JP3523192B2 - 機能性繊維板の製造方法および該機能性繊維板を用いた畳および壁材 - Google Patents

機能性繊維板の製造方法および該機能性繊維板を用いた畳および壁材

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JP3523192B2 JP2000402601A JP2000402601A JP3523192B2 JP 3523192 B2 JP3523192 B2 JP 3523192B2 JP 2000402601 A JP2000402601 A JP 2000402601A JP 2000402601 A JP2000402601 A JP 2000402601A JP 3523192 B2 JP3523192 B2 JP 3523192B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脱臭機能や調湿機能
あるいはホルムアルデヒドやアンモニアに対する吸着機
能を有する機能性繊維板の製造方法および該機能性繊維
板を用いた畳および壁材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゼオライトは脱臭機能、調湿機能、ある
いはホルムアルデヒドやアンモニアに対する吸着機能等
を有し、例えば畳芯材として使用する繊維板に適用すれ
ば上記種々な機能を有する畳が提供出来る。上記ゼオラ
イトを繊維板に適用するには、例えば木質繊維を分散し
た原料スラリーに添加する方法、繊維板製造後にゼオラ
イト分散液を繊維板の表面に塗布する方法等が考えられ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】原料スラリーにゼオラ
イトを添加した場合にはスラリーの粘度が上昇して抄造
時吸引脱水が困難になること、ゼオライトは微粉末であ
るために抄造金網で抄造する際、金網から漏洩してしま
い歩留りが低いこと等の問題点があり、また製造後の繊
維板表面にゼオライト分散液を塗布した場合には、該繊
維板に含まれる撥水剤のために塗布した分散液にはじき
が生じ、また分散液の水分による膨潤のために繊維板に
反りや表面に凹凸が生ずるおそれがある。更にゼオライ
トのホルムアルデヒドやアンモニアに対する吸着作用は
可逆的であるので、吸着量、温度、気圧等の条件によ
り、ゼオライト中に一旦吸着されていたホルムアルデヒ
ドやアンモニアが再び室内に放出される可能性がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の課題
を解決するための手段として、木質繊維を分散した原料
スラリーを抄造脱水してマットをフォーミングし、該マ
ットをプレスした上でゼオライトと酸ジヒドラジドと
混合分散溶液を表面に塗布し、その後乾燥する機能性繊
維板(23A,23B) の製造方法を提供するものである。該ゼ
オライトと酸ジヒドラジドとの分散溶液は、水のみを分
散媒として使用した分散溶液であったり、あるいはゼオ
ライトと、酸ジヒドラジドと、水と、10重量%以下の
天然樹脂または水性合成樹脂とを混合した分散溶液であ
ることが望ましい。また本発明は、上記方法によって製
造した機能性繊維板(23A,23B) を芯材として使用した畳
(22)、あるいは該機能性繊維板(23A,23B) からなる壁材
を提供するものである。
【0005】
【作用】抄造法によってフォーミングされたマットをプ
レスした後、ゼオライトと酸ジヒドラジドとの分散溶液
を表面に塗布する。それから乾燥すればマット表面から
内部に含浸された分散液がマット中に内在し一体化した
マットが乾燥されるので、繊維板の分散溶液による膨潤
は解消出来、該繊維板の反りの発生が防止出来る。ゼオ
ライトと酸ジヒドラジドとの分散溶液として、ゼオライ
トと、酸ジヒドラジドと、水とを分散溶解した分散溶液
を使用すれば、ゼオライト粒子の多孔質表面に水が付着
して粒子相互の付着力が向上する。またマット表面の物
理的強度を上げる場合には天然樹脂または水性合成樹脂
を添加することが望ましいが、この場合分散溶液に対す
る天然樹脂または水性合成樹脂の添加量が10重量%以
下の低濃度であれば、ゼオライト粒子が該天然樹脂また
は水性合成樹脂に完全に被覆されないので、ゼオライト
の相互の高い固結力が得られ、かつ表面活性即ち機能性
が完全に発揮される。
【0006】また本発明で使用する木質繊維は綿繊維、
合成繊維等の他の繊維と違い数ミクロンの網目状多孔性
表面を有しており親水性が高く、抄造法によってフォー
ミングされたマットは一般にドライネス40〜50%
(含水率150〜100%)の高湿膨潤状態であり、木
質繊維間が広がっている。この状態のマット表面に、乾
燥前にゼオライトと酸ジヒドラジドとの混合分散溶液を
塗布すると、該混合分散溶液はこのような高湿膨潤状態
で木質繊維間が広がっているマット内へ円滑に浸透す
る。例えばマット内にワックス等の撥水剤が存在してい
ても、マットが乾燥する前に混合分散液を塗布するの
で、この状態ではワックス等の撥水剤はまだエマルジョ
ン状態で撥水性を示さないので、上記混合分散溶液のマ
ット内への浸透は該撥水剤には阻害されない。
【0007】そしてマット内においてゼオライトの小径
のもの(例えば数ミクロン以下のもの)は該木質繊維の
多孔性表面に捕捉され、それよりも大きいもの(例えば
数ミクロン以上50ミクロン以下のもの)は該木質繊維
間に入り込み、分子間力と水膜付着力との相乗効果によ
ってゼオライトは強固に木質繊維に付着する。この状態
のマットを乾燥させれば、絶乾に近い状態になりマット
は収縮し、木質繊維間隔が縮小してゼオライトはその中
に閉じ込められた状態となる。したがって木質繊維板に
はゼオライトが極めて強固に付着する。
【0008】本発明ではゼオライトと共に酸ジヒドラジ
ドを添加するが、該酸ジヒドラジドはゼオライトに吸着
されるから、ゼオライトと共に木質繊維板に極めて強固
に付着するが、ゼオライトに吸着されていない酸ジヒド
ラジドも、前記したように高湿膨潤状態のマット内へ円
滑に浸透するので、乾燥後はマット内に安定的に定着す
る。このようにして製造された繊維板の表面には酸ジ
ドラジドを含むゼオライト層が強固かつ安定に付着して
いるので、ゼオライトによる脱臭機能、調湿機能、ある
いはホルムアルデヒドやアンモニアに対する吸着機能を
有し、更に該酸ジヒドラジドにはゼオライトに吸着され
たホルムアルデヒドと化学的に結合してこれを捕捉する
機能が付与される。そしてこの効果は長期間にわたって
継続する。繊維板表面に酸ジヒドラジドのみを塗布した
場合には、乾燥すると表面が白っぽいまだら模様にな
り、外観が悪くなるし、該表面に塗布された酸ジヒドラ
ドがホルムアルデヒドを吸着し反応すると、水を生成
して繊維板表面にべたつきを生ずると云う問題点があ
る。本発明の場合では、ゼオライトが酸ジヒドラジドと
ホルムアルデヒドとの反応の際に生ずる水を吸着するか
ら繊維板表面のべたつきは解消される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に説明する。
本発明に使用する木質繊維は濾水度が10〜30デファ
イブレーター・秒(D・S)の粗さを有するものが望ま
しい。濾水度が10D・S未満の木質繊維を使用する
と、木質繊維相互が接する部分が少なくなり、木質繊維
どうしの密着が悪くなる。また木質繊維間の空隙が大き
くなり、木質繊維板の密度が低くなりすぎ、かつ木質繊
維相互が絡み易くなって、均一な繊維板となりにくゝ強
度も低くなる。また濾水度が30D・Sを越える木質繊
維を用いると、木質繊維板の密度が高くなりすぎ、重量
が大となりかつクッション性に乏しくなる。
【0010】本発明の繊維板においては、上記繊維を結
着するためにバインダーが使用される。該バインダーと
しては主としてニカワ、ゼラチン、カゼイン、澱粉、変
性澱粉、酸化澱粉、デキストリン、アラビアゴム、アル
ギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、カルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース、ハイドロキシエチル
セルロース、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸
ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、
ポリビニルメチルエーテル、酢酸ビニル−マレイン酸共
重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルピ
ロリドン、ポリアクリル酸エステル部分鹸化物、ポリメ
タクリル酸エステル部分鹸化物等の水溶性樹脂または糊
料が使用されるが、該水溶性樹脂に代えてあるいは該水
溶性樹脂または糊料と共にメラミン樹脂、尿素樹脂、フ
ェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
プロピレンターポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹
脂、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリアミド、熱可
塑性ウレタン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体等の熱可塑性合成樹
脂、ウレタン樹脂プレポリマー、エポキシ樹脂プレポリ
マー、メラミン樹脂プレポリマー、尿素樹脂プレポリマ
ー、フェノール樹脂プレポリマー、ジアリルフタレート
プレポリマー、アクリルオリゴマー、多価イソシアナー
ト、メタクリルエステルモノマー、ジアリルフタレート
モノマー等のプレポリマー、オリゴマー、モノマー等の
樹脂前躯体等が使用されてもよい。上記バインダーは粉
末、液状、溶液、あるいはエマルジョンの状態で添加さ
れる。
【0011】上記原料以外、本発明の繊維板において
は、通常パラフィン、ワックス、シリコン油、高級脂肪
酸ジルコニウム塩等の撥水剤、塩素化パラフィン、四臭
化エチレン、トリクレジルホスフェート、酸化アンチモ
ン等の難燃剤等が添加される。
【0012】本発明の繊維板を製造するには、例えば図
1に示すような丸網式抄造機(1) を使用する。図におい
て、抄造機本体(2) は回転軸(3) を中心として矢印イ方
向へ回転する円筒状基枠(4) と、該回転軸(3) の外側に
被設される真空ダクト(5) と、該真空ダクト(5) から放
射状に該基枠(4) 外周へ延設されている吸引路(6) の複
数個と該基枠(4) の外周に張設されている金網(7) とか
らなる。該吸引路(6) の先端開口部(6A)は拡径されて金
網(7) の裏面に接する。該抄造機本体(2) はスラリー槽
(8) に下部を浸漬され、該真空ダクト(5) には外部から
図示しない真空ポンプに連絡する真空路が接続する。該
スラリー槽(8) の底部(9) は該抄造機本体(2) の外周に
沿う断面円弧状にされており、該スラリー槽(8) の底部
(9) と該抄造機本体(2) との間には複数個のアジテータ
ー(10)が配置されており、該抄造機本体(2) の回転方向
側には該抄造機本体(2) に接してブラッシングロール(1
1)が配置され、さらに該抄造機本体(2) の直上には三本
のロール(12)に懸架されているならしベルト(13)が配置
され、該抄造機本体(2) の回転方向反対側にはドクター
ブレード(14)が配置されている。該スラリー槽(8) には
スラリー調整槽(15)、インレットボックス(16)を介して
原料スラリーSが供給される。
【0013】上記スラリー調整槽(15)においては原料ス
ラリーSが調製されるが、該原料スラリーSにおいて上
記バインダーは上記木質繊維に対して3〜10重量%程
度添加される。バインダーの添加量が3重量%を下回る
と木質繊維の結着力が小さくほぐれ易くなり強度も不十
分となる。また10重量%を上回ると木質繊維板が堅く
なってクッション性が小さくなり、またバインダーの凝
集作用によって木質繊維板の密度が大きくなってしまう
場合もある。その他の原料、例えば撥水剤や難燃剤等は
通常数重量%以下の量で添加される。上記原料は水に分
散され原料スラリーSが調製されるが、低密度の木質繊
維板を得るために、スラリー中の固形分の濃度は0.5
〜2.0重量%に調節することが望ましい。
【0014】このようにしてスラリー調整槽(15)で調製
された原料スラリーSは連絡路(17)を介して該インレッ
トボックス(16)へ流入し、該インレットボックス(16)内
の邪魔板(18)によりスラリーS中の原料分散が均一化さ
れ、該インレットボックス(16)の溢流口(19)からスラリ
ー槽(8) 内へ溢流し供給される。該抄造機本体(2) は矢
印イ方向へ回転せしめられており、更に真空ポンプを作
動させて真空路そして真空ダクト(5) を介して吸引路
(6) に吸引力を及ぼす。
【0015】該スラリー槽(8) 内の原料スラリーSは複
数個のアジテーター(10)によりたえず攪拌されつつ上記
抄造機本体(2) の金網(7) 上に吸引され抄造マットがフ
ォーミングされる。
【0016】このようにしてフォーミングされた抄造マ
ットMは矢印ロ方向へ回転するブラッシングロール(11)
によって厚みを調節され、矢印ハ方向へ回転するならし
ベルト(13)によって表面をならされ、ドクターブレード
(14)によって、抄造機本体(2) の金網(7) から剥離され
る。
【0017】上記抄造マットMが抄造機本体(2) の金網
(7) から剥離されると、該抄造機本体(2) の吸引路(6)
はスラリー槽(8) 内の原料スラリーSに浸るまでの間先
端開口部(6A)が外界に露出し、真空が破れることになる
ので、これを防ぐために、真空ダクト(5) の所定箇所に
は遮蔽板(20)が配置され、この間に移行してくる吸引路
(6) を閉塞するようにされている。
【0018】該抄造マットMは上記したように抄造機本
体(2) の金網(7) から剥離されてロールコンベア(21)に
よって搬送され、そしてロールプレスによってプレスさ
れるが、通常プレス圧力は2.4〜5MPa 、好ましく
は3〜3.5MPa の範囲が適用される。上記プレスに
よって該抄造機マットは更に脱水と厚みを調節されかつ
表面を平面化される。
【0019】プレス後該抄造マットMの表面にはゼオラ
イトと酸ジヒドラジドとの分散溶液が塗布される。本発
明においては天然ゼオライト、合成ゼオライト、人工ゼ
オライト、上記ゼオライトを200℃〜800℃で加熱
処理したゼオライト、塩酸、硝酸、シユウ酸等の酸で化
学処理したゼオライト、水酸化ナトリウム、塩化ナトリ
ウム等のアルカリ金属の水酸化物、塩酸塩、炭酸塩等の
溶液に浸漬して20℃〜100℃で0.5〜2時間加熱
処理したゼオライト等のいずれでも使用出来、粒径は2
50μm以下、好ましくは1〜50μm、更に好ましく
は1〜20μmの比表面積が大きいものが望ましい。
【0020】本発明に使用される酸ジヒドラジドは、ホ
ルムアルデヒドと強い結合力を有するヒドラジド基を有
する化合物であり、望ましくは分子中に二個以上のヒド
ラジド基を有する酸ジヒドラジドが使用される。このよ
うな酸ジヒドラジドとしては、例えばアジピン酸ジヒド
ラジド、セバチン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラ
ジド等の酸ジヒドラジドがある。該酸ジヒドラジドは
防法や毒物および劇物取締法の対象ではなく、安全で取
扱いが容易であり、しかも強力なホルムアルデヒド捕捉
性を有する。特にアジピン酸ジヒドラジドは良好な水溶
性を有し、取扱いが容易であり、また繊維板との親和性
が良好であるのでより好ましい。該ゼオライトは通常1
0〜50重量%の濃度、該酸ジヒドラジドを添加する場
合には該酸ジヒドラジドは0.5〜10重量%の濃度で
水に分散溶解されて、ゼオライトと酸ジヒドラジドと
分散溶液が調製される。また酸ジヒドラジドを添加する
場合には、前もってゼオライトと酸ジヒドラジドとを少
量の水に分散させた高濃度分散液を調製すれば、ゼオラ
イト微粒子の空隙に酸ジヒドラジドを十分に浸透吸着さ
せることが出来る。
【0021】本発明のゼオライトと酸ジヒドラジドと
分散溶液は特に合成樹脂バインダーや分散剤等を添加し
ない状態で、単にゼオライトと酸ジヒドラジドとを水に
分散溶解するだけで調製されることが望ましい。このよ
うなゼオライトと酸ジヒドラジドとの分散溶液は合成樹
脂バインダー等を含まないのでゼオライトの多孔質表面
が合成樹脂バインダー等で被覆されることがなく、ゼオ
ライトの表面活性がそのまゝ維持される。しかし本発明
では前記繊維板に使用されるバインダーを該分散溶液に
も添加してもよい。天然樹脂または合成樹脂バインダー
あるいは増粘剤を添加する場合には、このようにゼオラ
イトと酸ジヒドラジドとを水のみに分散溶解せしめた後
に添加する。上記合成樹脂バインダーや増粘剤としては
繊維板に使用されるバインダーと同様な水溶性樹脂ある
いは合成樹脂エマルジョン(水性合成樹脂)がある。上
記合成樹脂バインダーはゼオライト粒子を完全に被覆し
ないために、固形分として10重量%以下好ましくは5
重量%以下の低濃度で添加されることが望ましい。
【0022】該ゼオライトと酸ジヒドラジドとの分散溶
液を抄造マットMの表面に塗布するには、スプレー、ナ
イフコーター、ロールコーター、フローコーター等の通
常の塗工機が適用される。塗布量は通常固形分としてm
2当り40〜130g とする。上記ゼオライトと酸ジ
ドラジドとの分散溶液をマットMに塗布する場合、図2
に示すようにマットMの表面に穴明き鉄板(21)をマスク
してもよい。このようなマスクによって上記ゼオライト
酸ジヒドラジドとの分散液はマットM表面に斑点状に
塗布される。このようにゼオライトと酸ジヒドラジドと
の分散液をマットM表面に斑点状あるいはゴバン目状、
縞状、メッシュ状等に塗布して断続塗膜を形成した場合
には、製品の反りの発生がより確実に防止される。ゼオ
ライトと酸ジヒドラジドとの分散溶液塗布後、該抄造マ
ットMは次いで乾燥される。乾燥は自然乾燥あるいは1
00〜170℃、1〜5時間程度の加熱乾燥が適用され
る。上記ゼオライトと酸ジヒドラジドとの分散溶液の分
散溶媒を水のみとすると、ゼオライト粒子の多孔性表面
から水膜で被覆され、粒子間力と相まって粒子相互が強
固に付着し、かつ繊維板表面に該塗布層が強固に接着す
る。
【0023】このようにして本発明の繊維板が製造され
るが、本発明の繊維板には表面に酸ジヒドラジドを含ん
だゼオライト層が形成されており、前記ゼオライトの機
能および酸ジヒドラジドの機能が付与されている。そし
て本発明の繊維板を畳芯材として用いる場合には密度
0.1〜0.4g /cm3 、厚み5〜25mmの繊維板が好
適である。
【0024】上記実施例の他、本発明では抄造機として
長網式抄造機、ハチェック式抄造機等の他の抄造機が使
用されてもよい。またマットのプレスはロールプレス以
外、平板プレス等によってもよい。
【0025】〔実施例1〕 繊維長2mm未満が1%、2mm以上4mm未満が5%、4mm
以上12mm未満が17%、12mm以上が77%からなり
濾水度が18D・Sの木質繊維100重量部、コーンス
ターチ7重量部、パラフィンエマルジョン0.5重量部
を水に投入して分散させ、固形分濃度1.5重量%の原
料スラリーSを調整する。該スラリーSを使用して図1
に示す丸網式抄造機(1) の抄造機本体(2) を8m/分の
速度で回転させて抄造マットMをフォーミングし、該抄
造マットMをロールプレスによって3.5MPa の圧力
でプレスし、厚み15mmおよび10mmのマットを調製す
る。プレス後該マットの表面にはゼオライトとアジピン
酸ジヒドラジドとの分散溶液が塗布される。該分散溶液
は平均粒径1.9μmの天然ゼオライト20重量%とア
ジピン酸ジヒドラジド1重量%とを水に溶解分散させた
ものであり、塗布はスプレーによって行われ、塗布量は
2 当り固形分換算で天然ゼオライト109 gおよびア
ジピン酸ジヒドラジド5.5g である。ゼオライトとア
ジピン酸ジヒドラジドとの分散溶液塗布後、該マットは
170℃、2時間加熱乾燥して密度0.23g/cm3
図3に示す木質繊維層(231A,231B) の表面にゼオライト
−アジピン酸ジヒドラジド層(232A,232B) を形成した機
能性繊維板(23A,23B) を得た。
【0026】〔比較例1〕 実施例1で作成したマット表面にゼオライトと尿素との
分散液が塗布される。該分散液は平均粒径1.9μmの
天然ゼオライト20重量%と1重量%の尿素とを水に分
散溶解させたものであり、塗布はスプレーによって行わ
れ、塗布量はm2 当り固形分換算で天然ゼオライト10
9 g、尿素5.5g であった。ゼオライト分散液塗布
後、該マットは170℃、2時間加熱乾燥して密度0.
23g/cm3 の機能性繊維板を得た。
【0027】上記実施例1および比較例1で作成した機
能性繊維板を10×10cm(厚み15mm) のテストピー
スに切断し、該テストピースの小口をアルミニウムテー
プでシールしてテドラーバッグに入れ、該バッグ内にホ
ルムアルデヒドガスを注入し、20℃に32時間放置
し、その後50℃雰囲気下に放置してバッグ内のホルム
アルデヒド濃度の経時変化を測定した。その結果は図4
に示される。図中◇は本発明の上記実施例1のゼオライ
ト−アジピン酸ジヒドラジド分散溶液を塗布したテスト
ピース、○はゼオライト−アジピン酸ジヒドラジド分散
溶液を塗布しなかったテストピース、△はアジピン酸ジ
ヒドラジドに代えて尿素を使用した分散溶液を塗布した
比較例1のテストピースによるホルマリン吸着量を示す
グラフである。
【0028】図4によれば、本発明のテストピースはア
ジピン酸ジヒドラジドの存在によって、50℃の加熱に
よってホルムアルデヒドの再放出が殆んどないが(80
時間経過後も0.05ppm と極低濃度)、ゼオライトに
尿素を組合わせた比較例1および無塗布の場合は、50
℃の加熱によってもホルムアルデヒドが再放出される
(80時間経過後は0.4および0.5ppm ) ことが認
められる。
【0029】〔アンモニア吸着テスト〕 上記実施例1および無塗布のテストピースについてアン
モニアの吸着テストを行った。この場合には該テストピ
ースを入れたテドラーバッグ内にアンモニアガスを注入
し、バッグ内のアンモニアガス濃度を280ppm とし、
温度20℃でアンモニアガス濃度の経時変化を調べた。
その結果は表1に示される。
【0030】
【表1】
【0031】表1によれば、本発明のゼオライト−アジ
ピン酸ヒドラジドを塗布した繊維板は無塗布の繊維板
に比べ極めて早く大きなアンモニア捕捉力を有している
ことがわかる。
【0032】図5には上記実施例1によって製造された
機能性繊維板(23A,23B) を使用した畳(22)の構造が示さ
れる。図に示す畳(22)の芯材においては、厚み15mmの
機能性繊維板(23A) と厚み10mmの機能性繊維板(23B)
とを最上層と最下層とに配し、中間には厚み15mmと1
0mmの通常の繊維板(24A,24B) とが配され、最上層の機
能性繊維板(23A) はアジピン酸ジヒドラジドを含むゼオ
ライト塗布層(25A) を上側にして配され、最下層の機能
性繊維板(23B) はアジピン酸ジヒドラジドを含むゼオラ
イト塗布層(25B) を下側にして配される。上記芯材の表
面には畳表(26)が張設され、裏面には防湿シート(27)が
裏打ちされ、縁部には縁取り材(28)が被着されている。
【0033】該機能性畳(22)にはゼオライトの有する機
能が付与されており、室内の臭気、アンモニア、家具等
からのホルムアルデヒド等を吸着除去し、合わせて調湿
も行ない室内の湿度を略一定にする。そしてゼオライト
に吸着されたホルムアルデヒドはアジピン酸ジヒドラジ
ドと反応して化学的に結合捕捉されるから、ゼオライト
から再び放出されることがない。
【0034】図5に示すように、畳の芯材として複数枚
の繊維板が使用される場合、いずれか一枚あるいは二枚
以上を選択して本発明の機能性繊維板(23A,23B) を用い
てもよく、また全部を本発明の機能性繊維板としてもよ
い。ゼオライトの機能を効率良く発揮させるためには最
上層および/または最下層に本発明の機能性繊維板をゼ
オライト層を外面側として配置することが望ましい。
【0035】上記実施例には本発明の機能性繊維板を畳
に使用する場合が示されているが、本発明の機能性繊維
板は畳以外例えば室内の壁材特に押入れのような狭く区
切られたスペースに用いられる壁材等にも使用される。
【0036】
【発明の効果】本発明では抄造マットをプレスした後、
乾燥する前にゼオライトと酸ジヒドラジドとの分散溶液
を該マットの表面に塗布するから、ゼオライトと酸ジ
ドラジドを歩留り良く繊維板に付着させることが出来、
またゼオライトと酸ジヒドラジドとの分散溶液を塗布す
ることによる反りの発生も効果的に防止することが出来
る。本発明の繊維板はゼオライトによる脱臭機能、調湿
機能、ホルムアルデヒドやアンモニアの吸着機能等を有
し、そして酸ジヒドラジドの添加によりゼオライトに吸
着されたホルムアルデヒドは酸ジヒドラジドと化学的に
結合して捕捉されるので、ホルムアルデヒドの再放出の
おそれはなくなり、畳の芯材、壁材等に非常に有用であ
る。
【図面の簡単な説明】図1〜図5は本発明の一実施例を
示すものである。
【図1】丸網式抄造機の説明図
【図2】マットのマスク状態説明図
【図3】機能性繊維板断面図
【図4】ホルムアルデヒド吸着テストのグラフ
【図5】機能性繊維板を用いた畳の端部断面図
【符号の説明】
22 畳 23A,23B 機能性繊維板 25A,25B アジピン酸ジヒドラジドを含むゼオラ
イト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D21H 19/46 D21H 19/46 E04F 15/02 102 E04F 15/02 102N (56)参考文献 特開 平10−273900(JP,A) 特開2000−279802(JP,A) 特開 平11−350385(JP,A) 特開2000−71393(JP,A) 特開2001−192995(JP,A) 特開 昭62−1501(JP,A) 特開 平6−293009(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21J 1/00 - 7/00 D21H 11/00 - 27/42 B27N 1/00 - 9/00 B27K 1/00 - 9/00 E04F 15/00 - 15/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質繊維を分散した原料スラリーを抄造脱
    水してマットをフォーミングし、該マットをプレスした
    上でゼオライトと酸ジヒドラジドとの混合分散溶液を表
    面に塗布し、その後乾燥することを特徴とする機能性繊
    維板の製造方法
  2. 【請求項2】該ゼオライトと酸ジヒドラジドとの分散溶
    液は水のみを分散媒として使用した分散溶液である請求
    項1に記載の機能性繊維板の製造方法
  3. 【請求項3】該ゼオライトと酸ジヒドラジドとの分散溶
    液はゼオライトと、酸ジヒドラジドと、水と、10重量
    %以下の天然樹脂または水性合成樹脂とを混合した分散
    溶液である請求項1に記載の機能性繊維板の製造方法
  4. 【請求項4】請求項1〜3の方法によって製造した機能
    性繊維板を芯材として使用したことを特徴とする畳
  5. 【請求項5】請求項1〜3の方法によって製造した機能
    性繊維板からなる壁材
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