JP3508610B2 - 車両用減衰装置 - Google Patents

車両用減衰装置

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JP3508610B2 JP08286399A JP8286399A JP3508610B2 JP 3508610 B2 JP3508610 B2 JP 3508610B2 JP 08286399 A JP08286399 A JP 08286399A JP 8286399 A JP8286399 A JP 8286399A JP 3508610 B2 JP3508610 B2 JP 3508610B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両における車輪
の振動や車体の揺動を減衰させる車両用減衰装置に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】特開平6−72127号公報にはこの種
の車両用減衰装置の一つが記載されている。この車両用
減衰装置は、左右前輪にそれぞれ設けられたショックア
ブソーバと、各ショックアブソーバのオイル室同士を接
続する接続通路の途中に設けられ、それらオイル室の一
方から他方へのオイルの流れに対して流動抵抗を与える
流動抵抗付与装置と、一対のシリンダとそれら一対のシ
リンダに液密かつ摺動可能に嵌合されるとともに連結装
置により一体的に連結された一対のピストンとを備え、
それらピストンの両側に形成される2つずつのオイル室
の各一方がそれぞれ上記接続通路の上記流動抵抗付与装
置の両側の部分に接続され、各他方に形成されるガス室
が互いに連通させられたツインシリンダとを備えるもの
とされる。 【0003】このように構成された従来の車両用減衰装
置において、車体がピッチングおよびバウンシングする
際と、車輪と、懸架装置の車輪と共に振動する部分とを
含むばね下が振動する際には、各ショックアブソーバ内
においてピストンの移動が生じ、その移動に伴ってピス
トンの片側のオイル室から反対側のオイル室へのオイル
の流れが生じ、そのオイルの流れに対してショックアブ
ソーバ内に設けられた内部流動抵抗付与装置により流動
抵抗が与えられることにより、ピッチング,バウンシン
グおよびばね下振動に対する減衰力が生じさせられる。
また、車体がローリングする際には、上記内部流動抵抗
付与装置の流動抵抗により減衰力が加えられるととも
に、左,右前輪用ショックアブソーバの一方から他方へ
のオイルの流れが生じ、その流れに対して流動抵抗付与
装置により流動抵抗が与えられることにより、ローリン
グに対する減衰力が生じさせられる。しかしながら、従
来の車両用減衰装置においては、ピッチングおよびバウ
ンシングに対する減衰力およびばね下振動に対する減衰
力が、各ショックアブソーバ内の内部流動抵抗付与装置
の流動抵抗により生じさせられる構造であるため、それ
ぞれの場合の振動の減衰に適した流動抵抗付与特性を得
ることが困難であり、良好に減衰を行うことができなか
った。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の事情
を背景として、ばね下振動,ローリング,ピッチングお
よびバウンシングを良好に減衰させ得る車両用減衰装置
を得ることを課題としてなされたものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題は、車両用減衰
装置を、左右前輪および左右後輪の各々と車体との間
にそれぞれ設けられたショックアブソーバと、左前輪
用ショックアブソーバと右前輪用ショックアブソーバと
のオイル室同士を接続する前接続通路の途中に設けら
れ、それらオイル室の一方から他方へのオイルの流れに
対して流動抵抗を与える前流動抵抗付与装置と、一対
のシリンダとそれら一対のシリンダに液密かつ摺動可能
に嵌合されるとともに連結装置により一体的に連結され
た一対のピストンとを備え、それらピストンの両側に形
成される2つずつのオイル室の各一方がそれぞれ前記前
接続通路の前記前流動抵抗付与装置の両側の部分に接続
され、各他方が互いに連通させられた前ツインシリンダ
と、左後輪用ショックアブソーバと右後輪用ショック
アブソーバとのオイル室同士を接続する後接続通路の途
中に設けられ、それらオイル室の一方から他方へのオイ
ルの流れに対して流動抵抗を与える後流動抵抗付与装置
と、一対のシリンダとそれら一対のシリンダに液密か
つ摺動可能に嵌合されるとともに連結装置により一体的
に連結された一対のピストンとを備え、それらピストン
の両側に形成される2つずつのオイル室の各一方がそれ
ぞれ前記後接続通路の前記後流動抵抗付与装置の両側の
部分に接続され、各他方が互いに連通させられた後ツイ
ンシリンダと、前記前ツインシリンダと前記後ツイン
シリンダとの前記互いに連通させられたオイル室同士を
接続する中央接続通路の途中に設けられ、それらオイル
室の一方から他方へのオイルの流れに対して流動抵抗を
与える中央流動抵抗付与装置と、一対のシリンダとそ
れら一対のシリンダに液密かつ摺動可能に嵌合されると
ともに連結装置により一体的に連結された一対のピスト
ンとを備え、それらピストンの各片側に形成されるオイ
ル室がそれぞれ、前記中央接続通路の前記中央流動抵抗
付与装置の両側の部分に接続され、各反対側に形成され
るガス室が互いに連通させられた中央ツインシリンダ
と、前記前ツインシリンダの互いに連通させられたオ
イル室と前記中央ツインシリンダの前記2つのオイル室
の一方との間のオイルの流れに対して流動抵抗を与える
前/中央流動抵抗付与装置、および前記後ツインシリン
ダの互いに連通させられたオイル室と前記中央ツインシ
リンダの前記2つのオイル室の他方との間のオイルの流
れに対して流動抵抗を与える後/中央流動抵抗付与装置
とを含むものとすることにより解決される。 【0006】 【作用および効果】上記のように構成された車両用減衰
装置においては、車体がローリング,ピッチングおよび
バウンシングする際に、各ショックアブソーバ内におい
てピストンの移動が生じ、その移動に伴って各ピストン
の片側のオイル室から反対側のオイル室へのオイルの流
れが生じ、そのオイルの流れに対してショックアブソー
バ内の内部流動抵抗付与装置により流動抵抗が与えら
れ、ローリング,ピッチングおよびバウンシングに対す
る減衰力が加えられる。それに加えて、それぞれの場合
に、各ショックアブソーバのピストンロッドがシリンダ
に出入りすることに起因して、各ショックアブソーバに
おいてオイルの流出入が生じ、これら流出入に対する流
動抵抗の付与による減衰力も加えられる。ローリング時
には、左前輪用ショックアブソーバと右前輪用ショック
アブソーバとの一方から他方へのオイルの流れが生じ、
その流れに対して前流動抵抗付与装置により流動抵抗が
与えられ、ローリングに対する減衰力が生じさせられ
る。左後輪用ショックアブソーバと右後輪用ショックア
ブソーバとの間においても同様のことが起こり、ローリ
ングに対する減衰力が生じさせられる。ピッチング時に
は、左,右前輪用ショックアブソーバと左,右後輪用シ
ョックアブソーバとの一方から他方へのオイルの流れが
生じ、その流れに対して前/中央流動抵抗付与装置,中
央流動抵抗付与装置および後/中央流動抵抗付与装置に
より流動抵抗が与えられ、ピッチングに対する減衰力が
生じさせられる。バウンシング時には、左,右前輪およ
び左,右後輪のすべてのショックアブソーバにおいて、
オイルの流入または流出が同時に起こり、これら流入,
流出は中央ツインシリンダにおけるガス室の膨張,収縮
により許容される。それに伴うオイルの流れに対して前
/中央流動抵抗付与装置および後/中央流動抵抗付与装
置の各々により流動抵抗が与えられ、バウンシングに対
する減衰力が生じさせられる。 【0007】一方、ばね下の振動減衰は次のようにして
行われる。車輪と、懸架装置の車輪と共に振動する部分
とを含むばね下がほぼ上下に振動すれば、その車輪に対
応するショックアブソーバのピストンの片側のオイル室
から反対側のオイル室へのオイルの流れが生じ、そのオ
イルの流れに対してショックアブソーバ内の内部流動抵
抗付与装置により流動抵抗が与えられ、ばね下の振動が
減衰させられる。また、ショックアブソーバのピストン
ロッドのシリンダに対する出入りに伴って、ショックア
ブソーバにおいてオイルの流入,流出が生ずる。この流
入,流出に起因するオイルの流れに対しては、他のショ
ックアブソーバの作動状況に応じて、前流動抵抗付与装
置,前/中央流動抵抗付与装置,中央流動抵抗付与装
置,後流動抵抗付与装置および後/中央流動抵抗付与装
置等のいずれかにより流動抵抗が与えられ、それによっ
てもばね下の振動が減衰させられる。この際、左右前
輪,左右後輪用のショックアブソーバ全体からのオイル
の流出量がオイルの流入量より多ければ、中央ツインシ
リンダのガス室の容積が減少させられ、逆の場合には、
ガス室の容積が増大させられる。 【0008】このように、本発明に係る車両用減衰装置
によれば、車体のローリング,ピッチングおよびバウン
シングの減衰と、ばね下振動の減衰とをすべて実現する
ことができ、しかも、ローリングについては前流動抵抗
付与装置および後流動抵抗付与装置が互いに並列に作用
し、ピッチングについては前/中央流動抵抗付与装置,
中央流動抵抗付与装置および後/中央流動抵抗付与装置
が互いに直列に作用し、バウンシングについては前/中
央流動抵抗付与装置および後/中央流動抵抗付与装置が
互いに並列に作用することによって、それぞれ減衰力が
加えられるため、各流動抵抗付与装置の流動抵抗付与特
性を適宜設定することにより、ローリング,ピッチング
およびバウンシングのすべてを良好に減衰させることが
できる。また、ばね下振動については、一般に、各ショ
ックアブソーバにおけるオイルの流入と流出とがランダ
ムに発生するため、1個のショックアブソーバから流出
したオイルが複数に分岐して流れ、あるいは複数のオイ
ルの流れが合流して1個のショックアブソーバに流入す
ることが多く、その分、前流動抵抗付与装置,前/中央
流動抵抗付与装置,中央流動抵抗付与装置,後流動抵抗
付与装置,後/中央流動抵抗付与装置等の流動抵抗が小
さくなり、ローリング,ピッチング,バウンシング等に
比較して振動数が大きいばね下振動の減衰に適した流動
抵抗付与特性が得られる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施形態におけ
る車両用減衰装置の構成を概念的に示す図である。本減
衰装置は、懸架装置の構成要素の1つである。なお、車
輪を上下動自在に支持するリンク機構やスプリング等、
懸架装置の他の構成要素の図示および説明は省略する。
図1に示すように、本車両用減衰装置は、左右前輪およ
び左右後輪についてそれぞれ設けられるショックアブソ
ーバ10,12,14,16を備えている。ショックア
ブソーバ10〜16は各々、シリンダ20,ピストン2
2,ピストンロッド24および流動抵抗付与装置26等
を含んでいる。ピストン22にはピストンロッド24の
端部が固定されており、ピストン22およびピストンロ
ッド24が一体的に移動するようにされている。オイル
が充填されたシリンダ20内にピストン22が液密かつ
摺動可能に嵌合されることにより、このピストン22の
両側にオイル室28,30が形成されている。流動抵抗
付与装置26については、後に詳しく説明する。 【0010】本実施形態においては、シリンダ20が車
体側部材に連結され、ピストンロッド24が車輪と共に
車体に対して上下する車輪側部材(車輪と共にばね下と
総称する)に連結されることにより、各ショックアブソ
ーバ10〜16が各ばね下と車体との間に介在させられ
ている。なお、シリンダ20を車輪側部材に連結し、ピ
ストンロッド24を車体側部材に連結する構成とするこ
とも可能である。ショックアブソーバ10〜16は、シ
リンダ20の車体側部材との連結部とは反対側の端部の
外周側が図示しない筒部材に覆われている。この筒部材
内には、シリンダ20から軸線方向に延び出すピストン
ロッド24が固定されており、その筒部材が車輪側部材
に連結されることにより、ピストンロッド24が車輪側
部材に連結されている。 【0011】左右前輪のショックアブソーバ10,12
のオイル室28同士(オイル室30同士でもよい)は、
それぞれ左右前輪側の液通路50,52を介して前ツイ
ンシリンダ54のオイル室に接続されている。これら液
通路50,52を接続し、ひいては左右前輪のショック
アブソーバ10,12のオイル室28同士を接続する接
続通路の途中に流動抵抗付与装置60が設けられてい
る。同様に、左右後輪のショックアブソーバ14,16
のオイル室28同士も、液通路66,68により後ツイ
ンシリンダ70に接続され、液通路66,68を接続す
る接続通路の途中に流動抵抗付与装置72が設けられて
いる。さらに、前ツインシリンダ54と後ツインシリン
ダ70とは、それぞれ液通路76,78により中央ツイ
ンシリンダ80の各オイル室に接続されており、各液通
路76,78の途中には、それぞれ流動抵抗付与装置8
2,84が設けられている。また、液通路76,78が
流動抵抗付与装置86を介して接続されている。 【0012】前ツインシリンダ54および後ツインシリ
ンダ70と、流動抵抗付与装置60および流動抵抗付与
装置72とは、それぞれ同じ構成を有するものであるた
め、以下、前ツインシリンダ54および流動抵抗付与装
置60のみを具体的に説明し、後ツインシリンダ70お
よび流動抵抗付与装置72の同じ部分については同一符
号を付し、説明を省略する。 【0013】前ツインシリンダ54は、図2に示すよう
に、ツインシリンダ本体90に一対のシリンダ92,9
4を備えるとともに、各シリンダ92,94に有底円筒
状のピストン96,98がそれぞれ液密かつ摺動可能に
嵌合されている。各ピストン96,98は、底部に一体
に設けられた軸部100同士が連結部材102により一
体的に連結されている。ピストン96,98の両側には
それぞれオイル室が形成され、オイル室の一方は、液通
路50,52を介して各オイル室28に接続された一対
のオイル室110,112とされ、他方は互いに連通さ
せられたオイル室114とされている。オイル室11
0,112は、ピストン96,98の凹状空間と、ピス
トン96,98とシリンダ92,94とに囲まれた空間
とから成り、オイル室114は、ピストン96,98の
軸部100側の空間であり、共にオイルが充填されてい
る。連結部材102の中央部には案内棒120が固定さ
れ、その案内棒120が、ツインシリンダ本体90に固
定のガイド部材126に形成されたガイド穴128に摺
動可能に嵌合されている。すなわち、ピストン96,9
8,連結部材102および案内棒120から成る一体的
構造物が両端部(ピストン96,98と案内棒120の
先端部)をツインシリンダ本体90により案内されてい
るのであり、ピストン96,98はシリンダ92,94
内を一体的に移動する。 【0014】流動抵抗付与装置60は、例えば、図2に
示すように、リーフバルブ140,可変絞り装置142
等を備えるものとすることができる。流動抵抗付与装置
60の本体部材146は有底円筒状を成し、その本体部
材146の開口部を塞ぐ状態でバルブ支持部材148が
固定されて、両者により流動抵抗付与装置60の本体が
構成されている。その本体の内部空間に上記リーフバル
ブ140が設けられることにより、リーフバルブ140
の両側にオイル室150,152が形成されている。オ
イル室150は、図示しない接続管が接続されるニップ
ル内に形成された液通路156を介して液通路50に接
続され、オイル室152は液通路160,162を介し
て液通路52に接続されている。バルブ支持部材148
には、ニップルが2つ取り付けられ、ニップル内に形成
された上記液通路160,162をオイル室152に連
通させる連通路164,166が形成されている。した
がって、両ニップル内の液通路160,162同士は連
通路164,オイル室152および連通路166を介し
て互いに連通していることになる。 【0015】リーフバルブ140は、バルブ本体170
とリーフ172,174とを備えている。バルブ本体1
70は、バルブ支持部材148に支持され、軸方向に延
びる軸部176と、その軸部176のバルブ支持部材1
48に支持された基端部とは反対側の先端部に設けら
れ、オイル室150,152を区画する円板部178と
を備え、円板部178の両側にリーフ172,174が
それぞれ配設されている。円板部178には、貫通穴1
80,182が形成され、貫通穴180のオイル室15
0側開口周辺に弁座186が形成されるとともに、貫通
穴182のオイル室152側開口周辺に弁座186が形
成されている。したがって、リーフ172は、貫通穴1
80のオイル室150側開口を閉塞し、リーフ174
は、貫通穴182のオイル室152側開口を閉塞する。
リーフ172と貫通穴182のオイル室150側開口と
の間、およびリーフ174と貫通穴180のオイル室1
52側開口との間にはそれぞれ常時隙間が形成され、オ
イルの流入,流出が許容される。リーフ172,174
は、円板状のリーフが複数枚重ねられたものであり、可
撓性を有している。リーフ172,174の両面に生じ
る実質的な液圧差が、リーフ172,174が撓むのに
必要な大きさ(開弁圧)以上になれば、リーフ172,
174の外周側の部分が撓ませられることにより、弁座
186から離間させられる。それにより、リーフ17
2,174と弁座186との隙間からオイルの流れが許
容されるとともに、その流れに対して流動抵抗が与えら
れ、減衰力が発生させられる。 【0016】例えば、オイル室150内の液圧がオイル
室152より高くなり、液圧差が設定開弁圧以上になれ
ばリーフ174が撓ませられ、オイルがオイル室150
からオイル室152へ流れ込む。また、逆に、オイル室
152内の液圧がオイル室150より高くなり、液圧差
が開弁圧以上になると、リーフ172が撓ませられ、オ
イルがオイル室152からオイル室150へ流れ込む。
リーフ172,174の開弁圧は、必要に応じて適宜の
値に設定可能である。 【0017】バルブ本体170の軸部176内部には、
軸方向に延びる貫通穴208が形成されており、先端部
側がオイル室150に開口するバイパス通路210とさ
れている。また、軸部176には、半径方向に貫通する
半径方向穴212が形成され、オイル室152に開口す
るとともに、バイパス通路210に連通している。この
バイパス通路210と半径方向穴212との間に、前記
可変絞り装置142が設けられている。可変絞り装置1
42は、貫通穴208の内周面に形成された段付部と、
貫通穴208内を移動することにより段付部に接近,離
間するニードル220と、ニードル220を軸方向に移
動させることにより段付部とニードル220との隙間の
大きさを変更する移動装置とを備えている。本実施形態
における移動装置は、バルブ本体170に螺合され、ニ
ードル220に当接することにより、ニードル220の
軸方向位置を規定する調整ねじ222を備えるものであ
る。ニードル220は貫通穴208内の液圧により、調
整ねじ222に当接した状態に保たれる。バイパス通路
210と半径方向穴212とをオイルが流れる際、段付
部とニードル220との隙間の大きさに応じた流動抵抗
が生じ、オリフィス特性の減衰力が発生させられる。し
たがって、段付部とニードル220との隙間の大きさ
(バイパス通路210の流路面積)を変えることによ
り、オイルの流量(ショックアブソーバの作動速度)に
対する減衰力を制御することができる。なお、移動装置
としては、電動モータと送りねじとを備えた移動装置
等、種々の形態を採用可能である。 【0018】このように構成された流動抵抗付与装置6
0においては、ショックアブソーバ10〜16の作動速
度が小さく(オイルの流量が少なく)、リーフバルブ1
40が開かれる以前には、バイパス通路210を経て高
圧室から低圧室に向かってオイルが流れ、オリフィス特
性の減衰力が発生させられる。ショックアブソーバ10
〜16の作動速度が大きくなり、リーフバルブ140が
開かれると、貫通穴180を通る経路と貫通穴182を
通る経路との両方でオイルが高圧室から低圧室に流れ、
バルブ特性の減衰力が発生させられる。 【0019】なお、ショックアブソーバ10〜16内に
設けられた流動抵抗付与装置26は、流動抵抗付与装置
60と同様な構成を有するものであり、リーフバルブ1
40および貫通穴180,182がピストン22に設け
られ、バイパス通路210および可変絞り装置142が
ピストンロッド24の内部に設けられる。 【0020】また、流動抵抗付与装置86は、前記流動
抵抗付与装置60と同じ構成であるため、同一符号を付
して説明を省略する。さらに、中央ツインシリンダ80
は、前ツインシリンダ54のツインシリンダ本体90内
におけるピストン96,98の軸部100側の空間が高
圧ガスの充填されたガス室230とされている点が異な
るのみで、それ以外の部分は同様のものであるため、同
じ符号を付して説明を省略する。 【0021】流動抵抗付与装置82,84も、流動抵抗
付与装置60とほぼ同様な構成であり、異なる部分のみ
について図示、説明する。なお、流動抵抗付与装置8
2,84は同じ構成を有するため、左右前輪側に設けら
れる流動抵抗付与装置82について代表的に図示、説明
する。流動抵抗付与装置82は、図3に示すように、バ
ルブ本体170の、前ツインシリンダ54のオイル室1
14に連通したオイル室150側には、貫通穴180,
182の開口を閉塞する板状部材240が設けられてい
る。板状部材240は、実質的に可撓性を有しない円板
であり、板状部材240の貫通穴182のオイル室15
0側開口に対応する部分には貫通穴242が形成されて
いる。したがって、流動抵抗付与装置82においては、
オイル室152からオイル室150へのオイルの流れ
は、バイパス通路210を経由してのみ許容され、常に
オリフィス特性の減衰力が発生させられる。一方、オイ
ル室150からオイル室152へのオイルの流れは、オ
イル室150とオイル室152との間のオイルの流量が
小さい間は、バイパス通路210を経てのみ許容される
ことによりオリフィス特性の減衰力が発生させられる
が、流量が増し、液圧差がリーフバルブ140のリーフ
174を撓ませるのに必要な液圧差以上高くなると、リ
ーフバルブ140が開かれてオイルの流れが許容され、
バルブ特性の減衰力が発生させられる。 【0022】以上説明した流動抵抗付与装置26,6
0,72,82,84,86において発生させられる減
衰力の減衰特性は、前述のようにリーフバルブ140の
開弁圧および可変絞り装置142の絞り量をそれぞれ自
由に設定することにより、各々適宜設定可能である。例
えば、流動抵抗付与装置26の減衰特性を図4に示すよ
うに設定したり、流動抵抗付与装置60,72の減衰特
性を図5に示すように設定することが可能であるし、ま
た、流動抵抗付与装置82,84の減衰特性を図6に示
すように設定したり、流動抵抗付与装置86の減衰特性
を図7に示すように設定することが可能である。なお、
図6に示す減衰特性を有する流動抵抗付与装置82,8
4においては、ハーシュ対策として、ショックアブソー
バの収縮方向の作動速度が大きくなれば、バルブ特性の
減衰力が発生させられるように設定されている。 【0023】以上のように構成された車両用減衰装置に
おける車体のローリング,ピッチング,バウンシングお
よびばね下振動の際の作動をそれぞれ説明する。車体が
ローリングする際、例えば、左前輪用ショックアブソー
バ10が収縮させられ、右前輪用ショックアブソーバ1
2が伸長させられる際には、ショックアブソーバ10に
おいてはオイル室28からオイル室30へ、ショックア
ブソーバ12においては逆にオイル室30からオイル室
28へ、それぞれオイルが流れる。そのオイルの流れに
対して流動抵抗付与装置26により抵抗が付与され、減
衰力が発生させられる。また、ショックアブソーバ10
のピストンロッド24がシリンダ20内に入る分だけ、
オイル室28からオイルが外部へ流出し、液通路50,
流動抵抗付与装置60および液通路52を経てショック
アブソーバ12のオイル室28へ流入する。この時、流
動抵抗付与装置60により減衰力が生じさせられる。左
右後輪用ショックアブソーバ14,16においても同様
のことが起こり、ショックアブソーバ14,16内の流
動抵抗付与装置26と、流動抵抗付与装置72とにより
ローリングに対する減衰力が発生させられる。 【0024】車体のピッチング時、例えば、左右前輪用
ショックアブソーバ10,12が共に収縮させられると
ともに、左右後輪用ショックアブソーバ14,16が共
に伸長させられれば、ショックアブソーバ10,12に
おいてはオイル室28からオイル室30へ、ショックア
ブソーバ14,16においてオイル室30からオイル室
28へ、それぞれオイルの流れが生じる。したがって、
車体のローリングの際と同様、流動抵抗付与装置26に
より抵抗が付与され、減衰力が発生させられる。それに
加えて、ショックアブソーバ10,12のオイル室28
から、液通路50,52,76,78,66,68を経
て、ショックアブソーバ14,16のオイル室28への
オイルの流れが生じ、その途中に設けられた流動抵抗付
与装置82,86および84によりピッチングに対する
減衰力が生じさせられる。 【0025】車体のバウンシング時、例えば、各4輪の
ショックアブソーバ10〜16が全て収縮させられる場
合には、ショックアブソーバ10〜16内においてオイ
ル室28からオイル室30へのオイルの流れが生じ、流
動抵抗付与装置26により減衰力が発生させられる。ま
た、ショックアブソーバ10〜16のオイル室28から
中央ツインシリンダ80のオイル室110,112への
オイルの流れが生じ、このオイルの流入がガス室230
の収縮により許容される。各オイル室28から中央ツイ
ンシリンダ80へのオイルの流入に伴って、流動抵抗付
与装置82,84により減衰力が生じさせられる。 【0026】ばね下の振動の際、例えば、左前輪のばね
下が振動すれば、ショックアブソーバ10内において、
収縮時にはオイル室28からオイル室30へオイルが流
れ、伸長時にはオイル室30からオイル室28へオイル
が流れ、いずれも流動抵抗付与装置26により減衰力が
生じさせられる。また、ピストンロッド24がシリンダ
本体20内を出入りすることで液通路50を経てオイル
が流出または流入するが、このオイルの流れは、他のシ
ョックアブソーバ12〜16の作動状況に応じて、流動
抵抗付与装置60,72,82,84,86のいずれか
により流動抵抗が与えられ、これによってもばね下振動
に対する減衰力が発生させられる。この際、左右前輪,
左右後輪用ショックアブソーバ10〜16全体からのオ
イルの流出量がオイルの流入量より多ければ、中央ツイ
ンシリンダ80のガス室230の容積が減少させられ、
逆の場合には、ガス室230の容積が増大させられるこ
とにより、オイルの流出入がそれぞれ許容される。 【0027】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、流動抵抗付与装置26が内部流動抵抗付
与装置を構成している。また、液通路50,52が前接
続通路を、流動抵抗付与装置60が前流動抵抗付与装置
を構成している。連結部材102は、連結装置の一形態
である。液通路66,68が後接続通路を、流動抵抗付
与装置72が後流動抵抗付与装置を構成し、液通路7
6,78が中央接続通路を、流動抵抗付与装置86が中
央流動抵抗付与装置を構成している。さらに、流動抵抗
付与装置82が前/中央流動抵抗付与装置を、流動抵抗
付与装置84が後/中央流動抵抗付与装置を構成してい
る。 【0028】本実施形態の車両用減衰装置によれば、車
体のローリング,ピッチングおよびバウンシングの減衰
やばね下振動の減衰を全て行うことができる。また、ロ
ーリング,ピッチング,バウンシングおよびばね下振動
の減衰に適した減衰特性はそれぞれ異なるのであるが、
本実施形態においては、各流動抵抗付与装置26,6
0,72,82,84,86の減衰特性を適宜設定する
ことにより、車体のローリング,ピッチング,バウンシ
ングおよびばね下振動を良好に減衰させることができ
る。 【0029】以上、本発明の一実施形態を詳細に説明し
たが、これは例示に過ぎず、本発明は、この他にも当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態である車両用減衰装置を概
念的に示す図である。 【図2】上記車両用減衰装置の前流動抵抗付与装置およ
び前ツインシリンダを示す正面断面図である。 【図3】上記車両用減衰装置の前/中央流動抵抗付与装
置の一部を示す正面断面図である。 【図4】上記車両用減衰装置のショックアブソーバ内に
設けられた流動抵抗付与装置によって実現される減衰特
性の一例を示す図である。 【図5】上記前流動抵抗付与装置および後流動抵抗付与
装置によって実現される減衰特性の一例を示す図であ
る。 【図6】上記前/中央流動抵抗付与装置および後/中央
流動抵抗付与装置によって実現される減衰特性の一例を
示す図である。 【図7】上記車両用減衰装置の中央流動抵抗付与装置に
よって実現される減衰特性の一例を示す図である。 【符号の説明】 10,12,14,16:ショックアブソーバ 2
6:流動抵抗付与装置 28,30:オイル室 50,52:液通路 5
4:前ツインシリンダ 60:流動抵抗付与装置 66,68:液通路 7
0:後ツインシリンダ 72:流動抵抗付与装置 76,78:液通路 8
0:中央ツインシリンダ 82,84,86:流動抵
抗付与装置 92,94:シリンダ 96,98:
ピストン 102:連結部材 110,112,1
14:オイル室 230:ガス室
フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−62430(JP,A) 特開 平6−72127(JP,A) 特開 平9−193641(JP,A) 特開 平8−132846(JP,A) 特開 平10−203129(JP,A) 特開 平2−136319(JP,A) 米国特許3032349(US,A) 米国特許4411447(US,A) 米国特許6010139(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 21/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 左右前輪および左右後輪の各々と車体と
    の間にそれぞれ設けられたショックアブソーバと、 左前輪用ショックアブソーバと右前輪用ショックアブソ
    ーバとのオイル室同士を接続する前接続通路の途中に設
    けられ、それらオイル室の一方から他方へのオイルの流
    れに対して流動抵抗を与える前流動抵抗付与装置と、 一対のシリンダとそれら一対のシリンダに液密かつ摺動
    可能に嵌合されるとともに連結装置により一体的に連結
    された一対のピストンとを備え、それらピストンの両側
    に形成される2つずつのオイル室の各一方がそれぞれ前
    記前接続通路の前記前流動抵抗付与装置の両側の部分に
    接続され、各他方が互いに連通させられた前ツインシリ
    ンダと、 左後輪用ショックアブソーバと右後輪用ショックアブソ
    ーバとのオイル室同士を接続する後接続通路の途中に設
    けられ、それらオイル室の一方から他方へのオイルの流
    れに対して流動抵抗を与える後流動抵抗付与装置と、 一対のシリンダとそれら一対のシリンダに液密かつ摺動
    可能に嵌合されるとともに連結装置により一体的に連結
    された一対のピストンとを備え、それらピストンの両側
    に形成される2つずつのオイル室の各一方がそれぞれ前
    記後接続通路の前記後流動抵抗付与装置の両側の部分に
    接続され、各他方が互いに連通させられた後ツインシリ
    ンダと、 前記前ツインシリンダと前記後ツインシリンダとの前記
    互いに連通させられたオイル室同士を接続する中央接続
    通路の途中に設けられ、それらオイル室の一方から他方
    へのオイルの流れに対して流動抵抗を与える中央流動抵
    抗付与装置と、 一対のシリンダとそれら一対のシリンダに液密かつ摺動
    可能に嵌合されるとともに連結装置により一体的に連結
    された一対のピストンとを備え、それらピストンの各片
    側に形成されるオイル室がそれぞれ、前記中央接続通路
    の前記中央流動抵抗付与装置の両側の部分に接続され、
    各反対側に形成されるガス室が互いに連通させられた中
    央ツインシリンダと、 前記前ツインシリンダの互いに連通させられたオイル室
    と前記中央ツインシリンダの前記2つのオイル室の一方
    との間のオイルの流れに対して流動抵抗を与える前/中
    央流動抵抗付与装置、および前記後ツインシリンダの互
    いに連通させられたオイル室と前記中央ツインシリンダ
    の前記2つのオイル室の他方との間のオイルの流れに対
    して流動抵抗を与える後/中央流動抵抗付与装置とを含
    むことを特徴とする車両用減衰装置。
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