JP3507304B2 - 溶鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
溶鋼の連続鋳造方法Info
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Description
法、特に電磁攪拌によりモールド内側の溶鋼に推力を付
与して、溶鋼のメニスカス流を制御することにより欠陥
の少ない鋳片を製造する溶鋼の連続鋳造方法に関する。
の品質改善のためにモールド内の溶鋼の電磁攪拌が有効
である。このような電磁攪拌では、モールド内の溶鋼に
電磁攪拌による推力を付与することにより、モールド内
の溶鋼を流動させて、鋳片の表層部に発生するピンホー
ル(気泡)や鋳片の表層部に捕捉される介在物を洗い流
して低減している。従来の電磁攪拌方法として特開昭5
8−100955号公報には、連続鋳造鋳型壁に取付け
た電磁攪拌装置により、該鋳型内溶鋼を周壁に沿う水平
方向の循環流として流動させ攪拌するに当たり、複数個
の上記電磁攪拌装置で磁界強度を変化させることによ
り、該循環流を流れの方向に加速し、又は減速させて攪
拌を行う方法、及び連続鋳造鋳型の両長辺壁水平方向に
沿ってそれぞれ磁界強度の異なる複数個の電磁攪拌装置
を配設した溶鋼の攪拌装置が記載されている。さらに、
特開平8−174164号公報には、鋳片の表層部の気
泡や捕捉される介在物を効果的に除去するために、モー
ルド内のステンレス溶鋼の水平旋回流の流速v(cm/
sec)とモールドの広面幅w(cm)の積v・wが、
103 (cm2 /sec)以上104 (cm2 /se
c)以下となるように電磁攪拌装置への印加電流を調整
し、ステンレス溶鋼の水平旋回流の流速vを制御する方
法が示されている。
型(モールド)内に形成させる循環流(メニスカス流)
を鋳型内の複数箇所に設けた電磁攪拌装置により加速又
は減速して制御する特開昭58−100955号公報に
記載の方法では、以下に示すような問題点があった。 (1)浸漬ノズルにおけるノズル詰まり、タンディッシ
ュのストッパーヘッドの損耗等に起因した外乱、及び品
質調整作業上の理由等により鋳造速度あるいは鋳造量が
変動した場合には、メニスカス流を適正かつ安定な状態
に維持する手段がなく、モールド内の溶鋼に介在物が巻
き込まれて、鋳片の品質を低下させる。 (2)電磁攪拌装置を用いて、モールド内の溶鋼の減速
域において溶鋼流に急激なブレーキをかけるため、加速
域と減速域との境界部分で流れに淀みを発生し易い。
速とモールドの幅との積を指標として印加電流を制御す
る特開平8−174164号公報に記載のステンレス鋼
の連続鋳造方法では、以下のような問題点があった。 (1)同じ電流値でもモールドの形状、サイズ毎にその
電磁攪拌装置により発生する攪拌推力が異なるため、こ
れらの効果を補正した上で電流値の制御を行う必要があ
った。 (2)単に溶鋼の水平旋回流の流速とモールドの幅との
積を指標としているので、浸漬ノズルの詰まり、タンデ
ィッシュのストッパーヘッド等に起因した外乱が発生し
た場合に、水平旋回流が大きく変動して、前記v・w
が、103 〜104 cm2 /secの範囲でも、溶鋼の
加速域と減速域との境界等にメニスカス流の淀みが発生
する。 (3)モールド内の水平旋回流の流速を正確に測定する
ことが困難であり、実際に流速が変動した場合に、この
変動に迅速に対応して各電磁攪拌装置の電流値を制御す
ることが困難である。 本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ノズ
ル詰まり、タンディッシュのストッパーヘッド等に起因
した外乱、湯面変動等に的確に対応して、メニスカス流
における淀み点の発生を防止して、良好な品質の鋳片を
得ることができる溶鋼の連続鋳造方法を提供することを
目的とする。
記載の溶鋼の連続鋳造方法は、タンディッシュに保持す
る溶鋼を浸漬ノズルを介してモールドに注入して、該モ
ールドの鋳型壁に配置された電磁攪拌装置により該鋳型
壁に沿う方向の移動磁界を発生させ、前記モールド内の
溶鋼に推力を付与しながら該溶鋼を攪拌して鋳片を製造
する溶鋼の連続鋳造方法において、前記モールドの長辺
の両側にそれぞれ前記電磁攪拌装置を複数配置して、前
記溶鋼のメニスカス面に、前記鋳型壁に沿って旋回移動
するメニスカス流を形成させる推力を付与し、しかも前
記モールドの各長辺側における前記メニスカス流の上流
側の推力を高推力とし、該メニスカス流の下流側の推力
を低推力とする強弱攪拌を、前記モールドに注入される
溶鋼の鋳造量V(kg/sec)に応じて、前記メニス
カス流の上流側及び下流側にそれぞれ配置される前記電
磁攪拌装置の電流値i u (アンペア)、電流値i d (ア
ンペア)を下式(1)〜(4)に従って定めて行う。 i u =β・i 0 ----------------------------------------- (1)式 i d =α・β・i 0 ------------------------------------- (2)式 α=A 1 ・V 2 +B 1 ・V+C 1 、(0<α<1) -------- (3)式 β=A 2 ・V 2 +B 2 ・V+C 2 、(0<β≦1) -------- (4)式 但し、i 0 は基準電流値(アンペア)、A 1 、B 1 及び
C 1 はそれぞれ強弱攪拌比α(i d /i u )を規定する
強弱攪拌制御式(3)の定数、A 2 、B 2 及びC 2 はそ
れぞれ電流制御係数βを規定する電流制御式(4)の定
数である。 電磁攪拌装置は、複数の電磁コイルを直線上
に展開し、該複数の電磁コイルにそれぞれ位相の異なる
交流電圧を印加して、それぞれの電磁コイルに発生する
磁力を周期的に変動させることにより、一定方向に移動
する磁界を生成する装置である。そして、該磁界の移動
方向に溶鋼を移動させる推力を発生することができ、そ
の推力の大きさ、及びその正逆の方向を電磁攪拌装置に
流す電流値、及び交流の位相移動速度によって制御する
ことができる。
る値であり、300〜800アンペアとなるように設定
される。
法は、請求項1記載の溶鋼の連続鋳造方法において、前
記メニスカス流の上流側及び下流側にそれぞれ対に配置
される電磁攪拌装置が、それぞれ独立した電源装置によ
り駆動される。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1(a)、(b)はそれ
ぞれ本発明の一実施の形態に係る溶鋼の連続鋳造方法を
適用する連続鋳造設備の側断面図及び平断面図、図2
(a)、(b)はそれぞれ、電磁攪拌装置を用いない場
合のモールドの長辺方向における溶鋼の流れの説明図、
及び電磁攪拌装置の配置図、図3はメニスカス流の回転
モードを示す図、図4(a)、(b)、(c)、(d)
はそれぞれ連続鋳造における鋳造量、強弱攪拌比、電流
制御係数、及び電流値の時間変化を示す模式図、図5は
本実施の形態におけるメニスカス流速の説明図、図7は
鋳片の鋳片表面疵指標の比較図、図8は鋳片の介在物指
標の比較図、図9は鋳片の製品品質指標の比較図であ
る。
造方法を適用する連続鋳造設備10は、図1に示すよう
に、溶鋼12を保持して、その下部に浸漬ノズル14が
設けられたタンディッシュ11と、該溶鋼12を吐出孔
15を介してモールド13に注入するための浸漬ノズル
14と、モールド13のメニスカス面16の近傍の溶鋼
に必要な方向及び大きさの推力を付与するためにモール
ド13の長辺の両側に設けられた電磁攪拌装置31、3
2、33、34と、注入された溶鋼を冷却するモールド
13の幅と、溶鋼12の鋳造量あるいはメニスカス面1
6のデータが入力され、入力されたデータに基づいて電
磁攪拌装置31、32、33、34に流す電流値等を制
御するための制御装置17とを有する。
火物で内張りされた溶鋼容器であり、図示しない転炉等
で精錬され、所定の温度、成分に調整された溶鋼12を
保持する。浸漬ノズル14は、アルミナ黒鉛質からなる
略円筒型の耐火物であり、モールド13への溶鋼12の
注入の際に溶鋼12と大気とを遮断すると共に、底部に
設けられた吐出孔15から溶鋼12を吐出して、モール
ド13内に形成される溶鋼流及びメニスカス流を安定的
に制御する。ここで、図2(a)は、電磁攪拌装置3
1、32、33、34を用いない場合のモールド13の
長辺方向における断面の模式図である。浸漬ノズル14
の吐出孔15からモールド13の下部に向かって吐出さ
れる溶鋼流が鋳型壁18の下部で上昇して、溶鋼12の
メニスカス面16でモールド13の中心位置(浸漬ノズ
ル位置)に向かうメニスカス流となって、該中心位置の
近傍で下降することを示している。
型壁18に形成される凝固殻あるいはメニスカス面に配
置されるパウダー、浸漬ノズル14の表面と過剰に接触
して、表面疵を生成したり介在物を卷き込んだりして欠
陥の発生要因となる。また、図2(b)は図2(a)と
同一の方向から見た2台の電磁攪拌装置31、32の配
置図であり、電磁攪拌装置31、32に電流を流すこと
により溶鋼12のメニスカス面16に長辺側の鋳型壁1
8に沿って旋回移動するメニスカス流をそれぞれ制御す
ることができ、反対側の鋳型壁18にも図示しない2台
の電磁攪拌装置34、33が電磁攪拌装置31、32に
対向して設けられており、移動磁界を発生させることに
より溶鋼に旋回流速を付与する。この移動磁界の強さ及
び移動磁界の正逆方法は電磁攪拌装置31、32、3
3、34にそれぞれ流す電流値i1 、i2 、i3 、i4
によりそれぞれ制御でき、移動速度は、各周期変動の位
相移動速度(周波数)により定められる。ここで、図3
はメニスカス面16をモールド13の上方から見た概念
図であり、鋳型壁18を巡る旋回流となるようなメニス
カス流を形成させる回転モードを示している。なお、こ
こでは各電磁コイル間の位相移動速度(周波数)を例え
ば4.4Hz相当となるように設定した。
一実施の形態に係る溶鋼の連続鋳造方法について説明す
る。図1に示す前記電磁攪拌装置31、32、33、3
4にそれぞれ流す電流値i1 、i2 、i3 、i4 におい
て、iu =i1 =i3 、id =i2 =i4 として設定す
る。但し、それぞれの電磁攪拌装置31、32、33、
34により発生する移動磁界は、図1(b)に示すよう
にメニスカス面16の鋳型壁18に沿う、例えば右回り
の旋回流が形成されるようにする。そして、電流値id
とiu との比(id /iu )を強弱攪拌比(α)、また
電磁攪拌装置31、33に流す電流値i1 、i3 (i
u )とその最大電流値である基準電流値i0 との比(i
u /i0 )を電流制御係数(β)と定義する。この電流
制御係数(β)は電磁コイルに流れる電流の絶対値を制
御する係数である。従って、上流側となる電磁攪拌装置
31、33に通電されるそれぞれの電流値はiu =i1
=i3 =β・i0 となり、一方下流側となる電磁攪拌装
置32、34にそれぞれ通電される電流値はid =i2
=i4 =α・β・i0 となる。
磁攪拌装置31、32、33、34に流れる電流値i
1 、i2 、i3 、i4 を制御するものであり、前記の強
弱攪拌比αと電流制御係数βを制御パラメーターとして
いる。これらの制御パラメーターα、βは、鋳造量Vを
変数とする以下の二次式(3)、(4)によってそれぞ
れ表わすことができる。なお、鋳造量V(kg/se
c)は鋳片の引き抜き速度Vc (m/sec)、鋳造鋳
型の長辺の長さW(m)、鋳造鋳型の短辺の長さL
(m)、及び溶鋼の密度D(kg/m3 )とのそれぞれ
の積(D・Vc ・W・L)である。 α=A1 ・V2 +B1 ・V+C1 、(0<α<1)・・・・・・(3)式 β=A2 ・V2 +B2 ・V+C2 、(0<β≦1)・・・・・・(4)式 ここで、A1 、B1 、C1 、A2 、B2 、及びC2 の各
係数は、実操業でのデータに基づいて決定される定数値
である。
のメニスカス流を与えるα、βの値を実験的に測定し
て、多数の(V、α)及び(V、β)からなる二次元デ
ータを蓄積しておく。このように鋳型壁18に沿う旋回
流が形成され、かつ淀み点のないメニスカス流の状態に
おいては、溶鋼12の凝固した鋳片の中心部分(内質)
における介在物等を必要以上に増加させて悪化させるこ
となく、しかも鋳片の表層部分の介在物を分散させて均
一化させることができる。そして、前記Vと、α又はβ
との関係が二次元座標上の二次式で近似されるものとし
て、それぞれの二次式の係数A1 、B1 、C1 と、A
2 、B2 、及びC2 を例えば最小自乗法を用いて定める
ことができる。なお、前記鋳造量V(=D・Vc ・W・
L)の代わりに、Vc とWとの積(Vc ・W)を変数と
見なして、即ち、V=K・(Vc ・W)(但しKはDと
Lの積である定数)を前記二次式に代入してこれを用い
ることもできる。溶鋼12の密度Dは鋼種毎のデータに
基づいて決定される定数である。
V、強弱攪拌比α、電流制御係数β、及び電流値i1 、
i3 (=iu )、i2 、i4 (=id )の時間変化を示
す模式図である。まず、鋳造開始後の任意の時刻t0 に
おいて、鋳造量V0 を取得する。なお、鋳造量V0 は、
浸漬ノズル14とタンディッシュ11の底部の間に配置
された図示しないスライディングノズルの開度、あるい
は図示しないストッパーヘッドの位置制御等から求める
こともできるが、タンディッシュ11へ注入される溶鋼
量及びタンディッシュ重量の変化量に基づいて算出して
もよい。また、引き抜き速度Vc を測定して、この引き
抜き速度Vc に鋳造面積(W・L)及び溶鋼密度Dを乗
じることにより鋳造量Vを設定することもできる。そし
て、時刻t0 における強弱攪拌比α0 、電流制御係数β
0 を強弱攪拌制御式(3)及び電流制御式(4)に鋳造
量V0 を代入してそれぞれ算出して、その時刻t0 にお
ける電磁攪拌装置31、33、32、34に流す電流値
i1 、i3 、i2 、i4 をそれぞれ図4(d)に示すよ
うに設定することができる。
3 、i4 に基づいて電磁攪拌装置31、32、33、3
4を作動させ、このような操作を時間的に連続して行う
ことにより、鋳造量Vの変動に対応した連続鋳造を行う
ことができる。表1にZnめっき鋼板、一般ブリキ材に
対して適用した場合の諸元、及び鋳造結果を示す。ここ
で電流値iu (=i1 =i3 )、id (=i2 =i
4 )、及び鋳造量等は実施例中における代表値(平均
値)であり、いずれの場合でも従来例(特開昭58−1
00955号公報に記載)による適用結果に較べて極め
て良好な結果(◎)を得ることができた。
て予め組み込まれているプログラムに従って強弱攪拌比
α、電流制御係数βを算出する制御方法を適用したが、
制御装置17を用いることなく、オペレータが自身で計
算して、この計算結果に基づいて各電流値i1 、i2 、
i3 、i4 を制御してもよい。また、高推力を発生させ
る電磁攪拌装置31、33と、低推力を発生させる電磁
攪拌装置32、34とはそれぞれ独立した2基の図示し
ない電源装置を用いて駆動させることができ、より簡単
に安定した制御を行うことができる。この結果、図5に
示すように、モールド13の一長辺側における溶鋼12
の鋳型壁18に沿う方向のメニスカス流速の分布(実線
で示す、最大速度は約25〜50cm/sec)は緩や
かな逆U字型となって、淀み点及び巻き込みのない理想
的な制御が可能となった。なお、実線で示す矢印は電磁
攪拌装置33、34により発生させる推力の大きさ及び
その方向を示しており、破線で示す曲線はモールド13
内に形成されるメニスカス流の動きを示している。他方
の長辺側にもモールド中心(浸漬ノズル位置)を点対称
とするような旋回流となるメニスカス流が形成される。
また、図5における1)及び2)の一点鎖線はそれぞれ電磁
攪拌装置33、34による溶鋼の加速の様子を概念的に
表わしており、立ち上がり角度θ1 、θ2 はそれぞれ電
磁攪拌装置33、34の推力の大きさに相当する。
辺側鋳型壁の上流側においてメニスカス流に付与する推
力、及び下流側における推力の大きさを、鋳造量Vに応
じて前記の強弱攪拌比αと電流制御係数βを決定して、
調整することによりメニスカス流の極端な変動を抑制す
ることができる。これにより、メニスカス流の短辺側鋳
型壁への衝突流が緩和されて、メニスカス面16に存在
するパウダーの溶鋼中への巻き込みを少なくして、鋳片
中への介在物の混入が抑制される。次に、電磁攪拌装置
31〜34の各電流値をそれぞれi1 〜i4 とした場合
に、各電磁攪拌装置31〜34の電流値をi1 =i2 =
i3 =i4 とし、電流の絶対値の電流制御係数(β)
を、鋳造量V(kg/sec)に対応して可変を行って
自動車用鋼板の鋳造に適応した場合の諸元、及び鋳造結
果について表2に示す。ここで、鋳造量は50.7(k
g/sec)とし、その時の電流値はiu (i1 、i
3 )=id (i2 、i4 )として、前述の攪拌と同様に
メニスカス面16の鋳型壁18に沿った右回りの旋回流
を形成して鋳造を行った。その結果は、表面疵、介在
物、製品品質共に良好(○)であった。
−100955号公報に記載)の長辺側の鋳型壁におけ
るメニスカス流速の分布図を示しており、この場合には
メニスカス流の上流側に電磁攪拌装置51、52を用い
て加速域を形成して、その下流側にメニスカス流に対し
て逆向きとなるような推力を付与する減速域を電磁攪拌
装置53により発生させるので、前記加速域との境界部
に淀み点が生成し易くなることを示している。
来例の連続鋳造の場合、2)鋳造量Vの所定期間内におけ
る平均の実績値に基づいて強弱攪拌比α、電流制御係数
βを調整して連続鋳造を行った場合、及び3)鋳造量Vに
応じて強弱攪拌比α、電流制御係数βを調整した連続鋳
造の場合についてそれぞれ得られる鋳片の鋳片表面疵指
標、介在物指標、及びヘゲ、スリバー等の製品品質指標
を比較したものである。図から明らかなように本実施の
形態における2)及び3)は、従来例の1)に較べて、顕著な
改善効果を奏することが分かる。
本発明はこのような実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態においては、上流側
と下流側のそれぞれ2台の電磁攪拌装置を設ける場合に
ついて述べたが、両者間に3台以上の電磁攪拌装置を配
置して、より細かくメニスカス流の制御を行うことも可
能である。
法においては、モールドの長辺の両側にそれぞれ電磁攪
拌装置を複数配置して、溶鋼のメニスカス面に鋳型壁に
沿って旋回移動するメニスカス流を形成させる推力を付
与するので、メニスカス流の状態をきめ細かく制御する
ことができ、鋳型壁とメニスカス流との過剰な接触によ
る、溶鋼中への介在物の混入を抑制できる。そして、前
記モールドに注入される溶鋼の鋳造量に応じて、複数の
前記電磁攪拌装置で発生させる前記推力の大きさを調整
するので、前記メニスカス流の淀み点の発生を抑制し
て、生産調整、浸漬ノズル詰まり等の要因により鋳造量
が大幅に変動しても、パウダーあるいは介在物の巻き込
みのない鋳片を安定的に製造することができる。
動に応じて、モールドの各長辺側におけるメニスカス流
の上流側及び下流側にそれぞれ配置される電磁攪拌装置
の電流値iu 、電流値id を特定の関係式に従って定め
るので、迅速かつ効率的にメニスカス流の適正制御が可
能となり、さらに品質の良好な鋳片を製造できる。そし
て、請求項2記載の溶鋼の連続鋳造方法においては、メ
ニスカス流の上流側及び下流側にそれぞれ対に配置され
る電磁攪拌装置が、それぞれ独立した電源装置により駆
動されるので、電流値による電磁攪拌装置の制御を簡単
に行える。
形態に係る溶鋼の連続鋳造方法を適用する連続鋳造設備
の側断面図及び平断面図である。
いない場合のモールドの長辺方向における溶鋼の流れの
説明図、及び電磁攪拌装置の配置図である。
続鋳造における鋳造量、強弱攪拌比、電流制御係数、及
び電流値の時間変化を示す模式図である。
である。
る。
鋼、13:モールド、14:浸漬ノズル、15:吐出
孔、16:メニスカス面、17:制御装置、18:鋳型
壁、31:電磁攪拌装置、32:電磁攪拌装置、33:
電磁攪拌装置、34:電磁攪拌装置、51:電磁攪拌装
置、52:電磁攪拌装置、53:電磁攪拌装置
Claims (2)
- 【請求項1】 タンディッシュに保持する溶鋼を浸漬ノ
ズルを介してモールドに注入して、該モールドの鋳型壁
に配置された電磁攪拌装置により該鋳型壁に沿う方向の
移動磁界を発生させ、前記モールド内の溶鋼に推力を付
与しながら該溶鋼を攪拌して鋳片を製造する溶鋼の連続
鋳造方法において、 前記モールドの長辺の両側にそれぞれ前記電磁攪拌装置
を複数配置して、前記溶鋼のメニスカス面に、前記鋳型
壁に沿って旋回移動するメニスカス流を形成させる推力
を付与し、しかも前記モールドの各長辺側における前記
メニスカス流の上流側の推力を高推力とし、該メニスカ
ス流の下流側の推力を低推力とする強弱攪拌を、前記モ
ールドに注入される溶鋼の鋳造量V(kg/sec)に
応じて、前記メニスカス流の上流側及び下流側にそれぞ
れ配置される前記電磁攪拌装置の電流値i u (アンペ
ア)、電流値i d (アンペア)を下式(1)〜(4)に
従って定めて行うことを特徴とする溶鋼の連続鋳造方
法。 i u =β・i 0 ----------------------------------------- (1)式 i d =α・β・i 0 ------------------------------------- (2)式 α=A 1 ・V 2 +B 1 ・V+C 1 、(0<α<1) -------- (3)式 β=A 2 ・V 2 +B 2 ・V+C 2 、(0<β≦1) -------- (4)式 但し、i 0 は基準電流値(アンペア)、A 1 、B 1 及び
C 1 はそれぞれ強弱攪拌比α(i d /i u )を規定する
強弱攪拌制御式(3)の定数、A 2 、B 2 及びC 2 はそ
れぞれ電流制御係数βを規定する電流制御式(4)の定
数である。 - 【請求項2】 前記メニスカス流の上流側及び下流側に
それぞれ対に配置される電磁攪拌装置が、それぞれ独立
した電源装置により駆動されることを特徴とする請求項
1記載の溶鋼の連続鋳造方法。
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