JP3507282B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置

Info

Publication number
JP3507282B2
JP3507282B2 JP15429897A JP15429897A JP3507282B2 JP 3507282 B2 JP3507282 B2 JP 3507282B2 JP 15429897 A JP15429897 A JP 15429897A JP 15429897 A JP15429897 A JP 15429897A JP 3507282 B2 JP3507282 B2 JP 3507282B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
recording material
power
fixing device
frequency current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP15429897A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10333489A (ja
Inventor
宏 真野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP15429897A priority Critical patent/JP3507282B2/ja
Publication of JPH10333489A publication Critical patent/JPH10333489A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3507282B2 publication Critical patent/JP3507282B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセス
で形成される現像剤(トナー)像を磁気誘導加熱により
定着せしめる定着装置、及びこの定着装置を備えた画像
形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置では、ハロゲンヒー
タを対向する金属ローラ内部に配置して、ハロゲンヒー
タの発する熱で金属ローラを加熱し、その熱によって、
対向する金属ローラ間にプリント紙を通紙して定着を行
なうのが一般的な手法であった。
【0003】ところが、近年提案した定着方式として、
加熱の電力付与が、高周波磁界をコイルの外部に設けら
れた金属フィルムに直接結合させることにより為し、加
熱した金属フィルムと対向し配置された加圧ローラとの
間に未定着トナーで現像されたプリント紙を通紙しつ
つ、誘導加熱によって加熱した熱により上記未定着トナ
ーを溶融して定着を行なう方式を提案している。その概
略図を図13に示す。
【0004】図13に於いて、加熱用の界磁コイル5
(以下、コイルと略称する。)と、加圧ローラ9の回転
に従動して回転する円筒状の被加熱部材たる定着フィル
ム10が図示したように配置され、コイル5に供給され
た励磁電流により発生した磁束が効率良く定着フィルム
10の有する金属フィルムに結合し、以て、金属フィル
ムの表面に渦電流を発生せしめ、その渦電流による抵抗
損によって効率良く発熱を生じさせるものである。尚、
コイル5の内部には、効率良く磁束が金属フィルムに結
合、貫通するように、フェライトコア13が備えられて
いる。
【0005】 このような方式の加熱を用いることによ
って定着フィルム10自身に加熱電力を付与するため、
熱エネルギを効率良く目的のプリント紙表面に伝えるこ
とが可能となり、不な部分を加熱することなく、ま
た、熱伝達経路がシンプルな構成となって、熱時定数を
小さくできるので、高速な応答(加熱)が実現できる利
点を持っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述に
て説明したように、高速応答の加熱モデルは実現できた
としても、実際に温度を従来から用いているサーミスタ
温度センサ11(以下、サーミスタと略称する。)等を
用いて検出し、検知された温度値等に応じてフィードバ
ックを行ない温度制御を行なってもサーミスタ11の応
答スピードの遅れ要素の為、温度制御モデルの中にセン
サの大幅な遅れ要素が入ってしまい、その結果、フィー
ドバック制御系が発振したり、系が不安定となり温度の
一様性を損なう等の不都合が生じていた。
【0007】上述にて説明したように、実際に温度検出
を行なっているサーミスタ11は通常この種の装置で用
いられているものでは、応答スピードが2〜3秒程度と
なっている。故に、サーミスタ11で温度を検出して制
御を行なっても、図13(b)に示す様に、対象の加熱
装置の高速応答の有利点が逆に温度のオーバシュートを
発生したり温度のリップルを発生してしまう。そこで制
御フィードバックにPID技術を取り込み制御の安定化
を行なうことが一般的手法として考えられるが、理想的
なPID手法でフィードバックを行なった際にも、検出
時定数のために結果的に2〜3秒の応答しか得られない
といった技術課題があった。
【0008】当然、解決方法として、高速応答を可能に
すべくサーミスタチップの薄肉化や非接触赤外温度セン
サ等が考えられるが、いずれも技術的難易度とコストア
ップとが伴ない現実的ではない。そのため、十分に磁気
誘導加熱の利点である高速加熱の利点を活かすことがで
きなかった。
【0009】このように、従来用いていた検出回路でそ
のままフィードバックを行なっても、求める高速応答で
外乱を抑圧し安定した温度制御を実現することが困難で
あった。
【0010】つまり、上述を要約すると、加熱部に誘導
加熱を用いた定着方式を導入した際にその温度制御も周
知のごとく高速な検出応答を示す必要がある。ところ
が、通常の温度センサであるサーミスタ温度センサ等に
よる温度フィードバックでは通紙状態に於ける温度外乱
周期が速いことと、更に、外乱のレベルの大きいことか
ら、通紙時に温度制御回路を形成してもそのフィードバ
ック回路のループ制御スピードが遅れ、プリント用紙に
十分に安定した温度(電力)を付与することが困難であ
った。
【0011】そこで、本発明は、オーバーシュート及び
温度リップルを抑えることにより、良好なカラー画像を
形成でき、また定着装置の寿命を著しく改善し、さらに
高速化を図って、かつ低コストの定着装置及び画像形成
装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本出願に係る第1の発明
によれば、上記目的は、記録材上の未定着トナー像を定
着する定着装置において、発熱金属体層を含む無端状
ィルムを有する第1部材と、該第1部材に圧接しながら
回転自在に配設され、上記無端状フィルムとともに記録
材を挟持搬送する第2部材と、上記発熱金属体層渦電
流を発生させる高周波磁界を与えるための界磁コイル
と、上記界磁コイルに高周波電流を供給する高周波電流
供給手段と、上記第1、第2加圧部材の圧接部より記録
材の搬送方向上流で記録材を検出する記録材検出手段と
を備え、上記高周波電流供給手段は、上記記録材検出手
段による記録材検出に基づくタイミングからの経時的な
電力供給パターンが予め設定されたパターンになるよう
に、上記界磁コイルに供給する高周波電流を制御るこ
とにより達成される。
【0013】 また、本出願に係る第2の発明によれ
ば、上記目的は、上記第1の発明において、上記高周波
電流供給手段は、上記記録材の非挟持搬送時、圧接部周
辺の温度に基づいて上記界磁コイルに供給される高周波
電流にフィードバック制御することで達成される。
【0014】 さらに、本出願に係る第3の発明によれ
ば、上記目的は、上記第1の発明または第2の発明にお
いて、上記高周波電流供給手段は、スイッチング手段
と、該スイッチング手段に与えられる駆動パルスを発生
する駆動パルス発生手段とを備え、該駆動パルス発生手
段は、電力供給パターンに応じた電力が界磁コイルに供
給されるようにパルス幅変調された駆動パルスを発生す
ことにより達成される。
【0015】 また、本出願に係る第4の発明によれ
ば、上記目的は、上記第1の発明ないしの発明にお
いて、上記圧接部周辺に配設された温度検出手段及び
磁コイルに供給された電力を計測する計測手段の少なく
とも一方を備え、電力供給パターンは、挟持搬送直前に
おける上記温度検出手段の検出温度又は上記計測手段の
計測電力の平均値、及び挟持される記録材のサイズに基
づいて決定されることにより達成される。
【0016】 さらに、本出願に係る第5の発明によれ
ば、上記目的は、上記第1ないし第4の発明の定着装置
と、像担持体上に画像情報に基づいて形成された静電潜
像を、トナー像に現像し、記録材上に転写せしめる画像
形成部とを有することにより達成される。
【0017】 つまり、本出願に係る第1の発明によれ
ば、界磁コイルに高周波電流を供給すると、該界磁コイ
ルには高周波磁界が発生し、第1部材の無端状フィルム
に形成されている発熱金属に磁気結合し、磁気が及ぼ
す渦電流損によって該発熱金属を加熱し、直接に記録
材上の未定着トナー像を加熱せしめる。第1部材の無端
フィルムと第2部材の圧接部に記録材が進入すると、
発熱金属の熱が記録材に奪われて、急峻な温度変化が
生じ、これに温度検出手段の応答性の遅れが加わると、
挟持搬送時における温度の安定性が害されるおそれがあ
るが、挟持搬送時における上記界磁コイルに供給する電
力は、記録材に奪われる熱量分を考慮して予め設定され
、記録材検出に基づくタイミングからの経時的電力
パターンに基づいて制御されるので、上述のように急
峻な温度変化を発生させず、温度安定性を維持する。
出願に係る第2の発明によれば、上記高周波電流供給手
段は、上記記録材の非挟持搬送時、圧接部周辺の温度に
基づいて上記界磁コイルに供給される高周波電流にフィ
ードバック制御する。
【0018】 また、本出願に係る第の発明によれ
ば、界磁コイルに高周波電流を供給する高周波電流供給
手段は、スイッチング手段と該スイッチング手段に与
えられるパルスを発生する駆動パルス発生手段とを備
え、該駆動パルス発生手段は、電力供給パターンに応じ
た電力が界磁コイルに供給されるようにパルス幅変調さ
れた駆動パルスを発生するので、界磁コイルに供給され
る電力オーバーシュート及び温度リップルの発生
られる。
【0019】
【0020】 また、本出願に係る第4の発明によれ
ば、界磁コイルに供給された電力を計測する計測手段を
備え、電力供給パターンは、挟持搬送直前における上記
温度検出手段の検出温度または上記計測手段の計測電力
の平均値及び挟持される記録材のサイズに基づいて決定
されるので、記録材の吸熱が行われない最も安定した電
力負荷条件下での温度に基づき、温度検出手段の検出遅
れに影響されることなく、安定した電力制御が行われ
る。しかも、挟持される記録材のサイズも考慮されるの
で、記録材のサイズに応じた適切な電力制御が行われ
る。
【0021】 さらに、本出願に係る第5の発明によれ
ば、上記定着装置を備えた画像形成装置を得る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0023】(第1の実施形態)まず、本発明の実施の
形態を図1ないし図8に基づいて説明する。図1は、定
着装置を備えた画像形成装置の概略構成を示した図、図
2はフィルム加熱方式を用いた定着装置を示す図、図3
は本実施形態の制御による立ち上げ直後の温度変化を示
す図、図4は本発明の誘導加熱コイルの高周波コンバー
タを接続し、磁気誘導により温度検出及び温度制御を行
った全体モデル、図5は制御回路を含む制御方式の一例
を示した図、図6は界磁コイルに供給される電流の波形
を示した図、図7は電力パターンを用いた制御による温
度変化を示す図、図8は入力電圧に過大電圧が入力され
た場合等のトラブルが生じた場合の界磁コイルに供給さ
れる電流の波形を示した図である。
【0024】図1において、71は電子写真の像形成を
行う像担持体たる感光体ドラムであり、矢印方向に回転
自在に配設されている。この感光体ドラム71を帯電器
72により帯電し、レーザビームスキャナ73により画
像情報に応じたレーザ光Lの照射を行うと、この感光体
ドラム71上には静電潜像が形成され、この静電潜像は
現像装置74の現像ローラ74aに担持されたトナーに
よりトナー像として現像される。
【0025】一方、カセット75に収容された記録材た
るプリント紙12は、給送ローラ76により一枚ずつ給
送され、搬送部77を経由して搬送ローラ78により上
記感光体ドラム71側へと搬送される。そして、ガイド
79により、感光体ドラム71と転写ローラ80との圧
接部82へプリント紙12が案内されると、上記トナー
像は電源81から高電圧が印加された転写ローラ80に
よりプリント紙12上に転写され、搬送部84を介して
定着装置85へと搬送される。
【0026】 この定着装置85は、第1部材として
ィルム部材たる無端状の定着加熱フィルム(以下、定着
フィルムとする)1と、第2部材として加圧部材たる定
着加圧ローラ(以下、加圧ローラとする)2が圧接する
ように配設されており、上述した画像形成部から搬送さ
れてきた上記プリント紙12が定着前センサ(記録材検
出手段)16を通過することにより、定着フィルム1と
加圧ローラ2は回転を始め、後述する加熱手段を所定温
度まで上昇させる。
【0027】そして、未定着トナー像が転写されたプリ
ント紙12が、このニップに挟持されると、トナー像及
びプリント紙12に熱が伝達され、さらに上記ニップ部
にて加圧することにより、プリント紙12上のトナーを
溶融し、プリント紙12の繊維内に染み込ませ、定着さ
せる。
【0028】さらに、この定着の終了したプリント紙1
2が排紙センサ17を通過すると、定着フィルム1と加
圧ローラ2の回転は停止され、プリント紙12が排出ト
レイ86上に排出されることにより画像形成が終了す
る。なお、転写の際に、プリント紙12上に転写されず
に感光体ドラム71上に残ったトナーはクリーニング手
段83によりクリーニングされ、次の画像形成に備える
ようになっている。
【0029】次に、この画像形成装置における定着装置
を図2に基づいて詳しく説明する。本実施形態の定着装
置は、図2に示すように、加熱手段として、定着フィル
ム1内部に配設した界磁コイル3と、該界磁コイル3に
対向させた発熱金属体4を備えており、上記界磁コイル
3には、上記界磁コイル3に高周波電流を供給する手段
である高周波コンバータ30が接続されている。
【0030】この高周波コンバータ30については後に
詳細に説明するが、この高周波コンバータ30から発生
される高周波電流を、定着フィルム1内部に図2の如く
配置された界磁コイル3に供給すると、界磁コイル3
は、高周波電流によって発熱金属体4の内面に高周波磁
界を与え、これにより発熱金属体4に渦電流が発生し、
発熱金属体4は渦電流損により発熱する。
【0031】そこで、本実施形態では、発熱金属体4と
して定着フィルム1表面に金属箔、例えば、ニッケル等
の磁性金属をラミネートすることにより、直接トナー像
に接する定着フィルム1表面を加熱させるように構成し
たものである。
【0032】また、このような構成をとった場合、その
磁束は、起磁力を与えるコイル中央部から始まりコイル
中央部に帰ってくる一巡ループを、最小限の磁気抵抗の
ルートで、即ち、空間(μ0)や非磁性金属部分を最小
にした経路を辿る系を形成する。従って、界磁コイル3
の内部には、効率良く磁束が発熱金属体4に結合、貫通
するように、透磁率の高い部材が備えられており、磁路
を形成している。
【0033】そして、上記のように直接加熱を行う定着
フィルム1と、加圧ローラ2とで形成されるニップ部に
近接した部位に、温度検出手段たる温度検出サーミスタ
(図示せず)を取り付け、該温度検出サーミスタからの
温度情報により、従来公知の比例積分制御(以下、PI
制御とする)を用いてフィードバック制御を行うことに
より、一次伝達のレベルとなる極めて簡単な熱モデルに
おいて、温度変化に対する追従性の優れた温調が行われ
るので、温度リップルを減少させることができる。
【0034】従って、図3に示すように、電源投入時に
おけるオーバーシュートを無くし、スタンバイ状態にお
ける温度を、目標温度に忠実に維持させることができ
る。
【0035】しかしながら、いくら高速な制御回路及び
加熱回路が構成できたとしても、一般的にこの種の装置
で用いられる温度検出サーミスタの応答速度は、通常
3.5秒といった時定数をもっており、そのフィードバ
ック温度の情報に応答遅れが存在するため、結果として
温度検出サーミスタのスピードに依存した結果しか得ら
れない。
【0036】この応答遅れにより生じる目標温度からの
ずれは、スタンバイ時や紙間時においては急峻な温度変
化が発生しないため、それ程大きなものではなく、ま
た、定着性に影響を与えるものではないので、あまり問
題とはならない。しかし、通紙初期においては、定着フ
ィルム1と加圧ローラ2のニップに紙が突入した際に、
紙に多くの熱量を奪われて急峻な温度変化が発生するた
め、上記応答遅れにより生じる目標温度からのずれは大
きなものとなり、紙の先端部分における定着が不十分な
ものとなることがあった。
【0037】また、通紙中においては、温度検出サーミ
スタの情報に基づいてPI制御を行っても、紙に奪われ
る熱量分のために、スタンバイ時や紙間時に比べると、
外乱を受ける温度の振幅や温度の周波数成分が高くなる
ため結果として紙後端における温度低下や温度ムラを生
じる場合があった。
【0038】さらに、排紙直後においては、紙に奪われ
る熱量分がなくなるために、急峻な温度変化が生じ、上
記のような応答遅れにより、図16に示すようなオーバ
ーシュートを生ずることがあった。
【0039】そこで、本発明においては、通紙中は温度
検出サーミスタの情報に基づくPI制御を行うのではな
く、紙に奪われる熱量を考慮して一義的に決定した電力
パターンに基づくPI制御を行うことによって、通紙期
間強制的に電力供給することにより、紙の後端での温度
低下や、温度ムラ等を無くすようにした。
【0040】紙に供給すべき電力に関しては、文献等に
よれば、3.6[W/平方cm]といった電力であり、
スループットを一定として取り扱えば、時間に対し一次
の関数である。
【0041】仮に用紙サイズをA4幅(21[cm])
で搬送し、スループットをS[cm/秒]、用紙突入か
らの経過時間をt[秒]とすれば、
【0042】
【数1】P(t)=3.6[W/平方cm]×21[c
m]×S[cm/秒]×t[秒]=75.6×S×t
[W]
【0043】となる。従って、A4サイズ紙について
は、t秒毎に75.6×S[W]の電力を供給すること
によって、用紙先端から用紙後端に至るまで安定した温
度を達成することが可能となる。
【0044】そして、以上のような一時関数で表される
電力をPI制御により供給するための電力パターンは、
ほぼ一次関数を達成するカーブとなり、紙サイズに応じ
て複数の電力パターンを用意しておくことにより、全て
の用紙について通紙期間中の温度低下及び温度ムラ等を
無くすことができる。
【0045】詳細には定着装置で常時放出する損失電力
を上記項に常に加えた電力で制御することが必要であ
る。そこで、定着装置自身が常時放出する損失電力を、
安定した負荷条件下である紙間またはスタンバイ時にお
いて検出した温度値によって算出し、算出した損失電力
を加算して電力パターンを選定すればよい。この損失電
力の算出の際には、上述した応答遅れを考慮して、温度
検出サーミスタからの情報に基づいて紙間及びスタンバ
イ時における平均温度を算出し、この平均温度に基づい
て損失電力を算出すれば良い。
【0046】以上のような本発明の電力制御を実現する
ための高周波コンバータ30のブロック図を図4に示
す。図4において、ラインから入力される商用交流は、
両波整流器200で整流され、界磁コイル3の一端に接
続したスイッチング手段たるパワーFET201により
高周波スイッチングされて高周波電流として界磁コイル
3に供給される。これにより、発熱金属体4を備えた定
着フィルム1に高周波渦電流が発生し誘導加熱現象が生
じる。そして、この加熱による温度を定着フィルム1と
加圧ローラ2で形成されるニップ部に近接した部位に取
り付けられた温度検出手段たる温度検出サーミスタ10
6により検出し、該温度検出サーミスタ106の検出情
報は温度検出回路107に送られる。温度検出回路10
7は、周知の抵抗ラダーによって検出情報を電圧として
変換後、オペアンプにより必要なレベルまで増幅し、電
圧値として電力パターン選定回路108に出力する。
【0047】電力パターン選定回路108は、定着前セ
ンサ16及び排紙センサ17により通紙中であるか否か
を判断し、通紙中ではなく、紙間またはスタンバイ中で
あると判断した場合には、内部に記憶された紙間または
スタンバイ中での目標温度(基準電圧)と、上記温度検
出回路107からの出力とを比較増幅し、電圧値として
駆動パルス発生手段たる制御回路109に出力する。
【0048】一方、通紙中であると判断した場合には、
上記温度検出回路107から出力された電圧値、及び紙
サイズに応じた電力パターンを選定すべく、電圧値をブ
ロック分割し、各部のブロックに対応させた加熱電力パ
ターンを複数のメモリ情報内から選定設定する。そし
て、設定されたメモリパターンを順次シーケンス時間と
共に読み出すクロックレートによって時系列状にメモリ
より順次電圧値として制御回路109に出力する。
【0049】以上のようにして制御回路109に出力さ
れた値は、その瞬時瞬時のパルス幅変調の目標値であ
り、制御回路109は本目標値に従って、パルス幅をコ
ントロールすべく変調回路の三角波スライスレベルを変
化させる。
【0050】このように制御することにより、電源投入
後においては、立ち上がりが早く、かつ、オーバーシュ
ートを生ずることがなく、また、紙間及びスタンバイ中
においては、非常に温度リップルが少なく安定した目標
温度の維持が行われ、さらに、通紙中においても、温度
低下及び温度ムラのない安定した目標温度の維持が行わ
れ、かつ、排紙直後におけるオーバーシュートを無くす
ことができる。
【0051】図5を用いて上記のような高周波コンバー
タ30の具体例について説明する。図5において、ライ
ンから入力される商用交流は、両波整流器たる整流ブリ
ッジ200で整流され、界磁コイル3の一端に接続した
パワーFET201により高周波スイッチングされて高
周波電流として界磁コイル3に供給される。これによ
り、発熱金属体を備えた定着フィルム1に高周波渦電流
が発生し誘導加熱現象が生じる。なお、定着フィルム1
の発熱金属体は、上記説明したような磁気結合が形成さ
れているので、図5に示すように丁度電源のスイッチン
グトランスと同じ等価回路で示している。
【0052】そして、この加熱による温度を定着フィル
ム1と加圧ローラ2で形成されるニップ部に近接した部
位に取り付けられた温度検出サーミスタ106により検
出し、該温度検出サーミスタ106の検出情報は温度検
出回路107に送られる。温度検出回路107は、抵抗
ラダー212によって検出情報を電圧として変換され、
オペアンプ215により必要なレベルまで増幅され、電
圧値として電力パターン選定回路108に出力される。
【0053】電力パターン選定回路108に出力された
電圧は、ブロック化回路216において、図7で示した
ように紙間温度の検出に応じて、電力の値を変更してや
ることで安定した通紙温度を得ることが可能である。
【0054】そこで、メモリ内部には電力制御を行なう
に際し、紙間時に於ける平均温度値によって、紙間平均
温度が低ければ高い電力パターンを選定し、逆に紙間平
均温度が高ければ低い電力パターンを選定することが可
能なように、メモリバンクが設けられており、この電力
パターンのメモリバンク切替信号を生成する為に温度値
を入力としてメモリバンクを指定するブロック化(紙間
の平均温度を求めバンク切替処理信号の生成)を行なう
ように構成してある。
【0055】メモリ217に於いて、上記説明したブロ
ック化データをメモリバンク切替信号として、紙サイズ
に応じて電力パターンが選定設定され、クロックレート
に従って、切替回路218を経て制御回路109の電力
パターン出力端子42に出力される。
【0056】しかし、この切替回路218には、メモリ
217からの電力パターンだけでなく、上記オペアンプ
215からの電圧値も出力されており、切替回路218
にて定着前センサ16及び排紙センサ17により通紙中
ではないと識別された場合には、通常のPI制御を行う
ため、上記メモリ217からの出力を行わず、オペアン
プ215の出力を直接に制御回路109のフィードバッ
ク端子41に出力する。
【0057】制御回路109には、オペアンプ34及び
トランジスタ20〜27等により構成されるカレントミ
ラー回路が配設されており、端子36に接続された抵抗
37に流れる電流を、該カレントミラー回路によりコン
デンサ33に充放電させることで三角波の波形を生成し
ている。
【0058】この三角波は、コンパレータ45に出力さ
れるが、該コンパレータ45は上記電力パターン端子4
2及び誤差増幅器44と接続されており、該コンパレー
タ45にて、上記電圧パターンまたは基準電圧46が与
えられた誤差増幅器44では切替回路から送られた温度
検出信号の入力に対して基準電圧(温度目標値)と比較
した差電圧を比例積分信号として出力する、出力により
三角波のしきい値を変化させて電力スイッチング半導体
201のゲート信号のオン幅のパルス幅変調を行なって
いる。
【0059】つまり、上記切替回路218により電力パ
ターン出力の選択が行われた場合には、電力パターン端
子42を介して電力パターンがコンパレータ45に出力
され、上述したように損失電力及び紙に奪われる熱量分
を考慮した電力を界磁コイル3に供給するべくパワーF
ET201へのパルス出力が行われる。
【0060】一方上記切替回路218によりオペアンプ
44の出力選択が行なわれた場合には、オペアンプ44
の出力がコンパレータ45に入力される誤差増幅器44
にて、紙間及びスタンバイ中の目標温度に対応する基準
電圧46と、オペアンプ44との組合せで温度検出信号
の入力に対して基準電圧(温度目標値)と比較した差電
圧を比例積分信号として出力する外部に取り付けてある
抵抗47及び、コンデンサ48はフィードバック制御に
於ける位相補正を行なっている。
【0061】オペアンプ44で生成した比例積分電圧は
コンパレータ45の三角波しきい値スライスによって信
号のオン幅をコントロールする構成となっており、従っ
て、温度検出サーミスタ106の検出温度に応じた電力
を界磁コイル3に供給すべくパワーFET201へのパ
ルス出力が行なわれる。
【0062】そして、以上のようにして制御回路109
から出力されたパルスは界磁コイル3をスイッチングド
ライブしているパワーFET201のゲートをドライブ
しており、界磁コイル3の励磁インダクタンスに電力を
磁気として蓄積すると共に、負荷に相当する発熱金属体
に磁気結合させ、磁気による渦電流が流れ、金属の有す
る抵抗損によりジュール熱を発生させ加熱させるので、
上述のようなパルス変調を行うことにより、加熱量の制
御を行うことができる。
【0063】また、本実施形態においては、電源の入力
電流波形の力率を向上させるために、極力サイン波電流
を界磁コイル3に流す制御を行っている。つまり、図6
に示すように、入力電圧波形(商用交流電圧)の電圧の
値に応じて、スイッチング周期を変調する制御を行って
おり、整流リップルの中で低い電圧の所のスイッチング
波形(図6においてフライバック波形1)の周期より
も、整流リップルの中で高い電圧の所のスイッチング波
形(図6においてフライバック波形2)の周期を短くし
ている。
【0064】このような制御を実現するため、本実施形
態においては、図5に示すように、入力電圧を抵抗22
6及び抵抗223で分割し、オペアンプ53により電圧
をモニタし、その電圧に応じてトランジスタ54によ
り、発振周波数を決定しているコンデンサ33及び放電
電流を規定している抵抗37に対し制御を加える構成を
有している。
【0065】ここで、本実施形態における電力パターン
について、図7を用いて説明する。図7は紙間及び通紙
時の電力制御状態とニップ部の温度との関係を示したも
ので、制御1の領域では温度電力供給を一定の上昇率で
ゼロから順次供給した。その結果としては通紙初期に急
峻に紙のエッジにより熱を奪うため、通紙初期の領域で
の温度の低下が生じてしまう。このような現象が生じる
と紙の先端における定着が不十分となって、印字品質の
低下(グロスの不均一)が生じてしまう。
【0066】そこで、本発明では、制御2の領域で示し
たような制御方法を採っている。これは、用紙先端の直
前で計測した温度に基づき、加熱電力パターンの傾きに
一律加算したパターンで制御したもので、用紙先端で生
じる温度低下を一瞬のパルス電力供給により低減でき
る。
【0067】また、理想的な制御結果を得るためには、
制御3の領域で示したように用紙先端で奪われる電力と
同じカーブで供給を行い、かつ、用紙後端で生じる温度
のオーバーシュートに対しても、用紙後端時点からすぐ
PI制御するのではなく、オーバーシュートに相当する
時間を電力パターンで急峻に供給電力を低減させ直後P
I制御領域で振動させないと言った方法も考えられる。
制御3で示したのは温度低下を無くすためにその系で生
じる温度の低減特性から、打ち消すようなパターンとし
て、温度低下曲線に相似な電力パターンを供給したもの
である。
【0068】以上のように本発明によれば、界磁コイル
の駆動波形を変調し、定着部の温度を制御するようにし
ているので、対象温度の領域からみれば、リニアな温度
制御を達成したこととなる。
【0069】通常の定着装置は従来例でも述べた如く、
高電力のハロゲンヒータを、目標値温度に対して、規定
温度を超えたかどうかにより、ON/OFF制御(商用
交流の1/2周期単位の制御)することにより、規定温
度に導く構成をとっていたので、例えその温度の上昇率
やオーバーシュートを管理し、複雑にスイッチング状態
を変化させたとしても、加熱体が有する熱容量による伝
達要素によって定まる温度リップルは無くすことは不可
能である。
【0070】しかし、本発明のように、高周波レベルで
のスイッチング状態の波形制御によるリニアな温度制御
によれば、温度変化に対する追従性に優れており、温度
リップルを無くすことができる。
【0071】次に、本実施形態における安全回路につい
て説明する。以上説明したように、誘導加熱方式を用い
た直接加熱方式であることと、直接加熱された発熱金属
体を特にフィルム状の金属とした場合、その比熱の低さ
から、極めて短時間に急速な温度上昇を示す。従って、
この急速な温度上昇に追従する温度検出系の性能要求と
共に必要不可欠となってくるのが過熱防止の安全回路で
ある。つまり、機器はどのような事態、例えば入力電圧
に不適正な過大電圧が入力された場合や、更に定着部の
励磁コイルの機械的破損(割れ、ヒビ、異物の磁路への
混入等)等、使う立場でのトラブルがあったとした際に
も、決して一定の温度を超えることなく安全(特に、火
災安全性)は機器にとって絶対不可欠な条件となる。
【0072】そこで、図5の回路においては、パワーF
ET201のドレイン電圧、即ち界磁コイル3の一端を
検出しゼロクロス検出回路219でフライバック電圧波
形のゼロクロスを検出し、検出されたタイミングを同期
信号として、パルス幅変調回路の起動信号となるカレン
トミラー回路のコンデンサ33を充放電制御して、回路
をフライバック波形に同期させスイッチングさせてい
る。
【0073】また、例えば入力電圧に不適正な過大電圧
が入力された場合や、更に定着部の界磁コイルの機器的
破損(割れ、ヒビ、異物の磁路への混入等)等、使う立
場でのトラブルがあった場合には、即時にコンバータを
停止させると共に、その情報をシーケンスコントローラ
に送出し、未然に制御回路をストップさせ、安全を確保
する必要がある。
【0074】このようなトラブルが生じた場合の波形を
図8に示す。オン時間幅は温度検出電圧等により決定さ
れる幅で、オフ幅、即ち、フライバック波形は、コイル
のインダクタンスと共振コンデンサにより一義的に定ま
る周期で周知の ω=1/√LC である。従って、上記何らかの原因で磁気回路の破断、
異物混入等による不都合が生じた際には、回路が同期し
ている関係上、その周期、電流波形を監視することによ
りそれらの不都合を検知することができる。
【0075】そこで、図5に示す回路においては、電流
検出回路220において、整流ブリッジ200に接続さ
れた抵抗204端の電圧と、予め定められた基準電圧と
を比較することにより、過電流を検出し、この検出値
と、オペアンブ215からの温度情報と、及びフライバ
ック検出波形からのゼロクロスと、タイマー等による周
期情報とを異常判定回路224に各々入力し、異常判定
を行う。ここでの判断基準の例としては、 1.周期が高周期である。 2.電流値がオーバーしている。 3.温度検出サーミスタ106の検出値が規定値を超え
ている。 更に組み合わせ判定として、 4.温度上昇が少ないが電流が多い。 等がある。以上の現象はいずれについても誘導加熱部の
磁気回路、または温度検出系の異常を示すものなので、
即時に異常判定回路224からゲート225を制御して
三角波の発生を停止させてコンバータ停止させると共
に、その情報をシーケンスコントローラに送出し、未然
に制御回路をストップさせる。
【0076】以上説明したように、定着加熱方式に誘導
加熱といった高速な加熱を供給する手段を有効に機能さ
せるためには、その周辺である温度検出回路がその応答
に応じた時定数であることが必須であるが、現実的には
遥かに応答スピードよりも遅い素子で構成せざるを得な
い場合でも、上記した本発明による方式を用いることに
よって有効に効率良く加熱が行える。
【0077】(第2の実施形態)次に、図9ないし図1
2に基づいて、本発明の第2の実施形態について説明す
る。なお、図9において、制御回路109及び温度検出
回路107の回路構成は上述第1の実施形態で説明した
ものと同様であるので説明を省略する。
【0078】図9において250は、例えば本体装置で
あるプリンタのプリントシーケンス処理を行っている処
理CPUである。第1の実施形態で述べた方式では、紙
間及びスタンバイ時に検出した温度に対して、電力パタ
ーン選択回路により電力パターンを決定していたが、本
実施形態では、処理CPU250により紙間での一定の
温度に制御している電力の制御状態をモニタし、その制
御状態、即ち定着装置を一定の温度に保つに必要な波形
デューティーを計測し、計測結果に従い、通紙時の電力
パターンを選定すべく構成したものである。
【0079】これは、プリンタの使われる環境により当
然定着装置の自己放熱状態は変化するが、定着装置にと
って無負荷といえるスタンバイまたは紙間の温度を一定
にするシーケンスが動作しているタイミングにおいて
は、その時供給としている電力、即ち、波形デューティ
ーは環境を含む必要最低電力といえるからである。
【0080】そこで、本実施形態では、用紙の先端がニ
ップ部に突入する直前のタイミングで、図9に示す処理
CPU250によりゼロクロス検出回路219からの出
力に基づいてフライバック電圧のゼロクロスを検出し、
更に検出された、タイミングから波形デューティーを計
測し、且つ、電流検出抵抗204の検出電流をモニタす
ることで、紙間及び、スタンバイ時に於ける定着装置の
温度維持に必要な電力を検知し、検知した電力から電力
パターンを選定することにより高精度な温度制御を実現
するものである。
【0081】ここでは、入力電力(出来ればフィルム加
熱電力)を測定したいため、入力電圧と入力電流を計測
して両者を掛け算するのが最も高精度な制御を行なうこ
とで可能となるが、アナログ信号を絶縁処理して二次回
路に伝えるのが高コストな構成となってしまうので簡易
的にスイッチングデューティーと入力電流(カレントト
ランスで実現可能:比較的低コスト)から入力電力を求
めるように構成している。
【0082】本実施形態における制御を図10のフロー
チャートに基づいて説明する。まず、用紙先端が定着前
センサ16を通過したかどうかで、通紙中か否かを判別
し(ステップ400)、用紙先端が定着前センサ16を
通過した場合には、処理CPU250によりゼロクロス
検出回路219からの出力に基づいてフライバック電圧
波形のゼロクロスを検出し、さらに検出されたタイミン
グから波形デューティーを計測することで、紙間及びス
タンバイ時における定着装置の温度維持に必要な電力P
iを求める(ステップ401)。次に、処理CPU25
0により、その電圧の計測結果Piを電力パターンの初
期値とし、第1の実施形態でも述べた用紙が奪う電力
を、メモリからクロックに従い順次D/A変換して電力
パターン値Pmとして選択し、このPmと上記Piとを
加算することにより、コンパレータ45に出力する電力
パターンP(t)を得る(ステップ402)。そして、
この電力パターンを制御回路109の端子42に出力
し、パルス幅変調を行う(ステップ403)。
【0083】また、紙間及びスタンバイ時と判別した場
合には(ステップ400)、制御回路109の端子41
に出力した温度検出回路107の出力電圧と、処理CP
U250から制御回路109の端子40に出力した基準
電圧とを、誤差増幅器44にて比較増幅し、PI制御を
行って、第1の実施形態と同様に界磁コイル3をスイッ
チングしているパワーFET201のゲート波形を制御
し、目標温度に導く(ステップ404)。
【0084】そして、以上のような制御を行いつつ、本
実施形態においても、異常判定を行っている(ステップ
405)。この異常判定は、処理CPU250におい
て、発熱金属体の温度がキュリー温度を超えたかどう
か、入力電圧の周期は規定値であるかどうか、入力電流
値が規定値であるかどうかを判定することにより行われ
る。まず、キュリー温度の判定は、図9に示すように、
温度検出回路107の出力を処理CPU250にて監視
し、処理CPU250内で温度検出回路107の出力を
A/D変換した値とキュリー温度に対する設定値との比
較により行われる。次に、入力電圧の周期の判定は、ゼ
ロクロス検出器219の出力に基づいて処理CPU25
0によりゼロクロス点の間隔を計測した値と、設定値と
を比較することにより行われ、入力電流値の判定は、処
理CPU250により電流検出回路220の出力を監視
して、設定値と比較することにより行われる。
【0085】これらの判定は、図11のフローチャート
に示すように、キュリー温度の判定(ステップ50
0)、周期の判定(ステッ501)、電流の測定(ステ
ップ502)の順に行なわれ、いずれかの判定で異常が
認められた場合には、処理CPU250から制御回路1
09の端子42の電圧を上昇させて、パルス幅変調状態
がゼロ、即ち、出力がオフ状態となるシャットダウン状
態にして界磁コイル3への電力供給を停止させる(ステ
ップ503)。
【0086】以上のような動作により、図12に示すよ
うな理想的な制御が行われ、高速でまたオーバーシュー
トの無い、立ち上がりが実現できるものである。
【0087】本実施形態によれば、上記第1の実施形態
による効果に加え、シーケンスをコントロールする処理
CPU250で制御を行うことにより上記した全ての情
報を容易に、且つ演算処理等を安価に機能構成できると
いうメリットがある。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本出願に係る第1
の発明によれば、発熱金属体の磁気誘導による加熱方式
であるため、熱源からの熱伝達モデルが極めて単調な構
成が実現可能であり、記録材の非挟持搬送時は温度検出
手段により検出した値に基づき、界磁コイルに供給する
電力を制御することとしたので、フィルム加熱方式で使
用した際の高速加熱に対し、通常存在する立ち上がりス
ピードの遅い温度検出手段を用いた際にも検出遅れによ
る温度低下を極小に収束でき、オーバーシュート及び温
度リップルを抑えることができる。
【0089】 また、記録材の挟持搬送時においても、
記録材に奪われる熱量分を考慮して予め設定された、記
録材検出に基づくタイミングからの経時的電力供給パタ
ーンに基づき、界磁コイルに供給する電力を制御するの
で、温度検出手段の応答遅れに影響を受けることなく、
適切に定着時の温度を維持することができ、温度低下や
温度ムラを無くすことができる。
【0090】 また、本出願に係る第2の発明によれ
ば、上記高周波電流供給手段は、上記記録材の非挟持搬
送時、圧接部周辺の温度に基づいて上記界磁コイルに供
給される高周波電流にフィードバック制御するので、温
度リップル及びオーバーシュートを抑えることができ
る。
【0091】
【0092】 また、本出願に係る第4の発明によれ
ば、界磁コイルに供給された電力を計測する計測手段を
備え、電力供給パターンは、挟持搬送直前における上記
温度検出手段の検出温度または上記計測手段の計測電力
の平均値及び挟持される記録材のサイズに基づいて決定
されるので、記録材の吸熱が行われない最も安定した電
力負荷条件下での温度に基づき、温度検出手段の検出遅
れに影響されることなく、安定した電力制御を行うこと
ができる。しかも、挟持される記録材のサイズも考慮さ
れるので、記録材のサイズに応じた適切な電力制御を行
うことができる。
【0093】 さらに、本出願に係る第5の発明によれ
ば、上記定着装置を備えた画像形成装置を得る。特に、
上記の定着装置を備えることで、多層トナーの混合発色
が行われるカラー画像形成装置において、正確な温度制
御により高画質の画像を出力することができる。
【0094】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像形成装置
の概略構成を示した図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における定着装置の概
略構成を示した図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における定着装置によ
る電源投入直後の温度変化の状態を示す図である。
【図4】図2の定着装置における加熱手段及び制御装置
を説明するためのブロック図であ。
【図5】図2の定着装置における加熱手段の制御装置の
回路の一例である。
【図6】図5の回路における界磁コイルに供給される電
流の波形を示した図である。
【図7】図5の回路における電力パターンを説明する図
である。
【図8】図5の回路における入力電圧に不適性な過大電
圧が入力された場合の界磁コイルに供給される電流の波
形を示した図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における定着装置の加
熱手段に対する制御装置の回路の一例である。
【図10】本発明の第2の実施形態における電力制御を
説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態における異常判定制
御を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態における電力パター
ンを説明するための図である。
【図13】従来の定着装置に関する図であり、(a)は
従来の定着装置の構成を示す図であり、(b)は(a)
の定着装置の有するサーミスタの応答を示す図である。
【符号の説明】
1 定着フィルム(フィルム部材) 2 加圧ローラ(加圧部材) 3 界磁コイル 4 発熱金属体 12 プリント紙(記録材) 30 高周波コンバータ(高周波電流を供給する手段) 71 感光体ドラム(像担持体) 85 定着装置 106 温度検出サーミスタ(温度検出手段) 109 制御回路(スイッチング手段の駆動パルス発生
手段) 201 パワーFET(スイッチング手段) 250 処理CPU(電力を計測する手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録材上の未定着トナー像を定着する定
    着装置において、 発熱金属体層を含む無端状 フィルムを有する第1部材
    と、 該第1部材に圧接しながら回転自在に配設され、上記無
    端状フィルムとともに記録材を挟持搬送する第2部材
    と、 上記発熱金属体層渦電流を発生させる高周波磁界を与
    えるための界磁コイルと、 上記界磁コイルに高周波電流を供給する高周波電流供給
    手段と、 上記第1、第2加圧部材の圧接部より記録材の搬送方向
    上流で記録材を検出する記録材検出手段とを備え、上記
    高周波電流供給手段は、上記記録材検出手段による記録
    材検出に基づくタイミングからの経時的な電力供給パタ
    ーンが予め設定されたパターンになるように、上記界磁
    コイルに供給する高周波電流を制御ることを特徴とす
    る定着装置。
  2. 【請求項2】 上記高周波電流供給手段は、上記記録材
    の非挟持搬送時、圧接部周辺の温度に基づいて上記界磁
    コイルに供給される高周波電流にフィードバック制御す
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 上記高周波電流供給手段は、スイッチン
    グ手段と該スイッチング手段に与えられる駆動パルス
    を発生する駆動パルス発生手段とを備え、該駆動パルス
    発生手段は、電力供給パターンに応じた電力が界磁コイ
    ルに供給されるようにパルス幅変調された駆動パルスを
    発生することを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の定着装置。
  4. 【請求項4】 上記圧接部周辺に配設された温度検出手
    段及び界磁コイルに供給された電力を計測する計測手段
    の少なくとも一方を備え、電力供給パターンは、挟持搬
    送直前における上記温度検出手段の検出温度又は上記計
    測手段の計測電力の平均値、及び挟持される記録材のサ
    イズに基づいて決定されることとする請求項1ないし請
    求項3のいずれか一つに記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 像担持体上に画像情報に基づいて形成さ
    れた静電潜像を、トナー像に現像し、記録材上に転写せ
    しめる画像形成部を有し、請求項1ないし請求項4のい
    ずれか一つに記載の定着装置を用いて記録材上の未定着
    トナー像を定着することを特徴とする画像形成装置。
JP15429897A 1997-05-29 1997-05-29 定着装置及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP3507282B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15429897A JP3507282B2 (ja) 1997-05-29 1997-05-29 定着装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15429897A JP3507282B2 (ja) 1997-05-29 1997-05-29 定着装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10333489A JPH10333489A (ja) 1998-12-18
JP3507282B2 true JP3507282B2 (ja) 2004-03-15

Family

ID=15581083

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15429897A Expired - Fee Related JP3507282B2 (ja) 1997-05-29 1997-05-29 定着装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3507282B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001048560A1 (fr) 1999-12-28 2001-07-05 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Dispositif de formation d'image et dispositif de fixage
JP5043877B2 (ja) * 2008-07-17 2012-10-10 株式会社東芝 定着装置及び画像形成装置
JP2015045802A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP6299960B2 (ja) * 2014-02-03 2018-03-28 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP6300009B2 (ja) * 2014-02-03 2018-03-28 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10333489A (ja) 1998-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2409198B1 (en) Fixation device and image forming apparatus
US6625405B2 (en) Image forming apparatus and fixing device
US9665048B2 (en) Image forming apparatus having a temperature setting portion to control a target temperature
US6959158B2 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP3880326B2 (ja) 加熱装置及びこの加熱装置を備える画像形成装置
US8036557B2 (en) Fixing device, image forming apparatus, and heating control method for fixing device
WO2005088407A1 (ja) 像加熱装置
JP4594063B2 (ja) 像加熱装置
JP5102079B2 (ja) 定着装置および画像形成装置および加熱制御方法
JPH0822206A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JP5207775B2 (ja) 定着装置
JP2011090087A (ja) 像加熱装置
JP3507282B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
US6999693B2 (en) Fixing device and control method therefor
JP2004004205A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JPH10301442A (ja) 加熱装置、定着装置及び画像形成装置
JPH11143269A (ja) 誘導加熱定着装置
JPH07114294A (ja) 定着装置
JPH0996990A (ja) 加熱定着装置及び画像形成装置
JP2007140329A (ja) 画像形成装置及び定着装置
JP4903321B2 (ja) ヒータ駆動装置、定着装置及び画像形成装置
JPH1020718A (ja) 画像形成装置
JP2002043048A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JP2004014129A (ja) 加熱装置および画像形成装置
RU2477507C2 (ru) Устройство нагрева изображения

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031218

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081226

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081226

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091226

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091226

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101226

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121226

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131226

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees