JP3509483B2 - X線反射率測定方法および磁気ヘッド用スピンバルブの製造方法 - Google Patents
X線反射率測定方法および磁気ヘッド用スピンバルブの製造方法Info
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Description
置およびX線反射率測定方法および磁気センサおよび磁
気センサの製造方法に関する。詳しくは、X線を対象物
質に当てその反射率によって多層膜の各膜厚、界面を非
破壊で評価する物性測定技術のより精密を目指した改
良、およびそれによって多層膜をなす各層の物性が近似
していても設計通りの磁気センサを作製可能にし、もっ
てより高感度な磁気センサを製造する技術に関する。
記録を達成するために、記録された情報を読み取る磁気
ヘッドに用いられるMR磁気材料の改良が進められてい
る。また、よりいっそうの高密度記録化を達成すべく、
次世代の磁気ヘッド材料としてより高感度なスピンバル
ブ材料,例えばGMR磁気材料の開発も進められてい
る。これらの磁気材料を用いて製造される磁気ヘッド
は、極薄い金属薄膜が多層に重ねられた構造を有してお
り、磁気ヘッドを安定に量産するためには、各々の膜厚
を正確に制御、管理することが大変重要である。
ド材料は通常遷移金属系の多層膜から成りX線の屈折率
が互いに近似した膜が重ねられて形成できるため、非破
壊で多層膜の様子を観察しようとしてX線反射率測定技
術にて評価しようとしても、互いの層を見分けることが
難しいという問題があった。従来のX線反射率測定装置
では、その入射X線はCuの特性X線(CuKα1(l
=1.5406Å)を用いている。このX線の波長で
は、たとえば、スピンバルブの構成元素であるNiFe
/Cuの屈折率が大変近いために、その分離が困難であ
り、通常の解析では、二層のものが、一層として見なさ
れてしまう。つまり、多層膜構造の解析がほとんど不可
能である。
する課題は、NiFe/Cuなど膜のX線屈折率が互い
に近似しているために、層を見分けることが難しい試料
に対し、その層の分離識別を可能とする点にある。
は、この問題点に対し、入射X線の波長を変化させるこ
とで、分離が困難な層の屈折率の変化を増大させ、従来
困難であった層の分離を可能とすることに特徴がある。 (課題を解決するための手段)本発明では、上記の課題
を解決するため、以下を手段として用いる。
ルト)の吸収端(l=1.381Å,1.608Å)近
傍の波長を有するX線を入射X線として用いるX線反射
率測定装置、を手段とする。この第一の発明において、
Tl(タリウム),Hf(ハフニウム),Lu(ルテチ
ウム),Co(コバルト),Ho(ホルミウム),Er
(エルビウム)のいずれかの特性X線波長を用いること
としても良い。また、一種類の物質からなるターゲット
から発生する複数の特性X線を用いて、2回以上異なる
X線波長を用いて測定することとしても良い。さらに、
2回以上異なるX線波長を用いて測定する場合におい
て、Lu(ルテチウム)の特性X線(Lu Lb2(l
=1.3700Å),Lu La1(l=1.6187
7Å))を用いることとしても良い。
ブの多層構造解析において、Cu(銅),Co(コバル
ト)の吸収端(l=1.381Å,1.608Å)近傍
の波長を有するX線を入射X線として用いるX線反射率
測定方法、を手段とする。この第二の発明において、T
l(タリウム),Hf(ハフニウム),Lu(ルテチウ
ム),Co(コバルト),Ho(ホルミウム),Er
(エルビウム)のいずれかの特性X線波長を用いること
としても良い。また、一種類の物質からなるターゲット
から発生する複数の特性X線を用いて、2回以上異なる
X線波長を用いて測定することとしても良い。さらに、
2回以上異なるX線波長を用いて測定する場合におい
て、Lu(ルテチウム)の特性X線(Lu Lb2(l
=1.3700Å),Lu La1(l=1.6187
7Å))を用いることとしても良い。また、以上の多層
構造評価方法を用いて磁気センサを製造しても良い。 (作用) 金属の屈折率は波長に依存する。特に、吸収端近傍にお
いて、大きく変化することが知られている。本発明は、
この基本的な物性を利用する。すなわち、NiFe/C
u層の分離においては、たとえばCuの吸収端近傍の波
長を選択することで、NiFe/Cuの屈折率の変化を
増大させることができる。
を測定することで屈折率の近い層分離が可能となり、従
来困難であったスピンバルブなどの金属多層膜の構造解
析が可能となる。
いて、添付図面を引用しつつ説明する。図1は、X線反
射率測定装置の構成(模式)図である。図1中、1はタ
ーゲットであり、X線源となる材料である。ここから発
生した特性X線は試料3へと入射X線5として入射す
る。この際に、ターゲット1から試料3までの間に、ス
リット11,モノクロメータ2,スリット12が順に配
置され、かかるモノクロメータ2を通過した入射X線5
が試料3へと入射する構成である。スリット11を設け
ているのは、余分なX線を除去するためである。スリッ
ト11で必要なX線だけ絞られて、モノクロメータ2内
に入射するが、ここで種々の波長が混在してなるX線が
分光される。さらに、スリット12によって分光された
X線を単色化する。入射X線5は、試料3表面に入射し
てその表面で入射角と同じ角度で反射し、ターゲット1
とは試料3を挟んで対向する位置に配置されたシンチレ
ーションカウンタ4に反射X線6として入射する。入射
角を変化させれば、反射強度の角度依存性は測定できる
こととなる。
ト1の構成を図2に模式的に示す。図2は、X線反射率
測定装置に用いるX線発生源の構成(模式)図であり、
図2中、ターゲット1はずんぐりとした円筒状をなして
水冷管8を中心として回転可動するように取り付けられ
る。このような回転対陰極X線管型のX線源の他に、封
入式管球型もあるが、強力なX線源となるロータ型が本
発明の測定には有利である。ターゲット1の円筒側面に
対して電子が積極的にぶつかるようにフィラメント7が
近接配置され、ターゲット1の不要な加熱を抑制できる
ように、水冷管8内には液体(例えば純水)が流通可能
に構成され、かかる水冷管8自体が高速回転可動するこ
とでターゲット1の円筒側面に満遍なく電子が照射する
構成になっている。ここに、ターゲット1をなす材料と
しては、従来の場合には、Cu(銅)が用いられてきた
が、本発明においては、Tl(タリウム),Hf(ハフ
ニウム),Lu(ルテチウム),Co(コバルト),H
o(ホルミウム),Er(エルビウム)を用いた。これ
らの材料をターゲット1に用いることで、従来の場合分
離困難であったCu/NiFe等の構造の分離が容易に
なった。
て、X線反射率の測定を行った結果を以下に示す。波長
の変化の効果をシミュレーションによって明らかにす
る。図3,図4にSi/Ta(46.3Å)/CoFe
(33.0Å)/Cu(32.4Å)/Ta(80.8
Å)/Ta2 O5 (29.7Å)における入射X線波長
に対するCoFe/Cuの分離の容易さの変化を示す。
各界面のラフネスは図4上に示した。この構造におい
て、CuKα, CuKβ, Cu吸収端, CoKβ, Co
吸収端の4つの波長の変化に対する理論的な反射率曲線
を計算した。その結果が、図4の点線で表されている。
真のCu膜厚値は、32.4Åあるが、故意にCu膜厚
値を25Å固定して、点線の反射率曲線のフィッテイン
グを行った結果が実線である。この際、CoFeの膜厚
値をパラメータとしている。図4中の一番上のCuKα
の結果、点線と実線がほとんど一致していることがわか
り、CoFe/Cuの分離が難しいことがわかる。しか
し、Cu,Co吸収端の波長に対する結果を見ると、点
線と実線との差は大きいことがわかる。これは、これら
の波長を用いることで、CoFe/Cuの分離が容易に
なったことを示している。図3には、フィッテイングの
際に固定したCu膜厚を変化させたときのR値の変化を
示している。32.4ÅのときR値(信頼性係数;どの
程度フィッティングが合ったかを見る目安で、R値が小
さい方が良く合ったことになる。)はゼロとなり、計算
の正しさを示している。Cu,Co吸収端での測定が、
R値の落ち込みが大きく、正確にCu膜厚を計測できる
ことがわかる。
Å)におけるR値の変化を計算することで、どの波長の
効果が大きいかを知ることができる。25Å固定して、
1.3Å〜1.95Å波長範囲に対してR値の変化がど
のようになっているかを調べた結果を図5に示す。この
結果から、明らかにCo,Cuの吸収端波長に対する効
果が大変大きいことが判明した。図5の各元素の特性X
線の中では、CuKβ線が最も効果が大きい。これは、
最も、Cu吸収端波長に近い波長であることによると考
えられる。
波長に対して調べた。すべての元素の特性X線波長は明
らかにされている。この中で、Cu, Co吸収端に近い
特性X線波長を調べた。その結果、Cu吸収端近傍に対
しては、Tl(タリウム)(l=1.3847Å), H
f(ハフニウム)(l=1.3739Å),Lu(ルテ
チウム)(l=1.3700Å)がある。また、Co吸
収端に対しては、Ho(ホルミウム)(l=1.619
3Å),Lu(ルテチウム)(l=1.61877
Å),Er(エルビウム)(l=1.5996Å)が存
在しており、これらの波長を用いれば、従来では分離が
困難であるCoFe/Cu層の分離を容易に行うことが
できた。
が容易になり、磁気材料のように、金属多層膜が互いに
近いX線屈折率を有する場合でも、非破壊にして金属多
層膜の膜厚や膜の状態を正確に把握することができるの
で、より高精度に磁気材料膜を積層可能になり、磁気セ
ンス特性を向上させる乃至歩留りを向上させることが可
能になるという効果があり、例えばハードディスク用磁
気ヘッドの性能向上に大いに寄与できるものである。
(模式)図である。
である。
射率曲線である。
性との関係を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 磁気ヘッド用スピンバルブの多層構造解
析において、Cu (銅),Co(コバルト)の吸収端
(l=1.381Å,1.608Å)近傍 の波長を有
するX線を入射X線として用いるX線反射率測定方法で
あって、 一種類の物質からなるターゲットから発生する複数の特
性X線を用いて、2回以上異なるX線波長を用いて測定
することを特徴とするX線反射率測定方法。 - 【請求項2】 前記複数の特性X線が、Lu(ルテチウ
ム)の特性X線( Lu Lb2(l=1.3700
Å),Lu La1(l=1.61877Å ))であ
ることを特徴とする請求項1記載のX線反射率測定方
法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載のX線反射率測
定方法を用 いることを特徴とする磁気ヘッド用スピン
バルブの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21346097A JP3509483B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | X線反射率測定方法および磁気ヘッド用スピンバルブの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21346097A JP3509483B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | X線反射率測定方法および磁気ヘッド用スピンバルブの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1151882A JPH1151882A (ja) | 1999-02-26 |
JP3509483B2 true JP3509483B2 (ja) | 2004-03-22 |
Family
ID=16639586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21346097A Expired - Fee Related JP3509483B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | X線反射率測定方法および磁気ヘッド用スピンバルブの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3509483B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4282878B2 (ja) * | 2000-07-25 | 2009-06-24 | 富士通株式会社 | 薄膜の密度測定方法 |
JP3889388B2 (ja) * | 2003-10-06 | 2007-03-07 | 株式会社リガク | 膜構造解析方法およびその装置 |
Family Cites Families (4)
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---|---|---|---|---|
JPS6454238A (en) * | 1987-08-25 | 1989-03-01 | Kawasaki Steel Co | Judgement on crystallization near surface of amorphous alloy |
JP2821585B2 (ja) * | 1993-03-04 | 1998-11-05 | 株式会社日立製作所 | 面内分布測定方法及び装置 |
JPH0815184A (ja) * | 1994-06-28 | 1996-01-19 | Hitachi Ltd | X線回折測定方法及びx線回折測定装置 |
JPH08184572A (ja) * | 1995-01-04 | 1996-07-16 | Hitachi Ltd | 全反射x線分析装置 |
-
1997
- 1997-08-07 JP JP21346097A patent/JP3509483B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (3)
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北出康博 他5名,"X線反射率を用いた金属多層膜の解析における入射X線波長の効果",第44回応用物理学関係連合講演会講演予稿集,1997年 3月28日,No.2,p.530 |
宇佐美勝久 他3名,"Cu−Kβ−X線反射率法による薄膜積層体の層構造解析",日本応用磁気学会誌,1997年 4月,Vol.21,No.4−2,pp.441−444 |
理科年表,丸善株式会社,1993年,第66冊,pp.547−550 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1151882A (ja) | 1999-02-26 |
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