JP3510997B2 - 画像処理装置およびコピーシステム - Google Patents

画像処理装置およびコピーシステム

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JP3510997B2 JP2000102610A JP2000102610A JP3510997B2 JP 3510997 B2 JP3510997 B2 JP 3510997B2 JP 2000102610 A JP2000102610 A JP 2000102610A JP 2000102610 A JP2000102610 A JP 2000102610A JP 3510997 B2 JP3510997 B2 JP 3510997B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】画像データに画像処理を施す
ための画像処理装置、および、それを備えるコピーシス
テムに係る。
【0002】
【従来の技術】プリンタおよびスキャナと、これらの間
のデータ転送および統合的な制御を行うためのコピーサ
ーバとを用いて構成されるコピーシステムが開発されて
いる。すなわち、原稿をスキャナによって読み取って画
像データを作成し、この画像データをコピーサーバを介
してプリンタに送出して印刷することによって、原稿の
コピーが実現される。このようなコピーシステムでは、
例えば、複数枚数のコピー出力については、読み取った
画像データを保持して、これを再度利用することによ
り、2枚目以降のコピー出力に対するスキャンを不要と
し、総合的なコピー速度を向上させることができる。
【0003】図13を参照して、従来のコピーシステム
について説明する。
【0004】図13において、従来のコピーシステム1
0は、画像入力装置20と、画像処置装置30と、画像
形成装置40とを備えて構成される。
【0005】上記画像入力装置20は、原稿をライン走
査し、ライン単位で画像データを取り込む。
【0006】上記画像処理装置30は、N段の画像処理
回路32(1)〜32(N)を有する。それぞれの段の
画像処理回路32は、図示しないラインバッファメモリ
および演算部を備えて構成される。上記画像処理装置3
0において、上記画像データに対して、近傍処理を含む
画像処理が行われる。近傍処理としては、例えば、文字
強調処理、モアレ除去処理、シャープネス強調処理など
が挙げられる。また、近傍処理以外の処理としては、例
えば、色変換処理などが行われている。
【0007】一方、近傍処理に際しては、上記演算部
は、出力画素に対応する位置の画素に加えて、その近傍
に位置する画素(以下、これらを近傍画素という。)の
データを用いて、出力画素におけるデータを求める演算
を行う。
【0008】このため、近傍処理を行う各段の画像処理
回路32に備えられるラインバッファメモリは、画像デ
ータをライン単位に、複数ライン記憶することができる
構成がとられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかならがら、上記ラ
インバッファメモリにおいてデータを記憶することが求
められる画素数は、1ラインの画素数の増加と、各近傍
処理における近傍画素の範囲の拡大とに応じて増大す
る。
【0010】例えば、近傍K×K画素を用いる近傍処理
を行う場合、少なくとも(K−1)ラインについての画
素の情報が要求される。従って、ラインバッファメモリ
には、 {(K−1)×(1ラインの画素数)} の画素数に対応する記憶容量が要求される。
【0011】例えば、原稿の大きさがA3サイズであれ
ば、原稿の読み取り幅は、約13インチとなる。従っ
て、解像度が300dpiのコピーシステムの場合、近
傍5×5画素についての近傍処理を行うために要求され
る画素数は、概ね、 300[画素/インチ]×13[インチ]×(5−1)[ライ
ン]=15,600[画素] となる。
【0012】さらに、近傍処理を複数段施す場合、近傍
処理を行うそれぞれの画像処理回路32におけるライン
バッファメモリに対して、上述の画素数の画像データを
記憶することが要求される。従って、近傍処理を施す段
数に比例して、要求される画素数が増加する。
【0013】さらに、読み取りにおける階調色数が、R
GB(赤、緑、青)各色8bitのカラーコピーシステム
であれば、各画素について、24bitの画像データが要
求される。このため、上記各ラインバッファメモリに要
求される記憶容量は、 15,600[画素]×24[bit/画素]=377,40
0[bit] となる。
【0014】また、原稿が大きくなること、および、解
像度が高くなることに比例して、要求されるバッファメ
モリが増加する。例えば、解像度を300dpiから6
00dpiとするためには、ラインバッファメモリに要
求される記憶容量はさらに2倍となる。
【0015】一方、画像処理の高速化のためには、各画
像処理回路32において、対応するラインバッファメモ
リから、近傍画素における全ての画像データに並列して
アクセスすることが要求される。このため、データ転送
のバス幅についても各画像処理回路において大きく確保
することが要求される。例えば、近傍5×5画素につい
ての近傍処理を行う画像処理回路であれば、25(=5
×5)画素に対応する画像データを一度に転送すること
が可能なバス幅が要求される。
【0016】上述したように、従来の画像処理装置、お
よび、それを用いたコピーシステムでは、各段の画像処
理ごとに複数ライン分のラインバッファメモリが必要と
なるため、複数段の画像処理を行う場合、その段数に比
例してラインバッファメモリに要求される記憶容量が増
加する。
【0017】さらに、画像処理回路におけるデータ転送
も大きなバス幅が要求される。
【0018】これらの要求により、画像処理回路の回路
規模が拡大してしまうという問題が発生する。これは、
例えば、画像処理回路のワンチップ化を困難とするな
ど、システム設計上における制約を厳しくしてしまうこ
とにつながる。
【0019】さらに、上記の課題は、コピーシステムの
性能向上の要求、例えば、対応原稿サイズを大きくする
こと、解像度を大きくすること、階調数を大きくするこ
と、近傍処理の多段を多くすることなどに伴い、より顕
著となることが予想される。
【0020】本発明は、回路規模を削減することができ
る画像処理装置を提供することを第1の目的とする。
【0021】また、画像処理装置の回路規模が削減する
ことができるコピーシステムを提供することを第2の目
的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るための本発明の第1の態様によれば、予め定められた
ライン数の画素ラインについて画像データを記憶するた
めの第1の記憶手段と、画像データを、上記第1の記憶
手段に書き込むための入力手段と、上記第1の記憶手段
から、1以上の各画素ラインにおいて、予め定められた
画素数Hの、一部の区間の画像データを読み出すための
読出手段と、上記読み出された画像データに対して画像
処理を施すための画像処理手段と、を備えることを特徴
とする画像処理装置が提供される。
【0023】この態様によれば、画像処理手段が、画素
ラインの画像データの一部分を取り込んで画像処理を行
うことができる。
【0024】上記態様において、上記画像処理手段は、
近傍処理を行う画像処理回路を、1段以上備え、上記各
画像処理回路は、上記読出手段が読み出した画像データ
を記憶するためのラインバッファを備え、i番目の上記
画像処理回路が、近傍Ki×Ki画素を用いる近傍処理
を行う場合に、上記i番目の画像処理回路の上記ライン
バッファは、少なくとも、{H×(Ki−1)}画素の
画像データの記憶が可能な記憶容量を有するようにして
もよいし、上記i番目の画像処理回路の上記ラインバッ
ファは、(Ki−1)個に分割されていて、当該分割さ
れた各ラインバッファは、それぞれ、H画素の画像デー
タの記憶が可能な記憶容量を有するようにしてもよい。
【0025】これにより、画像処理回路には、全画像分
のラインバッファを備える必要がなく、ラインバッファ
の容量を削減することができる。
【0026】さらに、上記態様において、予め定められ
たライン数の画素ラインについて画像データを記憶する
ための第2の記憶手段と、上記一部の区間が上記画素ラ
インに沿って連続するデータ配置で、上記画像処理が施
された画像データを、上記第2の記憶手段に書き込むた
めの書込手段とを、さらに備えてもよい。
【0027】画像処理が施された画像データを記憶する
第2の記憶手段を備えることにより、画像データを、再
び画素ラインに構成しなおすことができる。
【0028】上記第1の目的を達成するための本発明の
第2の態様によれば、画素の画像データを記憶する複数
の記憶領域を有し、当該各記憶領域のアドレスが、行と
列からなる2次元の配列によって管理されていて、同一
行のアドレスが割り振られている前記記憶領域に、1画
素ラインの画像データを記憶する第1の記憶手段と、上
記第1の記憶手段から、上記記憶手段に記憶されている
画像データを、m行n列ごとに、複数回に分割して読み
出す読出手段と、上記読出手段が読み出したm行n列の
画像データごとに、画像処理を施す画像処理手段と、を
備えることを特徴とする画像処理装置が提供される。
【0029】上記態様によれば、ライン状の画素データ
を、m行n列の矩形状に分割することができ、画像処理
装置は、m行n列単位に画像処理を行うことができる。
【0030】上記態様において、上記読出手段は、上記
各m行n列の画像データを読み出すときに、当該m行n
列の画像データが記憶されている記憶領域のアドレスの
周辺アドレスに記憶されている画素の画像データを付加
して読出し、上記画像処理手段は、上記付加して読み出
された画像データを用いて、近傍処理を含む画素処理を
施し、m行n列の画像データを生成するようにしてもよ
い。
【0031】これにより、全体画像をm行n列に分割し
て画像処理を施す場合であっても、m行n列の画像デー
タに付加して読み出したデータを利用することによっ
て、全体画像に対して処理を施したときと同様の結果を
得ることができる。
【0032】さらに、上記態様において、上記画像処理
手段は、前記近傍処理を、N回に分けて行い、i番目の
近傍処理では、Ki行Ki列の画素の画素データを用い
る場合、上記付加して読み出される画像データの幅は、
少なくとも
【数2】 画素分であるようにしてもよい。
【0033】また、上記態様において、予め定められた
ライン数の画素ラインについて画像データを記憶するた
めの第2の記憶手段と、上記画像処理が施された画像デ
ータを、上記m行n列の画素範囲を並べた画素配置に対
応するデータ配置で、上記第2の記憶手段に書き込むた
めの書込手段とを、さらに備えてもよい。
【0034】さらに、上記第2の記憶手段は、上記予め
定められたライン数の画素について画像データを記憶す
ることができる記憶領域を2つ有し、上記2つの記憶領
域のうちの一方の記憶領域に対するデータの書き込み
と、他方の記憶領域からのデータの読み出しとが独立に
行われる構成であってもよい。
【0035】これにより、分割して読み出した画素ライ
ンの画像データを、再構成することができ、第2の記憶
領域への入出力は並行して行うことができる。
【0036】上記第2の目的を達成するための本発明の
第3の態様によれば、画像データを1画素ラインごとに
取り込むための画像入力装置と、画像データに画像処理
を施すための画像処理装置と、画像処理が施された画像
データにより複数画素ラインごとに画像を形成するため
の画像形成装置とを有し、上記画像処理装置は、第1お
よび第2のいずれかの態様における画像処理装置であっ
て、1ページ全体の画像データを1画素ラインずつ受け
付け、1ページにおける部分領域ごとの画像処理を逐次
行い、画像処理を施した1ページの画像データを、複数
ラインずつ送出することを特徴とするコピーシステムが
提供される。
【0037】上記第2の目的を達成するための本発明の
第4の態様によれば、画像データを1画素ラインごとに
取り込むための画像入力装置と、画像データに画像処理
を施すための画像処理装置と、画像処理が施された画像
データにより1画素ラインごとに画像を形成するための
画像形成装置とを有し、上記画像処理装置は、第1およ
び第2のいずれかの態様における画像処理装置であっ
て、予め定められたライン数の画素ラインについて画像
データを記憶するための第2の記憶手段と、画像処理を
施した画像データを、画素ラインに沿って連続するデー
タ配置で、上記第2の記憶手段に書き込むための書込手
段とを、さらに備え、1ページ全体の画像データを1画
素ラインずつ受け付け、1ページにおける部分領域ごと
の画像処理を逐次行い、画像処理を施した1ページの画
像データを、1ラインずつ送出することを特徴とするコ
ピーシステムが提供される。
【0038】上記第1の目的を達成するための第5の態
様によれば、予め定められた2以上の画素列の画像デー
タを記憶するための第1の記憶手段と、上記第1の記憶
手段に記憶されている複数の画素列の画像データを、当
該各列の始点から、予め定められた画素数分のデータご
とに区切り、当該複数の画素列分読み出す読出手段と、
上記読出手段が読み出した画像データごとに、画像処理
を施す画像処理手段と、を備えることを特徴とする画像
処理装置が提供される。
【0039】上記態様により、複数の画素列の画像デー
タを実空間に配置したときに、矩形状に配置されるm行
n列の画素群単位で画像処理を行うことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0041】まず、図1を参照して、本発明の第1の実
施の形態に係るコピーシステムについて説明する。
【0042】図1において、コピーシステム900は、
原稿を読み取りから画像データを生成するための画像入
力装置200と、読み取られた画像データに画像処理を
施すための画像処理装置400と、処理が施された画像
データから画像を形成するための画像形成装置800
と、これらを制御するためのシステム制御部120とを
有して構成される。
【0043】上記画像入力部200は、例えば、一次元
的に配列されたイメージ・センサを用いて構成される。
センサが配列された方向と垂直な方向に走査を行う(例
えば、原稿とセンシングラインとを相対的に変位させる
ことによって実現される。)ことによって、二次元的な
原稿全体を読み取ることができる。このため、画像入力
部200では、上記センサが配列された方向に沿った線
状の、画素列の画像のデータ(以下、ライン状画像とい
う。)を単位として、読み取りが行われる。従って、原
稿の画像データは、ライン状画像ごとに、上記画像処理
部400に送られる。
【0044】上記イメージ・センサは、例えば、原稿を
照明するための光源と、原稿からの反射光(または透過
光)を検出するためのCCDリニア・イメージ・センサ
と、CCD読出回路と、読み出された信号をディジタル
化するためのアナログ−ディジタル変換器とを有して構
成される。また、カラースキャナ型の画像入力装置の場
合は、例えば、上記の構成に加えて、色分解のためのフ
ィルタ(例えば、赤、緑、青を透過するフィルタ)と、
色分解された各色に対応して設けられるCCDセンサを
備えて構成することができる。
【0045】上記画像処理装置400は、予め定められ
た数のライン状画像の列を、複数の矩形状の画像データ
(以下、タイル状画像という。)に分割するためのライ
ン・タイル変換部500と、分割された各タイル状画像
に対して画像処理を施すためのN段の画像処理回路42
0(1)〜(N)と、画像処理が施されたタイル状画像
を並べて、ライン状画像の列に変換するためのタイル・
ライン変換部600とを有して構成される。なお、タイ
ル状画像は、上述の通りライン状の画像を、複数の矩形
状画像に分割したものであり、これは、すなわち、実空
間上でm行n列に配置される画素群からなる画像を意味
する。
【0046】上記画像処理回路420のうちの幾つか
は、処理対象の画素の近傍の画像を用いて画像処理する
回路であって、例えば、K行K列のディジタルフィルタ
などを用いて、K行K列の画素について画像処理を行
う。
【0047】上記画像出力部800は、上記画像処理装
置400から、ライン単位で画像データを受け付ける。
【0048】このライン単位のデータを、各々印刷出力
してシリアル印刷してもよいし、複数ラインを連結して
ページ印刷することもできる。ページ印刷を行う場合に
は、上記タイル状画像が並べられたライン状画像の列を
単位として、画像データを受け付けてもよい。これによ
って、1ページのデータを構成するためのデータ転送の
効率を向上させることができる。また、1ページ全体に
限らず、複数のラインに対応して印刷することができる
場合に、当該対応するライン数のライン状画像の列を単
位として画像データを受け付けることにより、データ転
送の効率を向上させることができることは勿論である。
【0049】次に、図2を参照して、上記ライン・タイ
ル変換部500およびタイル・ライン変換部600につ
いて説明する。上記ライン・タイル変換部500および
タイル・ライン変換部600は、互いに対となる構成お
よび機能を有するから、まず、ライン・タイル変換部5
00について説明し、次に、タイル・ライン変換部60
0についてライン・タイル変換部500との相違点を中
心に説明する。
【0050】図2において、ライン・タイル変換部50
0は、バッファメモリ510と、スタートアドレス指示
部520と、アドレス発生回路550とを有して構成さ
れる。
【0051】上記バッファメモリ510は、1ラインの
画素に関する画像データを、複数ライン分記憶するため
のものであり、例えば、記憶すべきライン数に対応した
ラインバッファメモリを用いて構成することができる。
この場合、バッファメモリ510に含まれる、各画素の
画像データを記憶する記憶領域のアドレスは、行と列と
を有する2次元配列として管理してもよい。
【0052】上記スタートアドレス指示部520および
アドレス発生回路550は、上記バッファメモリ510
に記憶されている複数ライン分の画像データを、タイル
状に切り出して読み出すためのものである。
【0053】上記スタートアドレス指示部520は、画
像データを読み出すべき範囲のスタートアドレス(起
点)を指示するためのものであり、上記アドレス発生回
路550は、上記指示されたスタートアドレスから、縦
サイズおよび横サイズが予め定められた範囲に属する画
素の画像データを読み出すためのものである。
【0054】上記アドレス発生回路550は、上記スタ
ートアドレス指示部520から指示された横スタートア
ドレスを記憶するための横スタートアドレスレジスタ5
52と、横アドレスをインクリメントするための横アド
レスカウンタ554と、予め定められた読み取り範囲の
横サイズが格納された横サイズレジスタ556と、上記
横アドレスカウンタによってインクリメントされる横ア
ドレスをカウントするための横サイズカウンタ558
と、上記スタートアドレス指示部520から指示された
縦スタートアドレスを記憶するための縦スタートアドレ
スレジスタ562と、縦アドレスをインクリメントする
ための縦アドレスカウンタ564と、予め定められた読
み取り範囲の縦サイズが格納された縦サイズレジスタ5
66と、上記縦アドレスカウンタ564によってインク
リメントされる縦アドレスをカウントするための縦サイ
ズカウンタ568と、を有して構成される。
【0055】上記アドレス発生回路550において、上
記スタートアドレス指示部520から指示されたスター
トアドレスから、横方向(ラインに沿う方向)にアドレ
スがインクリメントされていく。そして、横サイズカウ
ンタ558によって、横サイズレジスタ556に格納さ
れているサイズまで横アドレスがインクリメントしたと
き、横アドレスカウンタ554における横アドレスが横
スタートアドレスにリセットされ、一方、縦アドレスカ
ウンタ564における縦アドレスが、縦スタートアドレ
スに対してインクリメントされる。すなわち、ラインが
並ぶ方向(縦方向)に、読み取りをアドレスを変更し、
かつ、そのときの横アドレスを横スタートアドレスにリ
セットする。これにより、次に並ぶラインの画素に関す
る画像データを読み取りを行うことができる。この動作
を繰り返すことによって、横サイズレジスタ556に格
納されている横サイズ、および、縦サイズレジスタ56
6に格納されている縦サイズの範囲に属する画素を、ラ
スタスキャンして読み出すことが可能となる。そして、
縦アドレスが、縦サイズレジスタ566に格納されてい
るアドレスに達すると、縦サイズカウンタ568によっ
て縦アドレスがリセットされ、かつ、その範囲の読み出
しが終了した旨がエンド信号としてスタートアドレス指
示部520に送られる。
【0056】スタートアドレス指示部520は、このエ
ンドを受け付けて、次に読み出すタイル状の画素範囲の
起点を指示する。この起点をタイル状に切り分けるよう
に、順次変更していくことにより、画像データのタイル
状の切り分けた読み出しが実現される。
【0057】このとき、上記横サイズレジスタ556に
格納されている横サイズ(1)、および、縦サイズレジ
スタ556に格納されている縦サイズ(1)を、それぞ
れ、バッファメモリ610に書き込まれる矩形範囲Sの
横サイズ(2)および縦サイズ(2)より大きくするこ
とによって、重複範囲を含む範囲に属する画素に関する
画像データの読み出しを行うことができる。すなわち、
バッファメモリ510から画像データを読み出すとき
は、バッファメモリ610へ書き込まれる矩形範囲Sの
画像の周辺画素のデータも付加して読み出される。付加
されるデータは、隣接する矩形範囲Sが読み出されると
きにも、併せて読み出される。従って、この付加される
画素データは、バッファメモリ510から2回以上、重
複して読み出されることになる。これによって、タイル
状に切り分けられた、各ブロック状の画像データについ
て独立に近傍処理を含む画像処理を行っても、画像デー
タ全体を用いた処理との整合性を保つことができる。す
なわち、タイル状に分割した画像間の境界処理におい
て、一定の画素数をオーバラップさせて分割することが
可能となり、オーバラップ部分を、矩形範囲Sに加えて
転送することができる。従って、タイル状の画像におけ
る周辺画素の処理にも、その近傍の画素に関する画像デ
ータを用いることが可能となる。
【0058】ここで、オーバーラップして読み出される
付加部分の縦方向および横方向のそれぞれの幅Wは、近
傍処理を行う各画像処理回路420で用いるフィルタの
サイズに依存する。すなわち、i番目の画像処理回路4
20において、Ki×Kiサイズのフィルタを用いたと
すると、バッファメモリ510から切り出されるオーバ
ーラップ部分の幅Wは、
【数3】 [画素]となる。なお、図2および図4に示すように、付
加部分は、矩形領域Sの周囲を(W/2)の幅で取り囲
む。
【0059】例えば、バッファメモリ610へ書き込む
矩形範囲Sが256×256画素、つまり、縦サイズ
(2)および横サイズ(2)が、ともに256画素であ
って、近傍処理を行う画像処理回路420が3段ある場
合を考える。画像処理回路420の第1段目が3×3、
第2段目が5×5、第3段目が7×7のフィルタをそれ
ぞれ用いて近傍処理を行うとすると、オーバーラップ部
分の幅Wは、{(3−1)+(5−1)+(7−1)}
=12画素となる。この結果、バッファメモリ510か
ら読み出すタイル状画像の縦サイズ(1)および横サイ
ズ(1)は、それぞれ、256+12=268画素にな
る。
【0060】ここで、バッファメモリ510の構成につ
いて、図14および図15を用いて詳細に説明する。図
14は、バッファメモリ510へのデータの入出力単位
を説明するための図である。
【0061】バッファメモリ510には、画像入力装置
200が読み込んだ全体画像の横サイズ、すなわち、1
画素ラインのデータ長以上の幅を持つリングバッファを
用いる。バッファメモリ510には、画像入力装置20
0から送られてきたライン状画像を書き込み、これを分
割したタイル状画像が読み出される。このライン状画像
の書き込みと、タイル状画像の読み込みについて説明す
る。ここで、バッファメモリ610へ書き込む矩形範囲
SをV×H画素とする。
【0062】まず、バッファメモリ510に対する第1
の書き込み処理(入力)では、(V+W/2)画素分
のライン数を有するライン状画像が書き込まれる。第2
の書き込み処理(入力)以降では、V画素のライン数
を有するライン状画像が書き込まれる。
【0063】バッファメモリ510からの第1の読出し
処理群(出力)では、第1の書き込み処理で書き込ま
れた(V+W/2)画素分のライン幅のライン状画像
を、タイル状画像に分割して読み出される。第2の読出
し処理群(出力)以降では、第2の書き込み処理で書
き込まれたV画素分のライン幅のライン状画像と、これ
と隣り合う第1の書き込み処理で書き込まれた(W/
2)画素分のライン幅のライン状画像とを、タイル状画
像に分割して読み出される。なお、全体画像の最も周辺
の画像は、(W/2)画素分のデータを任意の方法で外
挿する。
【0064】図15は、上述した入力および出力処理の
タイミングチャートである。入力、、、…とライ
ン状画像が書き込まれていくときに、出力処理は、入力
が終了したときに開始され、出力と入力が並行し
て行われる。出力と入力以降も同様に、並行して行
われる。従って、バッファメモリ510の容量は、
{(2×V)+W}画素分以上あれば、出力と同時に、
次のデータを入力しても上書きされることがない。つま
り、バッファメモリ510は、全体画像の横サイズ以上
の幅を持ち、{(2×V)+W}画素以上の長さを持つ
リングバッファを用いる必要がある。なお、バッファメ
モリ510に用いるリングバッファは、同じ記憶容量を
持っていれば、1次元的なバッファで構成してもよい。
【0065】オーバラップして(重複範囲の画素を加え
て)画像データを転送することによって、同一の画素に
関する画像データが繰り返し転送されることとなる。こ
のため、矩形領域Sの縦サイズ(2)(ここではV)
を、オーバーラップ部分の幅W(=Σ(Ki−1))に
比べて十分に大きくなるように設定しないと、データ転
送の効率が落ちる。
【0066】例えば、出力ブロックサイズのライン数V
【数4】 の10倍程度であれば、近傍画素範囲に相当するライン
のデータ転送時間は、全体の10%程度となる。より好
ましくは、出力ブロックサイズのライン数Vが
【数5】 の20倍程度であるバッファメモリ510を用いるとす
れば、近傍画素範囲に相当するラインのデータ転送時間
は、全体の5%程度となり、実効的に無視することがで
きる。
【0067】また、画像の総ライン数が既知の場合に
は、ラインバッファメモリのライン数を、総ライン数に
比べて十分小さいように設定する。これによって、画像
データを受け付け初めてから画像処理を開始するに要す
る時間を、全処理時間に対して無視できる程度すること
ができる。すなわち、画像データの受け付けを開始して
から、ラインバッファメモリを満たす(バッファフィ
ル)までの時間(この時間は、画像処理した結果を出力
装置に送出することができない)を、その原稿のコピー
に要する全体の時間に比べて無視できる程度とすること
ができる。
【0068】上記画像の総ライン数を求めるためには、
例えば、原稿サイズを検知する検知器を備え、当該検知
した原稿サイズ、および、ラインに直交する方向の解像
度を乗じて総ライン数を求めることができる。
【0069】スキャナによりライン単位で取り込んだ画
像データは、最初に、数十から数百ライン単位で、ライ
ンバッファ510(図2参照)に格納される。例えば、
一度に256ラインを格納するとすると、原稿サイズが
A3、解像度が300dpi、24ビット色のカラーコ
ピーシステムの場合、概ね、 300[画素/インチ]×13[インチ]×24[bit/画素]
×256[ライン]=23,961,600[bit] のバッファメモリを要する。
【0070】画像処理回路420は、送られてくる画像
データをあたかも256×256画素の画像であるかの
ように処理し、結果を次段に送る。この場合、近傍5×
5画素の画像処理には、僅か、 256[画素]×24[bit/画素]×(5−1)[ライン]=
24,576[bit] のラインバッファメモリで済む。
【0071】画像処理の段数が増加しても、各段に、上
述した容量のバッファメモリを備えればよいので、回路
規模の増加を抑制することができる。
【0072】さらに、例えば、解像度600dpiのシ
ステムになっても、ラインバッファ510(図2参照)
および後述するラインバッファ610(図2参照)の増
設のみで対応することができる。
【0073】複数段(N段)の画像処理回路420にお
ける処理を介して、タイル状画像をラインバッファ61
0(図2参照)に格納し、ラインバッファ610が埋ま
ったら、ライン単位でプリンタに出力する。
【0074】次に、タイル・ライン変換部600につい
て説明する。タイル・ライン変換部600は、上記ライ
ン・タイル変換部500とほぼ同様に構成され、処理が
施されて得られた矩形範囲の画素に属する画像データか
らなるタイル状画像を、画素ラインが完成される個数並
べることができるバッファメモリ610と、当該バッフ
ァメモリにタイル状画像を書き込むためのスタートアド
レス指示部620と、アドレス発生回路650とを有し
て構成される。
【0075】スタートアドレス指示部620と、アドレ
ス発生回路650とにおける各部の動作も同様である
が、発生されるアドレスが、バッファメモリ610にお
ける書込アドレスである点、および、横サイズレジスタ
566に格納される横サイズおよび縦サイズレジスタ6
66に格納される縦サイズが、上記矩形範囲のサイズと
一致する点において相違する。
【0076】また、バッファメモリ610は、第1およ
び第2バッファを備えるダブルバッファ構成をとり、各
バッファは、画像データをラインごとに、予め定められ
たライン数の画素に格納することができるラインバッフ
ァメモリを備えるようにしてもよいし、バッファメモリ
510と同様に、リングバッファを用いてもよい。
【0077】なお、タイル・ライン変換600は、図3
に示す、より簡単な構成で実現することが可能である。
図3において、縦サイズおよび横サイズがそれぞれ25
6画素である矩形範囲の画素に関する画素データを、3
2個並べて、ラインサイズが8192画素の画像データ
を構成する場合が描かれている。
【0078】図3において、まず、A0からA20まで
の21ビットのアドレスを用いて、各ライン8192画
素、256ラインの画像データの各画素を指定すること
ができる。すなわち、下位13ビット(A[12:0])を横
アドレスに対応付け、上位8ビット(A[20:13])を対
応づけて、下位13ビットで、1ライン(8192画
素)の内の何れのアドレスかを指定し、上位8ビット
で、256ラインの内の何れのラインかを指定すること
が可能である。
【0079】また、タイル状画像のアドレス指定では、
A[12:8]の5ビットのアドレスを用いて、横方向に32
個に分割されたタイル状画像の何れであるかを指定し、
各画像内の縦アドレスをA[15:8]で、横アドレスをA
[7:0]で指定することが可能である。
【0080】次に、図4を参照して、データ分割におけ
る重複処理について説明する。図4において、1ページ
分の画像データが、矩形範囲Sおよび重複範囲を含むタ
イル状画像に分割された状態が描かれている。ここで、
分割された境界B(つなぎ目)の部分においても、近傍
処理を可能とするため、境界部分の画像データを重複
(オーバラップ)して読み出す。画像データをタイル状
に分割する際には、一定画素をオーバラップして分割
し、オーバラップ部分に関しては繰り返して転送する必
要がある。これは、タイル状画像の周辺画素の処理に
も、その近傍の画素の情報が要求されるためである。
【0081】N段の画像処理を行う場合、各段で行われ
る近傍処理の画素数は異なるようにしてもよい。そのた
め、一般的には、Ki×Ki画素を用いると表すことが
できる。従って、オーバラップする画素数は、既に述べ
たように、
【数6】 [画素]となる。
【0082】上述の説明において、ラインバッファ51
0に格納するライン数を、画像処理の近傍画素サイズに
対して十分大きく設定すると述べたのはこのためであ
る。すなわち、繰り返し転送する画素の転送時間が、全
処理時間に対してオーバヘッドとならないようにするた
めである。
【0083】また、オーバラップする画素数を、画像の
総ライン数に対して十分小さいように設定すると述べた
のは、最初にラインバッファ510および610を満た
すまでの時間は、処理結果を出力側(画像形成装置な
ど)に送出することができないため、この時間を全処理
時間に対して無視できる程度とするためである。ただ
し、実用上、これはあまり問題とはならない。
【0084】一見、ラインバッファ510および610
の容量が大きいため、回路規模削減になってはいないよ
うにも見えるが、ラインバッファ510および610
は、シーケンシャルアクセスに対応するのみで要求を満
たし、そのデータバス幅は、入力画像と同じでよい。こ
のため、シンクロナスDRAMなどの低コストで大容量
が得られるメモリを用いることができる。従って、全体
としては、回路規模を削減することができる。
【0085】次に、図5を参照して、画像処理回路42
0について説明する。ここでは、近傍5×5画素の近傍
処理を行う画像処理回路について説明するが、近傍画素
範囲のサイズが異なる場合であっても、同様の思想で設
計可能なことは勿論である。
【0086】画像処理回路420は、入力されたデータ
における近傍画素領域にアクセスするための近傍領域ア
クセス部430と、マトリクス状に画素データが配列し
て格納されるレジスタ440と、近傍処理の特性を与え
るカーネルテーブル450と、近傍画素を用いて出力画
素の値を求める演算を行うための演算部460とを有し
て構成される。
【0087】近傍領域アクセス部430は、1つの転送
ライン432と、4つのラインバッファメモリ435
(1)〜(4)とを有して構成される。各ラインバッフ
ァメモリ435のサイズは、バッファメモリ510から
読み出したタイル状画像の横サイズ(1)、すなわち、
タイル状画像の1ライン分の画素数と等しい。タイル状
画像のデータは、転送ライン432を介してシリアルに
転送されてくるので、FIFOメモリとして機能するラ
インバッファメモリ435を利用して、再び2次元的に
構成される。
【0088】具体的には、転送されてきたシリアルデー
タは、まず、ラインバッファメモリ435(1)に格納
される。そして、さらに転送されてくるシリアルデータ
が、既に格納されているデータを押し出すようにして、
ラインバッファメモリ435(1)に格納されていく。
ラインバッファメモリ(1)から押し出されたデータ
は、さらに後からくるデータに押し出される形で、ライ
ンバッファメモリ435(2)、(3)、(4)と移動
する。そして、最終的には、タイル状画像の4ライン分
のデータがラインバッファメモリ(1)〜(4)に記憶
される。そして、各ラインバッファメモリ435の先頭
の5画素と、転送ライン432から転送されてくる5ラ
イン目の先頭の5画素のデータとを併せた25画素を、
5×5レジスタ440に転送する。ラインバッファ43
5(1)〜(3)から転送された画素データは、ライン
バッファ435(2)〜(4)へ格納され、転送ライン
432から転送された画素データは、ラインバッファ
(1)へ格納される。
【0089】データの転送を受けた5×5レジスタ44
0には、画像データがマトリクス状に配列して格納され
る。そして、5×5レジスタ440における各配列要素
の画素の画像データと、上記カーネルテーブル450で
の対応する配列要素のデータとを用いて、演算部460
において演算を行い、出力画素の値が求められる。上記
カーネルテーブルの値は、例えば、スムージングフィル
タの場合は、各配列要素の値は、非負かつ、配列要素の
総和が1となるように規格化された、中央の要素ほど大
きな値を持つ値が用いられる。
【0090】次に、図6を参照して、コピーシステムに
おける処理手順について説明する。
【0091】まず、処理1において、画像データが、ラ
インごとに取り込まれる。すなわち、ステップS11に
おいて、画像入力装置からライン単位の画像データを受
信する。そして、ステップS22において、ライン・タ
イル変換部500におけるラインバッファ510にライ
ン単位にデータを書き込む。
【0092】次に、処理2において、タイル状画像に対
する画像処理を行う。処理2において、まず、ラインバ
ッファ510からタイル状に画像データを読み出す(ス
テップS31)。そして、N段の画像処理{S32
(1)〜(N)}を順次施す。次に、画像処理を施した
画像データをタイル状に、タイル・ライン変換部におけ
るラインバッファ610に書き込む。
【0093】次に、処理3において、バッファメモリ6
10のバンクを反転させる(ステップS40)。
【0094】そして、処理4において、画像データをラ
イン単位で出力する。処理4では、まず、バッファメモ
リ610からライン単位で画像データを読み出す(ステ
ップS51)。次に、画像形成装置に、ライン単位で画
像データを送信する。
【0095】次に、図7を参照して、本実施の形態に係
る処理におけるデータフローについて説明する。
【0096】まず、ライン単位の画像データ1001が
入力され、ライン・タイル変換部500におけるバッフ
ァメモリ510に記憶される。バッファメモリ510
は、リングバッファであるから、これと同時に、既に記
憶されているデータがタイル状にa個に分割され、領域
1310(1)、1310(2)、1310(3)、
…、1310(a)に格納されているデータが、順次読
み出されていく。
【0097】既に説明したように、図15に示すよう
に、入出力タイミングを制御しているので、既に出力さ
れた領域に新たにデータを上書きしていく。
【0098】読み出されたデータは、タイルごとに画像
処理を施される。例えば、領域1310(1)から読み
出されたタイル状画像14100(1)は、第1段目の
画像処理1が施され、タイル状画像14101(1)と
なり、以下、同様に、N段の画像処理が施されたタイル
状画像1410N(1)が得られる。
【0099】上記タイル状画像14100(1)は、タ
イル・ライン変換部600におけるバッファメモリ61
0における第1のバンク1500の領域1510(1)
に書き込まれる。
【0100】同様に、上記領域1310(2)〜(a)
から読み出されたタイル状画像についても、N段の画像
処理が施され、それぞれ、バッファ610における領域
1510(2)〜(a)に書き込まれる。
【0101】一方、第1のバンク1500がバッファフ
ィルすると、バンクが反転(ダブルバッファ反転)さ
れ、第1のバンク1500は、データの読み出しに供さ
れ、第2のバンク1600がデータを受け付ける。
【0102】そして、バッファフィルした第1のバンク
1500から、ラインごとに、画像データが出力され
る。
【0103】次に、図8を参照して、上記システム制御
部について説明する。
【0104】図8において、システム制御部120は、
画像入力装置200、画像処理装置400および画像出
力装置800と接続するためのシステムインタフェース
121と、ユーザに情報を表示し、操作を受け付けるた
めのユーザインタフェース122と、ネットワーク4と
接続するためのネットワークインタフェース123と、
紙幣等の偽造を防止するための偽造防止部124と、シ
ステム制御のための処理を行うCPU(中央処理装置)
126と、CPUが処理を実行するためのプログラムを
格納し、処理に際する作業データを記憶するためのメモ
リ124と、を有して構成される。
【0105】図9を参照して、上記ユーザインタフェー
スについて説明する。ユーザインタフェース122は、
図10に示すように、パネル状に形成され、ユーザが情
報を視認し易く、かつ、操作し易い部位に設けられる。
【0106】図9において、ユーザインタフェース12
2は、コピー枚数などの入力を受け付けるためのテンキ
ー122aと、条件設定およびコピー動作の中止要求を
受け付けるためのストップボタン122bと、設定条件
によるコピーの実行開始要求を受け付けるためのスター
トボタン122cと、設定条件を初期値とする要求を受
け付けるためのオールクリアボタン122dと、各種の
設定における情報の提示および操作の受け付けを行うた
めのタッチパネルディスプレイ122eと、電源が投入
されていることを表示するためのパワーランプ122f
と、コピー可能状態であることを表示するためのレディ
ランプ122gと、エラーが発生した旨を表示するため
のエラーランプ122hとを備えて構成される。
【0107】上記タッチパネルディスプレイ122e
は、例えば、液晶タッチパネルを用いて構成され、各種
の設定条件、および、エラー表示に応じて、その表示態
様、操作態様を変更可能に構成される。これらの態様と
しては、例えば、メニュー選択状態、用紙選択状態、拡
大・縮小設定状態、メモリ機能指定状態、色調整状態、
エラー表示状態などが挙げられる。図9には、メニュー
選択状態となっている場合が描かれている。
【0108】本実施の形態における画像処理装置は、タ
イル状に分割した状態で、画像処理を行うため、画像処
理回路の回路規模を削減することができる。ライン画像
をタイル状画像に変換し、また、タイル状画像をライン
画像に変換する構成を有するが、これらに備えるメモリ
は、シーケンシャルアクセスに対応するのみで十分であ
り、そのデータバス幅は、入力画像と同じでよいため、
シンクロナスDRAMなどの低コストで大容量が得られ
るメモリを用いることができる。従って、全体として
は、回路規模を削減することができる。
【0109】また、上記のような画像処理装置を用いて
コピーシステムを構成することにより、回路規模が削減
された画像処理回路を用いたシステムを構築することが
可能となる。また、画像処理回路は、予め定められた小
さなタイル状画像を処理対象とすればよいため、コピー
システムにおける、原稿サイズの拡大、解像度の向上に
際しても、容易に対応することが可能となる。
【0110】次に、図11および図12を参照して、本
発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形
態は、入力される画像データに画像処理を施して画像を
形成する画像形成装置である。
【0111】図11において、画像形成装置802は、
入力された画像データに画像処理を施すための画像処理
部401と、画像処理が施された画像データによって画
像を形成するための画像形成部804とを有して構成さ
れる。画像処理部401は、予め定められた数のライン
状画像の列を、複数のタイル状画像に分割するためのラ
イン・タイル変換部と、分割された各タイル状画像に対
して画像処理を施すためのN段の画像処理回路420
(1)〜(N)と、画像処理が施されたタイル状画像を
並べて、ライン状画像の列に変換するためのタイル・ラ
イン変換部600とを有して構成される。これら画像処
理部401の各部は、第1の実施の形態における画像処
理装置400と同様に構成することが可能である。
【0112】本実施の形態における画像形成装置では、
タイル状に分割した状態で、画像処理を行うため、画像
処理回路の回路規模を削減することができる。ライン画
像をタイル状画像に変換し、また、タイル状画像をライ
ン画像に変換する構成を有するが、これらに備えるメモ
リは、シーケンシャルアクセスに対応するのみで十分で
あり、そのデータバス幅は、入力画像と同じでよいた
め、シンクロナスDRAMなどの低コストで大容量が得
られるメモリを用いることができる。従って、全体とし
ては、回路規模を削減することができる。
【0113】また、予め定められた小さなタイル状画像
を処理対象とすればよいため、出力サイズの拡大、解像
度の向上に際しても、容易に対応することが可能とな
る。
【0114】ところで、画像形成部としては、複数のラ
インについて並行して画像を形成することができる画像
形成機構を有するものがある。このような画像構成機構
としては、例えば、インクジェットプリント機構などが
挙げられる。この場合には、画像処理されたタイル状画
像からライン状画像に変換することを要しない。このた
め、図12に示すように、画像形成装置を構成すること
ができる。本態様によれば、より簡易な構成で、画像処
理機能を有する画像形成装置を提供することができる。
【0115】
【発明の効果】本発明によれば、画像処理回路が保持す
べき画像サイズを小さくすることが可能となる。従っ
て、画像処理回路のバッファメモリが備えるべき記憶容
量を削減することが可能となる。
【0116】また、画像サイズ、解像度の異なるシステ
ムを容易に構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したコピーシステムのブロック図
である。
【図2】本発明を適用したライン・タイル変換部および
タイル・ライン変換部の構成要素、および、アドレス発
生回路のブロック構成を示す説明図である。
【図3】本発明を適用したタイル・ライン変換部の他の
構成を示す説明図である。
【図4】本発明を適用して分割した画像データと、1ペ
ージ分の画像データとの関係を示す説明図である。
【図5】本発明を適用した画像処理回路のブロック図で
ある。
【図6】本発明を適用したコピーシステムにおける処理
手順を示すフロー図である。
【図7】本発明を適用した画像処理装置におけるデータ
の流れを示すデータフロー図である。
【図8】本発明を適用したコピーシステムにおけるシス
テム制御部のブロック図である。
【図9】本発明を適用したシステム制御部におけるユー
ザインタフェースを示す上面図である。
【図10】本発明を適用したコピーシステムの構成例の
外観を示す斜視図である。
【図11】本発明を適用した画像形成装置を示すブロッ
ク図である。
【図12】本発明を適用した画像形成装置の他の態様を
示すブロック図である。
【図13】従来のコピーシステムのブロック図である。
【図14】本発明を適用した画像形成装置におけるバッ
ファメモリ510から、読み出すタイル状画像について
説明するための図である。
【図15】本発明を適用した画像形成装置におけるバッ
ファメモリ510の入力および出力のタイミングチャー
トを示す図である。
【符号の説明】
10…コピーシステム 20…画像入力装置 30…画像処理装置 32(1)〜(N)…画像処理回路 40…画像形成装置 100…コピーサーバ 120…システム制御部 121…システムインタフェース 122…ユーザインタフェース 123…ネットワークインタフェース 124…偽造防止装置 125…メモリ 126…CPU(中央処理装置) 200…画像入力装置 400…画像処理装置 420(1)〜420(N)…画像処理回路 430…近傍領域アクセス部 432…転送ライン 435(1)〜(4)…ラインバッファメモリ 440…5×5レジスタ 450…カーネルテーブル 460…演算部 500…ライン・タイル変換部 600…タイル・ライン変換部 520…スタートアドレス指示部 550,650…アドレス発生回路 552,652…横スタートアドレスレジスタ 554,654…横アドレスカウンタ 556,656…横サイズレジスタ 558,658…横サイズカウンタ 562,662…縦スタートアドレスレジスタ 564,654…縦アドレスカウンタ 566,656…縦サイズレジスタ 568,668…縦サイズカウンタ 800,801,803…画像形成装置 804,805…画像形成部 900…コピーシステム 1001…入力画素ライン 1002…出力画素ライン 1310(1)〜(a)…画素タイル 1410…タイル状画像 1410i(i=0,1,2,…,N)…切り出された
タイル状画像(添え字iは画像処理が施された段数を示
す) 1510(1)〜(a)…タイル状画像 1500…画素タイル群を記憶した状態のバッファバン
ク 1600…画素ライン群を記憶した状態のバッファバン
ク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 1/21 B41J 3/12 G (56)参考文献 特開 平6−197324(JP,A) 特開 昭60−72083(JP,A) 特開 平7−111593(JP,A) 特開 平8−77343(JP,A) 特開 平4−42376(JP,A) 特開 平9−275560(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像データを1ラインごとに取り込むため
    の画像入力装置と、 上記画像入力装置が取り込んだ画像データに画像処理を
    施すための画像処理装置と、 上記画像処理装置が画像処理した画像データによりライ
    ンごとに画像を形成する画像形成装置とを有し、 上記画像処理装置は、 1ラインの画素に関する画像データを、予め定められた
    複数のライン数分記憶する第1の記憶手段と、 上記第1の記憶手段に記憶されている上記複数ラインの
    画像データを、m行n列の画素およびその周辺画素を含
    む矩形領域の画像データに分割して読み出すための第1
    の読出手段と、 上記第1の読出手段が読み出した画像データに対して
    文字強調処理、モアレ除去処理、およびシャープネス強
    調処理のうちのいずれか一つを行う画像処理回路を複数
    備え、m行n列の画素の画像データを出力する画像処理
    手段と、 mライン分の画素に関する画像データを記憶する第2の
    記憶手段と、 上記画像処理手段が出力した画像データをm行n列の画
    素単位で第2の記憶手段に書き込む書込手段と、 上記第2の記憶手段から、1ラインごとに画像データを
    読み出す第2の読出手段とを有し、上記各画像処理回路は、 上記第1の読出手段が読み出した画像データを記憶する
    ためのラインバッファをさらに備え、 i番目の画像処理回路では、Ki行Ki列の画素の画素
    データを用いた処理を行う場合、上記i番目の画像処理
    回路の上記ラインバッファは、上記矩形領域の1ライン
    の画素数の画像データを、(Ki−1)ライン分記憶が
    可能な記憶容量を有し、 i番目の上記画像処理回路の上記ラインバッファに画像
    データが蓄積された後 、Ki番目のラインの画像データ
    が転送されてくると、上記i番目の画像処理回路は処理
    を行うことを特徴とする コピーシステム。
  2. 【請求項2】記第1の読出手段が読み出す上記周辺画
    素のデータの幅は、少なくとも 【数1】 画素分であることを特徴とする請求項1記載のコピーシ
    ステム。
  3. 【請求項3】上記第2の記憶手段は、mライン分の画素
    に関する画像データを記憶することができる記憶領域を
    2つ有し、 上記2つの記憶領域のうちの一方の記憶領域に対するデ
    ータの書き込みと、他方の記憶領域からのデータの読み
    出しとが独立に行われる構成であることを特徴とする請
    求項1または2のいずれかに記載のコピーシステム。
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