JP4908258B2 - 車両荷箱内の中仕切り壁 - Google Patents

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Description

本発明は、運搬車両の荷物室用中仕切り壁に関する。
この種の技術として、特許文献1は、冷凍車又は冷蔵車庫内の中仕切り壁を開示する。この中仕切り壁は、庫内を仕切る為のパネルと、このパネルの外周部に装着され、エア圧により膨張してパネルと庫内の内壁との間をシール可能なエアチューブと、を備え、パネルと庫内の内壁との間のシール性に特長がある。なお、庫内2の内壁4の左右両側にラッシングレール5が設けられる点については記載があるが、図1において観念できる所謂ラッシングベルトについては記載も示唆もない。
特許文献2も、上記特許文献1と同様、冷凍車又は冷蔵車用の中仕切り壁を開示する。この中仕切り壁は、特に断熱性、強度、軽量性に関して特長がある。なお、上記ラッシングベルトとしての固定ベルト12と、この固定ベルト12のおおまかな使用方法についての若干の記載があり、更に、『ベルト自由端12aを引っ張る。』(段落番号0029)という記載から上記固定ベルト12のテンションを調節する構造が間接的に開示されている。
なお、上記特許文献1及び2に記載の中仕切り壁は、何れも本願出願人が開示したものである点に留意されたい。
特開2005-49034号公報(請求項1、段落番号0016、図1参照) 特許第3517360号公報(請求項1、段落番号0009、0011、0027、0029、図3参照)
ところで、本願出願人が製造販売している中仕切り壁は、上記特許文献2の図2に開示されるものと概ね同一であるが、この中仕切り壁には、以下のような問題が指摘されていた。
即ち、この図2において固定ベルト12の略中央に観念できる部材(以下、単に金具とも称する。)は、中仕切り壁1の平坦な表面から遊離した状態とされる。このため、積荷がこの金具と接触したときに、金具が中仕切り壁1から受ける作用力が積荷に対してそのまま作用することとなるから、積荷の損傷は免れなかった。しかも、このように中仕切り壁1を用いて庫内を中仕切りして適宜の温度管理を必要とする積荷(例えば、飲食品や医薬品等)については、積荷の損傷に対する要求が特段に厳しく、例えば、外装たるダンボールに僅かな凹み疵が視認されただけでも、返品される場合が多々あった。
上記特許文献1及び2には、上記問題点が一切指摘されていないのは明らかである。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、金具の存在との関連における積荷の保護と、荷物室中仕切り壁自体の本来的機能である断熱性と、該荷物室中仕切り壁に不可欠な剛性と、を同時に確保できる、運搬車両の荷物室用中仕切り壁を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下のように構成される、運搬車両の荷物室用中仕切り壁が提供される。即ち、荷物室内の空間を分割するパネルと、このパネルの表面に沿って配され、その両端が前記荷物室の壁面に形成される係止部に係止されるパネル固定用ベルトと、を備える。前記パネル固定用ベルトには、このパネル固定用ベルトのテンションを調節するためのベルト弛張具又はこのパネル固定用ベルトを断接するためのベルト断接具が設けられる。前記パネルのうち、前記荷物室用中仕切り壁をその使用時にその法線方向に沿ってみたときに前記のベルト弛張具又はベルト断接具の投影を含む前記パネルの部分としてのパネル内退避部が、前記パネルの他の部分と比較して軟らかい素材から成る。前記パネル内退避部の存在により、前記のベルト弛張具又はベルト断接具が容易に前記パネル内に潜入できるので前記荷物室内に積載された積荷が前記のベルト弛張具又はベルト断接具との接触によっても損傷し難くなると共に、単に前記パネルのうち前記パネル内退避部に対応する部分を切除した構成と比較して前記荷物室用中仕切り壁の断熱性を維持し易い。更に、前記パネルのうち前記パネル内退避部のみの剛性を調節する構成であるから、前記荷物室用中仕切り壁全体の剛性が損なわれてしまうという欠点も限りなく小さい。
上記運搬車両の荷物室用中仕切り壁は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記パネル内退避部は、発泡ウレタンである。以上の構成により、前記のベルト弛張具又はベルト断接具の前記パネル内への潜入の容易性と、前記荷物室用中仕切り壁の断熱性と、を良好に両立できる。
上記運搬車両の荷物室用中仕切り壁は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記パネル内退避部は、ニット布で被覆される。以上の構成により、前記のベルト弛張具又はベルト断接具との接触による前記パネル内退避部の損傷を低減できる。
上記運搬車両の荷物室用中仕切り壁は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記パネル内退避部は、前記パネルの他の部分に対して着脱可能に構成される。このように前記パネル内退避部を独立した部品とすることで、前記のベルト弛張具又はベルト断接具との接触により前記パネル内退避部が損傷したとしても、この損傷したパネル内退避部のみを交換すれば、荷物室用中仕切り壁を継続して使用できる。
上記運搬車両の荷物室用中仕切り壁は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記パネル内退避部は、前記パネルの他の部分に対して面ファスナーにより着脱可能に構成される。以上の構成によれば、前記パネルの他の部分に対する前記パネル内退避部の着脱を、簡素な構成で、実現できる。
上記運搬車両の荷物室用中仕切り壁は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記パネル内退避部は、前記パネルの他の部分と面一となるように構成される。以上の構成によれば、前記荷物室内の空間を無駄に消費することもないし、従来の荷物室用中仕切り壁と比較して違和感なく取り扱える。
上記運搬車両の荷物室用中仕切り壁は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記パネルは、前記パネル固定用ベルトと交差する方向へ分割可能に構成され、前記パネル内退避部は、前記パネルの分割に係る分割境界線を避けて形成される。以上の構成により、前記パネル内退避部と、前記パネルの分割構造と、が独立した構造となるので、相互に構造上の制約を課すことがないし、両者の設計上の自由度を確保できる。
前記運搬車両の荷物室は、冷凍室又は冷蔵室、常温室、加温室のうち少なくとも二つから成る。上記荷物室用中仕切り壁は、これらの室を中仕切りするのに供されるとよい。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。図1は、冷凍室と常温室を備えるトラックの荷物室を該トラックの後方から見た図である。以下、運搬車両の荷物室が冷凍室及び常温室から成り、本発明の一実施形態に係る荷物室用中仕切り壁がこれら二つの室を中仕切りするのに供される例を説明する。
本図に示す如くトラック1の荷物室2は中空直方体に形成され、その側壁の内壁面には、トラック1の走行方向(以下、単に前後方向とも称する。)に延在するラッシングレール3が、上下に間隔を空けて夫々2本で設けられる。このラッシングレール3は、後述するラッシングベルトの端部を係止する役割を担うものであって、ベルトやロープの端部を係止するための係止部3aがラッシングレール3の延在方向に所定の間隔を空けて複数並設される。この荷物室2の後端には、荷物室2を保密状態とせしめる一対の荷物室扉4・4が枢設される。
上記の荷物室2は、荷物室用中仕切り壁5の存在により中仕切りされる。この荷物室用中仕切り壁5の構成を、図2乃至図5に基づいて詳細に説明する。なお、この荷物室用中仕切り壁5の構成を理解するに際しては、適宜に図1も参照されたい。
図2は、本発明の一実施形態に係る運搬車両の荷物室用中仕切り壁の正面図である。本図に示す如く荷物室用中仕切り壁5は、荷物室2内の空間を分割するパネル6と、このパネル6の表面に沿って配され、その両端が前記荷物室2の壁面に形成される係止部3aに係止されるラッシングベルト(パネル固定用ベルト)7と、を備える。このラッシングベルト7は水平方向に延在する。
パネル6は、直方体に形成された荷物室2内の空間を分割するための部材であるから、該荷物室2の内壁面に対する保密性を確保する観点で長方形の板状に構成される。ここで、図3を参照されたい。図3は、図2に類似する図であって、荷物室用中仕切り壁を分離した状態を示す図である。本図に示す如く本実施形態においてパネル6は、ラッシングベルト7と交差する方向へ分割可能に構成される。換言すれば、パネル6は、分割境界線6sを境とする第一パネル6a及び第二パネル6bとから構成される。そして、ラッシングベルト7の延在方向が水平であるのに対し、パネル6の分割境界線6sは鉛直方向とされ、この分割境界線6sを覆うことで荷物室用中仕切り壁5の本来的機能である断熱性を確保するための合成樹脂製シート8が第一パネル6aに縫着される。この合成樹脂製シート8は、第二パネル6bに縫着される図略の面ファスナーの存在により第二パネル6bに保密状に接続可能に構成される。パネル6の外周端(ただし、下端を除く。)には、荷物室2の内壁面に対する荷物室用中仕切り壁5の保密性を確実に確保するためのシール部材9が周設される。以下、パネル6及び上記シール部材9の断面構造を、図4に基づいて説明する。図4は、図2に示される荷物室用中仕切り壁の右上端部の一部切欠き図である。(1)先ず、パネル6の断面構造を説明する。本図に示す如くパネル6は、発泡倍率30倍のポリエチレンの独立発泡体50と、この独立発泡体50の両面に貼着され、リブ構造を有するポリエチレン製の中空樹脂体51・51と、この中空樹脂体51・51の更に外表面側に貼着されるポリエチレン等の合成樹脂発泡シート52・52と、更に外表面側に貼着されるPVCターポリン等の合成樹脂シート53・53と、から成る積層構造を有する。中空樹脂体51・51の表面が合成樹脂発泡シート52・52及び合成樹脂シート53・53によって被覆されることでパネル6表面に若干の柔軟性が付与されると共に、擦り疵などの外観不良も生じ難いとされる。前記一対の中空樹脂体51・51のリブ構造は図示する如く意図的に方向を違わせており、もって、パネル6の縦方向及び横方向の剛性に寄与している。(2)次に、シール部材9の断面構造を説明する。このシール部材9は、発泡倍率50倍の弾力性を有するウレタンスポンジ60と、このウレタンスポンジ60の表面を覆う伸縮性に富んだ基布61と、から成る。この基布61は、伸縮性有するニット布62と、このニット布62の内面側に貼着されるポリウレタンフィルム63と、をから成る積層構造を有する。上記のシール部材9に優れた弾力性を付与することで、荷物室2の内壁面に対する荷物室用中仕切り壁5の保密性が極めて良好に確保される。
図2を参照されたい。本実施形態においてラッシングベルト7は、可撓性を有し、前述したラッシングレール3と同様に上下に間隔を空けて2本で、パネル6の表面に着設される複数のベルト保持部10・10・・・によって水平に保持される。具体的には、一のラッシングベルト7に対してベルト保持部10・10・・・は四つ割り当てられ、この四つのベルト保持部10・10・10・10は、荷物室2の幅方向に極力分散するように(即ち、相互に極力離間するように)パネル6表面に着設される。上記のラッシングベルト7の延在方向中途には、このラッシングベルト7のテンションを調節するためのベルト弛張具11と、このラッシングベルト7を断接するためのベルト断接具12と、が設けられる。一方、ラッシングベルト7の両端には、該ラッシングベルト7の端部をラッシングレール3の係止部3aに円滑に係止するための係止金具13が設けられる。なお、ラッシングベルト7の素材は、ポリエステルやナイロン、ポリプロピレン等とされる。
(パネル内退避部)
上記のパネル6のうち、荷物室用中仕切り壁5をその使用時にその法線方向に沿ってみたときにベルト弛張具11及びベルト断接具12の投影を含むパネル6の部分としてのパネル内退避部14は、パネル6の他の部分(図4参照)と比較して軟らかい素材から成る。ここで、図5を参照されたい。図5は、図3の5-5線矢視断面図である。なお、本図において中空樹脂体51・51及び合成樹脂発泡シート52・52、合成樹脂シート53・53は図4と比較して更に略示した。本図に示す如く前記のパネル内退避部14は、パネル6を構成する独立発泡体50の一部と、この独立発泡体50の一部の片側に貼着される中空樹脂体51及び合成樹脂発泡シート52、合成樹脂シート53の一部と、を図3に示される立面視で矩形に切除し、この切除して形成される空間に発泡ウレタン15を装填することで形成される。このパネル内退避部14を構成する発泡ウレタン15は略直方体であり、上記切除された独立発泡体50等(独立発泡体50、該独立発泡体50の片側に貼着される中空樹脂体51及び合成樹脂発泡シート52、合成樹脂シート53)の厚みに相当する厚みを有する。この発泡ウレタン15はニット布16で被包される。パネル内退避部14は、パネル6の他の部分に対して面ファスナー17により着脱可能に構成される。更に、パネル内退避部14は、発泡ウレタン15の装填側からみたとき(本図左側から右側へ向いたとき)に、パネル6の他の部分と面一となるように構成される。一方、上記切除された独立発泡体50及び中空樹脂体51等の切除縁と、合成樹脂シート53の表面側(本図左側)の一部と、に対して断面処理シート18が被覆される。この断面処理シート18は、本図断面でみたときにL字状となるように延在し、その役割は、独立発泡体50及び中空樹脂体51等の切除縁の補強及び外観向上とされる。ところで、図2及び図3に示す如く上記パネル内退避部14は、パネル6の分割に係る分割境界線6sを避けて形成される。即ち、パネル内退避部14は、荷物室用中仕切り壁5の中央から左右何れかの側(図では右側)へズレるようにして配される。更に言えば、パネル内退避部14は、前記の合成樹脂製シート8と重複しない位置関係とされる(本実施形態では合成樹脂製シート8と断面処理シート18との間にすら重複関係がない。)。
次に、上記荷物室用中仕切り壁5の使用方法を説明する。以下、図3に示す如く荷物室用中仕切り壁5の収納又は荷物室用中仕切り壁5の中仕切り位置の変更を目的として、前記の第一パネル6aと第二パネル6bとが分割され、ラッシングベルト7はラッシングレール3の係止部3aに未だ係止されていない状態とされているとする。
<組立て:(1)〜(5)>
(1) 先ず、トラック1に積載する積荷の管理温度を把握する。詳しくは、トラック1による輸送中において例えば−0℃以下の冷凍温度に保持しなければならない積荷と、常温で足りる積荷と、の積載割合を大まかに把握する。この積載割合に基づいて、上記の如く構成する荷物室用中仕切り壁5の中仕切り位置を決定する。
(2) 次に、第一パネル6a及び第二パネル6bを上記中仕切り位置に配し、分割境界線6sにおいて突き合わせる。このとき、第一パネル6a及び第二パネル6bの表面に取り付けられている図略の取っ手を活用すると作業し易い。
(3) 次に、第一パネル6aに一部が貼着されている合成樹脂製シート8を、分割境界線6sを跨いで第二パネル6bに貼着する。これにより、分割境界線6sに沿った保密性(断熱性)が十分に確保される。
(4) 次に、荷物室用中仕切り壁5を荷物室2内の上記中仕切り位置に固定する。詳しくは、(a)先ず、中途で分割されているラッシングベルト7をベルト断接具12(本実施形態において、このベルト断接具12を構成する部材の一部はベルト弛張具11と一体成形される。後述する図6を参照のこと。)を用いて互いに連結し(図2参照)、(b)ラッシングベルト7の両端部に設けられている係止金具13をラッシングレール3の係止部3aに連結する(図1も併せて参照)。
(5) そして、ベルト弛張具11を利用してラッシングベルト7のテンションを十分に確保する。すると、図2に示される如く、荷物室用中仕切り壁5をその法線方向に沿ってみたときにベルト弛張具11及びベルト断接具12がパネル内退避部14と重複した位置関係とされる。
以上により、荷物室用中仕切り壁5は、ベルト保持部10・10・・・と、ラッシングベルト7と、係止金具13と、係止部3aと、ラッシングレール3と、を介して荷物室2の内壁面に強力に固定される。
<中仕切り位置変更:(6)〜(8)>
(6) 上記の如く使用される荷物室用中仕切り壁5の、荷物室2内の空間に対する、中仕切り位置を変更するには、先ず、ベルト弛張具11を利用してラッシングベルト7のテンションを十分に消失させる。
(7) 次に、ラッシングレール3の係止部3aに対するラッシングベルト7の係止金具13の連結を解除する。これにより、荷物室2の内壁面に対する荷物室用中仕切り壁5の固定は略完全に解除される。
(8) そして、所望の中仕切り位置へ荷物室用中仕切り壁5を動かして、上述した手順で再度、荷物室2を内壁面に固定する。
<分解:(8)〜(9)>
(8) 上記(6)及び(7)の手順に従い、荷物室2の内壁面に対する荷物室用中仕切り壁5の固定を解除する。
(9) ベルト断接具12を用いてラッシングベルト7を中途で分割し、合成樹脂製シート8を第二パネル6bから剥がす。これにより、荷物室用中仕切り壁5は、分割可能な状態となる。
次に、上記荷物室用中仕切り壁5の製造方法を説明する。ここでは、図4に示されるパネル6等の公知の構造に係る説明は割愛し、図5に示されるパネル内退避部14の構造のみ以下に詳しく説明する。
(i) 先ず、公知の方法により製造したパネル6の一部を切除する。詳しくは、パネル6を構成する独立発泡体50の一部と、この独立発泡体50の一部の片側に貼着される中空樹脂体51及び合成樹脂発泡シート52、合成樹脂シート53の一部と、を図3に示される立面視で矩形に切除する。
(ii) 次に、上記切除された独立発泡体50及び中空樹脂体51等の切除縁と、合成樹脂シート53の表面側(本図左側)の一部と、に対して断面処理シート18を貼着する。
(iii) 次に、面ファスナー17の雌側シートを上記切除により形成された空間の底に貼付し、上記切除により形成された空間の形状と略同一の発泡ウレタン15をニット布16で被包し、前記雌側シートに対応する雄側シートを該ニット布16に貼付する。
(iv) そして、上記面ファスナー17の雌側シートと雄側シートとが対面するように、発泡ウレタン15(ニット布16)を上記切除により形成された空間に嵌める。
次に、上記ベルト弛張具11及びベルト断接具12に対するラッシングベルト7の取付位置の相違の、ラッシングベルト7のテンションに対する、影響を図6〜9に基づいて簡単に説明する。図6は図2の6−6線矢視断面図であり、図7〜9は図6に類似する図である。図6及び図7と図8及び図9は夫々対を為す。図6に示すように本実施形態においてベルト弛張具11は、ベルト断接具12の一部を含んで構成される。即ち、ベルト弛張具11はベルト断接具12を構成する雄側断接具及び雌側断接具のうち雄側断接具と一体的に成形される。
先ず、図6に示す如くパネル6の法線方向に肉厚形状とされるベルト弛張具11及びベルト断接具12に対してラッシングベルト7がパネル内退避部14の表面に近い位置で接続される場合、図7に示す如く荷物室2内に積載された積荷Pがベルト弛張具11及びベルト断接具12をパネル6側へ押圧すると、ベルト弛張具11及びベルト断接具12が、パネル内退避部14の圧縮変形を伴ってパネル6内に潜入する。この結果、ベルト弛張具11及びベルト断接具12に対するラッシングベルト7の取付位置がパネル6の表面を基点としてパネル6内方へ離れるように変位するから、ラッシングベルト7のテンションは増大することとなる。
一方、図8に示す如くパネル6の法線方向に肉厚形状とされるベルト弛張具11及びベルト断接具12に対してラッシングベルト7がパネル内退避部14の表面から離れた位置で接続される場合、図9に示す如く積荷Pがベルト弛張具11及びベルト断接具12をパネル6側へ押圧すると、ベルト弛張具11及びベルト断接具12は上記同様にパネル内退避部14の圧縮変形を伴ってパネル6内に潜入することとなるが、ベルト弛張具11及びベルト断接具12に対するラッシングベルト7の取付位置はパネル6の表面へ近接するように変位するので、ラッシングベルト7のテンションは減少することとなる。
以上説明したように上記実施形態においてトラック1の荷物室用中仕切り壁5は、以下のように構成される。即ち、荷物室2内の空間を分割するパネル6と、このパネル6の表面に沿って配され、その両端が前記荷物室2の壁面に形成される係止部3aに係止されるラッシングベルト7と、を備える。前記ラッシングベルト7には、このラッシングベルト7のテンションを調節するためのベルト弛張具11及びこのラッシングベルト7を断接するためのベルト断接具12が設けられる。前記パネル6のうち、前記荷物室用中仕切り壁5をその使用時にその法線方向に沿ってみたときに前記のベルト弛張具11及びベルト断接具12の投影を含む前記パネル6の部分としてのパネル内退避部14が、前記パネル6の他の部分と比較して軟らかい素材から成る。前記パネル内退避部14の存在により、前記のベルト弛張具11及びベルト断接具12が容易に前記パネル6内に潜入できるので前記荷物室2内に積載された積荷が前記のベルト弛張具11及びベルト断接具12との接触によっても損傷し難くなると共に、単に前記パネル6のうち前記パネル内退避部14に対応する部分を切除した構成と比較して前記荷物室用中仕切り壁5の断熱性を維持し易い。更に、前記パネル6のうち前記パネル内退避部14のみの剛性を調節する構成であるから、前記荷物室用中仕切り壁5全体の剛性が損なわれてしまうという欠点も限りなく小さい。
上記トラック1の荷物室用中仕切り壁5は、更に、以下のように構成される。即ち、前記パネル内退避部14は、発泡ウレタンである。以上の構成により、前記のベルト弛張具11又はベルト断接具12の前記パネル内への潜入の容易性と、前記荷物室用中仕切り壁5の断熱性と、を良好に両立できる。
上記トラック1の荷物室用中仕切り壁5は、更に、以下のように構成される。即ち、前記パネル内退避部14は、ニット布16で被包される。以上の構成により、前記のベルト弛張具11又はベルト断接具12との接触による前記パネル内退避部14の損傷を低減できる。
上記トラック1の荷物室用中仕切り壁5は、更に、以下のように構成される。即ち、前記パネル内退避部14は、前記パネル6の他の部分に対して着脱可能に構成される。このように前記パネル内退避部14を独立した部品とすることで、前記のベルト弛張具11又はベルト断接具12との接触により前記パネル内退避部14が損傷したとしても、前記荷物室用中仕切り壁5の他の部分を再利用できる。
上記トラック1の荷物室用中仕切り壁5は、更に、以下のように構成される。即ち、前記パネル内退避部14は、前記パネル6の他の部分に対して面ファスナー17により着脱可能に構成される。以上の構成によれば、前記パネル6の他の部分に対する前記パネル内退避部14の着脱を、簡素な構成で、実現できる。
上記トラック1の荷物室用中仕切り壁5は、更に、以下のように構成される。即ち、前記パネル内退避部14は、前記パネル6の他の部分と面一となるように構成される。以上の構成によれば、前記荷物室2内の空間を無駄に消費することもないし、従来の荷物室用中仕切り壁5と比較して違和感なく取り扱える。
上記トラック1の荷物室用中仕切り壁5は、更に、以下のように構成される。即ち、前記パネル6は、前記ラッシングベルト7と交差する方向へ分割可能に構成され、前記パネル内退避部14は、前記パネル6の分割に係る分割境界線6sを避けて形成される。以上の構成により、前記パネル内退避部14と、前記パネル6の分割構造と、が独立した構造となるので、相互に構造上の制約を課すことがないし、両者の設計上の自由度を確保できる。
上記において、前記トラック1の荷物室2は、冷凍室及び常温室から成る。上記荷物室用中仕切り壁5は、これらの室を中仕切りするのに供される。
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の実施形態は以下のように変更して実施することができる。
◆ 即ち、上記実施形態においてラッシングベルト7には、このラッシングベルト7のテンションを調節するためのベルト弛張具11と、このラッシングベルト7を断接するためのベルト断接具12と、の両方が設けられるとしたが、これに限らず、ベルト弛張具11又はベルト断接具12のうち少なくとも何れか一方のみが設けられる場合においても、前記パネル内退避部14の存在による優れた効果が十分に発揮されることは言うに及ばない。
◆ また、上記実施形態においてパネル6のうちパネル内退避部14に相当する部分は、発泡ウレタン15により置換されるとしたが、これに限らず、例えば発泡ポリエチレン、エアーバッグなどに代表される気体の圧縮性乃至流動性を利用した部材、液体やゲル(ゲルは、液体程の流動性は有しないので液体と比較して断熱性に優れる。)を利用した部材であればその種類は問わない。
◆ また、上記実施形態においてパネル内退避部14は、ニット布16で被包されるとしたが、完全被覆の意味合いである「被包」に限定されず、例えば、パネル内退避部14の一部のみをニット布16で被覆する構成も考えられるし、被覆材としてニット布16に限定しなければならない技術上の制約もない。
◆ また、上記実施形態においてパネル内退避部14は、パネル6の他の部分に対して着脱可能に構成されるとしたが、着脱不能にしたとしても問題ない。パネル内退避部14の存在自体が従来と比較して大きな意義があるからである。
◆ また、上記実施形態においてパネル内退避部14は、パネル6の他の部分と面一となるように構成されるとしたが、これに限らず、パネル6の他の部分に対してパネル内退避部14が窪んだ外観とされてもよいし、反対に、突出した外観とされてもよい。後者の場合でも、パネル内退避部14がパネル6の他の部分と比較して軟らかい素材から成るのであれば、パネル内退避部14の存在意義は十分にあると言える。
◆ また、上記実施形態においてパネル6は分割可能に構成されるとしたが、分割不能であっても勿論よい。即ち、荷物室用中仕切り壁5の上端が荷物室2の天井に対してヒンジ構造により接続され、荷物室用中仕切り壁5を該ヒンジ構造周りに回動させて跳ね上げ、もって、荷物室用中仕切り壁5の収納とすることも十分に可能であり、この場合でも、ベルト弛張具11又はベルト断接具12がラッシングベルト7に設けられている限り、パネル内退避部14の存在意義は十分にあると言える。付言するならば、パネル6が分割不能に構成される場合、ベルト弛張具11のみを設け、ベルト断接具12は省略する構成が合理的といえよう。勿論、パネル6は、3又は4以上に分割可能とされる構成も考えられる。
◆ また、上記実施形態においてトラック1の荷物室2は、冷凍室と常温室とから成るとしたが、この組合せに限らず、冷凍室又は冷蔵室、常温室、加温室のうち少なくとも二以上の室から成る多様な組合せも考えられるし、何れの場合においても、使用される荷物室用中仕切り壁5にパネル内退避部14を設けることが上記種々の観点から推奨される。
◆ 更に言えば、ベルト弛張具11やベルト断接具12自体の材質が金属製か樹脂製か、何れの場合においても、使用される荷物室用中仕切り壁5にパネル内退避部14を設けることが上記種々の観点から推奨される。ただし、ベルト弛張具11、ベルト断接具12、又はこれらに相当する部品自体がラッシングベルト7に何ら設けられない場合は、上記種々の観点と照らし合わせると、パネル内退避部14の存在が有意でない場合もあるだろう。
冷凍室と常温室を備えるトラックの荷物室を該トラックの後方から見た図 本発明の一実施形態に係る運搬車両の荷物室用中仕切り壁の正面図 図2に類似する図であって、荷物室用中仕切り壁を分離した状態を示す図 図2に示される荷物室用中仕切り壁の右上端部の一部切欠き図 図3の5-5線矢視断面図 図2の6-6線矢視断面図 図6に類似する図 図6に類似する図 図6に類似する図
符号の説明
1 トラック
2 荷物室
3 ラッシングレール
5 荷物室用中仕切り壁
6 パネル
7 ラッシングベルト
11 ベルト弛張具
12 ベルト断接具
14 パネル内退避部
15 発泡ウレタン
16 ニット布
17 面ファスナー

Claims (8)

  1. 荷物室内の空間を分割するパネルと、
    このパネルの表面に沿って配され、その両端が前記荷物室の壁面に形成される係止部に係止されるパネル固定用ベルトと、
    を備える運搬車両の荷物室用中仕切り壁において、
    前記パネル固定用ベルトには、このパネル固定用ベルトのテンションを調節するためのベルト弛張具又はこのパネル固定用ベルトを断接するためのベルト断接具が設けられ、
    前記パネルのうち、前記荷物室用中仕切り壁をその使用時にその法線方向に沿ってみたときに前記のベルト弛張具又はベルト断接具の投影を含む前記パネルの部分としてのパネル内退避部が、前記パネルの他の部分と比較して軟らかい素材から成る、
    ことを特徴とする運搬車両の荷物室用中仕切り壁
  2. 前記パネル内退避部は、発泡ウレタンである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の運搬車両の荷物室用中仕切り壁
  3. 前記パネル内退避部は、ニット布で被覆される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の運搬車両の荷物室用中仕切り壁
  4. 前記パネル内退避部は、前記パネルの他の部分に対して着脱可能に構成される、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載の運搬車両の荷物室用中仕切り壁
  5. 前記パネル内退避部は、前記パネルの他の部分に対して面ファスナーにより着脱可能に構成される、
    ことを特徴とする請求項4に記載の運搬車両の荷物室用中仕切り壁
  6. 前記パネル内退避部は、前記パネルの他の部分と面一となるように構成される、
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一に記載の運搬車両の荷物室用中仕切り壁
  7. 前記パネルは、前記パネル固定用ベルトと交差する方向へ分割可能に構成され、
    前記パネル内退避部は、前記パネルの分割に係る分割境界線を避けて形成される、
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一に記載の運搬車両の荷物室用中仕切り壁
  8. 前記運搬車両の荷物室は、冷凍室又は冷蔵室、常温室、加温室のうち少なくとも二つから成り、
    前記荷物室用中仕切り壁は、これらの室を中仕切りするのに供される、
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一に記載の運搬車両の荷物室用中仕切り壁
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