JP3515067B2 - 中空スラブ用埋込材及び該埋込材を持つ中空スラブ用基板並びに該埋込材を定着した中空スラブ構造を持つ構築物 - Google Patents

中空スラブ用埋込材及び該埋込材を持つ中空スラブ用基板並びに該埋込材を定着した中空スラブ構造を持つ構築物

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JP3515067B2 JP2000353394A JP2000353394A JP3515067B2 JP 3515067 B2 JP3515067 B2 JP 3515067B2 JP 2000353394 A JP2000353394 A JP 2000353394A JP 2000353394 A JP2000353394 A JP 2000353394A JP 3515067 B2 JP3515067 B2 JP 3515067B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空スラブ用埋込
材及び該埋込材を持つ中空スラブ用基板、並びに該埋込
材を定着した中空スラブ構造を持つ構築物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のコンクリート系集合住宅の床構造
は、プレキャストコンクリート板(PCa板)上に軽量
な埋込材を定着し、その上から現場打ちコンクリートを
打設して該現場打ちコンクリート内に埋込材を埋設する
ようにした中空スラブ構造が広く採用されている。一例
を図16に示すように、例えば発泡ポリスチレンのよう
な合成樹脂発泡成形品からなり好ましくは裏面側に凹陥
部を持つ埋込材1をトラス筋2を備えたプレキャストコ
ンクリート板3上に所定の間隔で適数定着した中空スラ
ブ用基板A1を、図17あるいは図18に示すように、
躯体の梁B、B間に所要枚数載架し、埋込材1、1の間
の空間SSなどを利用して設備用配管Pの施工を行い、
また、スラブ上端筋4の配筋などを行った後、現場打ち
コンクリートCを打設することにより中空スラブCSは
構築される。この中空スラブ構造は、軽量で高い剛性が
得られ、居室内に小梁を必要とせず、住戸内の平面計画
が自由にできるという長所がある。
【0003】上記の中空スラブ構造において、集合住宅
における上下階の遮音性能上の対策として、図19aに
示すように、所定間隔で形成された凹陥部1bの間に板
厚方向に貫通してスリット1cを形成した埋込材1a
(図19bはその裏面図である)を、プレキャストコン
クリート板3上に所定の間隔で適数定着し、現場打ちコ
ンクリートCを該スリット1cを通してプレキャストコ
ンクリート板3まで通過させることにより上下に一体化
し、それにより中空部を単位とした共振現象を可及的に
減少させるようにした埋込材が提案されている(特許第
2601314号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特許第26013
14号公報に開示される構造の埋込材を用いて中空スラ
ブを構築することにより、集合住宅における上下階の遮
音性能上の問題はある程度の改善が見られている。しか
し、一方において、居住環境全般を従来の基準よりもさ
らに快適なものにレベルアップしたいという要請があ
り、集合住宅における上下階の遮音性能は、より高いレ
ベルが求められるようになりつつある。しかしながら、
中空スラブ構造において、遮音性能を向上させることと
軽量化を図ることとは相反する命題であり、高い遮音性
能を得る(すなわち、コンクリート量を増し質量を上げ
る)ためには、中空率を下げざるを得ない。
【0005】ところで、前記特許第2601314号公
報に開示される構造の埋込材1aでは、コンクリートが
浸入する容積はスリット1cの部分のみであり、限度が
ある。スリット1cの断面積を大きくするとコンクリー
トCの浸入量は大きくなり、遮音性能のさらなる向上が
期待できるが、埋込材の構造的強度が低下して、運搬時
やプレキャストコンクリート板への定着や現場施工作業
時に破損する恐れがある。他の方法として、水平断面積
が小さい埋込材を隙間を広く空けてプレキャストコンク
リート板へ定着することも考えられるが、埋込材の定着
作業が煩雑になる。従って、本発明の第一の目的は、従
来とほぼ同じ水平断面積である埋込材でありながら、埋
込材としての構造的な強度低下を招くことなく、中空ス
ラブ構造の中空率を任意に低減することのできる埋込材
を提供することにある。
【0006】前記のように中空スラブ構造の本来的目的
はコンクリートスラブの軽量化にある。しかし、上記中
空スラブ構造の中空率を任意に低減できる構造の埋込材
を床面の全領域に定着する場合には、軽量化は犠牲とな
らざるを得ない。一方、集合住宅の居住空間において、
床衝撃音が生じやすい領域と、比較的生じることの少な
い領域とが存在する。従って、前者の領域には中空率を
低減できる埋込材を定着し、後者の領域には従来から用
いられている埋込材を定着することにより、一住戸の床
領域全体としては、スラブの軽量化と上下階の遮音性能
上の問題の双方を同時に満足することが可能となる。従
って、本発明の他の目的は、軽量化と遮音性能の向上の
双方の課題を同時に満足することのできる、中空スラブ
用基板及び該基板あるいは埋込材を用いた中空スラブ構
造を持つ構築物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明による中空スラブ用埋込材は、プレキャスト
コンクリート板上に定着され、打設される現場打ちコン
クリートにより該コンクリート内に埋設されて中空スラ
ブ構造を形成する埋込材であって、基本的に、該埋込材
の前記プレキャストコンクリート板に面する側には上に
凸でありかつ側面方向に開放した裏面窪みが形成され、
さらに、該裏面窪みに下端を連通する貫通孔が板厚方向
に形成されていて、前記打設される現場打ちコンクリー
トは、前記貫通孔を通過して前記裏面窪み内に流れ込
み、埋込材の裏面側に拡がって、前記プレキャストコン
クリート板のコンクリートと一体化するようにされてい
ることを特徴とする。
【0008】また、上記の課題を解決するための本発明
による中空スラブ用基板は、該中空スラブ用基板のプレ
キャストコンクリート板上に定着される複数個の埋込材
のうち少なくとも一部あるいは全部の埋込材が上記した
上に凸の窪みと板厚方向の貫通孔が形成された埋込材で
あることを特徴とする。
【0009】また、上記の課題を解決するための本発明
による中空スラブ構造を持つ構築物は、中空スラブ構造
の基板の全部又は一部として上記の中空スラブ用基板を
持つか、あるいは、高い床衝撃音の発生が予測される領
域には上記した上に凸の裏面窪みと板厚方向の貫通孔が
形成された埋込材が定着され、それ以外の領域には、少
なくとも前記貫通孔を有しない従来からの埋込材が定着
されるか又は埋込材が定着されないで現場打ちコンクリ
ートが打設されている中空スラブ構造を持つことを特徴
とする。
【0010】本発明による埋込材及び該埋込材を備えた
中空スラブ用基板によれば、現場打ちコンクリートは、
埋込材の貫通孔を通して該埋込材の裏面側に形成された
上に凸の裏面窪み内に浸入し、容易に裏面側にまで達し
て、該裏面窪みをコンクリートで満たす。さらに、貫通
孔もコンクリートで満たされる。それにより、構築され
る中空スラブ構造において、該埋込材部分の占める中空
率は、前記上に凸の裏面窪みの容積分(その容積は、設
計条件に応じて任意に定めればよい)だけ、従来のもの
と比較してさらに減少し、剛性、質量が増加して、共振
現象を可及的に減少させる。それにより、遮音性能は大
きく向上する。
【0011】本発明による埋込材において、その水平断
面積は実質的に貫通孔の断面積分が減少するのみであ
り、構造的に大きな強度低下は生じない。また、前記上
に凸である裏面窪みは、埋込材の側面方向にも開口して
おり、打設される現場打ちコンクリートは、前記側面方
向の開口をも通過して流動する。それにより、裏面窪み
内への現場打ちコンクリートの流動性が高くなり、裏面
窪み内へ隙間なくコンクリートを確実に充填することが
でき、所定の遮音性能を確実に確保することができる。
【0012】埋込材は、好ましくは、断面における表面
側形状が上に凸の山形形状をなしている部分を有する形
状であってもよい。この場合には、コンクリートスラブ
中空部の上部コンクリートシェル部分に床衝撃を受けて
生じる振動は、埋込材の上に凸の山形形状をなしている
部分における上部コンクリートシェル部分の曲面に沿っ
て逸散減衰し、該コンクリートシェル部分に生じる撓み
を小さくさせ、結果として、短手方向の断面が矩形状で
ある埋込材を用いる場合と比較して、共振の発生そのも
のが抑制されることとなり、遮音性能はさらに向上す
る。
【0013】好ましい態様において、前記貫通孔の表面
側は上方に拡がる漏斗状の傾斜面を有していてもよい。
また、埋込材の表面にも窪みが形成され、少なくとも一
部の前記貫通孔上端は前記表面窪みに開放している。他
の好ましい態様において、前記埋込材の裏面は、側面方
向が上位となる傾斜面とされていてもよく、また、4面
の傾斜面を持つ頭部を切除した複数の4角錐体とされて
いてもよい。これらの態様では、前記貫通孔への現場打
ちコンクリートの流入が一層確実となり、また、前記表
面窪み内にも、あるいは、プレキャストコンクリート板
表面と埋込材の裏面側との空間領域にも、コンクリート
が入り込むこととなり、その領域の剛性、質量が増加し
て、共振現象を可及的にさらに減少させ、さらなる遮音
性能の向上が図れる。
【0014】前記したように、構築物における中空スラ
ブの本来的目的はコンクリートスラブの軽量化にある。
従って、上記した中空率を低減することのできる埋込材
をコンクリートスラブの全面に埋設することは、遮音性
能の向上は期待できるとしても、中空スラブ構造として
の所期の目的を必ずしも達成しない場合も起こりうる。
そこで、本発明による中空スラブ用基板あるいは中空ス
ラブ構造を持つ構築物では、現場打ちコンクリートによ
って埋設される多数の埋込材のうちの少なくとも一部の
埋込材を上記した中空率を低減できる埋込材とし、他の
埋込材は従来知られた通常の埋込材として、軽量化と遮
音性能の向上の双方の課題を同時に満足するようにして
いる。
【0015】その際に、居住空間における居間、茶の
間、寝室、客室、応接室などの居住のために使用する領
域(居住室の領域)のように高い床衝撃音の発生が予測
される領域を含む床部分には、上記した中空率を低減で
きる埋込材を定着して遮音性能を確保し、一方、それ以
外の台所、便所、浴室、物置などの非居住領域には従来
知られた通常の埋込材を定着して、必要な中空率を確保
する。
【0016】本発明による中空スラブ用基板あるいは中
空スラブ構造を持つ構築物のさらに他の態様では、浴
室、便所、洗面化粧室など配水管を横引いて設置するこ
とが必要となる部分は、大きな床ふところを必要とする
場所であることから、その領域には埋込材を定着しない
ようにする。このようにすることにより、結果的に住宅
の床仕上面を住戸内にわたって平滑なものとすることが
でき、高齢化社会の到来を迎えて、高齢者の安全又は車
椅子の利用の便のために住宅の床仕上面の高低差を解消
すべきという要望に答えることができる。
【0017】なお、本発明において、埋込材の素材とし
ては、軽量でありまた打設されるコンクリートによって
変形などしないことを条件に任意のものを用いうるが、
発泡ポリスチレンのような合成樹脂発泡成形品が最も好
適に用いられる。他にスチレン系樹脂やポリオレフィン
系樹脂、硬質ウレタン樹脂、フェノール樹脂やポリイソ
チアネート樹脂、エポキシ樹脂などの発泡体、もしく
は、これらの樹脂を適宜混合した発泡体を使用すること
ができる。発泡方法は任意であり、押し出し発泡やビー
ズ型内発泡など使用する合成樹脂材料と成形しようとす
る埋込材の形状に応じて適宜選択すればよい。
【0018】スチレン樹脂としては、スチレン、メチル
スチレン、ジメチルスチレンなどのスチレン系ビニルモ
ノマーを主構成単位とする重合体であってよく、発泡ス
チレン系樹脂材料としては、スチレン系モノマーを50
重量%以上含有する共重合体で構成され、スチレン系モ
ノマーと共重合化し得るモノマーとしてはアクリル酸、
メタクリル酸、もしくはこれらのエステル、アクリロニ
トリル、メタクリルニトリル、無水マレイン酸などが挙
げられる。
【0019】ポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−カルボン酸エステル共重合体、
エチレン−カルボン酸金属塩共重合体、結晶性ポリプロ
ピレンホモポリマー、結晶性プロピレン−エチレン共重
合体、結晶性プロピレン−エチレン−ジエン3元共重合
体などを挙げることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の好ましい実施の形態を説明する。図1は本発明による
中空スラブ用埋込材10を用いた中空スラブ用基板Aの
一部分を斜視図により示しており、図2は図1に示す中
空スラブ用基板Aを用いて構築した構築物における中空
スラブの部分断面図である。中空スラブ用基板Aの全体
の形は、図16に基づき説明したものと同様であり、図
1においてはトラス筋などは省略されている。なお、中
空スラブ用基板Aにおいて、本発明による埋込材10が
プレキャストコンクリート板(PCa板)3上の全体に
適当な間隔をおいて適数だけ定着されていてもよく、あ
るいは、後に説明するように、中空スラブ構造を持つ構
築物において、居間兼食事室、洋室、和室などのように
通常の生活環境において高い床衝撃音の発生が予測され
る領域となる部分にのみ本発明による埋込材10を定着
し、他の箇所には、表面が平坦であり裏面側に凹陥部を
持つ従来型の埋込材1を定着するようにしてもよい。
【0021】埋込材10は箱形のものであり、裏面側、
すなわち、プレキャストコンクリート板3に面する側に
は、上に凸である長手方向の第1の裏面溝11が適数
(図示のものでは2本)と、やはり上に凸である短手方
向の第2の裏面溝12が適数(図示のものでは2本で対
となって計6本)、埋込材10の側面10a、10bに
両端をそれぞれ開放する状態で、互いに交叉するように
形成されている。図示されないが、第1及び第2の裏面
溝11、12が形成されない部分には、従来の埋込材と
同様に凹陥部が形成してあってもよい。なお、この第1
及び第2の裏面溝11、12が本発明でいう裏面窪みに
相当する。
【0022】表面側にも、前記第1の裏面溝11と第2
の裏面溝12と対向する位置に、下に凸である第1の表
面溝13と、やはり下に凸である第2の表面溝14が同
様に形成される。そして、各溝の各交叉部分には、表面
溝から裏面溝に連通する貫通孔15が適数(図示のもの
では計12個)、板厚方向に形成されている。なお、表
面溝13、14を設けるかどうかは任意であり、そのい
ずれか一方あるいは双方を省略してもよい。なお、この
第1及び第2の表面溝13、14が本発明でいう表面窪
みに相当する。
【0023】さらに、図示のように、この埋込材10に
は、全体を長手方向にほぼ3分割する位置に、短手方向
に沿った切り込み線16が4周に沿って形成されてい
る。この切り込み線16は、中空スラブの構築に際し
て、例えば配管の具合から、あるいは、より遮音効果の
高い中空スラブ構造を構築したい場合などから、より小
型の埋込材を用いる必要が生じたときなどに、一枚の埋
込材10を該切り込み線16を利用して容易に分離分割
するのに利用される。なお、切り込み線16の本数や設
ける位置は任意であり、省略してもよい。
【0024】埋込材10は、従来の中空スラブ用基板と
同様に、トラス筋2を備えたプレキャストコンクリート
板3上に所定の間隔で適数定着され、中空スラブ用基板
Aが製造される。該中空スラブ用基板Aは、図17に示
すように、躯体の梁B、B間に所要枚数載架され、必要
に応じて、設備用配管Pの施工やスラブ上端筋4の配筋
などを行った後、現場打ちコンクリートCが打設され
る。
【0025】打設された現場打ちコンクリートCは、埋
込材10に形成された貫通孔15を通して、該埋込材裏
面の上に凸である第1の裏面溝11と第2の裏面溝12
の中に流れ込む。前記第1の裏面溝11と第2の裏面溝
12は、埋込材10の側面10a、10bに両端を開放
しており、該開放端からも現場打ちコンクリートCは裏
面溝内に流れ込む、それにより、前記第1の裏面溝11
と第2の裏面溝12は容易かつ確実に現場打ちコンクリ
ートCにより充満される。現場打ちコンクリートCは、
前記貫通孔15、第1及び第2の表面溝13、14をも
充満した後、図2に示すように、所要厚みのコンクリー
ト層を埋込材10の上に形成し、該コンクリートが硬化
することによって、所要の構築物における中空スラブが
構築される。なお、図示の例では、前記上に凸の第1と
第2の裏面溝11、12の天井面は平坦な面として示し
たが、天井面の長手方向の中央近辺が下に向けて突出す
るような船底型とすることもでき、それにより、当該裏
面溝11、12内での現場打ちコンクリートCによる充
填を一層確実とすることができる。
【0026】この様にして構築される中空スラブ構造に
おいて、埋込材10の占める中空率は、前記上に凸の第
1と第2の裏面溝11、12、貫通孔15、及び、第1
と第2の表面溝13、14の合計した容積分だけ減少す
ることとなり、その部分の剛性、質量が増加して、前記
した共振現象の発生を可及的に減少させることが可能と
なり、中空スラブ構造の遮音性能は大きく向上する。ま
た、図示の埋込材10において、その水平断面積は実質
的に貫通孔15の断面積分が減少するのみであり、図1
6に示した従来の埋込材と比較して、構造的に大きな強
度低下は生じない。
【0027】上記のような機能を果たしうる埋込材の形
態は他にも多く存在する。図3aに斜視図を、図3bに
b−b線に沿う断面図を示す形態の埋込材10Aは、裏
面側に上に凸である長手方向の裏面溝(裏面窪み)11
が1本と、表面側に下に凸である表面溝(表面窪み)1
4が3本形成されており、各表面溝14の底面141は
前記裏面溝11の天井面111の位置よりも下位に位置
するようにされている。それにより、裏面溝11と表面
溝14の交叉部分には、裏面溝11に下端を連通する貫
通孔15が実質的に形成される。図において、16は、
埋込材10A全体を長手方向にほぼ3分割する位置に形
成された切り込み線である。
【0028】この埋込材10Aにおいても、現場打ちコ
ンクリートCは、該貫通孔15を通って裏面溝11の中
に流れ込む。同時に、裏面溝11の側面開放端からも裏
面溝11内に流れ込み、裏面溝11内は容易かつ確実に
現場打ちコンクリートCで満たされる。また、表面溝1
4部分も現場打ちコンクリートCで満たされる。それに
より、埋込材10Aを定着した中空スラブ構造におい
て、埋込材10Aの占める中空率はその分だけ減少する
こととなり、構築物における中空スラブの遮音性能は確
実に向上する。この場合にも、埋込材10Aの水平断面
積は、実質的に貫通孔15の断面積分が減少するのみで
あり、構造的に大きな強度低下は生じない。
【0029】図4は、本発明による埋込材のさらに他の
実施の形態であり、図4aは斜視図を、図4bにb−b
線に沿う断面図を示している。この埋込材10Bは、裏
面側に上に凸である裏面窪み21が適数(図示のもので
は3箇所)形成されており、各裏面窪み21は、埋込材
10Bの側面10a、10bに、それぞれ開放端22を
有している。各裏面窪み21の天井中央部分には埋込材
10Bの表面に抜ける貫通孔15が形成されており、該
貫通孔15の表面側は上方に拡がる漏斗状の傾斜面15
aとなっている。図において、16は、埋込材10B全
体を長手方向にほぼ3分割する位置に形成された切り込
み線である。
【0030】この埋込材10Bにおいても、現場打ちコ
ンクリートCは、該貫通孔15を通して裏面窪み21の
中に流れ込み、また、裏面窪み21の側面開放端22を
通って裏面窪み21内に流れ込む。それにより、裏面窪
み21内は容易かつ確実に現場打ちコンクリートCで満
たされる。特に、該貫通孔15の表面側は上方に拡がる
漏斗状の傾斜面15aとなっており、現場打ちコンクリ
ートCの裏面窪み21への流入を確実にする。該貫通孔
15の部分も現場打ちコンクリートCで満たされること
は他の形態のものと同様である。この埋込材10Bを用
いた中空スラブ構造においても埋込材10Bの占める中
空率は確実に減少し、構築物における中空スラブの遮音
性能は向上する。また、埋込材10Bの構造上、強度低
下は殆ど生じないにもかかわらず、プレキャストコンク
リート板3に面する裏面窪み21の面積を上記他の構造
のものと比べて大きくすることができ、その領域の剛
性、質量はさらに増加する。
【0031】図5は、本発明による埋込材のさらに他の
実施の形態であり、図5aは斜視図を、図5bは裏面か
らみた斜視図を示している。この埋込材10Cは、裏面
側に長手方向に延びる上に凸の裏面溝(裏面窪み)11
が1本形成され、表面側には、該裏面溝11と対向する
位置に下に凸である長手方向の表面溝(表面窪み)13
が一本と、該表面溝13に直交する方向に下に凸である
短手方向の表面溝(表面窪み)14が3本形成されてい
る。また、この埋込材10Cは短手方向の断面が船底型
形状となっており、図示のように、裏面全体は、前記裏
面溝11の部分が最も低位となり、その両側が長手方向
の側面10bに向けて上昇する傾斜面31、31とされ
ている。そして、該傾斜面31、31には、プレキャス
トコンクリート板3の上に埋込材10Cを置いたとき
に、その姿勢を安定させる目的で、脚32が設けられ
る。脚32は省略してもよい。
【0032】さらに、前記長手方向の表面溝13には裏
面溝11に抜ける適数の貫通孔15が形成されており、
前記裏面溝11における前記貫通孔15の下端部近傍の
側縁部分は上に凸の切り欠き33とされている。また、
各短手方向の表面溝14にも前記傾斜面31、31に抜
ける適数の貫通孔15bが形成されている。なお、図に
おいて、16は、埋込材10C全体を長手方向にほぼ3
分割する位置に形成された切り込み線である。
【0033】この埋込材10Cにおいては、現場打ちコ
ンクリートCは、該貫通孔15を通って裏面溝11の中
に流れ込むと共に、貫通孔15bを通して、埋込材10
Cの前記裏面傾斜面31、31とプレキャストコンクリ
ート板3の表面の間にも流入する。さらに、現場打ちコ
ンクリートCは裏面溝11の側面開放端からも裏面溝1
1内に流れ込み、また、前記切り欠き33の部分でも現
場打ちコンクリートCは流動する。前記埋込材10Cの
前記裏面傾斜面31、31とプレキャストコンクリート
板3の表面の間の空間には、外側からも現場打ちコンク
リートCは流入する。さらに、表面溝13、14も現場
打ちコンクリートCで満たされる。
【0034】この埋込材10Cを用いた中空スラブ構造
では、上記のように、プレキャストコンクリート板3の
表面と埋込材10Cの裏面傾斜面31、31との空間領
域を現場打ちコンクリートCで満たすことができるの
で、底面が平板の埋込材と比較して、埋込材10Cが占
める部分の中空率をさらに減少させることができ、ま
た、その領域の剛性、質量はさらに増加させることがで
きるので、構築物における中空スラブの遮音性能は確実
に向上する。埋込材10Cの水平断面積は、実質的に貫
通孔15、15bの断面積分が減少するのみであり、構
造的な強度低下は殆ど生じない。
【0035】図6は、本発明による埋込材のさらに他の
実施の形態であり、図6aは上方から見た斜視図を、図
6bは裏面からみた斜視図を示している。この埋込材1
0Dは、表面側の形状は図5に示した埋込材10Cと同
様であり、下に凸である長手方向の表面溝13が一本
と、該表面溝13に直交する方向に下に凸である短手方
向の表面溝14が3本形成されている。そして、埋込材
10D全体を長手方向にほぼ3分割する位置に切り込み
線16が形成されており、埋込材10Dの裏面側は、前
記切り込み線16で区画される各ブロックごとに、頭部
を切除した4角錐体とされていて、それぞれが4つの傾
斜面41を有している。各4角錐体部分には、表面に形
成した長手方向の表面溝13及び短手方向の表面溝14
に対向する位置に、長手方向に延びる上に凸の裏面溝
(裏面窪み)11と短手方向に延びる上に凸の裏面溝
(裏面窪み)12とが十文字状に形成されている。さら
に、前記長手方向の表面溝13には裏面溝11に抜ける
適数の貫通孔15が形成されており、各短手方向の表面
溝14にも前記裏面溝12に抜ける適数の貫通孔15b
が形成されている。
【0036】この埋込材10Dにおいては、現場打ちコ
ンクリートCは、該貫通孔15、貫通孔15bを通って
裏面溝11、12の中に流れ込む。一方、埋込材10D
の裏面の各傾斜面41とプレキャストコンクリート板3
の表面の間の空間にも外側から現場打ちコンクリートC
は流入し、そこから、裏面溝11、12の側面開放部を
通って裏面溝11、12内に流れ込む。さらに、前記貫
通孔や表面溝部分も現場打ちコンクリートCで満たされ
る。
【0037】この埋込材10Dを用いた中空スラブ構造
においては、プレキャストコンクリート板3の表面と埋
込材10Dの12個の裏面傾斜面41との空間領域を現
場打ちコンクリートCで満たすことができるので、図5
に示した埋込材10Cと比較しても、埋込材10Dが占
める部分の中空率をさらに減少させることができ、構築
物における中空スラブの遮音性能は確実に向上する。ま
た、上記他の実施形態と同様に、埋込材10Dの水平断
面積は実質的に貫通孔15、15bの断面積分が減少す
るのみであり、構造的な強度低下は殆ど生じない。
【0038】なお、プレキャストコンクリート板3の表
面に埋込材10〜10Dを定着するには、例えば特公昭
57−47008号公報などに示すように係止具を用い
て定着してもよく、特開昭54−138018号公報な
どに示すように埋込材の裏面に凸部を形成して該凸部を
押し込むことにより定着してもよく、あるいは、接着剤
や粘着テープなどにより定着してもよい。また、埋込材
の表面とスラブ上端筋4との間に所定のかぶりが取れる
ことを条件に、埋込材10〜10Dをプレキャストコン
クリート板3の表面から浮かした状態で定着することも
できる。その場合には、埋込材10〜10Dの裏面側全
面に現場打ちコンクリートCが入り込むこととなり、よ
り高い遮音性能を持つ中空スラブ構造を得ることが可能
となる。図7は、そのような場合での埋込材の定着態様
の一例を示しており、ここでは、埋込材支持具50を用
いて埋込材を定着している。
【0039】すなわち、プレキャストコンクリート板3
を製造するときに、その上に定着しようとする埋込材の
裏面(背面)を安定した姿勢で保持できるような形状を
なす埋込材支持具50をプレキャストコンクリート板3
に一体的に取り付けておき、その上に、埋込材を適宜の
手段により定着する。図示のものは、図5に示した断面
船底型の底面を持つ埋込材10C(ここでは、脚32は
省略されている)を用いる場合の例であり、埋込材支持
具50は、埋込材10Cの左右の裏面傾斜面31、31
に沿うようにM字状に折り曲げられた形状とされてい
る。なお、図7に示すものは例示に過ぎず、前記のよう
に、埋込材支持具50はその上に定着しようとする埋込
材の裏面側(背面側)を安定した姿勢で、かつ浮き上が
った状態で保持できるものであればよく、用いる埋込材
の形状に応じて、適宜の形状のものを用いればよい。
【0040】図8〜図13は本発明による埋込材のさら
に他の実施の形態を示している。図1〜図7に示した埋
込材10〜10Dが、基本的に平坦な表面を持ち、該平
坦な表面に必要に応じて適宜の表面窪みが形成されてい
るのに対して、図8〜図13に示す埋込材は、その断面
における表面側の形状が上に凸の山形形状をなしている
部分を少なくとも有していることを特徴とする。
【0041】例えば、図8に示す埋込材200は、全体
としては箱形のものであるが、表面側は複数本(図では
4本)の山形形状をなす凸条201が長手方向に並設し
た形状とされており、該4本の凸条201に直交するよ
うにして複数本(図では3本)の凹状溝214が形成さ
れている。そして、裏面側における前記凹状溝214に
対応する位置には、上に凸である裏面溝211が凹状溝
214と平行して形成され、該裏面溝211は埋込材2
00の側面200a、200bに両端を開放している。
図示されないが、裏面溝211が形成されない部分に
は、従来の埋込材と同様に凹陥部が形成してあってもよ
い。なお、この裏面溝211は本発明でいう裏面窪みに
相当する。
【0042】さらに、凹状溝214と裏面溝211を連
通する貫通孔215が適数(図示のものでは4×3,計
12個)、板厚方向に形成されているとともに、凸条2
01と凸条201との間の窪みにも表面から裏面に抜け
る貫通孔215aが適数(図示のものでは中央の窪み部
分にのみ計4個)形成されている。なお、前記凸条20
1と凸条201との間の窪みは本発明でいう表面窪みに
も相当する。
【0043】埋込材200は、図1〜図7に示した埋込
材10〜10Dと同様にして、トラス筋2を備えたプレ
キャストコンクリート板3上に所定の間隔で適数定着さ
れ、中空スラブ用基板Aが製造される。そして、該中空
スラブ用基板Aを用いて図9に示すように所要の構築物
における中空スラブが構築される。その際に、打設され
た現場打ちコンクリートCは、埋込材200に形成され
た貫通孔215及び215aを通して、該埋込材裏面の
上に凸である裏面溝211の中に流れ込み、また、裏面
溝211の開放端からも現場打ちコンクリートCは裏面
溝内に流れ込むことは、図1〜図7に示した埋込材10
〜10Dの場合と同様である。
【0044】さらに、上記の埋込材200を定着した中
空スラブ用基板Aを用いて構築された中空スラブ構造に
おいては、埋込材200の表面における山形形状をなす
凸条201の上表面に形成される上部コンクリートシェ
ル部分に床衝撃を受けて生じる振動は、該コンクリート
シェル部分の凸条201の上表面に沿った曲面に沿って
逸散減衰し、該コンクリートシェル部分に生じる撓みは
従来の表面が平坦である埋込材と比較して小さくなる。
それにより、中空スラブでの中空部の存在に関わる共振
の発生は抑制され、中空スラブとしての遮音性能はさら
に大きく向上する。
【0045】図10に示す埋込材200Aは、前記した
埋込材200における山形形状をなす凸条201の裏面
側も下に凸の山形形状をなす凸条250とし、かつ、凸
条201と凸条201との間に表面から裏面に抜ける隙
間251が形成されている点で、前記埋込材200と構
成を異にしている。この埋込材200Aにおいても現場
打ちコンクリートCが貫通孔215及び隙間251を通
して裏面溝211の中に流れ込むことができるととも
に、埋込材200Aを定着した中空スラブ用基板Aを用
いて構築された中空スラブ構造において、埋込材200
Aの表面における山形形状をなす凸条201の上表面に
形成される上部コンクリートシェル部分に床衝撃を受け
て生じる振動は、前記埋込材200の場合と同様に、該
コンクリートシェル部分の凸条201の上表面に沿った
曲面に沿って逸散減衰し、中空スラブでの中空部の存在
に関わる共振の発生は抑制される。
【0046】図11に示す埋込材200Bは、全体とし
て円筒状の筒体260を複数本(図での2本のものが示
されるが、本数は任意である)、隣接して一体成形した
形状のものであり、各筒体260には表面から裏面に貫
通する貫通孔215が適数(図のものでは各3個)形成
され、かつ、筒体260同士の接合面にも貫通孔215
aが適数(図のものでは4個)形成されている。さら
に、前記貫通孔215が形成されている箇所に対応する
裏面側の位置には、筒体260の軸心線に直交する方向
に、上に凸である裏面溝211が形成されていて、該裏
面溝211は埋込材200Bの側面200a、200b
に両端を開放している。この埋込材200Bにおいて
も、前記した埋込材200あるいは200Aと同様の機
能が奏されることは説明を要しないであろう。
【0047】図12に示す埋込材200Cは、一本の円
筒状の筒体260に表面から裏面に貫通する貫通孔21
5を適数(図のものでは各3個)形成し、かつ、前記貫
通孔215が形成されている箇所に対応する裏面側に、
筒体260の軸心線に直交する方向に、上に凸である裏
面溝211を形成している。図13に示す埋込材200
Dは、筒体260の断面形状が円形ではなく、楕円形状
である点で図12に示す埋込材200Cと相違してお
り、他の形状は同じである。これらの埋込材の場合に
も、前記した埋込材200あるいは200Aと同様にし
て、トラス筋2を備えたプレキャストコンクリート板3
上に所定の間隔で適数定着されて中空スラブ用基板Aが
製造されること、そして、該中空スラブ用基板Aを用い
て構築される中空スラブにおいて、これらの埋込材は上
記した他の埋込材と同様の機能を奏することができるこ
とは説明を要しないであろう。
【0048】次に、上記した本発明による埋込材を定着
した中空スラブ用基板Aを用いて実際の建物の中空スラ
ブを構築する場合の一例を説明する。図14は集合住宅
の間取りの一例を示す平面図であり、図15はそのスラ
ブ素面図であって、現場打ちコンクリートCを打設する
前の状態を示している。先に図17に基づいて説明した
ように、躯体の梁(図14、図15には示されない)間
に中空スラブ用基板Aが所要枚数(この例では、図15
に示すように5枚、A1〜A5)載架され、その上に、
現場打ちコンクリートが打設されて中空スラブ構造とさ
れた後、図14に示すような間取りで居住空間が構築さ
れる。
【0049】図14に示す例では、居間兼食事室と和室
とがベランダ側にあり、その内側に、洋室1と台所があ
り、さらにその内側(共同廊下側)に、洋室2と浴室、
洗面脱衣室、玄関などが配置されている。上記のような
居住空間において、居間兼食事室、洋室、和室などの居
住室は、子供のとびはね、走り回る音などにより、通常
の生活状態において高い床衝撃音の発生が予測される領
域ということができ、一方、台所、浴室、洗面脱衣室、
玄関などの非居住室は、居間兼食事室、洋室、和室など
と比較して、高い床衝撃音が生じにくい領域ということ
ができる。
【0050】そこで、居間兼食事室と和室となる領域に
取り付けられる中空スラブ用基板A1及びA2として
は、本発明による中空率を低減できる埋込材(10〜1
0D、200〜200D)(ハッチングで示される)の
いずれかをプレキャストコンクリート板3上の全面に定
着したものを用い、遮音性能の確保を図る。他方、残り
の中空スラブ用基板A3〜A5としては、洋室1と洋室
2となる領域及びその近傍に、本発明による中空率を低
減できる埋込材(10〜10D、200〜200D)
(ハッチングで示される)のいずれかを定着し、他の領
域(台所、浴室、洗面脱衣室、玄関などとなる非居住室
部分)には従来公知の中空率を低減できる手段を講じて
いない埋込材を定着した中空スラブ用基板を用いること
により、部分的に遮音性能を確保すると共に、必要な中
空率をも確保するようにする。
【0051】なお、図示しないが、浴室、便所、洗面脱
衣室など配水管を横引いて設置することが必要となる部
分は、大きな床ふところを必要とする場所であることか
ら、その領域には埋込材そのものを配置しないで現場打
ちコンクリートを打設するようにしてもよい。これによ
り、住宅の床仕上面を住戸内にわたって平滑なものとす
ることができ、高齢者の安全又は車椅子の利用の便のた
めに住宅の床仕上面の高低差を解消することができる。
【0052】
【発明の効果】以上の説明からわかるように、本発明に
よれば、従来とほぼ同じ水平断面積でありながら構造的
な強度低下を招くことなく、中空スラブ構造の中空率を
容易かつ確実に低減することのできる埋込材、及び該埋
込材を持つ中空スラブ用基板が得られる。また、本発明
による埋込材あるいは該埋込材を持つ中空スラブ用基板
を用いることにより、一住戸の床領域全体としては、軽
量化と遮音性能の向上の双方の課題を同時に満足するこ
とのできる中空スラブ構造を持つ構築物を容易に構築す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による埋込材を持つ中空スラブ用基板を
説明する図。
【図2】図1に示す中空スラブ用基板を用いて構築した
中空スラブ構造を説明する断面図。
【図3】本発明による埋込材の他の実施の形態を説明す
る図であり、図3aに斜視図を、図3bは図3aのb−
b線に沿う断面図を示す。
【図4】本発明による埋込材のさらに他の実施の形態を
説明する図であり、図4aに斜視図を、図4bは図4a
のb−b線に沿う断面図を示す。
【図5】本発明による埋込材のさらに他の実施の形態を
説明する図であり、図5aは斜視図を、図5bは裏面か
らみた斜視図を示す。
【図6】本発明による埋込材のさらに他の実施の形態を
説明する図であり、図6aは斜視図を、図6bは裏面か
らみた斜視図を示す。
【図7】本発明による埋込材のプレキャストコンクリー
ト板への定着態様の一実施の形態を説明する図であり、
埋込材支持具を用いて定着している。
【図8】本発明による埋込材のさらに他の実施の形態を
説明する図であり、図8aは斜視図を、図8bは側面図
を、図8cは図8のc−c線による断面図を示す。
【図9】図8に示す中空スラブ用基板を用いて構築した
中空スラブ構造を説明する断面図。
【図10】本発明による埋込材のさらに他の実施の形態
を説明する図であり、図10aは斜視図を、図10bは
側面図を、図10cは図10aのc−c線による断面図
を示す。
【図11】本発明による埋込材のさらに他の実施の形態
を説明する図であり、図11aは斜視図を、図11bは
側面図を、図11cは図11aのc−c線及びd−d線
による断面図を示す。
【図12】本発明による埋込材のさらに他の実施の形態
を説明する図であり、図12aは斜視図を、図12bは
側面図を、図12cは図12aのc−c線による断面図
を示す。
【図13】本発明による埋込材のさらに他の実施の形態
を説明する図であり、図13aは斜視図を、図13bは
側面図を、図13cは図13aのc−c線による断面図
を示す。
【図14】集合住宅の間取りの一例を示す平面図。
【図15】図14に示す間取り図のスラブ素面図。
【図16】従来の中空スラブ用基板を示す鳥瞰図。
【図17】従来の中空スラブ用基板を用いた中空スラブ
構造及び構築物の一例を示す図。
【図18】従来の中空スラブ用基板を用いての配管状態
を説明する図。
【図19】図19aは従来の他の形状の埋込材を用いた
中空スラブ構造を断面により説明する図であり、図19
bは用いる埋込材の底面図である。
【符号の説明】
A…中空スラブ用基板、C…現場打ちコンクリート、3
…プレキャストコンクリート板(PCa板)、10〜1
0D、200〜200D…埋込材、11、12…埋込材
の裏面側に形成した上に凸でありかつ側面方向に開放し
た溝(裏面窪み)、13、14…埋込材の表面側に形成
した凹溝(表面窪み)、15…裏面の窪みに下端を連通
する貫通孔、50…埋込材支持具

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高い床衝撃音の発生が予測される領域に
    は、板厚方向に形成された貫通孔を有する埋込材が、中
    空スラブ用基板の全部又は一部として定着された中空ス
    ラブ用基板が用いられ、それ以外の領域には少なくとも
    前記貫通孔を有しない通常の埋込材が定着されるか又は
    それ以外の領域であって浴室、便所、洗面化粧室など配
    管を横引いて設置することが必要となる領域にあっては
    埋込材が定着されない中空スラブ用基板が用いられ、そ
    の上に現場打ちコンクリートが打設されている中空スラ
    ブ構造を持つ構築物であって、 前記貫通孔を有する埋込材は、プレキャストコンクリー
    ト板上に定着され、打設される現場打ちコンクリートに
    より該コンクリート内に埋設されて中空スラブ構造を形
    成する埋込材であって、該埋込材の前記プレキャストコ
    ンクリート板に面する側には上に凸でありかつ側面方向
    に開放した裏面窪みが形成され、前記貫通孔は該裏面窪
    みに下端を連通しており、前記打設される現場打ちコン
    クリートは、前記貫通孔を通過して前記裏面窪み内に流
    れ込み、埋込材の裏面側に拡がって、前記プレキャスト
    コンクリート板のコンクリートと一体化するようにされ
    ていることを特徴とする構築物。
  2. 【請求項2】 高い床衝撃音の発生が予測される領域に
    は、板厚方向に形成された貫通孔を有する埋込材が定着
    され、それ以外の領域には少なくとも前記貫通孔を有し
    ない通常の埋込材が定着されるか又はそれ以外の領域で
    あって浴室、便所、洗面化粧室など配管を横引いて設置
    することが必要となる領域にあっては埋込材が定着され
    ないで現場打ちコンクリートが打設されている中空スラ
    ブ構造を持つ構築物であって、 前記貫通孔を有する埋込材は、プレキャストコンクリー
    ト板上に定着され、打設される現場打ちコンクリートに
    より該コンクリート内に埋設されて中空スラブ構造を形
    成する埋込材であって、該埋込材の前記プレキャストコ
    ンクリート板に面する側には上に凸でありかつ側面方向
    に開放した裏面窪みが形成され、前記貫通孔は該裏面窪
    みに下端を連通しており、前記打設される現場打ちコン
    クリートは、前記貫通孔を通過して前記裏面窪み内に流
    れ込み、埋込材の裏面側に拡がって、前記プレキャスト
    コンクリート板のコンクリートと一体化するようにされ
    ていることを特徴とする構築物。
  3. 【請求項3】 前記高い床衝撃音の発生が予測される領
    域が、居住空間における居間、茶の間、寝室、客室、応
    接室などの居住室の領域を少なくとも含む床部分である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の中空スラブ構造
    を持つ構築物。
  4. 【請求項4】 前記埋込材は断面における表面側形状が
    上に凸の山形形状をなしている部分を有することを特徴
    とする請求項1ないしいずれか記載の中空スラブ構造
    を持つ構築物。
  5. 【請求項5】 前記凸の山形形状をなしている部分は平
    行に複数列形成されており、各列間の少なくとも一部に
    は上下方向に貫通する空間が形成されていることを特徴
    とする請求項記載の中空スラブ構造を持つ構築物。
  6. 【請求項6】 前記貫通孔の表面側は上方に拡がる漏斗
    状の傾斜面を有していることを特徴とする請求項記載
    の中空スラブ構造を持つ構築物。
  7. 【請求項7】 前記埋込材は表面にも窪みを有してお
    り、前記貫通孔の少なくとも一部の上端は前記表面窪み
    に開放していることを特徴とする請求項1ないしいず
    れか記載の中空スラブ構造を持つ構築物。
  8. 【請求項8】 前記埋込材の裏面は、側面側が上位とな
    る傾斜面とされていることを特徴とする請求項1ないし
    いずれか記載の中空スラブ構造を持つ構築物。
  9. 【請求項9】 前記埋込材の裏面側は、4面の傾斜面を
    持つ頭部を切除した複数の4角錐体とされていることを
    特徴とする請求項1ないしいずれか記載の中空スラブ
    構造を持つ構築物。
  10. 【請求項10】 前記傾斜面は脚を備えることを特徴と
    する請求項8又は9記載の中空スラブ構造を持つ構築
    物。
  11. 【請求項11】 前記埋込材は全体を長手方向に分割す
    る切り込み線を備えることを特徴とする請求項1ないし
    10いずれか記載の中空スラブ構造を持つ構築物。
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