JP3516148B2 - 電子部品へのフラックス侵入防止方法 - Google Patents

電子部品へのフラックス侵入防止方法

Info

Publication number
JP3516148B2
JP3516148B2 JP33540393A JP33540393A JP3516148B2 JP 3516148 B2 JP3516148 B2 JP 3516148B2 JP 33540393 A JP33540393 A JP 33540393A JP 33540393 A JP33540393 A JP 33540393A JP 3516148 B2 JP3516148 B2 JP 3516148B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylate
meth
fluorine
flux
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33540393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07201501A (ja
Inventor
一義 田中
豊 橋本
政之 亀井
▲ひとし▼ 井筒
喜郎 吉田
久義 浅井
正人 會田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP33540393A priority Critical patent/JP3516148B2/ja
Publication of JPH07201501A publication Critical patent/JPH07201501A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3516148B2 publication Critical patent/JP3516148B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Details Of Resistors (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品に使用する成
形樹脂の表面を改質することによる、半田付け工程での
電子部品内部へのフラックス侵入防止方法に関する。
【0002】
【従来技術】TV、VTR等の電子機器の回路部品とし
て、広く合成樹脂等からなるケースに封入された電子素
子から端子が導出されてなる電子部品が使用されてい
る。該電子部品のプリント基板等への取付では、端子部
を半田付けする方法が一般的に行われている。その際、
半田付けに必要なフラックスがケース内部まで侵入し、
電子部品の機能を損なう以下のような問題がある。
【0003】接点部に流入することによる接触障害 駆動メカニズムを固定することによる動作不良 長期的信頼性の低下 フラックスはロジンを中心とした有機物、特に有機酸か
らなっており、半固形あるいは固体状の物である。従っ
てこのようなものが電子部品内部に付着するとのよ
うな障害が生じてくる。更に弱酸とはいえ有機酸が長期
にわたって端子等の金属に付着することによる腐食をは
じめとする電気化学的障害といった面での問題が上が
ってくる。
【0004】1)従来のフラックス侵入防止方法 さて、このような問題があるフラックスの侵入を防止す
るために、電子部品下部を合成樹脂等で図1のように囲
んでしまう方法を従来はとっていた。これにより、フラ
ックスが基板穴から電子部品底面へはいあがることは肯
定しながら電子部品内部へ侵入しないように、即ち電子
部品側面へフラックスが流れ、そこからフラックスがは
い上がることを防ぐために、合成樹脂でふたをしてしま
うものである。図2に電子部品底面部の断面図でのフラ
ックスの流れを示した。
【0005】2)含フッ素重合体入りPPS樹脂 本発明の類似の概念としてポリテトラフルオロエチレン
等の含フッ素重合体入りポリアリーレンスルフィド樹脂
組成物があるが、これはその樹脂表面にフッ素重合体を
配置する事ができないため、事実上フラックスの侵入防
止のための方策としては成り立たない。単にフッ素重合
体が内包されていれば有効というものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のフ
ラックス侵入防止方法では、基板穴から電子部品底面へ
フラックスがはい上がることは肯定しているので、フラ
ックスの浸漬量が多ければ合成樹脂のふたの部分と基板
のすきまからしみだし、電子部品側面を伝って内部へ侵
入してしまう危険性があった。さらに最近の電子部品の
小型化に伴い、合成樹脂のふたの部分のスペースもフラ
ックスの侵入を防ぐほどとれなくなってきている欠点が
あった。
【0007】また、このふた構造はもともと電子部品と
しての本来の機能という面からは不必要なものであり、
ふた構造にかける設計、製造コストが余分にかかるとい
う欠点があった。
【0008】また、従来の含フッ素重合体入りPPS樹
脂では、PPS樹脂表面にフラックス侵入を防止できる
ようにフッ素を配向させられなかった。このことからわ
かるように、単に含フッ素重合体をPPS樹脂に入れる
だけでは、フラックス侵入を防止できなかった。
【0009】本発明はこのような点に鑑みて創案された
もので、上記のような課題のある余分なふた構造を電子
部品につけることなく、新規な発想である電子部品の表
面そのもののフラックスに対する塗れ性を悪くするため
に、特定の含フッ素(メタ)アクリレート共重合体Aを
特殊条件の基に含有し、表面にフッ素を配向させること
ができるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を作成
し、それを用いて電子部品を構成することを特徴とす
る、半田付け工程による電子部品内部へのフラックス侵
入防止方法を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、上
記課題を解決するため鋭意検討したところ、ポリアリ−
レンスルフィド樹脂に或特定の構造の含フッ素共重合体
を添加して電子部品を成形すれば、ハンダ付け工程に於
けるフラックスの侵入防止を効果的且つ簡便に達成でき
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、電子部品用樹脂として、
一般式(A)
【0012】
【化3】
【0013】[但し、Rfは炭素数4〜16のフッ素化
アルキル基であり、Xは2価の連結基で
【0014】
【化4】
【0015】(R’はHまたは炭素数1〜3のアルキル
基)また−(CH22−であり、RはHまたはCH3
である。]と非フッ素系(メタ)アクリレート(B)と
を必須成分としてなる共重合体を含有してなるポリアリ
ーレンスルフィド樹脂組成物を用いることを特徴とする
電子部品のハンダ付け工程に於けるフラックス侵入防止
方法を提供するものである。尚、本発明において、(メ
タ)アクリレ−トとは、アクリレ−ト化合物とメタクリ
レ−ト化合物とを総称するものである。
【0016】本発明に於てポリアリーレンスルフィド樹
脂は未架橋または一部架橋したポリアリーレンスルフィ
ド及びこれらの混合物であって、ASTM法 D−12
38−74(315.5℃、5Kg荷重)で測定したメ
ルトフローレイトが10〜20000g/10分のもの
であり、用途に応じて種々のメルトフローレイトのもの
が使用される。該ポリアリーレンスルフィドは共重合成
分としてメタ結合
【0017】
【化5】
【0018】エーテル結合
【0019】
【化6】
【0020】スルホン結合
【0021】
【化7】
【0022】カルボニル結合
【0023】
【化8】
【0024】ビフェニル結合
【0025】
【化9】
【0026】置換フェニルスルフィド結合
【0027】
【化10】
【0028】ここでRはアルキル、ニトロ、フェニル、
アルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、ハ
ロゲン、グリシジルなどの任意の任意の有機基を示
す。)3官能フェニルスルフィド結合
【0029】
【化11】
【0030】などをランダム又はブロックで含有してい
てもよい。本発明で好ましく用いられる代表的なポリア
リーレンスルフィドとしては、一般式
【0031】
【化12】
【0032】で示される構成単位を60モル%以上含む
公知のポリフェニレンスルフィドが挙げられる。フッ素
系(メタ)アクリレ−ト(A)の具体例としては、以下
の如き化合物が挙げられる。
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】フッ素系(メタ)アクリレ−ト(A)は、
Rf鎖長の異なる2種類以上の化合物の混合物であって
も良く、またRf鎖長以外の部分の構造が異なる2種類
以上の化合物の混合物であっても良い。また更にRf鎖
長がことなり、かつRf鎖長以外の部分の構造が異なる
2種類以上の化合物の混合物であっても良い。尚、本発
明が上記の具体例によって何等限定されるものでないこ
とは勿論である。
【0036】本発明に係るハンダフラックスの侵入防止
性能の観点から、フッ素系(メタ)アクリレ−ト(A)
としては、フッ素化アルキル基の水素原子が全てフッ素
原子に置換されたものが好ましく、またフッ素化アルキ
ル基の炭素数としては6以上のものが好ましく、更に8
以上がより好ましい。
【0037】本発明において非フッ素系(メタ)アクリ
レ−ト(B)としては、エステル部置換基の炭素数が1
以上であれば、何等限定されることはなく、例えば当業
界で既に公知のものの例として、n−プロピル(メタ)
アクリレ−ト、i−プロピル(メタ)アクリレ−ト、n
−ブチル(メタ)アクリレ−ト、i−ブチル(メタ)ア
クリレ−ト、t−ブチル(メタ)アクリレ−ト、ヘキシ
ル(メタ)アクリレ−ト、オクチル(メタ)アクリレ−
ト、デシル(メタ)アクリレ−ト、イソデシル(メタ)
アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、ステア
リル(メタ)アクリレ−ト、そしてイソステアリル(メ
タ)アクリレ−ト等の脂肪族基エステル(メタ)アクリ
レ−ト、グリセロ−ル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒド
ロキシ(メタ)アクリレ−ト、3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレ−ト、グリシジル(メ
タ)アクリレ−ト、アリル(メタ)アクリレ−ト、ブト
キシブトキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ブトキシエ
チレルグリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレ−ト、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、2−メトキシエチル(メタ)
アクリレ−ト、メトキシジエチレングリコ−ル(メタ)
アクリレ−ト、メトキシジプロピレングリコ−ル(メ
タ)アクリレ−ト、ノニルフェノキシポリエチレングリ
コ−ル(メタ)アクリレ−ト、ポリエチングリコ−ル
(メタ)アクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ル(メ
タ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ル−ポリプロ
ピレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メ
タ)アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−
ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレ−ト、ジシク
ロペンテニル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メ
タ)アクリレ−ト、フェニル(メタ)アクリレ−ト、ア
ダマンチル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアダマンチ
ル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。尚、これらの
具体例によって本発明が何等限定されるものでないこと
は勿論である。
【0038】本発明において、アリ−レンスルフィドと
の相溶性、またアリ−レンスルフィドの表面改質による
ハンダフラックスの侵入防止効果の点から、非フッ素系
(メタ)アクリレ−ト(B)としては、エステル部置換
基の炭素数が10〜20のものが好ましい。これらの具
体例としては、以下の如き化合物が挙げられる。
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】尚、本発明が上記具体例によって何等限定
されるものでないことは勿論である。また、非フッ素系
(メタ)アクリレ−ト(B)として、上記具体例以外に
分子中に(メタ)アクリロイル基を2個有する、いわゆ
る多官能(メタ)アクリレ−トを使用することも可能で
ある。
【0042】これらのより具体的な化合物の例として、
以下の如きものが挙げられる。 b-12 ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ
−ト(数平均分子量 150〜1000) b-13 ポリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリ
レ−ト(数平均分子量 200〜1000) b-14 ポリエチレングリコ−ル・ポリプロピレング
リコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト(数平均分子量 350
〜10000) 尚、本発明が上記具体的化合物によって何等限定される
ものでないことは勿論である。
【0043】本発明において、フッ素系(メタ)アクリ
レ−ト(A)と非フッ素系(メタ)アクリレ−ト(B)
との共重合組成比は、特に限定されるものではなく、重
量比で96/4〜5/95であり、好ましくは90/1
0〜30/70であり、より好ましくは90/10〜4
0/60である。尚、非フッ素系(メタ)アクリレ−ト
(B)として多官能(メタ)アクリレ−トを使用する場
合、共重合組成中70重量%を越えて使用することは好
ましくない。70重量%を越えるとポリアリ−レンスル
フィドの表面改質効果が低下し、本発明が目的とするハ
ンダフラックスの侵入防止が有効に発揮されないことに
なる。
【0044】本発明において、含フッ素共重合体の分子
量は、数平均分子量にて3,000〜1000,000
であり、この範囲の中3,000〜100,000が好
ましい。
【0045】また、本発明者等の知見によれば、アリ−
レンスルフィドの表面改質によるハンダフラックスの侵
入防止の観点からは、本発明に係る含フッ素共重合体と
しては、メタクリレ−トモノマ−の共重合体よりも、ア
クリレ−トモノマ−の共重合体が好ましい。より詳細に
記述すれば、含フッ素共重合体中にメタクリレ−トモノ
マ−よりもアクリレ−トモノマ−の共重合割合が増加す
る程、アリ−レンスルフィドの表面改質効果が高くなり
ハンダフラックスの侵入防止性能が向上する。これは、
メタクリレ−ト系重合体に比べアクリレ−ト系重合体の
方が耐熱安定性が高く、アリ−レンスルフィドから成る
電子部品の熱成形工程において分解し難く、またフッ素
化アルキル基の表面配向性が良好で、表面改質効果が高
いためと考えられる。尚、上記の考察は本発明をより良
く理解するための一助となるものであり、該考察によっ
て本発明が何等限定されるものでないことは勿論であ
る。
【0046】本発明に係るフッ素系(メタ)アクリレ−
ト(A)と非フッ素系(メタ)アクリレ−ト(B)とを
重合して成る含フッ素共重合体の製造方法には、何ら制
限はなく、公知の方法、即ちラジカル重合法、カチオン
重合法、アニオン重合法等の重合機構に基づき、溶液重
合法、塊状重合法、更にエマルジョン重合法等によって
製造できるが、特にラジカル重合法が簡便であり、工業
的に好ましい。この場合重合開始剤としては、当業界公
知のものを使用することができ、例えば過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ジアシル等の過酸化物、アゾビスイソブチロ
ニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ化
合物、Mn(acac)3 等の金属キレート化合物等が挙げら
れ、必要に応じてラウリルメルカプタン、2−メルカプ
トエタノ−ル、エチルチオグリコ−ル酸、オクチルチオ
グリコ−ル酸等の連鎖移動剤や、更にγ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン等のカップリング基含有チオ
−ル化合物を連鎖移動剤を併用することが可能である。
また光増感剤や光開始剤の存在下での光重合、あるいは
放射線や熱をエネルギー源とする重合によっても本発明
に係る含フッ素共重合体を得ることができる。
【0047】重合は、溶剤の存在下又は非存在下のいず
れでも実施できるが、作業性の点から溶剤存在下の場合
の方が好ましい。溶剤としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶
剤、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロ
ゲン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、
n−ヘプタン、n−ヘキサン、タ−ペン等の脂肪族系溶
剤もしくは脂肪族系溶剤と芳香族系溶剤との混合系、更
にパ−フロロオクタン、パ−フロロトリ−n−ブチルア
ミン等のフッ素化イナ−トリキッド類のいずれも使用で
きる。
【0048】本発明に係る含フッ素共重合体をポリアリ
ーレンスルフィド樹脂組成物中に内部添加する際の添加
量は、特に限定されるものではなく、ポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物100重量部に対して0.01から
30重量部であり、中でも0.3から20重量部がより
好ましく、0.75から10重量部が特に好ましい。
【0049】該添加量が0.01重量部より少ないとハ
ンダ付け工程に於けるフラックス侵入防止効果が充分で
なく30重量部より多いと本発明樹脂組成物の強度低下
や成形性の低下をもたらすので好ましくない。
【0050】本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組
成物には目的に応じて各種の無機及びの有機の充填材を
1種又は2種以上組合わせて加えることができる。具体
的にはシリカ、ケイ藻土、ドロマイト、γ−アルミナ、
γ以外のアルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸
化マグネシウム、アンチモン酸、酸化アンチモン、バリ
ウムフェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリ
リウム、軽石、軽石バルーン、酸化鉛、酸化ビスマス、
酸化ジルコニウムなどの酸化物;水酸化亜鉛、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシ
ウムなどの水酸化物;炭酸リチウム、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、ドーソナイトなどの炭酸塩;硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カ
ルシウムなどの硫酸又は亜硫酸塩;タルク、クレー、マ
イカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラ
スビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベン
トナイトなどのケイ酸塩、ハイドロタルサイト類;その
他カーボンブラック、グラファイト、硫化モリブデン、
ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム、チタ
ン酸、ジルコン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウ
ム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどの無機充
填材の粒子状、繊維状、ウイスカー状、球状、中空状
物、更に芳香族ポリアミド繊維、ポリテトラフルオロエ
チレン、シリコンゴムなどの有機充填材などが挙げられ
る。該充填材の好ましい添加量は本発明組成物中、0.
1〜80重量%である。
【0051】更に本発明においては、本発明の目的を損
わぬ範囲において、他の樹脂を添加することができる。
該樹脂としては、例えばポリフェニレンエーテル、スチ
レングラフトなどの変性ポリフェニレンエーテル類、ポ
リアリレート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリ 1.4−シク
ロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、各種液晶ポリマ−類、ポリサルホン、ポリエーテル
サルホン、ポリアリルサルホン、ポリエーテルケトン、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、水添スチ
レンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリイ
ソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、フェノキシ
樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、
ユリア樹脂、フェノール樹脂、DAP樹脂、シリコン樹
脂などの熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0052】又、本発明組成物には他の公知の添加剤、
例えばシラン、チタネート、ジルコネート、ジルコアル
ミネート、アルミニウムキレート化合物系カップリング
剤などの表面処理剤、酸化防止剤、熱安定剤、アルカリ
金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物又は炭酸
塩などの腐食防止剤、滑剤、着色剤、結晶核剤などを本
発明組成物に対し 0.01〜10重量%加えることが
できる。
【0053】なお、本発明の樹脂組成物は押出機、射出
成形機、各種ミキサ−などの公知方法で混練、混合する
ことにより作製することができる。更に射出成形により
電子部品を作製することができるが含フッ素共重合体の
熱安定性を考慮して熱履歴の少ない成形条件を採ること
が好ましい。従って成形温度条件はポリフェニレンスル
フィド樹脂組成物の場合、270℃〜350℃の範囲が
適切であるが特に270℃〜320℃が好ましい。
【0054】
【実施例】以下に、本発明の共重合体を製造するための
典型的な具体的方法について説明する。
【0055】[参考例1]含フッ素共重合体(a) ガラス製反応容器(内容積500ml)中にC8F17SO2N
(C3H7)CH2CH2OCOCH=CH284g、ステアリルアクリレー
ト36g、ターペン280gを入れ、窒素雰囲気下で攪
拌しつつ50℃まで窒素ガス吹き込み下で昇温し、系内
を均一にした。次に、同じく窒素ガス吹き込み下で、ア
ゾビスイソブチロニトリル1.2gを加え、30分間で
85℃まで昇温を行い、同温度にて7時間共重合反応せ
しめた。得られた共重合体は固形分濃度30.2重量%
であった。この溶液の溶媒をロータリーエバポレーター
にて除去し、得られた固体を粉砕することにより微粉末
状のものを得た。GPCより測定した数平均分子量は、
スチレン換算で150,000であった。
【0056】[参考例2]含フッ素共重合体(b) ガラス製反応容器(内容積500ml)中にF(CF2CF2)n
CH2CH20COCH=CH2(モル分率により割合は、n=3、
4、5、6、7の順に2、72、16、8、2であ
る。)を55g、ポリ(エチレングリコ−ル・プロピレ
ングリコ−ル(6/4))共重合体のジメタクリレ−ト化
合物[分子量6,000]を65g、そしてメチルイソ
ブチルケトン200gを秤取し、攪拌下窒素ガス吹き込
み下で昇温し毛以内を均一化した。次に、同じく窒素ガ
ス吹き込み下で、アゾビスイソブチロニトリル1.2g
を加え、30分間で85℃まで昇温を行い、同温度にて
7時間共重合反応せしめた。この溶液の溶媒をロータリ
ーエバポレーターにて除去し、淡黄色ペ−ストを得た。
GPCより測定した数平均分子量は、スチレン換算で2
2,000であった。
【0057】[参考例3]含フッ素共重合体(c) C8F17CH2CH2OCOCH=CH272g、ステアリルアクリレ−ト
48g、タ−ペン280g、そしてアゾビスイソブチロ
ニトニル1.2gを用い、参考例1と同様にして重合反
応を行い、スチレン換算分子量120,000の含フッ
素共重合体を得た。
【0058】[参考例4]含フッ素共重合体(d) C8F17CH2CH2OCOCCH3=CH272g、ステアリルアクリレ−
ト48g、タ−ペン280g、そしてアゾビスイソブチ
ロニトニル1.2gを用い、参考例1と同様にして重合
反応を行い、スチレン換算分子量110,000の含フ
ッ素共重合体を得た。
【0059】
【作 用】この発明は電子部品のハンダ付け工程時、部
品内部へフラックスが侵入するのを防止するための手段
であるが、従来はフッ素系表面物性改質剤(以後、表面
改質剤と示す)を部品外面に塗布しフラックスを樹脂表
面に濡れにくくすることにより、この問題を回避してい
た。
【0060】しかし表面改質剤は通常溶剤で希釈してお
り、部品構成上の隙間を通して部品内部まで侵入する場
合がある。その部品が内部に接点を持つ部品であった場
合、表面改質剤中の主成分であるフッ素重合体は絶縁物
であるため接点表面に付着し導通不良を起こしてしま
う。
【0061】そこで、部品内部へ表面改質剤が侵入する
場合は他の手段として、フラックスが侵入する経路であ
る基板からの距離を長くしたり、部品のフラックスが侵
入する部分をコーティング剤により封止する方法が取ら
れた。
【0062】しかしこれらの方法は、部品自体が大きく
なってしまったり、加工工程が付加されてしまったりと
フラックスの内部侵入を回避するため他の問題点が発生
してしまう。
【0063】そこで今回の発明により(部品及び加工工
程は従来のままで)、部品に於ける性能を低下させるこ
となく、通常の成形加工を行うだけで部品表面を、表面
改質剤塗布と類似の状態にし、フラックスの内部侵入を
回避することが出来る。
【0064】今回の発明の概要は、含フッ素(メタ)ア
クリレート共重合体(以後、フッ素共重合体と示す)を
ポリアリレーンスルフィド樹脂組成物(以後、PPSと
示す)に含有することにより、成形加工後、疎油性であ
る含フッ素(メタ)アクリレート共重合体中のAのパー
フルオロアルキル基(以後、Rfと示す)が樹脂表面に
配向し、そのためフラックスが塗れるPPS表面は非常
に表面エネルギーの低いRfの膜に覆われた状態にな
り、フラックスが非常に塗れにくく、そのため内部への
侵入が防止できるものである。
【0065】PPSへフッ素共重合体を含有する技術は
これまで摺動性を良好にしたり、金属との密着性を向上
させるため用いられてきたが、それらの機能を付与した
PPSであってもフラックスの侵入を防止することは不
可能であった。液体のぬれ性を変化させるほど、PPS
の表面エネルギーを改質するには、従来技術以上に良好
なRfの表面への配向が必要となる。
【0066】今回の発明に於いては、Rfを含む疎水・
疎油基と親油性のある(メタ)アクリレート基を特定比
率範囲内で重合させることにより、成形加工時PPSが
溶融している状態でそれぞれの基が樹脂表面に於いて内
外に配向し、冷却後は従来技術に比べ強固で緻密なRf
膜を固着することが出来る。
【0067】本発明を実施例及び比較例により更に説明
する。尚、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。 実施例1〜8 メルトフローレート200g/10分を有するポリフェ
ニレンスルフィド樹脂100重量部に対し含フッ素共重
合体を所定重量部、ガラス繊維67重量部を均一に混合
後、2軸押出機で280℃で溶融混練しペレットを得
た。該ペレットを射出成形機にて300℃でスイッチ成
形品を作製した。
【0068】比較例1〜2 含フッ素共重合体を添加しないことを除き実施例と同様
に行いスイッチ成形品を得た。
【0069】比較例2においては、上記参考例3に記載
した含フッ素共重合体(c)を濃度0.01重量%にな
るようにフロン−113に溶解し、そこに賦型されたス
イッチ成形品を浸漬塗布し、表面を撥水撥油化処理し
た。
【0070】以下実施例について説明を行う。実施例
中、パーセントはすべて重量パーセントを示す。尚、本
実施例にて用いたポリアリーレンスルフィド樹脂成形物
の成形方法は、従来公知慣用の方法のいずれでも良い。
【0071】 比較例1 ポリアリレーンスルフィド樹脂 100.0 % 比較例2 ポリアリレーンスルフィド樹脂 100.0 % 前記の如くサンプル成形後、樹脂表面に含フッ素共重合体 (c)を塗布処理 実施例1 ポリアリレーンススフィド樹脂 99.7 % 含フッ素共重合体(a) 0.3 % 実施例2 ポリアリレーンスルフィド樹脂 92.25% 含フッ素共重合体(a) 0.75% 実施例3 ポリアリレーンスルフィド樹脂 99.0 % 含フッ素共重合体(a) 1.0 % 実施例4 ポリアリレーンスルフィド樹脂 99.0 % 含フッ素共重合体(b) 1.0 % 実施例5 ポリアリレーンスルフィド樹脂 99.7 % 含フッ素共重合体(c) 0.3 % 実施例6 ポリアリレーンスルフィド樹脂 99.25% 含フッ素共重合体(c) 0.75% 実施例7 ポリアリレーンスルフィド樹脂 99.0 % 含フッ素共重合体(c) 1.0 % 実施例8 ポリアリレーンスルフィド樹脂 99.7 % 含フッ素共重合体(d) 0.3 % フラックス侵入試験 上記実施例の樹脂によりフラックス侵入部分を成形加工
し、その部品により構成されたスイッチを使用しフラッ
クス侵入試験を行った。
【0072】試験方法としては、スルーホール基板上に
スイッチを装着し、リフロー槽により発泡フラックス塗
布,乾燥させ、数時間後スイッチを分解しフラックスの
内部侵入を確認した。
【0073】試験結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】電子部品下部を合成樹脂で取り囲んだ従来例を
示した説明図である。
【図2】図1で示した電子部品の断面図にてフラックス
の流入状態を示した説明図である。
【符号の説明】
1 電子部品匡体 2 端子 3 フラックスの流れ状態 4 積層板
フロントページの続き (72)発明者 井筒 ▲ひとし▼ 大阪府泉南郡熊取町大字五門456ー13 (72)発明者 吉田 喜郎 東京都大田区雪谷大塚町1番7号アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 浅井 久義 東京都大田区雪谷大塚町1番7号アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 會田 正人 東京都大田区雪谷大塚町1番7号アルプ ス電気株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−81367(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 1/02 C08K 5/10 C08L 81/02 H05K 3/28 H05K 3/34 503

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子部品用樹脂として、下記式(A)と非
    フッ素系(メタ)アクリレート(B)とを必須成分とし
    てなる共重合体を含有してなるポリアリーレンスルフィ
    ド樹脂組成物を用いることを特徴とする電子部品のハン
    ダ付け工程に於けるフラックス侵入防止方法。 【化1】 [但し、Rfは炭素数4〜16のフッ素化アルキル基で
    あり、Xは2価の連結基で 【化2】 (R’はHまたは炭素数1〜3のアルキル基)または−
    (CH22−であり、RはHまたはCH3−である。]
  2. 【請求項2】非フッ素系(メタ)アクリレート(B)と
    して、そのエステル部置換基が炭素数10から20の直
    鎖または分岐状のアルキル基である非フッ素(メタ)ア
    クリレートを含有することを特徴とする請求項1記載の
    フラックス侵入防止方法。
JP33540393A 1993-12-28 1993-12-28 電子部品へのフラックス侵入防止方法 Expired - Fee Related JP3516148B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33540393A JP3516148B2 (ja) 1993-12-28 1993-12-28 電子部品へのフラックス侵入防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33540393A JP3516148B2 (ja) 1993-12-28 1993-12-28 電子部品へのフラックス侵入防止方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07201501A JPH07201501A (ja) 1995-08-04
JP3516148B2 true JP3516148B2 (ja) 2004-04-05

Family

ID=18288156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33540393A Expired - Fee Related JP3516148B2 (ja) 1993-12-28 1993-12-28 電子部品へのフラックス侵入防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3516148B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4343354B2 (ja) 1999-11-02 2009-10-14 Agcセイミケミカル株式会社 半田用フラックス這い上がり防止剤組成物とその用途
WO2007099760A1 (ja) * 2006-03-01 2007-09-07 Agc Seimi Chemical Co., Ltd. 半田用フラックス這い上がり防止組成物
JP5161789B2 (ja) * 2006-11-17 2013-03-13 Agcセイミケミカル株式会社 はんだ用フラックス這い上がり防止組成物、該組成物を被覆したはんだ用電子部材、該部材のはんだ付け方法および電気製品
JP4919340B2 (ja) * 2006-11-24 2012-04-18 Fdk株式会社 巻線部品
CN101952082B (zh) * 2008-01-18 2013-03-13 Agc清美化学股份有限公司 焊剂上爬防止组合物、被覆了该组合物的锡焊用电子构件、该构件的锡焊方法及电气产品

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07201501A (ja) 1995-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4482676B2 (ja) Ptc特性を有する異方導電性接着剤
US6017634A (en) Carboxyl-containing polyunsaturated fluxing agent and carboxyl-reactive neutralizing agent as adhesive
KR101167761B1 (ko) 접착제 조성물 및 이를 포함하는 이방 도전성 접착 필름
JPH11228902A (ja) フッ化ビニリデン系樹脂の金属基材への接着方法、電極構造体、およびその作製方法
JP3516148B2 (ja) 電子部品へのフラックス侵入防止方法
JP4343354B2 (ja) 半田用フラックス這い上がり防止剤組成物とその用途
JPH0770449A (ja) 優れた高温耐久性を有する含浸密封材組成物及びその 製造方法
JP3498537B2 (ja) 絶縁層用接着フィルム
TWI676408B (zh) 永久絕緣膜用樹脂組成物、由其硬化物所成之永久絕緣膜、使用其所製造之多層印刷配線板及其製造方法
JP2003176410A (ja) インサート成形品
JP2968019B2 (ja) 樹脂付着防止剤
US5160786A (en) Resin material for inserting lead frame and molded component thereof
JPS6134085A (ja) フイルム状接合部材
JPH10204267A (ja) 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及び電子部品
JP2005239922A (ja) 一液型液状エポキシ樹脂組成物
JP2702814B2 (ja) 金属をインサートした成形品
WO2007099760A1 (ja) 半田用フラックス這い上がり防止組成物
KR960003294B1 (ko) 유연성 인쇄회로기판용 접착제 조성물
KR100509109B1 (ko) 이방성 도전 필름용 조성물
JP2952980B2 (ja) 電子部品封止用ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及び電子部品
JPH0578556A (ja) 熱可塑性樹脂組成物および電子部品封止成形品
JP2005239921A (ja) 一液型液状エポキシ樹脂組成物
JP2005179622A (ja) アクリル系接着剤組成物
JPH04355004A (ja) 異方導電性接着膜とその製造方法
JP2009099825A (ja) 半導体装置接着剤用アクリル系樹脂及びアクリル系樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040107

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090130

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100130

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees