JP3509615B2 - マット - Google Patents

マット

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JP3509615B2
JP3509615B2 JP09186699A JP9186699A JP3509615B2 JP 3509615 B2 JP3509615 B2 JP 3509615B2 JP 09186699 A JP09186699 A JP 09186699A JP 9186699 A JP9186699 A JP 9186699A JP 3509615 B2 JP3509615 B2 JP 3509615B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床汚染の危険がな
く、耐久性に優れ、環境適合性を備えた、足拭きマット
などのマットに関するものである。
【0002】
【従来技術及びその課題】ゴム配合物を架橋処理してな
る架橋ゴムを用いて構成されたマット基材がマット原反
の裏面に接合されているマットにおいては、ゴム配合物
に硫黄、老化防止剤、加硫促進剤などの汚染性物質が含
まれることが一般的であり、このような汚染性物質がマ
ット基材から滲出して床を汚染してしまう危険性があっ
た。
【0003】本発明は、主として床汚染の危険がないマ
ットを提供することを目的とする。
【0004】請求項1記載の発明は、マット原反の裏面
にマット基材が接合されており、マット基材がゴム配合
物を架橋処理してなる架橋ゴムである、マットにおい
て、ゴム配合物が、シリコーンポリマーを主成分とする
シリコーンゴム配合物であり、架橋処理における架橋速
度であってキュラストメーターで測定した170℃での
T10値が、1.0分以上であることを特徴としてい
る。
【0005】マット原反とは、通常、パイルが基布に植
設されてなるものであるが、これに限らず、例えば、織
り布、編み布、不織布シート、スポンジシート、芝状シ
ートなども含むものである。パイルや基布としては、目
的に応じて種々の材質や構成のものを使用できる。マッ
ト原反の、マット基材との接着面には、パイル抜け防
止、マット原反とマット基材との接着性向上などのため
に、プライマーやラテックスなどが塗布される場合があ
る。
【0006】本発明のマット基材は、シリコーンゴム配
合物を架橋処理して製造される。シリコーンゴム配合物
は、シリコーンポリマーを含み且つ架橋剤も含み、更
に、必要に応じてその他の添加剤を含むものである。通
常は、シリコーンポリマー及び必要に応じて加えるその
他の添加剤は、市販のシリコーンゴムコンパウンドとし
て提供される。シリコーンゴム配合物には、固体状のミ
ラブル型シリコーンゴム配合物と液状シリコーンゴム配
合物の2種類がある。
【0007】シリコーンゴム配合物の混練は公知の方法
を選択して行うことができる。また、架橋処理する前に
シリコーンゴム配合物をシート化する場合において、そ
のシートの圧延も、公知の方法を選択して行うことがで
き、シート厚さは目的に応じて種々選択できる。また、
マットの部位によって、シート厚さを適宜変更したりシ
リコーンゴム配合物の配合を適宜変更したりしてもよ
い。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、シリコーンゴム配合物が、ミラブル型シリ
コーンゴム配合物であるものである。
【0009】ミラブル型シリコーンゴム配合物は、シリ
コーンポリマーを含み且つ架橋剤も含み、更に、必要に
応じて、充填剤、特性向上剤、その他の添加剤を含むも
のである。
【0010】シリコーンポリマーとしては、ジメチル系
シリコーンポリマー、メチルビニル系シリコーンポリマ
ー、メチルフェニルビニル系シリコーンポリマー、メチ
ルフルオロアルキル系シリコーンポリマーなどが用いら
れる。コストの点ではメチルビニル系シリコーンポリマ
ーが好ましく、耐油性がより優れている点ではメチルフ
ルオロアルキル系シリコーンポリマーが好ましく、耐熱
性及び耐寒性がより優れている点ではメチルフェニルビ
ニル系シリコーンポリマーが好ましい。
【0011】架橋剤としては、ラジカル反応型架橋剤と
付加反応型架橋剤が用いられる。
【0012】ラジカル反応型架橋剤としては、例えば、
有機過酸化物が用いられる。有機過酸化物としては、ア
シル系有機過酸化物、アルキル系有機過酸化物などが用
いられる。アシル系有機過酸化物としては、2,4−ジ
クロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、p−メ
チルベンゾイルパーオキサイドなどが用いられる。アル
キル系有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert.−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、ジ−(tert.−ブチル)パーオ
キサイド、tert.−ブチルクミルパーオキサイドなどが
用いられる。反応分解物に汚染の危険性のある物質を含
まないという点では、2,5−ジメチル−2,5−ジ−
(tert.−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−(tert.−
ブチル)パーオキサイドが好ましい。
【0013】付加反応型架橋剤としては、例えば、白金
化合物が用いられる。
【0014】充填剤としては、煙霧質シリカ、表面処理
煙霧質シリカ、沈殿シリカ、珪藻土、石英粉、炭酸カル
シウム、カーボンブラックなどが用いられる。
【0015】特性向上剤としては、加工助剤、耐熱向上
剤、架橋戻り防止剤、難燃性付与剤などが用いられる。
加工助剤としては、末端にシラノール基やアルコシリル
基を有する低粘度シリコーンオイル、レジン、シラン化
合物などが用いられる。耐熱向上剤としては、鉄オクト
エート、酸化鉄、Mn系化合物、Ni系化合物、Cu系
化合物、Zr系化合物、Ce系化合物、W系化合物、酸
化チタン、煙霧質酸化チタンなどが用いられる。架橋戻
り防止剤としては、BaO、BaO2、CaO、Mg
O、ZnOなどが用いられる。難燃性付与剤としては、
白金化合物などが用いられ、難燃効果を更に高めるため
に、酸化鉄、酸化チタン、カーボンブラック、リン化合
物、窒素化合物などを併用してもよい。更に、特性向上
剤として、防かび剤などを用いてもよい。
【0016】その他の添加剤としては、顔料などが用い
られる。
【0017】ミラブル型シリコーンゴム配合物を用いた
場合のマットの製造は、例えば次のように行う。ミラ
ブル型シリコーンゴム配合物を適宜の方法で適宜の厚さ
にシート化し、このシートとマット原反とを重ねて加熱
プレスする。又はミラブル型シリコーンゴム配合物を
架橋処理してマット基材を製造し、このマット基材にマ
ット原反を適宜の方法で接着させる。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、シリコーンゴム配合物に含まれる架橋剤
が、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert.−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、及び/又はジ−(tert.−ブチ
ル)パーオキサイドであるものである。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項2記載の発
明において、シリコーンゴム配合物に含まれる架橋剤
が、白金化合物であるものである。白金化合物として
は、塩化白金酸などが用いられる。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明において、シリコーンゴム配合物が、液状シリコーン
ゴム配合物であるものである。
【0021】液状シリコーンゴム配合物には、縮合型液
状シリコーンゴム配合物と付加型液状シリコーンゴム配
合物の2種類がある。
【0022】(1)縮合型液状シリコーンゴム配合物
は、シリコーンポリマーを含み且つ硬化触媒を含み、更
に、必要に応じて、架橋剤、充填剤、特性向上剤、その
他の添加剤を含むものである。
【0023】シリコーンポリマーとしては、ジメチル系
シリコーンポリマー、メチルフェニル系シリコーンポリ
マー、メチルフルオロアルキル系シリコーンポリマーな
どが用いられる。これらは、単独で又は2種以上混合し
て用いられる。
【0024】架橋剤としては、メチルトリアセトキシシ
ラン、メチルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラ
ン、メチルトリアルコキシシラン、メチルトリ(イソプ
ロペノキシ)シラン、メチルビニルアミドシラン、ジア
ルキルアミノキシシロキサン、正ケイ酸エチル、正ケイ
酸プロピルなどが用いられる。これらは、反応形態によ
り適宜選択して、単独で又は2種以上を混合して用いら
れる。
【0025】硬化触媒としては、有機スズ化合物、有機
チタン化合物、アミン系化合物などが用いられる。これ
らは、単独で又は2種以上混合して用いられる。
【0026】充填剤としては、ミラブル型シリコーンゴ
ム配合物で用いられるものと同じものが用いられる。
【0027】特性向上剤としては、顔料、耐熱向上剤、
難燃性付与剤、流動調整剤、防かび剤、接着向上剤など
が用いられる。耐熱向上剤及び難燃性付与剤としては、
ミラブル型シリコーンゴム配合物で用いられるものと同
じものが用いられる。これらは、単独で又は2種以上混
合して用いられる。
【0028】その他の添加剤としては、シリコーンオイ
ルなどの可塑剤が用いられる。
【0029】(2)付加型液状シリコーンゴム配合物
も、縮合型液状シリコーンゴム配合物と同様に、シリコ
ーンポリマーを含み且つ架橋剤及び硬化触媒を含み、更
に、必要に応じて、充填剤、特性向上剤、その他の添加
剤を含むものである。
【0030】シリコーンポリマーとしては、例えば、縮
合型液状シリコーンゴム配合物で用いられるシリコーン
ポリマーの、−OH末端基及び−H末端基をビニル基に
置換したものが用いられる。
【0031】架橋剤としては、SiH基含有化合物など
が用いられる。SiH基含有化合物としては、1分子中
にSiH基を3個以上有する比較的低分子量のポリマー
などが用いられる。
【0032】硬化触媒としては、白金系触媒などが用い
られる。
【0033】充填剤としては、ミラブル型シリコーンゴ
ム配合物で用いられるものと同じものの他に、アルミナ
粉などが用いられる。
【0034】特性向上剤としては、縮合型液状シリコー
ンゴム配合物で用いられるものと同じものの他に、反応
抑制剤などが用いられる。
【0035】その他の添加剤としては、シリコーンオイ
ルなどの可塑剤が用いられる。
【0036】(3)液状シリコーンゴム配合物を用いた
場合のマットの製造は、例えば次のように行う。液状
シリコーンゴム配合物を、適宜の方法でマット原反に塗
布した後、加熱下、又は常温下、又は紫外線照射下で硬
化させる。液状シリコーンゴム配合物を適宜のシート
に塗布し、この液状シリコーンゴム配合物にマット原反
を重ね、加熱下、又は常温下、又は紫外線照射下で、液
状シリコーンゴム配合物硬化させ、シートを剥がす。
液状シリコーンゴム配合物を架橋処理してマット基材を
製造し、このマット基材にマット原反を適宜の方法で接
着させる。
【0037】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、シリコーンゴム配合物に含まれる硬化触媒
が、有機スズ化合物及び/又は有機チタン化合物である
ものである。
【0038】請求項7記載の発明は、請求項5記載の発
明において、シリコーンゴム配合物に含まれる硬化触媒
が、白金化合物であるものである。
【0039】なお、請求項1記載の発明において、マ
ット基材が、マット原反の裏面全面に接合される本体部
と、マット原反の裏面には接合されず又は部分的に接合
され、マット原反の縁からはみ出るように本体部の縁に
接合される耳部とからなり、少なくとも耳部が黒色であ
るものでもよい。これによれば、耳部の汚れを目立たな
いものにできる
【0040】図1はマット基材が本体部のみからなる場
合を示す断面図である。図において、1はマット原反、
2はマット基材であり、マット基材2はここでは本体部
21のみからなっている。本体部21は、マット原反1
の裏面全面に接合されており、マット原反1と縁が略揃
っている。この本体部21は、通常は、マット原反1よ
り少し大きめに成形しておき、トリミングして、作製す
る。
【0041】図2はマット基材が本体部のみからなる場
合の別の例を示す断面図である。ここでは、本体部21
の縁がマット原反1の縁からはみ出ている。この本体部
21も、図1の場合と同様に作製する。
【0042】図3はマット基材が本体部と耳部とからな
る場合を示す断面図である。本体部21はマット原反1
と縁が略揃っており、耳部22は、マット原反1の裏面
には接合されず又は部分的に接合され、マット原反1の
縁からはみ出るように本体部21の縁に接合されてい
る。この耳部22は、図4に示すように、未架橋テープ
ゴム3を未架橋本体部211に当接させて共にプレス成
形し、(架橋)本体部21に接合した架橋テープゴム3
をマット原反1の縁からはみ出るようにトリミングし
て、作製する。
【0043】図5はマット基材が本体部とエッジ部とか
らなる場合を示す断面図である。本体部21はマット原
反1と縁が揃っており、エッジ部23は、マット原反1
の裏面には接合されず又は部分的に接合され、マット原
反1の縁に沿うように本体部21の縁に接合されてい
る。このエッジ部23は、図4に示すように成形した
後、架橋テープゴム3をマット原反1の縁に揃うように
トリミングして、作製する。
【0044】なお、上記構成のマットを製造する場合に
おいて、液状シリコーンゴム配合物を用いる場合には、
若干異なった扱いをする。即ち、 プレス成形は行わず、塗布した後に硬化処理する。 図1及び図2のマットの場合は、ミラブル型シリコー
ンゴム配合物を用いる場合と同様に製造できる。しか
し、図3及び図5のマットの場合は、未架橋テープゴム
3が液状のままでは取り扱いが困難であるので、次のよ
うに行う。(a) 前もって硬化済みテープゴム(架橋テー
プゴム)を作製しておき、本体部硬化時に、適宜の方法
で硬化済みテープゴムを接着させる。又は(b) テープゴ
ムのみミラブル型シリコーンゴム配合物を用いて作製し
ておき、未架橋本体部を硬化させると同時にテープゴム
を架橋させる。
【0045】なお、本体部、耳部、エッジ部は、それぞ
れ異なるゴム配合物であってもよい。
【0046】また、請求項1記載の発明において、マ
ット基材が、マット原反の裏面全面に接合される本体部
と、マット原反の裏面には接合されず又は部分的に接合
され、マット原反の縁からはみ出るように本体部の縁に
接合される耳部とからなり、少なくとも耳部が透明又は
黒以外の1種以上の色付きであるものでもよい。これに
よれば、デザインの多様化を図ることができる
【0047】色付きには、金属色、パール調の色調など
も含む。また、1色でもよく、又は2色以上が色分けさ
れてもよく、又は2色以上が混合されてもよい。
【0048】請求項記載の発明は、請求項1記載の発
明において、マット基材の床接触面が、弱い粘着性を有
しているものである。
【0049】弱い粘着性とは、指で表面を撫でると、弱
い粘着感又はタック感がある状態を言う。
【0050】粘着性を持たせるためには、架橋度を調節
したり、加工助剤などのシリコーンオイルの添加量を調
節したりすればよい。但し、粘着性物質が、床に付着し
ないように、又は床に付着しても拭き取り可能なよう
に、調整する必要がある。
【0051】請求項記載の発明は、請求項1記載の発
明において、マット基材のJISA硬度が20以上60
以下の範囲にあるものである。なお、30以上50以下
の範囲がより好ましい。
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【発明の実施の形態】(実施形態1〜10及び比較形態
1)実施形態1のマットは図3の構成を有している。具
体的には、マット原反1は850mm×700mm、本
体部21は850mm×700mmで厚さ1.3mm、
耳部22は幅15mmで厚さ1.7mmである。
【0056】上記構成のマットは次のように製造した。
ナイロンパイル11がポリエステル不織布からなる基布
12に植設されてなる、マット原反1の、裏面に、表1
の実施形態1に示すゴム配合処方に従って配合してなる
シリコーンゴム配合物の、ゴムシートを、当接させると
ともに、該ゴムシートに未架橋テープゴムを当接させ、
上記ゴムシート及び未架橋テープゴムをマット原反と共
に加熱加圧処理し、即ち、上記ゴムシートとマット原反
との接合処理及び上記ゴムシート及び未架橋テープゴム
の架橋処理を行う。そして、架橋テープゴムをトリミン
グする。こうして、上記ゴムシートが架橋されてなる本
体部21と架橋テープゴムからなる耳部22とからなる
マット基材2が、マット原反1に接合してなる、マット
を得た。上記加熱加圧処理は、マット原反1の裏面に上
記ゴムシート及び未架橋テープゴムを当接したものを上
下方向から熱板で挟んで加圧して行うものであり、具体
的には、熱板温度170℃、加圧時間10分間、加圧圧
力2Kgf/cm2で行った。また、未架橋テープゴム
としては、本体部21に用いたシリコーンゴム配合物と
同じものを用いた。
【0057】なお、実施形態2〜10及び比較形態1の
マットも、それぞれ表1に示すゴム配合物を用い、実施
形態1のマットと同様にして得た。
【0058】
【表1】
【0059】なお、表1における*1〜*17は次に示
すものである。 *1…信越化学工業株式会社製のメチルビニル系シリコ
ーンゴムコンパウンド、商品番号:KE931−U。 *2…信越化学工業株式会社製のメチルビニル系シリコ
ーンゴムコンパウンド、商品番号:KE1542−U。 *3…信越化学工業株式会社製のメチルビニル系シリコ
ーンゴムコンパウンド、商品番号:KE154−U。 *4…信越化学工業株式会社製のメチルビニル系シリコ
ーンゴムコンパウンド、商品番号:KE541−U。 *5…東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製の
メチルビニル系シリコーンゴムコンパウンド、商品番
号:SE6656U。
【0060】*6…東レ・ダウコーニング・シリコーン
株式会社製のメチルビニル系シリコーンゴムコンパウン
ド、商品番号:SRX495U。 *7…東芝シリコーン株式会社製のメチルビニル系シリ
コーンゴムコンパウンド、商品番号:TSE221−5
U。 *8…東芝シリコーン株式会社製のメチルビニル系シリ
コーンゴムコンパウンド、商品番号:TSE260−5
U。 *9…東芝シリコーン株式会社製のメチルビニル系シリ
コーンゴムコンパウンド、商品番号:TSE270−5
U。
【0061】*10…信越化学工業株式会社製の架橋剤
であり、2,5−ジメチル−2,5−ビス−(tert.−
ブチルパーオキシ)ヘキサンを約25重量%含有してい
る。商品番号:C−15。 *11…信越化学工業株式会社製の架橋剤であり、塩化
白金酸を1重量%含有している。商品番号:C−19
A。 *12…信越化学工業株式会社製の架橋剤であり、H−
シロキサンを約60重量%含有している。商品番号:C
−19B。 *13…東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製
の架橋剤であり、2,5−ジメチル−2,5−ビス−
(tert.−ブチルパーオキシ)ヘキサンを約25重量%
含有している。商品番号:RC−8。 *14…東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製
の架橋剤であり、2,5−ジメチル−2,5−ビス−
(tert.−ブチルパーオキシ)ヘキサンを約50重量%
含有している。商品番号:RC−4。 *15…東芝シリコーン株式会社製の架橋剤であり、
2,5−ジメチル−2,5−ビス−(tert.−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサンを約50重量%含有している。商品
番号:TC−8。 *16…東芝シリコーン株式会社製の架橋剤であり、ジ
−tert.−ブチルパーオキサイドを約20重量%含有し
ている。商品番号:TC−4。
【0062】*17…東芝シリコーン株式会社製の離型
剤である。商品番号:XE5178U。
【0063】また、表1における比較形態1のNBR配
合物は、表2に示す配合のものである。
【0064】
【表2】
【0065】また、物性試験のために架橋ゴムシートの
みを作製する場合には、次のように行った。即ち、表1
の実施形態1〜10及び比較形態1に示すゴム配合物の
ゴムシートを加熱加圧処理することにより、架橋ゴムシ
ートを得た。加熱加圧処理は、ゴム配合物のゴムシート
を上下方向から熱板で挟んで加圧して行うものであり、
具体的には、ゴム配合物のゴムシートの厚さが1.3m
mであり、熱板温度170℃、加圧時間10分間、加圧
圧力2Kgf/cm2で行った。
【0066】なお、上記のゴム配合物の、ゴムシート及
びテープゴムは、ゴム配合物を公知の方法によりバンバ
リーミキサーで混練し、公知の方法によりロールで圧延
することにより作製した。
【0067】表3は実施形態1〜10及び比較形態1に
示すゴム配合物を用いて得られたマットにおけるマット
基材の物性(物性試験のために作製した架橋ゴムシート
の物性)を示す。また、表4は同じくマットの特性を示
す。
【0068】
【表3】
【0069】なお、表3における*a、*bは次に示す
通りである。 *a…引張り強度:JIS K 6251(加硫ゴムの引
張試験方法)に記載の方法に従って測定する。但し、試
験片の形状は「ダンベル状3号形」とする。 *b…引裂き強度:JIS K 6252(加硫ゴムの引
裂試験方法)に記載の方法に従って測定する。但し、試
験片の形状は「切込み無しアングル形」とする。
【0070】
【表4】
【0071】なお、表4における*A、*c〜*hは次
に示す通りである。 *A…若干の裂き傷あり。磨耗劣化少々あり。 *c…マット洗濯疲労試験:マットサンプルを、洗濯物
容量が30Kgの大型洗濯機に投入し、90℃の温水中
で30分間洗浄し、脱水後、乾燥機中で乾燥させる。こ
れを20回繰り返した後、マットサンプルの状態を観察
する。なお、マットサンプルの大型洗濯機への投入量は
約30Kgとなるよう調節する。 *d…マット基材表面の粘着性の評価基準: 大:表面を触ると、粘つきがある。また、マットを床に
敷くと、若干、粘着成分が床に移る。但し、粘着成分の
拭き取りは可能。 中:表面を触ると、若干の粘つきがある。また、マット
を床に敷くと、殆ど、粘着成分が床に移らない。 小:表面を触ると、極めて少ないが粘つきがある。ま
た、マットを床に敷いても、粘着成分が床に移らない。 無:表面を触っても、粘つきを感じない。 *e…耐オゾン性テスト:マット作製後、マットをマッ
ト原反側を内側にして2つ折りにして、これを平面上に
置き、その2つ折りにしたマットの上面全面に10Kg
f/100cm2の荷重を載せることにより、マット基
材の折り目に歪みを与え、50℃でオゾン濃度50pp
hmの雰囲気下に200時間放置し、マット基材の折り
目付近のクラック発生状態を目視判断する。
【0072】*f…床汚染性テスト:次のようにして評
価する。 (1)架橋ゴムシートから2cm×4cmのゴムシート試
験片2枚を裁断して用意する。 (2)一方、10cm×5cmの床材サンプル(商品名:
フロアリュームリッチFL200、東リ株式会社製)を
2枚用意する。 (3)1枚の床材サンプルの上に、2cm×4cmのゴム
シート試験片2枚を置き、その上に、残りの1枚の床材
サンプルを重ね、更にその上に、アルミ板(厚さ1〜2
mm程度、8cm×8cm)を重ね、その上に、1Kg
fの荷重を載せる。これを1セットとする。 (4)プラスチック密閉容器中に、すのこを入れ、該すの
この上に、(3)で作ったセットを置く。 (5)プラスチック密閉容器に、すのこの半分が浸る程度
まで水を入れる。そして、プラスチック密閉容器を密閉
し、60℃の恒温槽中で7日間放置する。 (6)床材サンプルをプラスチック密閉容器から取り出
し、ゴムシート試験片を取り除いた後、これを室温で乾
燥させる。 (7)床材サンプルのゴムシート試験片の接触していた面
に紫外線を照射する。紫外線の照射は、ダイプラ・ウィ
ンテス株式会社製のダイプラ・メタルウェザー(KU−
R3)を用い、波長295〜780nm、強度45mW
/cm2の光を、85℃、湿度70%の条件下で、9時
間照射することで行う。このように紫外線を照射するこ
とにより、床材サンプルへ移った汚染性物質が変色する
ので、床材サンプルの汚染度合の判断が容易となる。 (8)この床材サンプルの汚染度合を目視で判断する。判
断基準は、「良好(汚染なし)」と「微弱な汚染あり」
の2種類とした。
【0073】*g…マット上歩行時のマットのずれ:マ
ットを木質系床材の上に敷き、マット上を体重約60K
gの人間が同方向に踏みつけて歩行(1回の通過でマッ
トを1回踏むこととし、500回通過する)した際のマ
ットのずれを、下記の判断基準で評価する。 ◎:マットのずれが、0.3cm未満 〇:マットのずれが、0.3cm以上0.5cm未満 △:マットのずれが、0.5cm以上3cm未満 ×:マットのずれが、3cm以上 *h…マット基材とマット原反との接着性:*cのマッ
ト洗濯疲労試験後のマットサンプルのマット原反部を手
で引き剥がし、下記の判断基準で評価する。 ◎:マット原反部が全く剥がれない 〇:マット原反部が極めて剥がれにくい △:マット原反部が剥がれにくいが強く引き剥がすと剥
がれる ×:マット原反部が容易に剥がれる
【0074】(実施形態11)実施形態1と同じマット
原反の裏面に、液状シリコーンゴム配合物(東芝シリコ
ーン株式会社製の商品番号「TSE384」のジメチル
シリコーン系ゴムであり、硬化触媒として有機スズ化合
物を含有し、架橋剤としてメチルトリ(メチルエチルケ
トオキシム)シランを含有している)400gを均一に
ナイフコーティングし、これを常温下で半硬化させ即ち
硬化させるが完全には硬化させないで、更にその上に同
じ液状シリコーンゴム配合物400gを均一にナイフコ
ーティングし、これを先にナイフコーティングした液状
シリコーンゴム配合物と共に完全に硬化させた。こうし
て、マット原反に、液状シリコーンゴム配合物を硬化し
てなるマット基材が接合されてなる、マットを得た。
【0075】上記構成のマットにつき、実施形態1と同
様のマット特性を調べた。その結果は次の通りであっ
た。 ・マット洗濯疲労試験:マット基材の摩耗は若干ある
が、マット自体は製品として使用できる範囲内にあっ
た。 ・マット基材表面の粘着性の評価:なし。 ・耐オゾン性テスト結果:良好、即ちクラックなし。 ・床汚染性テスト結果:良好。 ・マット上歩行時のマットのずれ:〇 ・マット基材とマット原反との接着性:◎
【0076】(実施形態12)実施形態11とは異なる
液状シリコーンゴム配合物(東芝シリコーン株式会社製
の商品番号「TSE385」のジメチルシリコーン系ゴ
ムであり、硬化触媒として有機チタン化合物を含有し、
架橋剤としてメチルトリアルコキシシランを含有してい
る)を用い、その他は実施形態11と同じとして、マッ
トを得た。
【0077】上記構成のマットにつき、実施形態1と同
様のマット特性を調べた。その結果は次の通りであっ
た。 ・マット洗濯疲労試験:マット基材の摩耗は若干ある
が、マット自体は製品として使用できる範囲内にあっ
た。 ・マット基材表面の粘着性の評価:なし。 ・耐オゾン性テスト結果:良好、即ちクラックなし。 ・床汚染性テスト結果:良好。 ・マット上歩行時のマットのずれ:〇 ・マット基材とマット原反との接着性:◎
【0078】(実施形態13)実施形態11とは異なる
液状シリコーンゴム配合物(東芝シリコーン株式会社製
の商品番号「TSE322」のジメチルシリコーン系ゴ
ムであり、硬化触媒として白金触媒を含有し、架橋剤と
してSiH基含有化合物を含有している)を用い、半硬
化処理の条件を180℃で5分、その後の硬化処理の条
件を180℃で15分とし、その他は実施形態11と同
じとして、マットを得た。
【0079】上記構成のマットにつき、実施形態1と同
様のマット特性を調べた。その結果は次の通りであっ
た。 ・マット洗濯疲労試験:マット基材の摩耗は若干ある
が、マット自体は製品として使用できる範囲内にあっ
た。 ・マット基材表面の粘着性の評価:小。 ・耐オゾン性テスト結果:良好、即ちクラックなし。 ・床汚染性テスト結果:良好。 ・マット上歩行時のマットのずれ:◎ ・マット基材とマット原反との接着性:◎
【0080】
【0081】
【0082】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、次のよう
な効果を発揮できる。 (1) シリコーンゴム配合物に、床汚染の危険がある添加
剤、例えば硫黄、老化防止剤、加硫促進剤などを配合し
なくてもよいので、床汚染の危険を解消できる。 (2) シリコーンポリマーの耐オゾン性が良いので、長期
間使用しても、オゾンクラックの発生を防止できる。 (3) シリコーンポリマーの主たる構成元素がケイ素、酸
素、水素、炭素などであるので、マットを焼却処分した
場合でも、環境適合性が高い。しかも、シリコーンゴム
配合物を、環境適合性の高い添加剤を用いて調製できる
ので、添加剤を用いた場合でも、環境適合性を高めるこ
とができる。 (4) シリコーンポリマーの高温環境下・低温環境下にお
ける物性変化が少ないので、高温環境下・低温環境下に
おける特性変化、例えば剛性変化などを、著しく低減で
きる。 (5) シリコーンゴム配合物を用いているので、柔軟性を
向上できる。従って、マットを床に設置した際にマッ
トが床面にフィットするので、マット上歩行時に床面に
対してマットがずれるのを殆ど防止できる。マットを
洗濯しやすい。マットを自由な形状で保管できるの
で、保管が容易である。 (6) シリコーンポリマーの耐油性が比較的良いので、マ
ット原反に、オイル系吸着剤による処理を施しても、マ
ット基材が膨潤するなどの不具合が発生しにくい。(7) T10値が1.0分以上であるので、製造過程にお
けるマット基材とマット原反との接着力を高めることが
できる。
【0083】請求項2記載の発明によれば、ゴム配合物
をシート化してマット原反と加熱プレスすることによ
り、マットを製造できるので、マット製造が容易であ
る。
【0084】請求項3記載の発明によれば、架橋剤の加
熱分解物に汚染性物質が含まれないので、架橋剤に起因
する、床汚染やマット基材の変色を、防止できる。
【0085】請求項4記載の発明によれば、架橋剤に汚
染性物質が含まれていないので、架橋剤に起因する、床
汚染やマット基材の変色を、防止できる。
【0086】請求項5記載の発明によれば、ゴム配合物
をマット原反に塗布して硬化させることにより、マット
を製造できるので、マット製造が容易である。
【0087】請求項6記載の発明によれば、硬化触媒に
より硬化速度を向上させることができる。
【0088】請求項7記載の発明によれば、硬化触媒に
より硬化速度を向上させることができる。
【0089】
【0090】
【0091】請求項記載の発明によれば、マット上歩
行時のマットの床面に対するずれを効果的に防止でき
る。
【0092】請求項記載の発明によれば、耐久性、床
面に対するフィット性、洗濯性、保管する際のたたみ易
さなどのハンドリング性などが好ましくなる。この範囲
より低いと、洗濯耐久性などの耐久性が悪くなり、高い
と、床面に対するフィット性やハンドリング性などが悪
くなる。
【0093】
【0094】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマットの第1例を示す断面図であ
る。
【図2】 本発明のマットの第2例を示す断面図であ
る。
【図3】 本発明のマットの第3例を示す断面図であ
る。
【図4】 第3例又は第4例のマットの一製造工程を示
す断面図である。
【図5】 本発明のマットの第4例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 マット原反 2 マット基材 21 本体部 22 耳部 23 エッジ部 3 未架橋テープゴム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47G 27/00 - 27/06

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マット原反の裏面にマット基材が接合さ
    れており、マット基材がゴム配合物を架橋処理してなる
    架橋ゴムである、マットにおいて、 ゴム配合物が、シリコーンポリマーを主成分とするシリ
    コーンゴム配合物であり、 架橋処理における架橋速度であってキュラストメーター
    で測定した170℃でのT10値が、1.0分以上であ
    ことを特徴とするマット。
  2. 【請求項2】 シリコーンゴム配合物が、ミラブル型シ
    リコーンゴム配合物である請求項1記載のマット。
  3. 【請求項3】 シリコーンゴム配合物に含まれる架橋剤
    が、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert.−ブチル
    パーオキシ)ヘキサン、及び/又はジ−(tert.−ブチ
    ル)パーオキサイドである請求項2記載のマット。
  4. 【請求項4】 シリコーンゴム配合物に含まれる架橋剤
    が、白金化合物である請求項2記載のマット。
  5. 【請求項5】 シリコーンゴム配合物が、液状シリコー
    ンゴム配合物である請求項1記載のマット。
  6. 【請求項6】 シリコーンゴム配合物に含まれる硬化触
    媒が、有機スズ化合物及び/又は有機チタン化合物であ
    る請求項5記載のマット。
  7. 【請求項7】 シリコーンゴム配合物に含まれる硬化触
    媒が、白金化合物である請求項5記載のマット。
  8. 【請求項8】 マット基材の床接触面が、弱い粘着性を
    有している請求項1記載のマット。
  9. 【請求項9】 マット基材のJIS A硬度が20以上
    60以下の範囲にある請求項1記載のマット。
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