JP3513347B2 - 真空下水管用逆止弁 - Google Patents

真空下水管用逆止弁

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JP3513347B2 JP35306896A JP35306896A JP3513347B2 JP 3513347 B2 JP3513347 B2 JP 3513347B2 JP 35306896 A JP35306896 A JP 35306896A JP 35306896 A JP35306896 A JP 35306896A JP 3513347 B2 JP3513347 B2 JP 3513347B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、真空式下水収集装
置に用いる真空下水管の途中に取り付けられる真空下水
管用逆止弁に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図4は真空式下水収集装置の一例を示す
概略図である。同図に示すように各家庭150や工場な
どから排出された汚水は、自然流下式の流入管151を
通して地下に埋設された真空弁ユニット153内に流れ
込む。そして該汚水が真空弁ユニット153内に所定量
溜ると、真空弁155が開いて真空下水管1に吸い込ま
れ、真空ポンプ場159の集水タンク156に集めら
れ、さらに圧送ポンプ158によって図示しない下水処
理場などへ送られる。 【0003】ところで何れかの真空弁155が開いて、
汚水が真空下水管1の枝管(図の1B部分)から本管に
流れ込む際、本管は枝管1B接続部の上下にわたって真
空度が高いので、該汚水は本管の下流方向ばかりでなく
上流方向に向かっても流れてしまい、汚水のスムーズな
流れを阻害し、管路損失を増大してしまう恐れがあっ
た。 【0004】このため従来、真空下水管1の所定位置に
必要に応じて汚水の逆流を防止する逆止弁を取り付ける
ことが行われる。 【0005】図5は前記用途に用いられる従来のスイン
グ型の逆止弁60を示す側断面図である。同図に示すよ
うに従来の逆止弁60は、ケース61内に弁座63を設
けるとともに、該弁座63を塞ぐ板状の弁体65を収納
し、該弁体65の上部を弁軸67に揺動自在に軸支せし
めて構成されている。 【0006】そして汚水と空気が上流から下流に向かっ
て流れるときは、弁軸67を中心に弁体65が一点鎖線
で示すように揺動して弁座63を開き、一方汚水と空気
が逆流しようとするときは、弁体65が弁座63を塞い
で該逆流を阻止する。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで真空下水管の
内部は汚水と空気が流れるが、前記逆止弁60では、前
記弁軸67も汚水に接するため、該弁軸67部分に汚水
内の夾雑物が絡まったり、噛み込んだりして該逆止弁6
0の動作を阻害してしまうという問題点があった。 【0008】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
ありその目的は、弁軸部分に夾雑物が絡まるなどの問題
が生じることなく、その動作を確実に行わせることがで
きる真空下水管用逆止弁を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明は、内部を負圧にすることで家庭や施設から排
出される汚水を収集する真空下水管に取り付けられる逆
流防止用の真空下水管用逆止弁において、前記逆止弁は
ケース内部に弁軸を中心に揺動する弁体と該弁体が当接
する弁座とを具備してなる構造であり、且つ該弁軸を前
記逆止弁へ接続した流入管内の頂部から該流入管の内径
の1倍以上高い位置に設置するとともに、ケース上部を
上蓋で外部から密閉することで、ケース内部の弁軸が位
し且つ真空配管系の一部となっている部分に、空気が
こもった状態を維持する空気溜り室を形成し、さらに前
記上蓋には小孔を設けて構成した。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図1,図2は本発明の一実施
形態にかかる逆止弁10を示す図であり、図1(a)は
平面図、図1(b)は側断面図、図2は左側面図であ
る。両図に示すようにこの逆止弁10は、ケース11の
上部開口13を上蓋21で密封すると共に、該ケース1
1内に弁体31を収納し、該弁体31の上部を弁軸41
に揺動自在に軸支せしめて構成されている。以下各構成
部品について詳細に説明する。 【0011】ケース11はその両側面に上流側の流入管
1−1の一端と下流側の流出管1−2の一端とを固定し
ている。また上流側の流入管1−1の一端はケース11
の内部に所定寸法突入しており、その端面は斜めにカッ
トされて弁座43を構成している。上部開口13の周囲
にはフランジ15が設けられている。 【0012】上蓋21は略平板状であってその外周が前
記フランジ15にボルト・ナット17によって密閉する
ように固定されている。そして該上蓋21中には開口2
3と小孔25とが設けられており、またその下面にはス
トッパー突起27が突出している。ストッパー突起27
の下端面は斜めに傾斜している。 【0013】上蓋21の開口23は平板状の蓋51で密
閉するように覆われて固定されている。また小孔25も
密閉するようにプラグ53が取り付けられている。つま
りケース11内は外部から密閉されて真空配管系の一部
を構成している。 【0014】そして上蓋21の開口23内に弁軸41が
揺動自在に設置され、これによって弁体31下部に設け
た弁部33が前記弁座43を塞いでいる。 【0015】ところで本発明においては、ケース11の
前記流入管1−1,流出管1−2を接続した部分よりも
上の部分の高さを高くすることによって、前記弁軸41
の流入管1−1の頂部からの高さaを、流入管1−1の
内径bの1倍以上高い寸法(a≧b)とし、且つケース
11内の弁軸41が位置する部分の周囲に空気溜り室1
9を形成している。 【0016】以上のように構成された逆止弁10の動作
を説明する。流入管1−1,流出管1−2内を上流側か
ら下流側に向かって汚水と空気が流れている場合は、弁
体31が弁軸41を中心に一点鎖線で示す位置、即ちス
トッパー突起27の下端面に当接する位置まで揺動する
ことで弁座43を開く。 【0017】一方もし流入管1−1,流出管1−2内を
汚水が逆流した場合は、弁体31の弁部33が弁座43
に当接してこれを塞いだ状態となり、該逆流を阻止す
る。 【0018】ところで上記動作中、流入管1−1,流出
管1−2内は真空汚水収集装置の特性として汚水と空気
が流れており、且つケース11は上蓋21によって密閉
されているので、前記空気溜り室19の中には常に空気
がこもった状態が維持される。しかも前記弁軸41は前
述のように空気溜り室19中の高い位置に設置されてい
る。 【0019】これらのことから逆止弁10中を汚水が流
れていても、該汚水が弁軸41まで到達することはな
く、従って該弁軸41に汚水内の夾雑物が絡まったり、
噛み込んだりすることはなくなる。 【0020】なお逆止弁10を構成するケース11や上
蓋21などの各部材の材質は、金属でも合成樹脂でもそ
の他の材質でも良い。 【0021】次に前記小孔25の利用方法を説明する。
通常の真空式下水収集装置の使用方法によれば、前記空
気溜り室19内にこもった空気が無くなる恐れはない
が、特別の使用方法、即ち流れる汚水の気液比を小さく
するように真空式下水収集装置の使用方法を設計した場
合は、前記空気溜り室19内にこもった空気が殆ど無く
なってしまう恐れがある。なお気液比とは、真空下水管
1内の空気(大気圧換算)と汚水の体積比を意味し、式
で表せば、気液比={空気(大気圧換算)の体積}/
{汚水の体積}となる。 【0022】このような場合は逆止弁10に取り付けた
プラグ53(図1参照)を取り外してその小孔25に図
3に示すように通気管100の下端を接続し、該通気管
100の上端にバルブ110を接続し、該バルブ110
を通して空気が少量ずつ逆止弁10の空気溜り室19内
に漏れるように構成しておく。 【0023】このように構成すれば、たとえ気液比が小
さくて真空下水管1中を流れる空気の量が少なくても、
その分バルブ110を通して逆止弁10内に空気を供給
でき、これによって空気溜り室19内に常に所定量の空
気を溜めておくことができ、前述のように弁軸41に汚
水内の夾雑物が絡まったり、噛み込んだりすることはな
くなる。 【0024】なお本発明にかかる逆止弁は、真空汚水管
の途中に設置するばかりでなく、真空汚水管の何れかの
端部に取り付けても良い。即ち例えば図6に示すよう
に、集水タンク70′(図4の集水タンク156に相当
する)に接続された真空下水管の端部に逆止弁10′を
取り付けてもよい。 【0025】即ちこの逆止弁10′はケース11′内部
に弁軸41′を中心に揺動する弁体31′と該弁体3
1′が当接する弁座43′とを具備し、弁軸41′を逆
止弁10′へ接続した流入管1−1′内の頂部から該流
入管1−1′の内径の1倍以上高い位置に設置するとと
もに、ケース11′内部の弁軸41′が位置する部分に
空気溜り室19′を形成して構成されている。 【0026】逆止弁10′をこのような場所に設置して
も、上記実施形態と同じ作用効果を奏する。なお逆止弁
はさらに真空汚水管の他の場所に設置しても良いことは
言うまでもない。 【0027】 【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、弁体を揺動自在に支持する弁軸の部分に夾雑物が絡
まる恐れがなく、これによって逆止弁の動作を確実に行
わせることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態にかかる逆止弁10を示す
図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は側断面図
である。 【図2】逆止弁10の左側面図である。 【図3】逆止弁10の他の使用方法を示す図である。 【図4】真空式下水収集装置の一例を示す概略図であ
る。 【図5】従来のスイング型の逆止弁60を示す側断面図
である。 【図6】本発明にかかる逆止弁の他の実施形態を示す側
断面図である。 【符号の説明】 1−1 流入管 1−2 流出管 10 逆止弁 11 ケース 19 空気溜り室 31 弁体 41 弁軸 43 弁座 50 家庭
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03F 7/00 - 7/04 E03F 3/00 E03F 5/10 E03F 5/22

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 内部を負圧にすることで家庭や施設から
    排出される汚水を収集する真空下水管に取り付けられる
    逆流防止用の真空下水管用逆止弁において、 前記逆止弁はケース内部に弁軸を中心に揺動する弁体と
    該弁体が当接する弁座とを具備してなる構造であり、 且つ該弁軸を前記逆止弁へ接続した流入管内の頂部から
    該流入管の内径の1倍以上高い位置に設置するととも
    に、ケース上部を上蓋で外部から密閉することで、ケー
    ス内部の弁軸が位置し且つ真空配管系の一部となってい
    部分に、空気がこもった状態を維持する空気溜り室を
    形成し、さらに前記上蓋には小孔が設けられていること
    を特徴とする真空下水管用逆止弁。
JP35306896A 1996-12-13 1996-12-13 真空下水管用逆止弁 Expired - Lifetime JP3513347B2 (ja)

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