JP3514283B2 - 自動車用潤滑油ゴムホース - Google Patents
自動車用潤滑油ゴムホースInfo
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Description
分水素化した不飽和ニトリル−共役ジエン共重合ゴム層
とアクリル系ゴム層とが加硫接着された構造を含むゴム
ホースに関し、特に自動車用オイルホース等の素材とし
て好適なゴムホースに関する。
使用されるゴムホースは、第1図に示される如く、耐油
性を有する内管層1と、繊維の補強層2と、耐候性を有
する外管層3とよりなる3層の材料の組み合わせにより
構成され、第2図に示される如く、両端部を金属パイプ
5の外周に嵌め、締結バンド6にて固定して取り付けら
れている。
は、排ガス対策、前輪駆動化等により、熱的条件が厳し
くなってきており、それに伴って、自動車用潤滑油系ホ
ースにおいては、従来のアクリロニトリル−ブタジエン
ゴムに代って、アクリル系ゴム、水素化アクリロニトリ
ル・ブタジエンゴム(以下、水素化NBRと略す)、フ
ッ素系ゴム等の、耐熱性と耐油性に優れたゴムが使用さ
れてきている。
熱的条件の苛酷化は、エンジンオイル、オートマチック
トランスミッションフルード(以下、ATFと略す)、
パワーステアリングフルード等、各種潤滑油が劣化する
環境を生じ、この劣化油が更にゴムホースを攻撃して、
ゴム材料を劣化させることが報告されるようになってき
た。従って、エンジンルーム内で使用される潤滑油ホー
ス材料は、これまでの耐油性、耐熱性、耐寒性等の基本
要件の他に、新たに耐劣化油性が付加されることが望ま
れている。
ては、アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステル
を主成分とする重合体が用いられる他、耐劣化油性を向
上させるために、アクリル酸エステルにエチレン、酢酸
ビニルを共重合させたアクリル系ゴムが、提案されてい
る(特公昭59−144098、特公平9−26032
58)。しかしながら、近年、ゴムを大きく膨潤させる
潤滑油が使用される場合があり、アクリル系ゴムやエチ
レン・アクリル系ゴムでは、耐熱性、耐油性、耐寒性、
耐劣化油性のバランスがとれない場合が出てきた。
化油性に最も優れるが、耐寒性と加工性が劣ること、他
のゴムに比べて高価であることが問題である。
耐寒性及び耐劣化油性のバランスに優れ、更に強伸度が
他の耐油性ゴムより優れている。特に、その過酸化物加
硫物が耐熱性と耐劣化油性で優れた特性を発揮する。し
かしながら、水素化NBRは高価であるため、内管内層
に水素化NBRを用い、内管外層に他の比較的安価な耐
油性ゴムを使用することが考えられる。その場合、内管
内層と内管外層は強固に接着している必要があり、製造
の煩雑を避けるために加硫接着されていることが望まれ
る。
ーステアリングホースとして、過酸化物加硫の水素化N
BRとNBRの接着したものが提案されているが、耐熱
性の観点からは、NBRは必ずしも十分とは言えない。
従って、水素化NBRとアクリル系ゴムの接着処方が望
まれるが、目下、水素化NBRとアクリル系ゴムの接着
方法に関した特許、文献類は見当たらない。
の目的は、水素化あるいは部分水素化した不飽和ニトリ
ル−共役ジエン共重合ゴム層とアクリル系ゴム層とが強
固に加硫接着されたゴム積層体を構成にもつ自動車用潤
滑油ゴムホースを得ることにある。
のゴムホースを提供する。 1)ホース径方向において内側から外側に向って、内管
層、繊維補強層及び外管層が配置されて、一体的に構成
されてなり、内部に所定の潤滑油が流通せしめられる自
動車用潤滑油ゴムホースにして、前記内管層が、潤滑油
に接する側に位置する内管内層と前記繊維補強層側に位
置する内管外層とから構成されると共に、該内管内層
が、下記配合物Aからなる水素化あるいは部分水素化し
た不飽和ニトリル−共役ジエン共重合ゴム(X)層にて
構成され、更に、該内管外層が、下記配合物Bからなる
アクリル系ゴム(Y)層にて構成され、且つそれら内管
内層及び内管外層が加硫接着せしめられて、一体化され
ている一方、前記外管層がアクリル系ゴムにて形成され
ていることを特徴とする自動車用潤滑油ゴムホース。 A:水素化あるいは部分水素化した不飽和ニトリル−共
役ジエン共重合ゴム(X)の100重量部に対して、所
定量の有機過酸化物と共に、20〜40重量部のシリカ
系充填剤が混合されているゴム配合物。 B:アクリル系ゴム(Y)の100重量部に対して、所
定量の架橋剤と共に、10重量部までのシリカ系充填剤
が混合されているゴム配合物。
部分を15〜50重量%と、共役ジエンからの単位部分
を0〜20重量%と、不飽和ニトリル以外のエチレン性
不飽和単量体からの単位部分及び/又は共役ジエンから
の単位部分を水素化した単位部分85〜30重量%とを
有する共重合体で構成されていることを特徴とする上記
した自動車用潤滑油ゴムホース。
した不飽和ニトリル−共役ジエン共重合ゴム(X)につ
いて説明する。
トリルの含有量は15〜50重量%であるが、25〜4
5重量%がより好ましい。15重量%未満では耐油性が
劣り、50重量%を超えると、耐寒性が劣る。
は20重量%以下であるが、5重量%以下がより好まし
い。20重量%を超えると、耐熱性、耐劣化油性が劣
る。
ために添加されるシリカ系充填剤としては、湿式シリ
カ、乾式シリカ、ケイソウ土、石英粉等が挙げられる
が、本発明では、湿式シリカが好適に用いられ、更に好
ましくは酸性湿式シリカが最適であり、日本シリカ社製
のニプシールNV3等が例示される。
原料ゴム100重量部に対して5〜50重量部が好まし
い。更に、接着性、加工性及び諸物性のバランスより、
20〜40重量部が最適である。
示され得る。例えば、ベンゾイルパーオキシドの如きジ
アシルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−t−
ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシドアセテー
ト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
t−ブチルパーオキシベンゾエートのごときパーオキシ
エステル類等のモノパーオキシ化合物及び2,5−ジメ
チル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシ
ン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチル
パーオキシ)−へキサン、α、α’−ビス(t−ブチル
パーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2、5−
ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)−へ
キサン等のジパーオキシ化合物等が挙げられる。これら
は、1種類を単独で、あるいは2種類以上を混合して使
用され得る。
物の種類によって異なるが、ジクミルパーオキシド単独
使用の場合は、0.5〜8重量部が好ましい。0.5重
量部未満では機械的強度や耐劣化油性が十分でなく、8
重量部を超えるとスコーチしやすくなる他、接着力が低
下する。
和ニトリル−共役ジエン共重合ゴム(X)には、上記し
たシリカ系充填剤、有機過酸化物の他、酸化亜鉛、酸化
マグネシウム等の受酸剤、老化防止剤、カーボンブラッ
ク、可塑剤、TAIC、TMPTMA等の共架橋剤等が
適宜に添加され得る。
は、特に制限されるものではない。具体的には、上記ア
クリル系ゴムとしては、例えば、アクリル酸アルキルエ
ステル、メタアクリル酸アルキルエステル、アクリル酸
一価基置換アルキルエステル、メタアクリル酸一価基置
換アルキルエステルの重合体、又は該アルキルエステル
を主成分とし、これに活性基を有する第2成分を共重合
したアクリル系ゴムが挙げられる。
アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸エチ
ル、メタアクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタ
アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタアクリル
酸ブチル等が挙げられる。また、アクリル酸一価基置換
アルキルエステル、メタアクリル酸一価基置換アルキル
エステルの具体例を例示すると、アクリル酸メトキシエ
チル、メタアクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エト
キシエチル、メタアクリル酸エトキシエチル、アクリル
酸ブトキシエチル、メタアクリル酸ブトキシエチル等が
挙げられる。
しては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタク
リレート、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボル
ネン、ビニルクロルアセテート、アリルクロルアセテー
ト、ビニルアクリレート、アリルメタクリレー卜等が挙
げられる。
レン、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリロ
ニトリル、スチレン、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレン等の単量体の1種または2種類以上を
40重量%以下程度共重合することが望ましい。
等のイミダゾール化合物、アンモニウムベンゾエート等
の有機カルボン酸アンモニウム類、ヘキサメチレンジア
ミンカーバメート等のポリアミン類、有機過酸化物等が
挙げられる。
和ニトリル−共役ジエン共重合ゴムとの接着力向上のた
めに、アクリル系ゴム側に少量のシリカ系充填剤を添加
することもできる。但し、添加量は、原料ゴム100重
量部に対して、10重量部以下が好ましい。10重量部
を超えると、アクリル系ゴムの貯蔵、加工安定性が悪化
するからである。
剤、カーボンブラック、可塑剤、パラフィン等の加工助
剤等が適宜添加され得る。
する。
硫接着した試験片を用いた場合の試験方法とその試験結
果を説明する。水素化NBRと、アクリル系ゴムとを、
バンバリーミキサー及びオープンロールによって混練り
した。混練りした未加硫状態の2mm厚のシートを互いに
接触させ、先ず、100°C、面圧20kgf/cm2
で5分間予備プレス成形した後、スチーム加硫缶にて1
60°C/45分スチーム加硫した。更に、ギヤーオー
ブン中にて150゜C/8時間熱風加硫した。これを2
5mm幅に切り、JIS K 6256に従ってT型剥
離試験を行なった。
水素化NBRシートとアクリル系ゴムシートとが接着し
ているかどうかを目視にて観察して評価した。また、水
素化NBRシートとアクリル系ゴムシートの剥離面にお
いて、全面がゴム破壊の状態をゴム破壊、ある部分がゴ
ム破壊で残りの部分が界面剥離の状態を部分ゴム破壊、
全面が界面剥離の状態を界面剥離として評価した。
きの製造方法、性能評価方法及び、試験結果について説
明する。
ので、1aは、水素化NBRゴムの配合物からなる内管
内層、1bは、アクリル系ゴムの配合物からなる内管外
層を示しており、内管は1a、1bの2重構造よりな
る。2は繊維補強層を、また3は外管層を示す。
1例としては、バンバリーミキサー及びオープンロール
によって混練された前記水素化NBRゴム配合物と、同
様にして得られたアクリル系ゴム配合物を、押出機によ
り2層同時押出し、又は2機の押出機により内層(水素
化NBRゴム配合物)上に外層(アクリル系ゴム配合
物)を押出した後、その上に繊維補強層を形成せしめ、
更に外管層を押出機により押出して、一体化して、加硫
接着せしめるものである。なお、加硫条件としては、ス
チーム缶内で145〜170℃/30〜90分で加硫し
た後、更に熱風炉にて145〜170℃/2〜12時間
で後加硫するのが、一般的である。
ゴム配合物を各々内管の内層と外層として同時押出成形
し、その外周にアラミド繊維をブレード編みした補強層
を施し、アクリル系ゴム配合物の外管層を施しゴムホー
スを製造した。続いて、スチーム缶にて160℃/45
分スチーム加硫した後、熱風炉にて150℃/8時間熱
風加硫した。ホースの内径は7.5mmであり、各層の
厚みは、内管内層が0.5mm、内管外層が1.5m
m、外管層が1.5mmである。
いて、その性能評価を行なった。即ち、先ず、ゴムホー
スの常態時の内管内層と内管外層の剥離強度をJIS
K 6256に従って測定した。また、長さ300mm
のホースに市販のATFを封入し、両端を密栓して、ギ
ヤーオーブン中にて150℃/200時間老化させた
後、同様の方法で、剥離強度を測定した。
る水素化あるいは部分水素化した不飽和ニトリル−共役
ジエン共重合ゴムとアクリル系ゴムが強固に加硫接着さ
れたゴム積層体及びこのようなゴム積層体を構成にもつ
ゴムホースが得られる。
ては、自動車用の各種潤滑油ホース(エンジンオイルホ
ース、オートマチックトランスミッションホース、パワ
ーステアリングホース等)の他、燃料系ホース、エア系
ホース等が挙げられる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ホース径方向において内側から外側に向
って、内管層、繊維補強層及び外管層が配置されて、一
体的に構成されてなり、内部に所定の潤滑油が流通せし
められる自動車用潤滑油ゴムホースにして、 前記内管層が、潤滑油に接する側に位置する内管内層と
前記繊維補強層側に位置する内管外層とから構成される
と共に、該内管内層が、下記配合物Aからなる水素化あ
るいは部分水素化した不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合ゴム(X)層にて構成され、更に、該内管外層が、下
記配合物Bからなるアクリル系ゴム(Y)層にて構成さ
れ、且つそれら内管内層及び内管外層が加硫接着せしめ
られて、一体化されている一方、前記外管層がアクリル
系ゴムにて形成されていることを特徴とする自動車用潤
滑油ゴムホース。 A:水素化あるいは部分水素化した不飽和ニトリル−共
役ジエン共重合ゴム(X)の100重量部に対して、所
定量の有機過酸化物と共に、20〜40重量部のシリカ
系充填剤が混合されているゴム配合物。 B:アクリル系ゴム(Y)の100重量部に対して、所
定量の架橋剤と共に、10重量部までのシリカ系充填剤
が混合されているゴム配合物。 - 【請求項2】 Xが、不飽和ニトリルからの単位部分を
15〜50重量%と、共役ジエンからの単位部分を0〜
20重量%と、不飽和ニトリル以外のエチレン性不飽和
単量体からの単位部分及び/又は共役ジエンからの単位
部分を水素化した単位部分85〜30重量%とを有する
共重合体で構成されていることを特徴とする請求項1に
記載の自動車用潤滑油ゴムホース。
Priority Applications (1)
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JP19923597A Expired - Fee Related JP3514283B2 (ja) | 1997-07-08 | 1997-07-08 | 自動車用潤滑油ゴムホース |
Country Status (1)
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-
1997
- 1997-07-08 JP JP19923597A patent/JP3514283B2/ja not_active Expired - Fee Related
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