JP3508572B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置

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JP3508572B2
JP3508572B2 JP27196298A JP27196298A JP3508572B2 JP 3508572 B2 JP3508572 B2 JP 3508572B2 JP 27196298 A JP27196298 A JP 27196298A JP 27196298 A JP27196298 A JP 27196298A JP 3508572 B2 JP3508572 B2 JP 3508572B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のバルブ
のリフト量や作用角等のバルブ特性を可変とする可変動
弁装置、特にカム特性の異なる複数種のカムを備えると
共に、機関バルブを開閉駆動するカムを選択的に切り換
えることでバルブ特性を可変とするカム切り換え方式の
可変動弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、こうしたカム切り換え方式の可変
動弁装置の一つとして、例えば特開平10−19633
5号公報に記載の装置が知られている。
【0003】図7に、上記公報に記載されたような可変
動弁装置のロッカアーム付近の正面構造を示す。同図7
に示されるように、この可変動弁装置には、カムシャフ
ト10にカムプロフィールのそれぞれ異なる2種類のカ
ム、すなわち高速用カム11と低速用カム12とが設け
られている。カムシャフト10の下方には、ロッカシャ
フト20に回動可能に支持されたロッカアーム21が配
設されている。ロッカアーム21の先端側には、アーム
22が設けられており、その先端は図示しない一対の機
関バルブの上端と当接されている。そして、ロッカアー
ム21の回動に基づき揺動されるアーム22が機関バル
ブを押圧することによって、機関バルブが開閉駆動され
る。
【0004】また、ロッカアーム21の上面には、高速
用カム11と当接可能なスリッパフォロワ23と、低速
用カム12と当接可能なローラフォロワ24とが配設さ
れている。ローラフォロワ24は、ロッカアーム21に
回転可能に支持されており、低速用カム12と転がり接
触しつつ、その押圧を受け、同カム12の押圧をロッカ
アーム21に伝達可能となっている。
【0005】他方、スリッパフォロワ23は、ロッカア
ーム21に対して上下方向に摺動自在に配設されてい
る。スリッパフォロワ23は、コイルばね25の付勢力
によって高速用カム11に向けて常時押圧されている。
そのためスリッパフォロワ23は、高速用カム11とす
べり接触しつつ、その押圧を受けるようになる。
【0006】更に、ロッカアーム21には、上記スリッ
パフォロワ23のロッカアーム21に対する相対摺動を
油圧制御に基づき選択的に許容または規制(ロック)す
るロック機構30が備えられている。
【0007】このロック機構30によって上記相対摺動
が許容されている場合、同スリッパフォロワ23はロッ
カアーム21の回動(アーム22の揺動)とは関係無
く、独自に高速用カム11の押圧に基づき上下方向に摺
動される。そのため、このときのロッカアーム21は、
ローラフォロワ24を介して伝達される低速用カム12
の押圧に基づき回動(揺動)し、機関バルブは、同カム
12のカムプロフィール形状に応じて開閉駆動されるよ
うになる。
【0008】一方、ロック機構30によって上記相対摺
動が規制(ロック)されている場合、高速用カム11の
押圧はスリッパフォロワ23を介してロッカアーム21
に伝達されるようになる。そのため、このときのロッカ
アーム21は、高速用カム11の押圧に基づき回動(揺
動)されるようになり、機関バルブは同カム11のカム
プロフィール形状に応じて開閉駆動されるようになる。
【0009】上記可変動弁装置では、このようにして機
関バルブを開閉駆動するカムを選択的に切り換え、バル
ブ特性を可変としている。ところで、こうした可変動弁
装置にあっては通常、カムの当接面(カムプロフィー
ル)等の潤滑を行うためにその潤滑油を配送する潤滑油
通路が設けられている。この潤滑油通路は、カムシャフ
トの上方に配設されることが多く、上記可変動弁装置で
も、図7に併せ示すように、カムシャフト10の上方に
は、こうした潤滑油を配送する潤滑油通路44が設けら
るのが普通である。この潤滑油通路44には、図示しな
いオイルパン内に貯留された潤滑油が内燃機関のシリン
ダブロックやシリンダヘッド等を通じて配送される。ま
た、この潤滑油通路44には、同通路44を流れる潤滑
油を外部に放出するための給油口(潤滑油給油口)45
0が上記各カム11,12に対応する位置に設けられて
いる。
【0010】そして通常、この給油口450は、対応す
るカム11,12の真上にあたる位置にそれぞれ形成さ
れ、同図7に破線にて矢指する態様で、これら給油口4
50から各カム11,12に潤滑油が降り注がれる。こ
うして供給された潤滑油によって、各カム11,12と
これに対応する各フォロワ23,24との当接面は潤滑
され、摩耗等の損傷から保護されるようになる。特に、
上記高速用カム11及びスリッパフォロワ23にあって
は、これらの当接面が常時すべり接触しており、スカッ
フィングによる損傷を非常に受け易いため、こうした潤
滑油も大量に供給される必要がある。
【0011】なお、こうして潤滑に使用された潤滑油
は、シリンダヘッドやシリンダブロックの壁面等を滴り
落ち、オイルパンに還流される構造となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】こうした潤滑は内燃機
関に設けられた全てのカムに対して行われるため、全体
としては大量の潤滑油を供給する必要がある。そして上
述のように、それぞれ高速用カム11とスリッパフォロ
ワ23との間には特に大量の潤滑油を供給する必要があ
る。ところが、こうした大量の潤滑油を配送するために
は、自ずとオイルポンプの容量も大きくする必要があ
り、フリクション増加による性能悪化及び機関全体とし
ての大型化も避けられなくなる。一方、カムの潤滑に使
用された潤滑油の一部は、ロッカアームや機関バルブを
伝って滴下し、内燃機関の燃焼室中も侵入する。そのた
め、このようなシリンダヘッド内で使用される潤滑油
は、上記各カムの潤滑を保証し得る必要最小限の量に抑
制されることが望ましい。
【0013】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、潤滑油の供給量を各カムの
カムプロフィール面の潤滑に必要とされる最小限の量に
抑制することができ、ひいては期間の大型化や同潤滑油
の不要部分への滴下、侵入等を防止することのできる内
燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、機関バルブを開閉駆動す
るロッカアームに設けられて第1のカムにすべり接触し
つつ同第1のカムによって押圧されるスリッパフォロワ
と同じくロッカアームに設けられて第2のカムに転がり
接触しつつ同第2のカムによって押圧されるローラフォ
ロワとを選択的に能動として前記機関バルブのバルブ特
性を可変とする内燃機関の可変動弁装置において、前記
第1のカム及び第2のカムの上方に潤滑油を配送する潤
滑油通路を設けるとともに、同潤滑油通路からの潤滑油
の給油口を前記スリッパフォロワを押圧する第1のカム
に対応した位置にのみに形成したことをその要旨とす
る。
【0015】上記構成によれば、すべり接触を受けるス
リッパフォロワ側のカムに対応する位置にのみ給油口が
形成されているため、潤滑油通路を通じて配送される潤
滑油は、スリッパフォロワ側のカムにのみ直接滴下され
るようになる。こうしてスリッパフォロワ側に供給され
た潤滑油は、スリッパフォロワとそれに対応するカムと
の当接面の潤滑を果たし、摩耗等の損傷を抑制する。
【0016】このときスリッパフォロワ側に供給された
潤滑油の一部は周囲に飛散し、ローラフォロワ側にも潤
滑油が浴びせられるようになる。こうして間接的に供給
される潤滑油によって、ローラフォロワとそれに対応す
るカムとの当接面や、ローラフォロワを回転可能に支持
する軸受け等も潤滑されるようになる。
【0017】スリッパフォロワに対しては、当接面間の
摺動に伴うスカッフィング摩耗等の損傷を抑制するた
め、カムとの当接面に対して常時大量の潤滑油を供給す
る必要がある。これに対してローラフォロワ側は転がり
接触しているため、スリッパフォロワ側ほど大量の潤滑
油を常時供給する必要はなく、当接面や軸受け等の潤滑
が切れないだけの潤滑油を適宜供与しておけばよい。そ
のため、スリッパフォロワ側からの飛散によって間接的
に供与される潤滑油だけでも、ローラフォロワ側の潤滑
を十分に果たすことができる。
【0018】このように、給油口をスリッパフォロワ側
のみに設ける構成とすることで、十分な潤滑を確保しな
がらも、機関全体としての滴下させる潤滑油の総量を低
減することができ、効率的な潤滑を行うことができるよ
うになる。更に、潤滑油通路に設ける給油口の数を削減
できるため、その径を拡大して給油口1つあたりの潤滑
油の流出量が増加したとしても、滴下される潤滑油の機
関全体としての総量は増大せず、むしろ低減されるよう
になる。よって、オイルスラッジ等による詰まりを抑制
すべく給油口を拡径した場合にあっても、滴下される潤
滑油の量が増大することを防止できるようにもなる。そ
して、こうして潤滑油の総量が低減されることで、オイ
ルポンプの容量についてこれを必ずしも大型化する必要
はなくなり、また潤滑油の不要箇所への滴下、侵入等も
自ずと防がれるようになる。
【0019】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記給油口
は、前記第1のカムのカム幅中央付近に対応して開口さ
れてなることをその要旨とする。
【0020】上記構成によれば、潤滑油通路中を流れる
潤滑油の流勢が小さい場合など、給油口からほぼ鉛直方
向に潤滑油が滴下される場合には、第1のカムのカム幅
中央付近に潤滑油が滴下される。したがって、第1のカ
ム及びスリッパフォロワに対して潤滑油を適宜供給で
き、また第2のカム及びローラフォロワ側へ飛散する潤
滑油も適宜確保されるようになるため、各カムの過不足
ない潤滑が維持される。
【0021】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記給油口
は、前記第1のカムのカム幅中央付近からオフセットさ
れた位置に対応して開口されてなることをその要旨とす
る。
【0022】上記構成によれば、給油口の開口位置をオ
フセットすることによって、各カムに対する潤滑を適宜
調整することができるようになる。例えば、潤滑油通路
を流れる潤滑油の流勢が大きく、給油口から放出される
潤滑油が潤滑油通路の下流側に滴下される場合には、給
油口の開口位置を上流側にオフセットすることで、第1
のカムの中央付近に潤滑油を滴下することができるよう
になる。また、給油口の開口位置を変更することで、第
2のカム及びローラフォロワに飛散する潤滑油の量を適
宜に調整することもできる。例えば、飛散する潤滑油の
量が不足する場合には給油口の開口位置を第2のカム側
に近づけ、過剰となる場合には開口位置を第2のカム側
から遠ざけるといった態様で潤滑油の飛散量を増減調整
することができる。
【0023】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記給油口
は、その開口位置が前記第1のカムのカム幅中央付近か
ら前記潤滑油通路の上流側に所定距離だけオフセットさ
れてなることをその要旨とする。
【0024】上記構成によれば、潤滑油通路中の潤滑油
の流勢が大きく、給油口から放出される潤滑油が下流側
に滴下される場合には、その開口位置を上流側に所定距
離だけオフセットさせることで第1のカムのカム幅中央
付近に潤滑油を滴下させることができるようになる。そ
のため第1のカム及びスリッパフォロワに対する潤滑を
良好に行うことができるようになる。また、こうして潤
滑油の滴下位置を第1のカムのカム幅中央付近とするこ
とで、第2のカム及びローラフォロワに対して良好な態
様にて潤滑油が飛散されるようにもなる。
【0025】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる内燃機関の可変動弁装置を具体化した第1実施形
態について説明する。
【0026】本実施形態の可変動弁装置は、先の図7に
例示した可変動弁装置の潤滑油供給構造についてこれに
改良を施したものである。まず、本実施形態の可変動弁
装置において、カムを選択的に切り換えて機関バルブの
バルブ特性を可変とするための構成及びその機能につい
て、図1〜図3に基づき詳細に説明する。なお、これら
図1〜図3において、先の図7に示した要素と同一の要
素には同一の符号を付して示している。
【0027】図1に、本実施形態の可変動弁装置のロッ
カアーム付近の正面図を示す。同図1に示すように、こ
の可変動弁装置において、カムシャフト10にはカムプ
ロフィールのそれぞれ異なる2種類のカム11,12が
設けられている。これらカムのうち、カム11はリフト
量及び作用角がより大きく設定された高速用カムとなっ
ており、またカム12はリフト量及び作用角がより小さ
く設定された低速用カムとなっている。
【0028】一方、カムシャフト10の下方には、ロッ
カシャフト20に回動可能に支持されたロッカアーム2
1が配設されている。ロッカアーム21の先端側には、
アーム22が設けられている。このアーム22の先端は
図示しない一対の機関バルブの上端と当接され、機関バ
ルブのバルブスプリングの付勢力によってそれらバルブ
が閉量される側に押圧されている。そして、前述のよう
に、ロッカアーム21の回動に伴い揺動されるアーム2
2が機関バルブを押圧することによって、機関バルブは
開閉駆動される。
【0029】また、ロッカアーム21の上面には、高速
用カム11と当接可能なスリッパフォロワ23と、低速
用カム12と当接可能なローラフォロワ24とが配設さ
れている。ローラフォロワ24は、ロッカアーム21に
回転可能に支持されており、低速用カム12と転がり接
触しつつ、その押圧を受け、同カム12の押圧をロッカ
アーム21に伝達可能となっている。
【0030】他方、スリッパフォロワ23は、ロッカア
ーム21に対して上下方向に摺動自在に配設されてい
る。スリッパフォロワ23は、コイルばね25の付勢力
によって高速用カム11に向けて常時押圧されている。
そのためスリッパフォロワ23は、高速用カム11とす
べり接触しつつ、その押圧を受けるようになる。
【0031】更に、ロッカアーム21には、上記スリッ
パフォロワ23のロッカアーム21に対する相対摺動を
油圧制御に基づき選択的に許容または規制(ロック)す
るロック機構30が備えられている。このロック機構3
0の動作に使用される作動油は、上記ロッカシャフト2
0内に形成されたロッカシャフト油通路43、及びロッ
カアーム21内に形成されたロッカアーム油通路(同図
1では図示略)を通じて供給あるいは排出される。な
お、ロック機構30を動作させる作動油は、内燃機関の
各部の潤滑に使用される潤滑油の一部が流用されてい
る。ロック機構30の詳細な構成及びその動作について
は後述する。
【0032】さて、このロック機構30によってロッカ
アーム21に対するスリッパフォロワ23の相対摺動が
許容されている場合、同スリッパフォロワ23はロッカ
アーム21の回動(アーム22の揺動)とは関係無く、
独自に高速用カム11の押圧に基づき上下方向に摺動さ
れる。
【0033】なお、スリッパフォロワ23を高速用カム
11に向けて付勢するコイルばね25の付勢力は、上記
機関バルブのバルブスプリングの付勢力に対して十分に
小さく設定されている。そのため、ロッカアーム21に
対するスリッパフォロワ23の相対摺動が許容されてい
る場合には、高速用カム11の押圧力は、スリッパフォ
ロワ23によってほとんど吸収されてしまい、ロッカア
ーム21に対しては機関バルブを駆動する程の大きな力
としては伝達されない。そのため、このときのロッカア
ーム21は、ローラフォロワ24を介して伝達される低
速用カム12の押圧に基づき回動(揺動)し、機関バル
ブは、同カム12のカムプロフィール形状に応じて開閉
駆動されるようになる。
【0034】一方、ロック機構30によって上記相対摺
動が規制(ロック)されている場合、高速用カム11の
押圧はスリッパフォロワ23を介してロッカアーム21
に伝達されるようになる。そのため、このときのロッカ
アーム21は、よりリフト量及び作用角の大きな高速用
カム11の押圧に基づき回動(揺動)されるようにな
り、機関バルブは、同カム11のカムプロフィール形状
に応じて開閉駆動されるようになる。
【0035】同可変動弁装置でも、基本的にはこのよう
にして機関バルブを開閉駆動するカムを選択的に切り換
え、バルブ特性を可変としている。続いて、上記ロック
機構30の詳細な構成及びその動作について説明する。
【0036】図2及び図3は、ロック機構30の側部断
面構造を示す断面図である。なお、図2は上記相対摺動
が許容された状態を、図3は上記相対摺動が規制(ロッ
ク)された状態をそれぞれ示す。
【0037】これら図2及び図3に示すように、高速用
カム11(図1)と当接されるスリッパフォロワ23
は、ロッカアーム21を上下方向に貫く摺動孔35内に
摺動自在に遊嵌されている。また、ロッカアーム21の
下部には、上記摺動孔35と交差するシリンダ36が前
後方向に向けて形成されている。このシリンダ36内に
は、ロックピン31が摺動可能に遊嵌されている。ロッ
クピン31は、コイルばね33の付勢力によって摺動孔
35から離間する方向、すなわちロッカアーム21の基
端方向に常時付勢されている。
【0038】このロックピン31の先端側には、溝32
が形成されている。この溝32には、スリッパフォロワ
23の下端部が嵌入可能となっている。この溝32のロ
ッカアーム21の先端側は底面が切り欠かれており、図
2に示すように、ロックピン31がロッカアーム21の
基端側に位置するときには、同溝32内をスリッパフォ
ロワ23が上下方向の摺動が許容される。
【0039】一方、この溝32のロッカアーム21の基
端側には底面が残されており、図3に示すように、ロッ
クピン31がロッカアーム21の先端側に位置するとき
には、スリッパフォロワ23の底面が溝32の底面に当
接して同フォロワ23の摺動が規制(ロック)される。
【0040】このロックピン31が配設されたシリンダ
36にあって、ロックピン31によって区画された基端
側の空間34は、ロックピン31を摺動させるための作
動油が導入される油圧室となっている。この油圧室34
は、ロッカアーム21内に形成されたロッカアーム油通
路49に接続されている。このロッカアーム油通路49
は、前記ロッカシャフト油通路43(図1)と連通され
ている。そして、これら油通路43,49を通じて油圧
室34に対する作動油の供給及び排出が行われること
で、同油圧室34内の油圧が調整される。
【0041】ロッカアーム21に対するスリッパフォロ
ワ23の相対摺動を許容する場合、油圧室34内から作
動油を排出し、同室34内の油圧を低下させる。油圧の
低下に伴いロックピン31は、コイルばね33の付勢力
によってロッカアーム21の基端側に移動する。その結
果、スリッパフォロワ23の下端部は、図2に示すよう
に、溝32の先端側の底面が切り欠かれた部分に位置す
るようになり、その上下方向の相対摺動が許容される。
このとき高速用カム11(図1)の押圧は、先述したよ
うにロッカアーム21に対してはほとんど伝達されない
ため、同ロッカアーム21は低速用カム12(図1)に
よって揺動されるようになる。
【0042】一方、スリッパフォロワ23の上記相対摺
動を規制(ロック)する場合には、油圧室34内に作動
油を供給して、同室34内の油圧を高くする。ロックピ
ン31は、油圧の上昇に伴い、コイルばね33の付勢力
に抗しながらロッカアーム21の先端側に移動する。こ
うしてロックピン31が移動することで、スリッパフォ
ロワ23の底面は、図3に示すように、溝32の基端側
の底面が残された部分に位置し、この底面に乗りかかる
ような態様で当接するようになる。その結果高速用カム
11(図1)の押圧は、スリッパフォロワ23及びロッ
クピン31の当接を通じてロッカアーム21にも直接伝
達されるようになる。その結果、先述したように、ロッ
カアーム21は、よりリフト量及び作用角の大きな高速
用カム11(図1)によって揺動されるようになる。
【0043】ロック機構30では、以上説明した態様で
機関バルブを押圧するカムを選択的に切り換え、機関バ
ルブのバルブ特性を可変とする動作が行われる。次に、
本実施形態の可変動弁装置において、上記各カム11,
12とこれに対応する各フォロワ23,24との当接部
に潤滑油を供給する潤滑油通路44の構成、並びに上記
ロック機構30を動作させる油圧回路の構成について、
図1及び図4,図5に基づき説明する。
【0044】本実施形態の装置では、同図1に示される
ように、カムシャフト10の上方に設けられた潤滑油通
路44には、高速用カム11側(スリッパフォロワ23
側)だけに対応して給油口(潤滑油給油口)45が設け
られている。また、この給油口45は、先の図7に例示
した装置の給油口450に比べてその径が拡径されてい
る。
【0045】一方、油圧回路は、上記潤滑油通路44を
はじめ、油圧ポンプ41や油圧調整弁42,ロッカシャ
フト油通路43等を備えて構成されている。ここで図4
は、ロック機構30の規制(ロック)状態、すなわち高
速用カム11にて機関バルブが開閉駆動されるときの上
記油圧回路の状態を模式的に示したものであり、また図
5は、ロック機構30の許容状態、すなわち低速用カム
12によって機関バルブが開閉駆動されるときの同油圧
回路の状態を模式的に示したものである。これら図4及
び図5から明らかなように、本実施形態の可変動弁装置
が設けられた内燃機関は、4本の気筒を備え、さらに吸
気バルブと排気バルブとをそれぞれ独立して開閉駆動す
るための2本のカムシャフトを備えている。そして、各
気筒毎にその吸気系側と排気系側とにそれぞれ1個ずつ
のロッカアーム21が設けられている。なお、これら図
4及び図5において、吸気系と排気系とに共通して設け
られ、同一あるいは同等の機能を有する部材については
同一の符号を付するとともに、その末尾に、吸気系側の
部材については添え字「i」を、排気系側の部材につい
ては添え字「e」をそれぞれ付与して区別している。以
下の説明では、その説明の都合上、それらを区別する必
要のある場合に限り、各添え字も併せて記載する。
【0046】さて、本実施形態の可変動弁装置において
は、図4及び図5に示されるように、上記各カム11,
12等の潤滑をはじめ、ロック機構30の動作も、オイ
ルポンプ41によってオイルパン40内より吸引され、
加圧吐出された潤滑油が用いられる。すなわち、オイル
ポンプ41から加圧吐出された潤滑油の一部は、ロック
機構30を動作させるための油圧を調整するための油圧
調整弁42に配送される。また、潤滑油の他の一部は、
カム11,12等の潤滑に使用すべく前記潤滑油通路4
4に配送される。残りの潤滑油は、内燃機関の他の部
位、例えばカムシャフト10(図1)の軸受け部等に配
送されて、それら他の部位の潤滑等に使用される。
【0047】ここで、潤滑油通路44には、常時、オイ
ルポンプ41から加圧吐出された潤滑油が配送されてお
り、上記給油口45を通じて、高速用カム11に対し潤
滑油が常時滴下される。
【0048】また、油圧調整弁42は、内燃機関のシリ
ンダヘッドやシリンダブロック等に形成された油通路4
6を通じて前記ロッカシャフト20内に形成されたロッ
カシャフト油通路43に接続され、更にはこの油通路4
3と接続された前記ロッカアーム21内のロッカアーム
油通路49を通じて、ロック機構30の油圧室34と接
続されている(図2及び図3参照)。油圧調整弁42に
は、これら油圧室34へと続く各油通路46,43,4
9とは別に、潤滑油をシリンダヘッド内に放出するため
のドレイン油通路48も接続されている。
【0049】そしていま、機関バルブを高速用カム11
にて開閉駆動すべく、ロック機構30を規制(ロック)
状態とする場合には、図4に示されるように、油圧調整
弁42は、油通路46に対してオイルポンプ41から加
圧吐出された潤滑油を配送するようになる。その結果、
各油通路46,43,49を通じて配送される潤滑油に
よって、油圧室34内の油圧が高まることでロック機構
30は規制(ロック)状態となる。こうしてスリッパフ
ォロワ23の摺動が規制(ロック)されることで、機関
バルブが高速用カム11にて開閉駆動されるようになる
ことは上述した通りである(図2参照)。
【0050】一方、機関バルブを低速用カム12にて開
閉駆動すべく、ロック機構30を許容状態とする場合に
は、図5に示されるように、油圧調整弁42は、油通路
46とドレイン油通路48とを接続するようになる。そ
の結果、各油通路46,43,49及びロック機構30
の油圧室34内の潤滑油は、ドレイン油通路48を通じ
てシリンダヘッド内に排出される。こうして油圧室34
の油圧が低下することによって、ロック機構30は許容
状態となり、またこうしてスリッパフォロワ23の摺動
が許容されることで、機関バルブが低速用カム12にて
開閉駆動されるようになることも上述した通りである
(図3参照)。
【0051】なお、許容状態にあっても、上記油圧室3
4及び各油通路46,43,49内には、ある程度の潤
滑油が残留していることが望ましい。これは、以下の理
由による。
【0052】これら油圧室34及び各油通路46,4
3,49内の潤滑油は、前記ロッカシャフト20とロッ
カアーム21との連結部の潤滑にも使用されている。し
たがって、同油圧室34及び各油通路46,43,49
内には、常に潤滑油が残留している必要がある。
【0053】また、カム切り換え時の応答性を高めるた
めにも、油圧室34内には、たとえ許容状態であれ、ロ
ック機構30を規制(ロック)状態としない程度には低
圧の潤滑油を残留させておくことが望ましい。これは、
ロック機構30を規制(ロック)状態とする場合に、油
圧室34内の油圧が必要とされる圧力まで昇圧されるま
での時間を短縮できるからである。
【0054】その点、上記油圧回路では、ロック機構3
0の規制(ロック)状態時であれ、許容状態時であれ、
油圧調整弁42は、小径のバイパス油通路47を通じ
て、常時少量の潤滑油を上記油圧室34及び各油通路4
6,43,49内に配送する構成となっている。こうし
て、潤滑や応答性確保のため必要とされる潤滑油を、常
時残留させておくことができるようになる。
【0055】次に、再び図1を参照して、上記給油口4
5を通じたカム並びにフォロワへの潤滑油の供給態様に
ついて説明する。本実施形態の可変動弁装置では、上述
のように、高速用カム11に対応する位置にのみ給油口
45が形成されているため、潤滑油通路44を通じて配
送される潤滑油は、この高速用カム11にのみ滴下され
るようになる。こうして高速用カム11に滴下された潤
滑油は、スリッパフォロワ23と高速用カム11との当
接面の潤滑を果たし、スカッフィング摩耗等の損傷から
これらの当接面を保護している。
【0056】一方、このとき高速用カム11に滴下され
た潤滑油の一部は、同カム11の回転に伴い周囲に飛散
し、低速用カム12やローラフォロワ24にも潤滑油が
浴びせられるようになる。こうして間接的に供給される
潤滑油によって、ローラフォロワ24と低速用カム12
との当接面や、ローラフォロワ24を回転可能に支持す
る軸受け等も潤滑されるようになる。
【0057】ここで、すべり接触を受けるスリッパフォ
ロワ23及び高速用カム11に関しては、当接面間のす
べり接触に伴うスカッフィング摩耗等の損傷を抑制する
ため、その当接面に対して常時大量の潤滑油を供給する
必要があることは前述した通りである。これに対して、
ローラフォロワ24及び低速用カム12は転がり接触し
ているため、スリッパフォロワ23側ほど大量の潤滑油
を常時供給する必要はなく、それらの当接面や軸受け等
の潤滑が切れないだけの潤滑油を適宜供与しておけばよ
い。そのため、高速用カム11からの飛散によって間接
的に供与される潤滑油だけでも、ローラフォロワ24及
び低速用カム12の潤滑を十分に果たすことができる。
【0058】このように、拡径された給油口45を高速
用カム11側のみに設け、全体としては給油口の数を削
減したことで、上記各フォロワ23,24の接触形態に
応じた十分な潤滑を確保しながらも、潤滑油通路44中
に流通させる潤滑油の流量を低減することができ、上記
オイルポンプ41(図4,図5)の大容量化を抑えるこ
とができるようになる。そして、こうして放出される潤
滑油の機関全体としての総量が低減されることで、ロッ
カアーム21から機関バルブを通じて内燃機関の燃焼室
内に侵入する等、潤滑油の不要箇所への滴下、侵入も抑
制されるようになる。
【0059】なお、先の図7に例示した装置にあって
も、その給油口450の径を小さくし、同給油口450
一つあたりの潤滑油の放出量を削減するようにすれば、
潤滑に使用される潤滑油の量の低減を図ることは可能で
ある。しかしながら、こうした方法による油量の低減
は、以下に述べる理由から好ましいものではない。
【0060】すなわち、潤滑油中には、例えば劣化した
オイル(オイルスラッジ)や異物等の不純物が混入され
ている。給油口450の径を小さくするほど、こうした
不純物による同給油口450の詰まりが発生し易くな
る。そのため、給油口450の縮径にも限界があり、潤
滑油の放出量の低減にも限度がある。実際には、必要と
される潤滑油を確保するための必要最小限の径よりも、
むしろ詰まりを防止するための必要最小限の径の方が大
きく、後者によって給油口450の径の大きさが決定さ
れていることが多い。こうした実情もあって、給油口4
50の縮径によって潤滑油の放出量の低減を図ること
は、避けるべきである。
【0061】その点、本実施形態の装置の構成では、潤
滑油通路44に設ける給油口の数を削減したことで、そ
の径を上記給油口450に比して拡大し、その1つあた
りの潤滑油の放出量が増加したとしても、全体として必
要とされる油量は増大せず、むしろ低減されるようにな
る。したがって、オイルスラッジ等による詰まりを抑制
すべく給油口を上記給油口45のように拡径した場合に
あっても、潤滑油通路44中に流通させる潤滑油の流量
が増大することは、好適に防止されるようになる。
【0062】以上説明したように、本実施形態の可変動
弁装置によれば、以下の効果を得ることができる。 (1)潤滑油通路44の高速用カム11に対応する位置
にのみ拡径された給油口45を設ける構成としたこと
で、給油口の数を削減し、ひいては必要とされる潤滑油
の量を低減することができる。よって、潤滑油を配送す
るためのオイルポンプ41の容量を低減すること、若し
くはその大容量化を防ぐことができるようにもなる。
【0063】(2)また、高速用カム11には給油口4
5より直接潤滑油が滴下されるようにし、低速用カム1
2には高速用カム11から飛散した潤滑油によって潤滑
を行うようにしたことで、すべり接触を受けるため大量
の潤滑油が必要とされる高速用カム11側にも、転がり
接触を受けるため比較的少量の潤滑油しか必要とされな
い低速用カム12側にも、必要なだけの潤滑油を効率よ
く供給できるようになる。
【0064】(3)給油口45を通じて放出される潤滑
油の量が低減されるため、ロッカアーム21から機関バ
ルブを伝って内燃機関の燃焼室内に侵入する等、潤滑油
の不要箇所への滴下、侵入も抑制、若しくは防止するこ
とができる。
【0065】(4)給油口の数を削減したため、その径
を給油口45のように拡大したとしても、同給油口45
を通じて放出される潤滑油の機関全体としての総量は増
加せず、むしろ低減されるようになる。したがって、放
出される潤滑油の機関全体としての総量を増やさずに、
オイルスラッジ等の不純物によるそれら給油口の詰まり
を抑制することができる。
【0066】(第2実施形態)次に、本発明にかかる内
燃機関の可変動弁装置を具体化した第2実施形態につい
て説明する。
【0067】先の第1実施形態の可変動弁装置では、潤
滑油通路44の給油口45をスリッパフォロワ23に対
応する高速用カム11のカム幅中央付近対応して設ける
構成とした。しかしながら、潤滑油通路44中をローラ
フォロワ24側からスリッパフォロワ23側に向かう方
向に潤滑油が流され、しかもその流れる勢いが大きい場
合など、可変動弁装置の油圧回路構成によっては、この
給油口45を単に潤滑油の滴下対象となるカム11のカ
ム幅中央付近に対応して設けたとしても、要求される潤
滑効果を十分に得ることができないことがある。
【0068】例えば、第1実施形態の可変動弁装置で
は、図4及び図5に示されるように、内燃機関の排気側
の潤滑油通路44eではスリッパフォロワ23側からロ
ーラフォロワ24側に向かう方向に潤滑油が流されてい
るのに対して、吸気側の潤滑油通路44iでは逆にロー
ラフォロワ24側からスリッパフォロワ23側に向かう
方向に潤滑油が流される構成となっている。こうした構
成となっているのは、吸気側と排気側とで同一の構成の
ロッカアーム21を採用したためである。
【0069】そして、同第1実施形態の可変動弁装置の
吸気側潤滑油通路44iのように、ローラフォロワ24
側からスリッパフォロワ23側に潤滑油が流される場
合、同通路44i中を流れる潤滑油の流速が大きいと、
潤滑油は給油口45iからそのまま垂直下方に向かって
は滴下せず、その流勢に応じて下流側方向に、すなわち
ローラフォロワ24から離れる方向にずれて滴下する。
その結果、ローラフォロワ24側に飛散する潤滑油が減
少し、場合によっては同フォロワ24側の潤滑が十分に
なされなくなるおそれがあるし、また、スリッパフォロ
ワ23側に対しても、潤滑油が滴下される位置がずれる
ことで、十分な潤滑を行えなくなってしまうおそれもあ
る。
【0070】そこで、本第2実施形態の可変動弁装置で
は、油圧回路並びに潤滑油供給構造のこうした実情に鑑
みて、更に以下の改良を施している。図6は、本実施形
態の可変動弁装置のロッカアーム付近の正面図を示す。
なお同図6には、先の図4及び図5に示した第1実施形
態の可変動弁装置と同様の油圧回路構成を有する装置に
おいて、内燃機関の吸気側に設けられるロッカアーム2
1iの1つ、及びこれに対応する潤滑油通路44iの一
部を示している。したがって、この装置の潤滑油通路4
4iには、同図6に矢指するように、ローラフォロワ2
4i側からスリッパフォロワ23i側へと向かって潤滑
油が流されている。
【0071】さて、本実施形態の可変動弁装置では、こ
の図6に示されるように、高速用カム11に潤滑油を放
出するための給油口45は、高速用カム11のカム幅中
央付近から上流側、この場合にはローラフォロワ24i
側(低速用カム12i側)にオフセットされた位置に形
成されている。ここで給油口45の位置をオフセットす
る量aは、同給油口45から放出される潤滑油が高速用
カム11iに滴下するまでの間に、その流勢によってず
れる量に相当する。したがって、給油口45から放出さ
れる潤滑油がその流勢によって同給油口45の鉛直方向
から下流側にずれてしまっても、同潤滑油は高速用カム
11iのカム幅中央付近に滴下されるようになる。そし
て、こうして、高速用カム11iのカム幅中央付近に潤
滑油が滴下されることで、少なくとも、スリッパフォロ
ワ23i側の潤滑が十分に確保されることは勿論、ロー
ラフォロワ24側にもその潤滑に必要とされる量の潤滑
油が飛散するようになり、その潤滑効果も併せて保持で
きるようになる。なお、上記給油口45のオフセット量
aは、当該油圧回路の特性として、実験等によって予め
知ることができる。
【0072】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、前記(1)〜(4)に記載した効果に加え、更に以
下の効果を得ることができる。 (5)給油口45をスリッパフォロワ23iを押圧する
高速用カム11iのカム幅中央付近から上流側、すなわ
ち同実施形態にあってはローラフォロワ24i側にオフ
セットされた位置に形成する構成としたことで、潤滑油
通路44i中の流勢によって同給油口45を通じて放出
される潤滑油が下流側にずれたとしても、高速用カム1
1iのカム幅中央付近に潤滑油を滴下させることができ
るようになる。すなわち、スリッパフォロワ23i側の
潤滑を十分に確保することができるようになる。
【0073】(6)また、こうして高速用カム11iの
カム幅中央付近への潤滑油の滴下が維持されることで、
ローラフォロワ24i側への潤滑油の飛散量もその潤滑
に必要とされる量が確保されるようになり、その潤滑の
効果を十分に保持されるようになる。
【0074】なお、以上では、潤滑油通路44i中をロ
ーラフォロワ24i側からスリッパフォロワ23i側に
向かう方向に潤滑油が流される装置にあって、給油口4
5の位置をその上流側にオフセットし、もって、その流
勢によって生じる潤滑油の滴下位置のずれを矯正する場
合について述べた。ただし、その適用される装置環境に
よっては、以下のような構成を採用することでも、それ
ぞれ必要とされる潤滑効果を維持することはできる。
【0075】・例えば、図4及び図5に示した油圧回路
構成において、その排気側では、潤滑油通路44e中を
スリッパフォロワ23e側からローラフォロワ24e側
へ向けて潤滑油が流されている。こうした場合も、潤滑
油の流勢に応じてその上流側、すなわちこの場合にはロ
ーラフォロワ24から離れる側へオフセットした位置に
給油口45を設けるようにする。これによっても、上述
同様の効果が得られるようになる。
【0076】・上述のように潤滑油通路44中の潤滑油
の流勢による滴下位置のずれが問題とならない場合で
も、あるいは該潤滑油の滴下位置のずれを見込んだ上
で、ローラフォロワ24側への潤滑油の飛散量の過不足
を矯正することを目的として、給油口45の位置を調整
するようにしてもよい。例えば、ローラフォロワ24側
に供与される潤滑油の量が不足する場合には給油口45
を設ける位置をローラフォロワ24側に近づけ、過剰と
なる場合には、給油口45を設ける位置をローラフォロ
ワ24側から遠ざけるといった態様で、潤滑油の飛散量
を増減調整することができる。
【0077】・また、給油口45の位置を調整するだけ
でなく、同給油口45の形状等を変更することで潤滑油
の滴下位置を矯正するようにしてもよい。例えば、給油
口45を鉛直方向から所定に傾斜させた方向に角度を持
たせて形成することで、潤滑油の放出方向を変更し、滴
下位置を矯正することもできる。また、こうした構成
は、上記各実施形態、あるいは上記各変形例と組み合わ
せた構成とすることもできる。
【0078】ところで、こうしたカム切り換え方式の可
変動弁装置としては、他に例えば、特開平6−2952
5に記載の装置のように、複数種のカムの押圧によって
それぞれ独自に揺動される複数のロッカアームを備える
と共に、これらのロッカアームを互いに連結あるいは分
離することで機関バルブを開閉駆動せしめるカムを切り
換える機構の可変動弁装置も知られているが、本発明は
このような可変動弁装置にも同様に適用することができ
る。要は、それがすべり接触を受けるカムフォロワと転
がり接触を受けるカムフォロワとを備えるものでさえあ
れば、上記第1、あるいは第2実施形態に準じた態様で
潤滑油通路及び給油口を設けることで、それら各実施形
態の効果に準じた効果を得ることはできる。
【0079】以上説明した各実施形態より把握される請
求項に記載した以外の技術的思想について、以下に記
す。 (1)前記給油口は、鉛直方向から所定に傾斜した角度
をもって開口されてなることを特徴とする請求項1〜4
のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0080】上記構成によれば、給油口の傾斜によって
潤滑油の滴下位置を適宜に調整でき、すべり接触を受け
るカムフォロワに対する潤滑効果を保持する、あるいは
転がり接触を受けるカムフォロワに飛散する潤滑油を必
要とされるだけ確保することができるようになる。
【0081】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、十分な
潤滑を確保しながらも、潤滑油通路中に流通させる潤滑
油の流量を低減でき、効率的な潤滑を行えるようにな
る。また、潤滑油通路に設ける給油口の数を削減できる
ため、オイルスラッジ等による詰まりを抑制すべく給油
口を拡径した場合にあっても、潤滑油通路中に流通させ
る潤滑油の流量が増大することを防止できるようにもな
る。
【0082】また、請求項2によれば、潤滑油通路中を
流れる潤滑油の流勢が小さい場合など、給油口からほぼ
鉛直方向に潤滑油が滴下される場合には、第1のカムの
カム幅中央付近に潤滑油が滴下される。したがって、第
1のカム及びスリッパフォロワに対して潤滑油を適宜供
給でき、また第2のカム及びローラフォロワ側へ飛散す
る潤滑油も適宜確保されるようになるため、各カムの過
不足ない潤滑が維持される。
【0083】また、請求項3に記載の発明によれば、給
油口の開口位置をオフセットすることによって潤滑油の
滴下位置を調整することで、各カムに対する潤滑を過不
足なく維持することができるようになる。
【0084】また、請求項4に記載の発明によれば、潤
滑油通路中の潤滑油の流勢が大きく、給油口から放出さ
れる潤滑油が下流側に滴下される場合には、第1のカム
のカム幅中央付近に潤滑油を滴下させることができるよ
うになり、各カムに対する潤滑を過不足なく行うことが
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変動弁装置の第1実施形態について
そのロッカアーム付近の正面構造を示す正面図。
【図2】同可変動弁装置のロック機構の構造を示す断面
図。
【図3】同可変動弁装置のロック機構の構造を示す断面
図。
【図4】同可変動弁装置の油圧回路構成を示す平面略
図。
【図5】同可変動弁装置の油圧回路構成を示す平面略
図。
【図6】本発明の可変動弁装置の第2実施形態について
そのロッカアーム付近の正面構造を示す正面図。
【図7】従来の可変動弁装置のロッカアーム付近の正面
図。
【符号の説明】
10…カムシャフト、11…高速用カム、12…低速用
カム、20…ロッカシャフト、21…ロッカアーム、2
2…アーム、23…スリッパフォロワ、24…ローラフ
ォロワ、25…ばね、30…ロック機構、31…ロック
ピン、32…溝、33…ばね、34…油圧室、35…摺
動孔、36…シリンダ、40…オイルパン、41…オイ
ルポンプ、42…油圧調整弁、43…ロッカシャフト油
通路、44…潤滑油通路、45…給油口、46…油通
路、47…バイパス油通路、48…ドレイン油通路、4
9…ロッカアーム油通路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−154812(JP,A) 特開 平3−286109(JP,A) 実開 平4−6709(JP,U) 実公 平7−7524(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01M 9/10 F01L 1/18 F01L 1/26 F01L 13/00 301

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関バルブを開閉駆動するロッカアームに
    設けられて第1のカムにすべり接触しつつ同第1のカム
    によって押圧されるスリッパフォロワと、同じくロッカ
    アームに設けられて第2のカムに転がり接触しつつ同第
    2のカムによって押圧されるローラフォロワとを選択的
    に能動として前記機関バルブのバルブ特性を可変とする
    内燃機関の可変動弁装置において、 前記第1のカム及び第2のカムの上方に潤滑油を配送す
    る潤滑油通路を設けるとともに、同潤滑油通路からの潤
    滑油の給油口を前記スリッパフォロワを押圧する第1の
    カムに対応した位置にのみに形成したことを特徴とする
    内燃機関の可変動弁装置。
  2. 【請求項2】前記給油口は、前記第1のカムのカム幅中
    央付近に対応して開口されてなる請求項1に記載の内燃
    機関の可変動弁装置。
  3. 【請求項3】前記給油口は、前記第1のカムのカム幅中
    央付近からオフセットされた位置に対応して開口されて
    なる請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 【請求項4】前記給油口は、その開口位置が前記第1の
    カムのカム幅中央付近から前記潤滑油通路の上流側に所
    定距離だけオフセットされてなる請求項3の内燃機関の
    可変動弁装置。
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