JP3517360B2 - 冷凍車又は冷蔵車用の中仕切り壁 - Google Patents

冷凍車又は冷蔵車用の中仕切り壁

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JP3517360B2 JP28514898A JP28514898A JP3517360B2 JP 3517360 B2 JP3517360 B2 JP 3517360B2 JP 28514898 A JP28514898 A JP 28514898A JP 28514898 A JP28514898 A JP 28514898A JP 3517360 B2 JP3517360 B2 JP 3517360B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍車又は冷蔵車
の荷物室の前後方向の任意の位置で少なくとも2以上に
仕切る中仕切り壁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍車又は冷蔵車の荷物室を前後
方向の任意の位置で仕切る中仕切り壁を用い、荷物室を
冷凍室、冷蔵室、常温室のように用途に応じて仕切るこ
とができ、また仕切る位置も荷の量に応じて決めること
ができ、このような中仕切り壁を設置することにより荷
物室を効率よく使用し、輸送効率を上げ経済的に冷凍車
又は冷蔵車を運用することが行われるようになってい
る。
【0003】この種の中仕切り壁は、(1)壁を通して
の熱流を遮断する断熱性、(2)荷物等に当たっても簡
単に壊れない堅牢性、(3)荷物室前後方向の任意の位
置において着脱できる取扱性、(4)荷物室の天井や両
側面の凹凸に追従できるというシール性、を兼ね備える
ことが求められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
(1)(4)特性の全てを充足するような中仕切り壁
は、見当たらないというのが現状である。例えば、
(1)の断熱性が優れたものとし、(3)の取扱性を高
める軽量化のために、ウレタンフォームで中仕切り壁を
形成するものが提案されている(実開平5−64142
号公報参照)。しかし、ウレタンフォームは強度が低
く、例えば荷崩れ等が発生した場合、破損しやすく、ま
た、開閉用の取っ手の取付け固定が困難であり、そのた
めに厚さを厚くする必要があるなど、(2)の堅牢性に
問題がある。また、(3)の取扱性の向上のために、カ
ーテン式にしたものも提案されているが(特開平9−2
07648号公報参照)、構造的に壁を厚く出来ないた
め、(1)の断熱性に問題がある。
【0005】また、(2)の強度アップのために、金属
製、例えばアルミニウム製の型材間に発泡ウレタンを充
填した中仕切り壁も使用されている。しかし、金属製の
型材を使用しているため、重量があり、着脱作業、移送
作業が一人ではできず、(3)の取扱性に問題がある。
【0006】また、(4)のシール性を向上させるため
に、中仕切り壁の外周に拡縮自在なシール機構、例えば
外方に突出可能なスライド棒にゴム状のシール部材を取
付けたもの(実開昭63−188489号公報参照)
や、エアー充填で左右上下に突っ張るタイヤチユーブ状
のものを付設したものも提案されている。しかし、スラ
イド棒操作やエアー充填のように、中仕切り壁を設置す
るまでの手間が必要であり、(3)の取扱性に問題があ
る。また、実用新案登録第3017734号公報に開示
のように、中仕切り壁の外周と荷物室内面との間を凹凸
嵌合するものも提案されているが、荷物室内壁に予め凹
部材を配設する必要があり、荷物室を前後方向の任意の
位置で仕切ることができず、(3)の取扱性に劣る。
【0007】以上のような中仕切り壁の現状に鑑み、本
発明は、断熱性、堅牢性、取扱性、シール性、をそれぞ
れ兼ね備える冷凍車又は冷蔵車用の中仕切り壁を提供す
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明は、合成樹脂発泡板と、前記合成樹脂発
泡板の両面に貼着された、多数の平行なリブを有する中
空樹脂板と、前記合成樹脂発泡板の周囲の必要箇所に設
けられた、柔軟なシール部材と、を備え、前記両面のう
ち一方の面に貼着された中空樹脂板の前記リブと、前記
両面のうち他方の面に貼着された中空樹脂板の前記リブ
とが交差している冷凍車又は冷蔵車用の中仕切り壁であ
る。
【0009】前記合成樹脂発泡板は、発泡構造に基づく
低熱伝導率により、高い断熱性を付与する。この合成樹
脂発泡板の両面に貼着された、多数の平行なリブを有す
る中空樹脂板は、リブ構造に基づいて軽量ながら強度を
有するとともに、リブ間の空気層により高断熱性も有す
る。従って、合成樹脂発泡板とその両面の中空樹脂板と
により、全体として、高断熱性と、高強度性と、軽量性
と、を兼ね備える構造にすることができる。また、前記
合成樹脂発泡板の周囲(外周)の適所の柔軟なシール材
は、荷物室内壁の凹凸に追従し、不用な隙間の発生を抑
え、シール性を向上させるとともに、中仕切り壁の適所
に設けられた取っ手を操作して、荷物室の適所に中仕切
り壁を押し込むという簡単な操作でシール性を発揮す
る。
【0010】前記シール部材は、荷物室内壁の両側面と
天井面の当たる部分に設けることが望ましいが、床面に
当たる部分は必ずしも必要ではない。また、合成樹脂発
泡板とその両面の中空樹脂板からなる積層板は、一枚も
のである必要はなく、二枚以上を折り畳めるように連接
したものであってもよい。また、前記積層板の表面に必
要に応じて保護用の外皮を設けたり、前記積層板の外周
に保護用の硬質合成樹脂発泡板を張りつけてもよい。ま
た、積層板の外皮のように、表面に露出する部材には、
抗菌剤と防カビ剤の一種以上を練り込む処理を施し、雑
菌の繁殖を阻止することもできる。
【0011】さらに、一方の中空樹脂体のリブの方向
と、他方の中空樹脂板のリブの方向とが交差しているの
で、合成樹脂発泡板とその両面の中空樹脂板からなる積
層板の強度が更に大きくなる。交差の好ましい態様は、
一方のリブを横方向にし、他方のリブを縦方向にすると
いうような直交である。
【0012】請求項の発明は、合成樹脂発泡板と、前
記合成樹脂発泡板の両面に貼着された、多数の平行なリ
ブを有する中空樹脂板と、前記合成樹脂発泡板の周囲の
必要箇所に設けられた 、柔軟なシール部材と、を備え、
前記シール部材は、前記周囲に配設された柔軟な合成樹
脂発泡材と、この合成樹脂発泡材を被包する伸縮性を有
する布と、を有してなる冷凍車又は冷蔵車用の中仕切り
壁である。
【0013】シール部材は、柔軟な合成樹脂発泡材と、
この合成樹脂発泡材を被包する伸縮性を有する布である
ため、荷室内壁の凹凸に追従し、内壁との隙間を確実に
シールする。布の伸縮性は、少なくとも外周に沿った方
向に伸縮する必要があるが、外周に沿った方向と直交す
る方向にも伸縮させてもよい。このような布は、例えば
編み方や、使う糸を選択することにより作製可能であ
る。
【0014】請求項の発明は、前記布の少なくとも一
方の面には、合成樹脂からなる防水層が設けられている
請求項記載の冷凍車又は冷蔵車用の中仕切り壁であ
る。
【0015】シール部材の合成樹脂発泡材を被包する伸
縮性を有する布の少なくとも一方の面に、合成樹脂より
なる防水層を設けているため、シール部材内部への水の
浸入を防止する。冷凍車又は冷蔵車の荷物室はしばしば
洗浄される。特に柔軟な合成樹脂発泡材は連続気泡によ
る吸水性があるため、水を含むと凍結し、柔軟性が損な
われるため、防水層が有効である。また、必要に応じ
て、布の外方の表面側に発水性処理を施して布の凍結を
防ぐことができる。更に、布の表面に対して抗菌処理や
防カビ処理を施し、雑菌の繁殖を阻止することができ
る。
【0016】請求項の発明は、前記中空樹脂板の表面
に、合成樹脂の発泡シートを貼着し、さらにその表面に
合成樹脂シートを貼着した請求項1〜のいずれかに記
載の冷凍車又は冷蔵車用の中仕切り壁である。合成樹脂
の発泡シートと合成樹脂シートにより、中空樹脂板の表
面が柔軟になって保護される。
【0017】請求項の発明は、前記合成樹脂発泡板と
前記中空樹脂板とを備えるパネルの二枚からなり、前記
二枚のパネルの突き合わせ部の片面に柔軟な合成樹脂シ
ートが接着され、二つ折り可能になっている請求項1〜
のいずれかに記載の冷凍車又は冷蔵車用の中仕切り壁
である。二つ折り可能な中仕切り壁であるため、荷物室
内の所定位置に展開することで容易に設置でき、収納時
に嵩張らない。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図示例とと
もに説明する。図1は、本発明における中仕切り壁の上
部角部の断面概略図である。図2は、本発明における中
仕切り壁を開いた状態の正面概略図である。
【0019】図1において、1は、中仕切り壁であり、
2は、合成樹脂発泡板として機能するポリエチレン独立
発泡体であり、3a、3bは、中空樹脂板として機能す
るポリエチレン中空樹脂体であり、4は、中間層として
機能する合成樹脂の発泡シートであり、5は、外皮とし
て機能するPVCターポリン等の合成樹脂シートであ
り、6は、シール部材である。7は、シール部材6の合
成樹脂発泡材として機能するウレタンスポンジであり、
8は、基布であり、9は、たて及びよこ方向に伸縮性を
有するニット布であり、10は、防水層として機能する
ポリウレタンフィルムを示す。
【0020】15は、積層体として機能するパネルであ
る。このパネル15は、厚さ27mm、発泡倍率30倍
のポリエチレンの独立発泡体2の両面に、厚さ5mmで
平行なリブを有するポリエチレン製の中空樹脂体3a、
3bを貼着し、更にポリエチレン中空樹脂体3a、3b
の両面に、厚み1mmのポリエチレン等の合成樹脂の発
泡シート4と、厚み0.5mmのPVCターポリン等の
合成樹脂シート5とが順次貼着されており、総厚さ40
mmになっている。発泡シート4及び合成樹脂シート5
によって、中空樹脂体3a、3bの表面が被包されてい
るため、表面が柔軟で、内部を保護するとともに、通常
の使用方法では傷がつきにくく、たとえ傷が付いたとし
ても、傷の付いた部分の周囲に新しい合成樹脂シートを
貼り付けることによって、補修が容易に行える。
【0021】ポリエチレン製の中空樹脂体3a、3b
は、平行な二枚の板部材の間にリブ16a、16bを一
体的に設けたものである。リブ16a、16bは、図示
のように平行に並設されている。一方のポリエチレン中
空樹脂体3aのリブ16aの方向は、パネル15の縦方
向に延在し、他方のポリエチレン中空樹脂体3bのリブ
16bの方向は、パネル15の横方向に延在し、リブ1
6aとリブ6bは直交している。そのため、パネル15
は縦方向及び横方向に剛性を有する。
【0022】パネル15の外周のシール部材6は、断面
蒲鉾状で、発泡倍率50倍のウレタンスポンジ7を、伸
縮性を有する基布8で被包したものである。基布8は、
たて及びよこ方向に伸縮性を有するニット布9に厚さ1
00μmのポリウレタンフィルム10をラミネートした
ものであり、ポリウレタンフィルム10がウレタンスポ
ンジ7側になるように被包されている。
【0023】基布8はたて及びよこ方向に伸縮性を有す
ることが望ましい。しかし、少なくとも一方向に伸縮性
を有し、その方向がシール部材6の長さ方向になるよう
にしてもよい。
【0024】また、シール部材6を構成するウレタンス
ポンジ7と伸縮性を有する基布8とは、接着せず単にウ
レタンスポンジ7を被っているのが好ましく、基布8
を、中仕切り壁1の表面を覆うPVCターポリン等の合
成樹脂シート5と同質のテープ14で表面に貼着し、固
定する。これにより、接着剤により硬くなることがなく
荷室内壁の凹凸に追従しやすい。
【0025】さらに、図2により、中仕切り壁1の全体
構成を説明する。中仕切り壁1は、左右対称なパネル
A、Bの二枚よりなっている。それぞれのパネルA、B
の突き合わせ部には、密着性の確保と補強のために、圧
縮歪みの小さい発泡倍率10倍ポリエチレン発泡体30
が張りつけられている。そして、パネルA、Bの突き合
わせ部の片面に、PVCターポリン等の柔軟な合成樹脂
シート17が接着され、ヒンジ状に2つ折り可能な構造
になっている。中仕切り壁1を荷物室内壁に収納すると
きは、2つ折りにして内壁に沿って収納する。また、荷
物室外に運び出し、倉庫等に格納しておくこともでき
る。中仕切り壁1で冷凍室を仕切るときは、パネルA、
Bを展開して荷物室内壁の適所に設置し、1枚ものの中
仕切り壁1とする。
【0026】パネルA、Bの下側は、荷物室床面に対し
て、中仕切り壁1の自重が加わるため、圧縮歪みの小さ
い発泡倍率10倍ポリエチレン発泡体18を張りつけ、
更にPVCシート19でカバーしたものでも、充分にシ
ールすることができる。従って、図1で説明した、柔軟
構造のシール部材6は、中仕切り壁1の上側の周囲と展
開後の両側面の周囲に設けられている。このシール部材
6は、荷室内壁に圧接させた状態で配置するため、中仕
切り壁1は、荷物室の内寸より高さ、幅とも予め20〜
30mm大きく設定してある。
【0027】各パネルA、Bの片側面には、取っ手11
が取り付けられている。この取っ手11は、ベルトに長
さの余裕を持たせて両端を金具でパネル表面に固定した
ものである。各パネルA、Bは剛性のあるポリエチレン
中空樹脂体を有するため、このポリエチレン中空樹脂体
に至る締結部材で金具を固定することができる。この取
っ手11が設けられた側の各パネルA、Bの上下には、
固定ベルト12を挿通できる金具20が上下の各々に左
右2個ずつ固定されている。
【0028】つぎに、前述した構造を有する中仕切り壁
1の使用状態を図3により説明する。図3は、扉21が
開放された状態の冷凍車、冷蔵車の荷物室20を後方か
ら見た図である。図に示すように、側壁22の上下に2
本のレール23が固設され、このレール23には多数の
係止部24が設けられている。このレール23は、ラッ
シングレールとも呼ばれ、荷物室内の貨物を固定するた
めの荷締具用ベルトの一端を固定するために設けられて
いる。このレール23は、荷物室20の側壁22から飛
び出ており、中仕切り壁1はこの部分に対してもシール
機能を発揮することが重要である。
【0029】中仕切り壁1の設置にあたっては、荷物室
20の仕切りたい所定位置でパネルA、Bに設けられた
取っ手11を手で持ちシール部材6を荷物室の天井及び
両側面の壁に圧接させながら展開する。そして固定ベル
ト12両端の取付金具25を荷室側壁に設けられたレー
ル23の係止部24に係止し、ベルト自由端12aを引
っ張る。これにより、荷物室20の前後方向の任意の場
所に中仕切り壁1を設置することができる。
【0030】中仕切り壁1は、図1の説明の如く、ポリ
エチレン独立発泡体の両面にポリエチレン中空樹脂体を
貼着した積層体を基本とする構造であるため、高い断熱
性と、高い堅牢性と、軽量による優れた取扱性を有し、
作業者が一人で前記の設置操作が簡単に行える構造にな
っている。
【0031】また、レール23が荷物室20の側壁に突
設状態で存在するが、シール部材6は自ら柔軟性を有す
るため、レール23の形に沿って変形し、断熱性能を阻
害するような大きな隙間が開かないようになっている。
図1の如く、発泡倍率50倍のウレタンスポンジ7が特
に縦方向に伸縮性を有する基布8で被包されているた
め、基布8が突っ張ってウレタンスポンジ7の柔軟な変
形を阻害しない。そして、防水性能を有する基布8であ
るため、ウレタンスポンジ7が水を吸水して凍結し、柔
軟性を損なうこともない。
【0032】中仕切り壁1を使用しない場合、二つ折り
にし、荷物室20の側壁のいずれか一方に、ベルト12
を使ってレール23に押しつける状態にして収納保管す
ることができる。なお、収納方法としては、天井にはね
上げる形式を採用することもできる。この場合、中仕切
り壁1は一枚ものとしその上側と下側に天井の適所と取
付け可能な短いベルト設けておき、天井側の短いベルト
をヒンジにして、中仕切り壁1の下側をはね上げ、中仕
切り壁1の下側の短いベルトを天井に取り付けること
で、中仕切り壁1は天井に収納される。この場合でも、
中仕切り壁1は軽くて強度があるため、操作は容易であ
る。
【0033】
【実施例】さらに、本発明における中仕切り壁を荷室に
使用した場合の断熱性能を具体例に基づいて説明する。
荷物室を模した縦1860mm×横2090mm×長さ
6000mmの冷凍庫を使った。この冷凍庫の両側面に
は、実際のトラック荷台に設置されるラッシングレール
を上下2本セットしてある。この保温室の長さ方向の中
央に、図1及び図2で説明した構造の中仕切り壁1を設
置した。上記冷凍庫に対応する大きさの中仕切り壁の重
量は、約19kgであり、作業者が一人で楽に設置でき
る。そして、前室側をマイナス25℃の冷凍状態にし、
後室側の時間による温度変化を測定した。その結果が、
図4に示される。
【0034】図4によると、後室側は、時間の経過とと
もに、外気温度(22〜24℃)から下がっているが、
18時間経過後でも、5℃とマイナスになっていない。
温度降下のカーブから、相当時間経過しないと、後室側
がマイナスにならないことが判る。通常の冷凍車が運搬
に要する時間内では、前室側が冷凍状態でも、後室側は
0℃以上に保たれる。そのため、後室側に凍ってはなら
ないような荷物を積む事が可能になる。なお、従来例と
して示した厚さ75mmのアルミニウム製の型材間に発
泡ウレタンを充填したものは、12時間経過後で0℃と
なった。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によると、合成樹脂発泡板とその両面の中空樹脂板か
らなる積層板を基材とするため、高い断熱性と、高い強
度と、軽くて操作し易いという取扱性を兼ね備える。ま
た前記積層板の周囲の適宜箇所に自体が変形する柔軟な
シール材が配設されているため、荷物室内壁の凹凸に追
従するように押し込むことで、シール性と取扱性にも優
れる。このように、本発明品は、簡単な構成でもって、
断熱性、堅牢性、取扱性、シール性、をそれぞれ兼ね備
えることができる。
【0036】さらに、一方の中空樹脂体のリブの方向
と、他方の中空樹脂体のリブの方向とを交差させること
により、合成樹脂発泡板とその両面の中空樹脂板からな
る積層板の強度が更に大きくなる。
【0037】請求項記載の発明によると、柔軟な合成
樹脂発泡材と、この合成樹脂発泡材を被包する伸縮性を
有する布からなるシール部材とすることにより、布が延
びて荷室内壁の凹凸により追従するようになるため、荷
物室内壁とのシール性が更に向上する。
【0038】請求項記載の発明によると、合成樹脂発
泡材を被包する伸縮性を有する布の少なくとも一方の面
に、合成樹脂よりなる防水層を設けることにより、吸水
性のあるシール部材内部への水の浸入が防止され、シー
ル部材の凍結によるシール性の低下を阻止できる。
【0039】請求項記載の発明によると、中空樹脂板
の表面に、合成樹脂の発泡シートを貼着し、さらにその
表面に合成樹脂シートを貼着しており、中空樹脂板の表
面が柔軟で保護される。また、合成樹脂シートが傷つい
ても、その部分に新しい合成樹脂シートを貼り付けるこ
とにより簡単に補修できる。
【0040】請求項記載の発明によると、二つ折り可
能な中仕切り壁であるため、荷物室内の所定位置に展開
することで容易に設置でき、収納時に嵩張らずに運べ
て、取扱いが更に容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における中仕切り壁の上部角部の断面概
略図である。
【図2】本発明における中仕切り壁の開いた状態の正面
概略図である。
【図3】本発明における中仕切り壁の使用例を示す概略
図である。
【図4】本発明における中仕切り壁を荷室に使用した場
合の後室側の時間による温度変化の関係を示した図であ
る。
【符号の説明】
1 中仕切り壁 2 ポリエチレン独立発泡体(合成樹脂発泡板) 3a、3b ポリエチレン中空樹脂体(多数のリブを
有する中空樹脂板) 4 合成樹脂の発泡シート 5 合成樹脂シート 6 シール部材 7 ウレタンスポンジ(柔軟な合成樹脂発泡材) 8 基布 9 ニット布(布) 10 ポリウレタンフィルム(防水層) 11 取っ手 12 固定用ベルト 16 リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60P 3/20 B32B 5/18 B62D 33/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂発泡板と、前記合成樹脂発泡板
    の両面に貼着された、多数の平行なリブを有する中空樹
    脂板と、前記合成樹脂発泡板の周囲の必要箇所に設けら
    れた、柔軟なシール部材と、を備え 前記両面のうち一方の面に貼着された中空樹脂板の前記
    リブと、前記両面のうち他方の面に貼着された中空樹脂
    板の前記リブとが交差している冷 凍車又は冷蔵車用の中
    仕切り壁。
  2. 【請求項2】 合成樹脂発泡板と、前記合成樹脂発泡板
    の両面に貼着された、多数の平行なリブを有する中空樹
    脂板と、前記合成樹脂発泡板の周囲の必要箇所に設けら
    れた、柔軟なシール部材と、を備え、 前記シール部材は、前記周囲に配設された柔軟な合成樹
    脂発泡材と、この合成樹脂発泡材を被包する伸縮性を有
    する布と、を有してなる冷凍車又は冷蔵車用の中仕切り
    壁。
  3. 【請求項3】 前記布の少なくとも一方の面には、合成
    樹脂からなる防水層が設けられている請求項記載の冷
    凍車又は冷蔵車用の中仕切り壁。
  4. 【請求項4】 前記中空樹脂板の表面に、合成樹脂の発
    泡シートを貼着し、さらにその表面に合成樹脂シートを
    貼着した請求項1〜のいずれかに記載の冷凍車又は冷
    蔵車用の中仕切り壁。
  5. 【請求項5】 前記合成樹脂発泡板と前記中空樹脂板と
    を備えるパネルの二枚からなり、前記二枚のパネルの突
    き合わせ部の片面に柔軟な合成樹脂シートが接着され、
    二つ折り可能になっている請求項1〜のいずれかに記
    載の冷凍車又は冷蔵車用の中仕切り壁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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