JP3512401B2 - 粉体流量測定装置、粉体流量測定プログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

粉体流量測定装置、粉体流量測定プログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP3512401B2
JP3512401B2 JP2001358703A JP2001358703A JP3512401B2 JP 3512401 B2 JP3512401 B2 JP 3512401B2 JP 2001358703 A JP2001358703 A JP 2001358703A JP 2001358703 A JP2001358703 A JP 2001358703A JP 3512401 B2 JP3512401 B2 JP 3512401B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体流量測定装
置、粉体流量測定プログラム及び当該プログラムを記録
したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に係り、特
に、粉体の流路を挟む対向電極間の静電容量の変化に基
づいて粉体の流量を測定する粉体流量測定装置等に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の粉体流量測定装置は、例えば、
特開平8−271301号公報に開示されている。粉体
の流路となる円筒管を電極で挟み、この電極間を粉体が
移動することによって、電極間の静電容量に変化を生
じ、この静電容量の変化に応じて粉体の流量を測定する
ようになっている。
【0003】粉体の流量は、上記静電容量に応じて算出
される粉体濃度と、粉体の速度と、所定の係数とを掛け
合わせることによって求められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっては、粉体の速度を一定と仮定し、粉体の流
量を求めていたため、流路に粉体が詰まるなど粉体の流
速に変動を生じた場合であっても、流速一定の条件の下
で粉体の流量が算出される。よって、かかる場合は粉体
の流量を正確に測定することができないという不都合が
あった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特に、粉体の流速が変動する場合にあって
も、比較的正確に粉体の流量を測定することのできる装
置を提供することを、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、粉体の流路を挟む対向電
極から当該対向電極間の静電容量に応じた電気信号を出
力する電極部と、この電極部からの出力信号を調整する
信号処理部とを備えている。また、この信号処理部で調
整された信号に基づいて粉体の流量を算出する演算部
と、この演算部による演算結果を出力装置に出力する出
力部とを有する。
【0007】このうち、電極部は、測定電極としての粉
体の流路を挟む対向電極とは別に、当該粉体の流路と共
の雰囲気の中に置かれた基準電極としての対向電極を
備える。また、前記の一対となる測定電極と基準電極
を、当該流路の上流側と下流側に所定の間隔を隔てて一
として備える。
【0008】一方、信号処理部は、上流側の測定電極の
出力信号と上流側の測定電極に対応する基準電極の出力
信号との信号差を上流粉体の濃度を示す上流計測値とし
て出力すると共に、下流側の測定電極の出力信号と下流
側の測定電極に対応する基準電極の出力信号との信号差
下流粉体の濃度を示す下流計測値として出力する差分
出力機能を備える。
【0009】これに加え、演算部は、正規化相関係数を
利用することにより、時系列において下流計測値の或る
区間と波形の一致する上流計測値の区間を特定する演算
を行うものであって、上流計測値と下流計測値の正規化
相関係数を算出し、当該正規化相関係数が所定の閾値を
超えて最大となったときに双方が一致していると判断し
て上流と下流の時間差を算出することで粉体の単位測定
時間内における流速を算出する流速算出機能により得た
粉体の流速と、上流計測値又は下流計測値の少なくとも
一方に基づいて粉体の流量を算出する流量算出機能とを
備えた、という構成を採っている。
【0010】本発明では、上流計測値と下流計測値との
相関に基づいて粉体の速度を逐次算出し、算出した速度
に基づいて粉体の流量を求めるので、粉体の流速に変動
を生じた場合にあっても、時々の粉体の流量を正確に計
測することができる。かつ、基準電極から得られる信号
と測定電極から得られる信号との差分に基づいて粉体の
を求めるので、雰囲気の影響を除去した精度の高い
測定を行うことが出来る。
【0011】また、請求項2記載の発明では、演算部
は、粉体流動の特性に応じて適宜決められる単位測定時
間内において上流計測値又は下流計測値の平均値を算出
し、この平均値と,流速算出機能により得た前記単位測
定時間内における粉体の流速と,予め記憶された所定の
係数との積に基づいて単位測定時間内における粉体の流
量を算出する、という構成を採っている。
【0012】更に、請求項3記載の発明では、請求項2
記載の粉体流量測定装置において、演算部は、単位測定
時間内における粉体の流量を算出した後、更に、この単
位測定時間内における粉体の流量を時間軸に沿って積分
し、当該積分区間内における粉体の流量を算出する、と
いう構成を採っている。
【0013】これに加え、請求項4記載の発明では、請
求項1記載の粉体流量測定装置において、演算部にコン
ピュータ及び記憶手段を備え、当該コンピュータに、次
の処理を実行させる。即ち、(a)信号処理部から上流計
測値と下流計測値とを随時取得し、記憶手段に格納する
入力処理と、(b)記憶手段から上流計測値と下流計測値
とを読み出し、これらの相関に基づいて粉体の流速を算
出する流速算出処理と、(c)上流計測値又は下流計測値
の少なくとも一方と流速算出処理により得た粉体の流速
とに基づいて粉体の流量を算出する流量算出処理とを実
行させる。
【0014】また、請求項5記載の発明によると、流量
算出処理は、コンピュータに、次の処理を実行させる。
即ち、上流計測値又は下流計測値の単位測定時間内にお
ける平均値を算出し、この平均値と,流速算出機能によ
り得た単位時間内における粉体の流速と,予め記憶され
た所定の係数との積に基づいて単位時間内における粉体
の流量を算出する処理を実行させる。
【0015】更に、請求項6記載の発明では、請求項5
記載の粉体流量測定プログラムにおいて、流量算出処理
が、コンピュータに、次の処理を実行させる。即ち、単
位測定時間内における粉体の流量を算出した後、更に、
この単位測定時間内における粉体の流量を時間軸に沿っ
て積分し、当該積分区間内における粉体の流量を算出す
る処理を実行させる。
【0016】そして、請求項7記載の発明は、請求項4
乃至6記載の粉体流量測定プログラムを記録したコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0017】これにより、前述した目的を達成しようと
するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の好適な実施
の形態について、図面を参照して詳しく説明する。図1
は、本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【0019】図1に示す粉体流量測定装置は、粉体の流
路16を挟む対向電極13,14から当該対向電極間の
静電容量に応じた電気信号を出力する電極部1と、この
電極部1からの出力信号を調整する信号処理部2とを備
えている。また、この信号処理部2で調整された信号に
基づいて粉体の流量を算出する演算部3と、この演算部
3による演算結果を出力装置41に出力する出力部4と
を有する。
【0020】このうち、電極部1は、粉体の流路16を
挟む対向電極13,14とは別に、当該粉体の流路16
と共通の雰囲気を挟む基準電極としての対向電極11,
12を備えている。また、粉体の流路16を挟む対向電
極13,14は測定電極として当該流路16の上流側と
下流側に所定の間隔を隔てて一組を備えている。
【0021】一方、信号処理部2は、上流側の測定電極
13の出力信号と基準電極11の出力信号との信号差を
上流計測値として出力すると共に、下流側の測定電極1
4の出力信号と基準電極12の出力信号との信号差を下
流計測値として出力する差分出力機能を備えている。
【0022】これに加え、演算部3は、上流計測値と下
流計測値との相関に基づいて粉体の流速を算出する流速
算出機能と、上流計測値又は下流計測値の少なくとも一
方と流速算出機能により得た粉体の流速とに基づいて粉
体の流量を算出する流量算出機能とを備えている。
【0023】本実施形態において、演算部3は、上流計
測値又は下流計測値の単位測定時間内における平均値を
算出し、この平均値と,流速算出機能により得た単位測
定時間内における粉体の流速と,予め設定記憶された所
定の係数(以下、流量係数という)との積に基づいて単
位測定時間内における粉体の流量を算出するようになっ
ている。
【0024】更に、本実施形態において、演算部3は、
単位測定時間内における粉体の流量を算出した後、更
に、この単位測定時間内における粉体の流量を時間軸に
沿って積分し、当該積分区間内における粉体の流量(総
流量)を算出するようになっている。
【0025】これを更に詳述すると、本実施形態におい
て、電極部1は、2本の円筒管を有し、その一方16は
粉体の流路16として機能し、他方15は基準電極1
1,12の固定用として設けられ、両者は共通の雰囲気
(例えば外気)の中に置かれる。粉体の流路16を形成
する円筒管16の上流側には、上流側の測定電極13が
固定されている。また、同じ円筒管16の下流側には、
下流側の測定電極14が固定されている。上流側の測定
電極13と下流側の測定電極14は所定の間隔を隔てて
円筒管16に固定されている。円筒管16は絶縁材料に
より形成されている。一方、基準電極11,12を固定
する他方の円筒管15には、上述した測定電極13,1
4の取り付け方とほぼ同様に、所定の間隔を隔てて2つ
の基準電極11,12が固定されている。こちらの円筒
管15も絶縁材料により形成されている。各測定電極1
3,14及び基準電極11,12は円筒管15,16を
挟む対向電極として構成されているが、対向するうちの
一方の電極11a,12a,13a,14aは、それぞ
れ高周波交流電源に接続され、交流電圧が印加されるよ
うになっている。2つの測定電極13,14は、高周波
交流電源の一方の端子18にそれぞれ接続され、2つの
基準電極11,12は、高周波交流電源の他方の端子1
7にそれぞれ接続されている。また、対向する基準電極
11,12及び測定電極13,14の他方の電極11
b,12b,13b,14bは、信号処理部2に接続さ
れ、それぞれ対向電極11,12,13,14間の静電
容量に応じた出力信号を出力するようになっている。
【0026】即ち、測定電極13,14と基準電極1
1,12は、ともに静電容量型の電極である。そして、
測定電極13,14と基準電極11,12には、不図示
のガード電極と静電容量検出回路が形成されており、高
周波正弦波電圧が印加されている。出力は電圧で得られ
るが、出力電圧は検出静電容量に比例する値である。よ
って、測定電極は、流路を通過する粉体及び周辺流体の
静電容量を電圧の出力として出力する。
【0027】これにより上流側の測定電極13からは、
流路の上流における静電容量に比例した電圧が出力さ
れ、下流側の測定電極14からは、流路の下流における
静電容量に比例した電圧が出力される。また、基準電極
11,12からは、雰囲気内における静電容量に比例し
た電圧が出力される。
【0028】続いて、信号処理部2は、上流側の測定電
極13と、下流側の測定電極14にそれぞれ対応する2
系統の信号処理回路を備えている。1系統の信号処理回
路には、一組のバッファアンプ21,22(23,2
4)と、比較回路25(26)と、増幅器27(28)
とが含まれ、そのような信号処理回路が2系統設けられ
ている。第1系統のバッファアンプ21,22には、上
流側の測定電極13の出力と、一方の基準電極11の出
力とがそれぞれ個別に接続されている。そして、各バッ
ファアンプ21,22の出力は、比較回路25の入力端
子に接続されると共に、当該比較回路25の出力が増幅
器27の入力端子に接続されている。増幅器27の出力
は、演算部3に入力されるようになっている。第2系統
の信号処理回路の構成も同様であるが、第2系統のバッ
ファアンプ23,24には、下流側の測定電極14の出
力と、他方の基準電極12の出力とがそれぞれ個別に接
続されている。
【0029】これにより、第1系統の比較回路25は、
上流側の測定電極13と一方の基準電極11との出力信
号の差を上流計測値として算出する一方、第2系統の比
較回路26は、下流側の測定電極14と他方の基準電極
12との出力信号の差を下流計測値として算出する(差
分出力機能)。
【0030】ここで、バッファアンプ21〜24は、入
力された測定電極又は基準電極の信号値を一時的に蓄
え、他のバッファアンプとの出力タイミングとを同調さ
せ、比較回路に出力する。
【0031】即ち、上流側の測定電極13からの出力信
号値がバッファアンプ21から出力されると共に、一方
の基準電極11からの出力信号値がバッファアンプ22
から出力され、比較回路25の入力端子に入力される。
比較回路25は、増幅器27に接続されており、上記2
入力の比較を行ない、その信号値の差を増幅器27に対
して出力する。また、同様に下流側の測定電極14から
の出力信号値がバッファアンプ23から出力されると共
に、他方の基準電極12からの出力信号値がバッファア
ンプ24から出力され、比較回路26の入力端子に入力
される。比較回路26は、増幅器28に接続されてお
り、上記2入力の比較を行ない、その信号値の差を増幅
器28に対して出力する。
【0032】これにより、第1系統の増幅器27から
は、上流側の測定電極13と一方の基準電極11との出
力の差が上流計測値として出力されると共に、第2系統
の増幅器28からは、下流側の測定電極14と他方の基
準電極12との出力の差が下流計測値として出力され
る。
【0033】第1系統の増幅器27は、入力信号に対し
て所定の増幅を行ない、その増幅後の値である上流計測
値を演算部3の速度測定手段31と濃度測定手段32に
入力する。同様に第2系統の増幅器28も、入力信号に
対して所定の増幅を行ない、その増幅後の値である下流
計測値を速度測定手段31に入力する。ここで、濃度測
定手段32には、上流計測値が入力されるようになって
いるが、上流計測値に代えて下流計測値を入力するよう
に構成してもよい。ここで、速度測定手段31及び濃度
測定手段32は、電気回路で構成される。
【0034】続いて、演算部3は、入力された上流計測
値と下流計測値との相関に基づいて粉体の流速を算出す
る流速算出機能を司る流速算出手段31と、上流計測値
の単位測定時間内における平均値(粉体濃度)を算出す
る濃度測定手段32と、この平均値と,流速算出手段3
1により得た単位測定時間内における粉体の流速と,予
め設定記憶された所定の係数(流量係数)との積に基づ
いて単位測定時間内における粉体の流量を算出する流量
算出機能を司る流量算出手段33とを備えている。更
に、演算部3は、流量算出手段33が単位測定時間内に
おける粉体の流量を算出した後、更に、この単位測定時
間内における粉体の流量を時間軸に沿って積分し、当該
積分区間内における粉体の流量(総流量)を算出する流
量積分手段34を有する。単位測定時間は、例えば0.
5[sec]程度の短い時間である。ただし、上流計測値と
下流計測値のサンプル時間はここにいう単位測定時間を
分割した,より短い時間に設定される。
【0035】ここで、各手段31〜34は、電子回路と
して構成され、各手段31〜34が、それぞれ演算用の
マイクロプロセッサを備えていてもよい。
【0036】そして、流速算出手段31の入力段には、
第1系統の増幅器27の出力と第2系統の増幅器28の
出力とが接続されている。
【0037】ここで、流速算出手段31が、上流計測値
と下流計測値の相関により粉体の流速を算出する方法に
ついて図2を参照しつつ詳述する。流速算出手段31
は、正規化相関係数を利用することにより、時系列にお
いて下流計測値の或る区間と波形の一致する上流計測値
の区間を特定する。具体的には、所定の区間内の上流計
測値をサンプリングタイムごとに時間軸の古い方向移動
して取り出しながら上流計測値と下流計測値の正規化相
関係数を算出する。そして、当該正規化相関係数が所定
の閾値を超えて最大となったときに、双方が一致してい
ると判断し、これを条件として上流計測値と下流計測値
の一致する区間を特定する。特定すると、図2に示すと
おり上流と下流の時間差(T−delay)を算出する
ことができる。ここで、上流側の測定電極と下流側の測
定電極との距離は既知Lであるため、当該距離Lを時間
差(T−delay)で除することにより、粉体の流速
を求めることができる。
【0038】図1に戻り、濃度算出手段32の入力段に
は、第1系統の増幅器27の出力(実線)又は第2系統
の増幅器28の出力(点線)のいずれか一方が接続され
る。ここで、上流計測値又は下流計測値のいずれか一方
のみを入力するのは、上流を通過した粉体は、通常その
まま平行移動して下流を通過するため、所定の周期間内
における上流計測値の平均値と下流計測値の平均値と
は、ほぼ同値であるとみることができるからである。
ここで、上流計測値(又は下流計測値)は、測定電極1
3(14)を通過する粉体の濃度に比例した値となる。
濃度算出手段32は、単位計測時間内にサンプルされる
複数の上流計測値の平均値を算出するが、これは測定電
極13を通過する粉体の濃度に比例した値となる。
【0039】続いて、流量算出手段33の入力段には、
流速算出手段31の出力と、濃度算出手段32の出力と
が接続されている。流量算出手段33は、濃度算出手段
32が算出した上流計測値又は下流計測値の平均値と、
流速算出手段31が算出した流速と、所定の流量係数と
の積を演算することにより、測定電極13(14)を単
位測定時間内に通過する粉体の流量を算出する。
【0040】また、流量係数は、測定する粉体を一定の
流量かつ流速で流しつつ、既知の流量を上流計測値(又
は下流計測値)の平均値と一定の流速で除することによ
り、予めその粉体に固有の値を求めておく。
【0041】流量積分手段34は、流量算出手段33が
単位測定時間内における粉体の流量を算出した後、更
に、この単位測定時間内における粉体の流量を時間軸に
沿って積分し、当該積分区間内における粉体の流量(総
流量)を算出する。
【0042】続いて、出力部4について説明する。出力
部4は、演算部3による演算結果を出力装置41に出力
する。出力装置41は、CRTディスプレイや液晶モニ
タなどの表示装置であるが、接続に必要なインターフェ
ースも含む。また、演算結果が出力可能であれば、プリ
ンタなどの印字装置などであってもよい。出力装置41
には、流速算出手段31の出力値と、流量算出手段33
の出力値と、流量積分手段34の出力値が出力されるよ
うになっている。
【0043】以上説明した本実施形態によると、粉体の
流路に設けた測定電極13,14の上流計測値と下流計
測値との相関に基づいて粉体の流速を都度演算し、粉体
流量の演算に反映するので、粉体の流速に変動を生じた
場合に従来例と比較して粉体の流量を正確に算出するこ
とができる。かつ、当該演算は、測定電極と基準電極と
の出力の差分に基づいて行うので、雰囲気の変動(例え
ば温度や湿度など)の影響を抑制することができ、これ
がため、雰囲気の不安定な環境や雰囲気の異なる環境に
おいても、精度の高い粉体流量測定を行うことができ
る。
【0044】次に、本発明の他の実施形態を図3及び図
4に基づいて説明する。先に説明した実施形態と同一部
分については、同一符号を付して重複説明を省略する。
【0045】図3は、本実施形態の構成を示すブロック
図である。電極部1、信号処理部2、出力部4の構成は
前述の実施形態と同一である。演算部103の機能も前
述した実施形態の演算部3の機能と同様であるが、本実
施形態では、演算部3をコンピュータ処理により実現す
る点が異なっている。
【0046】このため、本実施形態における演算部10
3は、MPUを含む処理手段132と、ROM,RAM,
ハードディスクドライブ等を含む記憶手段131とを備
えている。処理手段132は、所定のインタフェースを
介して信号処理部2と接続され、このインタフェースに
は、信号処理部2から出力される上流計測値及び下流計
測値をデジタル変換するA/D変換器を含んでいる。ま
た、処理手段132は、所定のインタフェースを介し
て、コンピュータディスプレイ又はプリンタである出力
装置41に接続されている。記憶手段131には先の実
施形態で説明したのと同様の流量係数131aが格納さ
れている。
【0047】ここで、図3では、便宜上1つの記憶手段
のみが記載されているが、複数の記憶媒体を分散配置し
たものであってもよい。
【0048】また、記憶手段131の所定の領域には、
サンプリングタイムごとに信号処理部2から出力された
上流計測値と下流計測値とが格納される。
【0049】また、処理手段132は、1つに限られる
ものではなく、複数のMPUや複数種類の演算装置によ
り分散処理を可能としたものであってもよい。
【0050】次に、処理手段132の動作を、図4のフ
ローチャートに基づいて説明する。以下の動作は、コン
ピュータである処理手段132が、予め準備された粉体
流量測定プログラムを実行することにより、実現され
る。粉体流量測定プログラムは、コンピュータ読み取り
可能な記録媒体に記録して配布されてもよい。
【0051】先ず、処理手段132は、信号処理部2か
ら出力される上流計測値と下流計測値とを連続的にサン
プリングし(S101:入力処理)、取得した上流計測
値と下流計測値とを記憶手段131に随時格納する(S
102)。その後、処理手段132は、単位測定時間内
における上流計測値と下流計測値の連続するサンプルを
記憶手段131から読出し(S103)、当該単位測定
時間内における上流計測値と下流計測値との相関に基づ
いて粉体の流速を算出する(S104:流速算出処
理)。ここで、相関に基づく流速の算出方法は、上述し
た第1の実施形態と同一である。続いて、処理手段13
2は、記憶手段131から単位測定時間内における上流
計測値又は下流計測値を読出し(S105)、当該単位
測定時間内における上流計測値又は下流計測値の平均値
を算出する(S106)。続いて、処理手段132は、
記憶手段131から流量係数131aを読出し(S10
7)、当該流量係数と、先程算出した上流計測値又は下
流計測値の平均値と、先程算出した粉体の流速との積か
ら、単位測定時間における粉体の流量を動的に算出する
(S108:流量算出処理)。そして、処理手段132
は、当該算出した単位測定時間における粉体の流量及び
流速を記憶手段131に格納すると共に、出力装置41
に出力する(S109)。
【0052】処理手段132は、上述した単位測定時間
における粉体の流量の算出を、連続する単位測定時間ご
とに実行し、各単位測定時間における粉体流量を都度記
憶手段131に格納してゆく。そして、単位測定時間ご
との粉体流量を一定区間分記憶すると、処理手段132
は、当該一定区間を積分区間として、各単位測定時間に
対応する粉体流量を積分する(S110)。処理手段1
32は、この積分値を粉体の総流量として出力装置41
に出力する(S111)。
【0053】このようにしても、前述した第1の実施形
態と同一の作用効果を奏するほか、演算部103を汎用
のコンピュータにソフトウェアを供給することによって
実現でき、既存のハードウェア資源の有効利用が図れる
と共に、ソフトウェアのバージョンアップによって、容
易に機能追加を行うことができるというメリットがあ
る。
【0054】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成され機能す
るので、これによると、上流計測値と下流計測値との相
関に基づいて粉体の速度を逐次算出し、算出した速度に
基づいて粉体の流量を求めるので、粉体の流速に変動を
生じた場合にあっても、時々の粉体の流量を正確に計測
することができる。かつ、基準電極から得られる信号と
測定電極から得られる信号との差分に基づいて粉体の流
を求めるので、雰囲気の影響を除去した精度の高い測
定を行うことができる、という従来にない優れた粉体流
量測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図で
ある
【図2】上流計測値と下流計測値との相関に基づいて粉
体の流速を求める動作を説明するための説明図である。
【図3】本発明の他の実施形態の構成を示すブロック図
である。
【図4】図3に示す処理手段が実行する粉体流量測定プ
ログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
1 電極部 2 信号処理部 3 演算部 4 出力部 11,12 基準電極 13 上流側の測定電極 14 下流側の測定電極 103 演算部 131 記憶手段 132 処理手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−125319(JP,A) 特開 平11−79411(JP,A) 特開 昭61−153526(JP,A) 特開 昭63−118619(JP,A) 特開 平3−138534(JP,A) 特開 昭63−246619(JP,A) 実開 昭60−113518(JP,U) 実開 昭63−167221(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/56 G01F 1/74

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体の流路を挟む対向電極から当該対向
    電極間の静電容量に応じた電気信号を出力する電極部
    と、この電極部からの出力信号を調整する信号処理部
    と、この信号処理部で調整された信号に基づいて粉体の
    流量を算出する演算部と、この演算部による演算結果を
    出力装置に出力する出力部とを備えた粉体流量測定装置
    において、前記電極部、測定電極としての前記粉体の
    流路を挟む対向電極とは別に、当該粉体の流路と共通
    囲気の中に置かれた基準電極としての対向電極を備え
    ると共に、前記の一対となる測定電極と基準電極を、
    該流路の上流側と下流側に所定の間隔を隔てて一組とし
    備え、前記信号処理部は、前記上流側の測定電極の出
    力信号と前記上流側の測定電極に対応する基準電極の出
    力信号との信号差を上流粉体の濃度を示す上流計測値と
    して出力すると共に、前記下流側の測定電極の出力信号
    と前記下流側の測定電極に対応する基準電極の出力信号
    との信号差を下流粉体の濃度を示す下流計測値として出
    力する差分出力機能を備え、前記演算部は、正規化相関
    係数を利用することにより、時系列において下流計測値
    の或る区間と波形の一致する上流計測値の区間を特定す
    る演算を行うものであって、前記上流計測値と下流計測
    の正規化相関係数を算出し、当該正規化相関係数が所
    定の閾値を超えて最大となったときに双方が一致してい
    ると判断して上流と下流の時間差を算出することで前記
    粉体の単位測定時間内における流速を算出する流速算出
    機能と、前記上流計測値又は下流計測値の少なくとも一
    方と前記流速算出機能により得た粉体の流速とに基づい
    て前記粉体の流量を算出する流量算出機能とを備えたこ
    とを特徴とする粉体流量測定装置。
  2. 【請求項2】 前記演算部は、粉体流動の特性に応じて
    適宜決められる単位測定時間内において前記上流計測値
    又は下流計測値の平均値を算出し、この平均値と,前記
    流速算出機能により得た前記単位測定時間内における粉
    体の流速と,予め記憶された所定の係数との積に基づい
    て前記単位測定時間内における粉体の流量を算出するこ
    とを特徴とした請求項1記載の粉体流量測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の粉体流量測定装置におい
    て、前記演算部は、前記単位測定時間内における粉体の
    流量を算出した後、更に、この単位測定時間内における
    粉体の流量を時間軸に沿って積分し、当該積分区間内に
    おける粉体の流量を算出することを特徴とした粉体流量
    測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の粉体流量測定装置におい
    て、前記演算部にコンピュータ及び記憶手段を備え、当
    該コンピュータに、(a) 前記信号処理部から前記上流計
    測値と下流計測値とを随時取得し、前記記憶手段に格納
    する入力処理と、(b) 前記記憶手段から上流計測値と下
    流計測値とを読み出し、これらの相関に基づいて前記粉
    体の流速を算出する流速算出処理と、(c) 前記上流計測
    値又は下流計測値の少なくとも一方と前記流速算出処理
    により得た粉体の流速とに基づいて前記粉体の流量を算
    出する流量算出処理と、を実行させることを特徴とした
    粉体流量測定プログラム。
  5. 【請求項5】 前記流量算出処理は、前記コンピュータ
    に、前記上流計測値又は下流計測値の単位測定時間内に
    おける平均値を算出し、この平均値と,前記流速算出機
    能により得た単位時間内における粉体の流速と,予め記
    憶された所定の係数との積に基づいて前記単位時間内に
    おける粉体の流量を算出する処理を、実行させることを
    特徴とした請求項4記載の粉体流量測定プログラム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の粉体流量測定プログラム
    において、前記流量算出処理は、前記コンピュータに、
    前記単位測定時間内における粉体の流量を算出した後、
    更に、この単位測定時間内における粉体の流量を時間軸
    に沿って積分し、当該積分区間内における粉体の流量を
    算出する処理を、実行させることを特徴とした粉体流量
    測定プログラム。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至6記載の粉体流量測定プロ
    グラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒
    体。
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