JP3518348B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP3518348B2
JP3518348B2 JP19154198A JP19154198A JP3518348B2 JP 3518348 B2 JP3518348 B2 JP 3518348B2 JP 19154198 A JP19154198 A JP 19154198A JP 19154198 A JP19154198 A JP 19154198A JP 3518348 B2 JP3518348 B2 JP 3518348B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の排気浄化
装置に関し、詳細には機関の排気中のNOX 成分を除去
するNOX 吸蔵還元触媒を備えた排気浄化装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カリウムK、ナトリウムNa,リチウム
Li、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムB
a、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンL
a、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なく
とも一つと、白金Ptのような貴金属とから成るNOX
吸蔵還元触媒を使用した排気浄化装置が知られている。
【0003】NOX 吸蔵還元触媒は流入する排気の空燃
比がリーンのときに排気中のNOXを硝酸塩の形で吸収
し、流入排気中の酸素濃度が低下すると吸収したNOX
を放出するとともに、排気中の還元成分と反応させて放
出したNOX を還元浄化するNOX の吸放出作用を行
う。このNOX 吸蔵還元触媒によるNOX 吸放出作用に
ついては後に説明するが、排気中に硫黄酸化物(S
X )が存在するとNOX 吸蔵還元触媒はNOX の吸収
作用を行うのと全く同じメカニズムで排気中のSOX
吸収するようになる。
【0004】ところが、NOX 吸蔵還元触媒に吸収され
たSOX は安定な硫酸塩を形成するため一般に分解、放
出されにくく、NOX 吸蔵還元触媒内に蓄積されやすい
傾向がある。NOX 吸蔵還元触媒内のSOX 保持量が増
大すると、SOX を保持した分だけNOX 吸蔵還元触媒
のNOX 吸収容量が減少してしまう。このため、NO X
吸蔵還元触媒内のSOX 保持量が増大すると排気中のN
X の除去を十分に行うことができなくなり、NOX
浄化効率が低下する、いわゆるNOX 吸蔵還元触媒の硫
黄被毒(以下「S被毒」と称する)が生じる問題があ
る。
【0005】NOX 吸蔵還元触媒に吸収されたSOX
ついても、NOX の放出、還元浄化と同じメカニズムで
放出、還元浄化が可能であることが知られている。しか
し、上述のようにNOX 吸蔵還元触媒内に保持された硫
酸塩は比較的安定であるため、通常のNOX の放出、還
元浄化操作(以下「NOX 吸蔵還元触媒の再生操作」と
いう)を行なう温度(例えば、250℃程度)ではNO
X 吸蔵還元触媒内に吸収されたSOX を放出させること
は困難である。このため、S被毒を解消するためには、
NOX 吸蔵還元触媒を通常の再生操作時より高い温度
(例えば600℃以上)に昇温し、かつ流入する排気の
空燃比をリッチにするS被毒解消操作を定期的に行う必
要がある。
【0006】NOX 吸蔵還元触媒を高温にして再生操作
を行うことによりNOX 吸蔵還元触媒のS被毒から回復
させるようにした排気浄化装置としては、例えば特開平
8−61052号公報に記載されたものがある。同公報
の排気浄化装置は、内燃機関の排気通路に配置したNO
X 吸蔵還元触媒をS被毒から回復させるために、NO X
吸蔵還元触媒に保持されたSOX 量が所定値以上に増大
し、かつ機関が特定の負荷領域(中高負荷領域)で運転
されている場合に、機関の一部気筒をリッチ空燃比で、
他の気筒をリーン空燃比で運転することによりS被毒を
解消するようにしている。機関の一部気筒をリッチ空燃
比で、他の気筒をリーン空燃比で運転することにより、
触媒には未燃燃料を含んだリッチ気筒の排気と酸素を多
量に含んだリーン空燃比気筒の排気とが流入するため、
触媒上で未燃燃料が燃焼し、触媒が高温になってNOX
吸蔵還元触媒に保持されたSOX が放出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
8−610652号公報の装置では、S被毒解消のため
の回復操作実行頻度を充分に高くすることができず、S
被毒によりNOX 吸蔵還元触媒の浄化効率が低下した状
態が長時間継続する場合がある。例えば、上記公報の装
置では、NOX 吸蔵還元触媒のSOX 保持量が所定値を
越えて増大しても機関が特定の運転状態にならない限り
SOX 被毒の回復操作が行われない。
【0008】このため、上記公報の装置では機関の運転
状態によってはNOX 吸蔵還元触媒のSOX 保持量が増
大した状態での運転が長時間継続する場合が生じ、NO
X 吸蔵還元触媒の浄化効率の低下により未浄化のNOX
が大気に放出されるような場合が生じる。本発明は上記
問題に鑑み、NOX 吸蔵還元触媒のS被毒解消のための
被毒回復操作を行う際にNOX 吸蔵還元触媒の加熱を行
う条件を制限して燃費や排気性状の悪化を防止しなが
ら、NOX 吸蔵還元触媒のSOX 保持量が増大した状態
が長時間継続することを防止する手段を提供することを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、内燃機関の排気通路に配置され、流入する排気
の空燃比が理論空燃比より高いときに排気中のNOX
吸収し流入する排気の空燃比が理論空燃比以下になった
ときに吸収したNOX を放出、還元浄化するとともに、
排気中の被毒物質を吸着または吸収して前記NOX 吸放
出及び還元浄化の作用が低下するNOX 吸蔵還元触媒
と、前記NOX 吸蔵還元触媒に吸着または吸収により保
持された前記被毒物質の量を推定する保持量推定手段
と、前記被毒物質の保持量が予め定めた判定値を越えて
増大した場合に、機関の運転条件が所定の加熱実施条件
になったときに前記NOX 吸蔵還元触媒を加熱してNO
X 吸蔵還元触媒から前記被毒物質を放出させる加熱手段
と、前記加熱実施条件を前記被毒物質の保持量に応じて
設定する加熱実施条件設定手段と、を備えた内燃機関の
排気浄化装置が提供される。
【0010】すなわち、請求項1の発明では、加熱実施
条件設定手段はNOX 吸蔵還元触媒の被毒物質保持量に
応じてNOX 吸蔵還元触媒の加熱を実施するための加熱
実施条件を、例えばNOX 吸蔵還元触媒の被毒物質保持
量が増大するにつれて加熱実施条件が拡がるように設定
する。これにより、NOX 吸蔵還元触媒の被毒物質保持
量が増大するにつれてNOX 吸蔵還元触媒の加熱が実施
されやすくなり、被毒物質保持量が増大した状態が長時
間継続することが防止される。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、前記加熱
実施条件は、前記NOX 吸蔵還元触媒の温度として設定
される請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供
される。すなわち、請求項2の発明では、加熱実施条件
はNOX 吸蔵還元触媒温度として設定されており、例え
ば、触媒温度が所定の温度範囲にある場合にのみ触媒加
熱が実行される。そして、加熱実施条件設定手段はNO
X 吸蔵還元触媒の被毒物質保持量に応じて上記所定温度
範囲を設定する。例えば、被毒物質保持量が増大した場
合には加熱実施条件設定手段は上記温度範囲が被毒物質
保持量の増大に応じて拡がるように設定する。これによ
り、被毒物質保持量が増大するにつれて、例えば触媒温
度が低い状態でも加熱が実施されるようになり被毒物質
保持量が増大した状態が長時間継続することが防止され
る。
【0012】請求項3に記載の発明によれば、前記加熱
実施条件は、機関の負荷条件として設定される請求項1
に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。すなわ
ち、請求項3の発明では、加熱実施条件は機関の負荷条
件(例えば機関負荷、回転数等)として設定されてお
り、機関負荷条件が所定範囲にある場合にのみ触媒加熱
が実行される。また、加熱実施条件設定手段はNOX
蔵還元触媒の被毒物質保持量に応じて上記負荷条件の所
定範囲を設定する。例えば、被毒物質保持量が増大する
につれて上記所定の負荷条件範囲は拡大するように設定
され、機関運転中に加熱が実施される機会が増大する。
これにより、NOX 吸蔵還元触媒の被毒物質保持量が増
大した状態が長時間継続することが防止される。
【0013】請求項4に記載の発明によれば、内燃機関
の排気通路に配置され、流入する排気の空燃比が理論空
燃比より高いときに排気中のNOX を吸収し流入する排
気の空燃比が理論空燃比以下になったときに吸収したN
X を放出、還元浄化するとともに、排気中の被毒物質
を吸着または吸収して前記NOX 吸放出及び還元浄化の
作用が低下するNOX 吸蔵還元触媒と、前記NOX 吸蔵
還元触媒に吸着または吸収により保持された前記被毒物
質の量を推定する保持量推定手段と、前記被毒物質の保
持量が予め定めた判定値を越えて増大した場合に、機関
の運転条件が所定の加熱実施条件になったときに前記N
X 吸蔵還元触媒を加熱してNOX 吸蔵還元触媒から前
記被毒物質を放出させる加熱手段と、前記加熱実施条件
を機関運転状態の履歴に応じて設定する加熱実施条件設
定手段と、を備えた内燃機関の排気浄化装置が提供され
る。
【0014】すなわち、請求項4の発明ではNOX 吸蔵
還元触媒の加熱実施条件は機関運転状態の履歴に応じて
設定される。例えば、触媒温度が所定の下限温度以上で
触媒加熱を実施するように加熱実施条件が定められてい
るとすると、触媒温度が高くなるような状態で運転され
る頻度の高い機関では触媒温度が上記下限温度を越えて
加熱が実行される頻度が高く、NOX 吸蔵還元触媒の被
毒物質保持量が増大した状態が長時間継続する可能性は
低い。一方、触媒温度が高くなるような状態での運転頻
度が低い機関では加熱が実行される頻度が低くなり、N
X 吸蔵還元触媒の被毒物質保持量が増大した状態が長
時間継続する可能性が高くなる。そこで、本発明では機
関運転状態の過去の履歴から、例えば機関が触媒温度が
高くなるような状態で運転される頻度が低いと判断され
る場合には、加熱実施条件がNO X 吸蔵還元触媒の被毒
物質保持量が増大するにつれてを拡大されるように(例
えば加熱を実施する触媒温度下限値が被毒物質保持量の
増大につれて低くなるように)加熱実施条件を設定す
る。これにより、機関の運転状態にかかわらずNOX
蔵還元触媒の被毒物質保持量が増大した状態が長時間継
続する事態が防止される。
【0015】請求項5に記載の発明によれば、内燃機関
の排気通路に配置され、流入する排気の空燃比が理論空
燃比より高いときに排気中のNOX を吸収し流入する排
気の空燃比が理論空燃比以下になったときに吸収したN
X を放出、還元浄化するとともに、排気中の被毒物質
を吸着または吸収して前記NOX 吸放出及び還元浄化の
作用が低下するNOX 吸蔵還元触媒と、前記NOX 吸蔵
還元触媒に吸着または吸収により保持された前記被毒物
質の量を推定する保持量推定手段と、前記被毒物質の保
持量が予め定めた判定値を越えて増大した場合に、機関
の運転条件が所定の加熱実施条件になったときに前記N
X 吸蔵還元触媒を加熱してNOX 吸蔵還元触媒から前
記被毒物質を放出させる加熱手段と、前記加熱実施条件
を機関の燃料性状に応じて設定する加熱実施条件設定手
段と、を備えた内燃機関の排気浄化装置が提供される。
【0016】すなわち、請求項5の発明では燃料性状に
応じて加熱実施条件が設定される。NOX 吸蔵還元触媒
中に保持される被毒物質の量の増大速度は燃料性状によ
り変化する。例えば、燃料に硫黄成分が多量に含まれる
場合にはNOX 吸蔵還元触媒に吸収、保持されるSOX
量の増加速度が大きいため、加熱(被毒回復操作)実行
頻度を高くする必要がある。そこで、本発明ではNOX
吸蔵還元触媒に被毒物質が蓄積されやすい性状の燃料が
使用される場合には加熱実施条件を広く設定し機関運転
中NOX 吸蔵還元触媒の加熱が実施される頻度が増大す
るようにする。これにより、燃料性状にかかわらずNO
X 吸蔵還元触媒の被毒物質保持量が増大した状態が長時
間継続する事態が防止される。
【0017】請求項6に記載の発明によれば、内燃機関
の排気通路に配置され、流入する排気の空燃比が理論空
燃比より高いときに排気中のNOX を吸収し流入する排
気の空燃比が理論空燃比以下になったときに吸収したN
X を放出、還元浄化するとともに、排気中の被毒物質
を吸着または吸収して前記NOX 吸放出及び還元浄化の
作用が低下するNOX 吸蔵還元触媒と、前記NOX 吸蔵
還元触媒に吸着または吸収により保持された前記被毒物
質の量を推定する保持量推定手段と、前記被毒物質の保
持量が予め定めた判定値を越えて増大した場合に、機関
の運転条件が所定の加熱実施条件になったときに前記N
X 吸蔵還元触媒を加熱してNOX 吸蔵還元触媒から前
記被毒物質を放出させる、加熱手段と、前記加熱実施条
件を機関冷却水温度に応じて設定する加熱実施条件設定
手段と、を備えた内燃機関の排気浄化装置が提供され
る。
【0018】すなわち、請求項6の発明では、加熱実施
条件は機関冷却水温度条件として設定される。例えば、
機関始動直後等で冷却水温度が低い場合には通常でも機
関燃焼室から比較的多量のHCが排出される。このた
め、機関冷却水温度が低い場合には機関暖機完了後に較
べて燃料供給量を少量増大させることにより排気中のH
Cの量を増大させることができる。排気中のHCはNO
X 吸蔵還元触媒上で排気中の酸素と反応して燃焼するた
め、NOX 吸蔵還元触媒の昇温に寄与することになる。
すなわち、冷却水温度が低い場合には冷却水温度が高い
場合に較べて少ない燃料増量量で容易にNOX 吸蔵還元
触媒の昇温が可能となる。そこで、請求項6の発明で
は、冷却水温度に応じて加熱実施条件を設定し、例えば
機関始動時等の冷却水温度が低い場合には加熱実施条件
を拡大して機関運転中に加熱が実施される機会を増大さ
せるようにしている。これにより、NOX 吸蔵還元触媒
の被毒物質保持量が増大した状態が機関始動後長時間継
続することが防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態について説明する。図1は、本発明を自動車
用内燃機関に適用した場合の実施形態の概略構成を示す
図である。図1において、1は自動車用内燃機関を示
す。本実施形態では、機関1は#1から#4の4つの気
筒を備えた4気筒ガソリン機関とされ、#1から#4気
筒には直接気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁111か
ら114が備えられている。後述するように、本実施形
態の内燃機関1は、理論空燃比より高い(リーンな)空
燃比で運転可能なリーンバーンエンジンとされている。
【0020】また、本実施形態では#1から#4の気筒
は互いに点火時期が連続しない2つの気筒からなる2つ
の気筒群にグループ分けされている。(例えば、図1の
実施形態では、気筒点火順序は1−3−4−2であり、
#1、#4の気筒と#2、#3の気筒とがそれぞれ気筒
群を構成している。)また、各気筒の排気ポートは気筒
群毎に排気マニホルドに接続され、気筒群毎の排気通路
に接続されている。図1において、21aは#1、#4
気筒からなる気筒群の排気ポートを個別排気通路2aに
接続する排気マニホルド、21bは#2、#4気筒から
なる気筒群の排気ポートを個別排気通路2bに接続する
排気マニホルドである。本実施形態では、個別排気通路
2a、2b上には、三元触媒からなるスタートキャタリ
スト(以下「SC」と呼ぶ)5aと5bがそれぞれ配置
されている。また、個別排気通路2a、2bはSC下流
側で共通の排気通路2に合流している。
【0021】共通排気通路2上には、後述するNOX
蔵還元触媒7が配置されている。図1に29a、29b
で示すのは、個別排気通路2a、2bのスタートキャタ
リスト5a、5b上流側に配置された空燃比センサ、3
1で示すのは、排気通路2のNOX 吸蔵還元触媒7出口
に配置された空燃比センサである。空燃比センサ29
a、29b及び31は、広い空燃比範囲で排気空燃比に
対応する電圧信号を出力する、いわゆるリニア空燃比セ
ンサとされている。
【0022】更に、図1に30で示すのは機関1の電子
制御ユニット(ECU)である。ECU30は、本実施
形態ではRAM、ROM、CPUを備えた公知の構成の
マイクロコンピュータとされ、機関1の点火時期制御や
燃料噴射制御等の基本制御を行なっている。また、本実
施形態では、ECU30は上記の基本制御を行う他に、
後述するようにNOX 吸蔵還元触媒7に吸収されたSO
X 等の被毒物質量を推定する保持量推定手段、NOX
BR>蔵還元触媒7を加熱する加熱手段及び、加熱実施条
件を設定する加熱実施条件設定手段としても機能してい
る。
【0023】ECU30の入力ポートには、空燃比セン
サ29a、29bからスタートキャタリスト5a、5b
入口における排気空燃比を表す信号と、空燃比センサ3
1からNOX 吸蔵還元触媒7出口における排気空燃比を
表す信号が、また、図示しない機関吸気マニホルドに設
けられた吸気圧センサ33から機関の吸気圧力に対比す
る信号がそれぞれ入力されている他、機関クランク軸
(図示せず)近傍に配置された回転数センサ35から機
関回転数に対応する信号が入力されている。更に、本実
施形態では、ECU30の入力ポートには機関1のアク
セルペダル(図示せず)近傍に配置したアクセル開度セ
ンサ37から運転者のアクセルペダル踏込み量(アクセ
ル開度)を表す信号と、機関冷却水通路(図示せず)に
設けられた冷却水温度センサ39から冷却水温度を表す
信号とが、それぞれ入力されている。また、ECU30
の出力ポートは、各気筒への燃料噴射量及び燃料噴射時
期を制御するために、各気筒の燃料噴射弁111から1
14に接続されている。
【0024】本実施形態では、ECU30は機関1を機
関の燃料噴射量、すなわち機関負荷に応じて以下の5つ
の燃焼モードで運転する。 リーン空燃比成層燃焼(圧縮行程1回噴射) リーン空燃比均質混合気/成層燃焼(吸気行程/圧
縮行程2回噴射) リーン空燃比均質混合気燃焼(吸気行程1回噴射) 理論空燃比均質混合気燃焼(吸気行程1回噴射) リッチ空燃比均質混合気燃焼(吸気行程1回噴射) すなわち、機関1の軽負荷運転領域では、リーン空燃
比成層燃焼が行なわれる。この状態では、筒内燃料噴射
は各気筒の圧縮行程後半に1回のみ行なわれ噴射された
燃料は気筒点火プラグ近傍に可燃空燃比混合気の層を形
成する。また、この運転状態での燃料噴射量は極めて少
なく、気筒内の全体としての空燃比は30程度から20
程度になる。
【0025】また、上記の状態から負荷が増大して低
負荷運転領域になると、上記リーン空燃比均質混合気
/成層燃焼が行なわれる。機関負荷が増大するにつれて
気筒内に噴射する燃料は増量されるが、上記成層燃焼
では燃料噴射を圧縮行程後半に行なうため、噴射時間が
限られてしまい成層させることのできる燃料量には限界
がある。そこで、この負荷領域では圧縮行程後半の燃料
噴射だけでは不足する燃料の量を予め吸気行程前半に噴
射することにより目標量の燃料を気筒に供給するように
している。吸気行程前半に気筒内に噴射された燃料は着
火時までに極めてリーンな均質混合気を生成する。圧縮
行程後半ではこの極めてリーンな均質混合気中に更に燃
料が噴射され点火プラグ近傍に着火可能な可燃空燃比混
合気の層が生成される。着火時にはこの可燃空燃比混合
気層が燃焼を開始し周囲の希薄な混合気層に火炎が伝播
するため安定した燃焼が行なわれるようになる。この状
態では吸気行程と圧縮行程での噴射により供給される燃
料量はより増量されるが、全体としての空燃比はやや
低いリーン(例えば空燃比で25以下程度)になる。
【0026】更に機関負荷が増大すると、機関1では
リーン空燃比均質混合気燃焼が行なわれる。この状態で
は燃料噴射は吸気行程前半に1回のみ実行され、燃料噴
射量は上記より更に増量される。この状態で気筒内に
生成される均質混合気は理論空燃比に比較的近いリーン
空燃比となる。更に機関負荷が増大して機関高負荷運転
領域になると、の状態から更に燃料が増量され、の
理論空燃比均質混合気運転が行なわれる。この状態で
は、気筒内には理論空燃比の均質な混合気が生成される
ようになり、機関出力が増大する。また、更に機関負荷
が増大して機関の全負荷運転になると、の状態から燃
料噴射量が更に増量されのリッチ空燃比均質混合気運
転が行なわれる。この状態では、気筒内に生成される均
質混合気の空燃比はリッチになる。
【0027】本実施形態では、アクセル開度(運転者の
アクセルペダル踏込み量)と機関回転数とに応じて予め
実験等に基づいて最適な運転モード(上記から)が
設定されており、ECU30のROMにアクセル開度と
機関回転数とを用いたマップとして格納してある。機関
1運転中、ECU30はアクセル開度センサ37で検出
したアクセル開度と機関回転数とに基づいて、現在上記
からのいずれの運転モードを選択すべきかを決定
し、それぞれのモードに応じて燃料噴射量及び燃料噴射
時期及び回数を決定する。
【0028】すなわち、上記からのモード(リーン
空燃比燃焼)が選択された場合には、ECU30は上記
からのモード毎に予め準備されたマップに基づい
て、アクセル開度と機関回転数とから燃料噴射量を決定
する。又、上記とのモード(理論空燃比またはリッ
チ空燃比均質混合気燃焼)が選択された場合には、EC
U30は上記とのモード毎に予め準備されたマップ
に基づいて、吸気圧センサ33で検出された吸気圧力と
機関回転数とに基づいて燃料噴射量を設定する。
【0029】又、モード(理論空燃比均質混合気燃
焼)が選択された場合には、ECU30は更に上記によ
り算出した燃料噴射量を、機関排気空燃比が理論空燃比
となるように空燃比センサ29a、29bの出力に基づ
いてフィードバック補正する。上述のように、本実施形
態の機関1では機関負荷が増大するにつれて燃料噴射量
が増量され、燃料噴射量に応じて運転モードが変更され
る。このため、以下の説明では燃料噴射量を機関負荷を
表すパラメータとして各モード共通に使用することとし
ている。
【0030】次に、本実施形態のスタートキャタリスト
5a、5b及びNOX 吸蔵還元触媒について説明する。
スタートキャタリスト(SC)5a、5bは、ハニカム
状に成形したコージェライト等の担体を用いて、この担
体表面にアルミナの薄いコーティングを形成し、このア
ルミナ層に白金Pt、パラジウムPd、ロジウムRh等
の貴金属触媒成分を担持させた三元触媒として構成され
る。三元触媒は理論空燃比近傍でHC、CO、NOX
3成分を高効率で浄化する。三元触媒は、流入する排気
の空燃比が理論空燃比より高くなるとNOX の還元能力
が低下するため、機関1がリーン空燃比運転されている
ときの排気中のNOX を充分に浄化することはできな
い。
【0031】また、SC5a、5bは機関始動後短時間
で触媒の活性温度に到達し、触媒作用を開始することが
できるように、排気通路2a、2bの機関1に近い部分
に配置され、熱容量を低減するために比較的小容量のも
のとされている。次に、本実施形態のNOX 吸蔵還元触
媒7について説明する。本実施形態のNOX 吸蔵還元触
媒7は、例えばアルミナを担体とし、この担体上に例え
ばカリウムK、ナトリウムNa 、リチウムLi 、セシウ
ムCs のようなアルカリ金属、バリウムBa 、カルシウ
ムCa のようなアルカリ土類、ランタンLa 、セリウム
Ce、イットリウムYのような希土類から選ばれた少な
くとも一つの成分と、白金Ptのような貴金属とを担持
したものである。NOX 吸蔵還元触媒は流入する排気ガ
スの空燃比がリーンのときに、排気中のNOX (N
2 、NO)を硝酸イオンNO3 - の形で吸収し、流入
排気ガスがリッチになると吸収したNOX を放出するN
X の吸放出作用を行う。
【0032】この吸放出のメカニズムについて、以下に
白金PtおよびバリウムBaを使用した場合を例にとっ
て説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土
類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。流入排
気中の酸素濃度が増大すると(すなわち排気の空燃比が
理論空燃比より大きく(リーンに)なると)、これら酸
素は白金Pt上にO2 - またはO2-の形で付着し、排気
中のNOX は白金Pt上のO2 - またはO2-と反応し、
これによりNO2 が生成される。また、流入排気中のN
2 及び上記により生成したNO 2 は白金Pt上で更に
酸化されつつ吸収剤中に吸収されて酸化バリウムBaO
と結合しながら硝酸イオンNO3 - の形で吸収剤内に拡
散する。このため、リーン雰囲気下では排気中のNOX
がNOX 吸収剤内に硝酸塩の形で吸収されるようにな
る。
【0033】また、流入排気中の酸素濃度が大幅に低下
すると(すなわち、排気の空燃比が理論空燃比以下(リ
ッチ)になると)、白金Pt上でのNO2 生成量が減少
するため、反応が逆方向に進むようになり、吸収剤内の
硝酸イオンNO3 - はNO2の形で吸収剤から放出され
るようになる。この場合、排気中にCO等の還元成分や
HC、CO2 等の成分が存在すると白金Pt上でこれら
の成分によりNO2 が還元される。
【0034】本実施形態では、リーン空燃比運転可能な
機関1が使用されており、機関1がリーン空燃比で運転
されているときには、NOX 吸蔵還元触媒は流入する排
気中のNOX を吸収する。また、機関1がリッチ空燃比
で運転されると、NOX 吸蔵還元触媒7は吸収したNO
X を放出、還元浄化する。本実施形態では、リーン空燃
比運転中にNOX 吸蔵還元触媒7に吸収されたNOX
が増大すると、短時間機関空燃比をリーン空燃比からリ
ッチ空燃比に切り換えるリッチスパイク運転を行い、N
X 吸蔵還元触媒からのNOX の放出と還元浄化(NO
X 吸蔵還元触媒の再生)を行なうようにしている。
【0035】本実施形態では、ECU30はNOX カウ
ンタの値を増減することによりNO X 吸蔵還元触媒7が
吸収保持しているNOX 量を推定する。NOX 吸蔵還元
触媒7に単位時間当たりに吸収されるNOX の量はNO
X 吸蔵還元触媒に単位時間当たりに流入する排気中のN
X 量、すなわち機関1で単位時間当たりに生成される
NOX 量に比例している。一方、機関で単位時間当たり
に発生するNOX の量は機関への燃料供給量、空燃比、
排気流量等によって定まるため、機関運転条件が定まれ
ばNOX 吸蔵還元触媒に吸収されるNOX 量を知ること
ができる。本実施形態では、予め機関運転条件(アクセ
ル開度、機関回転数、吸入空気量、吸気圧力、空燃比、
燃料供給量など)を変えて機関が単位時間当たりに発生
するNO X 量を実測し、NOX 吸蔵還元触媒7に単位時
間当たりに吸収されるNOX 量を、例えば機関負荷(燃
料噴射量)と機関回転数とを用いた数値マップの形でE
CU30のROMに格納している。ECU30は一定時
間毎(上記の単位時間毎)に機関負荷(燃料噴射量)と
機関回転数とからこのマップを用いて単位時間当たりに
NOX 吸蔵還元触媒に吸収されたNOX 量を算出し、N
X カウンタをこのNOX 吸収量だけ増大させる。これ
によりNOX カウンタの値は常にNOX 吸蔵還元触媒7
に吸収されたNOX の量を表すようになる。ECU30
は、機関のリーン空燃比運転中に、上記NOX カウンタ
の値が所定値に到達したときに、短時間機関の運転空燃
比をリッチ空燃比にするリッチスパイク運転を行なう。
これにより、NOX 吸蔵還元触媒から吸収したNOX
放出され、還元浄化される。なお、リッチスパイクで排
気空燃比をリッチに保持する時間は詳細にはNOX 吸蔵
還元触媒の種類、容量などに基づいて実験などにより決
定される。また、リッチスパイクを実行してNOX 吸蔵
還元触媒からNOX が放出、還元浄化された後はNOX
カウンタの値は0にリセットされる。このように、NO
X 吸蔵還元触媒7のNOX 吸収量に応じてリッチスパイ
クを行なうことにより、NOX 吸蔵還元触媒7は適切に
再生され、NOX 吸蔵還元触媒が吸収したNOX で飽和
することが防止される。
【0036】ところが、排気中に硫黄酸化物(SOX
が含まれているとリーン条件下では上記のNOX 吸収と
全く同じメカニズムでSOX が硫酸塩(例えばBaSO
4 )の形でNOX 吸蔵還元触媒に吸収されることが知ら
れている。この硫酸塩はNO X と同様排気空燃比がリッ
チになるとSO2 の形でNOX 吸蔵還元触媒から放出さ
れるが、一般に硫酸塩は安定性が高くNOX 吸蔵還元触
媒からSOX を放出させるにはNOX の放出の際より高
温の条件が必要とされる。このため、通常のNOX 吸蔵
還元触媒の再生操作では十分にSOX を放出させること
ができず、徐々にSOX が吸収剤内に蓄積されてしまい
NOX の吸収に関与できる吸収剤の量が減少する。この
ため、SOX の蓄積によりNOX 吸蔵還元触媒のNOX
吸収容量が低下する、いわゆるNOX 吸蔵還元触媒のS
被毒が生じることになる。
【0037】S被毒を解消するためには、NOX 吸蔵還
元触媒を通常のNOX 放出のための再生操作時の温度
(例えば250℃程度以上)より高温の被毒回復温度
(例えば600℃以上)に維持し、かつNOX 吸蔵還元
触媒に流入する排気空燃比を理論空燃比以下の空燃比
(リッチ空燃比)に保持することが必要となる。従っ
て、S被毒を解消する際にNOX 吸蔵還元触媒の温度が
上記被毒回復温度より低い場合にはNOX 吸蔵還元触媒
7を加熱して上記被毒回復温度以上になるまで昇温する
必要がある。本実施形態では、後述するようにNOX
蔵還元触媒7の被毒回復はNOX 吸蔵還元触媒7を被毒
回復温度まで加熱する昇温操作と、温度が上昇したNO
X 吸蔵還元触媒7をリッチ空燃比雰囲気に保持すること
によりNOX 吸蔵還元触媒からSOX を放出させる回復
操作との2つの操作により行われる。
【0038】一方、NOX 吸蔵還元触媒7の温度は機関
運転状態(排気温度)により大きく変化するため、機関
運転状態によってはNOX 吸蔵還元触媒7温度が上記被
毒回復温度より大幅に低い場合がある。このような場合
にNOX 吸蔵還元触媒7の昇温操作を行うと加熱のため
に消費されるエネルギーが増大し、機関の燃費の悪化等
を生じる原因となる。そこで、NOX 吸蔵還元触媒7の
温度が被毒回復温度より大幅に低い場合にはSOX 保持
量が所定値に到達しても被毒回復操作を実施せず、機関
運転条件の変化によりNOX 吸蔵還元触媒温度が被毒回
復温度付近まで上昇するのを待つようにして燃費の悪化
を防止する必要がある。ところが、この場合にNOX
蔵還元触媒7の昇温操作を行う温度範囲を固定してしま
うと、機関が触媒温度がこの温度範囲以外となる運転条
件で長時間運転される場合にはSOX 保持量が増大して
も被毒回復操作が実行されないためNO X 吸蔵還元触媒
7のSOX 保持量は増大を続けることになる。SOX
持量が増大し続けると、NOX 吸蔵還元触媒7のNOX
吸収容量が低下してしまい少量のNOX を吸収しただけ
で触媒がNOX で飽和してしまうため、機関運転中に未
浄化のNOX が大気に放出されるようになる場合が生じ
る。
【0039】そこで、本実施形態では昇温操作を行う触
媒温度範囲をNOX 吸蔵還元触媒7のSOX 保持量が増
大するにつれて拡げるようにしてNOX 吸蔵還元触媒の
飽和を防止している。これにより、NOX 吸蔵還元触媒
のSOX 保持量が大きくなるほど昇温操作を行う触媒温
度範囲が拡がるため、低い触媒温度でも被毒回復操作が
実行されるようになる。このため、機関が触媒温度が低
い運転条件で継続的に運転されたような場合でもSOX
保持量がある程度増大すると被毒回復操作が実行される
ようになり、NOX 吸蔵還元触媒の吸収容量が回復する
のでNOX 吸蔵還元触媒の飽和による未浄化のNOX
放出が生じることが防止される。
【0040】図2は、本実施形態のNOX 吸蔵還元触媒
7の被毒回復条件判定操作を説明するフローチャートで
ある。本操作は、ECU30により一定時間毎に実行さ
れるルーチンにより行われる。本操作では、ECU30
はNOX 吸蔵還元触媒7のSOX 保持量CSOXとNO
X 吸蔵還元触媒温度TCATとに基づいて後述するNO
X 吸蔵還元触媒の昇温操作(加熱操作)と回復操作との
実行可否を判断すると共に、昇温操作の実行条件をNO
X 吸蔵還元触媒7のSOX 保持量CSOXに応じて設定
する。
【0041】前述のように、本実施形態ではNOX 吸蔵
還元触媒7のSOX 保持量CSOXが予め定めた量CS
OX0 以上に増大した場合には、NOX 吸蔵還元触媒7
の温度TCATに基づいて、昇温及び回復操作の実行可
否を判定する。図4は、本実施形態における触媒温度T
CATとNOX 吸蔵還元触媒7の昇温/回復操作の実行
判定値を説明する図である。図4において、T1 は昇温
操作実行を許可する下限温度を、T2 は回復操作実行を
許可する下限温度、T3 は回復操作実行を許可する上限
温度である。この結果、本実施形態では図4に示すよう
に、TCAT<T1 (図4領域I)及びTCATE≧T
3 (図4領域IV)の触媒温度領域ではSOX 保持量が
増大しても昇温操作も回復操作も実行しない。また、T
1 ≦TCAT<T2 (図4領域II)の触媒温度領域で
は昇温操作と回復操作との両方を行い、T2 ≦TCAT
<T3 (図4領域III)の触媒温度領域では回復操作
のみを実行する。後述するように、本実施形態では機関
1の運転空燃比を制御してNOX 吸蔵還元触媒に流入す
る排気中のHC、COと酸素とを増大させることにより
NOX 吸蔵還元触媒の昇温操作を行う。このため、触媒
温度が低い場合には昇温に時間を要し機関燃費や排気性
状が悪化する場合がある。そこで、本実施形態では触媒
温度TCATが下限値T1 より低い場合には被毒回復
(昇温操作と回復操作)を実行しないこととして燃費と
排気性状の悪化を防止している。また、同様に本実施形
態では回復操作時には触媒に理論空燃比近傍のリッチ空
燃比の排気を供給するため、触媒温度が高い場合に回復
操作を実行すると排気中のHC、CO成分の酸化により
触媒温度が過度に上昇する場合がある。そこで、本実施
形態では触媒温度が上限値T3 より高い場合には被毒回
復操作を実行しないようにして触媒の過熱を防止してい
る。
【0042】図5は、本実施形態における温度判定値T
1 、T 2、T3 とNOX 吸蔵還元触媒7のSOX 保持量
CSOXとの関係を示す図である。図5に示すように本
実施形態では、T3 とT2 はSOX 保持量CSOXの値
にかかわらず一定値(T3 ≒700℃、T2 ≒600
℃)に設定される。また、昇温操作実行の下限値T
1 は、CSOX≦CSOX0 の範囲では一定値(T1
550℃)に設定されるが、CSOX>CSOX0 の範
囲では、SOX 保持量CSOXが増大するにつれて低下
するように設定されている。これにより、NOX 吸蔵還
元触媒のSOX 保持量が増大するにつれて低い触媒温度
でも被毒回復操作が実行されるようになり、NOX 吸蔵
還元触媒の吸収容量の低下が防止される。なお、T3
値は本実施形態ではCSOXの値にかかわらず一定値と
されているが、T1 とは逆にCSOX>CSOX0 の範
囲ではCSOXが増大するにつれて上昇するように設定
して被毒回復実行領域を拡げるようにしても良い。
【0043】次に、図2の被毒回復実行条件の判定操作
について説明する。図2において操作がスタートする
と、ステップ201では触媒温度TCATとNOX 吸蔵
還元触媒7のSOX 保持量CSOXが読み込まれる。本
実施形態では、NOX 吸蔵還元触媒7に吸収、保持され
たSOX 量を推定するためにSOX カウンタCSOXを
用いている。NOX 吸蔵還元触媒7に単位時間当たりに
吸収されるSOX の量はNOX 吸蔵還元触媒に単位時間
当たりに流入する排気中のSOX 量、すなわち機関1で
単位時間当たりに生成されるSOX 量に比例している。
一方、機関で単位時間当たりに発生するSOX の量は機
関運転条件(燃料供給量)によって定まるため、機関運
転条件が定まればNOX 吸蔵還元触媒に吸収されるSO
X 量を知ることができる。本実施形態では、予め機関運
転条件(アクセル開度、機関回転数、吸入空気量、吸気
圧力、空燃比、燃料供給量など)を変えて機関が単位時
間当たりに発生するSOX 量を実測し、NOX 吸蔵還元
触媒7に単位時間当たりに吸収されるSOX 量を算出す
るとともに、例えば機関負荷(燃料噴射量)と機関回転
数とを用いた数値マップの形でECU30のROMに格
納している。そして、ECU30は一定時間毎(上記の
単位時間毎)に機関負荷(燃料噴射量)と機関回転数と
からこのマップを用いて単位時間当たりにNOX 吸蔵還
元触媒に吸収されたSOX 量を算出し、SOX カウンタ
CSOXをこのSOX 吸収量だけ増大させる。これによ
りCSOXの値は常にNOX吸蔵還元触媒7のSOX
持量を表すようになる。
【0044】また、NOX 吸蔵還元触媒7の温度TCA
Tは触媒7の触媒床に温度センサを配置して直接検出す
るようにしても良いし、機関の運転状態から推定するよ
うにしても良い。NOX 吸蔵還元触媒7の単位時間当た
りの温度変化は、触媒温度と排気温度との差が大きい
程、また排気流量が大きい程大きくなる。そこで、例え
ば機関運転条件に基づいて排気温度と排気流量とを算出
し、算出した排気温度、流量と触媒温度とから単位時間
当たりの触媒温度変化量を算出し、機関始動時の冷却水
温度をNOX 吸蔵還元触媒7温度の初期値として用い
て、上記温度変化量を逐次積算して現在のNOX 吸蔵還
元触媒温度を算出するようにすることも可能である。
【0045】ステップ201でTCATとCSOXを読
み込んだ後、ステップ203では現在被毒回復操作実行
中か否かを表すフラグXSの値が判定され、XS=1
(実行中)の場合には後述するステップ213に進む。
又、現在被毒回復操作を実行中でない場合にはステップ
205に進み、SOX 保持量CSOXが予め定めた値C
SOX0 を越えて増大しているか否かを判断する。ステ
ップ205でCSOX≦CSOX0 であった場合にはN
X 吸蔵還元触媒7のSOX 保持量は少なく被毒回復操
作を実行する必要はないので本操作はステップ207以
下を実行することなく終了する。
【0046】一方、CSOX>CSOX0 であった場合
には、ステップ207に進み、図5の関係からCSOX
の値に基づいて温度判定値T 1、T 2、T3 を設定す
る。そして、ステップ209、211では現在の触媒温
度とT 1、T3 との比較を行い、TCAT<T1 (ステ
ップ209)及びTCAT≧T 3(ステップ211)の
場合には被毒回復を実行せずにそのまま操作を終了す
る。又、T1 ≦TCAT<T3 の場合にはステップ21
3に進む。
【0047】ステップ213では、現在の触媒温度TC
ATに基づいて触媒の昇温操作を実行するか否かが決定
される。すなわち、現在の触媒温度TCATが判定値T
2 以上の場合には昇温操作実行フラグXHの値が0に設
定され(ステップ215)、TCATがT2 より低い場
合にはフラグXHの値が1に設定される(ステップ21
7)。フラグXHの値が1に設定されると、後述の昇温
/回復操作(図3)において触媒7の昇温操作(図3ス
テップ303)が実行される。なお、本実施形態では、
被毒回復操作実行中(ステップ203でXS=1)は、
ステップ205から211の操作は実行されないが、被
毒回復操作実行中であってもステップ213以下の操作
は実行される。これにより、被毒回復操作中であっても
触媒温度TCATがT2 より低下した場合にはフラグX
Hの値が1に設定されて触媒の昇温操作が実行されるよ
うになる。
【0048】ステップ215または217終了後、ステ
ップ219とステップ221とでは被毒回復操作実行フ
ラグXSと回復操作実行フラグXRとの値がそれぞれ1
にセットされて本操作は終了する。図3は本実施形態の
NOX 吸蔵還元触媒7の昇温及び回復操作を説明するフ
ローチャートである。本操作はECU30により一定時
間毎に実行されるルーチンにより行われる。
【0049】図3、ステップ301では昇温操作実行フ
ラグXHの値が1か否かが判定され、XH=1(昇温操
作実行)であった場合にはステップ303に進み昇温操
作を実行した後操作を終了する。また、XH=0の場合
(図2ステップ213で触媒温度がT2 以上であり昇温
操作が必要ない場合)にはステップ305以下が実行さ
れる。
【0050】本実施形態では#1、#4の気筒群を理論
空燃比よりかなりリーンな空燃比(例えば16.5程度
の空燃比)で運転し、#2、#3の気筒群を理論空燃比
よりかなりリッチな空燃比(例えば12程度の空燃比)
で運転し、排気通路21aからのリーン空燃比排気と排
気通路2bからのリッチ空燃比排気とを共通排気通路2
で合流させることによりNOX 吸蔵還元触媒7の昇温を
行う。ECU30は機関の運転条件(アクセル開度、機
関回転数、吸入空気量、吸気圧力、空燃比、燃料供給量
など)に基づいて予め実験等により求めた関係を用いて
それぞれの気筒の燃焼空燃比を上記の値にするための燃
料噴射量を算出し、その量の燃料をそれぞれの気筒に噴
射する。このように、#2、#3気筒をかなりリッチな
空燃比で運転することにより、#2、#3気筒からの排
気は多量のHC、COを含むようになる。また、#1、
#4気筒はかなりリーンな空燃比で運転されるため、#
1、#4からの排気は多量の酸素を含んでいる。このた
め、排気通路2で合流後の排気は、全体としては理論空
燃比近傍のリッチ空燃比(14.25の空燃比)となっ
ているが、最初から全気筒を合流後の空燃比で運転した
場合に較べて多量のHC、CO成分と酸素とを含むよう
になる。このため、NOX 吸蔵還元触媒上ではHC、C
Oの酸化が活発に生じるようになり反応熱によりNOX
吸蔵還元触媒7温度が上昇する。
【0051】なお、上記の各気筒の空燃比調整の際に、
空燃比変化による機関出力変動等を防止するために燃料
噴射量とともに機関1のスロットル弁開度や各気筒の点
火時期を調節するようにしても良い。一方、ステップ3
01で触媒温度がT2 に到達していた(XH=1)場合
には、ステップ305に進み回復操作実行フラグXRの
値が判定され、XR=0であった場合にはステップ30
7以下を実行することなく本操作は終了する。すなわ
ち、回復操作は行われない。また、ステップ305でX
R=1であった場合にはステップ307に進み回復操作
が実行される。
【0052】本実施形態では、回復操作中機関1の全気
筒は理論空燃比よりややリッチな空燃比(例えば空燃比
で14.25程度)で運転される。これにより、NOX
吸蔵還元触媒7は高温かつリッチ空燃比雰囲気に保持さ
れるため、NOX 吸蔵還元触媒から吸収したSOX が放
出されるようになる。ステップ309は、SOX カウン
タの減算操作を示している。回復操作実行中NOX 吸蔵
還元触媒からはSOXが放出されるため、触媒7のSO
X 保持量は低下する。このため、ステップ309ではS
X カウンタCSOXの値は、被毒回復操作開始後ステ
ップ309実行毎に所定値ΔCSOXだけ低減される。
ΔCSOXは、被毒回復操作により単位時間(本操作の
実行間隔)当たりにNOX 吸蔵還元触媒から放出される
SOX 量である。これにより、回復操作実行中もSOX
カウンタCSOXの値はNOX 吸蔵還元触媒7が保持す
るSOX 量を正確に表すようになる。
【0053】ステップ311は回復操作の終了条件の判
定を示す。本実施形態では、回復操作中にNOX 吸蔵還
元触媒7のSOX 保持量CSOXが所定値CSOX1
下に減少した場合に回復操作が終了したと判定する。こ
こで所定値CSOX1 は、CSOX0 (図2ステップ2
05)より小さい値であり、本実施形態ではCSOX 1
≒0に設定される。すなわち、ステップ311でCSO
X>CSOX1 であった場合には本操作はステップ31
3以下を実行することなく終了し、回復操作が継続され
る。また、ステップ311で触媒7のSOX 保持量がC
SOX1 以下に低下した場合には、ステップ313から
317で回復操作実行フラグXR、昇温操作実行フラグ
XH及び被毒回復操作実行フラグXRの値がそれぞれ0
に設定される。これにより、次回からは、図2の操作は
ステップ201から205を実行後直ちに終了するよう
になる。また、フラグXHとXRとの値が0に設定され
たため、図3の昇温操作(ステップ303)と回復操作
(ステップ309)は実行されなくなり、機関1では通
常のリーン空燃比運転が実施されるようになる。
【0054】なお、本実施形態ではSOX 保持量にかか
わらず、被毒回復操作中に触媒温度がT2 より低下した
場合には(図2ステップ213、217)図3の昇温操
作(図3ステップ303)を行って触媒温度を上昇させ
た上で回復操作(図3ステップ307)を行っている
が、回復操作中に触媒温度が低下した場合には昇温を行
う代わりに直ちにXH、XR、XSの各フラグを0にリ
セットして被毒回復操作を中止するようにしても良い。
この場合、被毒回復操作中止時にNOX 吸蔵還元触媒に
残存するSOX 量CSOXが判定値CSOX0 より多い
場合には再度図2ステップ207以下が実行され、被毒
回復操作が開始されるが、残存するSOX量がCSOX
0 より少ない場合には、再度触媒7のSOX 保持量がC
SOX0 に到達するまで被毒回復操作は実行されない。
これにより、触媒7のSOX 保持量が比較的少ない場合
にまで触媒温度を再度上昇させて被毒回復を行うことが
防止され、不必要な燃費の悪化や排気性状の悪化が生じ
ない。
【0055】次に、図6から図9を用いて本発明の別の
実施形態について説明する。前述の実施形態では被毒回
復操作の実行条件が触媒温度TCATに基づいて設定さ
れていた。しかし、触媒温度は機関1の運転状態と密接
な関係を有している。すなわち、機関負荷が高く排気温
度が高い状態では触媒温度も高くなっており、機関負荷
が低く排気温度が低い状態では触媒温度も低くなってい
る。そこで、本実施形態では触媒温度TCATに基づい
て被毒回復操作実行条件を判断する代わりに機関負荷条
件(吸気圧力、機関回転数)に基づいて被毒回復操作実
行条件を判断するとともに、触媒昇温操作を実施する機
関負荷条件をNOX 吸蔵還元触媒7のSOX 保持量TC
ATに応じて変更するようにしている。
【0056】図8、図9は本実施形態における被毒回復
操作実行判定条件の設定例を示している。図8、図9に
おいて縦軸は機関負荷LD(アクセル開度と機関回転数
とから定まる燃料噴射量に相当)、横軸は機関回転数N
Eを表し、図中の領域IからIVは図4の領域IからI
Vに対応している。また、図8はNOX 吸蔵還元触媒7
のSOX 保持量CSOXが比較的少ない場合の実行判定
条件、図9はCSOXが比較的多い場合の実行判定条件
を示している。本実施形態においても領域III(回復
操作のみを実行する運転領域)と領域IV(触媒の過熱
を防止するために被毒回復を行わない領域)はCSOX
の値にかかわらず一定であるが、領域II(被毒解消の
ために触媒昇温操作を行う領域)はSOX 保持量CSO
Xが大きくなるほど低負荷領域側に拡大するように設定
される。このため、本実施形態においても、NOX 吸蔵
還元触媒7のSOX 保持量が増大するにつれて被毒回復
操作が実行される機会が多くなり、SOX 保持量の増大
によりNOX 吸蔵還元触媒の吸収容量が低下することが
防止される。
【0057】図6、図7は、本実施形態のNOX 吸蔵還
元触媒7の被毒回復条件判定操作と昇温及び回復操作を
説明するフローチャートである。本操作は、ECU30
により一定時間毎に実行されるルーチンにより行われ
る。図6、図7では前述の実施形態の図2、図3の操作
と類似の操作が行われる。図6においてステップ601
では機関負荷LD(燃料噴射量)と機関回転数NE及び
NOX 吸蔵還元触媒7のSOX 保持量CSOXの読み込
みが行われ、ステップ603では被毒回復操作実行フラ
グXSの値が判定され、ステップ605ではSOX 保持
量CSOXの値が判定される。そして、ステップ607
では被毒回復操作実行条件(図8、図9)がSOX 保持
量CSOXの値に応じて設定される。更に、ステップ6
09、611、613では現在の機関運転条件(触媒温
度)が図8、図9の領域IからIVのいずれにあるかが
判定され、それぞれの運転領域に応じて被毒回復操作実
行可否、(ステップ609、611)及び昇温操作実行
可否(ステップ613)が判定される。なお、本実施形
態ではステップ605で一旦被毒回復操作が実行される
とステップ607以下の操作は行わず、運転条件の変化
にかかわらず被毒回復操作が継続される。
【0058】また、図7の操作では図3の操作に対して
ステップ704が追加されており、昇温操作(ステップ
703)実行後ステップ704で触媒の昇温が完了した
か否かを判定する。そして、昇温が終了したと判定され
た場合には直ちにステップ705に進むようにした点が
図3と相違している。なお、ステップ704では昇温操
作が開始されてから所定の時間が経過したときに触媒7
の昇温が完了したと判定するようにしている。図6、図
7の他のステップは図2、図3の操作と同様であるので
ここでは詳細な説明は省略する。
【0059】次に、本発明の別の実施形態について説明
する。上述の実施形態では触媒のSOX 保持量CSOX
に応じて被毒回復操作実行判定条件を設定していたが、
以下に説明する実施形態では機関の過去の運転状態の履
歴に応じて被毒回復操作実行判定条件を設定するように
した点が相違している。図10、図11は本実施形態に
おける被毒回復操作実行判定条件の設定例を示してい
る。図10、図11は、被毒回復操作実行判定条件を図
8、図9と同様に機関負荷条件で設定した場合を示して
おり、図10、図11にI〜IVで示した領域は、図4
の領域IからIVに相当する。また、図10は過去の運
転履歴から見て触媒温度が高い状態で運転される頻度が
高い場合の判定条件を、図11は過去の運転履歴からみ
て触媒温度が低い状態で運転される頻度が高い場合の判
定条件を示している。触媒温度が高い状態で運転される
頻度が高い場合には、領域II(触媒の昇温操作を実行
する領域)を比較的狭く(昇温操作を実行する触媒温度
下限値を比較的高く)設定しても被毒回復操作が実行さ
れる頻度は低下しない。一方、触媒温度が低い状態で運
転される頻度が高い場合には領域IIを狭く設定すると
被毒回復操作が実行される頻度が低下してしまい、NO
X 吸蔵還元触媒7の吸収容量が低下する可能性が高い。
そこで、本実施形態では過去の運転履歴からみて触媒温
度が低い状態で運転される頻度が高い場合(図11)に
は、触媒温度が高い状態で運転される頻度が高い場合
(図10)に較べて領域II(昇温操作を行う領域)を
低負荷側に拡大して設定するようにしている。これによ
り、触媒温度が低い状態で運転される機会が多い場合に
も被毒回復操作が実行される頻度が増大するため、機関
運転状態にかかわらずNOX 吸蔵還元触媒の吸収容量の
低下を防止することが可能となる。
【0060】次に、過去の運転履歴の判定について説明
する。本実施形態では、例えば機関が図10の領域II
の状態で運転された時間の積算値thを算出し、この積
算値thと機関の総運転時間taとの比r=th/ta
を算出する。そして、rの値が予め定めた所定値r
0(0≦r0 ≦1)を越えている場合(すなわち、図1
0の判定値を使用しても被毒回復操作実行頻度が低下し
ないと考えられる場合)には図10の判定値を使用す
る。また、上記比rの値がr0 以下であった場合(すな
わち、図10の判定値を使用したのでは被毒回復操作実
行頻度が低下すると考えられる場合)には図10に代え
て図11の判定値を使用する。これにより、被毒回復操
作実行条件が拡大するため被毒回復操作の実行頻度の低
下が防止される。図12は本実施形態の被毒回復条件判
定操作を示すフローチャートである。本操作はECU3
0により一定時間毎に実行されるルーチンにより行われ
る。
【0061】図12では、ステップ1201で機関負荷
LD、NE、CSOXの他に上記機関運転履歴を表すパ
ラメータrを読み込み、ステップ1207でrの値に応
じて(r≦r0 か否かに応じて)図10、図11の判定
条件のいずれかを選択する点以外は図6のフローチャー
トと同一であるので、詳細な説明は省略する。また、本
実施形態においても図7の昇温及び回復操作が実行され
る点も前述の実施形態と同様である。
【0062】次に本発明の別の実施形態について説明す
る。本実施形態では機関の燃料性状、特に燃料の硫黄含
有量に応じて被毒回復実行条件を設定する。硫黄分の多
い燃料を機関に使用した場合には排気中のSOX 量もそ
れに応じて増大するため、NOX 吸蔵還元触媒のSOX
保持量の増大速度も大きくなる。このため、硫黄含有量
の多い燃料を使用した場合には、硫黄含有量の少ない燃
料を使用した場合に較べて被毒回復操作の実行頻度を高
くする必要がある。そこで、本実施形態では燃料の硫黄
含有量を推定して、硫黄含有量が大きい燃料を使用して
いる場合には被毒回復実行条件を拡大して設定するよう
にして、燃料性状にかかわらずNOX 吸蔵還元触媒の吸
収容量の低下を防止している。
【0063】次に、本実施形態のNOX 吸蔵還元触媒7
のSOX 保持量推定方法について説明する。本実施形態
では、前述の実施形態のSOX カウンタを使用せずにS
X保持量を推定している。前述のようにSOX カウン
タを用いてSOX 保持量を推定する場合には、SOX
ウンタの計算に用いる単位時間当たりの機関SOX 発生
量は標準的な燃料を使用した場合の値を使用するため、
燃料の硫黄含有量が標準的な燃料の値から変化するとN
X 吸蔵還元触媒の実際のSOX 保持量とSO X カウン
タの値とに差を生じる場合がある。そこで、本実施形態
ではNOX 吸蔵還元触媒7からのNOX の放出及び還元
浄化操作(再生操作)中の空燃比センサ31の出力変化
からNOX 吸蔵還元触媒7のSOX 保持量を算出するよ
うにしている。
【0064】NOX 吸蔵還元触媒の再生操作時には、N
X 吸蔵還元触媒に流入する排気空燃比はリッチ空燃比
とされる。しかし、再生操作中にはNOX 吸蔵還元触媒
7から吸収したNOX が放出され排気中のHC、CO成
分と反応するため、再生操作中にNOX 吸蔵還元触媒か
らNOX が放出されている間はNOX 吸蔵還元触媒出口
の排気空燃比は理論空燃比となる。そして、NOX 吸蔵
還元触媒からのNOXの放出が終了するとNOX 吸蔵還
元触媒出口における排気空燃比も入口における空燃比と
同様にリッチ空燃比に変化する。従って、触媒出口空燃
比が理論空燃比に保持されている時間(理論空燃比保持
時間)はNOX 吸蔵還元触媒に吸収されたNOX 量が多
い程長くなる。本実施形態では、NOX 吸蔵還元触媒の
再生操作はNOX カウンタの値が一定値に到達する毎に
実行されるので本来、他の条件が同一であれば再生操作
時の理論空燃比保持時間は一定になるはずである。とこ
ろが、NOX 吸蔵還元触媒にSOX が吸収されるとNO
X 吸蔵還元触媒の最大NO X 吸収量は減少するようにな
る。このため、NOX 吸蔵還元触媒のSOX 保持量が増
大するにつれて実際にNOX 吸蔵還元触媒が吸収するN
X の量は減少するようになり、再生操作時の理論空燃
比保持時間もそれに応じて短くなる。すなわち、再生操
作実行時の理論空燃比保持時間はNOX 吸蔵還元触媒の
SOX 保持量を表すパラメータとして使用することがで
きる。
【0065】そこで、本実施形態ではNOX 吸蔵還元触
媒からのNOX 放出、還元操作(再生操作)実行毎に、
NOX 吸蔵還元触媒7出口の排気通路に配置された空燃
比センサ31の出力が理論空燃比相当値に保持される時
間STを計測し、この時間STが所定値ST0 以下にな
ったときにNOX 吸蔵還元触媒7のSOX 保持量が許容
値を越えて増大した(すなわちS被毒が生じた)と判定
してNOX 吸蔵還元触媒7の被毒回復操作を実行するよ
うにしている。
【0066】また、被毒回復操作を実行するとNOX
蔵還元触媒7のSOX 保持量は減少し、上記理論空燃比
保持時間STは増大するが、機関の運転を続けると機関
からのSOX 発生量に応じてNOX 吸蔵還元触媒のSO
X 保持量は再度増大するため、ある程度の時間が経過す
ると理論空燃比保持時間STは再度ST0 以下になる。
すなわち、前回被毒回復操作を実行してから次に被毒が
生じるまでの間隔RTIは機関で発生するSOX 量に反
比例することになる。一方、期間RTI中に機関で発生
したSOX 量は機関に供給された燃料中の硫黄分の合計
量に比例するため、期間RTI中に機関に供給された燃
料の合計量FJ(すなわち、期間RTIにおける燃料噴
射量の積算値)と燃料の硫黄分濃度SWとの積は(1/
RTI)に比例する。すなわち、FJ×SW=K×(1
/RTI)となる(Kは比例定数)。このため、燃料中
の硫黄濃度SWは、SW=K/(FJ×RTI)とな
り、FJ×RTIに反比例することになる。従って1/
(FJ×RTI)=RTJとすると、RTJの値は燃料
中の硫黄分濃度に比例するようになる。
【0067】本実施形態では、被毒回復操作実行後に再
度被毒が検出されるまでの期間RTIと期間RTI中の
燃料噴射量積算値FJを計測し、これらを用いて算出し
たRTJ(=1/(FJ×RTI))の値を燃料中の硫
黄分濃度を表すパラメータとして使用する。次に、図1
3と図14とを用いて本実施形態の被毒回復条件判定操
作及び、触媒の昇温・回復操作を説明する。図13、図
14は図2から図5の実施形態と同様被毒回復実行条件
を触媒温度で設定する場合を例にとって示している。
【0068】図13、図14の操作はECU30により
一定時間毎に実行されるルーチンにより行われる。図1
3において操作がスタートすると、ステップ1301で
は触媒温度TCAT、NOX 吸蔵還元触媒再生操作時の
触媒出口排気の理論空燃比保持時間ST、及び燃料硫黄
分濃度パラメータRTJが読み込まれる。ここで、触媒
温度TCATは、図2から図6の実施形態と同様に触媒
温度センサによる直接検出、または排気温度、流量に基
づく計算値として別途ECU30により実行される図示
しないルーチンにより求められる。また、本実施形態で
はECU30はNOX 吸蔵還元触媒の再生操作毎に触媒
出口の空燃比センサ31出力がリーン→理論空燃比→リ
ッチに変化する際の理論空燃比出力の継続時間を計測
し、STとして記憶している。更に、ECU30は別途
実行される図示しないルーチンにより、前回S被毒回復
操作を実行してから次に理論空燃比保持時間STが所定
値ST0 に低下するまでの時間RTIと期間RTIにお
ける燃料噴射量の積算値FJを算出し、RTJ(=1/
(FJ×RTI))の値を算出している。
【0069】ステップ1303では、図2ステップ20
3と同様被毒回復実行フラグXSの値が判定され、XS
=1であればそのまま操作を終了しXS≠1であればス
テップ1305に進む。そして、ステップ1305で
は、ステップ1301で読み込んだ前回再生操作実行時
の理論空燃比保持時間STの値がST0 より小さいか否
かが判定される。
【0070】ステップ1305でST≧ST0 であった
場合にはNOX 吸蔵還元触媒の吸収容量は低下しておら
ずS被毒は生じていないため、本操作はそのまま終了す
る。一方、ST<ST0 であった場合にはS被毒が生じ
てNOX 吸蔵還元触媒の吸収容量が低下していると考え
られるため、ステップ1307以下の操作を行う。すな
わち、ステップ1307では硫黄分濃度パラメータRT
Jの値に基づいて、触媒温度判定値T1 、T2 、T3
設定される。温度判定値T1 からT3 の表す意味は図4
のものと同一である。また、本実施形態における温度判
定値T1 、T 2 、T3 とRTJとの関係は図15に示さ
れる。すなわち、本実施形態においてもT2 とT3 とは
燃料硫黄分濃度にかかわらず一定値(T2 ≒600℃、
3 ≒700℃)に設定される。また、温度T1 はRT
J<RTJ0 の範囲では一定値(T1 ≒550℃)に設
定されるが、RTJ≧RTJ0 の範囲では、RTJが大
きくなるにつれて(燃料中の硫黄分濃度が増大するにつ
れて)低下するように設定されている。ここで、RTJ
0 は標準的な燃料を使用した場合のRTJの値であり、
詳細には実験により求められる。これにより、使用燃料
中の硫黄分濃度が増大するにつれて低い触媒温度でも被
毒回復操作が実行されるようになり、燃料性状にかかわ
らず確実にNOX 吸蔵還元触媒の吸収容量低下が防止さ
れる。
【0071】上記により温度判定値T1 、T2 、T3
設定後、次にステップ1308ではSTの値に応じてカ
ウンタCSの初期値が設定される。カウンタCSはNO
X 吸蔵還元触媒のSOX 保持量を表すCSOXと同様な
カウンタであり、ステップ1308ではNOX 吸蔵還元
触媒のSOX 保持量が大きいほど(STの値が小さいほ
ど)CSの初期値は大きな値に設定される。このカウン
タCSは図14の回復操作終了の判定(ステップ140
9、1411)に使用される。
【0072】なお、図13のステップ1309から13
19は図2のフローチャートのステップ209から21
9と同一であるので説明は省略する。次に、図14は、
本実施形態における触媒の昇温及び回復操作を示す図3
と同様なフローチャートである。図14の操作は、ステ
ップ1409、1411で、回復操作の終了判定に図2
のNOX カウンタCSOX(ステップ209、211)
に代えてステップ1308で設定されるカウンタCSを
使用する他は、図2の操作と同一であるため、ここでは
詳細な説明は省略する。(なお、図14のΔCS、CS
1 は図3におけるΔCSOX、CSOX1 に対応する値
である。)次に、図16から図19を用いて本発明の別
の実施形態について説明する。
【0073】本実施形態では、図6から図9の実施形態
と同様に、被毒回復操作の実行可否は機関負荷条件(燃
料噴射量、機関回転数)に基づいて判断される。しか
し、図6から図9の実施形態ではNOX 吸蔵還元触媒の
SOX 保持量に応じて被毒回復操作を実行する機関負荷
条件を設定していたのに対して、本実施形態では機関冷
却水温度に応じて被毒回復操作を実行する機関負荷条件
を設定している点が相違している。
【0074】機関始動時等で冷却水温度が低い場合には
燃料が気化しにくいため、気筒内に噴射された燃料はピ
ストン等に液状のまま付着し易くなる。このため、筒内
に形成される混合気は噴射された燃料の全量が気化した
場合に較べてリーンになる。一方、ピストン等に付着し
た液状燃料は気筒内の混合気が燃焼すると気化して排気
中に未燃HCを生成する。このため、燃料噴射量が同一
であっても冷却水温度が低い場合には、冷却水温度が高
い場合に較べて気筒内の燃焼空燃比はリーンになり、か
つ排気中のHC成分が増大するようになる。前述のよう
に、排気中の未燃成分量が増大するとNOX 吸蔵還元触
媒上でのHCの燃焼によりNOX 吸蔵還元触媒の温度が
上昇する。このため、機関冷却水温度が低い場合には高
い場合に較べて触媒を加熱し易い状況になっている。ま
た、触媒加熱のために燃料噴射量を増量する場合を考え
ると、冷却水温度が低い場合には高い場合に較べて同一
燃料噴射量であっても燃焼空燃比はリーンになっている
ため、燃料噴射量を多少増量しても燃焼空燃比は大幅に
はリッチにならず、しかも増量された燃料の大部分を未
燃HCとしてNOX 吸蔵還元触媒に供給することが可能
となる。このため、冷却水温度が低い状態では、比較的
短時間で、しかも排気エミッションや燃費を悪化させる
ことなくNOX 吸蔵還元触媒の昇温が可能となる。
【0075】そこで、本実施形態では冷却水温度が低い
場合には被毒回復操作を実行する機関負荷条件を拡大し
て被毒回復操作が実行されやすくなるようにしている。
このため、機関始動時等の冷却水温度が低い運転状態で
はSOX 被毒回復操作が実行される機会が増大し、NO
X 吸蔵還元触媒のSOX 保持量が増大した状態が機関始
動後長時間継続することが防止される。
【0076】図18、図19は本実施形態における被毒
回復操作実行判定条件を示す。図18、図19は、図
8、図9と同様縦軸に機関負荷LD(燃料噴射量)、横
軸に機関回転数NEをとって示しており、図中I〜IV
で示した領域は図4のI〜IVの領域に対応している。
また、図18は機関冷却水温度THWが所定値THW0
より高い場合の実行判定条件を、図19はTHWがTH
0 以上の場合の実行判定条件を、それぞれ示してい
る。ここで、THW0 は、例えば機関暖機が完了したと
判断できる冷却水温度に設定される。図18、図19か
ら判るように、冷却水温度THWがTHW 0 以下の場合
(図19)には、THW0 より高い場合(図18)に較
べて領域II(昇温操作を行なう領域)が低負荷側に拡
大され、被毒回復操作が実行される頻度が増大するよう
になっている。
【0077】図16、図17は本実施形態のNOX 吸蔵
還元触媒7の被毒回復条件判定操作と昇温及び回復操作
を説明するフローチャートである。本操作はECU30
により一定時間毎に実行されるルーチンにより行なわれ
る。図16の操作では、ステップ1601で機関負荷L
D(燃料噴射量)と回転数NE、SOX 保持量CSOX
に加えて冷却水温度センサ39から機関冷却水温度TH
Wが読み込まれる点、及びステップ1607で冷却水温
度THWに応じて(THWが所定温度THW0 より高い
か否かに応じて)図18または図19の被毒回復操作実
行条件が設定される点のみが図6のフローチャートと異
なっており、他のステップの操作は図6のものと同様で
ある。また、図17のフローチャートの各ステップは、
図7のフローチャートの各ステップと同様であるので、
ここでは詳細な説明は省略する。
【0078】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、NOX
吸蔵還元触媒の被毒回復操作を特定の機関運転条件での
み実行して機関燃費や排気性状の悪化を防止する際に、
NOX吸蔵還元触媒のSOX 保持量が増大した状態が長
時間継続することを防止することを可能する効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の実
施形態の概略構成を示す図である。
【図2】NOX 吸蔵還元触媒の被毒回復条件判定操作の
一実施形態を説明するフローチャートである。
【図3】NOX 吸蔵還元触媒の昇温回復操作の一実施形
態を説明するフローチャートである。
【図4】図2の操作の昇温回復操作実行のための触媒温
度判定値を説明する図である。
【図5】図4の触媒温度判定値の設定を説明する図であ
る。
【図6】NOX 吸蔵還元触媒の被毒回復条件判定操作の
図2とは別の実施形態を説明するフローチャートであ
る。
【図7】図6の実施形態の昇温回復操作を説明するフロ
ーチャートである。
【図8】図6の実施形態の昇温回復操作実行のための機
関運転条件の設定を説明する図である。
【図9】図6の実施形態の昇温回復操作実行のための機
関運転条件の設定を説明する図である。
【図10】図12の実施形態の昇温回復操作実行のため
の機関運転条件の設定を説明する図である。
【図11】図12の実施形態の昇温回復操作実行のため
の機関運転条件の設定を説明する図である。
【図12】NOX 吸蔵還元触媒の被毒回復条件判定操作
の図2、図6とは別の実施形態を説明するフローチャー
トである。
【図13】NOX 吸蔵還元触媒の被毒回復条件判定操作
の図2、図6、図12とは別の実施形態を説明するフロ
ーチャートである。
【図14】図13の実施形態の昇温回復操作を説明する
フローチャートである。
【図15】図4の触媒温度判定値の設定を説明する図で
ある。
【図16】NOX 吸蔵還元触媒の被毒回復条件判定操作
の図2、図6、図12、図13とは別の実施形態を説明
するフローチャートである。
【図17】図16の実施形態の昇温回復操作を説明する
フローチャートである。
【図18】図16の操作の昇温回復操作実行のための機
関運転条件の設定を説明する図である。
【図19】図16の操作の昇温回復操作実行のための機
関運転条件の設定を説明する図である。
【符号の説明】
1…内燃機関 2a、2b…排気通路 2…共通排気通路 5a、5b…スタートキャタリスト 7…NOX 吸蔵還元触媒 30…電子制御ユニット(ECU) 29a、29b、31…空燃比センサ 39…機関冷却水温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F01N 3/24 ZAB F01N 3/24 ZABL 3/28 301 3/28 301C 301G

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に配置され、流入す
    る排気の空燃比が理論空燃比より高いときに排気中のN
    X を吸収し流入する排気の空燃比が理論空燃比以下に
    なったときに吸収したNOX を放出、還元浄化するとと
    もに、排気中の被毒物質を吸着または吸収して前記NO
    X 吸放出及び還元浄化の作用が低下するNOX 吸蔵還元
    触媒と、 前記NOX 吸蔵還元触媒に吸着または吸収により保持さ
    れた前記被毒物質の量を推定する保持量推定手段と、 前記被毒物質の保持量が予め定めた判定値を越えて増大
    した場合に、機関の運転条件が所定の加熱実施条件にな
    ったときに前記NOX 吸蔵還元触媒を加熱してNOX
    蔵還元触媒から前記被毒物質を放出させる加熱手段と、 前記加熱実施条件を前記被毒物質の保持量に応じて設定
    する加熱実施条件設定手段と、 を備えた内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱実施条件は、前記NOX 吸蔵還
    元触媒の温度として設定される請求項1に記載の内燃機
    関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱実施条件は、機関の負荷条件と
    して設定される請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装
    置。
  4. 【請求項4】 内燃機関の排気通路に配置され、流入す
    る排気の空燃比が理論空燃比より高いときに排気中のN
    X を吸収し流入する排気の空燃比が理論空燃比以下に
    なったときに吸収したNOX を放出、還元浄化するとと
    もに、排気中の被毒物質を吸着または吸収して前記NO
    X 吸放出及び還元浄化の作用が低下するNOX 吸蔵還元
    触媒と、 前記NOX 吸蔵還元触媒に吸着または吸収により保持さ
    れた前記被毒物質の量を推定する保持量推定手段と、 前記被毒物質の保持量が予め定めた判定値を越えて増大
    した場合に、機関の運転条件が所定の加熱実施条件にな
    ったときに前記NOX 吸蔵還元触媒を加熱してNOX
    蔵還元触媒から前記被毒物質を放出させる加熱手段と、 前記加熱実施条件を機関運転状態の履歴に応じて設定す
    る加熱実施条件設定手段と、 を備えた内燃機関の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 内燃機関の排気通路に配置され、流入す
    る排気の空燃比が理論空燃比より高いときに排気中のN
    X を吸収し流入する排気の空燃比が理論空燃比以下に
    なったときに吸収したNOX を放出、還元浄化するとと
    もに、排気中の被毒物質を吸着または吸収して前記NO
    X 吸放出及び還元浄化の作用が低下するNOX 吸蔵還元
    触媒と、 前記NOX 吸蔵還元触媒に吸着または吸収により保持さ
    れた前記被毒物質の量を推定する保持量推定手段と、 前記被毒物質の保持量が予め定めた判定値を越えて増大
    した場合に、機関の運転条件が所定の加熱実施条件にな
    ったときに前記NOX 吸蔵還元触媒を加熱してNOX
    蔵還元触媒から前記被毒物質を放出させる加熱手段と、 前記加熱実施条件を機関の燃料性状に応じて設定する加
    熱実施条件設定手段と、 を備えた内燃機関の排気浄化装置。
  6. 【請求項6】 内燃機関の排気通路に配置され、流入す
    る排気の空燃比が理論空燃比より高いときに排気中のN
    X を吸収し流入する排気の空燃比が理論空燃比以下に
    なったときに吸収したNOX を放出、還元浄化するとと
    もに、排気中の被毒物質を吸着または吸収して前記NO
    X 吸放出及び還元浄化の作用が低下するNOX 吸蔵還元
    触媒と、 前記NOX 吸蔵還元触媒に吸着または吸収により保持さ
    れた前記被毒物質の量を推定する保持量推定手段と、 前記被毒物質の保持量が予め定めた判定値を越えて増大
    した場合に、機関の運転条件が所定の加熱実施条件にな
    ったときに前記NOX 吸蔵還元触媒を加熱してNOX
    蔵還元触媒から前記被毒物質を放出させる加熱手段と、 前記加熱実施条件を機関冷却水温度に応じて設定する加
    熱実施条件設定手段と、 を備えた内燃機関の排気浄化装置。
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