JP3518820B2 - エチレン系共重合体組成物 - Google Patents

エチレン系共重合体組成物

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JP3518820B2 JP08289395A JP8289395A JP3518820B2 JP 3518820 B2 JP3518820 B2 JP 3518820B2 JP 08289395 A JP08289395 A JP 08289395A JP 8289395 A JP8289395 A JP 8289395A JP 3518820 B2 JP3518820 B2 JP 3518820B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の技術的分野】本発明は、エチレン系共重合体組
成物に関し、さらに詳しくは、従来公知のエチレン系共
重合体またはエチレン系共重合体組成物と比較して熱安
定性に優れ、かつ機械的強度に優れたエチレン系共重合
体組成物に関するものである 【0002】 【発明の技術的背景】エチレン系共重合体は、種々の成
型方法により成型され、多方面の用途にされている。 【0003】ところで、一般にチーグラー型触媒、特に
チタン系触媒を用いて得られるエチレン系重合体、特に
低密度エチレン系共重合体では、組成分布が広く、フィ
ルムなどの成形体はベタ付があるなどの問題点があっ
た。 【0004】また、チーグラー型触媒を用いて製造され
るエチレン系重合体の中でも、クロム系触媒を用いて得
られるエチレン系重合体は、熱安定性が劣るという短所
がある。これは、クロム系触媒を用いて製造されるエチ
レン系重合体の鎖末端が不飽和結合になりやすいためと
考えられる。 【0005】チーグラー型触媒系の内、メタロセン触媒
系を用いて得られるエチレン系重合体では、組成分布が
狭くフィルムなどの成形体はベタつきが少ないなどの長
所があることが知られている。しかしながら、例えば特
開昭60−35007号公報では、シクロペンタジエニ
ル誘導体からなるジルコノセン化合物を触媒として得ら
れるエチレン系重合体は、1分子当たり1個の末端不飽
和結合を含むという記載があり、上記クロム系触媒を用
いて得られるエチレン系重合体同様、熱安定性が悪いこ
とが予想される。 【0006】このためもし熱的安定性に優れかつ機械的
物性に優れたエチレン系重合体が出現すれば、その工業
的価値は極めて大きい。本研究者らは、このような状況
に鑑み鋭意研究した結果、密度および極限粘度が特定の
範囲にあり、示差走査型熱量計により測定した吸熱曲線
の最大ピーク位置の温度と密度とが特定の関係にあり、
室温におけるデカン可溶部と密度とが特定の関係にある
エチレン・α−オレフィン共重合体は、熱安定性に優れ
ることを見い出した。さらに研究を重ねた結果、上記エ
チレン・α−オレフィン共重合体と特定の結晶性ポリオ
レフィンをブレンドすることにより得られるエチレン系
共重合体組成物は、熱安定性および機械的強度に優れる
ことを見い出して、本発明を完成するに至った。 【0007】 【発明の目的】本発明は、熱安定性に優れるとともに機
械的強度にも優れたエチレン系共重合体組成物を提供す
ることを目的としている。 【0008】 【発明の概要】本発明に係るエチレン系共重合体組成物
は、 (A)エチレンと、炭素原子数が3〜20のα−オレフ
ィンとの共重合体であって、 (A-i) 密度が0.880〜0.940g/cm3 の範
囲にあり、 (A-ii) 135℃、デカリン中で測定した極限粘度
[η]が1.0〜10.0dl/gの範囲であり、 (A-iii) 示差走査型熱量計により測定した吸熱曲線の最
大ピーク位置の温度〔Tm(℃)〕と密度(d)とが次
式で示される関係を満たし、 Tm<400×d−250 (A-iv) 室温におけるデカン可溶部〔W(重量%)〕と
密度(d)とが次式で示される関係を満たす W<80×exp{−100(d−0.88)}+0.1 エチレン・α−オレフィン共重合体;1〜59重量%
と、 (B)下記の(B-I)、(B-II)および(B-III) (B-I) 190℃、2.16kg荷重におけるメルトフロ
ーレートが0.01〜100g/10分の範囲にあり、密
度が0.950g/cm3 以上である、エチレン単独重
合体、またはエチレンと炭素原子数が3〜20のα−オ
レフィンとの共重合体 (B-II) 230℃、2.16kg荷重におけるメルトフ
ローレートが0.1〜100g/10分の範囲にあり、密
度が0.900g/cm3 以上である、プロピレン単独
重合体、またはプロピレンと、エチレンおよび炭素原子
数が4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも
1種のオレフィンとの共重合体 (B-III) 230℃、2.16kg荷重におけるメルトフ
ローレートが0.1〜100g/10分の範囲にあり、密
度が0.900g/cm3 以上である、炭素原子数が4
〜20のα−オレフィンの単独重合体、または炭素原子
数が4〜20のα−オレフィンの共重合体から選ばれる
少なくとも1種の結晶性ポリオレフィン;99〜41重
量%とからなることを特徴としている。 【0009】 【発明の具体的説明】以下、本発明に係るエチレン系共
重合体組成物について具体的に説明する。本発明に係る
エチレン系共重合体組成物は、エチレン・α−オレフィ
ン共重合体(A)と結晶性ポリオレフィン(B)とから
形成されている。まず、エチレン・α−オレフィン共重
合体(A)および結晶性ポリオレフィン(B)について
説明する。 【0010】エチレン・α−オレフィン共重合体(A) エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、エチレン
と炭素原子数が3〜20のα−オレフィンとのランダム
共重合体である。エチレンとの共重合に用いられる炭素
原子数が3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレ
ン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-
ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テト
ラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコ
センなどが挙げられる。 【0011】このエチレン・α−オレフィン共重合体
(A)は、エチレンから導かれる構成単位は、55〜9
9重量%、好ましくは65〜98重量%、より好ましく
は70〜96重量%の量で存在し、炭素原子数が3〜2
0のα−オレフィンから導かれる構成単位は1〜45重
量%、好ましくは2〜35重量%、より好ましくは4〜
30重量%の量で存在することが望ましい。 【0012】エチレン・α−オレフィン共重合体の組成
は、通常10mmφの試験管中で約200mgの共重合
体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させ
た試料の13C−NMRスペクトルを、測定温度120
℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅150
0Hz、パルス繰り返し時間4.2sec.、パルス幅6μ
sec.の測定条件下で測定して決定される。 【0013】このようなエチレン・α−オレフィン共重
合体(A)は、下記(A-i) 〜 (A-iv) に示すような特性
を有している。(A-i) 密度は、0.880〜0.940
g/cm3 、好ましくは0.890〜0.935g/c
3 、より好ましくは0.900〜0.930g/cm
3 の範囲にあることが望ましい。 【0014】密度は、190℃における2.16kg荷
重でのメルトフローレート測定時に得られるストランド
を120℃で1時間熱処理し、1時間かけて室温まで徐
冷したのち、密度勾配管で測定される。 【0015】なおメルトフローレートは、ASTM D
1238−65Tに従い190℃、2.16kg荷重の
条件下に測定される。(A-ii)135℃、デカリン中で測
定した極限粘度[η]は、1.0〜10.0dl/g、
好ましくは1.25〜8dl/g、より好ましくは1.
27〜6dl/gの範囲にあることが望ましい。 【0016】(A-iii) 示差走査型熱量計により測定した
吸熱曲線の最大ピーク位置の温度〔Tm(℃)〕と密度
〔d(g/cm3 )〕とが、 Tm<400×d−250 好ましくは Tm<450×d−297 より好ましくは Tm<500×d−344 特に好ましくは Tm<550×d−391 で示される関係を満たしていることが望ましい示差走査
型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピー
ク位置の温度〔Tm(℃)〕は、試料約5mgをアルミ
パンに詰め10℃/分で200℃まで昇温し、200℃
で5分間保持したのち20℃/分で室温まで降温し、次
いで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求められ
る。測定は、パーキンエルマー社製DSC−7型装置を
用いた。 【0017】(A-iv) 室温におけるn-デカン可溶成分量
分率〔W(重量%)〕と密度〔d(g/cm3 )〕と
が、 W<80×exp{−100(d−0.88)}+0.1 好ましくは W<60×exp{−100(d−0.88)}+0.1 より好ましくは W<40×exp{−100(d−0.88)}+0.1 で示される関係を満たしている。 【0018】n-デカン可溶成分量(可溶成分量の少ない
ものほど組成分布が狭い)の測定は、共重合体約3gを
n-デカン450mlに加え、145℃で溶解後室温まで
冷却し、濾過によりn-デカン不溶部を除き、濾液よりn-
デカン可溶部を回収することにより行われる。 【0019】このように示差走査型熱量計により測定し
た吸熱曲線における最大ピーク位置の温度(Tm)と密
度(d)との関係、そしてn-デカン可溶成分量分率
(W)と密度(d)とが上記のような関係を有すること
から、本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共
重合体(A)は、比較的組成分布が狭いものである。 【0020】さらに、エチレン・α−オレフィン共重合
体(A)は、分子中に存在する不飽和結合の数が炭素数
1000個当たり0.5個以下であり、かつ重合体1分
子当たり1個以下であることが望ましい。 【0021】不飽和結合の定量は、13C−NMRを用い
て、二重結合以外に帰属されるシグナル即ち10〜50
ppmの範囲のシグナル、および二重結合に帰属される
シグナル即ち105〜150ppmの範囲のシグナルの
面積強度を積分曲線から求め、その比から決定される。 【0022】上記のような特性を有するエチレン・α−
オレフィン共重合体(A)は、例えば後述するような
(a)第IVB族遷移金属化合物、(b)有機アルミニウ
ムオキシ化合物、(c)担体および必要に応じて(d)
有機アルミニウム化合物から形成されるオレフィン重合
用触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数が3〜20の
α−オレフィンとを得られる共重合体の密度が0.88
0〜0.940g/cm 3 となるように共重合させるこ
とによって製造することができる。 【0023】次に、エチレン・α−オレフィン共重合体
(A)の製造に用いられるオレフィン重合用触媒を形成
する各成分について説明する。 (a)第IVB族遷移金属化合物としては、特定のインデ
ニル基またはその置換体から選ばれた2個の基(配位
子)が低級アルキレン基を介して結合した二座配位子を
有する周期律表第IVB族の遷移金属の化合物、特定のシ
クロペンタジエニル骨格を有する基を配位子とする周期
律表第IVB族の遷移金属の化合物があり、具体的には下
記式(I)または(II)で表される遷移金属化合物があ
る。 【0024】(a)第IVB族遷移金属化合物として好ま
しい化合物は、下記式(I)で表される遷移金属化合物
である。 MKL1 X-2 … (I) 式(I)中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金
属原子であり、具体的には、ジルコニウム、チタンまた
はハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。 【0025】xは、遷移金属原子のMの原子価である。
Kは、遷移金属原子に配位する基(配位子)であり、具
体的にはインデニル基、置換インデニル基、インデニル
基の部分水添加物、置換インデニル基の部分水添加物か
ら選ばれる2個の基が、低級アルキレン基等の2価の炭
化水素基、シリレン基または置換シリレン基等の2価の
ケイ素含有基を介して結合された2座配位子である。な
おインデニル基、置換インデニル基、インデニル基の部
分水添加物、置換インデニル基の部分水添加物から選ば
れる2個の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。 【0026】置換インデニル基として好適なものは、メ
チル基、エチル基、iso-プロピル基、n-プロピル基等の
低級アルキル基、あるいはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素
等のハロゲンから選ばれる置換基を少なくとも1個以上
含むインデニル基である。 【0027】このようなKで示される二座配位子とし
て、より具体的には、エチレンビスインデニル基、エチ
レンビス{1-(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)}
基、エチレンビス{1-(4-メチルインデニル)}基、エ
チレンビス{1-(5-メチル-1-インデニル)}基、エチ
レンビス{1-(6-メチルインデニル)}基、エチレンビ
ス{1-(7-メチルインデニル)}基を例示することがで
きる。 【0028】L1 は、遷移金属原子に配位する基(配位
子)であり、炭素原子数が1〜12の炭化水素基、アル
コキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、トリアルキ
ルシリル基または水素原子である。なお、L1 で示され
る複数の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。 【0029】炭素原子数が1〜12の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基などを例示することができ、より具体的には、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、
n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘ
キシル基、デシル基などのアルキル基;シクロペンチル
基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニ
ル基、トリル基などのアリール基;ベンジル基、ネオフ
ィル基などのアラルキル基を例示することができる。 【0030】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキ
シ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ
基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基などを
例示することができる。 【0031】アリーロキシ基としては、フェノキシ基な
どを例示することができる。ハロゲン原子は、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素である。トリアルキルシリル基とし
ては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ
フェニルシリル基などを例示することができる。 【0032】このような一般式(I)で表される遷移金
属化合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチ
ルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジエチル
ジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジフェニル
ジルコニウム、エチレンビス(インデニル)メチルジル
コニウムモノクロリド、エチレンビス(インデニル)エ
チルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス(インデ
ニル)メチルジルコニウムモノブロミド、エチレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビス
{1-(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)}ジメチルジ
ルコニウム、エチレンビス{1-(4,5,6,7-テトラヒドロ
インデニル)}メチルジルコニウムモノクロリド、エチ
レンビス{1-(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、エチレンビス{1-(4,5,6,7-テ
トラヒドロインデニル)}ジルコニウムジブロミド、エ
チレンビス{1-(4-メチルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、エチレンビス{1-(5-メチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1-(6-
メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレ
ンビス{1-(7-メチルインデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、エチレンビス{1-(5-メトキシインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1-(2,3-ジメ
チルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレン
ビス{1-(4,7-ジメチルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、エチレンビス{1-(4,7-ジメトキシインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シ
クロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-2,7
-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチル
シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリ
レンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフ
ェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロ
リドなどが挙げられる。 【0033】なお、上記例示において、シクロペンタジ
エニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三
置換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。本発明で
は、上記のようなジルコニウム化合物において、ジルコ
ニウム金属を、チタン金属またはハフニウム金属に置き
換えた遷移金属化合物を用いることができる。 【0034】これらの一般式(I)で表される遷移金属
化合物のうちでは、エチレンビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリドが特に好まし
い。 【0035】(a)第IVB族遷移金属化合物として、上
記一般式(I)で表される遷移金属化合物を用いる場
合、上記一般式(I)で表される遷移金属化合物は、単
独で、または2種以上組み合わせて用いることができ
る。 【0036】(a)第IVB族遷移金属化合物の他の好ま
しい態様は下記式(II)で表される遷移金属化合物であ
る。 ML2 x … (II) 式(II)中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金
属原子であり、具体的には、ジルコニウム、チタンまた
はハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。 【0037】xは、遷移金属原子のMの原子価である。
2 は遷移金属原子に配位する配位子(基)であり、こ
れらのうち少なくとも2個の配位子L2 は、シクロペン
タジエニル骨格を有する配位子であり、このシクロペン
タジエニル骨格を有する配位子は、置換基を有していて
もよい。シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外
のL2 は、炭素原子数が1〜12の炭化水素基、アルコ
キシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、トリアルキル
シリル基または水素原子である。 【0038】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
として具体的には、たとえばシクロペンタジエニル基、
メチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタ
ジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テト
ラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メ
チルエチルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペ
ンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル
基、ブチルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシク
ロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基
などのアルキル置換シクロペンタジエニル基あるいはイ
ンデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フル
オレニル基などを例示することができる。これらの基
は、さらにハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで
置換されていてもよい。 【0039】これらのシクロペンタジエニル骨格を有す
る基は、互いに同一でも異なっていてもよい。炭素原子
数が1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキ
シ基、ハロゲン原子およびトリアルキルシリル基として
は、前記と同様の基または原子が挙げられる。シクロペ
ンタジエニル骨格を有する基以外の基が複数ある場合に
は、これらは互いに同一でも異なっていてもよい。 【0040】このような一般式(II)で表される遷移金
属化合物としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-プロピ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(n-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(メチル-n-プロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチ
ル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(ジメチル-n-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(n-ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリ
ド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムエトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムブトキシクロリド、ビス(n-ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシド、ビス
(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチル
クロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチル、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムベンジルクロリド、ビス(n-ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、ビス
(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニ
ルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムハイドライドクロリド、などが挙げられる。 【0041】なお、上記例示において、シクロペンタジ
エニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三
置換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。本発明で
は、上記のようなジルコニウム化合物において、ジルコ
ニウム金属を、チタン金属またはハフニウム金属に置き
換えた遷移金属化合物を用いることができる。 【0042】これらの、一般式(II)で表される遷移金
属化合物のうちでは、ビス(n-プロピルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-
メチル-3-n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-n-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリドが特に好まし
い。 【0043】(a)第IVB族遷移金属化合物として、上
記一般式(II)で表される遷移金属化合物を用いる場
合、上記一般式(II)で表される遷移金属化合物は、単
独で、または2種以上組み合わせて用いることができ
る。 【0044】エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
を製造する好適な態様として上記一般式(I)で表され
る遷移金属化合物から選ばれる少なくとも1種と、上記
一般式(II)で表される遷移金属化合物から選ばれる少
なくとも1種とを組み合わせて用いる態様がある。 【0045】具体的には、エチレンビス(インデニル)
ジルコニウムジクロリドとビス(1-メチル-3-n-ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとの組
み合わせ、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロリドとビス(1-メチル-3-n-プロピルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリドとの組み合わせ、ジ
メチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロ
リドとビス(1-メチル-3-n-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドとの組み合わせ、ジフェニ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド
とビス(1-メチル-3-n-ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリドとの組み合わせが好ましい。 【0046】有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、
従来公知のベンゼン可溶性のアルミノキサンであっても
よく、また特開平2−276807号公報で開示されて
いるようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化
合物であってもよい。 【0047】上記のようなアルミノキサンは、公知の方
法によって製造することができ、例えばベンゼンなどの
媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミ
ニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を作用させて炭化水
素の溶液として回収する方法がある。 【0048】なお、このアルミノキサンは、少量の有機
金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアル
ミノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニ
ウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解しても
よい。 【0049】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物として具体的には、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウムなどのト
リアルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミニ
ウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシク
ロアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなど
のジアルキルアルミニウムハライド;ジエチルアルミニ
ウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドラ
イドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;ジメ
チルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエ
トキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキルア
ルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。 【0050】これらのうち、トリアルキルアルミニウム
およびトリアルキルアルミニウムが特に好ましい。ま
た、この有機アルミニウム化合物として、一般式 (i-C49xAly(C510z (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表さ
れるイソプレニルアルミニウムを用いることもできる。 【0051】上記のような有機アルミニウム化合物は、
単独であるいは組合せて用いられる。アルミノキサンの
調製の際に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなど
の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、
シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭
化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分あるいは
上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素
のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭
化水素溶媒が挙げられる。その他、エチルエーテル、テ
トラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもでき
る。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素が好まし
い。 【0052】またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分
が、Al原子換算で10%以下、好ましくは5%以下、
特に好ましくは2%以下であり、ベンゼンに対して不溶
性あるいは難溶性である。 【0053】このような有機アルミニウムオキシ化合物
のベンゼンに対する溶解性は、100ミリグラム原子の
Alに相当する該有機アルミニウムオキシ化合物を10
0mlのベンゼンに懸濁した後、攪拌下60℃で6時間
混合した後、ジャケット付G−5ガラス製フィルターを
用い、60℃で熱時濾過を行ない、フィルター上に分離
された固体部を60℃のベンゼン50mlを用いて4回
洗浄した後の全濾液中に存在するAl原子の存在量(x
ミリモル)を測定することにより求められる(x%)。 【0054】担体(c)は、無機あるいは有機の化合物
であって、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜
200μmの顆粒状ないしは微粒子状の固体が使用され
る。このうち無機担体としては多孔質酸化物が好まし
く、具体的にはSiO2、Al23、MgO等またはこ
れらの混合物、例えばSiO2-MgO、SiO2-Al2
3、SiO2-TiO2、SiO2-V25、SiO2-Cr
23、SiO2-TiO2-MgO等を例示することができ
る。これらの中でSiO2およびAl23からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の成分を主成分とするものが
好ましい。 【0055】なお、上記無機酸化物には少量のNa2
3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4
Al2(SO43、BaSO4、Al(NO33、Na2
O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有して
いても差しつかえない。 【0056】このような担体(c)は、その種類および
製法により性状は異なるが、本発明に好ましく用いられ
る担体は、比表面積が50〜1000m2/g、細孔容
積が0.3〜2.5cm3/gであることが望ましい。
該担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましく
は150〜700℃で焼成して用いられる。 【0057】さらに、担体(c)としては、粒径が10
〜300μmの範囲にある有機化合物の顆粒状ないしは
微粒子状固体を挙げることができる。これら有機化合物
としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル
-1-ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフ
ィンを主成分として生成される(共)重合体あるいはビ
ニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成され
る重合体もしくは共重合体を例示することができる。 【0058】本発明で用いられる触媒は、上記(a)第
IVB族遷移金属化合物、(b)有機アルミニウムオキシ
化合物および(c)担体から形成されるが、必要に応じ
て(d)有機アルミニウム化合物を用いてもよい。 【0059】必要に応じて用いられる(d)有機アルミ
ニウム化合物としては、例えば下記一般式(III)で表
される有機アルミニウム化合物を例示することができ
る。 R1 nAlX3-n … (III) (式中、R1 は炭素原子数が1〜12の炭化水素基であ
り、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜
3である。)上記一般式(III)において、R1 は炭素
原子数が1〜12の炭化水素基、例えばアルキル基、シ
クロアルキル基またはアリル基であるが、具体的に
は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル
基、トリル基などである。 【0060】このような有機アルミニウム化合物(d)
としては、具体的には以下のような化合物が用いられ
る。トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチル
ヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミ
ニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル
ミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニ
ウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、
エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニ
ウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどの
アルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウ
ムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライ
ドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなど。 【0061】また有機アルミニウム化合物(d)とし
て、下記一般式(IV)で表される化合物を用いることも
できる。 R1 nAlY3-n … (IV) (式中、R1 は上記と同様であり、Yは−OR2 基、−
OSiR3 3 基、−OAlR4 2 基、−NR5 2 基、−S
iR6 3 基または−N(R7)AlR8 2 基であり、nは
1〜2であり、R2 、R3 、R4 およびR8 はメチル
基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基などであり、R5 は水素原子、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、ト
リメチルシリル基などであり、R6 およびR7 はメチル
基、エチル基などである。)このような有機アルミニウ
ム化合物としては、具体的には、以下のような化合物が
挙げられる。 (1)R1 nAl(OR2)3-n で表される化合物、例えば
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウ
ムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドな
ど、 (2)R1 nAl(OSiR3 33-n で表される化合物、
例えばEt2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al
(OSiMe3)、(iso-Bu)2 Al(OSiEt3
など; (3)R1 nAl(OAlR4 23-n で表される化合物、
例えばEt2AlOAlEt2 、(iso-Bu)2AlOA
l(iso-Bu)2 など; (4) R1 nAl(NR5 23-n で表される化合物、例え
ばMe2AlNEt2 、Et2AlNHMe、Me2Al
NHEt、Et2AlN(SiMe32、(iso-Bu)2
AlN(SiMe32 など; (5)R1 nAl(SiR6 33-n で表される化合物、例
えば(iso-Bu)2AlSiMe3 など; (6)R1 nAl(N(R7)AlR8 23-n で表される
化合物、例えばEt2AlN(Me)AlEt2 、(iso
-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2 など。 【0062】上記一般式(III)および(IV)で表され
る有機アルミニウム化合物の中では、一般式R1 3Al、
1 nAl(OR23-n 、R1 nAl(OAlR4 23-n
で表される化合物が好ましく、特にR1 がイソアルキル
基であり、n=2である化合物が好ましい。 【0063】エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
を製造するに際して、上記のような(a)第IVB族遷移
金属化合物〔成分(a)〕、(b)有機アルミニウムオ
キシ化合物〔成分(b)〕および(c)担体〔成分
(c)〕、必要に応じて(d)有機アルミニウム化合物
〔成分(d)〕を接触させることにより調製される触媒
が好ましく用いられる。この際の成分(a)ないし成分
(d)の接触順序は、任意に選ばれるが、好ましくは成
分(c)と成分(b)とを混合接触させ、次いで成分
(a)を混合接触させ、さらに必要に応じて成分(d)
を混合接触させる。 【0064】上記成分(a)ないし成分(d)の接触
は、不活性炭化水素溶媒中で行うことができ、触媒の調
製に用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、灯
油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エ
チレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなど
のハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物などを挙
げることができる。 【0065】成分(a)、成分(b)、成分(c)およ
び必要に応じて成分(d)を混合接触するに際して、成
分(a)は成分(c)1g当り、成分(a)中の遷移金
属原子に換算して通常5×10-6〜5×10-4モルの量
で用いられ、成分(a)の濃度は、成分(a)中の遷移
金属原子に換算して約10-4〜2×10-2モル/リット
ル(溶媒)の範囲である。成分(b)のアルミニウムと
成分(a)中の遷移金属との原子比(Al/遷移金属)
は、通常10〜500である。必要に応じて用いられる
成分(d)のアルミニウム原子(Al-d)と成分(b)
のアルミニウム原子(Al-b)の原子比(Al-d/Al-
b)は、通常0.02〜3の範囲である。成分(a)、
成分(b)、成分(c)および必要に応じて成分(d)
を混合接触する際の混合温度は、通常−50〜150℃
であり、接触時間は1分〜50時間である。 【0066】上記のようにして得られたエチレン・α−
オレフィン共重合体(A)の製造に用いられる触媒は、
成分(a)は、成分(c)1g当り該成分(a)中の遷
移金属原子に換算して5×10-6〜5×10-4グラム原
子の量で担持され、成分(b)および成分(d)は、成
分(c)1g当り該成分(b)および該成分(d)中の
アルミニウム原子に換算して10-3〜5×10-2グラム
原子の量で担持されていることが望ましい。 【0067】エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
の製造に用いられる触媒は、上記のような成分(a)、
成分(b)、成分(c)および必要に応じて成分(d)
の存在下にオレフィンを予備重合させて得られる予備重
合触媒であってもよい。予備重合は、上記のような成分
(a)、成分(b)、成分(c)および必要に応じて成
分(d)の存在下、不活性炭化水素溶媒中にオレフィン
を導入することにより行うことができる。 【0068】予備重合の際に用いられるオレフィンとし
ては、エチレン、プロピレン、1-ブテン等の炭素原子数
が2〜20のα−オレフィンを例示することができる。
これらの中では、重合の際に用いられるエチレンあるい
はエチレンとα−オレフィンとの組合せが特に好まし
い。 【0069】予備重合する際には、上記成分(a)は、
該成分(a)中の遷移金属原子に換算して通常10-6
2×10-2モル/リットル(溶媒)の量で用いられ、成
分(a)は、成分(c)1g当り、該成分(a)中の遷
移金属原子に換算して通常5×10-6〜5×10-4モル
の量で用いられる。成分(b)のアルミニウムと成分
(a)中の遷移金属との原子比(Al/遷移金属)は、
通常10〜500、好ましくは20〜200である。必
要に応じて用いられる成分(d)のアルミニウム原子
(Al-d)と成分(b)のアルミニウム原子(Al-b)の
原子比(Al-d/Al-b)は、通常0.02〜3の範囲で
ある。予備重合温度は−20〜80℃であり、また予備
重合時間は0.5〜100時間程度である。 【0070】予備重合触媒は、例えば下記のようにして
調製される。すなわち、担体〔成分(c)〕を不活性炭
化水素で懸濁状にする。次いで、この懸濁液に有機アル
ミニウムオキシ化合物〔成分(b)〕を加え、所定の時
間反応させる。その後上澄液を除去し、得られた固体成
分を不活性炭化水素で再懸濁化する。この系内へ遷移金
属化合物〔成分(a)〕を加え、所定時間反応させた
後、上澄液を除去し固体触媒成分を得る。続いて有機ア
ルミニウム化合物〔成分(d)〕を含有する不活性炭化
水素に、上記で得られた固体触媒成分を加え、そこへオ
レフィンを導入することにより、予備重合触媒を得るこ
とができる。 【0071】予備重合で生成するオレフィン重合体は、
担体(c)1g当り0.1〜500gの量であることが
望ましい。また、予備重合触媒には、成分(a)は、担
体(c)1g当り成分(a)中の遷移金属原子に換算し
てして約5×10-6〜5×10-4グラム原子の量で担持
され、成分(b)および成分(d)は、該成分(b)お
よび該成分(d)中のアルミニウム原子(Al)に換算
して、成分(a)に由来する遷移金属原子(M)に対す
るモル比(Al/M)で、5〜200の範囲の量で担持
されていることが望ましい。 【0072】予備重合は、回分式あるいは連続式のいず
れでも行うことができ、また減圧、常圧あるいは加圧下
のいずれでも行うことができる。予備重合においては、
水素を共存させて、少なくとも135℃のデカリン中で
測定した極限粘度[η]が0.2〜7dl/gの範囲、
好ましくは0.5〜5dl/gであるような予備重合体
を製造することが望ましい。 【0073】エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
は、前記のような触媒の存在下に、エチレンと、炭素原
子数が3〜20のα−オレフィン、例えばプロピレン、
1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペン
テン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデ
セン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン
とを共重合することによって得られる。 【0074】エチレンとα−オレフィンとの共重合は、
気相であるいはスラリー状の液相で行われる。スラリー
重合においては、不活性炭化水素を溶媒としてもよい
し、オレフィン自体を溶媒とすることもできる。 【0075】スラリー重合において用いられる不活性炭
化水素溶媒として具体的には、ブタン、イソブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキ
サデカン、オクタデカンなどの脂肪族系炭化水素;シク
ロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、
シクロオクタンなどの脂環族系炭化水素;ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素;ガソリン、
灯油、軽油などの石油留分などが挙げられる。これら不
活性炭化水素媒体のうち脂肪族系炭化水素、脂環族系炭
化水素、石油留分などが好ましい。 【0076】スラリー重合法または気相重合法で実施す
る際には、上記のような触媒は、重合反応系内の遷移金
属原子の濃度として、重合容積1リットル当り、通常1
-8〜10-3グラム原子の量で用いられることが望まし
い。 【0077】また、本重合に際して担体に担持されてい
ない有機アルミニウムオキシ化合物および/または有機
アルミニウム化合物を添加してもよい。この際、有機ア
ルミニウムオキシ化合物および有機アルミニウム化合物
中のアルミニウム原子(Al)と、(a)第IVB族遷移
金属化合物中の遷移金属原子(M)との原子比(Al/
M)は、5〜300、好ましくは10〜200、より好
ましくは15〜150の範囲である。 【0078】スラリー重合法を実施する際には、重合温
度は、通常−50〜100℃の範囲であり、気相重合法
を実施する際には、重合温度は、通常0〜120℃の範
囲である。 【0079】重合圧力は、通常常圧ないし100kg/
cm2の加圧条件下であり、重合は、回分式、半連続
式、連続式のいずれの方式においても行うことができ
る。結晶性ポリオレフィン(B) 結晶性ポリオレフィン(B)として下記(B-I)、(B
-II)および(B-III)から選ばれる少なくとも1種の
結晶性ポリオレフィンが用いられる。 【0080】[結晶性ポリオレフィン(B-I)]結晶性
ポリオレフィン(B-I)は、X線回折法によって測定し
た結晶化度が65%以上のエチレン単独重合体、または
同結晶化度が65%以上の、エチレンと、炭素原子数が
3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種
のオレフィンとの共重合体であり、190℃、2.16
kg荷重におけるメルトフローレートが0.01〜10
0g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分の範囲
にあり、密度が0.950g/cm3 以上、好ましくは
0.950〜0.970g/cm3 の範囲であることが
好ましい。 【0081】炭素原子数が3〜20のα−オレフィンと
しては、例えばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-
ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセ
ンおよびこれらの混合物を挙げることができる。このう
ち炭素原子数が3〜10のα−オレフィンを用いること
が特に好ましい。 【0082】このような(共)重合体では、エチレンと
α−オレフィンとのモル比(エチレン/α−オレフィ
ン)は、α−オレフィンの種類によっても異なるが、一
般に100/0〜99/1、好ましくは100/0〜9
9.5/0.5である。 【0083】なお、結晶性ポリオレフィン(B-I)は、
その特性を損なわない範囲内で、ジエン化合物から誘導
される成分単位などのようなα−オレフィンから誘導さ
れる成分単位以外の成分単位を含んでいても良い。 【0084】このようなα−オレフィンから誘導される
成分単位以外の成分単位としては、例えば、1,4-ヘキサ
ジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエ
ン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチルー1、6ーオクタ
ジエンのような鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエ
ン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデ
ン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボル
ネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデ
ン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル
-2-ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3-ジイ
ソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソ
プロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノル
ボルナジエン等のジエン化合物から誘導される成分単位
を挙げることができる。 【0085】ジエン成分は、単独であるいは組み合わせ
て用いることができる。また、ジエン成分の含有量は、
通常は0〜1モル%、好ましくは0〜0.5モル%であ
る。このような結晶性ポリオレフィン(B-I)は、従来
公知の方法によって製造することができる。 【0086】[結晶性ポリオレフィン(B-II)]結晶
性ポリオレフィン(B-II)は、X線回折法によって測
定した結晶化度が50%以上のプロピレン単独重合体、
またはプロピレンと、エチレンおよび炭素原子数が4〜
20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオ
レフィンとの共重合体であって、同結晶化度が30%以
上の共重合体であり、230℃、2.16kg荷重にお
けるメルトフローレートが0.1〜100g/10分、好
ましくは0.5〜50g/10分の範囲にあり、密度が
0.900g/cm3 以上、好ましくは0.900〜
0.920g/cm3 の範囲であることが好ましい。 【0087】炭素原子数が4〜20のα−オレフィンと
しては、例えば1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-
メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンを挙げるこ
とができる。このうち炭素原子数が4〜10のα−オレ
フィンを用いることが特に好ましい。 【0088】このような(共)重合体では、プロピレン
(Pr)と、エチレンおよび炭素原子数が4〜20のα
−オレフィン(Or)とのモル比(Pr/Or)は、α
−オレフィンの種類によっても異なるが、一般に100
/0〜90/10、好ましくは100/0〜95/5で
ある。 【0089】なお、本発明で用いられる結晶性ポリオレ
フィン(B-II)は、その特性を損なわない範囲内で、
上記のような結晶性ポリオレフィン(B-I)に用いられ
るジエン化合物から誘導される成分単位等を含んでいて
も良い。ジエン成分の含有量は、通常は0〜1モル%、
好ましくは0〜0.5モル%である。 【0090】このような結晶性ポリオレフィン(B-I
I)は、従来公知の方法によって製造することができ
る。 [結晶性ポリオレフィン(B-III)]結晶性ポリオレフ
ィン(B-III)は、X線回折法によって測定した結晶化
度が30%以上の炭素原子数が4〜20のα−オレフィ
ンの単独重合体、または同結晶化度が30%以上である
炭素原子数が4〜20のα−オレフィンの共重合体であ
り、230℃、2.16kg荷重におけるメルトフロー
レートが0.1〜100g/10分、好ましくは0.5〜
50g/10分の範囲にあり、密度が0.900g/cm
3 以上、好ましくは0.900〜0.920g/cm3
の範囲であることが好ましい。 【0091】炭素数4〜20のα−オレフィンとして
は、例えば1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチ
ル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンを挙げることが
できる。このうち炭素原子数が4〜10のα−オレフィ
ンを用いることが特に好ましい。 【0092】このような(共)重合体では、炭素原子数
が4〜20のα−オレフィンから選ばれる1種のα−オ
レフィン(Or-1)と、炭素原子数が4〜20のα−オレ
フィンから選ばれる他のα−オレフィン(Or-2)とのモ
ル比〔(Or-1)/(Or-2)〕は、α−オレフィンの種類
によっても異なるが、一般に100/0〜90/10、
好ましくは100/0〜95/5である。 【0093】なお、本発明で用いられる結晶性ポリオレ
フィン(B-III)は、その特性を損なわない範囲内で、
上記のような結晶性ポリオレフィン(B-I)に用いられ
るジエン化合物から誘導される成分単位等を含んでいて
も良い。ジエン成分の含有量は、通常は0〜1モル%、
好ましくは0〜0.5モル%である。このような結晶性
ポリオレフィン(B-III)は、従来公知の方法によって
製造することができる。 【0094】エチレン系共重合体組成物 本発明に係るエチレン系共重合体組成物は、前記エチレ
ン・α−オレフィン共重合体(A)と、結晶性ポリオレ
フィン(B)とからなり、エチレン・α−オレフィン共
重合体と、結晶性ポリオレフィン(B)との重量比
〔(A):(B)〕が1〜59:99〜41、好ましく
は10〜59:90〜41、より好ましくは20〜5
9:80〜41の範囲にあることが望ましい。 【0095】本発明のエチレン系共重合体組成物には、
本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱
安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキ
ング剤、防曇剤、滑材、顔料、染料、核剤、可塑剤、老
化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が必要に
応じて配合されていてもよい。 【0096】本発明のエチレン系共重合体組成物は、公
知の方法を利用して製造することができ、例えば下記の
ような方法で製造することができる。 (1)エチレン・αーオレフィン共重合体(A)と、結
晶性ポリオレフィン(B)、および所望により添加され
る他成分を、押出機、ニーダー等を用いて機械的のブレ
ンドする方法。 (2)エチレン・αーオレフィン共重合体(A)と、結
晶性ポリオレフィン(B)、および所望により添加され
る他成分を適当な良溶媒(例えば;ヘキサン、ヘプタ
ン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンおよ
びキシレン等の炭化水素溶媒)に溶解し、次いで溶媒を
除去する方法。 (3)エチレン・α−オレフィン共重合体(A)と、結
晶性ポリオレフィン(B)、および所望により添加され
る他成分を適当な良溶媒にそれぞれ個別に溶解した溶液
を調整した後混合し、次いで溶媒を除去する方法。 (4)上記(1)〜(3)の方法を組み合わせて行う方
法。 【0097】本発明のエチレン系共重合体組成物は、通
常の空冷インフレーション成形、空冷2段冷却インフレ
ーション成形、高速インフレーション成形、T−ダイフ
ィルム成形、水冷インフレーション成形等で加工するこ
とにより、フィルムを得ることができる。このようにし
て成形されたフィルムは、機械的強度に優れている。 【0098】本発明のエチレン系共重合体組成物を加工
することにより得られるフィルムは、規格袋、重袋、油
物包装袋、砂糖袋、水物包装袋、食品包装用等の各種包
装用フィルム、輸液バック、農業用資材等に好適であ
る。さらにブロー用輸液バック、ブローボトル、押出成
形によるチューブ、パイプ、引きちぎりキャップ、日曜
雑貨品等射出成型物、繊維、回転成形による大型成型品
などにも用いることができる。 【0099】 【発明の効果】本発明のエチレン系共重合体組成物は、
特定のエチレン・α−オレフィン共重合体と、特定の結
晶性ポリオレフィンとブレンドしているので熱安定性に
優れ、かつ機械的強度に優れた製品を製造することがで
きる。 【0100】 【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。 【0101】なお、本実施例においての物性評価は下記
のようにして行った。 [流動インデックス(FI)]流動インデックスは、1
90℃におけるずり応力が2.4×106 dyne/cm2
到達する時のずり速度で定義され、ずり速度を変えなが
ら樹脂をキャピラリーから押し出し、そのときの応力を
測定することにより決定される。すなわち、MT測定と
同様の試料を用い、東洋精機製作所製、毛細式流れ特性
試験機を用い、樹脂温度190℃、ずり応力の範囲が5
×104 〜3×106 dyne/cm2 程度で測定される。 【0102】なお、測定する樹脂のMFR(g/10分)
によって、ノズルの直径を次のように変更して測定す
る。 MFR>20 のとき 0.5mm 20≧MFR>3 のとき 1.0mm 3≧MFR>0.8 のとき 2.0mm 0.8≧MFR のとき 3.0mm [引張試験]ダンベル(JIS 1号)を用いてシートを打
ち抜き、チャック間86mm、クロスヘッドスピード2
00mm/分で破断点強度、破断点伸び率等を測定し
た。 【0103】 【製造例1】 エチレン・α−オレフィン共重合体(A−1)の製造 [触媒成分の調製]250℃で10時間乾燥したシリカ
10.0kgを156リットルのトルエンで懸濁状にし
た後、0℃まで冷却した。その後、メチルアルミノキサ
ンのトルエン溶液(Al=1.29mol/リットル)
59.4リットルを1時間で滴下した。この際、系内の
温度を0℃に保った。引き続き0℃で30分間反応さ
せ、次いで1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温
度で20時間反応させた。その後60℃まで降温し上澄
み液をデカンテーション法により除去した。このように
して得られた固体成分をトルエンで2回洗浄した後、ト
ルエン100リットルで再度懸濁化した。この系へビス
(1-メチル-3-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr=25.0mm
ol/リットル)23.6リットルを80℃で30分か
けて滴下し、さらに80℃で2時間反応させた。その
後、上澄み液を除去し、ヘキサンで2回洗浄することに
より、1g当たり3.5mgのジルコニウムを含有する
固体触媒を得た。 【0104】[予備重合触媒の調製]1.7molのト
リイソブチルアルミニウムを含有する90リットルのヘ
キサンに、上記で得られた固体触媒870gおよび1-ヘ
キセン261gを加え、35℃で5時間エチレンの予備
重合を行うことにより、固体触媒1g当たり10gのポ
リエチレンが予備重合された予備重合触媒を得た。 【0105】[重 合]連続式流動床気相重合装置を用
い、全圧20kg/cm2-G 、重合温度70℃でエチレ
ンとヘキセンとの共重合を行った。上記「予備重合触媒
の調整」で調整した予備重合触媒をジルコニウム原子換
算で0.18mmol/h、トリイソブチルアルミニウ
ムを10mmol/hの割合で連続的に供給し、重合間
一定のガス組成を維持するためにエチレン、1-ヘキセ
ン、水素、窒素を連続的に供給した(ガス組成;1-ヘキ
セン/エチレン=0.041、水素/エチレン=2.4
×10-4、エチレン濃度=25.8%)。 【0106】得られたエチレン・α−オレフィン共重合
体(A−1)の収量は、6.2kg/hであり、密度は
0.900g/cm3 であり、MFRは1.17g/10
分であり、DSCにより測定した吸熱曲線の最大ピーク
位置の温度が84.3℃であり、23℃におけるデカン
可溶部が2.38重量%であり、不飽和結合の数が炭素
数1000個当たり0.07個で、かつ重量体1分子当
たり0.42個であった。 【0107】 【参考例1】 [プレスシート成形]表2に示す結晶性ポリオレフィン
(B−1)をプレス成型機を用いて、200℃で7分間
熱し、次いで100kg/cm2 の加圧下で2分保持し
た後、20℃にセットした冷却プレスで加圧力100k
g/cm2 の条件下5分保持してプレスシートを作製し
た。得られたプレスシートの引張強度などの特性を測定
した。その結果を表3に示す。 【0108】 【実施例1】 [組成物の調整]製造例1で得られたエチレン・α−オ
レフィン共重合体(A−1)と、表2に示す結晶性ポリ
オレフィン(B−1)を混合比(A−1/B−1)40
/60でドライブレンドし、さらに樹脂100重量部に
対して、二次抗酸化剤としてのトリ(2,4-ジ-t-ブチル
フェニル)フォスフェートを0.05重量部、耐熱安定
剤としてのn-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'-
ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネートを0.1重量
部、塩酸吸収剤としてのステアリン酸カルシウムを0.
05重量部配合した。しかる後に東洋精機製ラボプラス
トミル(20R200)を用い、設定温度200℃で混練して
エチレン系共重合体組成物を得た。 【0109】[プレスシート成形]上記エチレン系共重
合体組成物を用いた以外は、参考例1と同様にしてプレ
スシートを作製した。得られたプレスシートの引張強度
などの特性を測定した。その結果を表3に示す。 【0110】実施例1および参考例1から、実施例1で
製造したエチレン系共重合体組成物は、破断点強度が高
く、機械的強度に優れていることが分かる。 【0111】 【実施例2】 [組成物の調整]製造例1において、コモノマーおよび
コモノマー含量を表1に記載したように変えた以外は製
造例1と同様にして製造したエチレン・α−オレフィン
共重合体(A−2)と、表2に示す結晶性ポリオレフィ
ン(B−1)を混合比(A−2/B−1)40/60で
用いた以外は実施例1と同様にしてエチレン系共重合組
成物を得た。 【0112】[プレスシート成形]得られたエチレン系
共重合体組成物を用い、実施例1と同様にしてプレスシ
ートを作成した。得られたプレスシートの引張強度など
の特性を測定した。その結果を表3に示す。 【0113】実施例2および参考例1から、実施例2で
製造したエチレン系共重合体組成物は、破断点強度が高
く、破断点伸びが大きいことから、機械的強度に優れて
いることが分かる。 【0114】 【比較例1】 [組成物の調整]製造例1において、ビス(1-メチル-3
-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リドに代えて、特公昭63−54289号公報に記載の
チタン系触媒成分を用い、メチルアルミノキサンに代え
てトリエチルアルミニウムを用い、コモノマーおよびコ
モノマー含量を表1に示すように変えた以外は、製造例
1と同様にして製造したエチレン・α−オレフィン共重
合体(A−3)と、表2に示す結晶性ポリオレフィン
(B−1)を混合比(A−3/B−1)40/60で用
いた以外は実施例1と同様にしてエチレン系共重合組成
物を得た。 【0115】[プレスシート成形]得られたエチレン系
共重合体組成物を用い、実施例1と同様にしてプレスシ
ートを作成した。得られたプレスシートの引張強度など
の特性を測定した。その結果を表3に示す。 【0116】比較例1から、比較例1は実施例1および
実施例2に比べ、破断点強度および破断点伸びの向上が
少ないことがわかる。 【0117】 【表1】 【0118】 【表2】 【0119】 【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筒 井 俊 之 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08F 4/64 - 4/69 C08F 10/00 - 10/14 C08F 110/00 - 110/14 C08F 210/00 - 210/18

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(A)エチレンと、炭素原子数が3〜20
    のα−オレフィンとの共重合体であって、 (A-i) 密度が0.880〜0.940g/cm3 の範
    囲にあり、 (A-ii) 135℃、デカリン中で測定した極限粘度
    [η]が1.0〜10.0dl/gの範囲にあり、 (A-iii) 示差走査型熱量計により測定した吸熱曲線の最
    大ピーク位置の温度〔Tm(℃)〕と密度(d)とが次
    式で示される関係を満たし、 Tm<400×d−250 (A-iv) 室温におけるデカン可溶部〔W(重量%)〕と
    密度(d)とが次式で示される関係を満たす W<80×exp{−100(d−0.88)}+0.1 エチレン・α−オレフィン共重合体;1〜59重量%
    と、 (B)下記の(B-I)、(B-II)および(B-III) (B-I) 190℃、2.16kg荷重におけるメルトフロ
    ーレートが0.01〜100g/10分の範囲にあり、密
    度が0.950g/cm3 以上である、エチレン単独重
    合体、またはエチレンと炭素原子数が3〜20のα−オ
    レフィンとの共重合体 (B-II) 230℃、2.16kg荷重におけるメルトフ
    ローレートが0.1〜100g/10分の範囲にあり、密
    度が0.900g/cm3 以上である、プロピレン単独
    重合体、またはプロピレンと、エチレンおよび炭素原子
    数が4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも
    1種のオレフィンとの共重合体 (B-III) 230℃、2.16kg荷重におけるメルトフ
    ローレートが0.1〜100g/10分の範囲にあり、密
    度が0.900g/cm3 以上である、炭素原子数が4
    〜20のα−オレフィンの単独重合体、または炭素原子
    数が4〜20のα−オレフィンの共重合体から選ばれる
    少なくとも1種の結晶性ポリオレフィン;99〜41重
    量%とからなることを特徴とするエチレン系共重合体組
    成物。
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