JPH1071312A - フィルター素材及びその製造方法並びに該フィルター素材を用いたフィルター装置 - Google Patents

フィルター素材及びその製造方法並びに該フィルター素材を用いたフィルター装置

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JPH1071312A
JPH1071312A JP8248843A JP24884396A JPH1071312A JP H1071312 A JPH1071312 A JP H1071312A JP 8248843 A JP8248843 A JP 8248843A JP 24884396 A JP24884396 A JP 24884396A JP H1071312 A JPH1071312 A JP H1071312A
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fiber
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Shinichi Ogawa
信一 小川
Nobuhiro Maeda
伸広 前田
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Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高性能なフィルターを安価に提供する。 【解決手段】 繊維状や板状などのフィルター基材の表
面に突起を形成した全く新しいタイプのフィルター素材
を用い、このフィルター素材を束ねたり積層したりする
ことで、フィルターを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体や液体などの
流体に含まれる粒子などの捕獲対象物を捕獲、除去する
ためのフィルターにおけるフィルター素材及びその製造
方法並びにこのフィルター素材を用いたフィルター装置
等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、気体や液体をフィルターを通して
浄化する場合、一般的に次に示す三つのタイプのフィル
ターが使用されている。
【0003】第一のタイプのフィルターは、短繊維ファ
イバーを使用したフィルター(以下、短繊維フィルター
という)であり、短繊維ファイバーをフィルターを形成
する空間に充填したフィルターである。
【0004】第二のタイプのフィルターは、長繊維ファ
イバーを使用したフィルター(以下、長繊維フィルター
という)であり、長繊維ファイバーを紡織し布状とした
ものをフィルター基材として用いたフィルターである。
【0005】第三のタイプのフィルターは、粒状物(多
孔体含む)を用いたフィルターであり、粒状物を成形し
たものを焼結して多孔質体とたり、あるいは粒状物をフ
ィルターを形成する空間に充填した、フィルターであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のタイプのフィルターは、いずれも次に示す問題
を有しており、高性能なフィルターを安価に提供するこ
とは困難であった。
【0007】まず、 第一のタイプの短繊維フィルター
にあっては、フィルターの空孔(メッシュ)の調整を主
としてファイバーの充填密度を変えることによって行っ
ているが、場所による密度差ができやすく、メッシュの
正確な制御が困難であり、流体を通した場合メッシュの
形状が変化するなどの問題がある。したがって、高性能
なフィルターを得ることが困難であるという問題があ
る。
【0008】また、 第二のタイプの長繊維フィルター
にあっては、長繊維ファイバーを織って布状にするとい
う複雑な工程が必要であり、コスト高になるという問題
がある。加えて、紡織可能なファイバー径に限界があ
り、実現可能なメッシュが制限されるため、高性能なフ
ィルターを得ることが困難であるという問題もある。
【0009】さらに、第三のタイプの粒状物(多孔体含
む)を用いたフィルターにあっては、粒状物をフィルタ
ーを形成する空間に充填してフィルターとしたものであ
るが、フィルターとして機能させるためには粒状物の量
が相当量必要であり、大きな空間を必要とし、コスト高
になるという問題がある。また、第三のタイプのフィル
ターでは、粒状物を焼結などの方法によって成形し多孔
質状としたものをフィルターとして使用する場合もある
が、粒状物の量が相当量必要であり、大きな空間を必要
とし、コスト高になるという上記と同様の問題に加え、
成形にコストがかかるためさらにコスト高になるという
問題がある。
【0010】本発明は上述した問題点にかんがみてなさ
れたものであり、高性能なフィルターを安価に提供する
ことを可能とするための、フィルター素材及びその製造
方法並びにこのフィルター素材を用いたフィルター装置
等の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者らは鋭意開発を進めた結果、繊維状や板状な
どのフィルター基材の表面に突起を形成した全く新しい
タイプのフィルター素材を用い、このフィルター素材を
束ねたり積層したりすることで、高性能なフィルターを
安価に提供できることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0012】すなわち、本発明のフィルター素材は、フ
ィルター基材の表面に突起を形成した構成としてある。
【0013】また、本発明のフィルター素材の製造方法
は、フィルター基材の表面に突起を形成する構成として
ある。
【0014】さらに、本発明のフィルター素材の製造方
法は、上記本発明のフィルター素材の製造方法におい
て、フィルター基材の表面に粒子を固着させて突起を形
成する構成、フィルター基材の表面に金型を用いて突起
を形成する構成、あるいは、フィルター基材原料に粒子
を混合し、これを成形してフィルター素材の表面に突起
を形成する構成としてある。
【0015】また、本発明のフィルター装置は、表面に
突起を形成したフィルター素材を用いた構成としてあ
る。
【0016】さらに、本発明のフィルター装置は、表面
に突起を形成したフィルター素材を用い、該フィルター
素材の一部又は全面に触媒又は表面反応を促進する物質
を坦持させた構成、あるいは、表面に突起を形成した導
光性を有するフィルター素材を用い、該フィルター素材
の一部又は全面に光触媒を坦持させ、フィルター素材に
入射した光をフィルター素材内部を介して導き光触媒に
照射する構成としてある。
【0017】
【作用】本発明によれば、突起の大きさや突起の分布密
度を変えることで、空孔度(メッシュ)を容易かつ高精
度に制御可能である。また、突起を形成したフィルター
素材を単に束ねたり積層したりするだけでフィルターを
得ることができる。したがって、従来にない高性能なフ
ィルターを安価に得ることが可能となった。
【0018】また、フィルター素材表面に形成した突起
によって空孔を得ているので、流体を通しても空孔が変
化せず、空孔度を長期に渡って維持できる。したがっ
て、フィルターとしての性能を長期に渡って維持するこ
とが可能となった。
【0019】さらに、本発明では、基本的には紡織工程
を必要としないので、従来長繊維フィルターとしての使
用が困難であったファイバー径の長繊維ファイバーであ
っても、フィルター素材として使用することができる。
【0020】また、フィルター素材の表面に突起を形成
してあるので、突起のない場合に比べ、表面積が増大
し、表面反応を利用して流体の浄化を行う作用を有する
フィルターにおける効率の向上を図ることができる。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】まず、本発明のフィルター素材について説
明する。
【0023】本発明のフィルター素材は、フィルター基
材の表面に突起を形成したことを特徴とする。
【0024】ここで、フィルター基材の形状、材質等は
特に制限されず、公知の各種フィルター基材を使用でき
る。
【0025】フィルター基材の形状としては、例えば、
繊維状、板状、ロッド状、ビーズ状、布状、粒状物(多
孔体含む)状などの公知の形状が挙げられる。なお、フ
ィルター素材を単に束ねたり積層したりするだけでフィ
ルターを安価に得ることができるという観点からは、繊
維状、あるいは板状が好ましい。
【0026】フィルター基材の材質としては、例えば、
セラミックス、ガラス、ガラスセラミックス、金属、
金属メッシュ、樹脂、プラスチックス、結晶などが挙げ
られる。
【0027】フィルター基材の表面に形成する突起の形
状、材質は特に制限されず、各種材料、形状とすること
ができる。
【0028】突起の形状としては、例えば、球状、不定
形、棒状、鱗片状、繊維状、多孔体などが挙げられる。
【0029】突起の材質としては、例えば、 セラミッ
クス、ガラス、ガラスセラミックス、金属、樹脂、結晶
(例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア、ムライ
ト、コーディライト、マグネシア、チタン酸バリウムな
ど)、粒子(例えば、ガラス質、結晶質の粒子など)等
が挙げられる。なお、フィルター基材とその表面に形成
する突起の材質は、同一であってもよく、異種の材料と
してもよい。
【0030】突起の形成方法は特に制限されない。突起
の形成方法についは後述する。
【0031】突起の分布密度は特に制限されず、空孔度
(メッシュ)や、圧力損失、流体の圧力及び量、基材の
強度、径及び厚み、捕集率などを考慮して、必要に応
じ、適宜設計される。
【0032】次に、本発明のフィルター素材の製造方法
について説明する。
【0033】本発明のフィルター素材の製造方法は、フ
ィルター基材の表面に突起を形成することを特徴とす
る。
【0034】表面に突起を形成する技術としては、各種
分野で各種技術が知られており、これらを利用すること
ができる。
【0035】以下に、突起の形成方法の態様を例示す
る。
【0036】第一の態様は、フィルター基材の表面に粒
子を固着させて突起を形成する方法であり、次の各種態
様が含まれる。 (1)バインダー成分に、粒子を混合、分散又は懸濁さ
せて作製した塗布液をフィルター基材の表面に塗布する
方法。 (2)フィルター基材の表面にバインダー成分を塗布
し、バインダー成分が固化する前に粒子を付着させる方
法。 (3)フィルター基材と粒子を熱融着する方法。この場
合、両者を共に加熱してもよく、熱したフィルター基材
の表面に粒子を散布してもよく、あるいは、フィルター
基材の表面に熱した粒子又は溶融した粒子を散布しても
よい。 (4)フィルター基材の表面に、固化後に粒子を形成す
る液体を散布又は噴霧し、固化する方法。 (5)フィルター基材の表面を試薬等で変質させた後、
粒子を付着させ、固化する方法。具体的には、例えば、
アクリルなどの有機樹脂の表面を有機溶媒(溶剤)で溶
かした後、粒子を付着させ、固化する方法が挙げられ
る。
【0037】第二の態様は、フィルター基材の表面自体
に突起を形成する方法であり、次の各種態様が含まれ
る。 (1)金型を用い、成形によってフィルター基材の表面
に突起を形成する方法。 (2)フィルター基材の表面に金型の形状を転写して突
起を形成する方法。 (3)フィルター基材の表面を蝕刻して、突起を形成す
る方法。なお、この方法では公知のリソグラフィー技術
を利用してサブミクロンオーダーの規則正しい任意の配
列及び分布密度の突起を形成でき、超精密フルターを作
製できる。
【0038】第三の態様は、フィルター基材原料に粒子
を混合し、これを成形してフィルター素材の表面に突起
を形成する方法である。
【0039】次に、本発明のフィルター装置について説
明する。
【0040】本発明のフィルター装置は、表面に突起を
形成したフィルター素材を用いたことを特徴とする。
【0041】表面に突起を形成したフィルター素材につ
いては上述したので説明を省略する。
【0042】フィルター素材を用いてフィルターを構成
するには、フィルターの素材形状等に応じた公知のフィ
ルター構成態様を利用できる。
【0043】なお、表面に突起を形成したファイバーを
フィルター素材として用いてフィルターを構成する場合
には、単に、複数のファイバーをほぼ同一方向に束ねて
固定するだけで、所要の隙間(メッシュ)を持ったフィ
ルターを形成できる。メッシュの粗さは、突起の大き
さ、間隔、分布密度等によって任意に変えることができ
る。
【0044】図1(a)及び(b)にその具体例を示
す。同図に示すフィルター装置は、ハウジング1と、フ
ァイバー2を束ねたフィルターとで構成されている。
【0045】ハウジング1は、外枠3と、入側及び出側
の通気面を構成する粗い網目構造を持つ通気部材4とで
構成され、ハウジング1の内側にはファイバー2がほぼ
平行に均一に配列されており、両側の通気部材4で押さ
えつけられて固定されている。
【0046】ファイバー2は、表面に間欠的に所要の寸
法の突起を形成した長繊維ファイバーであり、メッシュ
の粗さはファイバーに付ける突起の大きさにより任意に
変えることができる。例えば、直径5μmのファイバー
に粒径1μmの突起を形成したフィルター素材を用いる
と、サブミクロンオーダーの粒子を捕獲できる。
【0047】なお、ファイバー表面の突起が全て同等の
大きさの場合、捕集効率は入側の面で高くなって捕集効
率が悪いが、突起の大きさを入側の面では大きく、出側
の面に向かうにつれて小さくすることにより捕集密度が
分散され、捕集効率及びフィルターの寿命を上げること
ができる。
【0048】表面に突起を形成した基板をフィルター素
材として用いてフィルターを構成する場合には、単に、
複数の基板を積層して固定するだけで、所要の隙間(メ
ッシュ)を持ったフィルターを形成できる。この場合
も、メッシュの粗さは、突起の大きさ、間隔、分布密度
や基板の間隔等によって任意に変えることができる。
【0049】本発明のフィルター装置を構成するフィル
ター素材の表面には、触媒(表面反応促進物質を含む)
を坦持させることもできる。
【0050】この場合、本発明では、フィルター素材の
表面に突起を形成してあるので、突起のない場合に比
べ、表面積が増大し、表面反応を利用して流体の浄化を
行う作用を有するフィルターにおける効率の向上を図る
ことができる。ここで、触媒(表面反応促進物質を含
む)は特に制限されず、流体の浄化作用を有する物質を
使用できる。
【0051】本発明では、フィルター素材を光触媒を活
性状態にするために必要な波長の光を導く導光体とし、
フィルター素材の表面に光触媒を坦持させて、導光体に
よって導かれた光が導光体表面より出て、光触媒に到達
するようにした光触媒フィルター装置とすることもでき
る。
【0052】このとき、フィルター素材の表面の突起
を、光触媒作用を有する粒子で形成することもできる
し、さらに突起を含めたフィルター素材の全表面を光触
媒作用を有する被膜で覆うこともできる。また、透明粒
子、不透明粒子又は光触媒の粒子で突起を形成したフィ
ルター素材の全表面を光触媒作用を有する被膜で覆うこ
ともできる。
【0053】導光体材料としては、例えば、ガラス、セ
ラミックス、プラスチックス、結晶などが挙げられる。
これらの材料は一種単独で用いてもよく、二種以上の材
料を混合あるいは複合(例えば、接合など)して用いて
もよい。
【0054】導光体の形状としては、例えば、ファイバ
ー状、ハニカム状、網目状、布状、層状、綿状などが挙
げられる。これらの形状は一種単独で用いてもよく、二
種以上の形状を複合(例えば、接合など)して用いても
よい。
【0055】光触媒としては、例えば、チタン酸化物又
はその化合物、鉄酸化物又はその化合物、亜鉛酸化物又
はその化合物、ルテニウム酸化物又はその化合物、セリ
ウム酸化物又はその化合物、タングステン酸化物又はそ
の化合物、モリブデン酸化物又はその化合物、カドミウ
ム酸化物又はその化合物、ストロンチウム酸化物又はそ
の化合物などが挙げられる。これらの光触媒は一種単独
で用いてもよく、二種以上の光触媒を混合あるいは併用
(例えば、併存など)して用いてもよい。
【0056】光触媒の坦持方法としては、例えば、ゾル
ゲル法、パエロゾル法、ウオッシュ・コート法、蒸着
法、スパッタ法、熱分解法、金属酸化法などが挙げられ
る。膜厚は、例えば、1nm〜1mm程度とする。
【0057】光触媒には、触媒活性層増強、密着強度増
強、安定性増強、光反応増強又は吸着性増強などの作用
のある物質を添加物として加えたり、それらの物質を触
媒層のアンダーコート層として使用できる。このような
物質としては、例えば、Cr、Ag、Cu、Au、P
t、Ru、Pd、Rh、Sn、Si、In、Pb、A
s、Sb、Pなどの金属、又はそれらの酸化物もしくは
化合物等が挙げられる。
【0058】光触媒に照射される光は、光触媒の種類に
応じて波長や強度等を適宜選択できる。例えば、光触媒
がTiO2である場合にあっては、これを励起できる2
00〜500nmの紫外線が好ましい。光源としては、
水銀ランプ、水銀−キセノンランプ等が使用できる。
【0059】なお、光触媒と導光体材料の選択は両者の
屈折率を考慮するとよい。これは、光をコアに閉じ込め
る光ファイバーと異なり、被覆材である光触媒側に光を
漏出させる必要があるためであり、導光体材料と比べ屈
折率の大きな光触媒を選ぶとよい。
【0060】また、コアの外周にクラッドを設けた光フ
ァイバーを利用し、クラッドを欠いたコア露出部を形成
して、そのコア露出部にコアよりも高い屈折率を持つ光
触媒を坦持させることもできる。
【0061】上述した光触媒フィルター装置は、ディー
ゼルエンジンの排気ガス中に含まれる黒煙、未燃炭化水
素及び潤滑油からなる固体粒状物(パーティキュレー
ト)を除去するためのディーゼルパーティキュレートフ
ィルター(DPF)、ガス処理フィルター(例えば、ク
リーンルーム用のエアフィルター、空気清浄機)、液体
処理フィルター(例えば、水や海水浄化用フィルター)
などとして好適に使用できる。
【0062】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明をさらに詳細
に説明する。
【0063】実施例1 平均粒径5μmのシリカガラスフィラーを、シリコンテ
トラエトキシドを加水分解して作製したゾル溶液に懸濁
させて、コート液を作製した。このコート液を、直径1
25μmφのガラスファイバーにディッピング法によっ
て塗布した後、450℃で1時間熱処理した。
【0064】得られたファイバーの表面には粒子が多数
付着しており、凹凸状の表面を持ったファイバーを得る
ことができた。なお、表面に付着した粒子はファイバー
を強く擦っても離脱することがなかった。
【0065】実施例2 平均粒径2μmのムライト粒子を、チタニウムテトラブ
トキシドを加水分解して作製したゾル溶液に懸濁させ
て、コート液を作製した。このコート液を、直径250
μmφのステンレス製ファイバーにディッピング法によ
って塗布した後、400℃で1時間熱処理した。
【0066】得られたファイバーの表面には粒子が多数
付着しており、凹凸状の表面を持ったファイバーを得る
ことができた。なお、表面に付着した粒子はファイバー
を強く擦っても離脱することがなかった。
【0067】実施例3 板状のアルミナ基板の表面にスクリーン印刷によって紫
外線硬化樹脂を印刷した。紫外線硬化樹脂を印刷した部
分に、平均粒径0.1mmのソーダライムガラス製ビー
ズを散布した後、紫外線を照射して樹脂を硬化させた。
【0068】得られたアルミナ基板の表面には粒子が多
数付着しており、凹凸状の表面を持った基板を得ること
ができた。なお、基板表面に付着した粒子は基板を強く
擦っても離脱することがなかった。
【0069】実施例4 板状のポリエチレン基板の表面に、加熱した平均粒径
0.1mmのステンレス製粒子を散布した。
【0070】熱せられたステンレス粒子は基板表面を溶
かすことにより固着しており、この粒子は基板表面を強
く擦っても離脱することがなかった。
【0071】実施例5 板状のアルミナ基板の表面に、熱硬化型エポキシ樹脂を
噴霧した後、加熱してエポキシ樹脂を硬化させた。
【0072】得られたアルミナ基板の表面には、エポキ
シ樹脂による0.2mmφの凸状の突起が多数認められ
た。この突起は基板表面を強く擦っても離脱することが
なかった。
【0073】実施例6 アセトンを噴霧して表面を溶解させたアクリル基板表面
に、平均粒径50μmのソーダライムガラス製ビーズを
散布した後、乾燥させた。
【0074】得られた基板の表面にはガラスビーズが多
数固着しており、表面に凸状の突起を持った基板を得る
ことができた。この突起は基板表面を強く擦っても離脱
することがなかった。
【0075】実施例7 直径0.5mm、深さ0.25mmの半球状の窪みを2
mmの間隔で縦横に配列してなる金型に、熱硬化型エポ
キシ樹脂を流し込み、加熱して硬化させた。
【0076】その結果、基板表面に多数の凸状の突起を
持った基板を得ることができた。
【0077】実施例8 平均粒径7.5μmのシリカガラスビーズを、水の少な
い条件でシリコンテトラエトキシドを加水分解して作製
した加水分解液に懸濁させた。得られたゾル液を加熱す
ることにより重縮合反応を促進し、ゾル液を紡糸可能な
粘度とした。そのゾル液から繊維を紡糸した後、800
℃で1時間加熱処理した。
【0078】得られた繊維の表面にはシリカガラスビー
ズに基づく突起が多数形成されており、凹凸状の表面を
持った繊維を得ることができた。繊維の平均径は100
μmであった。
【0079】実施例9 実施例1で作製したファイバーを用い、図2(a)及び
(b)に示すように、ファイバー2を平行に束ねて両側
から金網5で固定した構造のフィルター作製した。
【0080】得られたフィルターは、同等の空孔度を持
つ短繊維フィルターに比べ、捕集効率が高く、長期間に
渡って性能を維持することができた。
【0081】実施例10 実施例3で作製した基板を用い、図3(a)〜(c)に
示すように、表面にビーズによる突起6を形成したアル
ミナ基板7(図3(c))を平行に積層(図3(b))
した構造のフィルターを作製した。
【0082】得られたフィルターは、捕捉可能な粒径が
小さく高精度で、捕集効率が高く、長期間に渡って性能
を維持することができた。
【0083】実施例11 実施例1で作製したファイバーに光触媒(TiO2)を
坦持させた後、これを、図4(a)に示すように、所定
長さに切り揃え、すだれ状に並べて、一端で保持し、保
持側から各ファイバーに光を入射する構造の基本ユニッ
トを作製し、この基本ユニットを、図4(b)に示すよ
うに90°の角度で交差させてなる、すだれ格子状のデ
ィーゼルパーティキュレートフィルター(DPF)を作
製した。
【0084】上記DPFは、突起が形成されたファイバ
ーを用いているので、突起を形成しない場合に比べ、触
媒機能が高く捕集効率が高かった。
【0085】以上好ましい実施例をあげて本発明を説明
したが、本発明は上記実施例に限定されるものではな
い。
【0086】例えば、各図面は説明の便宜上概念的に描
いたものであり、ファイバーの径や充填密度等は図示の
態様に限定されない。
【0087】また、突起のサイズや材質については、実
施例のものに限定されない。
【0088】さらに、従来技術で説明した従来の三つの
タイプのフィルター基材に突起を形成した態様であって
も、突起に基づく本発明の作用効果を発揮できる。
【0089】また、本発明のフィルター素材は、液晶用
の拡散板(散乱板)、曇りガラスなどの用途にも使用で
きる。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、突
起の大きさや突起の分布密度を変えることで、空孔度
(メッシュ)を容易かつ高精度に制御可能である。ま
た、突起を形成したフィルター素材を単に束ねたり積層
したりするだけでフィルターを得ることができる。した
がって、従来にない高性能なフィルターを安価に得るこ
とが可能となった。
【0091】また、フィルター素材表面に形成した突起
によって空孔を得ているので、流体を通しても空孔が変
化せず、空孔度を長期に渡って維持できる。したがっ
て、フィルターとしての性能を長期に渡って維持するこ
とが可能となった。
【0092】さらに、本発明では、基本的には紡織工程
を必要としないので、従来長繊維フィルターとしての使
用が困難であったファイバー径の長繊維ファイバーであ
っても、フィルター素材として使用することができる。
【0093】また、フィルター素材の表面に突起を形成
してあるので、突起のない場合に比べ、表面積が増大
し、表面反応を利用して流体の浄化を行う作用を有する
フィルターにおける効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るフィルター装置を示す
図であり、図(a)は正面図、図(b)は図(a)の縦
断面図である。
【図2】本発明の他の実施例に係るフィルター装置を示
す図であり、図(a)は斜視図、図(b)は図(a)の
縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施例に係るフィルター装置を示
す図であり、図(a)は平面図、図(b)は図(a)の
横断面図、図(c)は基板の平面図である。
【図4】本発明の他の実施例に係るフィルター装置(D
PF)を示す図であり、図(a)は基本ユニットの斜視
図、図(b)は基本ユニットを組み合わせた状態を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 ファイバー 3 通気部材 4 外枠 5 金網 6 突起 7 アルミナ基板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルター基材の表面に突起を形成した
    ことを特徴とするフィルター素材。
  2. 【請求項2】 フィルター基材の表面に突起を形成する
    ことを特徴とするフィルター素材の製造方法。
  3. 【請求項3】 フィルター基材の表面に粒子を固着させ
    て突起を形成することを特徴とする請求項2記載のフィ
    ルター素材の製造方法。
  4. 【請求項4】 フィルター基材の表面に金型を用いて突
    起を形成することを特徴とする請求項2又は3記載のフ
    ィルター素材の製造方法。
  5. 【請求項5】 フィルター基材原料に粒子を混合し、こ
    れを成形してフィルター素材の表面に突起を形成するこ
    とを特徴とする請求項2記載のフィルター素材の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 表面に突起を形成したフィルター素材を
    用いたことを特徴とするフィルター装置。
  7. 【請求項7】 表面に突起を形成したフィルター素材を
    用い、該フィルター素材の一部又は全面に触媒又は表面
    反応を促進する物質を坦持させたことを特徴とするフィ
    ルター装置。
  8. 【請求項8】 表面に突起を形成した導光性を有するフ
    ィルター素材を用い、該フィルター素材の一部又は全面
    に光触媒を坦持させ、フィルター素材に入射した光をフ
    ィルター素材内部を介して導き光触媒に照射することを
    特徴とするフィルター装置。
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