JP3517312B2 - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JP3517312B2
JP3517312B2 JP19926595A JP19926595A JP3517312B2 JP 3517312 B2 JP3517312 B2 JP 3517312B2 JP 19926595 A JP19926595 A JP 19926595A JP 19926595 A JP19926595 A JP 19926595A JP 3517312 B2 JP3517312 B2 JP 3517312B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッドをデバ
イスとして色材を熱転写することにより画像を形成する
ために用いる熱転写シートに関し、更に詳しくは、基材
シートの熱転写性色材層を設けた面の反対側の面に、特
定の複合微粒子を含有する耐熱滑性層を設けて印画時の
走行性、耐ブロッキング性等を改善した熱転写シートに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱転写シートには、例えば、基材
シートとしてポリエステルフィルムなどのプラスチック
フィルムを使用し、その一方の面に昇華性染料とバイン
ダー樹脂とからなる昇華性染料インキ層を設けた感熱昇
華型(熱拡散型)転写シートと、顔料等の着色剤とワッ
クスその他熱溶融性樹脂とからなる熱溶融性インキ層を
設けた熱溶融型転写シートとがある。これらの熱転写シ
ートは、熱転写プリンターのサーマルヘッドなどによ
り、その背面から印画情報に応じた熱エネルギーを付加
して、熱転写インキ層に重ねられた被転写材に色材を転
写させて画像を形成するものである。
【0003】そして、これらの熱転写シートでは、基材
シートとして、上述のように、通常、プラスチックフィ
ルムが使用されているため、サーマルヘッドによりフィ
ルムの融点もしくは軟化点に近い温度が掛けられるとフ
ィルムが軟化し、或いは溶融し、サーマルヘッドに融
着、粘着(スティッキング)して、熱転写シートの走行
性(剥離性、スリップ性)が損なわれたり、基材シート
自体が破れたりする問題が発生した。このような問題点
を解決するために、基材シートの熱転写インキ層を設け
た面の反対側の面(背面または裏面)に、耐熱性の樹脂
による耐熱層を設けて耐熱性を向上させたり、更に、こ
の耐熱層に滑剤や無機または有機の微粒子を添加して滑
り性を付与し、耐熱滑性層を設けることが提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
中で耐熱滑性層に用いられる無機または有機の微粒子
は、種々の問題を残しており、例えば、有機フィラーの
場合、アクリル樹脂フィラーは印画時にサーマルヘッド
と熱融着が起こるため、ヘッドへのカスの付着やスティ
ッキングの原因となり、シリコーン樹脂フィラーは耐熱
滑性層中での固着性に欠けるため、巻取り時の熱転写イ
ンキ層への裏移りや、転写時のサーマルヘッドへのカス
付着を発生する。一方、無機フィラーの場合、例えばシ
リカは粒径や硬度によってサーマルヘッドの摩耗の原因
となり、タルクやマイカなどはインキの製造時に沈降や
凝集が起こるため、分散が困難であるなどそれぞれ問題
を抱えている。そこで、粒径の大きい微粒子と粒径の小
さい微粒子とを混合し、滑り性やクリーニング性を改善
することも提案されているが、この場合、粒径の小さい
微粒子を大量に添加する必要があるため、耐熱滑性層が
脆くなり、また、巻取り時に一部の微粒子が重なり合う
熱転写インキ層面に転移する等の問題を生じた。
【0005】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、熱転写シ
ートの熱転写インキ層の背面に設ける耐熱滑性層につい
て、特に、これに添加する無機または有機の微粒子を改
善し、耐熱滑性層の塗布液においてその分散性がよく、
塗膜形成後はバインダーの樹脂で強固に固着され、熱転
写性色材層への裏移りや、サーマルヘッドへの付着など
も生じず、巻取り時の耐ブロッキング性、および印画時
の剥離性、滑り性など走行性に優れた熱転写シートを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに種々研究した結果、熱転写シートの耐熱滑性層に添
加する無機または有機の微粒子を、主に微粒子の表面改
質を行う方法として知られているメカノフュージョンや
表面融合と呼ばれる方法により、粒子径の大きい微粒子
と粒子径の小さい微粒子とを複合化することにより、塗
布液における分散性や印画時のサーマルヘッドへの熱融
着などを改善できる知見を得て本発明の完成に至ったも
のである。
【0007】即ち、本請求項1の発明は、基材シートの
一方の面に熱転写性色材層を有し、もう一方の面に、粒
径が0.5〜10μmの無機または有機の微粒子の少な
くとも一種と、粒径が0.01〜5μmの無機または有
機の微粒子の少なくとも一種とを融合化させた複合微粒
子を含有する耐熱滑性層を有する熱転写シートからな
る。本請求項2の発明は、前記耐熱滑性層における複合
微粒子の含有量が1〜20重量%であることを特徴とす
る請求項1に記載の熱転写シートからなる。そして、本
請求項3の発明は、前記熱転写性色材層が、熱昇華性染
料インキ層と熱溶融性インキ層のいずれか一方、また
は、両方からなることを特徴とする請求項1または2に
記載の熱転写シートからなる。
【0008】<好ましい実施態様>次に、本発明の熱転
写シートの各層の構成材料および加工方法など好ましい
実施態様について説明する。 (基材シート)本発明の熱転写シートに用いる基材シー
トは、その一方の面に熱転写性色材層を設け、もう一方
の面には耐熱滑性層を設けて使用されるが、印画の際に
は耐熱滑性層側からサーマルヘッドにより加熱されるた
め、加熱された状態でも支障なく印画が行える程度の耐
熱性と機械的強度を有することが好ましい。この条件を
満たせれば、特に限定はされず、従来熱転写シートの基
材シートとして公知のものはいずれも使用できる。
【0009】例えば、各種プラスチックフィルムのほ
か、コンデンサーペーパー、パラフィン紙、グラシン
紙、樹脂含浸紙、樹脂コート紙などの紙類、セロファ
ン、不織布などが挙げられ、これらはそれぞれ単体で用
いられるほか、二種以上の積層シートでも使用できる。
プラスチックフィルムとして具体的には、ポリエチレン
テレフタレート、1,4ポリシクロヘキシレンジメチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、アイオノマー、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース等のセルロ
ース誘導体、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アラミ
ド、ナイロン、ポリイミドなどのフィルムである。これ
らの中で2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
は、加工性、性能、価格など総合的な意味で特に好まし
い。基材シートの厚さは、必要とする強度および熱伝導
性等が得られるように材料に応じて適宜決められるが、
通常、1〜50μm程度の範囲であり、3〜10μm程
度が更に好ましい。また、これらの基材シートに熱転写
性色材層や耐熱滑性層を設ける際、その接着力が不足す
る場合には、基材シート面にコロナ放電処理やプラズマ
処理を施し、更に、ポリウレタン系、或いは、ポリエス
テル系樹脂などからなる接着層(プライマー層)を設け
ることもできる。
【0010】(耐熱滑性層)本発明の熱転写シートにお
いて、基材シートの熱転写性色材層を設けた面の反対側
の面に設ける耐熱滑性層は、バインダーとなる樹脂とこ
れに添加される複合微粒子および熱離型剤などを主成分
として形成される。そして、バインダーの樹脂は、熱可
塑性樹脂およびその架橋剤などで構成する。この熱可塑
性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリア
クリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレ
ン・アクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、
ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、そしてポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系
樹脂、その他ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系
樹脂やポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系
樹脂などのビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタール
やポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系
樹脂、酢酸セルロースやヒドロキシエチルセルロースな
どのセルロース系樹脂、その他シリコーン変性や長鎖ア
ルキル変性の樹脂などが挙げられるが、これらの中でポ
リビニルアセトアセタール樹脂やポリビニルブチラール
樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂が特に好ましい。
【0011】また、耐熱滑性層の耐熱性や塗膜強度およ
び基材シートとの密着性を向上させるために、樹脂中
に、反応基を有する熱可塑性樹脂とポリイソシアネート
との反応硬化物や不飽和結合を有するモノマー、オリゴ
マーとの反応生成物を用いることが好ましく、この場合
の反応、硬化方法は加熱したり、電離放射線の照射など
いずれの手段を用いてもよい。上記に用いるイソシアネ
ート硬化剤として、従来、種々のものが知られている
が、その中でも芳香族系イソシアネートのアダクト体を
使用することが望ましく、例えば、タケネート(武田薬
品工業製)、バーノック(大日本インキ化学工業製)、
コロネート(日本ポリウレタン工業製)ジュラネート
(旭化成工業製)、ディスモジュール(バイエル製)な
どの商品名で市販されており、いずれも本発明で使用す
ることができる。ポリイソシアネートの添加量は、耐熱
滑性層を構成するバインダーの樹脂100重量部に対し
て、5〜200重量部の範囲が適当である。−NCO/
−OH比では0.6〜2.0の範囲が好ましい。ポリイ
ソシアネートの添加量が上記の範囲より少ない場合は架
橋密度が低くなり、耐熱性が不十分となる。一方ポリイ
ソシアネートの添加量が上記の範囲より多い場合は、形
成される塗膜の収縮を制御できず、硬化時間の長期化、
未反応の−NCO基が耐熱滑性層中に残存し、大気中の
水分と反応するなどの不具合を生じることがあり好まし
くない。
【0012】上記ポリイソシアネートの代わりに、或い
は、併用して、不飽和結合を有するモノマーやオリゴマ
ーを架橋剤として用いることができる。この場合、その
硬化方法は電子線照射または紫外線(UV)照射のいず
れでもよいが、フィラーの添加量が多いような場合に
は、電子線照射による硬化が好ましい。不飽和結合を有
するモノマーやオリゴマーとしては、テトラエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート〔(メタ)アクリレー
トは、アクリレートとメタクリレートの両方を意味す
る。以下も同様である。〕、ジビニルベンゼン、ジアリ
ルフタレートなどの2官能単量体、トリアリルイソシア
ヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レートなどの3官能単量体、テトラメチロールメタンテ
トラ(メタ)アクリレート、トリメトキシエトキシビニ
ルシランなどの5官能単量体、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレートなどの6官能単量体、およ
び、これらの単量体からなるオリゴマーやマクロマーな
どが挙げられる。
【0013】次に、耐熱滑性層に添加する熱離型剤とし
ては、リン酸エステル系界面活性剤、ジメチルポリシロ
キサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエチレン
ワックス、モンタンワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸エ
ステル、長鎖脂肪族化合物、低分子量ポリプロピレン、
酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合体、
脂肪酸塩類とポリエーテル化合物との縮合物、パーフル
オロアルキルエチレンオキシド付加物、長鎖アルキルス
ルホン酸ナトリウム塩、ソルビタン酸エステル系化合
物、高級アルコール及び/又は高級アミンとイソシアネ
ート類との反応物などの非イオン性界面活性剤の中の一
種または二種以上の混合物などが使用できる。
【0014】熱離型剤の添加量は、バインダーの樹脂1
00重量部に対して、1〜100重量部の範囲であり、
2〜50重量部が好ましい。熱離型剤の添加量が上記に
おいて1重量部未満の場合は、サーマルヘッドに対する
熱離型性が十分に得られず、熱転写シートがサーマルヘ
ッドにスティッキングし、印画のシワやサーマルヘッド
へのカスの付着が発生する。一方、熱離型剤の添加量が
上記において100重量部を超えると、熱転写シートを
巻取りで保存した際、耐熱滑性層の熱離型剤が重なり合
う熱転写性色材層に移行し、また、熱転写性色材層に昇
華性染料を用いている場合には、その染料が耐熱滑性層
に移行しやすくなるため、これを印画に使用した場合、
サーマルヘッドにカスの付着を生じ、更に、印画物の色
再現性にも悪影響を及ぼすことになる。尚、熱離型剤に
リン酸エステル系界面活性剤を用いる場合、特に酸性を
有するものについては、水酸化マグネシウムや酸化マグ
ネシウム等の無機系中和剤またはトリエタノールアミン
等の有機系中和剤を併用することが望ましい。
【0015】次に、耐熱滑性層に添加する複合微粒子
(充填剤)は、母核となる微粒子と、その表面に融合さ
れる更に粒径の小さい微粒子とで構成される。このよう
な複合微粒子は、耐熱滑性層に良好な滑り性、離型性を
付与し、サーマルヘッドにおける熱転写シートの走行性
を良くし、スティッキングやシワ、破損の発生を防ぐと
共に、サーマルヘッドの摩耗もできるだけ少なくできる
ものが望ましく、このため適度な硬度と粒径を有するフ
ィラーを選択する必要がある。従って、母核となる微粒
子は、無機フィラーとしてタルク、カオリン、クレー、
水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、沈降性硫酸バリウム、ハイドロタルサイト、金属類
の微粒子が好ましく、有機フィラーとしてはアクリル樹
脂フィラー、シリコーン樹脂フィラー、テフロンフィラ
ー、ポリエチレン樹脂フィラー、ウレタン樹脂フィラ
ー、ナイロンフィラー、コラーゲン微粒子等が好まし
い。これらの母核となる微粒子の粒径は0.5〜10μ
mであり、1〜5μm程度が更に好ましい。
【0016】そして、上記母核となる微粒子の表面に融
合させる更に粒径の小さい微粒子は、無機フィラーとし
てシリカ、タルク、カオリン、クレー、水酸化マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、沈降性硫酸
バリウム、ハイドロタルサイト、セラミック焼結体、酸
化チタン、酸化アルミニウム、金属類の微粒子が好まし
く、有機フィラーとしては高架橋アクリル樹脂フィラ
ー、高架橋シリコーン樹脂フィラー等が好ましい。これ
らの微粒子の粒径は0.01〜5μm程度であり、0.
01〜1μmが更に好ましい。尚、複合微粒子の具体的
な製造方法は、実施例の項で説明する。上記の複合微粒
子を耐熱滑性層に含有させることにより、耐熱滑性層の
塗膜表面を粗面化し、サーマルヘッドとの接触面積を少
なくすることで摩擦係数を低減し、滑り性を付与するこ
とができる。また、塗膜表面の粗面化により、巻取り時
のシワ防止など加工適性を向上させることもできる。
【0017】このような複合微粒子の含有量は、耐熱滑
性層において、1〜50重量%の範囲であり、1〜20
重量%が更に好ましい。含有量が上記において1重量%
未満の場合は適当な滑り性が得られず、また、50重量
%を超える場合は耐熱滑性層が脆くなったり、また、巻
取り時に一部の微粒子が熱転写性色材層に転移するなど
の問題を発生するため好ましくない。耐熱滑性層を形成
する方法は、以上のような材料をアセトン、メチルエチ
ルケトン、トルエン、キシレン等の溶剤または水に溶
解、或いは分散させて塗布液を作成し、この塗布液をグ
ラビアコーター、ロールコーター、バーコーターなど公
知の塗布手段で塗布、乾燥、硬化させて形成することが
できる。耐熱滑性層の塗布量は、乾燥後の固形分で3g
/m2 以下あればよく、0.1〜1.0g/m2 (固形
分)で十分な性能を有する耐熱滑性層が得られる。尚、
イソシアネートを添加した硬化系の塗布液を用いた場合
は、乾燥後も未反応のイソシアネート基がその層中に残
存している場合が多いので、反応を完結させるために、
更に加熱、熟成処理を施すことが好ましい。また、基材
シートと耐熱滑性層との接着性が十分でない場合には、
基材シート上にプライマー層を設けておくことも有効で
ある。
【0018】(熱転写性色材層)基材シートの上記耐熱
滑性層を設けた面の反対側の面に設ける熱転写性色材層
は、昇華性染料インキ層と熱溶融性インキ層のいずれか
一方、または、両方を印刷などにより面順次に配列して
形成するが、これらはいずれも従来公知のものをそのま
ま使用することができる。例えば、昇華性染料インキ層
の場合は、昇華性染料とバインダーとなる樹脂を主成分
とし、これに必要に応じて離型剤やフィラーを添加した
インキにより形成し、熱溶融性インキ層の場合は、顔料
などの着色剤とワックスその他熱溶融性樹脂のバインダ
ーを主成分とするインキにより形成する。
【0019】以下、昇華型の熱転写シートを代表例とし
て説明するが、本発明は昇華型の熱転写シートのみに限
定するものではない。昇華型の熱転写シートの熱転写性
色材層に用いられる染料としては、従来公知の熱転写シ
ートに使用されている染料はいずれも本発明の熱転写シ
ートに使用することができる。このような染料として
は、例えばジアリールメタン系、トリアリールメタン
系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インド
アニリン系、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾ
メチン、イミダゾルアゾメチン、ピリドンアゾメチン等
のアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシア
ノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメ
チレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベン
ゼンアゾ系、そして、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、
イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、
イミダゾールアゾ、チオジアゾールアゾ、トリアゾール
アゾ、ジスアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリ
ノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム
系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン
系などの染料が挙げられる。
【0020】具体的には次のような染料が用いられる。 CI(Color Index) ディスパースイエロー 51,3,54,79,
60,23,7,141,201,231 CIディスパースブルー 24,56,14,301,334,165,19,72,
87,287,154,26,354 CIディスパースレッド 135,146,59,1,73,60,167 CIディスパースオレンジ 149 CIディスパースバイオレット 4,13,26,36,56,31 CIソルベントイエロー 56,14,16,29 CIソルベントブルー 70,35,63,36,50,49,111,105,97,
11 CIソルベントレッド 135,81,18,25,19,23,24,143,14
6,182 CIソルベントバイオレット 13 CIソルベントブラック 3 CIソルベントグリーン 3
【0021】例えば、イエロー染料としては、フォロン
ブリリアントイエローS−6GL(サンド製、ディスパ
ースイエロー 231)、マクロレックスイエロー6G(バ
イエル製、ディスパースイエロー 201)、マゼンタ染料
としては、MS−RED−G(三井東圧製、ディスパー
スレッド 60 )、マクロレックスバイオレットR(バイ
エル製、ディスパースバイオレット 26 )、シアン染料
としては、カヤセットブルー 714(日本化薬製、ソルベ
ントブルー63)、フォロンブリリアントブルーS−R
(サンド製、ディスパースブルー 354)、ワクソリンブ
ルーAP−FW(ICI製、ソルベントブルー 36 )等
の染料が使用できる。
【0022】上記のような染料を担持するためのバイン
ダーとなる樹脂についても、既知のものが使用可能であ
り、例えばエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロー
ス、酢酸セルロース、酢酸・酪酸セルロース等のセルロ
ース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、
ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、
ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)
アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリ
ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂等が挙げられ、これらの単独または混
合物を任意に用いることができる。尚、これらの中では
セルロース系、ポリウレタン系、ビニル系、アクリル系
およびポリエステル系の樹脂が、耐熱性、染料移行性な
どの点で好ましく用いられる。
【0023】昇華性染料インキによる熱転写性色材層、
即ち、この場合熱転写性染料インキ層は、上記のような
染料及びバインダーの樹脂を主成分とし、これに離型剤
やフィラーなどの添加剤を加え、トルエン、メチルエチ
ルケトン、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、シクロヘキサノン、ジメチルフォルムアミドなどの
有機溶剤や水で適宜溶解、或いは分散させてインキを作
成し、これをグラビア印刷、スクリーン印刷、リバース
ロールコーティングなどの手段で印刷若しくは塗布し、
乾燥することにより形成できる。このような熱転写性染
料インキ層における昇華性染料の含有量は5〜90重量
%の範囲が好ましく、10〜70重量%の範囲が更に好
ましい。また、形成する熱転写性染料インキ層の厚さ
は、0.2〜5.0μm程度の範囲が好ましく、0.4
〜2.0μmの範囲が更に好ましい。そして、熱転写で
形成する画像がモノカラーである場合、熱転写シートに
は前記染料で単一色の熱転写性染料インキ層を形成すれ
ばよく、フルカラーの画像を形成する場合には、イエロ
ー、マゼンタ、シアン(必要な場合にはブラックも追加
する)の熱転写性染料インキ層を形成すればよい。
【0024】(被転写材)上記のような昇華性染料イン
キを用いて作成した熱転写シートをプリンターに掛けて
画像を形成する場合、使用する被転写材は、その画像記
録面が昇華性染料に対する受容性を有することが必要で
あり、受容性を有するものであれば何でも使用できる。
また、昇華性染料に対する受容性のない材料、例えば、
通常の紙や多くのプラスチック材料、或いは、金属、ガ
ラスなどであっても、予め画像記録面に染料受容層を形
成しておくことによって、被転写材として使用できるよ
うになる。また、熱溶融性の転写インキを使用した熱転
写シートを用いる場合には、その被転写材は、熱溶融性
転写インキが接着し得る材料であれば特に限定はされ
ず、例えば、通常の紙やプラスチックフィルム或いはシ
ートなどでも自由に使用できる。
【0025】尚、本発明の熱転写シートを用いて熱転写
する際に使用するプリンターは、従来公知の熱転写プリ
ンターがそのまま使用可能であり、特に限定はされな
い。
【0026】
【作用】本発明の熱転写シートは、基材シートの熱転写
性色材層を設けた面の反対側の面に、粒径が0.5〜1
0μmの無機または有機の微粒子の少なくとも一種と、
粒径が0.01〜5μmの無機または有機の微粒子の少
なくとも一種とを融合化させた複合微粒子を含有する耐
熱滑性層を設けて構成したものである。このような構成
を採ることにより、複合微粒子は、耐熱滑性層の塗布液
においても凝集し難い形状であるため、殆ど凝集せず、
また、沈降した場合でも再分散を容易に行え、塗布適性
が向上する。また、耐熱滑性層を形成した後も、複合微
粒子は、バインダーの樹脂に強固に固着されるため、脱
落がなく、熱転写シートを巻取り状にしても熱転写性色
材層側に転移することもない。従って、熱転写シートに
良好な滑り性、離型性を付与でき、印画時にサーマルヘ
ッドに熱融着せず、シワの発生やサーマルヘッドへのカ
スの付着も防止でき、走行性など印画適性が向上する。
また、耐熱滑性層中の複合微粒子の含有量を1〜20重
量%とすることにより、サーマルヘッドの摩耗もなく上
記の作用が安定して確実に行われる。更に、基材シート
の上記の耐熱滑性層を設けた面の反対側の面に設けられ
ている熱転写性色材層を昇華性染料インキ層と熱溶融性
インキ層のいずれか一方、または、両方で構成すること
により、文字その他、単色のベタの画像でもフルカラー
の画像でも、或いは、フルカラーの写真画像や濃色のベ
タ画像が共存する画像などでも、目的に応じてどのよう
な画像にも適応できるようになる。
【0027】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明する。尚、実施例の熱転写シートの作
成に先立って、その耐熱滑性層に添加する複合微粒子を
下記の方法で作成した。 (複合微粒子、の作成)複合微粒子 タルク(ミクロエースP−3/平均粒径3.6μm 日
本タルク製)32.6gと、シリカ(OX50/平均粒
径40nm 日本アエロジル製)1.63gとをナイロ
ン袋で予備混合し、これを表面融合装置(AM−15F
ホソカワミクロン製)の容器に移して、ローター回転
数約1500r.p.m.、負荷動力0.25kW、容器内温
度約100℃の条件で約1時間かけて表面融合を行い、
複合微粒子を作成した。複合微粒子 アクリル樹脂(MR−2G/平均粒径1.3μm 綜研
化学製)23.6gと、シリカ(OX50/平均粒径4
0nm 日本アエロジル製)4.72gとをナイロン袋
で予備混合し、これを表面融合装置(AM−15F ホ
ソカワミクロン製)の容器に移して、ローター回転数約
2200r.p.m.、負荷動力0.30kW、容器内温度約
80℃の条件で約1時間かけて表面融合を行い、複合微
粒子を作成した。
【0028】(実施例1)基材シートとして、厚さ4.
5μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
(ルミラー 東レ製)を使用し、その一方の面に下記の
組成の耐熱滑性層用塗布液Aをリバースロールコーター
により、乾燥時の塗布量が略1.0g/m2 になるよう
に塗布、乾燥し、更に加熱熟成による硬化処理を行って
耐熱滑性層を設けた。そして、もう一方の面には、下記
の組成の熱転写性色材層用インキAをグラビア印刷機に
より、乾燥時の塗布量が略1.0g/m2 になるように
印刷、乾燥して熱転写性色材層を形成し、実施例1の熱
転写シートを作成した。 耐熱滑性層用塗布液Aの組成 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX-1 積水化学製) 1.60重量部 ポリイソシアネート(バーノックD750-45 大日本インキ製)8.46重量部 リン酸エステル系界面活性剤 (プライサーフ A208S 第一工業製薬製) 1.36重量部 充填剤 複合微粒子 0.32重量部 メチルエチルケトン 38.43重量部 トルエン 38.43重量部 熱転写性色材層用インキAの組成 ポリビニルアセトアセタール樹脂 (エスレック KS-5 積水化学製) 3.50重量部 染料 MS−RED−G (ディスパースレッド60 三井東圧製) 2.00重量部 染料 マクロレックスバイオレットR (ディスパースバイオレット26 バイエル製) 1.50重量部 メチルエチルケトン 46.50重量部 トルエン 46.50重量部
【0029】(実施例2)基材シートとして、厚さ4.
5μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
(ルミラー 東レ製)を使用し、その一方の面に下記の
組成の耐熱滑性層用塗布液Bをリバースロールコーター
により、乾燥時の塗布量が略1.0g/m2 になるよう
に塗布、乾燥し、更に加熱熟成による硬化処理を行って
耐熱滑性層を設けた。そして、もう一方の面には、前記
実施例1と同じ組成の熱転写性色材層用インキAをグラ
ビア印刷機により、乾燥時の塗布量が略1.0g/m2
になるように印刷、乾燥して熱転写性色材層を形成し、
実施例2の熱転写シートを作成した。 耐熱滑性層用塗布液Bの組成 ポリビニルブチラール樹脂(エスレック BX-1 積水化学製) 1.60重量部 ポリイソシアネート(バーノック D750-45 大日本インキ製)8.46重量部 リン酸エステル系界面活性剤 (プライサーフ A208S 第一工業製薬製) 1.36重量部 充填剤 複合微粒子 0.32重量部 メチルエチルケトン 38.43重量部 トルエン 38.43重量部
【0030】(実施例3)基材シートとして、厚さ4.
5μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
(ルミラー 東レ製)を使用し、その一方の面に下記の
組成の耐熱滑性層用塗布液Cをリバースロールコーター
により、乾燥時の塗布量が略1.0g/m2 になるよう
に塗布、乾燥し、更に、その面に電子線を加速電圧17
5keV,3Mradの条件で照射して架橋、硬化処理
を行い、耐熱滑性層を設けた。そして、もう一方の面に
は、前記実施例1と同じ組成の熱転写性色材層用インキ
Aをグラビア印刷機により、乾燥時の塗布量が略1.0
g/m2 になるように印刷、乾燥して熱転写性色材層を
形成し、実施例3の熱転写シートを作成した。 耐熱滑性層用塗布液Cの組成 ポリビニルブチラール樹脂(エスレック BX-1 積水化学製) 1.60重量部 多官能単量体(カヤラッドDPHA 日本化薬製) 0.30重量部 リン酸エステル系界面活性剤 (プライサーフ A208S 第一工業製薬製) 0.13重量部 充填剤 複合微粒子 0.32重量部 メチルエチルケトン 13.51重量部 トルエン 13.51重量部
【0031】(実施例4)基材シートとして、厚さ4.
5μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
(ルミラー 東レ製)を使用し、その一方の面に下記の
組成の耐熱滑性層用塗布液Dをリバースロールコーター
により、乾燥時の塗布量が略1.0g/m2 になるよう
に塗布、乾燥して耐熱滑性層を形成した。そして、もう
一方の面には、前記実施例1と同じ組成の熱転写性色材
層用インキAをグラビア印刷機により、乾燥時の塗布量
が略1.0g/m2 になるように印刷、乾燥して熱転写
性色材層を形成し、実施例4の熱転写シートを作成し
た。 耐熱滑性層用塗布液Dの組成 シリコーン・ウレタン共重合樹脂 (SP−2105 大日精化製) 27.05重量部 リン酸エステル系界面活性剤 (プライサーフ A208S 第一工業製薬製) 1.36重量部 充填剤 複合微粒子 0.32重量部 メチルエチルケトン 29.90重量部 トルエン 29.90重量部
【0032】(比較例1)基材シートとして、厚さ4.
5μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
(ルミラー 東レ製)を使用し、その一方の面に下記の
組成の耐熱滑性層用塗布液Eをリバースロールコーター
により、乾燥時の塗布量が略1.0g/m2 になるよう
に塗布、乾燥して耐熱滑性層を形成した。そして、もう
一方の面には、前記実施例1と同じ組成の熱転写性色材
層用インキAをグラビア印刷機により、乾燥時の塗布量
が略1.0g/m2 になるように印刷、乾燥して熱転写
性色材層を形成し、比較例1の熱転写シートを作成し
た。 耐熱滑性層用塗布液Eの組成 ポリビニルブチラール樹脂(エスレック BX-1 積水化学製) 1.60重量部 ポリイソシアネート(バーノック D750-45 大日本インキ製)8.46重量部 リン酸エステル系界面活性剤 (プライサーフ A208S 第一工業製薬製) 1.36重量部 充填剤 タルク(ミクロエースP−3 平均粒径3.6μm 日本タルク製) 0.32重量部 メチルエチルケトン 38.43重量部 トルエン 38.43重量部
【0033】(比較例2)比較例1の構成において、耐
熱滑性層用塗布液のみを下記の組成の耐熱滑性層用塗布
液Fに換え、その他は総て比較例1と同様に加工して比
較例2の熱転写シートを作成した。 耐熱滑性層用塗布液Fの組成 ポリビニルブチラール樹脂(エスレック BX-1 積水化学製) 1.60重量部 ポリイソシアネート(バーノック D750-45 大日本インキ製)8.46重量部 リン酸エステル系界面活性剤 (プライサーフ A208S 第一工業製薬製) 1.36重量部 充填剤 シリカ(OX−50 平均粒径40nm 日本アエロジル製) 3.20重量部 メチルエチルケトン 38.43重量部 トルエン 38.43重量部
【0034】(比較例3)比較例1の構成において、耐
熱滑性層用塗布液のみを下記の組成の耐熱滑性層用塗布
液Gに換え、その他は総て比較例1と同様に加工して比
較例3の熱転写シートを作成した。 耐熱滑性層用塗布液Gの組成 ポリビニルブチラール樹脂(エスレック BX-1 積水化学製) 1.60重量部 ポリイソシアネート(バーノック D750-45 大日本インキ製)8.46重量部 リン酸エステル系界面活性剤 (プライサーフ A208S 第一工業製薬製) 1.36重量部 充填剤 アクリル樹脂フィラー(MR−2G 平均粒径1.3μm 綜研化学製) 0.32重量部 メチルエチルケトン 38.43重量部 トルエン 38.43重量部
【0035】(試験及び評価結果)以上のように作成し
た実施例1〜4及び比較例1〜3の各熱転写シートにつ
いて、下記項目の試験を行いその評価結果をまとめて表
1に示した。尚、下記(1)の充填剤の分散安定性のみ
は充填剤(フィラー)そのものを試料として試験に供し
たものである。 (1)耐熱滑性層用塗布液における充填剤(フィラー)
の分散安定性 実施例1〜4、比較例1〜3で用いた充填剤25重量部
を、ポリビニルブチラール樹脂50重量部、メチルエチ
ルケトン12.5重量部、トルエン12.5重量部の溶
液に分散し、スクリュー管内で1ヵ月放置後、攪拌して
再分散できるかどうかを目視にて判定した。 評価基準 ○:沈降するが凝集は起こらず、再分散も容易なもの。 △:凝集は起こるが、再分散が可能なもの。 ×:凝集が起こり、再分散も困難なもの。
【0036】(2)耐熱滑性層の充填剤(フィラー)の
熱転写性色材層への転移の有無 巻取り状態の各熱転写シートを50℃の恒温室で96時
間保存後、巻き返しを行って熱転写性色材層への充填剤
の転移の有無を目視により調査した。 評価基準 ○:色材層への充填剤の転移がないもの。 ×:色材層への充填剤の転移があるもの。
【0037】(3)熱転写シートの印画適性(印画時の
シワの発生およびサーマルヘッドへのカス付着の有無) 各熱転写シートを従来より使用されている熱転写受像シ
ートの受容層面と重ね、市販のビデオプリンターのサー
マルヘッドの押し圧が偏圧になるように調整し、印画シ
ワが発生し易い状態にして、パターンジェネレーター
(CG−931KENWOOD製)で単色ベタパターン
を30℃、80%RHの環境下で印画を行い、シワの発
生とサーマルヘッドへのカスの付着を目視により調査し
た。 シワ発生の評価基準 ○:シワ発生の全くないもの。 △:僅かではあるが、シワの発生するもの。 ×:シワ発生の多いもの。 サーマルヘッドへのカス付着の評価基準 ○:カス付着の全くないもの。 △:僅かにカス付着のあるもの。 ×:カス付着の多いもの。
【0038】(4)熱転写シートの滑り性〔動摩擦係
数〕 各熱転写シートを従来より使用されている熱転写受像シ
ートの受容層面と重ねて、サーマルヘッドとプラテンロ
ールとの間に上下で挟み、サーマルヘッドの上から20
00gの荷重を掛ける。次に、受像シートを固定し、熱
転写シートをテンシロン(ORIENTEC製、UCT
−1000)で水平方向に一定速度(500mm/mi
n)で引張り、印画時(サーマルヘッドに通電した時)
と非印画時(サーマルヘッドに通電しない時)の摩擦力
1 およびF2 (gf)を測定した。また、印画時と非
印画時の動摩擦係数 μ1 、μ2 は、それぞれμ=F/
2000で算出して表1に示した。 (通電時の印画条件) 電圧 :13.5V パルス幅 :1ms 記録周期 :2.0 ms/line 記録エネルギー:3.0J/cm2 尚、印画時と非印画時の動摩擦係数 μ1 、μ2 につい
ては、μ1 /μ2 =1に近いことが好ましい。 (以下余白)
【0039】
【表1】 評価結果 以上の評価結果より明らかなように、本発明の実施例1
〜4の熱転写シートに関しては、その耐熱滑性層に添加
する充填剤、即ち、複合微粒子は、その分散安定性が良
好であり、塗布液を長期保存した後も容易に再分散が可
能でコーティング適性に優れている。また、塗膜形成後
のバインダーの樹脂による充填剤の保持性もよく、熱転
写シートを巻取り状で保存しても、充填剤の熱転写性色
材層への転移は認められなかった。更に、印画時におけ
るシワの発生、サーマルヘッドへのカス付着もなく、滑
り性においても良好であった。これに対して比較例1〜
3の熱転写シートは、充填剤の(1)分散安定性、
(2)保持性、そして、熱転写シートとして、(3)印
画時のシワの発生、サーマルヘッドへのカス付着、或い
は、(4)滑り性のいずれかの項目、または、複数の項
目に欠点があり、好ましくない結果であった。
【0040】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように、本発明
は、基材シートの一方の面に熱転写性色材層を設け、も
う一方の面に粒径が0.5〜10μmの無機または有機
の微粒子の少なくとも一種と、粒径が0.01〜5μm
の無機または有機の微粒子の少なくとも一種とを融合化
させた複合微粒子を含有する耐熱滑性層を設けた構成で
ある。このような構成を採ることにより、複合微粒子が
耐熱滑性層の塗布液において、凝集することなく、沈降
しても再分散が容易となるため、コーティング適性が向
上すると共に、バインダーによる複合微粒子の固着性が
向上し、熱転写シートの巻取り時に熱転写性色材層への
粒子の転移もなくなり、良好な滑り性、離型性を付与で
きるため、印画時におけるサーマルヘッドとの熱融着や
シワの発生、カスの付着などを防止でき、印画走行性が
よく、転写適性に優れた熱転写シートを提供できる。ま
た、耐熱滑性層における複合微粒子の含有量を1〜20
重量%とすることにより上記の効果を一層安定して確実
に得られるようになる。更に、熱転写性色材層を昇華性
染料インキ層と熱溶融性インキ層のいずれか一方、また
は、両方で構成することにより、目的に応じて種々の画
像を鮮明な色彩と濃度で自由に再現できる熱転写シート
を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−341342(JP,A) 特開 平2−194992(JP,A) 特開 平2−147398(JP,A) 特開 平7−9774(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40 B01J 19/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの一方の面に熱転写性色材層
    を有し、もう一方の面に、粒径が0.5〜10μmの無
    機または有機の微粒子の少なくとも一種と、粒径が0.
    01〜5μmの無機または有機の微粒子の少なくとも一
    種とを融合化させた複合微粒子を含有する耐熱滑性層を
    有することを特徴とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】 前記耐熱滑性層における複合微粒子の含
    有量が1〜20重量%であることを特徴とする請求項1
    に記載の熱転写シート。
  3. 【請求項3】 前記熱転写性色材層が、熱昇華性染料イ
    ンキ層と熱溶融性インキ層のいずれか一方、または、両
    方からなることを特徴とする請求項1または2に記載の
    熱転写シート。
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