】嵌合孔16は、その中間部から奥部に亘っ
て緩やかに増径するテ−パ孔状に形成され、その奥部に
はクサビ状の突片17が突設されていて、該突片17を
介し嵌合孔16の内部を嵌合小孔16a,16bに区画
している。継手ピン9は図11のように略円筒状に形成
され、その長さは嵌合孔16の長さの二倍に形成され、
その両端部から中間部に亘って先細のスリット18,1
8が形成されていて、上記ピン9を二股状に分割し、か
つこの分割片を弾性に抗して半径方向へ変位可能にして
いる。このように、この第1応用形態では継手ソケット
15を存置型枠ピ−ス7と別個に構成しているから、複
雑な嵌合孔16の製作に応じられる。
【0031】次に上記継手ピン9と継手ソケット15と
を介して、存置型枠5を組み立てる場合は、例えば存置
型枠ピース7に継手ソケット15を埋め込み、または圧
入若しくはネジ連結または接着等の手段で固定し、該ソ
ケット15の端面を存置型枠ピース7の端面と同一面上
に位置付け、該面に嵌合孔16を開口させ、その片側の
嵌合孔16、つまり坑口側に向けて配置する嵌合孔16
に継手ピン9を押し込み、該ピン9を適宜仮止めして置
く。したがって、継手ピン9の過半部は、型枠ピース7
の端面の外側に突出しており、この型枠ピース7をエレ
クター(図示略)を介して、接続予定の存置型枠ピース
7の切羽側の所定位置へ移動する。
【0032】上記接続予定の存置型枠ピース7は、既に
覆工体として構築され、その切羽側に配置した継手ソケ
ット15の嵌合孔16が開口していて、該孔16に前記
継手ピン9の先端を位置付け後、これをシールドジャッ
キを介して押し込み、嵌合孔16に圧入する。
【0033】継手ピン9の圧入は、存置型枠ピース7,
7の端面が当接するまで行なわれ、これにより継手ピン
9の両端部に突片17が刺し込まれ、突片17によるク
サビ効果によって、突片17と継手ピン9とが強力に連
結される。また、突片17の刺し込みによって、継手ピ
ン9の両端部が弾性に抗して押し開けられ、それらの外
径が嵌合孔16よりも大径になって、係合作用を呈する
とともに、継手ピン9の外周部が嵌合小孔16a,16
bに圧接して、嵌合孔16からの離脱を阻止され、相対
する存置型枠ピース7,7を強力に接続する。
【0034】こうして存置型枠ピース7を接続後、その
円周方向の隣接位置に別の存置型枠ピース7を位置付
け、坑口側に突出した継手ピン9を嵌合孔16に押し込
み、これを圧入する。以下、前述と同じ要領で存置型枠
ピース7を円周方向に順次組み付け、1リング分、つま
り6個の存置型枠ピース7を組み付けたところで、1リ
ングの存置型枠5の組み付けが終了する。なお、後述の
ようにこの工法では構造上、円周方向に配置した存置型
枠ピース7同士を連結する必要はないが、例えば存置型
枠5の組み立て時の安全を図るために、それらを仮止め
する場合は、公知のボルト継手やホゾ継手を採用する。
【0035】また、継手ピン9の圧入に際して、その一
端を上述のように予め嵌合孔16に仮止めする代わり
に、相対する嵌合孔16,16の間に継手ピン9を介在
し、該ピン9の両端を嵌合孔16,16に挿入して圧入
してもよく、そのようにすることで継手ピン9の仮止め
手間を省け、全工程を現場作業で対処し得る。このよう
に、この第1応用形態は簡単な構成によって、継手ピン
9と嵌合孔16,16との接触面積を増大させ、かつ当
該状態をクサビ作用で堅持させることで、上述の構成
比べて、存置型枠ピ−ス7,7の連結を強力かつ長期に
亘って維持し得るようにしている
【0036】図14乃至図19に示す第2応用形態は、
1応用形態と同様に存置型枠ピ−ス7に継手ソケット
15を埋設若しくは適宜手段で固定し、該ソケット15
に継手ピン9を圧入して、軸方向に隣接する存置型枠ピ
−ス7,7を接続する基本構成を採用し、その組み付け
法は第1応用形態と実質的に同一である。
【0037】ただし、この第2応用形態の継手ソケット
15は、嵌合孔16を係合フランジ9bよりも小径に形
成し、かつその中間部を拡径して係合部16cを形成
し、当該部より奥部に亘って緩やかに縮径するテ−パ部
16dを形成して、第1応用形態の継手ソケット15よ
りも構成を簡潔にし、その金型製作を容易にさせてい
る。また、継手ピンは、その両端部に前記係合部16c
とテ−パ部16dとに係合可能な、係合フランジ9bと
テ−パ面9aとを形成し、かつそれらの内部に先細のス
リット18を形成して、その両側の係合フランジ9b,
9bを弾性に抗して縮径させ、その弾性によって係合フ
ランジ9bを嵌合孔16内面に圧接し、かつ該フランジ
9bを係合部16cとに係合させて、強固かつ確実な接
続を可能にしている。
【0038】なお、前述の第および第2応用形態にお
いて、継手ソケット15を省略し、該ソケット15の内
部に形成した嵌合孔16を前記継手孔8として、存置型
枠ピ−ス7に直接形成し、該孔8に嵌合小孔16a,1
6bや突片17、および係合部16c、テ−パ部16d
を設けてもよく、そのようにすることで上記ソケット1
5の省略分、部品点数と金型代をを低減できるととも
に、その成形の手間を解消して、安価な型枠ピ−ス7を
製作できる。
【0039】図20乃至図24に示す第3応用形態は、
継手孔8,8に継手ピン9を直接圧入する本発明の実施
例の基本構成を採用するとともに、継手ピン9に少なく
とも軸方向へ弾性変位可能なフリクションピン19を圧
入し、該ピン19の軸端部と継手孔8の内面との間の摩
擦力によって、軸方向に隣接する存置型枠ピ−ス7,7
を接続している。
【0040】すなわち、この第3応用形態の継手孔8
は、本発明の実施例の継手孔8の係合部8dとテーパ部
8eとを省略し、その分挿通部8cを長尺に形成して構
成され、また継手ピン9は本発明の実施例の継手ピン9
の係合フランジ9bとテーパ部9aとを省略し、その分
小径軸部9cを長尺に形成して構成され、該軸部9cの
端部側にピン孔20,20を継手ピン9の軸方向と直交
方向に形成し、これらの孔20,20にフリクションピ
ン19,19を厚入している。
【0041】フリクションピン19は、少なくとも軸方
向に変位可能な軟質の合成樹脂またはゴム等の弾性部材
で構成され、ピン孔20への圧入時には図示のように、
その両軸端部が小径軸部9cの外面へ突出し、その長さ
は大径軸部9eの外径、したがって係入部8aの内径よ
りも短小に形成され、継手孔8への圧入時には軸方向へ
押し縮められて、両軸端部を継手孔8の内面に圧接させ
ている。このように、この第3応用形態では係合フラン
ジ9bや継手ソケット15を省略し、代わりにピン孔2
0やフリクションピン19を要するが、それらの構成は
頗る簡単であるから、前述の構成に比べて構成が全体的
に簡潔になる。
【0042】次に第3応用形態において存置型枠5を組
み立てる場合、継手ピン9のピン孔20,20にフリク
ションピン19,19を例えば工場で予め圧入し、かつ
これを存置型枠ピース7の片側の継手孔8,8に圧入し
て置く。 このようにすると、継手ピン9が継手
孔8に押し込まれ、フリクションピン19,19が軸方
向へ押し縮められ、その弾性によって該ピン19の両軸
端部が挿通部8cを圧接し、それらの間の接触面圧力と
摩擦力とで、存置型枠ピース7とが一体に連結される。
【0043】したがって、上記型枠ピース7の片面には
継手ピン9,9の半部が突出しており、これをエレクタ
ー(図示略)を介して、接続予定の既に固定した存置型
枠ピース7の切羽側の所定位置へ移動し、該ピース7の
継手孔8の前部に継手ピン9の先端部を位置付け、これ
をシールドジャッキを介して坑口側に押し込んで、継手
孔8に圧入する。この場合、継手ピン9の圧入に際し
て、その一端を上述のように予め嵌合孔16に仮止めす
る代わりに、相対する嵌合孔16,16の間に継手ピン
9を介在し、該ピン9の両端を嵌合孔16,16に挿入
して圧入してもよく、そのようにすることで継手ピン9
の仮止めの手間を省け、全工程を現場作業で処理し得
る。
【0044】このようにすると、継手ピン9が継手孔8
に押し込まれ、フリクションピン19,19が軸方向へ
押し縮められ、その弾性によって該ピン19の両軸端部
が挿通部8cを圧接し、存置型枠ピース7と一体に連結
されて、軸方向に隣接する存置型枠ピース7が接続され
る。すなわち、この第3応用形態は前述の係合フランジ
9bや継手ソケット15を省略し、継手孔8と継手ピン
9の構成を簡潔にするとともに、フリクションピン1
9,19による軸方向の弾性と摩擦力によって、存置型
枠ピース7に対する連結力を増強するようにしている
【0045】図25乃至図27に示す第4応用形態は、
3応用形態のフリクションピン19の代わりに、同質
のフリクションリング21を継手ピン9の周面に装着
し、該リング21の周面と継手孔8の内面との間の摩擦
力によって、軸方向に隣接する存置型枠ピース7,7を
接続している。
【0046】この第4応用形態の継手孔8は、第3応用
形態の継手孔8と実質的に同一で、構成を簡潔にしてお
り、また継手ピン9の小径軸部9c,9c周面に環状溝
22,22を形成し、該溝22に少なくとも半径方向へ
弾性変位可能なフリクションリング21を緊密に取付け
ている。
【0047】そして、この第4応用形態で存置型枠5を
組み立てる場合、継手ピン9の環状溝22,22にフリ
クションリング21,21を例えば工場で予め取付け、
かつこれを存置型枠ピース7の片側の継手孔8,8に圧
入して置く。このようにすると、継手ピン9が継手孔8
に押し込まれ、フリクションリング21,21が半径方
向に押し縮められ、その弾性によって該リング21が挿
通部8c内面を圧接し、それらの間の接触面圧力と摩擦
力とで、存置型枠ピース7とが一体に連結される。
【0048】したがって、上記型枠ピース7の片面には
継手ピン9,9の半部が突出しており、これをエレクタ
ー(図示略)を介して、接続予定の既に固定した存置型
枠ピース7の切羽側の所定位置へ移動し、該ピース7の
継手孔8の前部に継手ピン9の先端部を位置付け、これ
をシールドジャッキを介して坑口側に押し込み、継手孔
8に圧入する。この場合、継手ピン9の圧入に際して、
その一端を上述のように予め嵌合孔16に仮止めする代
わりに、相対する嵌合孔16,16の間に継手ピン9を
介在し、該ピン9の両端を嵌合孔16,16に挿入して
圧入してもよく、そのようにすることで継手ピン9の仮
止めの手間を省け、全工程を現場作業で処理し得る。
【0049】このようにすると、継手ピン9が継手孔8
に押し込まれ、フリクションリング21,21が半径方
向に押し縮められ、その弾性によって該リング21の外
周部が挿通部8cを圧接し、存置型枠ピース7とが一体
に連結されて、軸方向に隣接する存置型枠ピース7が接
続される。すなわち、この第4応用形態は前述の係合フ
ランジ9bや継手ソケット15を省略し、継手孔8と継
手ピン9の構成を簡潔にするとともに、前述のフリクシ
ョンピン19よりも接触面積を増大し、フリクションリ
ング21,21による半径方向の弾性と摩擦力の増大と
によって、存置型枠ピース7に対する連結力を増強する
ようにしている。
【0050】図28乃至図30に示す第5応用形態は、
および第4応用形態のフリクションピン19やフリ
クションリング21の代わりに、小径軸部9cを直軸状
または先端側に緩やかに縮径するテーパ軸状に形成し、
その周面に少なくとも半径方向に変位可能な多数の鋸歯
状のフリクションビード23を形成し、これを継手孔8
に圧入して、フリクションビード23と継手孔8の内面
との間の接触面圧力と摩擦力とによって、軸方向に隣接
する存置型枠ピース7,7を接続している。
【0051】この第5応用形態の継手孔8は、第3,4
応用形態の継手孔8と実質的に同一であるが、挿通部8
cを直孔状または奥部側に緩やかに縮径するテーパ孔状
に形成して、構成を簡潔にしており、また継手ピン9の
小径軸部9c,9c周面に多数のフリクションビード2
3を形成している。この第5応用形態で存置型枠5を組
み立てる場合、存置型枠ピース7の片側の継手孔8,8
に、継手ピン9を例えば工場で予め圧入して置く。
【0052】このようにすると、継手ピン9が継手孔8
に押し込まれ、フリクションビード23,23が半径方
向に押し縮められ、その弾性によって該リブ23が挿通
部8c内面を圧接し、それらの間の接触面圧力と摩擦力
とで、存置型枠ピース7と一体に連結される。
【0053】したがって、上記型枠ピース7の片面には
継手ピン9,9の半部が突出しており、これをエレクタ
ー(図示略)を介して、接続予定の既に固定した存置型
枠ピース7の切羽側の所定位置へ移動し、該ピース7の
継手孔8の前部に継手ピン9の先端部を位置付け、これ
をシールドジャッキを介して坑口側に押し込み、継手孔
8に圧入する。この場合、継手ピン9の圧入に際して、
その一端を上述のように予め嵌合孔16に仮止めする代
わりに、相対する嵌合孔16,16の間に継手ピン9を
介在し、該ピン9の両端を嵌合孔16,16に挿入して
圧入してもよく、そのようにすることで継手ピン9の仮
止めの手間を省け、全工程を現場作業で処理し得る。
【0054】このようにすると、継手ピン9の片側半部
が継手孔8に押し込まれ、フリクションビード23,2
3が半径方向に押し潰され、その弾性によって該ビード
23の外周部が挿通部8cを圧接し、存置型枠ピース7
と一体に連結されて、軸方向に隣接する存置型枠ピース
7が接続される。すなわち、この第5応用形態は前述し
たフリクションピン19やフリクションリング21の代
わりに、フリクションビード23を形成し、部品点数の
低減と構成の簡潔化を図るとともに、上記ピン19やリ
ング21の組み付けを要せず、これを直接継手孔8に圧
入するようにして、存置型枠ピース7,7の接続を迅速
に行なえるようにしている。
【0055】図31乃至図33に示す第6応用形態は、
前述のフリクションピン19やフリクションリング2
1、フリクションビード23の代わりに、小径軸部9c
を直軸状または先端部に緩やかに縮径するテーパ軸状に
形成し、その周面に熱硬化性樹脂等の合成樹脂製の接着
剤24を塗布し、これを継手孔8に挿入して、接着剤2
4による接着力によって、軸方向に隣接する存置型枠ピ
ース7,7を接続している。
【0056】この第6応用形態の継手孔8は、第5応用
形態の継手孔8と略同様であるが、挿通部8cを直孔状
に形成し、外孔8に挿入する継手ピン9の小径軸部9c
を直軸状に形成していて、継手孔8と継手ピン9との間
に接着剤24の塗布代を構成する微小な隙間を形成して
いる。
【0057】そして、この第6応用形態で存置型枠5を
組み立てる場合、継手ピン9の片側周面に接着剤24を
塗布し、これを存置型枠ピース7の片側の継手孔8,8
に挿入して、継手ピン9の片側半部を予め型枠ピース7
に接着固定して置く。この場合、上記作業は接着剤24
を塗布し、これを継手孔8に差し込むだけで、これを圧
入するときのような特別の圧入手段を要しないから、工
場に限らず作業現場でも容易に行なえる。
【0058】継手ピン9を接着固定した型枠ピース7の
片面には、継手ピン9,9の他側半部が突出しており、
その突出周面に接着剤24を塗布後、これをエレクター
(図示略)を介して、接続予定の既に固定した存置型枠
ピース7の切羽側の所定位置へ移動し、該ピン9の先端
部を存置型枠ピース7の継手孔8の前部に位置付け、こ
れをシールドジャッキを介して坑口側に押し込み、継手
孔8に挿入する。軸方向に隣接する存置型枠ピース7,
7は、接着剤24の固化後、一体に接続される。
【0059】この場合、継手ピン9の圧入に際して、そ
の一端を上述のように予め嵌合孔16に仮止めする代わ
りに、相対する嵌合孔16,16の間に接着剤を全周面
に塗布した継手ピン9を介在し、外ピン9の両端を嵌合
孔16,16に挿入して圧入してもよく、そのようにす
ることで継手ピン9の仮止めの手間を省け、全工程を現
場作業で処理し得る。すなわち、この第6応用形態は前
述した各応用形態の圧入力や摩擦力および係合力等の機
械的な連結手段の代わりに、接着剤24の接着力によっ
て存置型枠ピース7,7の接続を容易かつ迅速に行なえ
るようにしている。
【0060】図34に示す第7応用形態は、本発明の実
施例および第1応用形態変形例を示し、本発明の実施
例の存置型枠ピース7に形成した継手孔8と同形状の嵌
合孔16を継手ソケット15に形成し、該ソケット15
を上記ピース7に埋設し、または圧入等適宜手段で固定
して、上記ピース7に直接継手孔8を成形する成形上お
よび金型設計上の困難を回避し、これを別個に継手ソケ
ット15に成形することで、上記ピース7の成形の容易
化と、継手孔8成形の容易化および精密化を図るように
している。この場合、嵌合孔16に対する継手ピン9の
接続法およびその作用効果は、本発明の実施例および第
1応用形態と実質的に同一である。
【0061】図35に示す第8応用形態は、第および
3応用形態変形例を示し、第3応用形態の存置型枠
ピース7に形成した継手孔8と同形状の嵌合孔16を継
手ソケット15に形成し、該ソケット15を上記ピース
7に埋設し、または圧入等適宜手段で固定して、上記ピ
ース7に直接継手孔8を成形する成形上および金型設計
上の困難を回避し、これを別個に継手ソケット15に成
形することで、上記ピース7の成形の容易化と、継手孔
8成形の容易化および精密化を図るようにしている。
【0062】この場合、嵌合孔16に対する継手ピン9
の接続法およびその作用効果は、第および第3応用形
と実質的に同一であり、またこの応用形態の嵌合孔1
6の構成は、第および後述する第9応用形態
のそれに比べて簡単であるから、その成形および金型設
計の容易化を図れる。なお、第3応用形態の継手孔8
は、第および第6応用形態の継手孔8の構成と実質的
に同一であるから、本応用形態を第および第6応用形
に適用することも可能である。
【0063】図36に示す第9応用形態は、第および
5応用形態変形例を示し、第5応用形態の存置型枠
ピース7に形成した継手孔8と同形状の嵌合孔16を継
手ソケット15に形成し、該ソケット15を上記ピース
7に埋設し、または圧入等適宜手段で固定して、上記ピ
ース7に直接継手孔8を成形する成形上および金型設計
上の困難を回避し、これを別個に継手ソケット15に成
形することで、上記ピース7の成形の容易化と、継手孔
8成形の容易化および精密化を図るようにしている。こ
の場合、嵌合孔16に対する継手ピン9の接続法および
その作用効果は、第および第5応用形態と実質的に同
一である。
【0064】このように構成した各応用形態および変形
例の存置型枠ピース7は、その軸方向側端面の所定位置
に継手孔8を形成し、また必要に応じて円周方向側端部
に、ボルト継手やホゾ継手のために、ネジ孔や凹凸部
(図示略)を設けているが、存置型枠ピース7は後述の
ように円周方向に作用する軸圧縮力によって、曲げモー
メントや曲げ応力が著しく低減するから、従来のセグメ
ントのような強度や強固な継手手段を要しない。
【0065】したがって、存置型枠ピース7を従来のス
チールセグメントや、ダクタイル鋳鉄セグメントまたは
合成セグメントのような高価で堅牢な材質で構成する必
要がなく、またこれを鉄筋コンクリートで構成する場合
でも、従来の鉄筋コンクリートセグメントに比べて、鉄
筋の使用量を節減できるとともに、型枠ピース7の厚さ
t1 を従来のセグメントの厚さの略2/3に形成できる
から、その分安価で小型軽量化を図れる。
【0066】一方、継手ピン9は前述のように、存置型
枠ピース7の強度低減と小型軽量化によって合成樹脂単
体で中実構造に構成され、従来のように補強部材や高摩
擦係数を有する環状パッドの装着した中空構造のものに
比べて、構造が簡単で部品点数が少なく、金型の構造も
簡単になって、これを安価に製作することができる。
【0067】次に上述した存置型枠ピース7と継手ピン
9とを用いてトンネルを築造する場合、図1乃至図7の
実施例では、地山2の内部をシールド機(図示略)によ
って掘削穴1を掘削し、そのシールドテール部6に所要
量の存置型枠ピース7を搬入して、存置型枠5を組み立
てる。
【0068】存置型枠5の組み立てに際しては、存置型
枠ピース7の一方の軸方向側端面に継手ピン9を取付け
る。実施例では上記型枠ピース7の搬入前に、予め継手
ピン9を取付けており、その場合は、存置型枠ピース7
の継手孔8に継手ピン9の一方の係合フランジ9bを位
置付け、この他側の係合フランジ9bを適宜な押圧手段
で押圧し、前記一方の係合フランジ9bを継手孔8に押
し込む。
【0069】このようにすると、係合フランジ9bが係
入部8aに導かれてテーパ部8bと当接し、当該部で更
に押し込まれて半径方向に押し縮められ、この縮径作用
を凹孔10とスリット11とが促す。その後、係合フラ
ンジ9bは挿通部8cに導かれ、継手孔8の奥部の係合
部8dに移動したところで、弾性により原形を回復し、
係合部8dと係合する。
【0070】この状況は図7のようで、継手ピン9の片
側半部が継手孔8に圧入されて、存置型枠ピース7に固
定され、その他側半部が上記型枠ピース7の端面に突出
しており、該ピース7をエレクター(図示略)を介し
て、接続予定の存置型枠ピース7の切羽側の所定位置へ
移動する。この場合、継手ピン9の圧入に際して、その
一端を上述のように予め嵌合孔16に仮止めする代わり
に、相対する嵌合孔16,16の間に継手ピン9を介在
し、該ピン9の両端を嵌合孔16,16に挿入して圧入
してもよく、そのようにすることで継手ピン9の仮止め
の手間を省け、全工程を現場作業で処理し得る。
【0071】上記接続予定の存置型枠ピース7は、既に
覆工体として構築され、その切羽側に配置した継手孔8
は図1のように開口していて、該孔8に継手ピン9の先
端を位置付け後、これをシールドジャッキ4を介して押
し込み、継手孔8に圧入する
【0072】継手ピン9の圧入は、存置型枠ピース7,
7の端面が当接するまで行なわれ、これは前述と同様に
係合フランジ9bが係入部8aに導かれてテーパ部8b
と当接し、当該部で更に押し込まれて半径方向に押し縮
められ、この縮径作用を凹孔10とスリット11が促
す。この後、係合フランジ9bは挿通部8cに導かれ、
継手孔8の奥部の係合部8dに移動したところで、弾性
により原形を回復し、係合部8dと係合する。
【0073】こうして存置型枠ピース7を接続後、その
円周方向の隣接位置に別の存置型枠ピース7を位置付
け、坑口側に突出した継手ピン9の先端を継手孔8に位
置付け後、これをシールドジャッキ4を介して押し込
み、継手孔8に圧入する。以下、前述と同じ要領で存置
型枠ピース7を円周方向に順次組み付け、1リング分、
つまり6個の存置型枠ピース7を組み付けたところで、
1リングの存置型枠5の組み付けが終了する。
【0074】このような組み付け作業時には、図1のよ
うに存置型枠ピース7の切羽側の端面に継手ピン9が取
付けられていないから、当該端面にシールドジャッキ4
の先端を支障なく押し当てることができ、上記作業を円
滑かつ迅速に行なえる。
【0075】なお、円周方向に隣接する存置型枠ピース
7,7は、後述のように円周方向に作用する軸圧縮力に
よって、曲げモーメントや曲げ応力が著しく低減するか
ら、従来のように強固に接続する必要はないが、存置型
枠5の組み立て時の安全を図る場合は、例えば円周方向
に隣接する存置型枠ピース7,7の端面を突き合わせ、
それらの端部に形成したネジ孔(図示略)の位置を合わ
せ、それらにボルトを内側から差し込むボルト継手や、
または円周方向に隣接する存置型枠ピース7,7の端面
に形成した凹凸部(図示略)を係合するホゾ継手を採用
すればよい。したがって、上記存置型枠ピース7,7の
接続作業を簡易かつ迅速に行なえ、従来のようなこのた
めの高価な継手金物や、その煩雑な接続作業が不要にな
り、その分従来のセグメント工法に比べて、型枠のコス
ト低減と工期の短縮化を図れる。
【0076】このように軸方向側の存置型枠ピース7,
7を接続する場合は、エレクタとシールドジャッキ4を
駆使して、継手ピン9を継手孔8に押し込み、また円周
方向側の存置型枠ピース7,7を接続する場合は、ボル
トをネジ孔に差し込み、または相対する凹凸部を係合さ
せるだけでの簡単な作業でよく、従来のセグメント工法
のように、多数の継手金具をいちいちボルト締めする面
倒がない。
【0077】こうして、掘削穴1の内側に1リング分の
存置型枠5を接続したところで、該型枠5とスキンプレ
ート3との間に、存置型枠5の円周方向に沿って配置し
た複数の打設管13から覆工材14を打ち込む。
【0078】すなわち、打設管13は分配弁(図示略)
を介して、コンクリートポンプ等の圧送ポンプ(図示
略)に連通しており、該ポンプを駆動して覆工材14を
各打設管13に順次圧送する。この場合、覆工材14の
打設作業は掘削穴1の掘削作業と同時に行なわれ、シー
ルド機の掘削に伴なって打設管13が軸方向へ同動し、
その打設口13aを覆工材14の吐出側端面に近接して
打設し、かつその際の覆工材14の打設圧は、シールド
テール部6における土圧に水圧を相加した圧力以上に設
定されている。
【0079】こうして覆工材14が各打設管13に圧送
され、これが打設口13aから吐出されて、掘削穴1の
内壁と存置型枠5の外周との間を充填していく。したが
って、存置型枠5は上記覆工材14を打ち込むための型
枠の役割を果たし、一方、覆工材14は打設圧力によっ
て、地山2の内壁と存置型枠5の外周に高密度に密着か
つ充填し、これが硬化するまで前記圧力下に置かれる。
この場合、覆工材14への打設圧力は種々の方向に作用
し、その一部は図2の矢視のように存置型枠5に作用し
て、同図上の矢視のように存置型枠5の円周方向に作用
する軸圧縮力を生成させる。
【0080】そして、覆工材14が硬化すると前記加圧
状態が停止され、覆工材14が前記圧力下から解放され
る一方、存置型枠5は覆工材14が硬化する間に、前記
軸圧縮力を十分かつ一様に形成され、硬化後においても
当該状態を維持して、一種のプレストレスを形成し外力
に対抗する。
【0081】しかも、覆工材14が存置型枠5の外周に
高密度に密着して、それらの間における歪みの発生の余
地をなくし、または抑止するから、上述した軸圧縮力と
相俟って、存置型枠5やそれらの接続部分における曲げ
モーメント、それに伴う曲げ応力の発生を阻止する。そ
れゆえに、存置型枠5の強度と剛性を低減でき、前述の
ように存置型枠5の薄厚化と補強用の鉄筋量の節減、お
よび継手強度の低減とその簡易な連結法が可能になり、
存置型枠5ないし存置型枠ピース7には、その運搬や組
み立てに要する程度の強度と剛性があれば足りる。
【0082】これに対し、従来のセグメント工法では、
テールボイドの裏込め注入を要するうえに、該注入を完
全に行うことは技術的に不可能で、当該部の空隙の発生
を避けられず、この空隙に土圧や水圧等の外力が作用し
て歪みが発生し、セグメントに曲げモーメントや曲げ応
力が作用するため、これらに対抗し得る強度と剛性をセ
グメントに要する結果、多量の補強用の鉄筋と強固な継
手金物を要する不合理がある。
【0083】また、従来の直打ちライニング工法では、
施工条件によって覆工体に曲げモーメントが発生するた
め、鉄筋の補強を要する場合があるが、本発明は覆工材
14の硬化後の覆工体を存置型枠5で支持し補強してい
るから、覆工材14を鉄筋で補強する必要がなく、この
鉄筋の補強による施工速度の遅延を免れる。
【0084】こうして、覆工材14が硬化すると、これ
が存置型枠5と一体になって、該枠5とともに内外二重
の覆工体を形成し、トンネルを支持する。すなわち、存
置型枠5は覆工材14の打設用型枠として機能後、その
まま覆工体の一部として用いているから、従来の直打ち
ライニング工法のように、これを解体し移動する面倒が
なく、この種の工事を合理的に行える。
【0085】このようにして築造したトンネルは、覆工
材14硬化後の覆工体と、存置型枠5とが内外二重の覆
工体を形成し、このうち覆工材14による覆工体が、地
山2と存置型枠5との間に高密度に密着して地山2を支
持し、土圧や水圧による沈下を防止するとともに、該覆
工体を存置型枠5が支持し補強する。したがって、存置
型枠5は土圧や水圧の影響を受けるが、存置型枠5は円
周方向に作用する軸圧縮力を保有していて、これが土圧
や水圧等の外力による曲げモーメントや曲げ応力に対抗
するから、それらが低減しトンネル強度が増強する。そ
れゆえ、存置型枠ピース7,7を接続する継手ピン9の
強度負担が軽減され、これを合成樹脂製とすることが可
能になる。
【0086】また、本発明の継手ピン9は、先端部に係
合フランジ9bまたは同等の係合作用を奏する構成を設
けて、存置型枠ピース7,7からの抜け止めを強化し、
その連結力を増強したから、従来の先細の円筒形状の継
手ピンのように、接続強度を専ら圧入力と摩擦力に依存
するものに比べて、存置型枠ピース7,7を強力に接続
することができる。
【0087】
【発明の効果】請求項1の発明は、継手ピンの両端部に
係合フランジを突設し、該係合フランジに前記スリット
を形成するとともに、前記継手孔の奥部に、前記係合フ
ランジと係合可能な係合部を設けたから、係合フランジ
と係合部の強力な係合作用によって、型枠ピ−スを強固
かつ確実に接続することができるとともに、係合フラン
ジの円滑な圧入を図ことができる請求項2の発明は、
前記継手ピンの両端部の係合フランジの内側に小径軸部
を形成し、該小径軸部の間に大径軸部を形成し、該大径
軸部と前記係合フランジとを略同径に形成したから、前
記係合フランジと係合部との強力な係合作用を得られる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図で、覆工材の打
設後の状況を示している。
【図2】図1のA−A線に沿う断面である。
【図3】図1の一部を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明に適用した型枠ピースの断面図である。
【図5】本発明に適用した型枠継手の正面図で、一部を
断面図示している。
【図6】図5の側面図である。
【図7】本発明の一実施例における型枠ピースの接続状
況を示す断面図である。
【図8】本発明の第1応用形態の要部を示す断面図であ
る。
【図9】図8のB−B線に沿う断面図である。
【図10】第1応用形態に適用した型枠ピースの断面図
である。
【図11】第1応用形態に適用した型枠継手の正面図で
ある。
【図12】図11の側面図である。
【図13】第1応用形態における型枠ピースの接続状況
を示す断面図である。
【図14】本発明の第2応用形態の要部を示す断面図で
ある。
【図15】図14のC−C線に沿う断面図である。
【図16】第2応用形態に適用した型枠ピースの断面図
である。
【図17】第2応用形態に適用した型枠継手の正面図で
ある。
【図18】図17の側面図である。
【図19】第2応用形態における型枠ピースの接続状況
を示す断面図である。
【図20】本発明の第3応用形態の要部を示す断面図で
ある。
【図21】第3応用形態に適用した型枠ピースの断面図
である。
【図22】第3応用形態に適用した型枠継手の正面図
で、一部を断面図示している。
【図23】図22の側面図である。
【図24】第3応用形態における型枠ピースの接続状況
を示す断面図である。
【図25】本発明の第4応用形態の要部を示す断面図で
ある。
【図26】第4応用形態に適用した型枠継手の正面図
で、一部を断面図示している。
【図27】第4応用形態における型枠ピースの接続状況
を示す断面図である。
【図28】本発明の第5応用形態の要部を示す断面図で
ある。
【図29】第5応用形態に適用した型枠継手の正面図で
ある。
【図30】第5応用形態における型枠ピースの接続状況
を示す断面図である。
【図31】本発明の第6応用形態の要部を示す断面図で
ある。
【図32】第6応用形態に適用した型枠継手の正面図
で、一部を断面図示している。
【図33】第6応用形態における型枠ピースの接続状況
を示す断面図である。
【図34】第7応用形態における型枠ピースの接続状況
を示す断面図である。
【図35】第8応用形態における型枠ピースの接続状況
を示す断面図である。
【図36】第9応用形態における型枠ピースの接続状況
を示す断面図である。
【符号の説明】
7 型枠ピ−ス 8 継手孔8a 係入部 8c 挿通部 8d 係合部 9 手ピ 9b 係合フランジ9c 小径軸部 9e 大径軸部 10 凹孔 11 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松 岡 茂 東京都千代田区三崎町2丁目5番3号 鉄 建 建 設 株式会社 内 (72)発明者 近 藤 芳 夫 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 株式会社 日本製鋼所内 (72)発明者 楠 信 治 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 株式会社 日本製鋼所内 (72)発明者 吉 田 稔 広島県広島市安芸区船越南一丁目6番1 号 株式会社 日本製鋼所 広島研究所 内 (72)発明者 三 樹 弘 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 株式会社 日本製鋼所内 (56)参考文献 特開 平4−213697(JP,A) 実公 昭47−20884(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 11/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合端面に複数の継手孔を形成し、トン
    ネルの軸方向に配置する型枠ピ−スと、相対する型枠ピ
    −スの継手孔に挿入して、トンネルの軸方向に隣接する
    型枠ピ−スを接続するとともに、周面に複数のスリット
    を軸方向に沿って形成し、内部に前記スリットに連通す
    る凹孔を形成し、少なくとも半径方向に弾性変形可能な
    略円筒軸状の継手ピンとを設けたトンネルの型枠継手に
    おいて、前記継手ピンの両端部に係合フランジを突設
    し、該係合フランジに前記スリットを形成するととも
    に、前記継手孔の奥部に、前記係合フランジと係合可能
    な係合部を設けたことを特徴とするトンネルの型枠継
    手。
  2. 【請求項2】 前記継手ピンの両端部の係合フランジの
    内側に小径軸部を形成し、該小径軸部の間に大径軸部を
    形成し、該大径軸部と前記係合フランジとを略同径に形
    成した請求項1記載のトンネルの型枠継手。
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