JP3520881B2 - 露光装置 - Google Patents

露光装置

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JP3520881B2
JP3520881B2 JP16672895A JP16672895A JP3520881B2 JP 3520881 B2 JP3520881 B2 JP 3520881B2 JP 16672895 A JP16672895 A JP 16672895A JP 16672895 A JP16672895 A JP 16672895A JP 3520881 B2 JP3520881 B2 JP 3520881B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁
気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程で
使用される露光装置に関し、特にマスク及び感光基板を
投影光学系に対して同期して走査することによりマスク
パターンを感光基板上に逐次転写する所謂ステップ・ア
ンド・スキャン方式等の走査露光型の投影露光装置に適
用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子等をフォトリソグ
ラフィ技術を用いて製造する際に、マスクとしてのレチ
クルのパターンを投影光学系を介して、感光基板として
のフォトレジストが塗布されたウエハ(又はガラス基板
等)上の各ショット領域に投影露光するステップ・アン
ド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー等)が使
用されている。また、最近では、半導体素子等の1つの
チップが大型化する傾向にあり、より大面積のパターン
をウエハ上に投影露光することが要求されている。そこ
で、レチクル上の一部のパターンをウエハ上のスリット
状の露光領域(以下、「照野フィールド」という)に投
影した状態で、レチクルとウエハとを投影光学系に対し
て同期して走査することにより、投影光学系の有効露光
フィールドより広い範囲のショット領域への露光が可能
なステップ・アンド・スキャン方式等の走査露光方式の
投影露光装置も開発されている。
【0003】一般に投影露光装置においては、開口数
(N.A.)が大きく焦点深度の浅い投影光学系が使用され
るため、微細な回路パターンを高い解像度で転写するた
めには、ウエハの表面を投影光学系の結像面に合わせ込
むための合焦(オートフォーカス)機構が必要である。
従来の合焦機構は、ウエハの表面の焦点位置(高さ)を
検出するオートフォーカスセンサ(以下、「AFセン
サ」という)と、その計測値を用いてウエハの焦点位置
を制御するZステージとから構成されていた。更に通常
は、AFセンサと並列にウエハの表面の傾斜角を検出す
るチルトセンサ(レベリングセンサ)を設け、Zステー
ジに2次元的な傾斜角を調整できる所謂チルトステージ
の機能を持たせることにより、合焦制御と共にウエハの
表面を結像面に平行に設定するレベリング制御が行われ
ていた。
【0004】また、AFセンサやチルトセンサは、それ
ぞれウエハの露光対象とするショット領域(走査露光方
式ではスリット状の照野フィールド)の表面の焦点位置
及び傾斜角を検出するセンサであるため、その検出範囲
は通常ほぼそのショット領域(又は照野フィールド)の
内部に設定されていた。そのため、従来のシーケンス
は、ウエハ上の各ショット領域への露光中のみ合焦及び
レベリング制御を行い、次のショット領域への移動の際
には一度合焦及びレベリングの制御をオフにしてZステ
ージ及びチルトステージを固定し、次のショット領域
(又は走査開始位置)への位置決めが行われるのと同時
に合焦及びレベリング制御を再度開始するようになって
いた。これは、次のショット領域(又は走査開始位置)
への移動の経路の全体が必ずしも各センサの検出可能領
域に入るとは限らず、その検出可能領域外では合焦又は
レベリング制御を継続することが困難であるためであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の投
影露光装置においては、ショット領域間の移動中には合
焦及びレベリングの制御をオフにしていた。しかしなが
ら、このように移動中に合焦及びレベリングの制御をオ
フにする方式で、例えばウエハの表面がステージの案内
面に対して傾いていると、その移動の前後でウエハの表
面の焦点位置が大きく変位することになる。この場合、
次に露光対象とするショット領域で合焦及びレベリング
の制御を開始する際に、デフォーカス量、及び傾斜角の
ずれ量である引き込み量が大きくなり、それらの量がそ
れぞれ所定の許容値以内となって安定するまでの整定時
間(引き込み時間)が長くなり、結果として露光工程の
スループット(単位時間当たりのウエハの処理枚数)が
低下するという不都合があった。
【0006】また、特にステップ・アンド・スキャン方
式の投影露光装置においては、走査露光中に移動するウ
エハの表面に対して連続的に合焦及びレベリングが行わ
れる。そのため、ウエハの表面に本来合焦及びレベリン
グの対象として期待されていない溝状の領域(例えば半
導体チップにおけるチップ境界を示す所謂ストリートラ
イン等)が存在した場合に、合焦及びレベリングの動作
が乱されて追従精度が悪化したり、整定時間が増加した
りするという不都合があった。
【0007】本発明は斯かる点に鑑み、ウエハの表面の
本来合焦の制御対象とされない領域で且つ凹凸が存在す
る領域を通過した後、又はウエハの外部から内部の領域
に入った直後等に、合焦を開始する際の焦点位置の偏差
量を少なくして、引き込みが完了するまでの引き込み時
間(整定時間)を短縮できる露光装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の露光
装置は、例えば図1〜図8に示すように、マスク(7)
上のパターンを感光性の基板(12)上に投影する投影
光学系(11)と、その基板を投影光学系(11)の像
面側で移動する基板ステージ(14,15X,15Y,
17)とを有し、この基板ステージで位置決めされた基
板(12)上にマスク(7)のパターンの像を投影する
露光装置において、基板(12)の投影光学系(11)
の光軸方向の焦点位置を検出する基板用焦点位置検出セ
ンサ(25)と、基板ステージ(14,15X,15
Y,17)の投影光学系(11)の光軸方向の高さを検
出するステージ用焦点位置検出センサ(43A)と、基
板用焦点位置検出センサ(25)により検出された第1
の焦点位置、及びステージ用焦点位置検出センサ(43
A)により検出された高さに基づいて定められる第2の
焦点位置より、基板(12)の表面状態に応じて1つの
焦点位置を選択する焦点位置切り換え手段(54,5
5)と、この焦点位置切り換え手段により選択された焦
点位置に応じて基板(12)の焦点位置を制御する焦点
位置制御手段(16A〜16C)と、を備えたものであ
る。
【0009】この場合、例えば図9(a)に示すよう
に、次のショット領域への移動中に基板(12)の外側
の領域を通過するようなときには、基板用焦点位置検出
センサ(25)では焦点位置検出ができないため、ステ
ージ用焦点位置検出センサ(43A)により検出された
基板ステージの高さに例えば所定のオフセットを加算し
て定められる第2の焦点位置を用いて、疑似的に合焦制
御を行う。これにより、次に基板用焦点位置検出センサ
(25)を用いて合焦を行う際のデフォーカス量を少な
くできる。
【0010】次に、本発明の第2の露光装置は、例えば
図1〜図8に示すように、マスク(7)上のパターンの
一部の像を感光性の基板(12)上の所定の露光領域
(13)に投影する投影光学系(11)と、基板(1
2)を投影光学系(11)の像面側で移動する基板ステ
ージ(14,15X,15Y,17)とを有し、マスク
(7)及び基板(12)を投影光学系(11)に対して
同期して走査することにより、マスク(7)のパターン
の像を基板(12)上に逐次転写する走査型の露光装置
において、基板(12)の投影光学系(11)の光軸方
向の焦点位置を検出する基板用焦点位置検出センサ(2
5)と、その基板ステージの投影光学系(11)の光軸
方向の高さを検出するステージ用焦点位置検出センサ
(16A)と、基板(12)の表面の設計データとして
の段差情報を記憶する記憶手段(55)と、基板用焦点
位置検出センサ(25)により検出された第1の焦点位
置(z)、及びステージ用焦点位置検出センサ(16
A)により検出された高さ(PZ)に基づいて定められ
る第2の焦点位置(z’)より、記憶手段(55)に記
憶されている基板(12)の段差情報に応じて1つの焦
点位置を選択する焦点位置切り換え手段(54)と、こ
の焦点位置切り換え手段により選択された焦点位置に応
じて基板(12)の焦点位置を制御する焦点位置制御手
段(16A〜16C)と、を備えたものである。
【0011】即ち、この第2の露光装置は、走査露光方
式の投影露光装置であり、例えば図9(c)に示すよう
に、基板(12)上の1つのショット領域中にストリー
トライン等の溝(68)が形成されている場合、そのシ
ョット領域中で常時基板用焦点位置検出センサ(25)
を用いて合焦を行うと、その溝(68)の直後に追従精
度が悪化する。そこで、その溝(68)を含む領域で
は、ステージ用焦点位置検出センサ(16A)により検
出された高さに例えば所定のオフセットを加算して定め
られる第2の焦点位置に基づいて合焦を行うことによ
り、その後の追従性が良好となる。
【0012】これらの場合、ステージ用焦点位置検出セ
ンサ(43A)により検出された高さ(PZ)、及び所
定のモデルに基づいてその第2の焦点位置(z’)を予
測する演算手段(58)を設けることが望ましい。その
所定のモデルとは、例えば基板(12)のショット領域
中の段差情報等をいう。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明による投影露光装置
の実施の形態の一例につき図面を参照して説明する。本
例は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置
に本発明を適用したものである。図1は、本例の投影露
光装置を示し、この図1において、光源及びオプティカ
ル・インテグレータ等を含む光源系1からの露光用の照
明光ILが、第1リレーレンズ2、レチクルブラインド
(可変視野絞り)3、第2リレーレンズ4、ミラー5、
及びメインコンデンサーレンズ6を介して、均一な照度
分布でレチクル7のパターン形成面(下面)のスリット
状の照明領域8を照明する。レチクルブラインド3の配
置面はレチクル7のパターン形成面とほぼ共役であり、
レチクルブラインド3の開口の位置及び形状により、照
明領域8の位置及び形状が設定される。
【0014】レチクル7上の照明領域8内のパターンの
投影光学系11を介した像が、フォトレジストが塗布さ
れたウエハ12上のスリット状の照野フィールド13内
に投影露光される。ここで、投影光学系11の光軸に平
行にZ軸を取り、その光軸に垂直な2次元平面内で図1
の紙面に平行にX軸を、図1の紙面にY軸を取る。レチ
クル7はレチクルステージ9上に保持され、レチクルス
テージ9はレチクルベース10上で走査方向であるX方
向に例えばリニアモータにより駆動される。レチクルス
テージ9上の移動鏡18、及び外部のレーザ干渉計19
によりレチクル7のX座標が計測され、このX座標が装
置全体の動作を統轄制御する主制御系20に供給され、
主制御系20は、レチクルステージ駆動系21及びレチ
クルステージ9を介してレチクル7の位置及び移動速度
の制御を行う。
【0015】一方、ウエハ12は、不図示のウエハホル
ダを介してZチルトステージ14上に保持され、Zチル
トステージ14は3個のZ方向に移動自在なアクチュエ
ータ16A〜16Cを介してYステージ15Y上に載置
され、Yステージ15Yは、Xステージ15X上に例え
ば送りねじ方式でY方向に移動されるように載置され、
Xステージ15Xは、装置ベース17上に例えば送りね
じ方式でX方向に移動されるように載置されている。3
個のアクチュエータ16A〜16Cを並行に伸縮させる
ことにより、Zチルトステージ14のZ方向の位置(焦
点位置)の調整が行われ、3個のアクチュエータ16A
〜16Cの伸縮量を個別に調整することにより、Zチル
トステージ14のX軸及びY軸の回りの傾斜角の調整が
行われる。本例のアクチュエータ16A〜16Cには、
後述のように伸縮量を検出するためのエンコーダが備え
られている。
【0016】また、Zチルトステージ14の上端に固定
されたX軸用の移動鏡22X、及び外部のレーザ干渉計
23Xにより、Zチルトステージ14(ウエハ12)の
X座標が常時モニタされ、Y軸用の移動鏡22Y(図8
参照)及び外部のレーザ干渉計23Yにより、Zチルト
ステージ14(ウエハ12)のY座標が常時モニタさ
れ、検出されたX座標、Y座標が主制御系20に供給さ
れている。
【0017】ここで、アクチュエータ16A〜16C、
及びこれらに備えられたエンコーダの構成例につき説明
する。図6は、アクチュエータ16Aの断面図であり、
この図6において、図1のYステージ15Y上に駆動機
構ハウジング40が固定され、駆動機構ハウジング40
内に送りねじ41が回転自在に収納され、送りねじ41
の左端にカップリング42を介して回転角検出用のロー
タエンコーダ43Aが接続され、送りねじ46の右端に
カップリング44を介してロータリモータ45が接続さ
れている。また、送りねじ41にナット39が螺合さ
れ、ナット39に支柱38を介して上端が傾斜した斜面
部36Aが固定され、斜面部36Aの上端に回転体36
Bが接触している。回転体36Bは、図1のZチルトス
テージ14内に回転自在に、且つ横方向には移動できな
いように埋め込まれている。
【0018】また、斜面部36Aは直線ガイド37に沿
って送りねじ41に平行な方向に移動できるように支持
されている。この場合、図1のウエハステージ制御系2
4からの駆動速度を示す制御信号がロータリモータ45
に供給され、ロータリモータ45は指示された駆動速度
(角速度)で送りねじ41を回転する。これにより、ナ
ット39が送りねじ41に沿ってX方向に移動し、斜面
部36Aも送りねじ41に沿って移動する。従って、斜
面部36Aの上端に接触する回転体36Bは、回転しな
がら駆動機構ハウジング40に対して上下方向(Z方
向)に変位する。また、送りねじ41の回転角速度をロ
ータリエンコーダ43Aにより計測することにより、回
転体36Bの上下方向への移動速度が検出される。更
に、本例ではロータリエンコーダ43Aから出力される
パルス信号をカウンタ61A(図8参照)で積算するこ
とにより、アクチュエータ16AとZチルトステージ1
4との接点のZ方向の位置(高さ)PZ1 を検出してい
る。
【0019】図8に示すように、他のアクチュエータ1
6B,16Cもアクチュエータ16Aと同じ構成であ
り、アクチュエータ16B,16Cにもそれぞれ移動速
度検出用のロータリエンコーダ43B,43Cが備えら
れている。更に、ロータリエンコーダ43B,43Cか
らのパルス信号を積算するカウンタ61B,61Cが設
けられ、カウンタ61B,61Cによりそれぞれアクチ
ュエータ16B,16CとZチルトステージ14との接
点のZ方向の位置PZ2 ,PZ3 が検出されている。な
お、アクチュエータ16A〜16Cは、図6のようにロ
ータリーモータを使用する方式の外に、例えばピエゾ素
子等を使用して構成してもよい。このようにアクチュエ
ータ16A〜16Cとして直線的に変位する駆動素子を
使用する場合、Z方向の位置を検出するためのエンコー
ダとしては光学式又は静電容量式等のリニアエンコーダ
を使用してもよい。
【0020】図1に戻り、主制御系20は、供給された
座標に基づいてウエハステージ駆動系24を介してXス
テージ15X、Yステージ15Y、及びZチルトステー
ジ14の動作を制御する。例えば走査露光方式で露光を
行う場合には、投影光学系11が投影倍率β(βは例え
ば1/4等)で倒立像を投影するものとして、レチクル
ステージ9を介してレチクル7を照明領域8に対して+
X方向(又は−X方向)に速度VR で走査するのと同期
して、Xステージ15Xを介してウエハ12が照野フィ
ールド13に対して−X方向(又は+X方向)に速度V
W(=β・VR )で走査される。
【0021】次に、ウエハ12の表面のZ方向の位置
(焦点位置)を検出するための多点の焦点位置検出系
(以下、「多点AFセンサ」という)25の構成につき
説明する。この多点AFセンサ25において、光源26
から射出されたフォトレジストに対して非感光性の検出
光が、コンデンサーレンズ27を介して送光スリット板
28内の多数のスリットを照明し、それらスリットの像
が対物レンズ29を介して、投影光学系11の光軸に対
して斜めにウエハ12上の照野フィールド13及びこの
前後の先読み領域35A,35B(図2参照)の15個
の計測点P11〜P51に投影される。
【0022】図2は、ウエハ12上のそれら計測点P11
〜P51の配置を示し、この図2において、スリット状の
照野フィールド13に対して+X方向、及び−X方向側
にそれぞれ先読み領域35A及び35Bが設定されてい
る。そして、照野フィールド13内に3行×3列の計測
点P21〜P43が設定され、先読み領域35B内に3個の
計測点P11〜P13が設定され、先読み領域35A内に3
個の計測点P51〜P53が設定されている。本例では、照
野フィールド13内の9個の計測点での焦点位置の情報
から照野フィールド13内での平均的な焦点位置、及び
傾斜角を求める。そして、必要に応じて、先読み領域3
5A(又は35B)内の3個の計測点での焦点位置の情
報を使用してウエハ12の表面の段差の補正等を行う。
【0023】図1に戻り、それらの計測点からの反射光
が、集光レンズ30を介して振動スリット板31上に集
光され、振動スリット板31上にそれら計測点に投影さ
れたスリット像が再結像される。振動スリット板31
は、主制御系20からの駆動信号DSにより駆動される
加振器32により所定方向に振動している。振動スリッ
ト板31の多数のスリットを通過した光が光電検出器3
3上の多数の光電変換素子によりそれぞれ光電変換さ
れ、これら光電変換信号が信号処理系34に供給され
る。
【0024】図3は、図1中の送光スリット板28を示
し、この図3において、送光スリット板28には図2の
ウエハ上の計測点P11〜P53に対応する位置にそれぞれ
スリット2811〜2853が形成されている。また、図1
中の振動スリット板31上にも、図4に示すように図2
のウエハ上の計測点P11〜P53に対応する位置にそれぞ
れスリット3111〜3153が形成され、振動スリット板
31は加振器32により各スリットの長手方向に直交す
る計測方向に振動している。
【0025】次に、図5は、図1中の光電検出器33、
及び信号処理系34を示し、この図5において、光電検
出器33上の1行目の光電変換素子3311〜3313
は、それぞれ図2の計測点P11〜P13から反射されて、
且つ振動スリット板31中の対応するスリットを通過し
た光が入射し、2行目〜4行目の光電変換素子3321
3343には、それぞれ図2の計測点P21〜P43から反射
されて、且つ振動スリット板31中の対応するスリット
を通過した光が入射し、5行目の光電変換素子3351
3353には、それぞれ図2の計測点P51〜P53から反射
されて、且つ振動スリット板31中の対応するスリット
を通過した光が入射する。そして、光電変換素子3311
〜3353からの検出信号は、増幅器4611〜4653を介
して同期整流器4711〜4753に供給される。同期整流
器4711〜4753はそれぞれ加振器32用の駆動信号D
Sを用いて入力された検出信号を同期整流することによ
り、対応する計測点の焦点位置に所定範囲でほぼ比例し
て変化するフォーカス信号を生成する。本例では、同期
整流器4711〜4753から出力されるフォーカス信号
は、それぞれ図1において、例えばレチクル7が走査方
向の中央に静止した状態で、対応する計測点が投影光学
系11の結像面(ベストフォーカス面)に合致している
ときに0になるようにキャリブレーションが行われてい
る。
【0026】同期整流器4711〜4753から出力される
フォーカス信号は、並列にマルチプレクサ48に供給さ
れ、マルチプレクサ48は、主制御系20内のマイクロ
プロセッサ(MPU)50からの切り換え信号に同期し
て、供給されるフォーカス信号から順番に選ばれたフォ
ーカス信号をアナログ/デジタル(A/D)変換器49
に供給し、A/D変換器49から出力されるデジタルの
フォーカス信号が順次主制御系20内のメモリ51内に
格納される。
【0027】図8は、図1の3個のアクチュエータ16
A〜16Cの駆動系を示し、この図8の主制御系20に
おいて、メモリ51の各アドレス5121〜5143内にそ
れぞれ図2の照野フィールド13内の計測点P21〜P43
での焦点位置を示すデジタルのフォーカス信号が格納さ
れている。なお、これらのフォーカス信号は、所定のサ
ンプリング周期で逐次書き換えられているものである。
アドレス5121〜51 43から読み出されたフォーカス信
号は並列に最小自乗法計算部52に供給される。最小自
乗法計算部52では、その照野フィールド13内の9個
の計測点P21〜P43に対応する9個のフォーカス信号に
基づいて、最小自乗法的にその照野フィールド13の表
面に合致する平面を決定し、この決定された平面の中心
での焦点位置(Z座標)z、Y軸の回りでの傾斜角
θX 、及びX軸の回りでの傾斜角θYを求める。これら
の傾斜角θX 、傾斜角θY 、及び焦点位置zはマルチプ
レクサ53の一方の入力部に供給される。
【0028】また、カウンタ61A〜61Cから出力さ
れる対応するアクチュエータ16A〜16CのZ方向の
位置PZ1 ,PZ2 ,PZ3 が、主制御系20内のステ
ージ位置計算部57に供給され、このステージ位置計算
部57には、レーザ干渉計23X及び23Yで計測され
ているZチルトステージ14(ウエハ12)のX座標、
及びY座標も供給されている。この場合、ステージ位置
計算部57では、先ず投影光学系11の光軸を原点とし
てX座標、及びY座標を表した座標系における、3個の
アクチュエータ16A,16C,16Dの座標(X1
1),(X2 ,Y2),(X3 ,Y3)を算出する。
【0029】図7は、投影光学系11の光軸AXを原点
(0,0)とした座標系を示し、この図7において、直
線63は3個のアクチュエータ16A〜16CとZチル
トステージ14との接点を含む平面と、原点及びX軸を
通りX軸に垂直な平面との交線、案内面62はXステー
ジ15X及びYステージ15Yが移動する際の案内面
(走り面)を示す。同様に、直線64は3個のアクチュ
エータ16A〜16CとZチルトステージ14との接点
を含む平面と、原点及びY軸を通りY軸に垂直な平面と
の交線であり、直線63が案内面62に対してなす角度
ΘX 、及び直線64が案内面62に対してなす角度ΘY
は、それぞれZチルトステージ14の底面の案内面62
に対する傾斜角を表すとみなされる。また、Zチルトス
テージ14の底面の光軸AX、即ち原点での案内面62
に対する焦点位置をPZとすると、焦点位置PZは直線
63及び64の原点での焦点位置となる。なお、図7に
おいて、直線63及び64と案内面62との間にZ方向
の位置PZ1 ,PZ2 ,PZ 3 が示されているが、これ
らは実際の値ではなくそれぞれX軸及びY軸上での値に
換算したものである。また、Z方向の位置PZ1 ,PZ
2 ,PZ3 は、案内面62を基準としてキャリブレーシ
ョンされており、最小自乗法演算部52で算出される平
面の焦点位置z、及び傾斜角θX ,θY も案内面62を
基準としてキャリブレーションされている。
【0030】このとき、図8のステージ位置計算部57
では、3個のアクチュエータ16A〜16Dの座標(X
1 ,Y1)〜(X3 ,Y3)、及びZ方向の位置PZ1 〜P
3を次式に代入して、Zチルトステージ14の底面の
傾斜角ΘX ,ΘY 、及び焦点位置PZを算出する。
【0031】
【数1】
【0032】図8に戻り、算出された傾斜角ΘX
ΘY 、及び焦点位置PZは、ウエハモデル部58に供給
される。ウエハモデル部58には、Zチルトステージ1
4のX座標、及びY座標の情報も供給され、ウエハモデ
ル部58では、供給されたZチルトステージ14の底面
の傾斜角ΘX ,ΘY 、及び焦点位置PZと、現在のZチ
ルトステージ14(ウエハ12)の座標(X,Y)とか
ら、予め設定されているウエハのモデルに基づいてウエ
ハ12の仮想的な表面のY軸の回りの傾斜角θX'、X軸
の回りの傾斜角θY'、及び焦点位置z’を求める。これ
らのウエハの仮想的な表面の傾斜角θX',θY'、及び焦
点位置z’はマルチプレクサ53の他方の入力部に供給
される。
【0033】即ち、本例ではマルチプレクサ53に対し
て、ウエハ12の表面の実際に計測された傾斜角及び焦
点位置と、ウエハ12の仮想的な表面の傾斜角、及び焦
点位置とが供給されている。従って、本例ではウエハ1
2の表面の実際の計測値に基づいた直接制御と、ウエハ
12の仮想的な表面の状態に基づいたモデル追従制御と
を切り換えながら合焦及びレベリングの制御が行われ
る。そられ2つの制御方式の切り換えのタイミングは、
オペレータが入出力装置60を介して主制御系20内の
制御部55に指示する。この指示は、例えばZチルトス
テージ14の座標(X,Y)の区分に応じてどの制御方
式を使用するかを示す形式で行われ、その指示は焦点位
置切り換え判定部54に送られる。
【0034】焦点位置切り換え判定部54には、Zチル
トステージ14のX座標及びY座標も供給され、焦点位
置切り換え判定部54は、供給された座標に応じて制御
方式の切り換えを指示する制御信号をマルチプレクサ5
3に供給する。マルチプレクサ53では、ウエハ12の
表面の実際の計測値に基づいた直接制御を行うときに
は、傾斜角θX ,θY 、及び焦点位置zを選択してそれ
ぞれ減算部56A,56B及び56Cに供給し、ウエハ
12の仮想的な表面の状態に基づいたモデル追従制御を
行うときには、傾斜角θX',θY'、及び焦点位置z’を
選択してそれぞれ減算部56A,56B及び56Cに供
給する。
【0035】また、予め例えばテストプリント等によっ
て、ウエハ側のステージの案内面62(図7参照)を基
準として、Zチルトステージ14の座標が所定の基準点
(X 0 ,Y0)にあるときの投影光学系11の結像面のX
軸の回りの傾斜角θX0、Y軸の回りの傾斜角θY0、及び
Z方向の位置(合焦位置)z0 が求められて、制御部5
5内の記憶部に記憶されている。そこで、Zチルトステ
ージ14の座標が任意の座標(X,Y)に移動したとき
には、制御部55は、案内面62を基準としたその結像
面の傾斜角θXR,θYR及び合焦位置zR を次の近似式か
ら算出する。
【0036】
【数2】θXR=θX0, θYR=θY0, zR =(X−X0X0+(Y−Y0Y0+z0 その結像面の傾斜角θXR,θYR、及び合焦位置zR がそ
れぞれ目標値として減算部56A,56B及び56Cに
供給され、減算部56A,56B及び56Cから目標位
置/速度変換部59に対してそれぞれ、目標値に対する
傾斜角の偏差ΔθX ,ΔθY 、及び焦点位置の偏差Δz
が供給される。例えば傾斜角の偏差Δθ X は、(θXR
θX)又は(θXR−θX')である。また、Zチルトステー
ジ14(ウエハ12)のX座標、及びY座標も目標位置
/速度変換部59に供給され、目標位置/速度変換部5
9では、先ず、供給されたZチルトステージ14のX座
標、Y座標より、投影光学系11の光軸を原点とした場
合の3個のアクチュエータ16A,16B,16Cのそ
れぞれの座標(X1 ,Y1),(X2 ,Y2),(X3
3)を算出する。
【0037】また、予め傾斜角の偏差ΔθX ,ΔθY
及び焦点位置の偏差Δzのそれぞれの位置制御系のルー
プゲインKθX 、KθY 、及びKZ が記憶されており、
目標位置/速度変換部59では、例えばウエハ12の位
置が所定量変化する毎に、又は所定の時間間隔で、次式
から3個のアクチュエータ16A,16B,16Cへの
それぞれの速度指令値VZ1 ,VZ2 ,VZ3 を算出す
る。
【0038】
【数3】
【0039】これらの速度指令値VZ1 〜VZ3 は、ウ
エハステージ制御系24に供給され、ウエハステージ制
御系24では、各アクチュエータの先端部がそれぞれ速
度指令値VZ1 ,VZ2 ,VZ3 で移動するように、速
度サーボ制御方式でアクチュエータ16A,16B,1
6Cを駆動する。これによりウエハ12の照野フィール
ド13内の表面の合焦及びレベリングの制御が行われ
る。
【0040】この制御の結果、アクチュエータ16A〜
16Cによって駆動されたZチルトステージ14の底面
の3箇所のZ方向の位置PZ1 ,PZ2 ,PZ3 が変化
し、それら3箇所のZ方向の位置から、ステージ位置計
算部57、及びウエハモデル部58により、ウエハの仮
想的な表面の傾斜角及び焦点位置が求められる。これと
並行して、駆動後のウエハ12の表面の傾斜角等が、図
1の多点AFセンサ25及び図8の最小自乗法計算部5
2等により計測され、この計測結果又は仮想的な表面の
傾斜角等と目標値との偏差が目標位置/速度変換部59
にフィードバックされる。これによってオートフォーカ
ス、及びオートレベリングが行われる。
【0041】ここで、図1及び図8に示される本例の投
影露光装置の制御機構を簡略化して表示すると、図12
に示すようになる。この図12において、ウエハ12は
ウエハステージ65上に保持され、ウエハ12の表面の
傾斜角、及び焦点位置がセンサ74により計測され、計
測値が切り換え部75の一方の入力部に供給されてい
る。また、ウエハステージ65内の所定の部材の所定の
基準面に対する傾斜角、及び高さがセンサ76により計
測され、計測値がウエハモデル部77を介してウエハ1
2の仮想的な表面の傾斜角、及び焦点位置の推定値とな
り、この推定値が切り換え部75の他方の入力部に供給
され、切り換え部75では外部からの切り替え指令に応
じて選択した計測値、又は推定値を減算部78に供給す
る。
【0042】そして、減算部78では、外部から供給さ
れる目標値からその計測値、又は推定値を差し引いて得
られる偏差を制御系79に供給し、制御系79ではその
偏差が0になるようにウエハステージ65の傾斜角及び
高さを制御するようになっている。次に、本例でウエハ
12の表面の実際の計測値に基づいた直接制御と、ウエ
ハ12の仮想的な表面の状態に基づいたモデル追従制御
とを切り換えながら合焦及びレベリングの制御を行う場
合の具体例につき説明する。
【0043】基本的に、それら2つの制御の切り換えが
なされるのは主に次の3つの場合である。図1の多点
AFセンサ25の検出領域がウエハの表面内から外に出
る場合。フ多点AFセンサ25の検出領域がウエハの
表面外から内部に入る場合。ウエハの表面に溝状の合
焦又はレベリングの制御に不適当な領域が存在する場
合。以下、それぞれの場合について説明を行うことにす
る。
【0044】先ず、図9(a)に示すように、ウエハの
ステッピング移動あるいは走査に伴い、多点AFセンサ
25の検出領域である照野フィールド13がウエハ12
の表面の外側から内側へ変化する場合を扱う。以下では
ウエハ12が載置されているステージ系(Zチルトステ
ージ14、Yステージ15Y、及びXステージ15X
等)をウエハステージ65で表している。このとき、ウ
エハステージ65の先端が領域66Eにあるときには、
多点AFセンサ25の検出領域はウエハ12の表面外に
あるため、図8のマルチプレクサ53ではウエハモデル
部58からの仮想的な表面の傾斜角θX',θY'及び焦点
位置z’を選択する。
【0045】また、図8のウエハモデル部58では、Z
チルトステージ14の底面のZ方向の位置PZにZチル
トステージ14の厚さ、不図示のウエハホルダの厚さ及
びウエハ12の厚さを加算して焦点位置z’を求め、Z
チルトステージ14の底面の傾斜角ΘX ,ΘY をそのま
ま傾斜角θX',θY'としている。その結果、ウエハ12
の表面がその仮想的な表面に合致するように合焦及びレ
ベリングの制御が行われる。そして、アクチュエータ1
6A〜16Cに駆動された後のZチルトステージ14の
底面の3箇所の位置PZ1 〜PZ3 から、ステージ位置
計算部57及びウエハモデル部58によってウエハ12
の仮想的な表面の傾斜角θX',θY'及び焦点位置z’が
更新され、この更新後の値と目標値との偏差が新たなサ
ーボ偏差として目標位置/速度変換部59に与えられ、
所謂閉ループの位置サーボ制御が行われる。
【0046】その後、図9(a)においてウエハステー
ジ65が更に移動して領域66Aに入ったことが、図8
の焦点位置切り換え判定部54によって判定されると、
マルチプレクサ53は最小自乗法計算部52からの傾斜
角θX ,θY 、及び焦点位置zを選択するように切り換
えられる。これは、位置Q1で示すように、多点AFセ
ンサ25の検出領域(照野フィールド13)の全部がウ
エハ12上に移動して、実際の計測値が有効となるから
である。そして、Zチルトステージ14は、ウエハ12
の実際の表面の傾斜角θX ,θY 、及び焦点位置zがそ
れぞれ目標値θ XR,θYR、及びzR に合致するようにサ
ーボ制御される。この切り換えの際に、仮想的な表面を
用いた制御によって、ウエハ12の表面の焦点位置はほ
ぼ目標値付近にあるため、制御方式を切り換えてからウ
エハ12の表面が目標値、即ち結像面に対して所定の許
容範囲内で合致するまでの引き込み時間(整定時間)が
従来例に比べて短縮されている。
【0047】次に、図9(b)に示すように、ウエハ1
2のステッピング移動あるいは走査により、多点AFセ
ンサ25の検出領域(照野フィールド13)がウエハ1
2の表面内から外側へと移動する場合を扱う。この場
合、ウエハステージ65の先端が領域67Aにあるとき
には、図8のマルチプレクサ53は最小自乗法計算部5
2からの傾斜角θX ,θY 、及び焦点位置zを選択する
ように切り換えられ、実際のウエハ12の表面が結像面
に合致するようにサーボ制御される。その後、ウエハス
テージ65の先端が領域67Eに入ったことが焦点位置
切り換え判定部54により判定されると、マルチプレク
サ53はウエハモデル部58側に切り換えられ、ウエハ
モデルによる仮想的な表面が結像面に合致するようにサ
ーボ制御される。これは位置Q2で示すように、多点A
Fセンサ25の検出領域がウエハ12の外側に位置する
と、多点AFセンサ25の検出値が大きく変動してしま
うからである。
【0048】また、図9(c)に示すように、ウエハ1
2の表面に合焦及びレベリング制御に不適当な溝状の領
域68がある場合の制御方法につき説明する。そのよう
な溝状の領域68の一例は、隣接するショット領域間の
ストリートラインであるが、例えば走査露光方式の投影
露光装置で1つのショット領域から複数のチップを切り
出すような場合には、1つのショット領域内の走査方向
の途中にその溝状の領域68が存在することがある。図
9(c)では、ウエハ12上の1つのショット領域内に
溝状の領域68が存在し、ステップ・アンド・スキャン
方式の投影露光装置で露光を行うものとして、走査方向
を図9(c)の紙面に沿った方向(左右方向)とする。
【0049】この場合、ウエハステージ65を矢印で示
すように左方向に走査して露光を行うものとすると、溝
状の領域68が領域69A2にあるときには、図8のマ
ルチプレクサ53は最小自乗法計算部52側に切り換え
られており、多点AFセンサ25の計測値に基づいて合
焦及びレベリング制御が行われる。その後、溝状の領域
68が領域69Eに入って多点AFセンサ25の検出領
域(照野フィールド13)が溝状の領域68にかかると
焦点位置切り換え判定部52が判定したときには、マル
チプレクサ53はウエハモデル部58側に切り換えられ
て、仮想的な表面を結像面に合致させるように制御が行
われる。これは位置Q3で示すように、多点AFセンサ
25により計測される焦点位置は低くなるため、領域6
9Eで多点AFセンサ25の計測値を使用して合焦制御
を行うと一時的にウエハ12の焦点位置が高くなって、
その後の引き込み時間が長くなってしまうからである。
また、その仮想的な表面としては、その溝状の領域68
が無い場合の平坦な表面が設定される。
【0050】次に、走査露光が進んで溝状の領域68が
領域69A1に達して、多点AFセンサ25の検出領域
が溝状の領域68にかからなくなったと判定されたとき
に、マルチプレクサ53は再度最小自乗法計算部52側
に切り換えられて、多点AFセンサ25の計測値に基づ
いて合焦及びレベリング制御が行われる。このように切
り換えを行うことにより、溝状の領域68を過ぎた直後
での引き込み時間(整定時間)が短縮され、結果として
例えば走査速度を高めることにより、露光工程のスルー
プットを向上できるようになる。
【0051】なお、上述の実施の形態では、図8の焦点
位置切り換え判定部54における切り替え判定は、予め
入出力装置60を介してウエハ12の位置の情報として
与えられたデータと、レーザ干渉計23X,23Yによ
り計測されるZチルトステージ14(ウエハ12)の現
在の座標位置とを比較することでなされているが、図1
0に示すように、判定用のセンサを使用してもよい。
【0052】図10は、多点AFセンサ25とは別に走
査方向の先行する検出領域70の焦点位置を検出するA
Fセンサ71を設けた例を示し、この図10において、
多点AFセンサ25の検出領域の中心とAFセンサ71
の検出領域70の中心とは、図10の紙面に平行な方向
に間隔dだけ離れている。そして、例えばウエハステー
ジ65を走査速度VW で左方向に走査して露光を行う際
に、AFセンサ71で検出される焦点位置が検出範囲外
から正常な範囲に復帰したような場合には、それから時
間d/VW が経過した後に図8のマルチプレクサ53を
最小自乗法計算部52側を選択するように切り換える。
これにより、予め切り換え範囲を定めておくことなく、
制御方式の切り換えを正確に行うことができる。
【0053】更に、本例では図2に示すように先読み領
域35A,35Bが設けられているため、図2の先読み
領域35Aを図10の検出領域70としてもよい。この
場合、AFセンサ71は図1の多点AFセンサ25で兼
用できる利点もある。また、ウエハの表面は実際には平
面ではなく、通常例えば中心に対してほぼ軸対称に凸
状、又は凹状等に緩やかに変形している。そこで、この
ようなウエハの変形に対応するために、本例の図8のウ
エハモデル部58ではウエハ12のX方向及びY方向へ
の移動に伴ってアダプティブに(適応的に)ウエハモデ
ルを修正していく方法を採用している。これは多点AF
センサ25の計測結果を使用して合焦及びレベリングの
制御を行っているときに、逐次ウエハモデルを修正して
いくことで行われる。
【0054】図11は、表面が変形したウエハをウエハ
ステージ65で左方向に移動する場合を示し、先ず図1
1(a)に示すように、ウエハステージ65のX座標が
Aの場合には、多点AFセンサ25で計測される照野
フィールド13内での近似平面、即ちほぼ照野フィール
ド13の中心でウエハ12に接する平面がウエハモデル
となる。また、図11(b)に示すように、ウエハステ
ージ65のX座標がX B となった場合には、その状態で
多点AFセンサ25により計測される照野フィールド1
3内での近似平面がウエハモデルとなる。そして、図8
のマルチプレクサ53がウエハモデル部58側に切り換
わる際には、その直前に多点AFセンサ25により計測
された近似平面がウエハモデルとして使用される。これ
により、ウエハが変形していても、制御方式を切り換え
た際の引き込み時間が短縮される。
【0055】なお、図2においては、傾斜角、及び焦点
位置検出用の計測点P21〜P43が照野フィールド13内
に分布しているが、それら計測点P21〜P43は照野フィ
ールド13からはみ出していてもよい。また、全体の計
測点P11〜P53の個数、及び配列は図2に限定されず、
例えば計測点をX方向に段違いに配置してもよい。更
に、上述の実施の形態では、ウエハ12上の照野フィー
ルド13の傾斜角を検出するために多点AFセンサ25
が使用されているが、多点AFセンサの代わりに計測点
が1点のAFセンサを使用して、傾斜角検出用に例えば
ウエハ12の表面に平行光束を斜めに照射し、その反射
光の集光位置の横ずれ量からその表面の傾斜角を検出す
る平行光束斜入射方式のレベリングセンサを使用しても
よい。
【0056】また、本発明は一括露光方式の投影露光装
置(ステッパー等)にも適用できる。このように一括露
光方式の投影露光装置に本発明を適用した場合でも、図
10の例と同様に、本来のAFセンサとは別に先行する
検出領域の焦点位置を検出する補助AFセンサを配置
し、例えばステッピング移動中等にその補助AFセンサ
の計測値を使用して制御方式の切り換えを行うようにし
てもよい。
【0057】このように、本発明は上述の実施の形態に
限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構
成を取り得る。
【0058】
【発明の効果】本発明の第1の露光装置によれば、基板
(ウエハ等)の表面の本来合焦の制御対象とされない領
域で且つ凹凸が存在する領域、又は基板の外部の領域で
は、ステージ用焦点位置検出センサ(エンコーダ等)に
より検出された高さに基づいて基板の焦点位置を制御し
ているため、その後で基板用焦点位置検出センサを使用
して合焦(オートフォーカス)制御を開始する際の焦点
位置の目標値からの偏差量が少なくなる。従って、その
後で引き込みが完了するまでの引き込み時間(整定時
間)を短縮でき、露光工程のスループットを高めること
ができる利点がある。
【0059】また、本発明の第2の露光装置によれば、
走査露光方式で基板上の1つのショット領域上に露光を
行う際に、そのショット領域中にチップ境界(ストリー
トライン)等の溝が存在するときには、その溝の領域で
はステージ用焦点位置検出センサにより検出された高さ
に基づいて基板の焦点位置を制御することにより、その
後で基板用焦点位置検出センサを使用して合焦制御を開
始する際の引き込み時間(整定時間)を短縮できる利点
がある。
【0060】また、そのステージ用焦点位置検出センサ
により検出された高さ、及び所定のモデルに基づいて第
2の焦点位置を予測する演算手段を設けた場合には、例
えば基板の表面が変形しているような場合でも、ステー
ジ用焦点位置検出センサにより検出された高さに基づい
て基板の焦点位置をほぼ正確に制御できるため、その後
で基板用焦点位置検出センサを使用して合焦制御を開始
する際の引き込み時間をより短縮できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例としてのステップ・
アンド・スキャン方式の投影露光装置を示す構成図であ
る。
【図2】図1のウエハ12上の焦点位置の計測点の分布
を示す平面図である。
【図3】図1中の送光スリット板28を示す図である。
【図4】図1中の振動スリット板31を示す図である。
【図5】図1中の光電検出器33、及び信号処理系34
を示す構成図である。
【図6】図1中のアクチュエータ16A、及びロータリ
エンコーダ43Aの構成例を示す一部を断面とした構成
図である。
【図7】3個のアクチュエータ16A〜16Cの先端で
決定される平面の傾斜角及び高さの説明に供する図であ
る。
【図8】図1中のウエハ12の合焦及びレベリング機
構、並びにその制御系を示す一部斜視図を含む構成図で
ある。
【図9】(a)は多点AFセンサ25の検出領域がウエ
ハ12の外部の領域からウエハ12上に入る状態を示す
概念図、(b)は多点AFセンサ25の検出領域がウエ
ハ12上の領域からウエハ12の外部に出る状態を示す
概念図、(c)はウエハ12の表面の一部が溝状になっ
ている場合を示す概念図である。
【図10】多点AFセンサ25の他にウエハ上の凹凸を
予め検出するためのAFセンサを設けた場合の要部の構
成図である。
【図11】ウエハの表面が変形している場合のウエハモ
デルの決定方法の一例の説明図である。
【図12】図1及び図8で示される投影露光装置を簡略
化して示すブロック図である。
【符号の説明】
7 レチクル 9 レチクルステージ 11 投影光学系 12 ウエハ 13 照野フィールド 14 Zチルトステージ 15Y Yステージ 15X Xステージ 16A〜16C アクチュエータ 19,23X,23Y レーザ干渉計 20 主制御系 25 多点AFセンサ P11〜P53 計測点 33 光電検出器 34 信号処理系 43A〜43C ロータリエンコーダ 52 最小自乗法計算部 53 マルチプレクサ 54 焦点位置切り換え判定部 59 目標位置/速度変換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 9/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスク上のパターンを感光性の基板上に
    投影する投影光学系と、前記基板を前記投影光学系の像
    面側で移動する基板ステージとを有し、該基板ステージ
    で位置決めされた前記基板上に前記マスクのパターンの
    像を投影する露光装置において、 前記基板の前記投影光学系の光軸方向の焦点位置を検出
    する基板用焦点位置検出センサと、 前記基板ステージの前記投影光学系の光軸方向の高さを
    検出するステージ用焦点位置検出センサと、 前記基板用焦点位置検出センサにより検出された第1の
    焦点位置、及び前記ステージ用焦点位置検出センサによ
    り検出された高さに基づいて定められる第2の焦点位置
    より、前記基板の表面状態に応じて1つの焦点位置を選
    択する焦点位置切り換え手段と、 該焦点位置切り換え手段により選択された焦点位置に応
    じて前記基板の焦点位置を制御する焦点位置制御手段
    と、を備えたことを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 マスク上のパターンの一部の像を感光性
    の基板上の所定の露光領域に投影する投影光学系と、前
    記基板を前記投影光学系の像面側で移動する基板ステー
    ジとを有し、前記マスク及び前記基板を前記投影光学系
    に対して同期して走査することにより、前記マスクのパ
    ターンの像を前記基板上に逐次転写する走査型の露光装
    置において、 前記基板の前記投影光学系の光軸方向の焦点位置を検出
    する基板用焦点位置検出センサと、 前記基板ステージの前記投影光学系の光軸方向の高さを
    検出するステージ用焦点位置検出センサと、 前記基板の表面の設計データとしての段差情報を記憶す
    る記憶手段と、 前記基板用焦点位置検出センサにより検出された第1の
    焦点位置、及び前記ステージ用焦点位置検出センサによ
    り検出された高さに基づいて定められる第2の焦点位置
    より、前記記憶手段に記憶されている前記基板の段差情
    報に応じて1つの焦点位置を選択する焦点位置切り換え
    手段と、 該焦点位置切り換え手段により選択された焦点位置に応
    じて前記基板の焦点位置を制御する焦点位置制御手段
    と、を備えたことを特徴とする露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の露光装置であっ
    て、 前記ステージ用焦点位置検出センサにより検出された高
    さ、及び所定のモデルに基づいて前記第2の焦点位置を
    予測する演算手段を設けたことを特徴とする露光装置。
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