JP3519525B2 - 空冷エンジンのファンケース内導風板 - Google Patents

空冷エンジンのファンケース内導風板

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JP3519525B2
JP3519525B2 JP31357195A JP31357195A JP3519525B2 JP 3519525 B2 JP3519525 B2 JP 3519525B2 JP 31357195 A JP31357195 A JP 31357195A JP 31357195 A JP31357195 A JP 31357195A JP 3519525 B2 JP3519525 B2 JP 3519525B2
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cooling
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富也 加藤
芳雄 小林
真 川井
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は小型空冷エンジンの
冷却構造、特にクランク軸に直結した冷却ファン周囲を
ファンケースとクランクケースとによって包被し、該包
被空間内の冷却ファン外周側に、ノーズを介して外部よ
り導かれる冷却風通路を形成してなる空冷エンジンに関
する。 【0002】 【従来の技術】クランク軸に直結した冷却ファン周囲を
ファンケースとクランクケースとによって包被し、該包
被空間内の冷却ファン外周側に、ノーズを介して外部よ
り導かれる冷却風通路を形成してなる小型空冷エンジン
の従来例を図6及び図7に基づいて説明する。 【0003】図6はファンケース62を取外した状態を
示すエンジンの外観図である。同図において50は外部
より冷却風を冷却ファン52a側に導くためのノーズで
あり、フライホイールマグネット52のファン52aと
の間に狭搾部Sを形成している。51はクランクケー
ス、52はフライホイールマグネット、53はクランク
軸にフライホイールマグネット52を締付固定するため
のナットである。54はシリンダカバー、55はインシ
ュレータ、56は気化器、57はエアクリーナ、S58
は点火コイル、60はマフラカバー、61は点火栓を示
す。 【0004】図7は図6のII−II矢視断面図であり、矢
印は冷却風の通過経路を示している。尚、63はリコイ
ルスタータである。ノーズ50は合成樹脂製であり、フ
ァンケース62側の取付け固定用孔50aを有するボス
を備えている。ノーズ50のクランクケース51側には
クランクケース51の凹部51aに挿入されるピン部5
0bが設けられている。 【0005】そして前記ノーズ50は、クランクケース
51ならびにシリンダーカバー54の内壁にノーズ50
の締切部材の端部50f、50dが当接するようになっ
ており、これによりノーズ50の位置が固定される。 【0006】そしてかかる従来技術の構成によれば、リ
コイルスタータ63の冷却風入口63aより入った冷却
風(矢印)は、ノーズ50によりファン52a外周側に
入り込み、該ファン52aの回転により圧力を上昇させ
られクランクケース51とファンケース62ならびにシ
リンダーカバー54にて構成された冷却風通路を通る。
この場合主通路であるクランクケース51にはノーズ5
0の固定手段51aが凹形状となっており、冷却風を阻
害することがない。 【0007】又ノーズ50がファンケース62側とクラ
ンクケース51側にそれぞれ嵌合しているため、エンジ
ン運転時温度の上昇による冷却風ガイド自体の軟化、振
動による振られ又は草の茎、小石等の当たる野外等の苛
酷な条件下においても、倒れ、外れ等を発生することは
なく、圧力の上がった冷却風を再び冷却風通路へ洩らす
ことがないので冷却効率を低下させることがない。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記の様
なクランクケース51とファンケース62の内周壁にて
冷却風通路を形成する構成では次の様な問題が生じる。
従来のノーズ50を取付けたファンケース62内側、言
換えれば冷却風通路を構成するにはファンケース62内
周壁側にはケース補強用リブの他、エンジンを作業機に
取付けるネジボスやノーズの取付けネジボス、リブ等が
突出しているため冷却風通路が凹凸断面となり、この
為、冷却風の通路抵抗が大きく、冷却風の流れを阻害
し、シリンダの冷却効率を低下させる。 【0009】本発明はかかる技術的課題に鑑み、冷却風
の流れを阻害する冷却風通路凹凸断面を生じさせる事な
く、而も既存のエンジンにも容易に取付ける事の出来る
導風板を具えた空冷小型エンジンを提供することを目的
とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題に鑑
み、クランク軸に直結した冷却ファン52a周囲をファ
ンケース62とクランクケース51とによって包被し、
該包被空間内の冷却ファン52a外周側に、ノーズ45
fを介して外部より導かれる冷却風通路を形成してなる
空冷エンジンにおいて、冷却ファン52a外周側に沿っ
て略弧状に湾曲させ、その内周側に前記冷却風通路を形
成する導風板45eと、外部より前記導風板45e内周
側に冷却空気を導く導風板ノーズ45fと、前記導風板
45eを略弧状状態に保持するために、冷却ファン52
aと対面するファンケース62側に位置し、前記導風板
とともに冷却通路を形成する略リング円状の支持板45
gとを一体の側プレート45で形成し、前記側プレート
45の支持板45g内周縁面にファンケース62側に嵌
合する嵌合縁45cを、又前記側プレート45の冷却空
気通過域から外れた部位、好ましくは導風板45e外周
側に、クランクケース51とファンケース62側に夫々
設けた嵌合部51a、62aに嵌合する嵌合部45a、
45bを、夫々設け、少なくとも前記嵌合縁45c及び
2つの嵌合部51a、62aにより側プレート45の位
置決め固定を行うことを特徴とするものである。 【0011】尚、導風板45eはノーズ45f連設側が
狭搾に形成され、そして該狭搾位置Sより冷却ファン5
2aの回転方向に沿って徐々に拡幅化される冷却風通路
が(矢印方向)形成されるように、導風板45e弧状中
心をクランク軸中心に対し、冷却風通路出口側方向に心
ずらしをさせるか、若しくは前記導風板45eを出口側
が拡幅化されるよう僅かにスパイラル状に形成しても良
い。 【0012】 【発明の実施の形態】ファンケース62とクランクケー
ス51とによって構成された冷却ファンの包被空間内に
直接冷却風通路を構成することなく、冷却ファン52a
外周側に沿って略弧状に湾曲させた導風板45eの内周
側に、支持板45g内面とともに前記冷却風通路を形成
し、而も前記導風板45eを構成する側プレート45の
位置固定を行う嵌合縁45c及び2つの嵌合部51a、
62aは、前記前記冷却風通路を形成する導風板45e
内周側には突起や凹凸が発生することがない。又本発明
の冷却風通路(導風板45e内周側)にあって冷却風の
流れ抵抗の原因となっていたファンケース62側の作業
機取付け用ネジボス、あるいは補強用リブによる凹凸を
無くすことができるので、冷却風の通路抵抗が軽減さ
れ、また、側プレート45と一体の導風板45eの端部
に設けられたノーズ45fにおいて冷却風通路を狭搾し
ているので、冷却風の流れが円滑になってシリンダの冷
却効率が向上する。 【0013】又前記側プレート45は、の支持板45g
内周縁面をファンケース62側に折曲して形成した嵌合
縁(円形縁)45cをファンケース62側に嵌合させ、
一方前記導風板45e外周側には、クランクケース51
とファンケース62側に夫々設けた嵌合部51a、62
aに嵌合する嵌合部45a、45bを夫々設けたため
に、前記嵌合縁45c及び2つの嵌合部51a、62a
により、三点支持にて側プレート45の位置決め固定を
行う為に位置精度が極めて向上するとともに、いずれも
嵌合固定であるために、組立てるときネジ止めの必要な
く、組立工程が簡単になる。 【0014】 【実施例】本発明の実施例を図に基づいて説明する。以
下、図面に基づいて本発明の実施例を例示的に詳しく説
明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸
法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載
がない限りは、この発明の範囲をそれのみに限定する趣
旨ではなく単なる説明例に過ぎない。図1は空冷単気筒
エンジンのファンケース62を取外し側プレート45が
取付けられた状態を示すエンジンの全体側面図である。
図2は、図1のA−A断面図で冷却風の流れを矢印で示
した図である。図3は内側から側プレート45とファン
ケース62をみた側面図である。図4は図3のB−B断
面に沿って展開した冷却風通路の展開図であり、冷却風
の流れを矢印で示した図である。図5は側プレート45
の斜視図である。エンジンの構成は側プレート45周辺
以外は従来例で説明したエンジンと同じであり、本実施
例の説明においても、同一符号は同一部品名称を示す。 【0015】図1において51はクランクケース、52
はフライホイールマグネット、53はクランク軸にフラ
イホイールマグネット52を締付固定するためのナット
である。54はシリンダカバー、55はインシュレー
タ、56は気化器、57はエアクリーナ、58は点火コ
イル、60はマフラカバー、61は点火栓を示す。 【0016】45は側プレートであり、冷却ファン52
a外周側に沿って略弧状に湾曲させ、その内周側に前記
冷却風通路を形成する導風板45eと、外部より前記導
風板45e内周側に冷却空気を導く導風板ノーズ45f
と、前記導風板45eを略弧状状態を保持するために、
冷却ファン52aと対面するファンケース62側に位置
し、前記導風板とともに冷却通路を形成する略リング円
状の支持板45gとを一体的に形成し、前記側プレート
45の支持板45g内周縁面にファンケース62側に嵌
合する嵌合縁(円形縁部45c)を、又前記側プレート
45の導風板45e外周側に、クランクケース51とフ
ァンケース62側に夫々設けた凹部51aと突起部62
aに嵌合する嵌合穴45aと嵌合突起45bを、夫々設
け、前記嵌合縁45c及び嵌合穴45aと嵌合突起45
bにより側プレート45をファンケース62及びクラン
クケース51とに対し、位置決め固定を行う。 【0017】尚、導風板45eはノーズ45f連設側が
狭搾に形成され、そして該狭搾位置Sより冷却ファン5
2aの回転方向に沿って徐々に拡幅化される冷却風通路
が(矢印方向)形成されるように、導風板45e弧状中
心をクランク軸中心に対し、冷却風通路出口側方向に心
ずらしをさせるか、若しくは前記導風板45eを出口側
が拡幅化されるよう僅かにスパイラル状に形成しても良
い。又導風板45eの弧状出口端はクランクケース51
の内周壁に収束しながら接触させ、前記導風板45e内
周側通過後の、冷却風が効率良くシリンダ側に導かれ
る。 【0018】そして前記側プレート45は図5に斜視図
で示した形状で合成樹脂を射出成形したものでり、前記
した導風板45e始端側が冷却空気入口63a側に向け
折曲され平面状のノーズ45fを形成するとともに、前
記ノーズ45fと導風板45e外周側に位置する略V字
状角隅部に円柱状のブッシュを立設し、該ブッシュの上
下両端部に、ファンケース62に設けられた突起部62
aが挿入される取付け用の嵌合穴45aと、クランクケ
ース51の凹部51aに差し込まれて位置決めする取付
け用嵌合突起45bを設ける。 【0019】そして前記ノーズ45fと導風板45e
は、ファンケース62側で、リング円状の支持板に一体
的に固設されている。前記支持板45gの内周縁には、
ファンケース62の大径孔内側に嵌め込まれる円形縁部
45cが、外面側に向け突設されている。また支持板4
5gの内周縁にはファンケース62のネジボス62bの
突き出しを避ける為に切り欠き45dを設けている。又
支持板45gは冷却ファン52aのフィンの側面を隠蔽
するように配置されているために、前記導風板45eと
ともに冷却風通路を構成する事となる。 【0020】図2の矢印は冷却風の通過経路を示してい
る。尚、63はリコイルスタータであり、63aはリコ
イルスタータ63に設けられた冷却空気入口である。 【0021】図3に示されたファンケース62は合成樹
脂を射出成形又は軽合金のダイキャスティングで製造さ
れており、冷却風通路に凹凸を設けない形状も製作可能
であるが、この場合ネジボス62b、補強リブ62c等
がファンケース62外側に突出し、ファンケース62の
外観に凹凸ができ、エンジンがデザイン上で著しく商品
力を低下させることとなるので、通常は内側の冷却風通
路側に突出するように設けられている。 【0022】リコイルスタータ63の冷却空気入口63
aより入った冷却風(矢印)はファン52aにより圧力
を上昇させられ、クランクケース51とファンケース6
2に囲われた室内に固定された側プレート45に囲われ
た冷却風通路を通り、次いでシリンダカバー54の冷却
風通路に吹き出され、シリンダその他を冷却する。この
場合、もし図4の冷却風通路にファンケース62のネジ
ボス62b、補強リブ62c等の凹凸が存在し、冷却風
に乱流を生じ、流れが阻害されるが、側プレート45が
あれば、これらの凹凸をカバーし、冷却風の流れを滑ら
かな整流にすることができる。 【0023】又、側プレート45はファンケース62側
とクランクケース51側にそれぞれ嵌合しているため、
エンジン運転時温度の上昇による冷却風ガイド自体の軟
化、振動による振られ又は草の茎、小石等の当たる野外
等の厳しい条件下においても、倒れ、外れ等を発生する
ことはなく、また側プレート45のノーズ部45fが圧
力の上がった冷却風をシリンダ方向へガイドして冷却風
を再び冷却風通路へ洩らすことがないので冷却効率を低
下させることがない。 【0024】 【発明の効果】従って本発明によれば、冷却ファン52
a外周側に沿って略弧状に湾曲させた導風板45eの内
周側に前記冷却風通路を形成し冷却風通路の凹凸を無く
したため、冷却風流れ抵抗が軽減され、シリンダの冷却
効率が向上する。又、エンジンのファンケース62やク
ランクケース51の従来の形状を殆ど変えることなく、
側プレート45を嵌め込みだけでファンケース62とク
ランクケース51の間に組み付けることができ、ネジ止
めの必要もないので、生産のコストも低減できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例に係るエンジンのファンケース
を取外した状態を示すエンジンの全体側面図である。 【図2】図1のA−A断面図である。 【図3】図1のエンジン側のプレートとファンケースを
内側からみた側面図である。 【図4】図3のB−B断面に沿って展開した冷却風通路
の展開図である。 【図5】図1に示した側プレートの斜視図である。 【図6】従来のエンジンのファンケースを取外した状態
を示すエンジンの全体側面図である。 【図7】図6のII−II断面図である。 【符号の説明】 45 側プレート 45e 導風板 45f ノーズ 51 クランクケース 52a ファン 62 ファンケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭57−22619(JP,U) 実開 昭63−110622(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01P 5/06 F01P 1/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 クランク軸に直結した冷却ファン周囲を
    ファンケースとクランクケースとによって包被し、該包
    被空間内の冷却ファン外周側に、ノーズを介して外部よ
    り導かれる冷却風通路を形成してなる空冷エンジンにお
    いて、 冷却ファン外周側に沿って略弧状に湾曲させ、その内周
    側に前記冷却風通路を形成する導風板と、外部より前記
    導風板内周側に冷却空気を導く導風板ノーズと、冷却フ
    ァンと対面するファンケース側に位置し、前記導風板と
    ともに冷却通路を形成する略リング円状の支持板とを、
    一体の側プレートで形成し、 前記側プレートの支持板内周縁面にファンケース側に嵌
    合する嵌合縁を、又前記側プレートの冷却空気通過域か
    ら外れた部位、好ましくは導風板外周側に、クランクケ
    ースとファンケース側に夫々設けた嵌合部に嵌合する嵌
    合部を、夫々設け、 少なくとも前記嵌合縁及び2つの嵌合部により側プレー
    トの位置決め固定を行うことを特徴とする空冷エンジン
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