JP3513388B2 - 放射線測定装置及び方法 - Google Patents

放射線測定装置及び方法

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JP3513388B2 JP11808898A JP11808898A JP3513388B2 JP 3513388 B2 JP3513388 B2 JP 3513388B2 JP 11808898 A JP11808898 A JP 11808898A JP 11808898 A JP11808898 A JP 11808898A JP 3513388 B2 JP3513388 B2 JP 3513388B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線測定装置及び
方法に関し、特に複数のサンプルについて個別的に放射
線測定を行う場合におけるクロストークの除外演算に関
する。
【0002】
【従来の技術】液体シンチレーションカウンタ、オート
ウエルγカウンタなどのような放射線測定装置において
は、サンプルテーブル上に複数のサンプルが整列保持さ
れる。ここで、各サンプルは例えば放射線物質を含有し
たバイアルとして構成されるものである。その放射線物
質は例えばトレーサー物質として用いられる放射性同位
元素である。通常、各サンプルはラック上に保持され、
サンプルテーブル上ではラック単位で各サンプルが搬送
される。そして、測定時にはラックから特定のサンプル
が測定ユニット内に移送され、測定終了後においては測
定が終了したサンプルがもとのラック上の位置へ移送さ
れる。
【0003】上記の測定ユニットは、例えば、サンプル
テーブル上の奥側中央に位置している。上述のように、
測定ユニット内には個々のサンプルが収容され、かつ、
他のサンプルからの放射線や外部放射線などが遮蔽され
た状態で、サンプルからの放射線の測定が行われる。こ
のため、測定ユニットにおける外壁は一定の厚さ以上の
鉛などで構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、γ線な
どの透過力の強い放射線の測定を行う場合、そのような
放射線は測定ユニットの鉛遮蔽で減弱されるものの最終
的に測定ユニット内部に進入して測定されてしまうとい
う問題がある。すなわち、サンプルの測定精度を劣化さ
れる要因としては、測定ユニットの内部ノイズの他に、
サンプルテーブル上に配列された他のサンプルからのク
ロストークがある。もちろん、測定ユニットの遮蔽壁の
厚さを増大させればその問題を軽減できるが、その場合
には装置の重量や規模が大きくなってしまう。
【0005】上記のクロストークを排除するために、従
来装置では、固定値減算法や逐次減算法などが利用され
ている。固定値減算法では、あらかじめバックグランド
(クロストークも含まれる)を測定しその値を記憶して
おき、各サンプルの測定値からバックグランドに相当す
る値を一律に減算するものである。しかし、この方法で
は測定時間の短縮化を図れるものの十分な精度を期待で
きないという問題がある。例えば、サンプルテーブル上
でのサンプルの移動に伴ってクロストークも変化する
が、固定値減算法ではそれを考慮できない。また、サン
プル中に放射性物質の濃度が大きいものが1つでもある
と、バックグランドがそれに支配され、濃度の低いサン
プルの測定値に誤差が多く含まれることになる。
【0006】その一方、逐次演算法では、各サンプルの
測定ごとにバックグランド測定を行ってサンプルの測定
値からそのバックグランド成分を減算するものであり、
その意味で測定精度は固定値減算法よりも良好である。
しかし、サンプル測定ごとにバックグランド測定を行う
のは測定時間を倍にしてしまうという問題がある。更
に、あるサンプルの測定に先立ってバックグランド測定
を行う場合、そのサンプル自身の放射線(クロストー
ク)もバックグランドとして評価されてしまうため、そ
のサンプルの放射性物質の濃度が高いような場合に誤差
が大きくなるという問題がある。
【0007】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、高精度かつ効率的な測定が行
える放射線測定装置及び方法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、クロストークを精度
よく推定して測定値から除外することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、サンプルを個別的に放射線遮蔽部
材の中に収容し放射線の測定を行う測定ユニットと、M
(但し、Mは、載置されたサンプル数を示し、2以上の
整数)個のサンプルが載置されるサンプルテーブルであ
って、前記測定ユニットにおいてそれに収容されたサン
プル以外のサンプルからの放射線も測定されてしまうク
ロストークの影響度を示すクロストーク寄与率があらか
じめ求められるm(但し、mは、評価用サンプル位置数
を示す整数であり、1≦m≦M)個の評価用サンプル位
置が設定されたサンプルテーブルと、全バックグランド
測定時にj(但し、jは、行列演算の実行単位としての
サンプル数を示す整数であり、1≦j≦m)個のサンプ
ルをそれぞれ前記評価用サンプル位置に位置決めしサン
プルを収容していない前記測定ユニットにより全バック
グランドの測定を行わせ、サンプル個別測定時に測定対
象外のj−1個のサンプルをそれぞれ前記評価用サンプ
ル位置に位置決めしつつ前記測定ユニットによりj個の
サンプルについて個別的な測定を行わせる制御部と、全
バックグランドの測定値及びj個のサンプルの測定値に
対して前記クロストーク寄与率に基づくバックグランド
除外演算を実行することにより、前記j個のサンプルに
ついて真の測定値を推定するバックグランド除外演算部
と、を含み、前記バックグランド除外演算部は、前記全
バックグランドの測定及び前記j個のサンプルの測定に
おいてサンプルが位置決めされた評価用サンプル位置の
クロストーク寄与率を行列要素としたクロストーク行列
の逆行列である逆クロストーク行列と、前記全バックグ
ランドの測定値及び前記j個のサンプルの測定値を行列
要素に含む測定結果行列と、の積を演算することを特徴
とする。
【0010】上記構成によれば、サンプルが搬送される
サンプルテーブル上には、クロストーク寄与率が定義さ
れた少なくとも1つの評価用サンプル位置(サンプル保
持位置)が設定される。そして、あるサンプルについて
測定を行う場合における評価用サンプル位置に存在する
サンプルからのクロストークは当該評価用サンプル位置
について定義されたクロストーク寄与率に基づいて評価
される。すなわち、評価用サンプル位置に存在するサン
プルの真の計数値にクロストーク寄与率を乗算すること
により、当該サンプルによる測定中サンプルへのクロス
トークが評価される。実際には、いずれのサンプルにつ
いても真の計数値は未知であるので、各クロストーク寄
与率を考慮しつつ各サンプルの実際の計数値を基礎とし
て連立演算又は行列演算を実行することにより、各サン
プルの真の計数値が推定される。
【0011】よって、本発明によればあらかじめクロス
トーク寄与率を求めておいて、それを直接的又は間接的
に利用してクロストークを演算により除外できるので、
迅速かつ正確な測定を実現できる。
【0012】なお、サンプルテーブル上のすべてのサン
プル位置についてクロストーク寄与率を定義し、すべて
のサンプルについて測定が完了した時点でクロストーク
除外演算を実行してもよいが、その場合には演算量が増
大するので、一部のサンプル位置についてクロストーク
寄与率を定義するとともに、当該一部のサンプル位置に
位置決め可能なサンプル数単位で演算を実行するのが望
ましい。その場合には、当該一部のサンプル位置以外の
位置に保持されたサンプルからのクロストークは、それ
らのサンプルが一連の測定中固定されていることを条件
として、バックグランドとして処理可能である。
【0013】
【0014】望ましくは、前記評価用サンプル位置は、
各サンプルの大きさ及びサンプル間ピッチに従うサンプ
ル配列の種類ごとに設定される。
【0015】望ましくは、測定対象となる放射線のエネ
ルギーに応じて、複数の逆クロストーク行列をあらかじ
め格納した逆行列記憶部と、前記測定対象となる放射線
のエネルギーに応じて前記複数の逆クロストーク行列の
中から前記クロストーク除外演算で使用する逆クロスト
ーク行列を選択する逆行列選択部と、を含む。
【0016】望ましくは、前記サンプルテーブル上に
は、前記測定ユニットの設置場所を通過するラック搬送
路が設定され、前記ラック搬送路には、前記j個のサン
プルを保持したラックがセットされ、当該ラックが各サ
ンプルの測定ごとに順送りされ、前記ラック搬送路上に
おける各サンプルの保持位置が前記評価用サンプル位置
として設定される。
【0017】望ましくは、前記テーブル上には、前記ラ
ック搬送路へ送り込むラックを蓄積する測定前蓄積エリ
アと、前記ラック順送り経路から取り込まれるラックを
蓄積する測定後蓄積エリアと、が設定される。
【0018】望ましくは、前記ラック搬送路上にあるラ
ックに保持されたj個のサンプルについて測定がすべて
完了するまで、前記測定前蓄積エリア及び前記測定後蓄
積エリア上に存在するラック配列が不変とされる。
【0019】(2)上記目的を達成するために、本発明
は、サンプルを個別的に放射線遮蔽部材の中に収容し放
射線の測定を行う測定ユニットを含む放射線測定装置に
おける放射線測定方法において、M(但し、Mは、載置
されたサンプル数を示し、2以上の整数)個のサンプル
が載置されるサンプルテーブルについて、m(但し、m
、評価用サンプル位置数を示す整数であり、1≦m≦
M)個の評価用サンプル位置を設定し、各評価用サンプ
ル位置ごとに、前記測定ユニットにおいてそれに収容さ
れたサンプル以外のサンプルからの放射線も測定されて
しまうクロストークの影響度を示すクロストーク寄与率
を決定しておく工程と、j(但し、jは、行列演算の実
行単位としてのサンプル数を示す整数であり、1≦j≦
m)個のサンプルをそれぞれ前記評価用サンプル位置に
位置決めしサンプルを収容していない前記測定ユニット
により全バックグランドの測定を行う工程と、測定対象
外のj−1個のサンプルをそれぞれ前記評価用サンプル
位置に位置決めしつつ前記測定ユニットによりj個のサ
ンプルについて個別的な放射線の測定を行う工程と、前
記全バックグランドの測定及び前記j個のサンプルの測
定においてサンプルが位置決めされた評価用サンプル位
置のクロストーク寄与率を行列要素としたクロストーク
行列の逆行列である逆クロストーク行列と、前記全バッ
クグランドの測定値及び前記j個のサンプルの測定値を
行列要素に含む測定結果行列と、の積を演算し、これに
より前記j個のサンプルについて真の測定値を推定する
工程と、を含むことを特徴とする。
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】まず、本実施形態に係る放射線測
定方法の原理について説明する。
【0022】図1には、本実施形態に係る放射線測定装
置におけるラックテーブル上の複数のサンプルSが概念
的に示されている。ラックテーブルの所定位置には検出
ユニット20が設けられ、その検出ユニット20内には
各サンプルSが個別的に収容され、サンプルS内の放射
性物質からの放射線が測定される。本実施形態におい
て、検出ユニット20を横切る方向に沿ってラック搬送
路が形成されており、そのラック搬送路には測定対象と
なったサンプルSを保持するラック14’が導入され、
各サンプルSの個別測定に伴って逐次的にラック14’
が搬送される。
【0023】図1において、符号14Aは測定前ラック
の蓄積エリア10から導入されるラックの初期位置を示
しており、一方、符号14Bは、ラック14’に保持さ
れた全てのサンプルSについての測定が完了した後にお
けるラック14’の終了位置を示している。その終了位
置14B上にあるラックは測定後ラックの蓄積エリア1
2へ送り込まれる。ちなみに、ラック14の搬送は全て
自動的に行われている。ラック14は、本実施形態にお
いて10個のサンプルSを保持するものである。
【0024】図1に示す例において、検出ユニット20
の左右両側には、各サンプルSが位置決めされる位置と
して評価位置P1〜P10及びP-1〜P-10が定義されてい
る。各評価位置には検出ユニット20との幾何学的な関
係に基づいてクロストーク寄与率K1〜K10及びK-1
-10が定義されている。このクロストーク寄与率は、
当該クロストーク寄与率が定義された評価位置にあるサ
ンプルが存在している場合に、そのサンプルが検出ユニ
ット20に与えるクロストークの影響度に相当するもの
である。
【0025】図2には、検出ユニット20における測定
と、バックグラウンド(クロストークを含む)との関係
が示されている。(B)には、ラック搬送路上に位置決
めされた各ラック位置が示されており、ここにおいて、
1〜n10は、各サンプルについての真の計数値(計数
率)を表している。この真の計数値は、実際に観測する
ことはできず、後述する行列演算によって推定されるも
のである。
【0026】図2(A)には、ラックの各位置における
実際の計数値(計数率)NB〜N10と、その実際の計数
値を構成する要素と、の関係が計算式で示されている。
ここで、nBは、検出器固有のバックグラウンドnB1
図1に示した蓄積エリア10及び12上のサンプル分に
よるクロストークnB2とを加算したものとして定義され
る。なお、ラック搬送路上に特定のラック14’が存在
している場合においては、ラック蓄積エリア10及び1
2上の他のラックの位置は不変であると仮定する。これ
は、そのような他のラックに保持されているサンプルか
らのクロストークを計算上において固定的なバックグラ
ウンドとして取り扱うためである。
【0027】図2における上段に示されるように、特定
のラック14’が初期位置14Aに位置決めされた状態
では、全バックグラウンド測定値NBは、nBと、1番目
のサンプルの真の計数値n1に当該サンプル位置に割り
当てられたクロストーク寄与率K1を乗算した結果と、
2番目のサンプルについての真の計数値n2と当該評価
位置に割り当てられたクロストーク寄与率K2とを乗算
した結果と、・・・、10番目のサンプルの真の計数値
10と当該評価位置に割り当てられたクロストーク寄与
率K10とを乗算した結果と、を全て加算したものとして
定義される。これと同様に、ラック14’が1ステップ
前進した場合には、2番目の計算式によって実際の計数
値を構成する要素が表され、これはラック14’の各位
置において同様である。ちなみに、ラック14’が終了
位置14Bに位置決めされた状態においても上記同様の
計算式をたてることが可能であるが、後述するように行
列演算において未知数である真の計数値n1〜n10の特
定に当たっては必ずしもそのような計算式を考慮する必
要はない。もちろん図2(A)に示す上段の第一の計算
式を使用しない場合には、最終段の計算式を利用するの
が望ましい。さらに、例えばnB等があらかじめ既知で
あるような場合には、第1の計算式自体を利用する必要
はない。
【0028】図2(A)に示す各計算式を行列式として
表すと図3に示すものとなる。すなわち、上述したクロ
ストーク寄与率を行列要素として含むクロストークマト
リクス[K]と実際に測定された計数値の行列100の
積として表すことができる。
【0029】したがって、図4に示すように、図3に示
した行列式の逆行列演算を実行すれば、逆クロストーク
マトリクス[K]-1と実測定値行列100の積としてバ
ックグランド及び真の計数値を要素とした行列102の
それぞれの要素を推定することが可能となる。本実施形
態においては、このような原理に基づいて各サンプルに
ついての真の計数値の推定演算を実行している。
【0030】本発明は、M個のサンプルがラックテーブ
ル上に配列されている場合において、1以上M以下の評
価用サンプル位置が設定されている場合において適用可
能であり、例えばラック蓄積エリア上に何れのサンプル
も存在しないかあるいはそのラックエリア上のサンプル
によるクロストークなどが既知である場合、1つの評価
用サンプル位置を利用しても上記原理を実現可能であ
る。また、M個のサンプル位置の全てが評価用サンプル
位置である場合にも本発明の原理を適用可能である。た
だし、測定時間や演算量等を考慮すると、ラック単位あ
るいは1から数十個程度のサンプル単位で行列演算を実
行できるように評価用サンプル位置の個数を定めるのが
望ましい。
【0031】次に、本実施形態に係る放射線測定装置の
構成について説明する。
【0032】図5には、検出ユニット20の概略構成が
示されている。上述したように、ラックテーブル22に
設定されたラック搬送路上において、測定対象を保持す
るラック14’が順次前方へ搬送される。あるサンプル
S’が測定対象位置P0に位置決めされた状態では、後
述するサンプル昇降機構24によって当該サンプルS’
がラック14’から上方へ持ち上げられ、検出ユニット
20内の測定室26内に収容される。この状態が図5に
示されている。検出ユニット20内には、測定室26を
取り囲むようにシンチレータ28が設けられ、さらにそ
のシンチレータ28には光電子増倍管29が接合されて
いる。サンプルS’の測定中においては測定室26の下
側開口がシャッタ31によって隠蔽される。シャッタ3
1及びユニット外壁33は、たとえば鉛等の放射線遮蔽
部材で構成されている。しかしながら、上述したように
透過力の高い放射線例えばγ線等の測定を行なう場合、
検出ユニット20の外に存在しているサンプルなどによ
るクロストークが検出誤差となって測定値に影響を与え
る。そこで上述したような行列演算により真の計数値の
推定が行われる。
【0033】検出ユニット20における測定終了後、サ
ンプル昇降機構24によってサンプルS’がラック1
4’に戻され、ラック14’は上述したように次のサン
プルに対する測定を行なうために1ステップ前方へ搬送
される。なお、図5においては、後述するラック搬送機
構30の具体的な構成については図示省略されている。
【0034】図6には、本実施形態の放射線測定装置の
構成がブロック図として示されている。制御部32は、
検出ユニット20、ラック搬送機構30及びサンプル昇
降機構24等の各構成を制御するコントローラである。
ラック搬送機構30は、ラックテーブル22上に配列さ
れた各ラックを搬送する機構である。このラック搬送機
構30によってラック搬送路上にあるラック14’が搬
送され、また、蓄積エリア10及び12上における各ラ
ックの搬送も行われる。
【0035】検出ユニット20から出力される検出パル
スは測定部34に入力され、ここで測定値として計数率
が演算される。メモリ36内には、各測定の測定結果が
格納される。それらの測定結果はマトリクス演算部38
によってラック単位で読み出され、図4に示したマトリ
クス演算を実行することにより、各サンプルについての
真の計数値が演算により推定される。ここで、寄与率テ
ーブル40には、図1に示した各評価位置におけるクロ
ストーク寄与率が格納されている。しかしながら、図6
に示すように、逆マトリクスメモリ42内に逆クロスト
ークマトリクスをあらかじめ格納しておけば、必ずしも
各評価位置におけるクロストーク寄与率自体を格納して
おく必要はない。もちろん、逆クロストークマトリクス
を格納しておくことなく、各マトリクス演算時に逆クロ
ストークマトリクスの逆行列を演算するようにしてもよ
い。表示部44には、マトリクス演算部38によって演
算された結果が表示される。具体的には、各サンプルの
真の測定値が測定結果として表示されることになる。
【0036】ところで、クロストーク寄与率は、各評価
位置と検出ユニット20との間における幾何学的な関係
及びサンプル内に含有されている線源によって変化す
る。そこで、ラックタイプ入力部46によってユーザー
によりラックの種別を入力させ、また線源種類入力部4
8によってユーザーにより線源の種類を入力させるよう
にしてもよい。すなわち、制御部32が、それらのパラ
メータを考慮し、マトリクス演算部38にそれらのラッ
クタイプや線源の種類を考慮して行列演算を実行するよ
うに命令する。このような場合、寄与率テーブル40あ
るいは逆マトリクスメモリ42内には、ラックタイプや
線源の種類に応じたクロストーク寄与率または逆クロス
トークマトリクスがあらかじめ用意されている。
【0037】なお、ラックテーブル上にM個の評価位置
が設定されている場合において、それらの全ての評価位
置を利用して行列演算を行なう必要はなく、行列演算の
実行単位としてのJ(1≦J≦M)個のサンプルに相当
する個数分だけ評価位置を利用すればよい。
【0038】図7には、本実施形態に係る放射線測定方
法の各工程がフローチャートとして示されている。S1
01においては、図1に示したように、ラック搬送路上
に測定対象を保持したラック14’が導入される。すな
わち、初期位置14Aにラック14’が位置決めされ
る。
【0039】S102では、ラック14’が初期位置1
4Aにある状態において、全バックグラウンドNBの測
定が行われる。すなわち、検出ユニット20内に何れの
サンプルも収容しない状態においてバックグラウンド測
定が行われる。
【0040】S103では、ラック14’が前方へ1ス
テップ移動され、第1番目のサンプルに対する測定がS
104において実行される。そして、S105では、当
該ラック14’上の全てのサンプルについて測定が完了
したか否かが判断され、残りのサンプルがある場合に
は、S103以降の各工程が繰り返し実行される。
【0041】S106では、終了位置14Bにラック1
4’が位置決めされ、S107においては、蓄積エリア
12に当該ラック14’が排出される。
【0042】S108では、ラック上のj個のサンプル
の測定結果を利用して図4に示したような行列演算が実
行される。これにより、各サンプルごとに真の測定値が
推定される。もちろん、このS108の工程は、S10
5及びS106の間において実行してもよいし、あるい
はS107と並行して実行してもよい。S109におい
ては次のラックについて測定を行なうか否かが判断さ
れ、測定を行なう場合にはS101以降の各工程が繰り
返し実行される。S110においては測定結果が表示部
44に表示される。上記の実施形態によれば、従来例に
示した固定値減算法とほぼ同じ測定時間で全てのサンプ
ルについて測定を実行することができ、かつ逐次減算法
と同じかそれ以上の測定精度を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高精度かつ効率的な放射線測定を実現できる。特に、ク
ロストークを精度良く推定して測定値から除外すること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理を説明するための原理説明図で
ある。
【図2】 実際の計数値と真の計数値との関係を示す説
明図である。
【図3】 クロストークマトリクスを含む行列演算式を
示す図である。
【図4】 逆クロストークマトリクスを含む行列演算式
を示す説明図である。
【図5】 検出ユニットの断面図である。
【図6】 放射線測定装置の全体構成を示すブロック図
である。
【図7】 放射線測定方法を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
10 ラック蓄積エリア、12 ラック蓄積エリア、1
4 ラック、20 検出ユニット、24 サンプル昇降
機構、30 ラック搬送機構、38 マトリクス演算
部、40 寄与率テーブル、42 逆マトリクスメモ
リ、46 ラックタイプ入力部、48 線源種類入力
部、K1〜K10及びK-1〜K-10 クロストーク寄与率、
1〜P10及びP-1〜P-10 評価位置、P0 測定対象
位置。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプルを個別的に放射線遮蔽部材の中
    に収容し放射線の測定を行う測定ユニットと、 M(但し、Mは、載置されたサンプル数を示し、2以上
    の整数)個のサンプルが載置されるサンプルテーブルで
    あって、前記測定ユニットにおいてそれに収容されたサ
    ンプル以外のサンプルからの放射線も測定されてしまう
    クロストークの影響度を示すクロストーク寄与率があら
    かじめ求められるm(但し、mは、評価用サンプル位置
    数を示す整数であり、1≦m≦M)個の評価用サンプル
    位置が設定されたサンプルテーブルと、 全バックグランド測定時にj(但し、jは、行列演算の
    実行単位としてのサンプル数を示す整数であり、1≦j
    ≦m)個のサンプルをそれぞれ前記評価用サンプル位置
    に位置決めしサンプルを収容していない前記測定ユニッ
    トにより全バックグランドの測定を行わせ、サンプル個
    別測定時に測定対象外のj−1個のサンプルをそれぞれ
    前記評価用サンプル位置に位置決めしつつ前記測定ユニ
    ットによりj個のサンプルについて個別的な測定を行わ
    せる制御部と、 全バックグランドの測定値及びj個のサンプルの測定値
    に対して前記クロストーク寄与率に基づくバックグラン
    ド除外演算を実行することにより、前記j個のサンプル
    について真の測定値を推定するバックグランド除外演算
    部と、 を含み、 前記バックグランド除外演算部は、前記全バックグラン
    ドの測定及び前記j個のサンプルの測定においてサンプ
    ルが位置決めされた評価用サンプル位置のクロストーク
    寄与率を行列要素としたクロストーク行列の逆行列であ
    る逆クロストーク行列と、前記全バックグランドの測定
    値及び前記j個のサンプルの測定値を行列要素に含む測
    定結果行列と、の積を演算することを特徴とする放射線
    測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記評価用サンプル位置は、各サンプルの大きさ及びサ
    ンプル間ピッチに従うサンプル配列の種類ごとに設定さ
    れることを特徴とする放射線測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の装置において、 測定対象となる放射線のエネルギーに応じて、複数の逆
    クロストーク行列をあらかじめ格納した逆行列記憶部
    と、 前記測定対象となる放射線のエネルギーに応じて前記複
    数の逆クロストーク行列の中から前記クロストーク除外
    演算で使用する逆クロストーク行列を選択する逆行列選
    択部と、 を含むことを特徴とする放射線測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の装置において、 前記サンプルテーブル上には、前記測定ユニットの設置
    場所を通過するラック搬送路が設定され、 前記ラック搬送路には、前記j個のサンプルを保持した
    ラックがセットされ、当該ラックが各サンプルの測定ご
    とに順送りされ、 前記ラック搬送路上における各サンプルの保持位置が前
    記評価用サンプル位置として設定されたことを特徴とす
    る放射線測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の装置において、 前記サンプルテーブル上には、前記ラック搬送路へ送り
    込むラックを蓄積する測定前蓄積エリアと、前記ラック
    順送り経路から取り込まれるラックを蓄積する測定後蓄
    積エリアと、が設定されたことを特徴とする放射線測定
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の装置において、 前記ラック搬送路上にあるラックに保持されたj個のサ
    ンプルについて測定がすべて完了するまで、前記測定前
    蓄積エリア及び前記測定後蓄積エリア上に存在するラッ
    ク配列が不変とされることを特徴とする放射線測定装
    置。
  7. 【請求項7】 サンプルを個別的に放射線遮蔽部材の中
    に収容し放射線の測定を行う測定ユニットを含む放射線
    測定装置における放射線測定方法において、 M(但し、Mは、載置されたサンプル数を示し、2以上
    の整数)個のサンプルが載置されるサンプルテーブルに
    ついて、m(但し、mは、評価用サンプル位置数を示す
    整数であり、1≦m≦M)個の評価用サンプル位置を設
    定し、各評価用サンプル位置ごとに、前記測定ユニット
    においてそれに収容されたサンプル以外のサンプルから
    の放射線も測定されてしまうクロストークの影響度を示
    すクロストーク寄与率を決定しておく工程と、 j(但し、jは、行列演算の実行単位としてのサンプル
    数を示す整数であり、1≦j≦m)個のサンプルをそれ
    ぞれ前記評価用サンプル位置に位置決めしサンプルを収
    容していない前記測定ユニットにより全バックグランド
    の測定を行う工程と、 測定対象外のj−1個のサンプルをそれぞれ前記評価用
    サンプル位置に位置決めしつつ前記測定ユニットにより
    j個のサンプルについて個別的な放射線の測定を行う工
    程と、 前記全バックグランドの測定及び前記j個のサンプルの
    測定においてサンプルが位置決めされた評価用サンプル
    位置のクロストーク寄与率を行列要素としたクロストー
    ク行列の逆行列である逆クロストーク行列と、前記全バ
    ックグランドの測定値及び前記j個のサンプルの測定値
    を行列要素に含む測定結果行列と、の積を演算し、これ
    により前記j個のサンプルについて真の測定値を推定す
    る工程と、 を含むことを特徴とする放射線測定方法。
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