JP3513545B2 - 加熱ローラ装置 - Google Patents

加熱ローラ装置

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JP3513545B2 JP02106697A JP2106697A JP3513545B2 JP 3513545 B2 JP3513545 B2 JP 3513545B2 JP 02106697 A JP02106697 A JP 02106697A JP 2106697 A JP2106697 A JP 2106697A JP 3513545 B2 JP3513545 B2 JP 3513545B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱ローラ装置に
関し、特に、記録紙上に形成されたトナー像を誘導加熱
により熱定着させる加熱ローラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ
等の電子写真方式、或いは静電記録方式の画像出力装置
には、記録紙上に形成したトナー像を熱定着するための
加熱ローラ装置が設けられている。加熱ローラ装置によ
る熱定着には、ランプの放射熱を利用してトナー像を熱
定着させる方式と誘導加熱による熱伝導を利用してトナ
ー像を熱定着させる方式とがある。
【0003】図23は、ランプの放射熱を利用して熱定
着させる加熱ローラ装置を、その回転軸に垂直方向で切
断した断面図で示したものである。円筒形状の定着ロー
ラ180は、円筒の中心軸を中心に回転するようになっ
ている。定着ローラ180の内部には赤外線ランプなど
の熱源179が内蔵されている。また定着ローラ180
の表面はテフロン等によるコーティングが施されてい
る。圧着ローラ181は定着ローラ180の回転軸と平
行に回転軸を有し、所定の圧力で定着ローラ180に押
圧されて回転するようになっている。定着ローラ180
が例えば図中A方向に回転すると圧着ローラ181はA
方向と逆方向に回転する。圧着ローラ181の表面には
シリコンゴム等の耐熱性を有する弾性体がコーティング
されている。トナー像の形成された記録紙182が図中
B方向に定着ローラ180及び圧着ローラ181の接触
面に向かって搬送されてくると、相互に逆回転する定着
ローラ180及び圧着ローラ181により記録紙182
は引き込まれて移動しながらトナー像の熱定着が行わ
れ、排紙される。なお、記録紙182のトナー像が形成
された面は定着ローラ180側である。熱源179から
発生した熱は輻射により定着ローラ180の内面を加熱
し、定着ローラ180の肉厚部を熱伝導して定着ローラ
180の表面をトナーの熱定着に必要な温度に維持する
ように加熱する。
【0004】図24は、従来の誘導加熱方式の加熱ロー
ラ装置の定着ローラの回転軸を含む面での断面図であ
る。磁性材料の柱状鉄心であるローラ軸183の表面に
コイル184が巻かれている。ローラ軸183の両端部
にベアリング188が設けられ、図中右側のベアリング
(軸受)にはローラ側板(右)185が、左側のベアリ
ングにはローラ側板(左)187がそれぞれ回転可能に
取り付けられている。ローラ側板(右)185とローラ
側板(左)187との間には、これらローラ側板18
5、187に端部が固定された円筒形状の回転ローラ1
86がローラ軸183の軸を回転中心として設けられて
いる。従って、回転ローラ186は、ローラ側板18
5、187と共に、ベアリング188を介してローラ軸
183に対して回転するようになっている。回転ローラ
186、及びローラ側板185、187は何れも磁性材
料により形成されている。
【0005】ローラ軸183に巻き付けられたコイル1
84に交流電流が供給されると交番磁束が誘起され、柱
状鉄心のローラ軸183、ローラ側板(右)185、回
転ローラ186、ローラ側板(左)187を経てローラ
軸183に至る閉磁路が形成される。この閉磁路内の交
番磁束により生じる渦電流によりジュール熱が発生し、
さらに交番磁束によるヒステリシス損を生じることによ
り閉磁路で熱が発生する。この発熱により回転ローラ1
86表面を所定の温度にまで上昇させてトナー像の熱定
着を行う。
【0006】また、特開昭54−39645号公報は、
円筒形状の導体ローラの内部に柱状鉄心を用いないコイ
ルを配置し、このコイルに高周波電流を流すことにより
ローラ表面を誘導加熱する加熱ローラ装置を開示してい
る。この加熱ローラ装置を図25に示す。耐熱性を有し
電気的、磁気的絶縁材料からなるコイルボビン189の
外周に誘導加熱のためのコイル190が巻き付けられて
いる。コイル190は図示しない高周波電源に接続され
ている。コイルボビン189はコイルボビン支持体19
1に支持されて装置本体側板195に固定されている。
円筒形の導体ローラ192の両端部は、耐熱性の熱絶縁
性材料で形成されたローラ支持体193に固着されてい
る。ローラ支持体193の内面側は、ベアリング194
の外周面に取り付けられている。そして、ベアリング1
94の内周面はコイルボビン支持体191の外周面に固
定されているので、導体ローラ192はコイルボビン1
89に対して回転できるようになっている。導体ローラ
192の形成材料には、一般に鉄鋼等の強磁性体が用い
られている。誘導加熱用のコイル190に高周波電流を
流すと、発生した高周波磁束が導体ローラ192と鎖交
することにより導体ローラ192に渦電流によるジュー
ル熱とヒステリシス損による熱が発生し、この熱により
導体ローラ192表面が熱定着に必要な温度にまで高め
られる。
【0007】また、特開昭59−33785号公報にお
いて、円筒型導体ローラの内部の誘導コイルの両端に集
束用磁性部材を配置して、誘導コイルに高周波電流を流
すことによりローラを誘導加熱する加熱ローラが開示さ
れている。図26に、この従来の誘導加熱ローラを示
す。コイル197が同心円状に巻き付けられている中空
の円筒形状コイルボビン196の内部であって、コイル
197の両端部近傍に集束用磁性部材198が配置され
ている。コイルボビン196を内部に収容するローラ2
00は、回転軸199の回転と共に回転する。この従来
の加熱ローラ装置によれば、磁束集束用磁性部材をコイ
ルの両端部に設けて、両端部での磁束数を中央部より増
加させることにより、ローラ全体に一様の温度分布が得
られるようにしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の加熱ロー
ラ装置において、図23に示したようなランプの放射熱
を利用する方式の加熱ローラの場合、熱源179から発
生した熱は輻射によって定着ローラ180の肉厚部を熱
伝導により伝達し、ローラ表面をトナー像の熱定着に必
要な温度になるまで加熱する。しかしながらこの輻射に
よる熱伝達方法は熱伝達の効率が低く、熱源179での
消費電力が大きくなってしまうと共に、ウォーミングア
ップに要する時間も長くなってしまうという欠点を有し
ている。また、図2に示したような閉磁路を形成して渦
電流による発熱を利用する従来の加熱ローラの場合に
は、回転ローラ186のローラ表面の温度分布を一定に
させるのが困難であり複写機等の熱定着装置として用い
るのには問題がある。
【0009】また、図3に示したような、導体ローラ1
92の内部に鉄心を設けずにコイルを配置し、高周波電
流を流して導体ローラ192を誘導加熱する定着ローラ
と、図4に示したような、図3の定着ローラのコイルの
両端に磁束集束用磁性部材を追加してローラ本体200
を誘導加熱する定着ローラの場合、コイルを巻いたボビ
ン中心部での磁束密度に対して加熱されるローラ表面の
磁束密度が低くなってしまうので加熱効率が低いという
欠点を有している。従って、ローラ表面の温度を誘導加
熱により所定の温度に上昇させるには定着ローラ表面の
磁束密度を増加させるための大型の電源装置が必要にな
ってしまうという問題を有している。さらに、これら誘
導加熱による定着ローラにおいても、装置の電源投入時
のローラ表面の温度分布を短時間で均一にすることは困
難であり、ウォーミングアップに要する時間も長くなっ
てしまうという問題を有している。
【0010】本発明は、上記従来の定着ローラ装置が有
している問題を解決するためになされたものであり、そ
の目的は、消費電力の少ない加熱ローラ装置を提供する
ことにある。また、本発明の目的は、ウォーミングアッ
プに要する時間を短縮することができる加熱ローラ装置
を提供することにある。またさらに、本発明の目的は、
定着ローラの表面の温度分布を短時間で均一にすること
ができる加熱ローラ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、電気的、磁
気的絶縁材料で形成されたコイルボビンと、コイルボビ
ン表面に絶縁導線を巻き付けて形成した誘導加熱用のコ
イルと、コイルボビン内部に挿入された永久磁石と、コ
イルボビン両端部に固着され、磁性材料で形成された側
磁路部材と、コイルボビンを内部に収容し、磁性材料で
形成された回転可能な定着部ローラとを有することを特
徴とする加熱ローラ装置によって達成される。
【0012】また上記目的は、電気的、磁気的絶縁材料
で形成されたコイルボビンと、コイルボビン表面に絶縁
導線を巻き付けて形成した誘導加熱用のコイルと、コイ
ルボビン内部に挿入された高周波磁性材料からなる心材
と、コイルボビン両端部に設けられ、心材と接続された
高周波磁性材料からなる側磁路部材と、コイルボビンを
内部に収容し、高周波磁性材料より固有抵抗の小さい磁
性材料で形成された回転可能な定着部ローラとを有する
ことを特徴とする加熱ローラ装置によって達成される。
さらに上記目的は、前記加熱ローラ装置において、心材
及び、側磁路部材、永久磁石、定着部ローラにより永久
磁石の磁束の閉磁路が形成されるように永久磁石を設け
たことを特徴とする加熱ローラ装置によっても達成され
る。ここで本発明において、閉磁路は、本発明の構成部
材である各磁性材料間が接触している場合に限らず、例
えば側磁路部材と定着部ローラとの間に間隙があっても
閉磁路を構成しているというものとする。
【0013】またさらに上記目的は、電気的、磁気的絶
縁材料で形成された複数の空芯のコイルボビンと、複数
の空芯のコイルボビン表面に絶縁導線を巻き付けて形成
した誘導加熱用のコイルと、複数の空芯のコイルボビン
両端部に設けられた高周波磁性材料からなる側磁路部材
と、複数の空芯のコイルボビンを内部に収容し、高周波
磁性材料より固有抵抗の小さい磁性材料で形成された回
転可能な定着部ローラとを有することを特徴とする加熱
ローラ装置によっても達成される。
【0014】またさらに上記目的は、上述の加熱ローラ
装置において、定着部ローラの回転軸から半径方向に等
距離に配置された複数個の前記コイルボビンを用い、複
数のコイルボビン表面は、少なくとも一部において定着
部ローラ内面に沿う円弧状表面を有することを特徴とす
る加熱ローラ装置によって達成される。また上記目的
は、前記加熱ローラ装置において、回転軸方向に貫通す
る開口部を設けたことを特徴とする加熱ローラ装置によ
って達成される。また上記目的は、上述の加熱ローラ装
置において、定着部ローラの外表面に高熱伝導性の金属
を被着したことを特徴とする加熱ローラ装置によって達
成される。
【0015】本発明によれば、電気的、磁気的絶縁材料
で形成されたコイルボビン表面に絶縁導線を巻き付けて
形成した誘導加熱用のコイルと、コイルボビン内部に挿
入された永久磁石と、コイルボビン両端部に磁性材料で
形成された側磁路部材と、コイルボビンを内部に収容
し、磁性材料で形成された回転可能な定着部ローラとを
有する特徴的構成により、磁性材料の側磁路部材と定着
部ローラとで永久磁石の磁束の閉磁路を構成し、コイル
に断続的な直流電流を流して当該磁束を変化させること
により定着部ローラに渦電流を生じさせてジュール熱に
より加熱するので、消費電力の少ない、また、ウォーミ
ングアップに要する時間を短縮することができる加熱ロ
ーラ装置を実現できる。
【0016】また本発明によれば、電気的、磁気的絶縁
材料で形成されたコイルボビン表面に絶縁導線を巻き付
けて形成した誘導加熱用のコイルと、コイルボビン内部
に挿入された高周波磁性材料からなる心材と、コイルボ
ビン両端部に設けられ、心材と接続された高周波磁性材
料からなる側磁路部材と、コイルボビンを内部に収容
し、高周波磁性材料より固有抵抗の小さい磁性材料で形
成された回転可能な定着部ローラとを有する特徴的構成
により、磁性材料の心材、側磁路部材、及び定着部ロー
ラとで閉磁路を構成し、コイルに電流を流して閉磁路内
の磁束を変化させることにより定着部ローラに渦電流を
生じさせてジュール熱を発生させ、及びヒステリシス損
により加熱するので、消費電力の少ない、また、ウォー
ミングアップに要する時間を短縮することができる加熱
ローラ装置を実現できる。
【0017】またさらに、定着部ローラの外表面に高熱
伝導性の金属を固着又は被着した定着ローラを設けたの
でローラ表面の温度分布を短時間で均一にすることがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態による
加熱ローラ装置の構造を図1を用いて説明する。図1は
本実施の形態による加熱ローラ装置をその回転軸を含む
面で切断した断面図である。コイルボビン1は円筒形状
をした円筒部と、コイルボビン本体を支持するための例
えば鍔状に形成された支持用端部とを有している。コイ
ルボビン1は耐熱性を有し、電気的、磁気的に絶縁性を
有する材料、例えばポリイミドで形成されている。コイ
ルボビン1の円筒部表面には、絶縁導線を所定の巻数で
円筒部軸方向に巻き付けた誘導加熱用のコイル4が形成
されている。コイルボビン1の内部には、コイルボビン
1の円筒部中心軸にほぼ一致する中心軸を有する円筒状
の空隙部が形成されている。空隙部の軸方向両端部はコ
イルボビン1の支持用端部近傍にまで延在している。こ
のコイルボビン1の空隙部に永久磁石2が挿入されてい
る。永久磁石2は好適にはプラスチックマグネットが用
いられる。永久磁石2は、コイルボビン1の空隙部の一
端部と永久磁石2との間に設けたスペーサ3によりコイ
ルボビン1内に固定されている。
【0019】コイルボビン1の支持用端部のうち、図中
左側の端部には、コイルボビン1の円筒部の中心軸と中
心軸を同じくし、円筒部の半径より所定量大きい外半径
を有する円筒状の側磁路部材(左)5の一端部が超音波
溶接等により固着されている。同様にして図中右側の端
部にも、コイルボビン1の円筒部の中心軸と軸を同じく
し、側磁路部材5の外半径とほぼ同じ外半径を有する円
筒状の側磁路部材(右)6の一端部が超音波溶接等によ
り固着されている。なおコイルボビン1に金属製雌ねじ
を一体モールドしても、樹脂製雌ねじにヘリサートねじ
を挿入しても樹脂雌ねじにしてもよく、コイルボビン1
を側磁路部材5、6にねじ止めすることも可能である。
これら側磁路部材5、6はフェライト等からなる磁性材
料で形成されている。側磁路部材5のコイルボビン1と
反対側の他端部には図示しないねじ等によって反磁性の
銅製の側板(左)7が固定されている。側磁路部材6の
コイルボビン1と反対側の他端部にも図示しないねじ等
によって反磁性の銅製の側板(右)8が固定されてい
る。側板8の側磁路部材6側と反対の面に、ねじ等(図
示せず)によりサイドフレーム12が固定されている。
なお、側板(左)7、側板(右)8は銅製に限らずネジ
強度のある材料であれば使用可能である。
【0020】サイドフレーム12の側板8側の円筒状端
部は、円筒形の定着部ローラ9の一端部側内面に圧入さ
れて定着部ローラ9に固定されている。従って、定着部
ローラ9の内部には、円筒部に誘導加熱用のコイル4が
形成され内部の空隙部に永久磁石2を内挿したコイルボ
ビン1と、コイルボビン1の支持用端部に固着した側磁
路部材5、6とが収納される。理由は後述するが、定着
部ローラ9の内面と当該内面に対向するコイル4の外周
囲との隙間、及び定着部ローラ9の内面と側磁路部材
5、6の円筒部外面との間隙は狭いほどよく、好適には
それらの間隙がない状態、つまり、それぞれ両者が接触
している状態になるように、サイドフレーム12の圧入
側の円筒状端部、及びコイルボビン1の円筒部外径、側
磁路部材5、6の円筒部外径は加工されている。
【0021】定着部ローラ9は磁性材料で形成されてお
り、好適には純鉄が用いられる。定着部ローラ9の他端
部側の内面には、図示しないノックピンで側板7に対し
て位置決めしたギヤフレーム11が圧入されている。ギ
ヤフレーム11はねじ等(図示せず)で側板7に固定さ
れている。定着部ローラ9の外周には、高熱伝導性を有
する金属からなる定着ローラ10が圧入、熱かしめ等に
より固着されている。定着ローラ10の形成材料として
好適には銅、アルミニウムといった高熱伝導性を有する
金属が用いられる。また、定着ローラ10の表面にはテ
フロン等によるコーティングが施されている。
【0022】サイドフレーム12の圧入側と反対の面に
は基板スペーサ13を介して基板14が設けられ、図示
しないEリングにより固定されている。コイル4を構成
する絶縁導線の両端は、基板14に設けられ異なる半径
を有する2つの円筒状の端子にそれぞれ接続され、図示
しないブラケットに固定されたブラシ15を通してロー
ラが回転する間、常に電源が供給されるようになってい
る。以上説明した本実施の形態による加熱ローラ装置
は、ギヤフレーム11及びサイドフレーム12で軸受を
介して例えば複写機等のベースフレームに対して回転可
能に取り付けられている。駆動装置(図示せず)からの
動力をギヤフレーム11の歯車に伝達することにより本
実施の形態による加熱ローラ装置は回転するようになっ
ている。図22で示した従来の加熱ローラ装置と同様
に、定着ローラ10の回転軸と平行に回転軸を有し、所
定の圧力で定着ローラ10に押圧されて回転する圧着ロ
ーラ(図示せず)もベースフレームに取り付けられてい
る。
【0023】次に本実施の形態による加熱ローラ装置の
動作を図2を用いて説明する。図2は、説明を明確にす
るために、図1に示した加熱ローラ装置の断面図のう
ち、コイル4、永久磁石2、側磁路部材5、6、及び定
着部ローラ9のみを抜き出して示し、且つ各部材の形状
も一部誇張して描いている。これら図2に示した加熱ロ
ーラ装置の構成部材は何れも磁石あるいは磁性体であ
り、その他の図示を省略した構成部材は電気的、磁気的
に絶縁体である。図2(a)に示すように、柱状の永久
磁石2の極性が例えば図中左側がN極、右側がS極であ
るとする。永久磁石2の磁束は図中矢印で示すように、
側磁路部材5、定着部ローラ9、側磁路部材6を通り永
久磁石2に戻る閉磁路を形成する。
【0024】次に図2(b)に示すようにコイル4に直
流電流を流す。図中、コイル4の絶縁導線の断面におい
て、紙面から出てくる方向に電流が流れる場合を「・」
で示し、紙面に向かって電流が流れる場合を「×」で示
している。この図示のように電流をコイル4に流すとコ
イル4の絶縁導線の各部で右ねじの法則により、定着部
ローラ9内で永久磁石により生じた磁束の向きと逆向き
の磁界が発生する。このコイル4により生じた逆向きの
磁界は、側磁路5、6、定着部ローラ9内の磁束を打ち
消すように作用する。
【0025】コイル4に流す電流を遮断すると再び図2
(a)に示すように永久磁石2からの磁束が定着部ロー
ラ9内を通る閉磁路が形成される。このように、コイル
4に電流を流せば磁束量が変化し、また電流を遮断すれ
ば元の閉磁路が形成されるために磁束量が変化する。つ
まり、コイル4に断続的に電流を流すようにするだけで
定着部ローラ9内の磁束量を容易に変化させることがで
きるようになる。従って、定着部ローラ9内に渦電流を
生じさせて定着部ローラ内9にジュール熱を発生させる
ことができるようになる。さらに、一般的なコンバータ
回路を用いてスイッチングを行ってコイル4に断続的に
電流を流すことにより、定着部ローラ9に生じた熱は、
定着部ローラ9の表面に固着された熱伝導率に優れた銅
或いはアルミニウムからなる定着ローラ10により短時
間で当該定着ローラ10表面に均一に拡散することがで
きる。
【0026】なお、本実施の形態の加熱ローラ装置の構
成において説明した、定着部ローラ9の内面と当該内面
に対向するコイル4の外周囲との隙間が狭い程よく、望
ましくは接触している状態がよいというのは、コイル4
により生じた逆向きの磁界を効率よく用いて定着部ロー
ラ9内の磁束を打ち消すようにさせるためである。ま
た、定着部ローラ9の内面と側磁路部材5、6の円筒部
外面との間隙が狭いほどよく、望ましくは接触している
方がよいというのは、閉磁路での磁束の漏れを少なくさ
せるためである。なお、コイル4は複数層巻きにしても
よい。
【0027】本実施の形態による加熱ローラ装置は、上
述のようにコイル4に流す直流電流を断続的にさせるだ
けでよく、従来の加熱ローラ装置のようにコイル4に交
流電流を流す必要はない。従って、高周波(交流)電流
を生成するためのインバータ回路は不要であり、単に通
常のコンバータ回路(図示せず)による直流電流のオ
ン、オフを行うようにすればよく、またコイルの空芯部
を通過する磁束により側磁路5、6、定着部ローラ9の
永久磁石2による磁束を消磁できるため、従来の加熱ロ
ーラ装置で要していた消費電力をほぼ半分以下にまで抑
えることができる加熱ローラ装置を実現することができ
る。また、逆にコイルの内側が永久磁石であるため電流
のオン、オフにかかわらずコイル内部の磁束は大きく変
化せず、空芯との差が少なく逆起電力の発生が少ないの
で、コンバータ回路によるコイル4に流す電流をオフに
しておく時間を短くでき、断続回数を増加させるように
すれば、ウォーミングアップに要する時間を大幅に短縮
させることができるようになる。なお、1回当たりコイ
ル4に流す電流値を大きくし、ウォーミングアップに要
する時間を短縮させることも可能である。近年の複写
機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式、
或いは静電記録方式の画像出力装置に要求されている低
消費電力化を実現するためには、加熱ローラ装置での消
費電力を低減させることが必須であるが、本実施の形態
による加熱ローラ装置によれば、電源投入時の立ち上げ
時間、或いは省電力モードからの復帰時間を、上述のよ
うに加熱ローラ装置のコイル4へ流す電流の断続回数を
増加させるだけで短縮させ、また待機時にはコイル4に
流す電流の断続回数を低下させることにより低省電力化
を容易に実現することができるようになる。
【0028】また、本実施の形態では定着部ローラ9の
表面にさらに熱伝導率に優れた定着ローラ10を固着し
ているので、記録紙上のトナー像を定着させるためのロ
ーラ表面の温度分布を短時間で均一にすることができ
る。本実施の形態による加熱ローラ装置は、小型に形成
することができるので、特にPPCプリンタや、ファク
シミリ等の小型プリンタ、小型複写機に使用することが
できる点にも特徴を有している。
【0029】次に、本発明の第2の実施の形態による加
熱ローラ装置を図3を用いて説明する。本実施の形態に
よる加熱ローラ装置は、第1の実施の形態で説明した、
誘導加熱用のコイルを表面に有し永久磁石を内挿した電
気的、磁気的絶縁材料で形成されたコイルボビンを複数
用いた点に特徴を有している。図3は本実施の形態によ
る加熱ローラ装置をその回転軸を含む面で切断した断面
図である。図3に基づいて本実施の形態による加熱ロー
ラ装置の構成を詳述する。本実施の形態による加熱ロー
ラ装置においては、コイルボビン16を4個用いてい
る。コイルボビン16は円筒形状をした円筒部と、コイ
ルボビン16を支持するための例えば鍔状に形成された
支持用端部とを有している。コイルボビン16は耐熱性
を有し、電気的、磁気的に絶縁性を有する材料、例えば
ポリイミドで形成されている。コイルボビン16の円筒
部表面には、絶縁導線を所定の巻数で円筒部軸方向に巻
き付けた誘導加熱用のコイル18が形成されている。コ
イルボビン16の内部には、コイルボビン16の円筒部
中心軸にほぼ一致する中心軸を有する円筒状の空隙部が
形成されている。空隙部の軸方向両端部はコイルボビン
16の支持用端部近傍にまで延在している。このコイル
ボビン16の空隙部に永久磁石17が挿入されている。
永久磁石17は好適にはプラスチックマグネットが用い
られる。永久磁石17は、コイルボビン16の空隙部の
一端部と永久磁石17との間に設けたスペーサ19によ
りコイルボビン16内に固定されている。
【0030】このようなコイルボビン16を4本用い、
各コイルボビン16の中心軸がほぼ平行になり、且つ軸
方向からみて各中心軸が正方形の各頂点の位置にくるよ
うに、各コイルボビン16の支持用端部は固定されてい
る。各コイルボビン16の支持用端部のうち、図中左側
の端部には、4個のコイルボビン16の円筒部の中心軸
から等距離の位置、即ち上記正方形の対角線の交点の位
置に中心軸を有し、当該中心軸から4個のコイルボビン
16の最外周の距離より所定量大きい外半径を有する円
筒状の側磁路部材(左)20の一端部が超音波溶接等に
より固着されている。なおコイルボビン16は金属製雌
ねじを一体モールドしても、樹脂製雌ねじにヘリサート
ねじを挿入しても樹脂雌ねじにしてもよく、コイルボビ
ン16を側磁路部材20、21にねじ止めすることも可
能である。同様にして図中右側の端部にも、4個のコイ
ルボビン16の円筒部の中心軸から等距離の位置、即ち
上記正方形の対角線の交点の位置に中心軸を有し、当該
中心軸から4個のコイルボビン16の最外周の距離より
所定量大きい外半径を有する円筒状の側磁路部材(右)
21の一端部が超音波溶接等により固着されている。こ
れら側磁路部材20、21はフェライト等からなる磁性
材料で形成されている。側磁路部材20、21は、その
中心軸から所定の半径で開口部が設けられている。
【0031】側磁路部材20のコイルボビン16と反対
側の他端部には、図示しないねじ等によって反磁性の銅
製の側板(左)22が固定されている。側磁路部材21
のコイルボビン16と反対側の他端部にも図示しないね
じ等によって反磁性の銅製の側板(右)23が固定され
ている。側板23の側磁路部材21側と反対の面に、ね
じ等(図示せず)によりサイドフレーム27が固定され
ている。なお、側板(左)22、側板(右)23は、銅
製に限らずネジ強度のある材料であれば使用可能であ
る。サイドフレーム27の側板23側の円筒状端部は、
中空円筒状の定着部ローラ24の一端部側内面に圧入さ
れて定着部ローラ24に固定されている。従って、定着
部ローラ24の内部には、円筒部に誘導加熱用のコイル
18がそれぞれ形成され内部の空隙部に永久磁石17を
それぞれ内挿した4個のコイルボビン16と、4個のコ
イルボビン16の支持用端部に固着した側磁路部材2
0、21とが収納される。第1の実施の形態で説明した
通り、定着部ローラ24の内面と当該内面に対向するコ
イル18の外周囲との隙間、及び定着部ローラ24の内
面と側磁路部材20、21の円筒部外面との間隙は狭い
ほどよく、好適にはそれらの間隙がない状態、つまり、
それぞれ両者が接触している状態になるように、サイド
フレーム27の圧入側の円筒状端部、及びコイルボビン
17の側磁路部材20、21への取り付け位置、コイル
ボビン17の円筒部外径、側磁路部材20、21の円筒
部外径は考慮されて加工されている。
【0032】定着部ローラ24は磁性材料で形成されて
おり、好適には純鉄が用いられる。定着部ローラ24の
他端部側の内面には、図示しないノックピンで側板22
に対して位置決めしたギヤフレーム26が圧入されてい
る。ギヤフレーム26はねじ等(図示せず)で側板22
に固定されている。定着部ローラ24の外周には、高熱
伝導性を有する金属からなる定着ローラ25が圧入、熱
かしめ等により固着されている。定着ローラ25の形成
材料として好適には銅、アルミニウムといった高熱伝導
性を有する金属が用いられる。また、定着ローラ25の
表面にはテフロン等によるコーティングが施されてい
る。
【0033】サイドフレーム27の圧入側と反対の面に
は基板スペーサ28を介して基板29が設けられ、図示
しないEリングにより固定されている。コイル18を構
成する絶縁導線の両端は、基板29に設けられ異なる半
径を有する2つの円筒状の端子にそれぞれ接続され、図
示しないブラケットに固定されたブラシ15を通してロ
ーラが回転する間、常に電源が供給されるようになって
いる。以上説明した本実施の形態による加熱ローラ装置
は、ギヤフレーム26及びサイドフレーム27で軸受を
介して例えば複写機等のベースフレームに対して回転可
能に取り付けられている。駆動装置(図示せず)からの
動力をギヤフレーム26の歯車に伝達することにより本
実施の形態による加熱ローラ装置は回転するようになっ
ている。図22で示した従来の加熱ローラ装置と同様
に、定着ローラ24の回転軸と平行に回転軸を有し、所
定の圧力で定着ローラ25に押圧されて回転する圧着ロ
ーラ(図示せず)もベースフレームに取り付けられてい
る。
【0034】次に本実施の形態による加熱ローラ装置の
動作を図4を用いて説明する。図4は、説明を明確にす
るために、図3に示した加熱ローラ装置の断面図のう
ち、図中上部のコイルボビン16について、コイル1
8、永久磁石17、側磁路部材20、21、及び定着部
ローラ24のみを抜き出して示し、且つ各部材の形状も
一部誇張して描いている。これら図4に示した加熱ロー
ラ装置の構成部材は何れも磁石あるいは磁性体であり、
その他の図示を省略した構成部材は電気的、磁気的に絶
縁体である。図4(a)に示すように、柱状の永久磁石
17の極性が例えば図中左側がN極、右側がS極である
とする。永久磁石17の磁束は図中矢印で示すように、
側磁路部材20、定着部ローラ24、側磁路部材21を
通り永久磁石17に戻る閉磁路を形成する。
【0035】次に図4(b)に示すようにコイル18に
直流電流を流す。図中、コイル18の絶縁導線の断面に
おいて、紙面から出てくる方向に電流が流れる場合を
「・」で示し、紙面に向かって電流が流れる場合を
「×」で示している。この図示のように電流をコイル1
8に流すとコイル18の絶縁導線の各部で右ねじの法則
により、定着部ローラ24内で永久磁石17により生じ
た磁束の向きと逆向きの磁界が発生する。このコイル1
8により生じた逆向きの磁界は、側磁路20、21、定
着部ローラ24内の磁束を打ち消すように作用する。
【0036】コイル18に流す電流を遮断すると再び図
4(a)に示すように永久磁石17からの磁束が定着部
ローラ24内を通る閉磁路が形成される。このように、
コイル18に電流を流せば磁束量が変化し、また電流を
遮断すれば元の閉磁路が形成されるために磁束量が変化
する。つまり、コイル18に断続的に電流を流すように
するだけで定着部ローラ24内の磁束量を容易に変化さ
せることができるようになる。従って、定着部ローラ2
4内に渦電流を生じさせて定着部ローラ内24にジュー
ル熱を発生させることができるようになる。さらに、一
般的なコンバータ回路を用いてスイッチングを行ってコ
イル18に断続的に電流を流すことにより定着部ローラ
24に生じた熱は、定着部ローラ24の表面に固着され
た熱伝導率に優れた銅或いはアルミニウムからなる定着
ローラ25により短時間で当該定着ローラ25表面に均
一に拡散することができる。なお、コイル18は、複数
層巻きでもよい。また、図3では、ブラシの数が2個、
コイルの数が4個なので並列でオン、オフ同時制御にな
るが、ブラシの数を増やしてコイル2個同時制御、ある
いはコイル個々に制御を行うことも可能である。
【0037】本実施の形態による加熱ローラ装置は、上
述のようにコイル18に流す直流電流を断続的にさせる
だけでよく、従来の加熱ローラ装置のようにコイル18
に交流電流を流す必要はない。従って、高周波(交流)
電流を生成するためのインバータ回路は不要であり、単
に通常のコンバータ回路(図示せず)による直流電流の
オン、オフを行うようにすればよく、またコイル空芯部
を通過する磁束により側磁路部材20、21、定着部ロ
ーラ24の永久磁石17による磁束を消磁できるため、
従来の加熱ローラ装置で要していた消費電力をほぼ半分
にまで抑えることができる加熱ローラ装置を実現するこ
とができる。また、逆にコイルの中が永久磁石であるた
め電流のオン、オフにかかわらずコイルの内部の磁束は
大きく変化せず空芯と大差ないので逆起電力の発生が少
なく、コンバータ回路によるコイル18に流す電流のオ
フの時間を短くでき、断続回数を増加させるようにすれ
ば、ウォーミングアップに要する時間を大幅に短縮させ
ることができるようになる。なお、1回当たりのコイル
18に流す電流値を大きくしてウォーミングアップに要
する時間を短縮させることも可能である。近年の複写
機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式、
或いは静電記録方式の画像出力装置に要求されている低
消費電力化を実現するためには、加熱ローラ装置での消
費電力を低減させることが必須であるが、本実施の形態
による加熱ローラ装置によれば、電源投入時の立ち上げ
時間、或いは省電力モードからの復帰時間を、上述のよ
うに加熱ローラ装置のコイル18へ流す電流の断続回数
を増加させるだけで短縮させ、また待機時にはコイル1
8に流す電流の断続回数を低下させることにより低省電
力化を容易に実現することができるようになる。また、
本実施の形態では定着部ローラ24の表面にさらに熱伝
導率に優れた定着ローラ25を固着しているので、記録
紙上のトナー像を定着させるためのローラ表面の温度分
布を短時間で均一にすることができる。本実施の形態に
よる加熱ローラ装置は、誘導加熱コイルを複数個設けて
いるので、特に高速印刷を行わせる複写機への使用に適
している。
【0038】次に、本発明の第3の実施の形態による加
熱ローラ装置を図5を用いて説明する。本実施の形態に
よる加熱ローラ装置は、第1及び第2の実施の形態にお
ける加熱ローラ装置が、定着部ローラとコイルボビンと
が連結されて一体として回転するようになっていたのに
対して、コイルボビンを固定させて回転しないように
し、定着部ローラだけを回転させるようにした点に特徴
を有している。図5は本実施の形態による加熱ローラ装
置をその回転軸を含む面で切断した断面図である。コイ
ルボビン30は円筒形状をした円筒部と、円筒部両端の
コイルボビン30を固定するための軸方向に延びた固定
用端部とを有している。コイルボビン30は、固定用端
部が図示しないベースフレームに固定されているので回
転しないようになっている。コイルボビン30は耐熱性
を有し、電気的、磁気的に絶縁性を有する材料、例えば
ポリイミドで形成されている。コイルボビン30の円筒
部表面には、絶縁導線が所定の巻数で円筒部軸方向に巻
き付けられた誘導加熱用のコイル32が形成されてい
る。コイルボビン30の内部には、コイルボビン30の
円筒部中心軸にほぼ一致する中心軸を有する円筒状の空
隙部が形成されている。このコイルボビン30の空隙部
に永久磁石31が挿入されている。永久磁石31は好適
にはプラスチックマグネットが用いられる。永久磁石3
1は、コイルボビン30の空隙部の一端部と永久磁石3
1との間に設けたスペーサ33によりコイルボビン30
内に固定されている。
【0039】コイルボビン30の円筒部両端のうち、図
中左側の端部には、コイルボビン30の円筒部の中心軸
と中心軸を同じくし、円筒部の半径にほぼ等しい外半径
を有する円筒状のフェライト等からなる磁性材料で形成
されている側磁路部材(左)35が反磁性の銅製の側板
(左)37にねじ止めされてコイルボビン30に挿入さ
れて接着され、Eリングによりコイルボビン30に固定
されている。同様にして図中右側の端部にも、コイルボ
ビン30の円筒部の中心軸と軸を同じくし、円筒部の半
径にほぼ等しい外半径を有する円筒状のフェライト等か
らなる磁性材料で形成されている側磁路部材(右)36
が反磁性の銅製の側板(右)38にねじ止めされてコイ
ルボビン30に挿入されて接着され、Eリングによりコ
イルボビン30に固定されている。なお、側板(右)3
8は銅製に限らずネジ強度のある材料であれば使用可能
である。
【0040】図示しないベースフレームに固定されてい
るコイルボビン30の両固定用端部には軸受34が取り
付けられており、この軸受34を介して図中左側にはギ
ヤフレーム41が回転可能に取り付けられ、図中右側に
はサイドフレーム42が回転可能に取り付けられてい
る。そして、ギヤフレーム41及びサイドフレーム42
に端部が固定されて中空円筒状の定着部ローラ39が回
転可能に支持されている。従って、定着部ローラ39の
内部には、円筒部に誘導加熱用のコイル32が形成され
内部の空隙部に永久磁石31を内挿したコイルボビン3
0と、コイルボビン30の固定用端部に固着した側磁路
部材35、36とが収納される。定着部ローラ39の内
面と当該内面に対向するコイル32の外周囲との隙間、
及び定着部ローラ39の内面と側磁路部材35、36の
円筒部外面との間隙はできるだけ狭くすることが望まし
い。しかしながら、本実施の形態による加熱ローラ装置
においては定着部ローラは回転するがコイルボビン30
は回転しないので、それぞれ両者が接触しないように一
定の間隙を持たせるようにしている。
【0041】定着部ローラ39は磁性材料で形成されて
おり、好適には純鉄が用いられる。定着部ローラ39の
外周には、高熱伝導性を有する金属からなる定着ローラ
40が圧入、熱かしめ等により固着されている。定着ロ
ーラ40には好適には銅、アルミニウムといった高熱伝
導性を有する金属が用いられる。また、定着ローラ40
の表面にはテフロン等のコーティングが施されている。
以上説明した本実施の形態による加熱ローラ装置は、駆
動装置(図示せず)からの動力をギヤフレーム41の歯
車に伝達することにより、ギヤフレーム41、定着部ロ
ーラ39(及び定着ローラ40)、及びサイドフレーム
42が一体となって回転するようになっている。図22
で示した従来の加熱ローラ装置と同様に、定着ローラ4
0の回転軸と平行の回転軸を有し、所定の圧力で定着ロ
ーラ40に押圧されて回転する圧着ローラ(図示せず)
もベースフレームに取り付けられている。なお、コイル
32は複数層巻きでも可能である。
【0042】本実施の形態による加熱ローラ装置の動作
は、コイルボビン等が回転しない点を除き、図2を用い
て説明した第1の実施の形態における加熱ローラ装置の
動作と同様であるので詳細な説明は省略する。本実施の
形態による加熱ローラ装置も、コイル32に流す電流を
断続的にさせることにより定着部ローラ39に渦電流を
生じさせて、発生したジュール熱により加熱する。従っ
て、従来の装置のような高周波電流を生成するためのイ
ンバータ回路等は不要であり、単に通常のコンバータ回
路による直流電流のオン、オフを行うようにすればよ
く、またコイル空芯部を通過する磁束により側磁路部材
35、36、定着部ローラ39の永久磁石31による磁
束を消磁できるため、従来の加熱ローラ装置に要してい
た消費電力をほぼ半分にまで抑えることができる加熱ロ
ーラ装置を実現することができる。また、逆にコイルの
内側が永久磁石であるので電流のオン、オフにかかわら
ずコイル内部の磁束は余り大きく変化せず空芯と大差な
いので、逆起電力の発生が少なくコンバータ回路による
コイル32に流す電流のオフの時間を短縮でき、断続回
数を増加させるようにすれば、ウォーミングアップに要
する時間を大幅に短縮することができるようになる。な
お、1回当たりのコイル32に流す電流値を大きくしウ
ォーミングアップに要する時間を短縮させることも可能
である。近年の複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ
等の電子写真方式、或いは静電記録方式の画像出力装置
に要求されている低消費電力化を実現するためには、加
熱ローラ装置での消費電力を低減させることが必須であ
るが、本実施の形態による加熱ローラ装置によれば、電
源投入時の立ち上げ時間、或いは省電力モードからの復
帰時間を、上述のように加熱ローラ装置のコイル32へ
流す電流の断続回数を増加させるだけで短縮させ、また
待機時にはコイル32に流す電流の断続回数を低下させ
ることにより低省電力化を容易に実現することができる
ようになる。本実施の形態による加熱ローラ装置は、小
型に形成することができるので、特にPPCプリンタ
や、ファクシミリ等の小型プリンタ、小型複写機に使用
することができる点にも特徴を有している。
【0043】次に、本発明の第4の実施の形態による加
熱ローラ装置を図6を用いて説明する。本実施の形態に
よる加熱ローラ装置は、第1及び第2の実施の形態にお
ける加熱ローラ装置が、定着部ローラとコイルボビンと
が連結されて一体として回転するようになっていたのに
対して、コイルボビンを固定させて回転しないように
し、定着部ローラだけを回転させるようにした点に特徴
を有し、また誘導加熱用のコイルを表面に有し永久磁石
を内挿した電気的、磁気的絶縁材料で形成されたコイル
ボビンを複数用いた点に特徴を有している。
【0044】図6は本実施の形態による加熱ローラ装置
をその回転軸を含む面で切断した断面図である。本実施
の形態による加熱ローラ装置においては、コイルボビン
43を4個用いている。コイルボビン43は円筒形状を
した円筒部と、コイルボビン43を支持するための例え
ば鍔状に形成された支持用端部とを有している。コイル
ボビン43は耐熱性を有し、電気的、磁気的に絶縁性を
有する材料、例えばポリイミドで形成されている。コイ
ルボビン43の円筒部表面には、絶縁導線が所定の巻数
で円筒部軸方向に巻き付けられた誘導加熱用のコイル4
5が形成されている。コイルボビン43の内部には、コ
イルボビン43の円筒部中心軸にほぼ一致する中心軸を
有する円筒状の空隙部が形成されている。空隙部の軸方
向両端部はコイルボビン43の支持用端部近傍にまで延
在している。このコイルボビン43の空隙部に永久磁石
44が挿入されている。永久磁石44は好適にはプラス
チックマグネットが用いられる。永久磁石44は、コイ
ルボビン43の空隙部の一端部と永久磁石44との間に
設けたスペーサ46によりコイルボビン43に固定され
ている。
【0045】このようなコイルボビン43を4本用い、
各コイルボビン43の中心軸がほぼ平行になり、且つ軸
方向からみて各中心軸が正方形の各頂点の位置にくるよ
うに、各コイルボビン43の支持用端部は固定されてい
る。各コイルボビン43の支持用端部のうち、図中左側
の端部には、4個のコイルボビン43の円筒部の中心軸
から等距離の位置、即ち上記正方形の対角線の交点の位
置に中心軸を有し、当該中心軸から4個のコイルボビン
43の最外周とほぼ等しい外半径を有する円筒状の側磁
路部材(左)49の一端部が超音波溶接等により固着さ
れている。同様にして図中右側の端部にも、4個のコイ
ルボビン43の円筒部の中心軸から等距離の位置、即ち
上記正方形の対角線の交点の位置に中心軸を有し、当該
中心軸から4個のコイルボビン43の最外周の距離とほ
ぼ等しい外半径を有する円筒状の側磁路部材(右)48
の一端部が超音波溶接等により固着されている。なおコ
イルボビン43は金属製雌ねじを一体モールドしても、
樹脂製雌ねじにヘリサートねじを挿入しても樹脂雌ねじ
にしてもよく、コイルボビン43を側磁路部材48、4
9にねじ止めすることも可能である。これら側磁路部材
48、49はフェライト等からなる磁性材料で形成され
ている。側磁路部材48、49は、その中心軸から所定
形状の開口部が設けられている。側磁路部材49の他端
部は、図示しないねじ等によって反磁性の銅製の側板
(左)49に固定されている。側磁路部材48の他端部
も図示しないねじ等によって反磁性の銅製の側板(右)
50に固定されている。なお、側板(左)49、側板
(右)50は銅製に限らずネジ強度のある材料であれば
使用可能である。
【0046】側板49、50は、側磁路部材48、49
の取り付け面と反対側の面でそれぞれコイル軸53、5
4とねじ等により接続されて固定されている。従って、
コイル45、永久磁石44をそれぞれ備えたこれら4個
のコイルボビン43と、側磁路部材47、48、側板4
9、50、コイル軸53、54とは一体化されたコイル
アッセンブリとして図示しないベースフレームにねじ等
で固定されている。
【0047】図示しないベースフレームに固定されてい
るコイルアッセンブリの両コイル軸53、54には軸受
57が取り付けられており、この軸受57を介して図中
左側にはギヤフレーム55が回転可能に取り付けられ、
図中右側にはサイドフレーム56が回転可能に取り付け
られている。そして、ギヤフレーム55及びサイドフレ
ーム56に端部が固定されて中空円筒状の定着部ローラ
51が回転可能に支持されている。従って、定着部ロー
ラ51の内部には、円筒部に誘導加熱用のコイル45が
それぞれ形成され内部の空隙部に永久磁石44をそれぞ
れ内挿した4個のコイルボビン43と、4個のコイルボ
ビンの支持用端部に固着した側磁路部材47、48とが
収納される。定着部ローラ51の内面と当該内面に対向
するコイル45の外周囲との隙間、及び定着部ローラ5
1の内面と側磁路部材47、48の円筒部外面との間隙
は両者が接触しない限度でできるだけ狭くすることが望
ましい。
【0048】定着部ローラ51は磁性材料で形成されて
おり、好適には純鉄が用いられる。定着部ローラ51の
外周には、高熱伝導性を有する金属からなる定着ローラ
52が圧入、熱かしめ等により固着されている。定着ロ
ーラ52には好適には銅、アルミニウムといった高熱伝
導性を有する金属が用いられる。また、定着ローラ52
の表面にはテフロン等のコーティングが施されている。
以上説明した本実施の形態による加熱ローラ装置は、駆
動装置(図示せず)からの動力をギヤフレーム55の歯
車に伝達することにより、ギヤフレーム55、定着部ロ
ーラ51(及び定着ローラ52)、及びサイドフレーム
56が一体となって回転するようになっている。図23
で示した従来の加熱ローラ装置と同様に、定着ローラ5
2の回転軸と平行の回転軸を有し、所定の圧力で定着ロ
ーラ52に押圧されて回転する圧着ローラ(図示せず)
もベースフレームに取り付けられている。なお、コイル
45は複数巻きでも可能である。
【0049】本実施の形態による加熱ローラ装置の動作
は、コイルボビン等を含むコイルアッセンブリが回転し
ない点を除き、図4を用いて説明した第2の実施の形態
における加熱ローラ装置の動作と同様であるので詳細な
説明は省略する。本実施の形態による加熱ローラ装置
も、コイル45に流す電流を断続的にさせることにより
定着部ローラ51に渦電流を生じさせて、発生したジュ
ール熱により加熱する。従って、従来の装置のような高
周波電流を生成するためのインバータ回路等は不要であ
り、単に通常のコンバータ回路による直流電流のオン、
オフを行うようにすればよく、またコイル空芯部を通過
する磁束により側磁路部材47、48、定着部ローラ5
1の永久磁石44による磁束を消磁することができるの
で、従来の加熱ローラ装置に要していた消費電力を半分
以下にまで抑えることができる加熱ローラ装置を実現す
ることができる。また、逆にコイルの内側が永久磁石で
あるので電流のオン、オフにかかわらずコイル内部の磁
束は余り大きく変化せず空芯と大差ないので逆起電力の
発生が小さく、コンバータ回路によるコイル45に流す
電流のオフ時間を短縮でき、断続回数を増加させるよう
にすれば、ウォーミングアップに要する時間を大幅に短
縮することができるようになる。なお、1回当たりのコ
イル32に流す電流値を大きくしてウォーミングアップ
に要する時間を短縮させることも可能である。近年の複
写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方
式、或いは静電記録方式の画像出力装置に要求されてい
る低消費電力化を実現するためには、加熱ローラ装置で
の消費電力を低減させることが必須であるが、本実施の
形態による加熱ローラ装置によれば、電源投入時の立ち
上げ時間、或いは省電力モードからの復帰時間を、上述
のように加熱ローラ装置のコイル45へ流す電流の断続
回数を増加させるだけで短縮させ、また待機時にはコイ
ル45に流す電流の断続回数を低下させることにより低
省電力化を容易に実現することができるようになる。
【0050】また、本実施の形態における加熱ローラ装
置は、固定された複数のコイルボビンに形成された複数
のコイルに対して定着部ローラが回転するようになって
いるので、回転部ローラの全面に亘って均等に渦電流を
生じさせることができるので、より短時間で所定の熱定
着温度に昇温させることができるようになる。本実施の
形態による加熱ローラ装置は、誘導加熱コイルを複数個
設けているので、特に高速印刷を行わせる複写機への使
用に適している。
【0051】次に、本発明の第5の実施の形態による加
熱ローラ装置を図7及び図8を用いて説明する。本実施
の形態による加熱ローラ装置は、誘導加熱用のコイルを
表面に有する電気的、磁気的絶縁材料で形成されたコイ
ルボビンを複数用いた加熱ローラ装置であって、各コイ
ルボビンは永久磁石を内挿せず、またコイルボビンの形
状に特徴を有している。図7は本実施の形態による加熱
ローラ装置をその回転軸を含む面で切断した断面図であ
る。本実施の形態による加熱ローラ装置においては、コ
イルボビン58を4個用いている。コイルボビン58は
円筒形状をした円筒部と、コイルボビン58を支持する
ための例えば鍔状に形成された支持用端部とを有してい
る。コイルボビン58は耐熱性を有し、電気的、磁気的
に絶縁性を有する材料、例えばポリイミドで形成されて
いる。コイルボビン58の円筒部表面には、絶縁導線が
所定の巻数で円筒部軸方向に巻き付けられた誘導加熱用
のコイル59が形成され、図示しない高周波電源に接続
されている。
【0052】このようなコイルボビン58を4本用い、
各コイルボビン58の中心軸がほぼ平行になり、且つ軸
方向からみて各中心軸が正方形の各頂点の位置にくるよ
うに、各コイルボビン58の支持用端部は固定されてい
る。各コイルボビン58の支持用端部のうち、図中左側
の端部には、4個のコイルボビン58の円筒部の中心軸
から等距離の位置、即ち上記正方形の対角線の交点の位
置に中心軸を有し、当該中心軸から4個のコイルボビン
58の最外周とほぼ等しい外半径を有する円筒状の側磁
路部材(左)60の一端部が超音波溶接等により固着さ
れている。同様にして図中右側の端部にも、4個のコイ
ルボビン58の円筒部の中心軸から等距離の位置、即ち
上記正方形の対角線の交点の位置に中心軸を有し、当該
中心軸から4個のコイルボビン58の最外周の距離とほ
ぼ等しい外半径を有する円筒状の側磁路部材(右)61
の一端部が超音波溶接等により固着されている。なおコ
イルボビン58は金属製雌ねじを一体モールドしても、
樹脂製雌ねじにヘリサートねじを挿入しても樹脂雌ねじ
にしてもよく、コイルボビン58を側磁路部材60、6
1にねじ止めすることも可能である。これら側磁路部材
60、61は高周波磁心材料で形成されている。側磁路
部材60、61は、その中心軸から所定形状の開口部が
設けられている。側磁路部材60の他端部は、図示しな
いねじ等によって反磁性の銅製の側板(左)62に固定
されている。側磁路部材61の他端部も図示しないねじ
等によって反磁性の銅製の側板(右)63に固定されて
いる。なお、側板(左)62、側板(右)63は、銅製
に限らずネジ強度のある材料であれば使用可能である。
【0053】側板62、63は、側磁路部材60、61
の取り付け面と反対側の面でそれぞれコイル軸64、6
5とねじ等により接続されて固定されている。また、側
板62、63とコイル軸64、65も中心軸から所定形
状の開口が設けられている。コイル59をそれぞれ備え
たこれら4個のコイルボビン58と、側磁路部材60、
61、側板62、63、コイル軸64、65とは一体化
されたコイルアッセンブリとして図示しないベースフレ
ームにねじ等で固定されている。図示の通り、このコイ
ルアッセンブリは軸方向に貫通しており、図示しないフ
ァン等の強制空冷装置を用い、この貫通した一方の開口
から他方の開口に冷気を送風することによりコイル59
を冷却させることができるようになっている。
【0054】図示しないベースフレームに固定されてい
るコイルアッセンブリの両コイル軸64、65には軸受
70が取り付けられており、この軸受70を介して図中
左側にはギヤフレーム68が回転可能に取り付けられ、
図中右側にはサイドフレーム69が回転可能に取り付け
られている。そして、ギヤフレーム68及びサイドフレ
ーム69に端部が固定されて中空円筒状の定着部ローラ
66が回転可能に支持されている。従って、定着部ロー
ラ66の内部には、円筒部に誘導加熱用のコイル59が
それぞれ形成された4個のコイルボビン58と、4個の
コイルボビンの支持用端部に固着した側磁路部材60、
61とが収納される。定着部ローラ66の内面と当該内
面に対向するコイル59の外周囲との隙間、及び定着部
ローラ66の内面と側磁路部材60、61の円筒部外面
との間隙は両者が接触しない限度でできるだけ狭くする
ことが望ましい。
【0055】定着部ローラ66は磁性材料で形成されて
おり、好適には純鉄が用いられる。定着部ローラ66の
外周には、高熱伝導性を有する金属からなる定着ローラ
67が圧入、熱かしめ等により固着されている。定着ロ
ーラ67には好適には銅、アルミニウムといった高熱伝
導性を有する金属が用いられる。また、定着ローラ67
の表面にはテフロン等のコーティングが施されている。
以上説明した本実施の形態による加熱ローラ装置は、駆
動装置(図示せず)からの動力をギヤフレーム68の歯
車に伝達することにより、ギヤフレーム68、定着部ロ
ーラ66(及び定着ローラ67)、及びサイドフレーム
69が一体となって回転するようになっている。図22
で示した従来の加熱ローラ装置と同様に、定着ローラ6
7の回転軸と平行の回転軸を有し、所定の圧力で定着ロ
ーラ67に押圧されて回転する圧着ローラ(図示せず)
もベースフレームに取り付けられている。
【0056】本実施の形態による加熱ローラ装置は従来
の加熱ローラ装置と同様に高周波誘導加熱により動作す
るようになっているが、コイルアッセンブリは軸方向に
貫通させてあるので、ファン等の強制空冷装置を用いて
この貫通した一方の開口から他方の開口に冷気を送風す
ることにより、高周波誘導加熱により高温になってしま
うコイル59を冷却させることができる。従って、高周
波誘導用のコイルを複数個設けることができ、定着部ロ
ーラの熱容量を大きくさせて所定の熱定着に必要な温度
に短時間で昇温させることができるようになる。本実施
の形態においては、コイルアッセンブリが固定され、定
着部ローラ(及び定着ローラ)を回転させる加熱ローラ
装置で説明したが、上記構成の利点、効果は定着部ロー
ラとともにコイルアッセンブリが一体的に回転する加熱
ローラ装置の場合であっても同様に得ることができる。
本実施の形態による加熱ローラ装置も、誘導加熱コイル
を複数個設けているので、特に高速印刷を行わせる複写
機への使用に適している。
【0057】次に、本実施の形態におけるコイルボビン
の形状の変形例を説明する。上述の本実施の形態におけ
るコイルボビンのコイルを巻き付けた領域は円筒形状で
あったが、例えば図8に示すような断面形状を有する柱
状に加工することもできる。図8(a)は、定着部ロー
ラ66内の4個のコイルボビン58の形状と配置を示す
断面図である。コイルボビン58のコイルが巻き付けら
れている領域の定着部ローラ66側は、円筒形の定着部
ローラ66の中心軸を中心とする円弧状に形成されてい
る。図8(b)に示したコイルボビンも、コイルボビン
58のコイルが巻き付けられている領域の定着部ローラ
66側を、円筒形の定着部ローラ66の中心軸を中心と
した円弧状に形成している。コイルボビンの定着部ロー
ラ側の形状をこれらのようにすることにより、コイルボ
ビン58に巻き付けられたコイル59が定着部ローラ6
6に対向する面積を拡大させることができるので、加熱
効率を向上させることができるようになる。従って、消
費電力を抑え、ウォーミングアップに要する時間を短縮
させることができるようになる。なお図8に示すような
コイルボビンの断面形状は、高周波誘導加熱を行う本実
施の形態における加熱ローラ装置に特に有効であるが、
本願における複数のコイルボビンを用いた他の実施の形
態における加熱ローラ装置にも当然応用することが可能
である。
【0058】次に、本発明の第6の実施の形態による加
熱ローラ装置を図9及び図10を用いて説明する。本実
施の形態による加熱ローラ装置は、コイルボビン内部に
鉄心を設け、コイルボビンの側方に永久磁石を設けた点
に特徴を有している。図9は本実施の形態による加熱ロ
ーラ装置をその回転軸を含む面で切断した断面図であ
る。コイルボビン72は中空円筒形状をしており、耐熱
性を有し、電気的、磁気的に絶縁性を有する材料、例え
ばポリイミドで形成されている。コイルボビン72の円
筒部表面には、絶縁導線が所定の巻数で複数層巻き付け
られた誘導加熱用のコイル73が形成されている。な
お、コイル73は1層巻きでも可能である。
【0059】コイルボビン72の円筒内面には、鉄心7
1が挿入されている。鉄心71は、高い透磁率と高い固
有抵抗を備えた、例えばフェライト、圧粉磁心等の高周
波用磁心材料で形成されている。鉄心71の両端部のう
ち一端部(図中左側の端部)は、後述する定着部ローラ
81の内面に接触しないが、極めて接近した円形周囲を
有するように形成されている。鉄心71のコイルボビン
72と反対側の面には、鉄心71とほぼ同一径を有し反
磁性の銅製で形成された側板77がねじ等により固定さ
れている。
【0060】鉄心71の他方の端部(図中右側の端部)
はコイルボビン72端部より突出しており、その突出部
には側磁路部材74がはめ込まれている。側磁路部材7
4は、高透磁率と高固有抵抗を備えた、例えばフェライ
ト、圧粉磁心等の高周波用磁心材料で形成されている。
側磁路部材74は、永久磁石75及び側磁路部材76と
共に、側板78にねじ止めされて鉄心71突出部にはめ
込まれて接着されている。側磁路部材76は、高透磁率
と高固有抵抗を備えた、例えばフェライト、圧粉磁心等
の高周波用磁心材料で形成され、定着部ローラ81の内
面に接触しないが、極めて接近した円形周囲を有するよ
うに形成されている。側板78は反磁性の銅製で形成さ
れている。なお、側板77、側板78は銅製に限らずネ
ジ強度のある材料であれば使用可能である。
【0061】側磁路部材76と定着部ローラ81の間隙
及び鉄心71の一端部側と定着部ローラ81の間隙の長
さの和は、側磁路部材76と定着部ローラ81の間隙及
び側磁路部材74と定着部ローラ81の間隙の長さの和
より長くなるようにしてある。また、側磁路部材74と
定着部ローラ81の間隙の長さは、永久磁石75の厚さ
方向の長さより短く形成されている。側板77、78の
コイルボビン側と反対側の面にはコイル軸79、80が
それぞれねじ等で固定されており、図中左側からコイル
軸79、側板77、鉄心71、コイル73が形成された
コイルボビン72、側磁路部材74、永久磁石75、側
磁路部材76、側板78、そしてコイル軸80は一体と
なってコイルアッセンブリを構成し、図示しないベース
フレームに固定されて回転しないようになっている。コ
イル73の2つの端部は鉄心71の一端部、側板77、
コイル時空79に設けられた図示しない溝を通して外部
の電源端子に接続されている。
【0062】図示しないベースフレームに固定されてい
るコイルアッセンブリの両コイル軸79、80には軸受
85が取り付けられており、この軸受85を介して図中
左側にはギヤフレーム84が回転可能に取り付けられ、
図中右側にはサイドフレーム83が回転可能に取り付け
られている。そして、ギヤフレーム84及びサイドフレ
ーム83に端部が固定されて中空円筒状の定着部ローラ
81が回転可能に支持されている。従って、定着部ロー
ラ81の内部には、側板77、鉄心71、コイル73が
形成されたコイルボビン72、側磁路部材74、永久磁
石75、側磁路部材76、側板78が定着部ローラ81
の内面と接触することなく収納されている。
【0063】定着部ローラ81は、鉄心71、側磁路部
材74、75より低い固有抵抗を有する磁性材料で形成
されており、好適には純鉄が用いられる。定着部ローラ
81の外周には、高熱伝導性を有する金属からなる定着
ローラ82が圧入、熱かしめ等により固着されている。
定着ローラ82には好適には銅、アルミニウムといった
高熱伝導性を有する金属が用いられる。また、定着ロー
ラ82の表面にはテフロン等のコーティングが施されて
いる。以上説明した本実施の形態による加熱ローラ装置
は、駆動装置(図示せず)からの動力をギヤフレーム8
4の歯車に伝達することにより、ギヤフレーム84、定
着部ローラ81(及び定着ローラ82)、及びサイドフ
レーム83が一体となって回転するようになっている。
図22で示した従来の加熱ローラ装置と同様に、定着ロ
ーラ82の回転軸と平行に回転軸を有し、所定の圧力で
定着ローラ82に押圧されて回転する圧着ローラ(図示
せず)もベースフレームに取り付けられている。
【0064】次に、本実施の形態による加熱ローラ装置
の動作を図10を用いて説明する。図10は、説明を明
確にするために、図9に示した加熱ローラ装置の断面図
のうち、コイル73、永久磁石75、側磁路部材74、
76、鉄心71、及び定着部ローラ81のみを示し、且
つ各部材の形状も誇張して描いている。これら図10に
示した加熱ローラ装置の構成部材は何れも磁石乃至磁性
体であり、その他の図示しない構成部材は電気的、磁気
的に絶縁体である。図10(a)に示すように、永久磁
石75の極性が例えば図中左側がN極、右側がS極であ
るとする。永久磁石75の磁束は図中実線の矢印で示す
ように、鉄心71から、定着部ローラ81、側磁路部材
76を通り永久磁石75に戻る閉磁路を形成する。次に
図10(b)に示すようにコイル73に電流を流して、
鉄心71から側磁路部材74、定着部ローラ81、鉄心
71を通る、永久磁石75により生じた磁束の向きと逆
向きの磁束を発生させる。このコイル73により生じた
逆向きの磁束は、定着部ローラ81内の磁束を打ち消す
ように作用する。
【0065】コイル73に流す電流を遮断すると再び図
10(a)に示すように永久磁石75からの磁束が定着
部ローラ81内を通る閉磁路が形成される。このよう
に、コイル73に電流を流せば磁束量が変化し、また電
流を遮断すれば元の閉磁路が形成されるために磁束量が
変化する。つまり、コイル73に断続的に電流を流すよ
うにするだけで定着部ローラ81内の磁束量を容易に変
化させることができるようになる。従って、定着部ロー
ラ81内に渦電流を生じさせて定着部ローラ内81にジ
ュール熱を発生させることができるようになる。さら
に、コンバータ回路によるスイッチングでコイル73に
断続的に電流を流すことにより、定着部ローラ81に生
じた熱は、定着部ローラ81の表面に固着された熱伝導
率に優れた銅或いはアルミニウムからなる定着ローラ8
2により短時間で当該定着ローラ82表面に均一に拡散
することができる。定着部ローラ81は上述のように低
い固有抵抗を有し、鉄心71、側磁路部材74、75は
高い固有抵抗を有するようにしている。
【0066】渦電流損Pは、 P∝Φm22/R (但し、Φm:磁束の変化量、f:単位時間当たりの磁
束の変化の繰り返し数、R:金属の抵抗値である)と表
される。
【0067】渦電流損Pは抵抗値に反比例するので、従
って定着部ローラ81の方が鉄心71、側磁路部材7
4、75より発熱する。なお、側磁路部材76と定着部
ローラ81の間隙及び鉄心71の一端部側と定着部ロー
ラ81の間隙の長さの和が、側磁路部材76と定着部ロ
ーラ81の間隙及び側磁路部材74と定着部ローラ81
の間隙の長さの和より長いと、永久磁石75、側磁路部
材74、定着部ローラ81、側磁路部材76、永久磁石
75と流れる閉磁路の磁気抵抗が、永久磁石75、側磁
路部材74、鉄心71、定着部ローラ81、側磁路部材
76、永久磁石75と流れる閉磁路の磁気抵抗より小さ
くなって、永久磁石75の大部分の磁束が永久磁石7
5、側磁路部材74、定着部ローラ81、側磁路部材7
6、永久磁石75の閉磁路に流れてしまうので、定着部
ローラ81に渦電流を十分生じさせるだけの磁束の変化
を定着部ローラ81に与えられなくなる。従って、側磁
路部材76と定着部ローラ81の間隙及び鉄心71の一
端部側と定着部ローラ81の間隙の長さの和は、側磁路
部材76と定着部ローラ81の間隙及び側磁路部材74
と定着部ローラ81の間隙の長さの和より短くしてい
る。また、側磁路部材74と定着部ローラ81の間隙の
長さが、永久磁石75の厚さ方向の長さより長いと、鉄
心71、側磁路部材74、定着部ローラ81、鉄心71
(一端部側)に流れるコイル73の閉磁路の磁気抵抗
が、鉄心71、側磁路部材74、永久磁石75、側磁路
部材76、定着部ローラ81、鉄心71(一端部側)に
流れるコイル73の閉磁路の磁気抵抗より大きくなり、
側磁路部材74がバイパスの役目を果たさなくなるの
で、側磁路部材74と定着部ローラ81の間隙の長さ
は、永久磁石75の厚さ方向の長さより短くしている。
なお、側磁路部材74と定着部ローラ81の間隙の長さ
を永久磁石75の厚さ方向の長さよりも長くしても効率
は落ちるが、コイル73に電流を流すことにより永久磁
石75の磁束による閉磁路と同じ閉磁路で逆向きの鉄心
71、側磁路部材74、永久磁石75、側磁路部材7
6、定着部ローラ81、鉄心71と磁束が流れ、永久磁
石75の閉磁路の磁束を打ち消し、さらにコイル73の
電流を切ることにより再び永久磁石75の磁束が閉磁路
に流れ、コイル73のオン、オフにより定着部ローラ8
1の磁束量が変化し、渦電流とヒステリシスにより定着
部ローラ81を発熱させる方法によりバイパスの役目な
しでも使用できるので前記間隙の長さが永久磁石の厚さ
より長くても使用可能である。なお、本実施の形態では
永久磁石を1つ用いたが、例えば鉄心71の図中左側端
部と側板77との間にさらに永久磁石を設けるようにす
ることも可能である。また、効率は落ちるが鉄心71、
側磁路部材74、76、定着部ローラ81は磁性材料で
あれば使用可能である。
【0068】以上のような本実施の形態による加熱ロー
ラ装置においては、従来の加熱ローラ装置のようにコイ
ル73に交流電流を流す必要はなく、高周波(交流)電
流を生成するためのインバータ回路は不要であり、単に
通常のコンバータ回路(図示せず)による直流電流のオ
ン、オフを行うようにすればよいので、従来の加熱ロー
ラ装置に要していた消費電力をほぼ半分にまで抑えるこ
とができる加熱ローラ装置を実現することができる。ま
た、逆に従来の加熱ローラ装置と同程度の電力量を供給
するとして、コンバータ回路によるコイル73に流す電
流値を大きくして定着部ローラ81が消磁以上の永久磁
石と逆向きの磁界になるよう磁束を増加させるようにす
れば、ウォーミングアップに要する時間をほぼ半分に短
縮することができるようになる。また、オフの時間を短
くしてコイル73に流す電流の断続回数を増加させるよ
うにすればウォーミングアップに要する時間を大幅に短
縮することができる。但し、本実施の形態による加熱ロ
ーラ装置のコイルに従来と同様の高周波電流を流す方式
を用いることも可能である。
【0069】近年の複写機、レーザプリンタ、ファクシ
ミリ等の電子写真方式、或いは静電記録方式の画像出力
装置に要求されている低消費電力化を実現するために
は、加熱ローラ装置での消費電力を低減させることが必
須であるが、本実施の形態による加熱ローラ装置によれ
ば、電源投入時の立ち上げ時間、或いは省電力モードか
らの復帰時間を、上述のように加熱ローラ装置のコイル
73へ流す電流の断続回数を増加させるだけで短縮さ
せ、また待機時にはコイル73に流す電流の断続回数を
低下させることにより低省電力化を容易に実現すること
ができるようになる。また、本実施の形態では定着部ロ
ーラ81の表面にさらに熱伝導率に優れた定着ローラ8
2を固着しているので、記録紙上のトナー像を定着させ
るためのローラ表面の温度分布を短時間で均一にするこ
とができる。本実施の形態による加熱ローラ装置は、小
型に形成することができるので、特にPPCプリンタ
や、ファクシミリ等の小型プリンタ、小型複写機に使用
することができる点にも特徴を有している。
【0070】次に、本発明の第7の実施の形態による加
熱ローラ装置を図11乃至図13を用いて説明する。本
実施の形態による加熱ローラ装置は、第6の実施の形態
による加熱ローラ装置のコイルボビンを複数個設けた点
に特徴を有している。図11は本実施の形態による加熱
ローラ装置をその回転軸を含む面で切断した断面図であ
る。本実施の形態による加熱ローラ装置においては、コ
イルボビン87を4個用いている。コイルボビン87は
中空円筒形状をしており、耐熱性を有し、電気的、磁気
的に絶縁性を有する材料、例えばポリイミドで形成され
ている。コイルボビン87の円筒部表面には、絶縁導線
を所定の巻数で複数層巻き付けた誘導加熱用のコイル8
8が形成されている。なお、コイル88は1層巻きでも
可能である。
【0071】コイルボビン87の円筒内面には、鉄心8
6が挿入されている。鉄心86は、高い透磁率と高い固
有抵抗を備えた、例えばフェライト、圧粉磁心等の高周
波用磁心材料で形成されている。このようなコイルボビ
ン87を4本用い、各コイルボビン87の中心軸がほぼ
平行になり、且つ軸方向からみて各中心軸が正方形の各
頂点の位置にくるように、各コイルボビン87は固定さ
れる。コイルボビン87にそれぞれ挿入された4個の鉄
心86の一端部(図中左側の端部)86’は図13に示
すように一体的に形成されており、後述する定着部ロー
ラ96の内面に接触しないが、極めて接近した円形周囲
を有するように形成されている。鉄心の一端部86’に
は、図中×状の溝が形成され、溝を隔てて各鉄心86が
コイルボビン87に挿入されている。鉄心の一端部8
6’は、一端部86’とほぼ同一径を有し反磁性の銅製
で形成された側板92がねじ等により固定されている。
【0072】4本の鉄心86の他方の端部(図中右側の
端部)は4個のコイルボビン87端部より突出してお
り、その4個の突出部に側磁路部材89がはめ込まれて
いる。側磁路部材89は、高透磁率と高固有抵抗を備え
た、例えばフェライト、圧粉磁心等の高周波用磁心材料
で形成されている。側磁路部材89は、永久磁石90及
び側磁路部材91と共に、側板93にねじ止めされて4
個の鉄心86突出部にはめ込まれて接着されている。側
磁路部材91は、高透磁率と高固有抵抗を備えた、例え
ばフェライト、圧粉磁心等の高周波用磁心材料で形成さ
れ、定着部ローラ96の内面に接触しないが、極めて接
近した円形周囲を有するように形成されている。側板9
3は反磁性の銅製で形成されている。なお、側板92、
93は、銅製に限らずねじ強度のある材料であれば使用
可能である。側磁路部材91と定着部ローラ96の間隙
及び鉄心の一端部86’と定着部ローラ96の間隙の長
さの和は、側磁路部材91と定着部ローラ96の間隙及
び側磁路部材89と定着部ローラ96の間隙の長さの和
より長くなるようにしてある。また、側磁路部材89と
定着部ローラ96の間隙の長さは、永久磁石90の厚さ
方向の長さより短く形成されている。なお、側磁路部材
89と定着部ローラ96の間隙の長さを永久磁石90の
厚さ方向の長さより長くしても、効率は落ちるが、コイ
ル88に電流を流すことにより側磁路部材89、鉄心8
6、定着部ローラ96、側磁路部材91、永久磁石90
と流れる永久磁石90の磁束による閉磁路と同じ閉磁路
で逆向きの鉄心86、側磁路部材89、永久磁石90、
側磁路部材91、定着部ローラ96、鉄心86と磁束が
流れ、永久磁石90の閉磁路の磁束を打ち消し、さらに
コイル88の電流を切ることにより再び永久磁石90の
磁束が閉磁路に流れ、コイル88のオン、オフにより定
着部ローラ96の磁束量が変化し、渦電流とヒステリシ
スにより定着部ローラ96を発熱させる方法によりバイ
パスの役目なしでも使用できるので前記間隙の長さが永
久磁石の厚さより長くても使用可能である。
【0073】側板92、93のコイルボビン87側と反
対側の面にはコイル軸94、95がそれぞれねじ等で固
定されており、コイル軸94からコイル軸95までが一
体となってコイルアッセンブリを構成し、図示しないベ
ースフレームに固定されて回転しないようになってい
る。図示しないベースフレームに固定されているコイル
アッセンブリの両コイル軸94、95には軸受100が
取り付けられており、この軸受100を介して図中左側
にはギヤフレーム98が回転可能に取り付けられ、図中
右側にはサイドフレーム99が回転可能に取り付けられ
ている。そして、ギヤフレーム98及びサイドフレーム
99に端部が固定されて中空円筒状の定着部ローラ96
が回転可能に支持されている。従って、定着部ローラ9
6の内部にコイルアッセンブリが定着部ローラ96の内
面と接触することなく収納されている。
【0074】定着部ローラ96は、鉄心86及びその一
端部86’、側磁路部材89、91より低い固有抵抗を
有する磁性材料で形成されており、好適には純鉄が用い
られる。定着部ローラ96の外周には、高熱伝導性を有
する金属からなる定着ローラ97が圧入、熱かしめ等に
より固着されている。定着ローラ97には好適には銅、
アルミニウムといった高熱伝導性を有する金属が用いら
れる。また、定着ローラ97の表面にはテフロン等のコ
ーティングが施されている。以上説明した本実施の形態
による加熱ローラ装置は、駆動装置(図示せず)からの
動力をギヤフレーム98の歯車に伝達することにより、
ギヤフレーム98、定着部ローラ96(及び定着ローラ
97)、及びサイドフレーム99が一体となって回転す
るようになっている。図22で示した従来の加熱ローラ
装置と同様に、定着ローラ97の回転軸に平行の回転軸
を有し、所定の圧力で定着ローラ97に押圧されて回転
する圧着ローラ(図示せず)もベースフレームに取り付
けられている。
【0075】本実施の形態による加熱ローラ装置の動作
は第6の実施の形態における加熱ローラと同様であるの
で詳細な説明は省略するが、鉄心86を複数個設けたこ
とによる磁気干渉について図12を用いて説明する。図
12は、説明を明確にするために、図11に示した加熱
ローラ装置の断面図のうち、コイル88、側磁路部材8
9、及び鉄心86とその一端部86’の一部のみを抜き
出して示し、且つ各部材の形状も誇張して描いたもので
ある。一般に図12のような構成であると、図中上部鉄
心(A)86で発生した磁束は側磁路を形成する鉄心の
一端部86’、図中下部鉄心(B)86、側磁路部材8
9を通って鉄心(A)86に戻る閉磁路を形成してしま
うので、定着部ローラ96に磁束が流れにくくなってし
まう。従って、本実施の形態による加熱ローラにおいて
は、図13に示すように鉄心の一端部86’に×状の溝
を形成して、隣接する鉄心86同士に磁束が流れにくく
なるようにしている。なお、本実施の形態では、永久磁
石を1つ用いたが、例えば鉄心86の図中左側端部と側
板92との間にさらに永久磁石を設けるようにすること
も可能である。また効率は落ちるが鉄心86、側磁路部
材89、91、定着部ローラ96は磁性材料であれば使
用可能である。本実施の形態による加熱ローラ装置によ
れば、第6の実施の形態における加熱ローラ装置と同様
の効果を得ることができ、特に高速の複写機等へ使用す
ることができる。
【0076】次に、本発明の第8の実施の形態による加
熱ローラ装置を図14を用いて説明する。本実施の形態
における加熱ローラ装置は、第6の実施の形態における
加熱ローラ装置と同様にコイルボビン内部に鉄心を設
け、コイルボビンの側方に永久磁石を設けた点に特徴を
有し、且つコイルボビンと定着部ローラが一体として回
転するようにした点に特徴を有している。図14は本実
施の形態による加熱ローラ装置をその回転軸を含む面で
切断した断面図である。コイルボビン102は中空円筒
形状をしており、耐熱性を有し、電気的、磁気的に絶縁
性を有する材料、例えばポリイミドで形成されている。
コイルボビン102の円筒部表面には、絶縁導線を所定
の巻数で複数層巻き付けた誘導加熱用のコイル103が
形成されている。なお、コイル103は1層巻きでも可
能である。
【0077】コイルボビン102の円筒内面には、鉄心
101が挿入されている。鉄心101は、高い透磁率と
高い固有抵抗を備えた、例えばフェライト、圧粉磁心等
の高周波用磁心材料で形成されている。鉄心101の両
端部のうち一端部(図中左側の端部)は、定着部ローラ
109の内面に極めて接近した円形周囲を有するように
形成されている。本実施の形態においては、鉄心101
の一端部は定着部ローラ109に接触させている。鉄心
101のコイルボビン102と反対側の面には、鉄心1
01とほぼ同一径を有し反磁性の銅製で形成された側板
107がねじ等により固定されている。
【0078】鉄心101の他方の端部(図中右側の端
部)はコイルボビン102端部より突出しており、その
突出部には側磁路部材104がはめ込まれている。側磁
路部材104は、高透磁率と高固有抵抗を備えた、例え
ばフェライト、圧粉磁心等の高周波用磁心材料で形成さ
れている。側磁路部材104は、永久磁石105及び側
磁路部材106と共に、側板108にねじ止めされて鉄
心101突出部にはめ込まれて接着され、定着部ローラ
109の内面に接触せずに所定の間隙の円形周囲を有す
るように形成されている。側磁路部材106は、高透磁
率と高固有抵抗を備えた、例えばフェライト、圧粉磁心
等の高周波用磁心材料で形成されている。側板108は
反磁性の銅製で形成されている。側板108の側磁路部
材106側と反対の面に、ねじ等(図示せず)によりサ
イドフレーム112が固定されている。サイドフレーム
112の側板108側の円筒状端部は、円筒形の定着部
ローラ109の一端部側内面に圧入されて定着部ローラ
109に固定されている。従って、定着部ローラ109
の内部には、円筒部に誘導加熱用のコイル103が形成
され内部の空隙部に鉄心101を内挿したコイルボビン
102と、永久磁石105、側磁路部材104、106
が収納される。
【0079】定着部ローラ109は磁性材料で形成され
ており、好適には純鉄が用いられる。定着部ローラ10
9の他端部の内面に、図示しないノックピンで側板10
7に対して位置決めたギヤフレーム111が圧入されて
いる。ギヤフレーム111はねじ等(図示せず)で側板
107に固定されている。なお、側板107、108は
銅製に限らずネジ強度のある材料であれば使用可能であ
る。定着部ローラ109の外周には、高熱伝導性を有す
る金属からなる定着ローラ110が圧入、熱かしめ等に
より固着されている。定着ローラ110には好適には
銅、アルミニウムといった高熱伝導性を有する金属が用
いられる。また、定着ローラ110の表面にはテフロン
等のコーティングが施されている。
【0080】ギヤフレーム111の圧入側と反対の面に
は基板スペーサ113を介して基板114が設けられ図
示しないEリングにより固定されている。コイル103
を構成する絶縁導線の両端は、基板114に設けられた
異なる半径を有する2つの円筒状の端子にそれぞれ接続
され、図示しないブラケットに固定されたブラシ15を
通してローラが回転する間、常に電源が供給されるよう
になっている。以上説明した本実施の形態による加熱ロ
ーラ装置は、ギヤフレーム111及びサイドフレーム1
12で軸受を介して例えば複写機等のベースフレームに
対して回転可能に取り付けられている。駆動装置(図示
せず)からの動力をギヤフレーム111の歯車に伝達す
ることにより本実施の形態による加熱ローラ装置は回転
するようになっている。図22で示した従来の加熱ロー
ラ装置と同様に、定着ローラ110の回転軸と平行の回
転軸を有し、所定の圧力で定着ローラ110に押圧され
て回転する圧着ローラ(図示せず)もベースフレームに
取り付けられている。
【0081】本実施の形態による加熱ローラ装置の動作
は図10を用いて説明した第6の実施の形態における加
熱ローラ装置の動作と同様であるので詳しい説明は省略
する。なお、側磁路部材104と定着部ローラ109と
の間隙がないと永久磁石105の磁束が側磁路部材10
6、定着部ローラ109、側磁路部材104、永久磁石
105という閉磁路を流れてしまい、定着部ローラ10
9を加熱する磁束が流れにくくなって発熱効率が非常に
低下してしまう。従って、側磁路部材104と定着部ロ
ーラ109との間隙は所定量設ける必要がある。なお、
側磁路部材104と定着部ローラ109の間隙の長さを
永久磁石105の厚さ方向の長さよりも長くしても効率
は落ちるが、コイル103に電流を流すことにより側磁
路部材104、鉄心101、定着部ローラ109、側磁
路部材106、永久磁石105と流れる永久磁石105
の磁束による閉磁路と同じ閉磁路で逆向きの鉄心10
1、側磁路部材104、永久磁石105、側磁路部材1
06、定着部ローラ109、鉄心101と磁束が流れ、
永久磁石105の閉磁路の磁束を打ち消し、さらにコイ
ル103の電流を切ることにより再び永久磁石105の
磁束が閉磁路に流れ、コイル103のオン、オフにより
定着部ローラ109の磁束量が変化し、渦電流とヒステ
リシスにより定着部ローラ109を発熱させる方法によ
りバイパスの役目なしでも使用できるので前記間隙の長
さが永久磁石の厚さより長くても使用可能である。ま
た、コイルに流す電流を断続的にすることにより、定着
部ローラ109での磁束の変化と共に鉄心101、側磁
路部材104、106での磁束も変化するが、第6の実
施の形態でも説明したように、定着部ローラ109の固
有抵抗に比べてこれらの固有抵抗は大きいので余り発熱
することはない。なお、本実施の形態では永久磁石を1
つ用いたが、例えば鉄心101の図中左側端部と側板1
07との間にさらに永久磁石を設けるようにすることも
可能である。また、効率は落ちるが鉄心101、側磁路
部材104、106、定着部ローラ109は磁性材料で
あれば使用可能である。
【0082】以上のような本実施の形態による加熱ロー
ラ装置においては、従来の加熱ローラ装置のようにコイ
ル103に交流電流を流す必要はなく、高周波(交流)
電流を生成するためのインバータ回路は不要であり、単
に通常のコンバータ回路(図示せず)による直流電流の
オン、オフを行うようにすればよいので、従来の加熱ロ
ーラ装置に要していた消費電力をほぼ半分にまで抑える
ことができる加熱ローラ装置を実現することができる。
また、逆に従来の加熱ローラ装置と同程度の電力量を供
給するとして、コンバータ回路によるコイル103に流
す電流値を大きくして定着部ローラ109が消磁以上の
永久磁石と逆向きの磁界になるよう磁束を増加させるよ
うにすれば、ウォーミングアップに要する時間をほぼ半
分に短縮することができるようになる。また、オフの時
間を短くしてコイル103に流す電流の断続回数を増加
させるようにすれば、ウォーミングアップに要する時間
を大幅に短縮することができる。但し、本実施の形態に
よる加熱ローラ装置のコイルに従来と同様の高周波電流
を流す方式を用いることも可能である。
【0083】近年の複写機、レーザプリンタ、ファクシ
ミリ等の電子写真方式、或いは静電記録方式の画像出力
装置に要求されている低消費電力化を実現するために
は、加熱ローラ装置での消費電力を低減させることが必
須であるが、本実施の形態による加熱ローラ装置によれ
ば、電源投入時の立ち上げ時間、或いは省電力モードか
らの復帰時間を、上述のように加熱ローラ装置のコイル
103へ流す電流の断続回数を増加させるだけで短縮さ
せ、また待機時にはコイル103に流す電流の断続回数
を低下させることにより低省電力化を容易に実現するこ
とができるようになる。
【0084】また、本実施の形態では定着部ローラ10
9の表面にさらに熱伝導率に優れた定着ローラ110を
固着しているので、記録紙上のトナー像を定着させるた
めのローラ表面の温度分布を短時間で均一にすることが
できる。本実施の形態による加熱ローラ装置は、小型に
形成することができるので、特にPPCプリンタや、フ
ァクシミリ等の小型プリンタ、小型複写機への使用に適
している。
【0085】次に、本発明の第9の実施の形態による加
熱ローラ装置を図15を用いて説明する。本実施の形態
による加熱ローラ装置は、第8の実施の形態による加熱
ローラ装置のコイルボビンを複数個設けた点に特徴を有
している。図15は本実施の形態による加熱ローラ装置
をその回転軸を含む面で切断した断面図である。本実施
の形態による加熱ローラ装置においては、コイルボビン
116を4個用いている。コイルボビン116は耐熱性
を有し、電気的、磁気的に絶縁性を有する材料、例えば
ポリイミドで形成されている。コイルボビン116の円
筒部表面には、絶縁導線を所定の巻数で複数層巻き付け
た誘導加熱用のコイル117が形成されている。なお、
コイル117は1層巻きでも可能である。
【0086】コイルボビン116の円筒内面には、鉄心
115が挿入されている。鉄心115は、高い透磁率と
高い固有抵抗を備えた、例えばフェライト、圧粉磁心等
の高周波用磁心材料で形成されている。このようなコイ
ルボビン116を4本用い、各コイルボビン116の中
心軸がほぼ平行になり、且つ軸方向からみて各中心軸が
正方形の各頂点の位置にくるように、各コイルボビン1
16は固定される。コイルボビン116にそれぞれ挿入
された4個の鉄心115の一端部(図中左側の端部)は
一体的に形成されており、定着部ローラ123の内面に
接触している。鉄心の一端部は、一端部とほぼ同一径を
有し反磁性の銅製で形成された側板121がねじ等によ
り固定されている。
【0087】4本の鉄心115の他方の端部(図中右側
の端部)は4個のコイルボビン116端部より突出して
おり、その4個の突出部に側磁路部材118がはめ込ま
れている。側磁路部材118は、高透磁率と高固有抵抗
を備えた、例えばフェライト、圧粉磁心等の高周波用磁
心材料で形成されている。側磁路部材118は、永久磁
石119及び側磁路部材120と共に、側板122にね
じ止めされて4個の鉄心115突出部にはめ込まれて接
着され、定着部ローラ123の内面に接触しないが、接
近した円形周囲を有するように形成されている。側磁路
部材120は、高透磁率と高固有抵抗を備えた、例えば
フェライト、圧粉磁心等の高周波用磁心材料で形成され
ている。側板122は反磁性の銅製で形成されている。
側板122の側磁路部材120側と反対の面に、ねじ等
(図示せず)によりギヤフレーム126が固定されてい
る。なお、側板121、122は銅製に限らずネジ強度
のある材料であれば使用可能である。
【0088】ギヤフレーム126の側板122側の円筒
状端部は、中空円筒状の定着部ローラ123の一端部側
内面に圧入されて定着部ローラ123に固定されてい
る。従って、定着部ローラ123の内部には、円筒部に
誘導加熱用のコイル117がそれぞれ形成され内部に鉄
心115をそれぞれ内挿した4個のコイルボビン116
と、永久磁石119、側磁路部材118、120が収納
される。定着部ローラ123は磁性材料で形成されてお
り、好適には純鉄が用いられる。定着部ローラ123の
他端部の内面に、図示しないノックピンで側板121に
対して位置決めしたサイドフレーム125が圧入されて
いる。サイドフレーム125はねじ等(図示せず)で側
板121に固定されている。定着部ローラ123の外周
には、高熱伝導性を有する金属からなる定着ローラ12
4が圧入、熱かしめ等により固着されている。定着ロー
ラ124には好適には銅、アルミニウムといった高熱伝
導性を有する金属が用いられる。また、定着ローラ12
4の表面にはテフロン等のコーティングが施されてい
る。
【0089】サイドフレーム125の圧入側と反対の面
には基板スペーサ127を介して基板128が設けられ
図示しないEリングにより固定されている。コイル11
7を構成する絶縁導線の両端は、基板128に設けられ
た異なる半径を有する2つの円筒状の端子にそれぞれ接
続され、図示しないブラケットに固定されたブラシ15
を通してローラが回転する間、常に電源が供給されるよ
うになっている。以上説明した本実施の形態による加熱
ローラ装置は、サイドフレーム125及びギヤフレーム
126で軸受を介して例えば複写機等のベースフレーム
に対して回転可能に取り付けられている。駆動装置(図
示せず)からの動力をギヤフレーム126の歯車に伝達
することにより本実施の形態による加熱ローラ装置は回
転するようになっている。図22で示した従来の加熱ロ
ーラ装置と同様に、定着ローラ124の回転軸と平行の
回転軸を有し、所定の圧力で定着ローラ124に押圧さ
れて回転する圧着ローラ(図示せず)もベースフレーム
に取り付けられている。
【0090】本実施の形態による加熱ローラ装置の動作
は第8の実施の形態における加熱ローラ装置の動作と同
様であるので詳しい説明は省略する。なお、本実施の形
態による加熱ローラ装置においても、側磁路部材118
と定着部ローラ123との間隙がないと永久磁石119
の磁束が側磁路部材120、定着部ローラ123、側磁
路部材118、永久磁石119という閉磁路を流れてし
まい、定着部ローラ123を加熱する磁束が流れにくく
なって発熱効率が非常に低下してしまう。従って、側磁
路部材118と定着部ローラ123との間隙は所定量設
ける必要がある。また、本実施の形態における加熱ロー
ラ装置においても、図12を用いて説明したような磁気
干渉を防止するために、図13に示すように鉄心115
の一端部に×状の溝を形成して、隣接する鉄心115同
士に磁束が流れないようにしている。なお、側磁路部材
118と定着部ローラ123の間隙の長さを永久磁石1
19の厚さ方向の長さよりも長くしても効率は落ちる
が、コイル117に電流を流すことにより側磁路部材1
18、鉄心115、定着部ローラ123、側磁路部材1
20、永久磁石119と流れる永久磁石119の磁束に
よる閉磁路と同じ閉磁路で逆向きの鉄心115、側磁路
部材118、永久磁石119、側磁路部材120、定着
部ローラ123、鉄心115と磁束が流れ、永久磁石1
19の閉磁路の磁束を打ち消し、さらにコイル117の
電流を切ることにより再び永久磁石119の磁束が閉磁
路に流れ、コイル117のオン、オフにより定着部ロー
ラ123の磁束量が変化し、渦電流とヒステリシスによ
り定着部ローラ123を発熱させる方法によりバイパス
の役目なしでも使用できるので前記間隙の長さが永久磁
石の厚さより長くても使用可能である。なお、本実施の
形態では永久磁石を1つ用いたが、例えば鉄心115の
図中左側端部と側板121との間にさらに永久磁石を設
けるようにすることも可能である。本実施の形態による
加熱ローラ装置においても、第8の実施の形態において
説明したのと同様の効果を奏するとともに、特に高速の
複写機等へ使用することができる。また、効率は落ちる
が鉄心115、側磁路部材118、120、定着部ロー
ラ123は磁性材料であれば使用可能である。なお、図
15では、ブラシ2個に対してコイルが4個あるので、
並列でオン、オフ同時制御を行っているがブラシの数を
増やしてコイル2個の同時制御、コイル個々に制御する
ことも可能である。
【0091】次に、本発明の第10の実施の形態による
加熱ローラ装置を図16を用いて説明する。本実施の形
態による加熱ローラ装置は、第9の実施の形態による加
熱ローラ装置から永久磁石を取り除いている点に特徴を
有している。図16は本実施の形態による加熱ローラ装
置をその回転軸を含む面で切断した断面図である。本実
施の形態による加熱ローラ装置においては、コイルボビ
ン130を4個用いている。コイルボビン130は耐熱
性を有し、電気的、磁気的に絶縁性を有する材料、例え
ばポリイミドで形成されている。コイルボビン130の
円筒部表面には、絶縁導線を所定の巻数で円筒部軸方向
に巻き付けた誘導加熱用のコイル131が形成されてい
る。
【0092】コイルボビン130の円筒内面には、鉄心
129が挿入されている。鉄心129は、高い透磁率と
高い固有抵抗を備えた、例えばフェライト、圧粉磁心等
の高周波用磁心材料で形成されている。このようなコイ
ルボビン129を4本用い、各コイルボビン130の中
心軸がほぼ平行になり、且つ軸方向からみて各中心軸が
正方形の各頂点の位置にくるように、各コイルボビン1
30は固定される。コイルボビン130にそれぞれ挿入
された4個の鉄心129の一端部(図中左側の端部)は
一体的に形成されており、定着部ローラ135の内面に
接触している。鉄心129の一端部は、一端部とほぼ同
一径を有し反磁性の銅製で形成された側板133がねじ
等により固定されている。
【0093】4本の鉄心129の他方の端部(図中右側
の端部)は4個のコイルボビン130端部より突出して
おり、その4個の突出部に側磁路部材132がはめ込ま
れている。側磁路部材132は、高透磁率と高固有抵抗
を備えた、例えばフェライト、圧粉磁心等の高周波用磁
心材料で形成されている。側磁路部材132は、側板1
34にねじ止めされて4個の鉄心129突出部にはめ込
まれて接着されている。側磁路部材132は、定着部ロ
ーラ135の内面に接触する円形周囲を有するように形
成されている。側板134は反磁性の銅製で形成されて
いる。側板134の側磁路部材132側と反対の面に、
ねじ等(図示せず)によりサイドフレーム139が固定
されている。
【0094】サイドフレーム139の側板134側の円
筒状端部は、中空円筒状の定着部ローラ135の一端部
側内面に圧入されて定着部ローラ135に固定されてい
る。従って、定着部ローラ135の内部には、円筒部に
誘導加熱用のコイル131がそれぞれ形成され内部に鉄
心129をそれぞれ内挿した4個のコイルボビン130
と、側磁路部材132が収納される。定着部ローラ13
5は固有抵抗の小さい磁性材料で形成されており、好適
には純鉄が用いられる。定着部ローラ135の他端部の
内面に、図示しないノックピンで側板133に対して位
置決めしたギヤフレーム137が圧入されている。ギヤ
フレーム137はねじ等(図示せず)で側板133に固
定されている。なお、側板133、134は銅製に限ら
ずネジ強度のある材料であれば使用可能である。定着部
ローラ135の外周には、高熱伝導性を有する金属から
なる定着ローラ136が圧入、熱かしめ等により固着さ
れている。定着ローラ136には好適には銅、アルミニ
ウムといった高熱伝導性を有する金属が用いられる。ま
た、定着ローラ136の表面にはテフロン等のコーティ
ングが施されている。
【0095】サイドフレーム138の圧入側と反対の面
には基板スペーサ139を介して基板140が設けられ
図示しないEリングにより固定されている。コイル13
1を構成する絶縁導線の両端は、基板140に設けられ
た異なる半径を有する2つの円筒状の端子にそれぞれ接
続され、図示しないブラケットに固定されたブラシ15
を通してローラが回転する間、常に電源が供給されるよ
うになっている。以上説明した本実施の形態による加熱
ローラ装置は、ギヤフレーム137及びサイドフレーム
138で軸受を介して例えば複写機等のベースフレーム
に対して回転可能に取り付けられている。駆動装置(図
示せず)からの動力をギヤフレーム137の歯車に伝達
することにより本実施の形態による加熱ローラ装置は回
転するようになっている。図22で示した従来の加熱ロ
ーラ装置と同様に、定着ローラ136の回転軸と平行の
回転軸を有し、所定の圧力で定着ローラ136に押圧さ
れて回転する圧着ローラ(図示せず)もベースフレーム
に取り付けられている。
【0096】次に、本実施の形態による加熱ローラ装置
の動作を説明する。コイル131に電流を流すとコイル
の磁束は鉄心129から鉄心129の一端部を通って定
着部ローラ135、さらに側磁路部材132を通って鉄
心129に戻る(あるいはその逆)の閉磁路を構成す
る。コイル131に交流電流を流すことにより渦電流に
よるジュール熱とヒステリシス損による熱が発生し閉磁
路は発熱する。鉄心129、側磁路部材132は高周波
用磁心材料を用いているので固有抵抗が大きく、対して
定着部ローラ135は固有抵抗の小さい磁性材料を用い
ているので、第6の実施の形態で説明したように渦電流
は固有抵抗に反比例するから定着部ローラ135の方が
より発熱する。
【0097】また、本実施の形態における加熱ローラ装
置においても、図12を用いて説明したような磁気干渉
を防止するために、図13に示すように鉄心129の一
端部に×状の溝を形成して、隣接する鉄心129同士に
磁束が流れにくくなるようにしている。なお、図16で
はブラシ2個でコイル4個なので並列でコイル4個同時
に制御しているが、ブラシの数を増やしコイル2個同時
制御、あるいはコイル個々に制御することも可能であ
る。本実施の形態による加熱ローラ装置も、第9の実施
の形態と同様の効果を奏するとともに、特に高速の複写
機等へ使用することができる。
【0098】図17は本発明の第11の実施の形態によ
る加熱ローラ装置をその回転軸を含む面で切断した断面
図である。本実施の形態による加熱ローラ装置は、第7
の実施の形態による加熱ローラ装置から永久磁石90と
側磁路部材91を除いた点以外は第7の実施の形態によ
る加熱ローラ装置と同一である。従って、図中におい
て、第7の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号
を付してその説明は省略する。また、本実施の形態によ
る加熱ローラ装置の動作は、第10の実施の形態と同様
であるので説明は省略する。
【0099】図18は本発明の第12の実施の形態によ
る加熱ローラ装置をその回転軸を含む面で切断した断面
図である。本実施の形態による加熱ローラ装置は、第6
の実施の形態による加熱ローラ装置から永久磁石75と
側磁路部材74を除いた点以外は第6の実施の形態によ
る加熱ローラ装置と同一である。従って、図中におい
て、第6の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号
を付してその説明は省略する。また、本実施の形態によ
る加熱ローラ装置の動作は、第10の実施の形態と同様
(但し、コイルの数は異なっている)であるので説明は
省略する。
【0100】図19は本発明の第13の実施の形態によ
る加熱ローラ装置をその回転軸を含む面で切断した断面
図である。本実施の形態による加熱ローラ装置は、第8
の実施の形態による加熱ローラ装置から永久磁石105
と側磁路部材104を除いた点以外は第8の実施の形態
による加熱ローラ装置と同一である。従って、図中にお
いて、第8の実施の形態と同一の構成要素には同一の符
号を付してその説明は省略する。また、本実施の形態に
よる加熱ローラ装置の動作は、第10の実施の形態と同
様(但し、コイルの数は異なっている)であるので説明
は省略する。
【0101】図20は本発明の第14の実施の形態によ
る加熱ローラ装置をその回転軸を含む面で切断した断面
図である。第1の実施の形態による加熱ローラ装置にお
ける定着ローラ10が、銅、アルミニウムといった高熱
伝導性を有する金属を定着部ローラ9の外周に圧入、熱
かしめ等により固着して作製したのに対して、本実施の
形態による加熱ローラ装置の構造は、定着部ローラ9の
外周に銅、銀、金等の高熱伝導性を有する金属をメッキ
あるいは蒸着等により被着して定着ローラ141とした
点に特徴を有している。その他の構成要素は、第1の実
施の形態と同様である。従って、図中において、第1の
実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してそ
の説明は省略する。また、本実施の形態による加熱ロー
ラ装置の動作は、第1の実施の形態と同様であるので説
明は省略する。
【0102】第1の実施の形態を初めとして上述の各実
施の形態による加熱ローラ装置において示した定着ロー
ラ10は、銅、アルミニウム等の高熱伝導性の金属を圧
入、熱かしめ、あるいは接着等により固着する点、及び
円筒加工を行う点から、その厚さを1mm以下の薄さに
することが困難である。そのため、さらなるウォーミン
グアップ時間の短縮を図るには、より定着ローラ10の
体積を小さくして熱容量をより小さくさせる必要があ
る。
【0103】そこで定着部ローラ9の外周に、銅、銀、
金等の高熱伝導性の金属をメッキ又は蒸着等により被着
させる。こうすることにより、定着部ローラ9の外周に
は数十μm以下の高熱伝導性の金属が被着されるので、
より速く定着部ローラ9の表面温度を上昇させ、且つ表
面温度を均一にさせることができるようになる。なお、
定着部ローラの外周に高熱伝導性の金属を被着させて定
着ローラ141と同等の定着ローラを形成することは、
第1の実施の形態による加熱ローラ装置に限らず上記全
ての実施の形態による加熱ローラ装置に当然適用できる
と共に、従来の加熱ローラ装置であって、磁性材料で形
成された回転可能な定着部ローラを有する誘導加熱ロー
ラ装置の定着部ローラの外表面に、本実施の形態による
定着ローラを適用して、ローラの表面温度を均一にさせ
ることもできる。なお、高熱伝導性金属の被着膜の厚さ
は、数十μmより厚くすることも可能である。また、定
着部ローラ内表面にも高熱伝導性の金属をメッキあるい
は蒸着してもコイルの発熱が定着部ローラに伝導されや
すくなりコイルの温度が下がるので有効である。なお、
側磁路部材と接触又は隣接するところは磁気効率が悪く
なるので上述のメッキあるいは蒸着はしないほうがよ
い。
【0104】本発明は、上記実施の形態に限らず種々の
変形が可能である。例えば、上記実施の形態において複
数のコイルボビンを用いた加熱ローラ装置の例として4
個のコイルボビンを用いた場合で説明したが、本発明は
これに限ることなく、コイルボビンの数は2個以上幾つ
でもよい。
【0105】本発明による定着ローラは、上記実施の形
態に限らず従来の加熱ローラ装置であって、磁性材料で
形成された回転可能な定着部ローラを有する誘導加熱ロ
ーラ装置の定着部ローラの外表面に銅、アルミニウム等
の高熱伝導性の金属を圧入、熱かしめ等により固着し、
ローラの表面温度を均一にさせるようにしてもよい。
【0106】また、上記第6乃至第9の実施の形態によ
る加熱ローラ装置を変形して図21に示すような加熱ロ
ーラ装置とすることもできる。図21の加熱ローラ装置
は、鉄心71の内部に永久磁石75が入っている構成で
ある。このようにしても、上記第6乃至第9の実施の形
態で説明したように、効率は落ちるがバイパスなしの閉
磁路として同様の動作に基づいて使用することができ
る。
【0107】また、上記第6乃至第9の実施の形態によ
る加熱ローラ装置を変形して図22に示すような加熱ロ
ーラ装置とすることもできる。図22の加熱ローラ装置
は、鉄心86の突起部側に永久磁石90が直接接触した
構造で第7の実施の形態の電磁石の閉磁路のバイパスの
役目を果たす側磁路部材89を除いたものである。この
ようにしても、上記第6乃至第9の実施の形態で説明し
たように、効率は落ちるがバイパスなしの閉磁路として
同様の動作に基づいて使用することができる。
【0108】なお、第1乃至第4の実施の形態におい
て、プラスチックマグネットに絶縁処理を行い、永久磁
石とコイルボビンを兼ねるようにすることも可能であ
る。
【0109】なお、第6乃至第13の実施の形態で使用
する鉄心に絶縁処理を行いコイルボビンなしで使用する
ことももちろん可能である。
【0110】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、消費電力
が少なく、ウォーミングアップに要する時間を短縮する
ことができ、定着ローラの表面の温度分布を短時間で均
一にすることができる加熱ローラ装置を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による加熱ローラ装
置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による加熱ローラ装
置の動作を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による加熱ローラ装
置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による加熱ローラ装
置の動作を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態による加熱ローラ装
置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態による加熱ローラ装
置の構成を示す図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態による加熱ローラ装
置の構成を示す図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態による加熱ローラ装
置のコイルボビンの形状の変形例を示す図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態による加熱ローラ装
置の構成を示す図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態による加熱ローラ
装置の動作を示す図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態による加熱ローラ
装置の構成を示す図である。
【図12】鉄心が複数個設けられている場合に生じ得る
磁気干渉を説明する図である。
【図13】本発明の第7の実施の形態における鉄心の一
端部86’の正面図である。
【図14】本発明の第8の実施の形態による加熱ローラ
装置の構成を示す図である。
【図15】本発明の第9の実施の形態による加熱ローラ
装置の構成を示す図である。
【図16】本発明の第10の実施の形態による加熱ロー
ラ装置の構成を示す図である。
【図17】本発明の第11の実施の形態による加熱ロー
ラ装置の構成を示す図である。
【図18】本発明の第12の実施の形態による加熱ロー
ラ装置の構成を示す図である。
【図19】本発明の第13の実施の形態による加熱ロー
ラ装置の構成を示す図である。
【図20】本発明の第14の実施の形態による加熱ロー
ラ装置の構成を示す図である。
【図21】本発明の第6乃至第9の実施の形態による加
熱ローラ装置の変形例を示す図である。
【図22】本発明の第6乃至第9の実施の形態による加
熱ローラ装置の変形例を示す図である。
【図23】従来の加熱ローラ装置を示す図である。
【図24】従来の加熱ローラ装置を示す図である。
【図25】従来の加熱ローラ装置を示す図である。
【図26】従来の加熱ローラ装置を示す図である。
【符号の説明】
1、16、30、43、58、72 コイルボビン 87、102、116、130 コイルボビン 2、17、31、44、75、90、105、119
永久磁石 3、19、33、46 スペーサ 4、18、32、45、59、73 コイル 88、103、117、131 コイル 5、6、20、21、35、36、47、48 側磁路
部材 60、61、74、76、89、91、104 側磁路
部材 106、118、120、132 側磁路部材 7、22、37、49、62、77 側板(左) 92、107、121、133 側板(左) 8、23、38、50、63、78 側板(右) 93、108、122、134 側板(右) 9、24、39、51、66、81 定着部ローラ 96、109、123、135 定着部ローラ 10、25、40、52、67、82、97 定着ロー
ラ 110、124、136、141 定着ローラ 11、26、41、55、68、84 ギヤフレーム 98、111、126、137 ギヤフレーム 12、27、42、56、69、83 サイドフレーム 99、112、125、138 サイドフレーム 13、28、113、、127、139 基板スペーサ 14、29、114、、128、140 基板 15 ブラシ 53、54、64、65、79、80、94、95 コ
イル軸 34、57、70、85、100 軸受 71、86、101、115、129 鉄心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20 H05B 6/00 - 6/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性材料で形成された回転可能な定着部ロ
    ーラを、コイルに電流を流して発生させた渦電流により
    発熱させる加熱ローラ装置において、 前記定着部ローラ内部に配置された永久磁石と、磁性材
    料で形成され前記永久磁石の両端部に配置された側磁路
    部材とを有し、前記永久磁石、側磁路部材、及び定着部
    ローラにより前記永久磁石の磁束の閉磁路が形成されて
    いることを特徴とする加熱ローラ装置。
  2. 【請求項2】磁性材料で形成された回転可能な定着部ロ
    ーラを、当該定着部ローラ内部に位置するコイルに電流
    を流して発生させた渦電流により発熱させる加熱ローラ
    装置において、 磁性材料で形成され前記定着部ローラ内部に配置された
    心材と、磁性材料で形成された側磁路部材と、永久磁石
    とを有し、前記心材及び側磁路部材、永久磁石、定着部
    ローラにより前記永久磁石の磁束の閉磁路が形成されて
    いることを特徴とする加熱ローラ装置。
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