JP3515608B2 - 伝動ベルト及びその製造方法 - Google Patents

伝動ベルト及びその製造方法

Info

Publication number
JP3515608B2
JP3515608B2 JP07762894A JP7762894A JP3515608B2 JP 3515608 B2 JP3515608 B2 JP 3515608B2 JP 07762894 A JP07762894 A JP 07762894A JP 7762894 A JP7762894 A JP 7762894A JP 3515608 B2 JP3515608 B2 JP 3515608B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic elastomer
belt
liquid crystal
crystal polymer
transmission belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07762894A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07276525A (ja
Inventor
伸一郎 河原
敏明 笠崎
隆夫 佐藤
栄治 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitta Corp
Original Assignee
Nitta Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitta Corp filed Critical Nitta Corp
Priority to JP07762894A priority Critical patent/JP3515608B2/ja
Publication of JPH07276525A publication Critical patent/JPH07276525A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3515608B2 publication Critical patent/JP3515608B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度でしかも摩擦係
数が高く、さらに生産性も高い伝動ベルト及びその製造
方法に関し、詳しくは液晶ポリマーからなる繊維状補強
材が熱可塑性エラストマーのベルト本体内に分散された
平ベルト等の伝動ベルト及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、平ベルト等の伝動ベルトは、
その構成より大まかに分類すると、ゴム(または樹
脂)単体で形成したもの、帆布とゴム(または樹脂)
とで形成したもの、帆布と心線とゴム(または樹脂)
とで形成したもの、ナイロンフィルムと帆布とゴム
(または樹脂)とで形成したものに分けられる。
【0003】上記の伝動ベルトは成形加工性に優れて
いるが、強度特性等の物性に劣るため特殊な用途にしか
使えないという問題がある。
【0004】上記、およびの伝動ベルトは、帆布
や心線、ナイロンフィルム等の補強部材を使用している
ため高強度となるが、これら補強部材をゴム(または樹
脂)層に接着させるための接着処理を行う必要があるた
め加工工程が複雑で、しかも接着不良等の不具合が生じ
易く、コストが高い等の問題がある。
【0005】そこで、成形加工性および強度特性を満足
させるために、特開平3−129145号公報には、成
形性に優れた熱可塑性エラストマーをベルト本体として
使用し、そのベルト本体中に液晶ポリマーを配向させて
なる伝動ベルトが提案されている。ここでは、液晶ポリ
マーと熱可塑性エラストマーとの配合物を一方向に剪断
力を加えて成形することにより、剪断方向に液晶ポリマ
ーを配向させて引張強度および弾性率の高い伝動ベルト
を得ている。
【0006】しかし、このようにして形成された伝動ベ
ルトにおいては、液晶ポリマーがベルト本体中に均一に
分散されているため、伝動ベルトのプーリー側表面の摩
擦係数が比較的低く、従って伝達能力が低くかつ耐屈曲
性が低下して走行寿命が短くなるといった欠点があっ
た。このような欠点を解消するために、液晶ポリマーの
配合量を少なくすることも考えられるが、その場合には
張力等の機械的強度が低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解消するためになされたものであり、その目的とする
ところは、伝達能力が高くかつ耐屈曲性を向上させて走
行寿命を長くしながら、機械的強度を向上することがで
きる伝動ベルトとその製造方法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、高強度でしかも摩擦
係数の高い伝動ベルトを安価にて生産性よく製造するこ
とができる伝動ベルトの製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の伝動ベルトは、
熱可塑性エラストマーからなる単層のベルト本体と、
該ベルト本体の中に分散されており該ベルト本体の長手
方向に配向した液晶ポリマーからなる繊維状補強材と、
を有し、該ベルト本体の厚み方向における中央側に存在
する繊維状補強材の分散密度が外側に存在する繊維状補
強材の分散密度に比して高く、ベルト本体の両表面部に
該繊維状補強材の存在しない表層が形成されており、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0010】本発明の伝動ベルトの製造方法は、熱可塑
性エラストマーと液晶ポリマーとを含む組成物を押出成
形して伝動ベルトを製造する方法であって、液晶ポリマ
ーの溶融粘度が熱可塑性エラストマーの溶融粘度に比し
て高い状態で組成物を押出成形することを特徴とし、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0011】以下本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の伝動ベルトは、熱可塑性エラスト
マーからなるベルト本体と、該ベルト本体の中に分散さ
れた繊維状補強材とを有する。
【0013】該熱可塑性エラストマーとしては、従来公
知のものが使用でき、例えば、スチレン系熱可塑性エラ
ストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタ
ン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エ
ラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、塩化
ビニル系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラ
ストマー等があげられる。
【0014】ベルトに必要な用途(特に耐摩耗性)を考
慮すると、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミ
ド系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0015】上記繊維状補強材を形成する液晶ポリマー
としては、芳香族ジカルボン酸成分と芳香族ジオール成
分とから重縮合により誘導されたポリエステル;芳香族
ヒドロキシカルボン酸の重縮合により得られたポリエス
テル;上記二つのポリエステルの共重合ポリエステル;
及びこれらのポリエステルとポリエチレンテルフタレー
トのコポリエステル等サーモトロピックなものをあげる
ことができる。
【0016】市販品としては、例えばユニチカ(株)製
のロッドラン、ポリプラスチックス(株)製のベクト
ラ、三菱化成(株)製のノバキュレート、出光石油化学
(株)製の出光LCP、上野製薬(株)製の上野LC
P、日本石油化学(株)製のザイダー、住友化学社
(株)製のエコノール等がある。
【0017】熱可塑性エラストマーからなるベルト本体
の厚みおよび幅等使用目的に応じて任意に変更すること
ができる。このベルト本体内に分散されている繊維状補
強材は、ベルト本体内において該ベルト本体の長手方向
に配向している。その繊維状補強材の分散密度は、ベル
ト本体の厚み方向における中央側が外側に比して高くな
っている。従って、ベルト本体の両表面部には繊維状補
強材の存在しない表層が形成されているのが好ましい。
ベルト本体のプーリー側の表面部に繊維状補強材が存在
しない場合、プーリー側の表面部において熱可塑性エラ
ストマー本来の特性である摩擦係数を維持するため、伝
達能力が落ちないものである。逆に、ベルト本体のプー
リー側の表面部に繊維状補強材が存在すると摩擦係数が
低下するためベルトの伝達能力が低下する。
【0018】この繊維状補強材の分散密度の測定は、ベ
ルト本体の断面を電子顕微鏡等で観察することにより行
うことができる。
【0019】上記繊維状補強材のアスペクト比は2.0
以上が好ましく、さらに好ましくは5.0以上である。
繊維状補強材のアスペクト比が2.0未満であると補強
効果が低下する。
【0020】本発明のベルトの形態には、例えば、以下
の〜のものがある。
【0021】 図1に示した伝動ベルトは、ベルト本
体1の厚み方向の中央部に繊維状補強材2を密に分散
(偏分散)させたものである。この場合、繊維状補強材
2の分散密度がベルト本体1の表面側から中央部にかけ
て徐々に密になっていてもよく、もしくはベルト本体1
の中央部にのみ繊維状補強材2の存在する補強部があっ
た方がよい。図中3は繊維状補強材2の存在しない表層
を示す。
【0022】 図2に示した伝動ベルトは、ベルト本
体1の一方の表面側に繊維状補強材2の分散密度の最大
値があるものである。この場合、例えば、プーリー等の
駆動部材はベルト本体1の他方の表面側に接するように
するのが好ましい。
【0023】 図3に示した伝動ベルトは、ベルト本
体1の両表面に熱可塑性エラストマーからなる外層4を
積層したものである。ベルト本体1の片面にのみ外層4
を積層してもよい。この場合、外層を形成する熱可塑性
エラストマーとしては、上記したものを使用することが
できる。上記外層は複数の層から形成されていてもよ
い。
【0024】次に、本発明の伝動ベルトの製造方法を説
明する。
【0025】本発明においては、液晶ポリマーの溶融粘
度が熱可塑性エラストマーの溶融粘度に比して高い状態
で押出成形するものであり、このように、液晶ポリマー
の溶融粘度が熱可塑性エラストマーの溶融粘度に比して
高い状態で押出成形することにより、上記したように繊
維状補強材の偏分散した伝動ベルトが得られる。
【0026】熱可塑性エラストマーの溶融粘度を液晶ポ
リマーのそれよりも大きくした状態で押出成形した場合
には、ベルト本体内で繊維状補強材が均一に分散した伝
動ベルトが得られるので好ましくない。熱可塑性エラス
トマーの溶融粘度と液晶ポリマーの溶融粘度とがほぼ等
しい状態で押出成形した場合には、剪断をかけても樹脂
間のずれが発生しにくく液晶ポリマーが引き延ばされな
いため、液晶ポリマーは粒子状のまま分散する。熱可塑
性エラストマーの溶融粘度に対する液晶ポリマーの溶融
粘度の比は2〜200であるのが好ましく、さらに好ま
しくは3〜10である。熱可塑性エラストマーの溶融粘
度に対する液晶ポリマーの溶融粘度の比が2未満である
と、生成する繊維状補強材のアルペクト比が小さくなる
ため、補強効果が低下する。
【0027】伝動ベルトは公知の押出成形(一層の場
合)や共押出成形(多層の場合)により製造することが
できる。例えば以下の方法によって製造することができ
る。
【0028】液晶ポリマーと熱可塑性エラストマーとを
混合物の形で押出機に供給する。この混合物は両者のド
ライブレンドでもよいし、メルトブレンドでもよい。ド
ライブレンドで行う場合には、例えば、リボブレンダ
ー、コニカルブレンダー、ヘンシェルミキサーのような
各種混合機を用いて行うことができ、メルトブレンドで
行う場合には、単軸または二軸押出機、ニーダー、バン
バリーミキサー、ロール等を用いて行うことができる。
【0029】上記液晶ポリマーと熱可塑性エラストマー
との組み合せは任意に行うことができるが、液晶ポリマ
ーのHDT(熱変形温度)と熱可塑性エラストマーの劣
化温度等を考慮して決定するのが好ましい。例えば、液
晶ポリマーには比較的低温でブレンドが可能なユニチカ
(株)製のロッドランLC3000(HDT(熱変形温
度):64℃、ただし、荷重18.6kg/cm2でA
STM D648に従って測定)が適当である。また、
熱可塑性エラストマーに対する液晶ポリマーの混合比率
(重量比)は10〜90%とすることができ、特に30
〜70%が好ましい。
【0030】押出温度は200〜300℃とすることが
できる。押出温度での上記熱可塑性エラストマーの溶融
粘度は50ポイズ〜10,000ポイズが好ましく、さ
らに好ましくは1,500ポイズ〜5,000ポイズで
ある。液晶ポリマーの溶融粘度は100ポイズ〜20,
000ポイズが好ましい。
【0031】このようにして得られた本発明の伝動ベル
トは、平ベルト、Vベルト、ポリVベルト、丸ベルトな
どの摩擦伝動ベルトとして使用することができ、高強度
で線膨張係数が比較的低く、しかも摩擦係数が高いの
で、伝達能力が高いものである。例えば、熱可塑性エラ
ストマーとしてウレタン系熱可塑性エラストマーを使用
した場合、本発明の伝動ベルト樹脂の摩擦係数は1.1
程度であり、これに対して、ベルト本体のプーリー側の
表面部に繊維状補強材が存在する従来の伝動ベルトでは
その摩擦係数は0.5程度である。
【0032】
【作用】液晶ポリマーからなる繊維状補強材がベルト本
体の長手方向に配向しているため、高強度、高弾性を有
し、帆布心線等の補強なしに高負荷伝動が可能である。
しかも、この繊維状補強材の分散密度が偏っており、ベ
ルト本体の厚み方向における中央側に存在する繊維状補
強材の分散密度が外側に存在する繊維状補強材の分散密
度に比して高いことにより、ベルト本体の中央側で補強
すると共にそのプーリー側の表面部の摩擦係数を比較的
高くすることができる。従って、単層の伝動ベルトにお
いてもプーリ側の表面部の摩擦係数を熱可塑性エラスト
マーの柔軟性のため高くすることができ、伝達能力が高
く、なおかつ耐屈曲性が向上し走行寿命が長くなる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明する。
【0034】なお、実施例で使用した試験方法は以下の
通りである。
【0035】 線膨張係数:シートを切断して厚み2
mm、幅20mm、長さ100mm(繊維状補強材の配
向方向に長い)の試験片(5片)を得、この試験片を先
ず100℃×2時間でアニールし応力を除去した。次
に、室温に戻して試験片の長さを測定し、再び100℃
まで昇温し2時間後の高温下(100℃)での長さを測
定し、室温時の長さとの差を求めた。次に、これらの値
から線膨張係数を計算により求めた。
【0036】 引張強度:シートから、その繊維状補
強材の配向方向がダンベルの長手方向となるようにゴム
用JIS3号のダンベル片を打ち抜き、このダンベル片
を引張速度10mm/分で引っ張って引張強度を測定し
た。ダンベル片の試験片数は4とし、平均の引張強度を
計算した。
【0037】(実施例1)ポリエーテルアミド系熱可塑
性エラストマー(ATOCHEM社製、PEBAX40
33)と、液晶ポリマー(ユニチカ(株)製のロッドラ
ンLC3000)と、を配合比7対3(重量比)の割合
でドライブレンドし、得られた組成物を220℃で押出
成形して厚み2mmの長尺なシートを得た。なお、押出
温度時の熱可塑性エラストマーの粘度は、3.1×10
3ポイズ、液晶ポリマーの粘度は1.05×104ポイズ
であった。
【0038】このシートから引張強度と線膨張係数を測
定した。その結果、引張強度は720Kgf/cm2
線膨張係数は、2.0×10-5mm/mm/℃であった。
【0039】(比較例1)液晶ポリマーを使用しないで
ポリエーテルアミド系熱可塑性エラストマー(ATOC
HEM社製、PEBAX4033)のみを使用したこと
以外は、実施例1と同様にしてシートを作成し、このシ
ートについて実施例1と同様に引張強度を測定した。な
お、押出時の熱可塑性エラストマーの粘度は、3.1×
103ポイズであった。
【0040】その結果、引張強度は320Kgf/cm
2であった。また、線膨張係数は、23×10-5mm/mm/
℃であった。
【0041】(実施例2)粘度の比較的低いポリエーテ
ルアミド系熱可塑性エラストマー(ATOCHEM社
製、PEBAX3533)を用いたこと以外は、実施例
1と同様にしてシートを作成し、このシートについて実
施例1と同様に引張強度を測定した。なお、押出時の熱
可塑性エラストマーの粘度は、1.5×103ポイズ、
液晶ポリマーの粘度は1.05×104ポイズであっ
た。
【0042】その結果、引張強度は690Kgf/cm
2であった。また、線膨張係数は、1.5×10-5mm/mm
/℃であった。
【0043】(比較例2)液晶ポリマーを使用しないで
ポリエーテルアミド系熱可塑性エラストマー(ATOC
HEM社製、PEBAX3533)のみを使用したこと
以外は、実施例2と同様にしてシートを作成し、このシ
ートについて実施例1と同様に引張強度を測定した。な
お、押出時の熱可塑性エラストマーの粘度は、1.5×
103ポイズであった。
【0044】その結果、引張強度は350Kgf/cm
2であった。また、線膨張係数は、12×10-5mm/mm/
℃であった。
【0045】(実施例3)熱可塑性エラストマーとして
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(日本ミラクトラ
ン社製、E998)を用いたこと以外は、実施例1と同
様にしてシートを作成し、このシートについて実施例1
と同様に引張強度を測定した。なお、押出時の熱可塑性
エラストマーの粘度は、5.3×103ポイズ、液晶ポ
リマーの粘度は1.05×104ポイズであった。
【0046】その結果、引張強度は780Kgf/cm
2であった。また、線膨張係数は、3.0×10-5mm/mm
/℃であった。
【0047】(比較例3)液晶ポリマーを使用しないで
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(日本ミラクトラ
ン社製、E998)のみを使用したこと以外は、実施例
3と同様にしてシートを作成し、このシートについて実
施例1と同様に引張強度を測定した。なお、押出時の熱
可塑性エラストマーの粘度は、5.3×103ポイズで
あった。
【0048】その結果、引張強度は410Kgf/cm
2であった。また、線膨張係数は、25×10-5mm/mm/
℃であった。
【0049】(実施例4)熱可塑性エラストマーとして
比較的粘度の低いポリウレタン系熱可塑性エラストマー
(日本ミラクトラン社製、E980)を用いたこと以外
は、実施例1と同様にしてシートを作成し、このシート
について実施例1と同様に引張強度を測定した。なお、
押出時の熱可塑性エラストマーの粘度は、2.0×10
3ポイズ、液晶ポリマーの粘度は1.05×104ポイズ
であった。
【0050】その結果、引張強度は760Kgf/cm
2であった。また、線膨張係数は、2.0×10-5mm/mm
/℃であった。
【0051】(比較例4)液晶ポリマーを使用しないで
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(日本ミラクトラ
ン社製、E980)のみを使用したこと以外は、実施例
4と同様にしてシートを作成し、このシートについて実
施例1と同様に引張強度を測定した。なお、押出時の熱
可塑性エラストマーの粘度は、2.0×103ポイズで
あった。
【0052】その結果、引張強度は400Kgf/cm
2であった。また、線膨張係数は、20×10-5mm/mm/
℃であった。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、ベルト本体内で偏分散
した繊維状補強材がベルト心線として機能するため、強
度の高い伝動ベルトが得られる。しかも、この繊維状補
強材はベルト本体のプーリー側表面部には存在しないか
または比較的少ない割合で存在するので、伝動ベルトの
プーリー側表面部の摩擦係数を比較的高くできて伝達能
力が高くかつ耐屈曲性を維持して走行寿命が低下するこ
ともない。
【0054】また、高強度で線膨張係数が比較的低いの
で、長時間の使用によっても伝動能力の高いベルトが得
られる。
【0055】さらに、従来の帆布や心線等を用いてベル
ト本体を補強する場合のように、接着処理等の加工工程
が不要であるため、高強度で摩擦係数の高い伝動ベルト
を安価にて生産性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伝動ベルトの一実施例の側面図であ
る。
【図2】本発明の伝動ベルトの他の実施例の側面図であ
る。
【図3】本発明の伝動ベルトのさらに他の実施例の側面
図である。
【符号の説明】
1 ベルト本体 2 繊維状補強材 3 表面層 4 外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 101:12 B29K 101:12 105:10 105:10 (72)発明者 井上 栄治 奈良県大和郡山市池沢町172 ニッタ株 式会社 奈良工場内 (56)参考文献 特開 平2−239006(JP,A) 実開 平2−120410(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29D 29/00 B29C 47/06 B32B 5/14 B32B 25/02 F16G 1/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマーからなる単層の
    ルト本体と、該ベルト本体の中に分散されており該ベル
    ト本体の長手方向に配向した液晶ポリマーからなる繊維
    状補強材と、を有し、 該ベルト本体の厚み方向における中央側に存在する繊維
    状補強材の分散密度が外側に存在する繊維状補強材の分
    散密度に比して高く、ベルト本体の両表面部に該繊維状
    補強材の存在しない表層が形成されている、伝動ベル
    ト。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマーと液晶ポリマーと
    を含む組成物を押出成形して伝動ベルトを製造する方法
    であって、 液晶ポリマーの溶融粘度が熱可塑性エラストマーの溶融
    粘度に比して高い状態で組成物を押出成形することを特
    徴とする伝動ベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性エラストマーの溶融粘度に
    対する前記液晶ポリマーの溶融粘度の比が2〜200であ
    る請求項に記載の伝動ベルトの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性エラストマーの溶融粘度が
    50ポイズ〜10,000ポイズであり、前記液晶ポリ
    マーの溶融粘度が100ポイズ〜20,000ポイズで
    ある請求項2または3に記載の伝動ベルトの製造方法。
JP07762894A 1994-04-15 1994-04-15 伝動ベルト及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3515608B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07762894A JP3515608B2 (ja) 1994-04-15 1994-04-15 伝動ベルト及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07762894A JP3515608B2 (ja) 1994-04-15 1994-04-15 伝動ベルト及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07276525A JPH07276525A (ja) 1995-10-24
JP3515608B2 true JP3515608B2 (ja) 2004-04-05

Family

ID=13639174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07762894A Expired - Fee Related JP3515608B2 (ja) 1994-04-15 1994-04-15 伝動ベルト及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3515608B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7406996B2 (ja) * 2020-01-15 2023-12-28 ニッタ株式会社 伝動ベルト

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07276525A (ja) 1995-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5870090B2 (ja) ベルト
JPS60246814A (ja) 静電防止ヘアーブラシ用フイラメント
US6142189A (en) Method for manufacturing a high performance crosslinked thermoplastic hose and a high performance crosslinked thermoplastic hose produced thereby
JP3515608B2 (ja) 伝動ベルト及びその製造方法
US5989723A (en) Conductive polyester-based alloy sheet
WO1991002042A1 (en) Thermoplastic web and process for manufacturing same
GB2344785A (en) Conductive laminated sheet
JP4240373B2 (ja) ポリ乳酸系樹脂組成物及びその製造方法
US5690859A (en) Liquid crystal polymer composition
KR102163898B1 (ko) 섬유 강화 복합재 및 이의 제조방법
JPH04224703A (ja) 成形面ファスナー及びその製造方法
JP2003191381A (ja) 透湿フィルム
JPS6114261B2 (ja)
JP6121125B2 (ja) ジョイント用ブーツ
JPH05301973A (ja) Abs樹脂とゴムとの接着複合体の製造方法
JP2758670B2 (ja) ポリウレタン、その製造方法およびそれに用いるポリエステルジオール
JP2000290483A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いたホース
JP3106330B2 (ja) 靴のリフト
JPH0736886Y2 (ja) ポリエステルエラストマー製コンベアベルト
JPS6011277B2 (ja) 積層チユ−ブ
JPH10130433A (ja) 高圧柔軟ホース用熱可塑性エラストマー組成物
JPH0853616A (ja) 熱可塑性ポリウレタンおよびポリエステル系樹脂から主としてなる重合体組成物
KR100612247B1 (ko) 중공성 나노-탄소에 의해 도전성을 갖는 고분자 조성물
JPH10103411A (ja) ベルト用ナイロン樹脂基材およびベルト
JPH07196915A (ja) 熱可塑性ポリウレタン組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040116

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080123

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090123

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100123

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100123

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110123

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130123

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140123

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees