JP3516979B2 - エアフィルタ用濾材 - Google Patents

エアフィルタ用濾材

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JP3516979B2 JP07795994A JP7795994A JP3516979B2 JP 3516979 B2 JP3516979 B2 JP 3516979B2 JP 07795994 A JP07795994 A JP 07795994A JP 7795994 A JP7795994 A JP 7795994A JP 3516979 B2 JP3516979 B2 JP 3516979B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメルトブロー不織布を用
いたエアフィルタ用濾材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空気清浄装置やマスクなどには空
気中の微細な塵埃を捕集するエアフィルタ用濾材として
メルトブロー不織布が使用されている。メルトブロー不
織布は繊維径0.5〜50μmの微細な繊維からなる緻
密な構造を有するため、1μm以下の微小な粒子を高い
捕集効率で捕集できる優れた濾材である。とくに、この
メルトブロー不織布を、例えば高圧電極と接地電極間で
コロナ放電処理することなどにより、エレクトレット化
処理したものは、その静電気的な捕集効果と相まって非
常に優れた捕集能力を示す。
【0003】しかしながら、従来のメルトブロー不織布
からなるフィルタ用濾材は、気体流入側表面が比較的フ
ラットな構造からなるため、塵埃の保持容量が小さく、
使用寿命が短いという欠点があった。この欠点を解決す
るために、低密度の濾材を積層して密度勾配を持たせる
ことなどが試みられたが、微細な塵埃はメルトブロー不
織布の表面で集中的に捕集されて目詰りが生じるため、
使用寿命を十分に長くすることはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来のメルト
ブロー不織布からなるエアフィルタ用濾材の欠点を解消
するべくなされたものであり、高い捕集効率を有すると
共に、塵埃の保持容量が大きく、使用寿命が長いエアフ
ィルタ用濾材を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、「平均繊維径0.5〜
50μmの繊維から構成され、気体流入側表面に凹凸差
が0.1〜1.0mmの凹凸が形成されており、該凹部
と凸部における構造が実質的に均質であるメルトブロー
不織布のみからなることを特徴とするエアフィルタ用濾
材。」をその要旨とする。
【0006】また、請求項2に記載の発明は「メルトブ
ロー不織布がエレクトレット化されていることを特徴と
する請求項1に記載のエアフィルタ用濾材。」を要旨と
する。
【0007】また、請求項3に記載の発明は、「平均繊
維径0.5〜50μmの繊維から構成され、気体流入側
表面に凹凸差が0.1〜1.0mmの凹凸が形成されて
おり、該凹部と凸部における構造が実質的に均質である
メルトブロー不織布と、該メルトブロー不織布の上流側
に配置された該メルトブロー不織布よりも初期圧力損失
の小さい支持用濾材とが、部分的に結合されることによ
り、層間に空間を内包して積層されていることを特徴と
するエアフィルタ用濾材。」を要旨とする。
【0008】また、請求項4に記載の発明は、「プリー
ツ加工が施されていることを特徴とする請求項3に記載
のエアフィルタ用濾材。」を要旨とする。
【0009】
【作用】請求項1に記載のエアフィルタ用濾材にあって
は、メルトブロー不織布の気体流入側表面に凹凸差が
0.1〜1.0mmの凹凸が形成されているため、塵埃
はメルトブロー不織布の厚み方向に分布して捕集される
ので、保持容量が増大し、使用寿命も延びる。また、凹
凸を形成する際に加圧成形などで凹部を緻密化すること
により形成しておらず、該凹部と凸部における構造が実
質的に均質であるため、通気抵抗(初期圧力損失)が増
大したり、塵埃が偏って捕集されたりすることがなく、
メルトブロー不織布の優れた捕集能力が維持されてい
る。
【0010】また、請求項2に記載のエアフィルタ用濾
材にあっては、メルトブロー不織布がエレクトレット化
されているため、エレクトレット化による静電気的な捕
集効果と相まって高い捕集効率で微細な塵埃が捕集でき
る。
【0011】また、請求項3に記載のエアフィルタ用濾
材にあっては、気体流入側表面に凹凸差が0.1〜1.
0mmの凹凸が形成されているメルトブロー不織布と、
該メルトブロー不織布の上流側に配置された該メルトブ
ロー不織布よりも初期圧力損失の小さい支持用濾材と
が、部分的に結合されることにより、層間に空間を内包
して積層されているため、該空間に塵埃を保持すること
ができ、塵埃の保持容量が大きくなる。また、支持用濾
材と積層することでプリーツ加工などの加工が行いやす
くなり、加工後の保形性もよくなる。
【0012】また、請求項4に記載のエアフィルタ用濾
材にあっては、プリーツ加工によって濾過に働く濾材の
表面積を大きくできる。
【0013】本発明のエアフィルタ用濾材はメルトブロ
ー法により製造される平均繊維径0.5〜50μm、好
ましくは平均繊維径1〜10μm、とくに好ましくは平
均繊維径1〜5μmの微細な繊維が集積されたメルトブ
ロー不織布のみからなる。一般に、メルトブロー法では
溶融した樹脂をノズルから押出し、押出された樹脂をノ
ズル近傍から吹き出す高速の気体流により細化し、これ
をコンベヤなどの搬送体上に集積してメルトブロー不織
布を形成する。本発明では、樹脂の溶融紡糸温度、気体
流の速度、ノズルから集積面までの距離などを調節する
ことにより、繊維が繊維形態を保てるが形状の変形が可
能な状態で搬送体上に集積し、搬送体として5〜30メ
ッシュ、より好ましくは10〜20メッシュのネットを
用いることで、ネットの空間にあたる部分にメルトブロ
ー不織布を突出させてメルトブロー不織布の表面に凹凸
を形成する。例えば、ポリプロピレン樹脂を用いる場合
であれば、紡糸温度300〜370℃、気体流の速度
(吐出風量)4〜10Nm3 /分、ノズルから集積面ま
での距離(集積距離)30〜55cmの条件でメルトブ
ローし、これを5〜30メッシュのネットに集積するこ
とで表面に所望の凹凸を有するメルトブロー不織布が得
られる。図1は本発明のメルトブロー不織布1からなる
エアフィルタ用濾材の平面図で、表面に凸部2と凹部3
とが形成されている。なお、隣り合う凸部の頂点と凸部
の頂点との距離は1〜6mm、より好ましくは2〜5m
mの範囲にあることが望ましく、これより狭いと凸部間
に形成される空間が狭くなるため、十分な塵埃保持容量
が得られなくなったり、凸部どうしが接触して通気抵抗
が大きくなったりすることがあり、これより広くなると
実質的に平面部分が大きくなり、凹凸を設けることによ
る効果が薄れてしまう。
【0014】本発明のエアフィルタ用濾材の気体流入側
表面には、上記の凹凸が凹凸差0.1〜1.0mmとな
るように形成されている。凹凸差が0.1mm未満では
十分な塵埃の保持容量の向上が望めず、1.0mmを超
えると構造圧損により圧力損失が大きくなりやすく、と
くにプリーツ加工したときに、その傾向が大となり、ま
た大きく繊維形状を変形させる必要があることから繊維
形態自体が崩れてフィルム化しやすくなり、通気抵抗が
増大する。より好ましいエアフィルタ用濾材の気体流入
側表面の凹凸差は0.1〜0.5mm、とくに好ましく
は0.2〜0.4mmである。なお、凹凸差は凸部の頂
点を繋ぐ線分で不織布を切断し、その断面を顕微鏡写真
で撮影し、図2の部分拡大断面模型図に示すように、2
つの隣り合う凸部の頂点ABを繋いだ線分とこれと平行
で2つの凸部間にある凹部の底点Cを通る線分との距離
dから求められる。
【0015】本発明のエアフィルタ用濾材を構成するメ
ルトブロー不織布1は凹部2と凸部3における構造が実
質的に均質となっている。ここで、構造が実質的に均質
とは、構成繊維の繊維径や断面形状が凹部2と凸部3で
差がなく、構成繊維の密度や分布にも大きな差がないこ
とを言う。現実のメルトブロー不織布では搬送体となる
ネットを構成する線条体の上に集積された繊維と、空間
部分に集積された繊維とでは、繊維の受ける力が異なる
ため、多少の繊維形状、密度、分布などに差が出る可能
性があるが、この程度の差は実質的に均質という概念に
含まれるものとする。従来から不織布の表面に凹凸を形
成する手段としては、エンボスロールなどにより加熱加
圧することにより、不織布表面に圧縮された凹部を設け
る手段がある。しかし、このような手段では、凹部の繊
維密度が著しく高くなったり、場合によってはフィルム
化するため、通気抵抗が増大する。また、メルトブロー
不織布内の密度分布が局所的に不均一となるため、塵埃
が偏って捕集され、部分的に目詰りが起き、所望の捕集
効率が得られなくなったり、使用寿命が短くなることが
ある。本発明では前述した製造方法のように、繊維が繊
維形態を保て、かつ形状の変形が可能な状態でネットな
どの搬送体上に集積して、メルトブロー不織布の表面に
凹凸を形成しているので、不織布は凹部において著しい
圧縮を受けておらず、凹部と凸部における構造が実質的
に均質になっている。なお、図2のようにメルトブロー
不織布の厚みも凹部2と凸部3で同じかまたは比較的近
い厚みとなっていることが望ましい。
【0016】メルトブロー不織布1を製造するための樹
脂としては、溶融紡糸により繊維形成が可能な樹脂が用
いられ、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などが単独または複
合して使用される。とくに、後述するエレクトレット化
処理を施す場合には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂などのポリオレフィン
系樹脂がエレクトレット化しやすいのでよい。また、エ
アフィルタ用濾材として用いるために、メルトブロー不
織布1の目付は50〜150g/m2 、見かけ密度は
0.05〜0.3g/cm3 の範囲にあることが望まし
い。
【0017】本発明のエアフィルタ用濾材に用いられる
メルトブロー不織布1はエレクトレット化されているこ
とが望ましい。エレクトレット化の方法としては、例え
ば、メルトブロー法によりノズルから押出された直後の
繊維の流れに電荷粒子を衝突させてエレクトレット化す
る方法(特公昭59−124号)や、メルトブロー不織
布を接地電極上に置き、これと対向する非接触の高圧電
極との間で高電圧を印加することでエレクトレット化す
る方法(特開昭60−168511号、特開昭61−1
02476号など)などの公知の方法を用いることがで
きる。エレクトレット化されたメルトブロー不織布は、
静電気的に塵埃を吸着して捕集する作用を有するため、
メルトブロー不織布の繊維構造では捕集が困難なより微
小な塵埃粒子の捕集も可能となる。
【0018】本発明のエアフィルタ用濾材は、前述した
気体流入側表面に凹凸を設けたメルトブロー不織布1の
みからなるものであってもよいが、このメルトブロー不
織布1の上流側にメルトブロー不織布よりも初期圧力損
失の小さい支持用濾材4を配置し、両者を部分的に結合
することにより、層間に空間を内包するように積層した
ものであってもよい。ここで、メルトブロー不織布1に
ついては先に説明済みなので説明を省略する。
【0019】支持用濾材4としては、公知の不織布、織
物、編み物、紙、ネットなどからなる濾材の内、使用す
るメルトブロー不織布よりも初期圧力損失(通気抵抗)
が小さいものが使用される。メルトブロー不織布は高速
高温の気体流で細化された微細な繊維から構成されるた
め、微小な塵埃の捕集に優れているが、反面構成繊維の
単繊維強度が小さく保形性に劣る。このため、例えばメ
ルトブロー不織布に直接プリーツ加工を施しても、プリ
ーツ形状は安定に保持されず、風圧などが加わると容易
に変形してしまう。支持用濾材はメルトブロー不織布に
形状安定性を与えるために使用され、例えばプリーツ加
工後の形状を保持することにより、濾過に作用するメル
トブロー不織布の表面積を大きく保つことで、捕集効率
を高め、濾材の使用寿命を延ばすことができる。支持用
濾材4としては、プレフィルタとしても効果的に働く不
織布を用いることが望ましく、その中でも水流絡合不織
布を用いるとよい。水流絡合不織布は繊維どうしの高度
な絡合によって不織布が形成されており、強度に優れ、
しかも実質的に接着剤が使用されていないため繊維間の
空隙が封鎖されることがないので初期圧力損失も小さ
い。また、水流絡合不織布は繊維油剤などの繊維助剤が
製造工程中に洗い流されてわずかしか付着していないの
でエレクトレット化が行いやすいという利点もある。
【0020】支持用濾材4として使用する水流絡合不織
布としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、
ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの繊維を単独ま
たは組合せて形成した繊維ウェブに、水流絡合法により
高圧水流を作用させて繊維を絡合させた不織布が使用さ
れ、その目付は20〜150g/m2 、見かけ密度は
0.01〜0.2g/cm3 の範囲にあることが望まし
い。
【0021】前記メルトブロー不織布1と支持用濾材4
とは、熱接着、超音波接着、高周波接着、バインダー接
着などの公知の結合方法によって部分的に結合される。
部分的に結合するのは、結合面積が大きくなればなるほ
ど通気性が阻害されるからであり、結合部5はメルトブ
ロー不織布と支持用濾材との積層状態が取り扱い時や加
工時に保てる範囲でできるだけ少ない方がよい。結合部
5は濾材全体に渡って施されていることが望ましく、例
えば、点、線、円、三角形、四角形、多角形の所定の形
状の結合部が、所定の間隔と配置で多数分布した構造と
なっているのがよい。図3には結合部5の一例が示され
ており、線状の結合部が六角形が縦横に連続した模様と
なるように配置されている。
【0022】前記メルトブロー不織布1と支持用濾材4
とは、共にエレクトレット化されていてもよく、いずれ
か一方がエレクトレット化されていてもよい。とくに、
支持用濾材として水流絡合不織布を使用し、水流絡合不
織布と前記メルトブロー不織布1の両方をエレクトレッ
ト化したものからなるエアフィルタ用濾材は、低い通気
抵抗で高い捕集効率が得られ、しかも塵埃の保持容量も
大きいのでよい。なお、前記メルトブロー不織布1と支
持用濾材4の少なくとも一方がエレクトレット化されて
いる場合、結合方法としては超音波接着によるのがよ
い。これは、熱接着などの場合、結合部分の周辺にも熱
が伝播してエレクトレットが消滅することがあるからで
ある。
【0023】部分的に結合された前記メルトブロー不織
布1と支持用濾材4とは、図4に示すように、メルトブ
ロー不織布1の凹凸表面と支持用濾材4との間に形成さ
れる空間6を内包した状態で積層される。このため、支
持用濾材4を通過してきた微小な塵埃はメルトブロー不
織布の内部で捕集されるだけでなく、この空間部分にも
捕集され、結果として塵埃の保持容量が増大する。とく
に、支持用濾材4が存在することで塵埃が再移動しにく
いため塵埃は確実に濾材内に保持される。
【0024】前記の気体流入側表面に凹凸が形成されて
いるメルトブロー不織布1と、メルトブロー不織布1よ
りも初期圧力損失が小さく、上流側に配置された支持用
濾材4とを部分的に結合することにより、層間に空間6
を内包した状態で積層した本発明のエアフィルタ用濾材
には、プリーツ加工が施されていることが望ましい。こ
のエアフィルタ用濾材は支持用濾材4と積層されている
ため、プリーツ加工が容易に行え、加工後のプリーツ形
状の安定性にも優れている。また、プリーツ加工された
濾材は濾過作用をする濾材の表面積が増大しているの
で、通気抵抗が小さく、塵埃の保持能力が更に高くなっ
ている。例えば空気清浄機などに用いる濾材の場合、プ
リーツのピッチは3〜10mm、より好ましくは3.5
〜6.5mm、プリーツの高さは10〜70mm、より
好ましくは10〜60mmとなっていることが望まし
い。
【0025】
【実施例】
実施例1 MI(メルトインデックス)=65のポリプロピレン樹
脂をメルトブロー法により、ノズルから樹脂吐出量65
0cc/分/オリフィス、紡糸温度330℃の条件で押
出し、ノズル近傍から吹き出す吐出風量6Nm3 /分、
温度30℃の空気流により細化して、10メッシュのス
テンレス製ネット上に集積し、表面に凹凸を有する目付
78g/m2 、見かけ密度0.1g/cm3 のメルトブ
ロー不織布を得た。このメルトブロー不織布を表面の凸
部を繋ぐ線分で切断し、その断面の顕微鏡写真(倍率2
5倍)から凹凸差を5点で測定して平均を求めたところ
0.28mmであった。なお、凹凸差は隣合う凸部の頂
点を結んだ線分と、その線分と平行で凸部間にある凹部
の底点を通る線分との距離を測定して求めた。なお、こ
のメルトブロー不織布の断面は、図2に示す模型図のよ
うな構造となっており、繊維の形状や繊維径は凹部と凸
部で差がなく、繊維の分布や密度も外観上大きな差が認
められず、凹部と凸部では均質な構造となっていた。一
方、ポリプロピレン繊維からなる繊維ウェブに水圧10
0kg/cm2 の条件で水流絡合処理を施して目付50
g/m2 、見かけ密度0.08g/cm3 の水流絡合不
織布を得た。なお、この水流絡合不織布の初期圧力損失
は0.2mmAqで、上記メルトブロー不織布の0.3
mmAqよりも小さかった。上記メルトブロー不織布と
水流絡合不織布とに各々エレクトレット化処理を施して
エレクトレット化した。エレクトレット化処理の方法と
しては、ロール形状の接地電極に接触状態で搬送しなが
ら、対向する非接触のワイヤ電極との間で14〜15K
Vの直流高電圧をかけることにより行った。なお、ワイ
ヤー電極と接地電極との距離は10〜30mm、接地時
間は3秒以上とし、不織布の搬送速度(テンポ)は10
〜30m/分とした。上記メルトブロー不織布の凹凸差
0.28mmの凹凸を有する表面側の上に、上記水流絡
合不織布を積層し、図4に示すように線状の結合部が六
角形が連続する模様状に配置されるように、メルトブロ
ー不織布側から超音波接着してエアフィルタ用濾材を得
た。
【0026】得られたエアフィルタ用濾材の初期圧力損
失と、粒子捕集率と、粉じん保持容量とを求めて表1に
示した。なお、初期圧力損失はJIS−B−9908の
8.1.2圧力損失試験に準じて、風速10cm/秒の
条件で測定した。粒子捕集率はJIS−B−9908の
8.1.1粒子捕集率試験に準じて、風速10cm/
秒、塵埃粒子0.3〜0.5μmの条件で測定した。粉
じん保持容量はJIS−B−9908の8.2.3粉じ
ん保持容量試験に準じて、風速6cm/秒の条件で、最
終圧力損失が8mmAqとなるまでに保持される塵埃の
重量を測定した。
【0027】次いで、このエアフィルタ用濾材をピッチ
6.5mm、高さ20mmの条件でレシプロ方式でプリ
ーツ加工し、フィルタ枠に収納してフィルタユニットを
形成した。得られたフィルタユニットの初期圧力損失
と、粒子捕集率と、ライフとを求めて表2に示した。な
お、初期圧力損失はJIS−B−9908の8.1.2
圧力損失試験に準じて、風速2m/秒の条件で測定し
た。粒子捕集率はJIS−B−9908の8.3.1粒
子捕集率試験に準じて、風速1m/秒、塵埃粒子0.3
〜0.5μmの条件で測定した。ライフは、粉じん保持
容量をJIS−B−9908の8.2.3粉じん保持容
量試験に準じて、風速1m/秒の条件で、最終圧力損失
が8mmAqとなるまでに保持される塵埃の重量により
測定し、処理風量と試験に用いた塵埃濃度から次式によ
って求めた。
【0028】
【式1】
【0029】比較例1 MI(メルトインデックス)=65のポリプロピレン樹
脂をメルトブロー法により、ノズルから樹脂吐出量65
0cc/分/オリフィス、紡糸温度340℃の条件で押
出し、ノズル近傍から吹き出す吐出風量430Nm3
分、温度25℃の空気流により細化して、パンチメタル
上に集積し、目付79g/m2 、見かけ密度0.16g
/cm3 の従来のメルトブロー不織布を得た。このメル
トブロー不織布を切断し、その断面の顕微鏡写真(倍率
25倍)から凹凸差を5点で測定して平均を求めたとこ
ろ0.037mmとほとんど凹凸は見られなかった。メ
ルトブロー不織布として平均の凹凸差が0.037mm
のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして水流
絡合不織布と超音波接着により結合され、エレクトレッ
ト化されたエアフィルタ用濾材を作製した。得られたエ
アフィルタ用濾材の初期圧力損失と、粒子捕集率と、粉
じん保持容量とを実施例1と同様にして求めて表1に示
した。次いで、このエアフィルタ用濾材を用いて、実施
例1と同様にしてフィルタユニットを作製し、得られた
フィルタユニットの初期圧力損失と、粒子捕集率と、ラ
イフとを求めて表2に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】 表1及び表2からは、気体流入側表面に凹凸差が0.2
8mmの凹凸が形成されているメルトブロー不織布を用
いた実施例1のエアフィルタ用濾材が、凹凸差がほとん
どないメルトブロー不織布を使用した比較例1のエアフ
ィルタ用濾材と比べて、初期圧力損失、捕集効率の点で
は遜色がないにもかかわらず、2倍を超える塵埃保持容
量を有し、それを用いて作製したフィルタユニットのラ
イフも2.5倍となっており、使用寿命の大幅なアップ
が計れることが理解できる。
【0032】
【発明の効果】上記構成を備えたことにより、請求項1
に記載のエアフィルタ用濾材にあっては、メルトブロー
不織布の気体流入側表面に凹凸差が0.1〜1.0mm
の凹凸が形成されているため、塵埃はメルトブロー不織
布の厚み方向に分布して捕集されるので、保持容量が増
大し、使用寿命も延びる。また、凹凸を形成する際に加
圧成形などで凹部を緻密化することにより形成しておら
ず、該凹部と凸部における構造が実質的に均質であるた
め、通気抵抗(初期圧力損失)が増大したり、塵埃が偏
って捕集されたりすることがなく、メルトブロー不織布
の優れた捕集能力が維持されている。
【0033】また、請求項2に記載のエアフィルタ用濾
材にあっては、メルトブロー不織布がエレクトレット化
されているため、エレクトレット化による静電気的な捕
集効果と相まって高い捕集効率で微細な塵埃が捕集でき
る。
【0034】また、請求項3に記載のエアフィルタ用濾
材にあっては、気体流入側表面に凹凸差が0.1〜1.
0mmの凹凸が形成されているメルトブロー不織布と、
該メルトブロー不織布の上流側に配置された該メルトブ
ロー不織布よりも初期圧力損失の小さい支持用濾材と
が、部分的に結合されることにより、層間に空間を内包
して積層されているため、支持用濾材がプレフィルタと
して働き、しかも塵埃をメルトブロー不織布の厚み方向
に分布して捕集できると共に層間に形成される空間に塵
埃を保持することができるので、塵埃の保持容量が大き
くなり、使用寿命を延ばすことができる。また、支持用
濾材と積層することでプリーツ加工などの加工が行いや
すくなり、加工後の保形性もよくなる。
【0035】また、請求項4に記載のエアフィルタ用濾
材にあっては、プリーツ加工によって濾過に働く濾材の
表面積を大きくできるので、通気抵抗を下げ、塵埃の保
持容量を大きくし、結果として濾材の寿命を長くするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアフィルタ用濾材の一例を示す平面
図。
【図2】図1のエアフィルタ用濾材の部分拡大断面模型
図。
【図3】本発明のエアフィルタ用濾材の他の例を示す平
面図(支持用濾材側から見た図)。
【図4】図3のエアフィルタ用濾材の部分拡大断面模型
図。
【符号の説明】
1・・・メルトブロー不織布 2・・・凹部 3・・・凸部 4・・・支持用濾材 5・・・結合部 6・・・空間

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均繊維径0.5〜50μmの繊維から
    構成され、気体流入側表面に凹凸差が0.1〜1.0m
    mの凹凸が形成されており、該凹部と凸部における構造
    が実質的に均質であるメルトブロー不織布のみからなる
    ことを特徴とするエアフィルタ用濾材。
  2. 【請求項2】 メルトブロー不織布がエレクトレット化
    されていることを特徴とする請求項1に記載のエアフィ
    ルタ用濾材。
  3. 【請求項3】 平均繊維径0.5〜50μmの繊維から
    構成され、気体流入側表面に凹凸差が0.1〜1.0m
    mの凹凸が形成されており、該凹部と凸部における構造
    が実質的に均質であるメルトブロー不織布と、該メルト
    ブロー不織布の上流側に配置された該メルトブロー不織
    布よりも初期圧力損失の小さい支持用濾材とが、部分的
    に結合されることにより、層間に空間を内包して積層さ
    れていることを特徴とするエアフィルタ用濾材。
  4. 【請求項4】 プリーツ加工が施されていることを特徴
    とする請求項3に記載のエアフィルタ用濾材。
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