JP3516208B2 - テキスト編集処理装置および編集処理方法 - Google Patents

テキスト編集処理装置および編集処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ソースプログラムなど
のテキストを履歴ファイルで保存し,その履歴ファイル
を更新するテキスト編集処理装置および編集処理方法に
関する。
【0002】ソースプログラムなどの世代管理を,少な
い記憶領域で効率よく行うために,各履歴レベル毎の修
正情報からなる履歴ファイルによって,テキストを管理
することが行われている。このようなファイルを更新す
る場合,通常の形式でテキストデータが格納されている
ファイルの更新より時間がかかるため,その高速化技術
が必要とされる。
【0003】
【従来の技術】図4は従来技術の説明図である。テキス
トデータを履歴データで管理する履歴ファイル41は,
修正前の初期データと,各修正毎に蓄積した修正内容の
履歴データからなる。例えばnレベルまでの更新があっ
たとすると,この履歴ファイル41から,最新のテキス
トファイルを復元するには,初期データに対し1レベル
目の修正を加え,次に2レベル目の修正を加え,……と
いうように,初期データから順次nレベル目までの修正
を施す。この履歴ファイル41の更新は,次のように行
う。
【0004】 編集開始では,編集する履歴ファイル
41が指定される。 テキスト編集処理装置40は,テキストの編集要求
があると,指定された履歴ファイル41を読み込み,テ
キスト展開を行って,2つの通常ファイル42,43に
複写する。
【0005】 通常ファイル43をテキスト編集(エ
ディタ)処理装置40で編集し,結果を通常ファイル4
3に格納する。 編集終了が指示されたならば,編集前の通常ファイ
ル42と編集後の通常ファイル43を読み込み,1レコ
ード(テキスト1行)ずつ比較して,違っている部分を
履歴データとして抽出する。
【0006】 抽出した履歴データを,(n+1)レ
ベル目の修正データとして履歴ファイル41に反映す
る。 例えば,図4の(ロ)に示すような変更前の通常ファイ
ル42の内容に対し,編集処理により,1レコード目の
更新および3レコード目へのレコードの挿入を行って,
結果が変更後の通常ファイル43のようになったとす
る。履歴ファイル41への反映では,変更前の通常ファ
イル42と変更後の通常ファイル43を1レコード(テ
キスト1行)ずつ比較することにより,図4(ロ)に示
す履歴データ44を作成する。履歴データ44は,更新
されたレコード,挿入されたレコードまたは削除された
レコードを示す。なお,この例では,更新を“削除”と
“挿入”の2レコードで記録している。この履歴データ
44を(イ)に示す履歴ファイル41に格納する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】テキスト編集(エディ
タ)により更新した内容を,履歴ファイルに格納する場
合,変更された履歴データだけを履歴ファイルに反映す
る必要がある。この履歴データを抽出する際,従来技術
では,図4に示すように,変更前と変更後の2つのファ
イル42,43を比較して,履歴データ44を抽出して
いるため,格納時の処理時間が長くかかり,またファイ
ルの記憶領域を多く費やすという問題があった。
【0008】すなわち,編集開始後,指定された履歴フ
ァイルについて指定レベルまでのテキスト復元を行い,
復元した内容を2つの通常ファイルに複写するため,そ
の格納媒体であるディスク容量に無駄が生じ,さらに変
更前と変更後の内容を1レコード(テキスト1行)ずつ
比較するため,編集終了時における履歴ファイルへの格
納時間が長くかかるという問題があった。
【0009】本発明は上記問題点の解決を図り,編集時
におけるディスク容量の削減と,編集後の履歴ファイル
格納時における処理時間の短縮を可能とすることを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明
図である。図1において,10はCPUおよびメモリな
どからなるテキスト編集処理装置,11はディスプレイ
・キーボードなどの入出力装置,12はテキスト編集処
理部,13は履歴ファイル格納処理部,14はメモリ上
のテキスト展開領域,15はテキストデータを編集結果
の履歴データにより保存する履歴ファイル,15’は編
集結果が格納された新履歴ファイル,16は履歴ファイ
ル15をもとに指定レベルまで復元された編集対象とな
るテキストデータを記憶する通常ファイルを表す。
【0011】テキスト編集処理部12は,テキストデー
タの編集要求があると,履歴ファイル15をもとにし
て,指定された履歴レベルの通常ファイル形式によるテ
キストデータを展開し,入出力装置11からの入力によ
り,テキストを編集する。修正されたテキストデータが
あると,通常ファイル16と同じ内容を持つメモリ上の
テキスト展開領域14に,修正内容を示す履歴情報を1
レコード毎またはテキスト1行毎に記録する。
【0012】編集終了の際に,履歴ファイル格納処理部
13は,テキスト展開領域14から履歴情報が設定され
ているレコードまたはテキストを抽出し,履歴ファイル
15に反映して,新履歴ファイル15’とする。
【0013】
【作用】本発明では,テキスト編集処理部12により,
1レコード毎(テキスト1行毎)に履歴情報を記録し,
履歴ファイル格納処理部13によって,その履歴情報が
設定されているレコード(テキスト)を履歴ファイル1
5に反映するので,変更前のデータと変更後のデータと
を1レコード(テキスト1行)ずつ比較する必要がな
く,編集終了時の履歴ファイル15の格納処理を高速化
することができる。また,通常ファイル16として変更
前のものと変更後のものを2つ用意する必要がないの
で,必要となる記憶装置の容量を削減することができ
る。
【0014】
【実施例】図2は本発明の実施例説明図である。図2に
示すテキスト編集処理装置10において,20は全体の
制御を行う主制御部,21はキーボード25等から編集
コマンドや編集サブコマンドを入力するコマンド処理
部,22はテキストをディスプレイ26に表示する制御
を行う画面制御部,23は編集対象となるテキストを管
理するテキスト管理部,24はファイルへの入出力を行
うファイル管理部である。本発明は,主にテキスト管理
部23およびファイル管理部24に関連している。
【0015】テキスト管理部23は,テキストの編集の
ために,メモリ上のテキスト展開領域14にテキストを
展開する際に,各レコードに対し,履歴情報を付加す
る。この履歴情報は,“未更新(ブランク)”,“挿入
(I)”,“削除(D)”のいずれかを示す。“更新”
は,“削除(D)”と“挿入(I)”の2レコードで記
録する。
【0016】履歴ファイル15を更新する場合,ファイ
ル管理部24は,テキスト展開領域14の履歴情報を参
照し,“挿入(I)”と“削除(D)”が設定されてい
るレコードを取り出す。これにより,図2に示す履歴デ
ータ27が取り出される。これを履歴ファイル15に反
映する。
【0017】図3は本発明の実施例処理フローチャート
を示す。以下,図3に示す処理〜に従って説明す
る。 編集開始の指示があると,指定された履歴ファイル
15から履歴データを読み込む。
【0018】 読み込んだ履歴データをもとに,指定
された履歴レベル(指定がない場合,最新レベル)まで
のテキストデータの復元を行い,メモリに展開する。な
お,必要に応じて,展開したテキストデータを通常ファ
イルとしてディスク装置などの記憶媒体に書き出す。
【0019】 従来と同様にエディタの機能により,
編集サブコマンドに応じたテキスト編集処理を行う。 編集終了の指示があったならば,処理へ移る。
【0020】 テキストデータの修正があったなら
ば,処理へ進む。 レコードの更新,挿入または削除があったならば,
図2に示すテキスト展開領域14に,その履歴情報およ
びテキスト情報の修正情報を格納する。その後,編集終
了の指示があるまで,処理以下を繰り返す。
【0021】 編集終了の指示があった場合,メモリ
内のテキスト展開領域14から履歴情報が設定されてい
るレコードを取り出し,図2に示す履歴データ27を作
成する。
【0022】 履歴データ27を履歴ファイル15に
格納し,編集処理を終了する。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
編集が終了し履歴データを作成する際に,編集前の通常
ファイルの内容と編集後の通常ファイルの内容とを比較
する必要がないので,履歴ファイル格納時の処理時間を
短縮することができるようになる。また,編集前の通常
ファイルを,編集の終了まで保存する必要がないので,
編集時のディスク容量を削減することができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の実施例説明図である。
【図3】本発明の実施例処理フローチャートである。
【図4】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
10 テキスト編集処理装置 11 入出力装置 12 テキスト編集処理部 13 履歴ファイル格納処理部 14 テキスト展開領域 15 履歴ファイル 15’ 新履歴ファイル 16 通常ファイル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−310439(JP,A) 特開 昭63−244135(JP,A) 特開 昭62−194542(JP,A) 実開 平1−111345(JP,U) 金崎克己「SCCSによるバージョン 管理」インターフェースNo.114 (1986−11),p.302−308,昭和61年 11月1日,CQ出版社 窪田和枝「Unixにおけるソフトウ ェア開発環境 HP Soft Ben chを例にして」インターフェースN o.162(1990−11),p.202−206, 平成2年11月1日,CQ出版社 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 9/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テキストデータを編集結果の複数の履歴
    レベルに応じた履歴データにより保存する履歴ファイル
    (15)を備え,テキストデータの編集要求があったとき
    に,履歴ファイル(15)をもとにして,指定された履歴レ
    ベルの通常ファイル形式によるテキストデータを展開
    し,編集を行うテキスト編集処理装置(10)において, テキストデータの修正の際に,1レコード毎またはテキ
    スト1行毎に修正内容を示す履歴情報を,そのときに修
    正されたレコードまたはテキストに対してのみメモリ上
    のテキスト展開領域において記録するテキスト編集処理
    手段(12)と, 編集結果の格納の際に,前記テキスト編集処理手段(12)
    によって記録された履歴情報が設定されているレコード
    またはテキストのみを抽出し,新しい履歴レベルの履歴
    データとして履歴ファイル(15)に格納する履歴ファイル
    格納処理手段(13)とを備えたことを特徴とするテキスト
    編集処理装置。
  2. 【請求項2】 テキストデータを編集結果の複数の履歴
    レベルに応じた履歴データにより保存する履歴ファイル
    (15)を更新するテキスト編集処理方法において, 編集開始時に,指定された履歴ファイル(15)をもとにし
    て,指定された履歴レベルの通常ファイル形式によるテ
    キストデータを展開する処理過程と, テキスト編集時に,修正されたテキストデータの1レコ
    ード毎またはテキスト1行毎に修正内容を示す履歴情報
    ,そのときに修正されたレコードまたはテキストに対
    してのみメモリ上のテキスト展開領域において記録する
    処理過程と, 編集終了時に,履歴情報が設定されているレコードまた
    はテキストを抽出し,履歴ファイル(15)に反映する処理
    過程とを備えたことを特徴とするテキスト編集処理方
    法。
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