JP3523015B2 - 分析装置 - Google Patents

分析装置

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JP3523015B2
JP3523015B2 JP12948797A JP12948797A JP3523015B2 JP 3523015 B2 JP3523015 B2 JP 3523015B2 JP 12948797 A JP12948797 A JP 12948797A JP 12948797 A JP12948797 A JP 12948797A JP 3523015 B2 JP3523015 B2 JP 3523015B2
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stirring
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試薬液中に不活性
ガスを吹き込んで試薬液調製のための撹拌を行い、その
後、試薬容器に不活性ガスを吹き込んで該試薬容器内の
試薬液を加圧するアミノ酸分析装置のような分析装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】アミノ酸分析装置は、ニンヒドリン試薬
の調製のために、試薬容器内の試薬液中にその先端部を
埋没させて開口させた試薬撹拌用ガス供給配管により窒
素ガスを吹き込んでバブリングを行う撹拌機能がある。
この撹拌手段は、窒素ガス供給源と試薬液中と結ぶ試薬
撹拌用ガス供給配管の途中に制御用開閉弁として電磁弁
またはコックを設けて窒素ガスの供給制御を行うが、分
析時には窒素ガスの供給を止めるためにこの制御用開閉
弁を閉じる。そして、試薬容器内には、試薬液を加圧す
るための窒素ガスを供給する。一般に、これらの窒素ガ
ス供給配管には、操作性や耐薬品性などの観点からテフ
ロン(商標登録)チューブが多く用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
分析装置においては、試薬液を長時間に渡って加圧した
状態に維持すると、加圧された試薬液がテフロン製の試
薬撹拌用ガス供給配管を逆流して制御用開閉弁に到達
し、この制御用開閉弁を腐食して破壊する問題があっ
た。
【0004】本発明の目的は、加圧された試薬液が試薬
撹拌用ガス供給配管を過度に逆流するのを防止すること
にある。
【0005】本発明の他の目的は、加圧された試薬液が
試料撹拌用ガス供給配管を逆流して該撹拌用ガス供給配
管の途中に設けた制御用開閉弁に悪影響を及ぼすのを防
止することにある。
【0006】本発明の更に他の目的は、加圧された試薬
液が試料撹拌用ガス供給配管を逆流するのを防止するこ
とにある。
【0007】本発明の更に他の目的は、前述したような
試薬液の逆流を簡単な構成で防止することができるよう
にすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、加圧された試
薬液が試薬撹拌用ガス供給配管を逆流する原因は、この
試薬撹拌用ガス供給配管内のガスが該試薬撹拌用ガス供
給配管の通気性により周壁を透過して管外に抜けること
により該試薬撹拌用ガス供給配管内のガス圧が低下し、
加圧された試薬液が押し上げられることにあることを発
見した。
【0009】従って、本発明は、試薬撹拌用ガス供給配
管からのガス抜けを防止し、あるいは抜けたガスを補給
することにより、試薬撹拌用ガス供給配管内のガス圧の
低下を防止することにより、加圧された試薬液が試薬撹
拌用ガス供給配管を逆流するのを防止するものである。
【0010】本発明の1つの特徴は、ガス供給源と試薬
液中を結ぶ試薬撹拌用ガス供給配管の途中にガス供給制
御用の開閉弁を備えた分析装置において、前記開閉弁と
試薬液の間における配管の前記開閉弁側の領域は、気密
性の高い材質(ステンレス、塩化ビニール、ポリ・エー
テル・エーテル・ケトン、チタン、ガラス、ゴム等)
配管材とすることにより、前記開閉弁が閉じた状態で試
薬液が加圧されたときに前記配管内のガスが該配管の周
壁を透過して抜けるのを防止して試薬液の過度の逆流を
阻止することにある。
【0011】気密性の高い配管材は、試薬液により加圧
される該配管内のガスが該配管の周壁を透過して抜ける
ことにより試薬液が押し上げられ開閉弁まで逆流するの
を阻止できれば良いから、開閉弁側の領域に設ければ良
い。試薬液と接触する領域やその近傍の領域は、耐薬品
性に富んだテフロンチューブが有利である。
【0012】本発明の他の特徴は、試薬液を収容する密
封可能な試薬容器と、この試薬容器に収容した試薬液中
に撹拌用ガスを供給する試薬撹拌用ガス供給配管と、こ
の試薬撹拌用ガス供給配管の途中に介在させた試薬撹拌
用ガス供給制御用開閉弁と、前記試薬容器内の空間に試
薬加圧用ガスを供給する試薬加圧用ガス供給配管を備
え、試薬容器を密封した状態で該試薬容器内に試薬加圧
用ガスを供給して該試薬容器内の試薬液を加圧するよう
にした分析装置において、前記試薬容器と試薬撹拌用ガ
ス供給制御開閉弁の間を結ぶ試薬撹拌用ガス供給配管に
おける前記試薬撹拌用ガス供給制御用開閉弁との接続側
の領域は、前記試薬撹拌用ガスに対して気密性の高い材
料の管材で構成することにより、ガス抜けを防止して試
薬液の逆流を防止することにある。
【0013】本発明の更に他の特徴は、試薬液を収容す
る密封可能な試薬容器と、加圧ガスを発生する加圧ガス
発生源と、前記加圧ガス発生源から加圧ガス供給配管を
介して供給される加圧ガスを前記試薬容器に収容した試
薬液中に供給する試薬撹拌用ガス供給配管と、前記加圧
ガス供給配管を介して供給される加圧ガスを前記試薬容
器内の空間に供給する試薬加圧用ガス供給配管を備え、
試薬容器を開放した状態で前記試薬撹拌用ガス供給配管
により試薬液中に加圧ガスを吹き込んで撹拌を行い、試
薬容器を密封した状態で前記試薬試薬加圧用ガス供給配
管により該試薬容器内に加圧ガスを供給して該試薬容器
内の試薬液を加圧するようにした分析装置において、前
記加圧ガス供給配管の途中と前記試薬加圧用ガス供給配
管の途中に試薬加圧ガス供給制御用開閉弁を設けたこと
にある。このような分析装置によれば、試薬液を加圧す
るために試薬容器内に供給される加圧ガスは、試薬撹拌
用ガス供給配管にも供給されることになるので、この試
薬撹拌用ガス供給配管の周壁からその通気性によってガ
ス抜け現象があっても、該管内の圧力が低下して試薬液
が逆流することはない。
【0014】本発明の更に他の特徴は、密封可能な試薬
容器に試薬液を収容し、試薬容器を開放した状態で試薬
撹拌用ガス供給配管により試薬液中に試薬撹拌用ガスを
吹き込んで該試薬液を撹拌し、試薬容器を密封した状態
で該試薬容器内に試薬加圧用ガスを供給して該試薬液を
加圧するようにした分析装置において、試薬加圧用ガス
を前記試薬撹拌用ガス供給配管にも供給するガス補給手
段を設け、試薬撹拌用ガス供給配管の通気性により抜け
たガスを補給して該管内の圧力が低下するのを防止する
ようにしたことにある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を説明す
る。
【0016】図1は、アミノ酸分析装置のシステム構成
図である。1〜4は、それぞれ、第1〜第4緩衝液を収
容する第1〜第4緩衝液容器、5はカラム再生液を収容
するカラム再生液容器である。電磁弁シリーズ6は、こ
れらの容器1〜5の1つを選択して緩衝液ポンプ7に連
通させ、選択した容器内の緩衝液または再生液を緩衝液
ポンプ7によってアンモニアフィルタカラム8,オート
サンプラ9を経由して分離カラム10に送る。
【0017】オートサンプラ9で導入したアミノ酸試料
は、分離カラム10で分離する。ここで分離した各アミ
ノ酸は、ニンヒドリン試薬容器11とニンヒドリン緩衝
液容器17からニンヒドリンポンプ12によって供給さ
れるニンヒドリン試薬及びニンヒドリン緩衝液とミキサ
13で混合し、反応管14で反応させる。反応によって
発色したアミノ酸は、検出器15で連続的に検出し、デ
ータ処理装置16によって図4に示すようなクロマトグ
ラム及びデータとして出力し、記録及び保存する。検出
器15は、フローセル18とランプ19を備える。
【0018】窒素ガス供給系は、窒素ガス発生源である
窒素ガスボンベ20からニンヒドリン試薬容器11とニ
ンヒドリン緩衝液容器17へ圧力ガス(窒素ガス)を供
給するように構成される。この窒素ガス供給系の目的
は、ニンヒドリン試薬容器11内を加圧することによる
ニンヒドリン試薬液の供給補助,窒素ガスを試薬溶液内
に吹き込んでバブリングすることによって複数の溶液を
混合させるニンヒドリン試薬の調製,ニンヒドリン試薬
の酸化防止のために試薬容器内の気体領域への不活性な
窒素ガスの充填である。
【0019】図2は、ニンヒドリン試薬容器11へ窒素
ガスを供給する窒素ガス供給系の一実施形態を示す基本
的な配管形態とその動作態様である。
【0020】この窒素ガス供給系は、窒素ガスボンベ2
0で発生した圧力の高い窒素ガスを加圧ガス供給配管2
1によって減圧弁22に導き、ここで所定のガス圧に調
整した後に分岐させ、分岐した一方を、試薬撹拌用ガス
供給制御開閉弁である2方電磁弁31に供給するように
接続し、分岐した他方を試薬加圧ガス供給制御用開閉弁
である3方電磁弁32に供給するように接続する。2方
電磁弁31は、その先端部をニンヒドリン試薬容器11
内のニンヒドリン試薬液36の中に沈めて該液中で開口
するように設けた試薬撹拌用ガス供給配管35に接続す
る。3方電磁弁32は、ニンヒドリン試薬容器11内の
空間部に開口するように設けた試薬加圧用ガス供給配管
33と大気中に開口した排気チューブ34に接続する。
【0021】また、ニンヒドリン試薬容器11からは、
加圧されたニンヒドリン試薬液36を前記ニンヒドリン
ポンプ12に供給する試薬供給用配管23が導出され
る。
【0022】この窒素ガス供給系の動作態様としては、
次の3つがある。
【0023】(1)ニンヒドリン調製時 図2(1)に示すように、2方電磁弁31を開き、3方
電磁弁32は試薬加圧用ガス供給配管33を排気チュー
ブ34に連通するように動作させてニンヒドリン試薬容
器11内を大気開放状態とする。この状態で、窒素ガス
ボンベ20で発生した加圧窒素ガスを供給すると、この
加圧窒素ガスは、ニンヒドリン試薬溶液36中に沈めら
れている試薬撹拌用ガス供給配管35の先端開口から該
ニンヒドリン試薬液36中に吹き込まれて該ニンヒドリ
ン試薬液36をバブリング(窒素ガス混合置換)する。
【0024】(2)分析時 図2(2)に示すように、2方電磁弁31を閉じ、3方
電磁弁32は加圧ガス供給配管21と試薬加圧用ガス供
給配管33を連通状態とするように動作させる。このと
き、ニンヒドリン試薬容器11内は、窒素ガスボンベ2
0からの加圧窒素ガス供給により大気圧よりも0.03
4〜0.04MPaだけ高い圧力に加圧される。
【0025】本発明は、このような分析時の試薬加圧状
態で試薬撹拌用ガス供給配管35内に残存する撹拌用窒
素ガスが該試薬撹拌用ガス供給配管35の通気性により
周壁から抜け出ることによりニンヒドリン試薬液36が
該試薬撹拌用ガス供給配管35内に過度に逆流するのを
防止するものである。
【0026】(3)試薬入れ換え時 図2(3)に示すように、2方電磁弁31を閉じ、3方
電磁弁32は、試薬加圧用ガス供給配管33と排気チュ
ーブ34を連通させるように動作させる。これにより、
ニンヒドリン試薬容器11内への加圧窒素ガスの供給は
停止し、更にニンヒドリン試薬容器11内は大気開放と
なるのでニンヒドリン試薬液36の交換が可能な状態と
なる。
【0027】次に、この窒素ガス供給系の配管の具体例
を図3により説明する。
【0028】窒素ガス発生源である窒素ガスボンベ20
は、アミノ酸分析装置内の減圧弁22の入力側に加圧ガ
ス供給用配管である樹脂チューブ21により接続され
る。減圧弁22は、窒素ガスボンベ20から供給された
窒素ガスを大気圧よりも0.04MPaだけ高い圧力に
減圧する。減圧弁22の出力側の配管は分岐させ、その
一方は2方電磁弁31の入力側に接続し、他方は3方電
磁弁32の入力側に接続する。
【0029】2方電磁弁31の出力側に接続する試薬撹
拌用ガス供給配管35は、この2方電磁弁31との接続
側を任意の太さと長さ、例えば内径が0.8mmで長さ
が100mmのステンレスパイプ35aとし、このステ
ンレスパイプ35aの先に中継ジョイント35bを介し
て接続した四フッ化エチレン製のチューブ(テフロンチ
ューブ)35cの先端をニンヒドリン試薬溶液11中に
沈めて開口するように構成する。2方電磁弁31とステ
ンレスパイプ35aの接続部の気密性は重要であるの
で、ステンレスパイプ35aは、この2方電磁弁31の
弁体シール部位にできる限り近い位置に接続することが
望ましい。
【0030】3方電磁弁32に接続する試薬加圧用ガス
供給配管33と排気チューブ34は、それぞれテフロン
チューブとする。
【0031】このように構成された窒素ガス供給系は、
分析時の状態において、ニンヒドリン試薬容器11内
は、窒素ガスにより大気圧よりも0.034〜0.04
MPaだけ高い圧力に加圧され、この圧力はニンヒドリ
ン試薬液36を介して試薬撹拌用ガス供給配管35内に
も伝えられる。試薬撹拌用ガス供給配管35内には調製
時に供給された窒素ガスが充満しているが、この窒素ガ
スは、ニンヒドリン試薬液36を介して加圧されること
によりテフロンチューブ35cの周壁を透過して大気中
に抜けていき、その体積が減少する。これは、テフロン
チューブ35cは、若干ではあるが気体を通す性質(通
気性)を持っているためである。そして、テフロンチュ
ーブ35c内の窒素ガスの減少に伴って該テフロンチュ
ーブ35内にはニンヒドリン試薬液11が進入(逆流)
し、時間の経過に伴ってその量も増加する。
【0032】しかし、中継ジョイント35bの位置まで
逆流すると、その先の窒素ガスは、気密性の高い(通気
性がない)ステンレスパイプ35a内に残存することに
なるので、この窒素ガスが更に抜けて減少することはな
くなり、従って、ニンヒドリン試薬液36の逆流もこの
位置で停止し、このニンヒドリン試薬液36が2方電磁
弁31まで逆流するのを防止することができる。
【0033】この実施形態では、気密性の高い配管材と
してステンレスパイプを使用し、その他の配管材として
気密性は低いが操作性や耐薬品性に富んだテフロンチュ
ーブを使用したが、表1に示すような材質の配管部材を
使用しても同様な効果が得られる。表1において、PE
EKは、ポリ・エーテル・エーテル・ケトンである。
【0034】
【表1】
【0035】図5は、本発明になる分析装置における窒
素ガス供給系の他の実施形態を示す配管形態とその動作
態様である。この実施形態は、試薬撹拌用ガス供給配管
35内の窒素ガスが該試薬撹拌用ガス供給配管35の周
壁を透過して抜け出ても該試薬撹拌用ガス供給配管35
内の窒素ガスの圧力が低下しないようにすることで、加
圧された試薬液36の逆流を防止するものである。図2
に示した実施形態と等価な構成部品には同一の参照符号
を付して重複する説明は省略する。
【0036】減圧弁22の出力側の配管は、ガス供給制
御用主開閉弁である2方電磁弁37を介して3方電磁弁
32に接続し、その途中から試薬撹拌用ガス供給配管と
してテフロンチューブ38を分岐してその先端をニンヒ
ドリン試薬容器11内のニンヒドリン試薬液36中に開
口するように設ける。
【0037】このように構成した窒素ガス供給系は、ニ
ンヒドリン調製時には、図5(1)に示すように、試薬
加圧用ガス供給配管33を排気チューブ34に連通させ
るように3方電磁弁32を動作させ、2方電磁弁37を
開放することにより、減圧弁22で調圧した窒素ガスを
テフロンチューブ38を介してニンヒドリン試薬容器1
1内のニンヒドリン試薬液36の中に吹き込んでバブリ
ングを行うことができる。
【0038】また、分析時には、図5(2)に示すよう
に、2方電磁弁37から出力される窒素ガスを試薬加圧
用ガス供給配管33に供給するように3方電磁弁32を
動作させることにより、ニンヒドリン試薬容器11内を
加圧してニンヒドリン試薬36を加圧することができ
る。この状態において、試薬撹拌用ガス供給配管である
テフロンチューブ38内の窒素ガスは該テフロンチュー
ブ38の周壁の通気性によって抜け出るが、抜け出た窒
素ガスは2方電磁弁37から補給され、また、このテフ
ロンチューブ38内は3方電磁弁32及び試薬加圧用ガ
ス供給配管33を介してニンヒドリン試薬容器11内と
連通してお互いに等しい圧力状態にあるので、ニンヒド
リン試薬容器11内の加圧されたニンヒドリン試薬液3
6がテフロンチューブ38内を逆流するようなことはな
い。
【0039】そして、試薬入れ換え時には、図5(3)
に示すように、2方電磁弁37を閉じて窒素ガスの供給
を停止し、試薬加圧用ガス供給配管33を排気チューブ
34に連通させてニンビドリン試薬容器11内を大気に
開放するように3方電磁弁32を動作させれば、ニンヒ
ドリン試薬容器11内は大気圧状態になってニンビリン
試薬液36の交換が可能な状態となる。
【0040】この実施形態は、試薬撹拌用ガス供給配管
であるテフロンチューブ38は、開閉弁によって締め切
られて個室を形成することがないので、このテフロンチ
ューブ38の周壁から抜け出た窒素ガスは直ちに2方電
磁弁37から補給されるので該テフロンチューブ38内
の圧力が低下することがない。また、テフロンチューブ
38内とニンヒドリン試薬液36を加圧するニンヒドリ
ン試薬容器11内とは連通しているので、ニンヒドリン
試薬液36をテフロンチューブ38内に逆流させるよう
な圧力差を発生することがない。従って、この実施形態
では、試薬撹拌用ガス供給配管(テフロンチューブ3
8)は、その周壁の通気性によるガス抜けに起因するニ
ンヒドリン試薬液36の逆流を考慮する必要がなくな
る。
【0041】このように試薬液加圧時にも試薬撹拌用ガ
ス供給配管に窒素ガスを供給する実施形態は、図2に示
した窒素ガス供給系において、2方電磁弁31の開閉タ
イミングを変えることによっても実現することができ
る。図2に示した窒素ガス供給系は、分析(試薬液加
圧)時に2方電磁弁31を閉じるように動作させたが、
分析時には該2方電磁弁31を開いた状態に維持するよ
うに制御プログラムを変更すれば、試薬撹拌用ガス供給
配管35には分析時にも窒素ガスを供給することができ
るので、この試薬撹拌用ガス供給配管35は、その全域
にテフロンチューブを使用することができる。このよう
な変形は、2方電磁弁31を制御する制御装置(図示省
略)による電磁弁制御プログラムを変更すれば良いので
簡単である。
【0042】また、試薬液加圧時にも試薬撹拌用ガス供
給配管に窒素ガスを供給する実施形態は、図2に示した
窒素ガス供給系において、試薬撹拌用ガス供給配管35
と試薬加圧用ガス供給配管33をガス補給制御用2方電
磁弁(図示省略)を介在させた配管(図示省略)で結ぶ
ことによっても実現することができる。このような変形
例では、ガス補給制御用2方電磁弁は、ニンヒドリン調
製時には閉じた状態にして試薬撹拌用ガス供給配管35
に供給される窒素ガスを試薬液中に有効に吹き込むよう
にし、分析(試薬加圧)時には開いた状態にして試薬撹
拌用ガス供給配管35から抜ける窒素ガスを試薬加圧用
ガス供給配管33から補給するようにして該試薬撹拌用
ガス供給配管35内のガス圧の低下を防止し、試薬入れ
換え時には開いた状態にする。このようなガス補給制御
用2方電磁弁の開閉制御は、制御装置における電磁弁制
御プログラムの変更によって実現することができる。
【0043】以上に説明した各実施形態は、窒素ガスを
使用してニンヒドリン試薬容器11内の試薬液36を調
製及び加圧する構成としたが、ヘリウムガスやアルゴン
ガスなどの不活性ガスを使用する構成にしても同様な効
果が得られる。
【0044】
【発明の効果】1つの発明は、試薬中に試薬撹拌用ガス
を吹き込む試薬撹拌用ガス供給配管は、開閉弁との接続
領域を気密性の高い管材で構成したことにより、この試
薬撹拌用ガス供給配管から撹拌用ガスが抜けるのを制限
し、加圧された試薬が試薬撹拌用ガス供給配管を逆流し
て開閉弁に進入するのを防止することができる。
【0045】他の発明は、試薬加圧時にも試薬撹拌用ガ
ス供給配管に加圧ガスを供給するようにしたので、該試
薬撹拌用ガス供給配管からガスが抜け出ることにより該
試薬撹拌用ガス供給配管内の圧力が低下することがな
く、従って、加圧された試薬が試薬撹拌用ガス供給配管
を逆流することがなくなる。
【0046】そして、ガス供給系の安全性が向上するこ
とから分析装置としての安全性が向上する。
【0047】また、これらの発明は、配管材の一部変更
や開閉弁の追加や設置位置の変更あるいは開閉弁の開閉
制御タイミングを変えるだけの簡単な構成で実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるアミノ酸分析装置のシステム構成
図である。
【図2】図1に示した本発明になるアミノ酸分析装置に
おける窒素ガス供給系の一実施形態を示す配管形態と動
作態様説明図である。
【図3】図1に示した本発明になるアミノ酸分析装置に
おける窒素ガス供給系の配管構成と試薬逆流状態説明図
である。
【図4】アミノ酸のクロマトグラムである。
【図5】本発明になる本発明になるアミノ酸分析装置に
おける窒素ガス供給系の他の実施形態を示す配管形態と
動作態様説明図である。
【符号の説明】
11…ニンヒドリン試薬容器、20…窒素ガスボンベ、
21…樹脂チューブ、23…試薬供給用配管、31…2
方電磁弁、32…3方電磁弁、33…試薬加圧用ガス供
給配管、35…試薬撹拌用ガス供給配管、35a…ステ
ンレスパイプ、35b…中継ジョイント、35c…テフ
ロンチューブ、36…ニンヒドリン試薬液。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐竹 尋志 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株式会社 日立製作所 計測器事業部内 (56)参考文献 特開 平7−305907(JP,A) 実開 昭62−84755(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/68 G01N 1/00 G01N 1/36 G01N 31/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試薬を収容する密封可能な試薬容器と、こ
    の試薬容器に収容した試薬中に撹拌用ガスを供給する試
    薬撹拌用ガス供給配管と、この試薬撹拌用ガス供給配管
    の途中に介在させた撹拌用ガス供給制御用開閉弁と、前
    記試薬容器内の空間に試薬加圧用ガスを供給する試薬加
    圧用ガス供給配管を備えた分析装置において、 前記試薬容器と撹拌用ガス供給制御開閉弁の間を結ぶ試
    薬撹拌用ガス供給配管における撹拌用ガス供給制御開閉
    弁との接続側の領域は、ステンレス、塩化ビニール、ポ
    リ・エーテル・エーテル・ケトン、チタン、ガラス、ゴ
    ムの何れかから成る管材で構成したことを特徴とする分
    析装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記試薬容器と撹拌用
    ガス供給制御開閉弁の間を結ぶ試薬撹拌用ガス供給配管
    における試薬容器内の試薬と接触する領域は、試薬液に
    対して安定した材料の管材で構成したことを特徴とする
    分析装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記試薬液に対して安
    定した材料の管材は、テフロンチューブまたはジュンフ
    ロンチューブであることを特徴とする分析装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記試薬撹拌用ガス供
    給配管と前記試薬加圧用ガス供給配管を連通する配管を
    設け、この配管の途中にガス補給制御用開閉弁を設けた
    ことを特徴とする分析装置。
  5. 【請求項5】試薬液を収容する密封可能な試薬容器と、
    加圧ガスを発生する加圧ガス発生源と、前記加圧ガス発
    生源から前記加圧ガスを導く加圧ガス供給配管と、前記
    加圧ガス供給配管に接続され、前記加圧ガスを前記試薬
    容器の空間に供給する試薬加圧用ガス供給配管と、内部
    の気体が外部へ透過する通気性を有する配管であり、且
    前記加圧ガス供給配管に接続され、前記加圧ガスを前
    記試薬容器に収容した試薬液中に供給する試薬撹拌用ガ
    ス供給配管と、前記加圧ガス供給配管中に設けられ、前
    記加圧ガス発生源から前記試薬加圧用ガス供給配管およ
    び試薬撹拌用ガス供給配管へのガスの連通を制御する2
    方弁と、前記試薬加圧用ガス供給配管中に設けられ、前
    記加圧ガス発生源から前記試薬容器の空間へのガスの連
    通状態または前記試薬容器の空間を大気圧に開放する状
    態を切り換える3方弁を備えた分析装置であって、 試薬調整時には、前記2方弁をガス連通状態および前記
    3方弁を大気圧開放状態にし、 分析時には、前記2方弁をガス連通状態および前記3方
    弁をガス連通状態にすることを特徴とする分析装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記試薬撹拌用ガス供
    給配管は、テフロンチューブから成ることを特徴とする
    分析装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の1項において、前記試薬加
    圧用ガスは、不活性ガスであることを特徴とする分析装
    置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7の1項において、前記試薬は
    ニンヒドリンであり、装置がアミノ酸分析装置であるこ
    とを特徴とする分析装置。
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