JP3507104B2 - 光記録媒体の製造方法、スパッタリング方法及びスパッタリングターゲット - Google Patents
光記録媒体の製造方法、スパッタリング方法及びスパッタリングターゲットInfo
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Description
てなる光記録媒体の製造方法及び無機誘電体膜の成膜方
法に関し、更に本発明はスパッタリングターゲットに関
するものである。
クなど、レーザー光を用いて情報の記録読み出しを行う
大容量の光記録媒体が広く利用されている。
示す様に基板21上に記録層22として、無機誘電体膜
23、光磁気記録膜24及び無機誘電体膜25の積層膜
が形成されてなり該記録層上に樹脂保護層26が積層さ
れてなる様な構成が知られている。
及び25は光磁気記録膜24の腐食を防止する為の保護
膜及びカー効果エンハンスメントの為の干渉膜として機
能するものであって具体的には例えばSiNxの薄膜や
SiOxの薄膜が一般に用いられている。
従来Arガス雰囲気中において基板上に形成しようとす
る誘電体膜とほぼ同一組成の誘電体をターゲットとし
て、高周波放電によりスパッタリングを行う方法が用い
られていた。
いた、高周波スパッタリング法は基板に熱がかかりやす
いため、基板のそりが生じたり、膜密着性が悪くなるな
どの問題が生じやすい。さらに、生産性を向上させるた
めに薄膜形成速度を速くしようとする場合には、この問
題はさらに顕著になる。
する元素のうち金属あるいは半金属元素をターゲット材
料とし、それにArガス雰囲気中で直流電位を印加して
スパッタリングし、残りの元素を反応ガスとして減圧し
たチャンバーに供給して各々を反応させ基板上に誘電体
膜を形成する、いわゆる直流反応性スパッタリング法が
用いられるようになった。
直流反応性スパッタリング法で成膜する場合、ターゲッ
トにSiを用い、反応ガスにN2ガスやNH3ガスを用い
ることによって成膜することができるものである。
は、高周波スパッタリング法に比べて高い薄膜形成速度
が得られると共に低温状態で前記基板に薄膜を成膜する
ことができるので生産性に優れた方法である。
リング法の問題点として異常放電、即ちスパッタリング
工程中の安定な放電形態(グロー放電)とは異なる放電
形態であるアーク放電が発生し易いことが挙げられる。
電が発生するとスパークを発生して放電が不安定となり
基板上に成膜される薄膜の膜厚や膜質が不均一となった
り異常放電の発生に伴ってターゲット表面の熔融物質の
塊が飛散して基板上の誘電体膜に欠陥を生じさせること
があり、かかる欠陥はひいては光磁気記録媒体の欠陥の
原因となることから、異常放電は高品質な光磁気記録媒
体を製造するうえで大きな問題となっているものであ
る。
手段として例えば特開平3−126867号公報には異
常放電の発生の原因が、直流反応性スパッタリング装置
として一般的に用いられている直流マグネトロンスパッ
タ装置(永久磁石がターゲット裏面に配置されてなり、
ターゲット表面に直交磁界を生じさせることによって電
界と磁界とが直交するターゲットの局部(エロージョン
領域)に放電を集中させて、ターゲット表面のスパッタ
エッチング速度を向上させることのできる直流マグネト
ロン電極を用いたマグネトロンスパッタ装置)を用いた
時のSiターゲット表面に生じるスパッタエッチングが
進行しない領域(非エロージョン領域)に形成される絶
縁性のSi系無機誘電体の絶縁破壊によるものであると
して、ターゲットの非エロージョン領域をスパッタリン
グ工程に於て形成される化合物膜が導電性を有する様な
材料(例えばTi)で形成して、スパッタリング工程に
於ける絶縁破壊を防止しうる様に構成したスパッタリン
グターゲットを用いてスパッタリングを行なう方法が開
示されている。
域を絶縁破壊の生じない様な厚い絶縁膜で被覆したり更
にはターゲット裏面のマグネットを移動させることによ
って非エロージョン領域自体を無くすことも異常放電を
防止する手段として提案されている。そしてかかる対策
は、異常放電の発生頻度を低減し、光記録媒体の不良品
発生率を低下させるうえで有効な技術であるが生産性を
向上させるために例えばインラインスパッタリング装置
等を用いて、長時間同一のターゲットを連続してスパッ
タしたり、高速成膜のためにターゲットに投入するパワ
ー密度を上げた場合に於ける異常放電の抑制効果は十分
でなく、そのためこのような場合にも異常放電の発生頻
度をより一層低減させることのできる手段が要求されて
いる。
点に鑑みてなされたものであって記録層に欠陥の少な
い、高品質な光記録媒体を生産性良く製造することので
きる方法を提供することを目的とするものである。
品質な無機誘電体膜を生産性良く成膜出来るスパッタリ
ング方法を提供することを他の目的とするものである。
ー密度で直流スパッタした場合にも異常放電の発生頻度
を有効に抑えることのできるスパッタリングターゲット
を提供することを更に他の目的とするものである。
的に対して種々検討を行なった結果、長時間直流反応性
スパッタリングを行なった時に、従来はスパッタリング
工程に於ては不活性ガス(Ar等)によるスパッタエッ
チングが生じる為絶縁性の無機誘電体は形成されないも
のと考えられていたターゲットのスパッタ領域(エロー
ジョン領域)にも絶縁性の無機誘電体が形成され、この
エロージョン領域の無機誘電体が異常放電をもたらすと
いう知見に基づき本発明に至ったものである。そこで本
発明の一実施態様にかかるスパッタリング方法は、金属
元素および半金属元素の少なくとも一方を含むターゲッ
ト元素を含む薄膜を形成する為のスパッタリング方法で
あって、ダイアモンド結晶構造を有する、ターゲット元
素の単結晶からなるスパッタリングターゲットを用意す
る工程;および該スパッタリングターゲットを反応性ガ
ス雰囲気下でDCスパッタし、無機誘電体薄膜を形成す
る工程、を有し、該スパッタリングターゲットは、該ダ
イヤモンド結晶構造のミラー指数(1,0,0)によっ
て示される格子面から構成されるスパッタ面を有してい
ることを特徴とするものである。また本発明の一実施態
様にかかる光記録媒体の製造方法は、例えば基板上に光
記録膜および半金属元素を含む無機誘電体膜とを含む光
記録媒体の製造方法であって、基板上に該光記録膜を製
膜する工程;および該無機誘電体膜を製膜する工程、を
有し、該無機誘電体膜を製膜する工程が、上記のスパッ
タリング方法によって行われることを特徴とするもので
ある。また本発明の一実施態様にかかるスパッタリング
ターゲットは、金属元素もしくは半金族元素のダイヤモ
ンド型単結晶構造からなる、反応性ガス雰囲気下でのD
Cスパッタリング方法において用いられるスパッタリン
グターゲットであって、該ダイヤモンド型単結晶構造の
ミラー指数(1、0、0)によって示される格子面から
実質的に構成されてなるスパッタ面を有することを特徴
とするものである。
明する。
録媒体の製造方法の一実施態様に適用されるインライン
型の記録層成膜用スパッタ装置の概略平面図であり、1
1は基板投入室、12は脱気室、13及び15は無機誘
電体膜23及び25の成膜室、14は光磁気記録膜24
の成膜室そして16は記録層22の成膜された基板の取
出室である。そして各室の間には不図示の開閉可能な扉
が設けられてなる共に、基板21を担持する基板ホルダ
ー17が基板投入室11から基板取出室16まで順次移
動可能に形成されている。
11から基板取出室16に向かって搬送されると共にに
各々の室で基板21の脱気、無機誘電体膜23の形成、
光記録膜24の形成及び無機誘電体膜25の形成を順次
行なうことによって基板21上に記録層22を備えた光
記録媒体が形成されるものである。
膜23又は25の成膜が行なわれる成膜室13又は15
の基板搬送方向に直交する方向の概略断面図であり、同
図3に示した様に成膜室13又は15のチャンバー31
内には、該チャンバー底部に配置したカソード電極とな
る例えば銅製のバッキングプレート32上にターゲット
33が設けられている。
35が接続されてなり該ターゲットに所定のスパッタリ
ングパワーを与えられるように構成されている。
ッタリングによって膜が形成される基板21がアノード
電極を兼ねた基板ホルダー17に保持されて、該基板2
1が該ターゲット33と対向するように配置されてい
る。永久磁石36は、円筒状の中心磁極(S極)と、円
冠状の外周磁極(N極)を有する円板状に形成されてな
り、そして又該永久磁石34は、該永久磁石34によっ
てターゲット33の該基板21に対向する面、即ちスパ
ッタ面33′に発生させられる直交磁界と、該バッキン
グプレート32及び該基板ホルダー17による電界とが
ほぼ直交し、該スパッタ面のエロージョンが進行する領
域が該スパッタ面の全面となって非エロージョン領域が
形成されないように不図示の手段によって移動可能な様
に構成され、又直流電源にはスパッタリング工程中のタ
ーゲット33に流れる電流及び印加電圧の変化を記録す
るレコーダー36が接続されている。
て例えばSiNx膜を成膜する場合ターゲット33とし
てSiを用いて真空ポンプ37でチャンバー31内を真
空排気した後、該チャンバー31内に導入管38−1か
ら放電ガスとして例えばアルコンガスを導入し、導入管
38−2から反応性ガスとしてN2やNH3ガス或いはそ
の混合ガスを導入して、且つ該ターゲットにスパッタパ
ワーを印加することによって該ターゲットのスパッタ面
がスパッタされそれによって生じたSi原子が反応性ガ
スと反応して基板14上にSiNx膜を成膜することが
できる。
ゲット33として、該無機誘電体の成膜ステップを経た
後にもスパッタ面33′のエロージョン領域に無機誘電
体が形成されることのない様に構成されてなるスパッタ
リングターゲットを用いる点にある。そしてこのような
構成によって長時間スパッタリングを行なったり高パワ
ー密度を印加してスパッタリングを行なった場合にも異
常放電の発生頻度を有効に減少させることができ高品質
の無機誘電体膜を生産性良く成膜できる。
トとしては、例えばSi結晶を含有するターゲットの場
合反応性ガス起源の原子やイオン或いはラジカルが単位
格子内部に混入することを許容する空隙を有さない格子
面をスパッタ面33′と略一致させること、具体的に
は、例えば反応性ガスとして、光記録媒体の記録層中の
機能性膜として、好適に用いられるSiNx、SiOx
やSiC等の誘電体薄膜を反応性スパッタ法で成膜する
際に一般的に用いられるN2ガス、NH3ガス、O2ガ
ス、C2H2ガス等を用いる場合、該Siターゲットのス
パッタ面33′がSi結晶の、ミラー指数(1、0、
0)で示される格子面と略一致する様に構成することに
よってスパッタリング工程に於けるターゲットのエロー
ジョン領域への無機誘電体の形成を防止できる。
型結晶構造を有するものであってこの結晶構造の単位格
子のミラー指数(1、0、0)、(1、1、0)及び
(1、1、1)で示される格子面は図5〜図7の通りで
ある。
示し、又その大きさはSi原子半径(共有結合半径=
1.17Å)と単位格子の長さ(a=5.4301)Å
の比率と等しくなるように描かれている。
で示される格子面はSi原子間に約1.6Åφの単位格
子内部に連通してなる空隙61を有していることが分
る。
等のSi系誘電体膜の成膜に一般的に用いられるN2ガ
スやNH3ガス、O2ガス更にはC2H2ガスの場合、これ
らの反応性ガスに由来し、ターゲットのスパッタ面に絶
縁性の誘電体を形成可能な原子や、イオンとしては例え
ばN、N5+、C、C4+、O等が考えられるがこれらの大
きさは例えばNで1.06Å程度、N5+で0.5Å程
度、Cで1.54Å程度、C4+で約0.12Å程度、O
で1.32Å程度であるからSi結晶のミラー指数
(1、1、0)の格子面は反応性ガスとして上記した様
なガスを用いた場合これらの反応性ガス起源のイオンや
原子を格子間原子として取り込んでしまう様な空隙を有
するものである。
び(1、1、1)の格子面はSi原子が空隙を作ること
なく互いに近接してなり上記した様な反応ガス起源のイ
オンや原子、ラジカルをスパッタリング工程に於いて格
子間原子として取り込んでしまう様な空隙を有していな
いことが図5及び図7から分る。そして本発明に於てS
iターゲットのスパッタ面33′をミラー指数(1、
0、0)で示される格子面と一致させた場合、長時間の
連続スパッタや高パワー密度でのスパッタを行なった場
合にも異常放電の発生頻度を大幅に減少させることがで
き、そして光記録媒体の不良品発生率についても有効に
抑制することができ好ましいものである。
構成によって上述の効果が得られる理由としては長時間
の連続スパッタや高パワー密度でのスパッタを行なった
場合のスパッタ面への反応ガス起源の原子やイオン、ラ
ジカルの衝突によってもこれらがターゲットを構成する
原子間に取り込まれ、それによってターゲットのスパッ
タ面に絶縁性の無機誘電体が形成されるということがな
く、この無機誘電体による絶縁破壊を防止できるためと
考えられる。
としてはスパッタ面を上記したミラー指数(1、0、
0)の格子面に統一でき、スパッタ面に空隙61が存在
する確率を実質的に無くすことが容易である事から単結
晶とすることが好ましい。
ーゲット材料にSiを用いて説明したが、ミラー指数
(1、0、0)の格子面をスパッタ面とすることが好ま
しい元素としては、Siに限定されずSiと同様のダイ
ヤモンド型結晶構造を有し、前出の種々の反応性ガスの
存在下で直流反応性スパッタを行なうことによって光記
録媒体の機能性膜として有効な絶縁性の誘電体薄膜を形
成可能な元素であるGe(ゲルマニウム)やSn(ス
ズ)等も用いることができる。
素としてはダイヤモンド型結晶構造を採る元素に限らず
直流反応性スパッタリングによって光記録媒体の機能性
膜として有効な絶縁性の誘電体薄膜を形成しうる元素で
あれば用いることができるが、特に反応性ガスとの関係
に於てスパッタに用いる反応性ガス起源の原子やイオン
が単位格子内に混入しうる空隙を有する格子面と、反応
性ガス起源の原子やイオンのうち最も小さいものが混入
する空隙を有さない格子面とを備えた結晶構造を示すよ
うな元素に対して本発明は特に有効に作用するものであ
る。
法について更に説明すると、無機誘電体膜の成膜条件は
該無機誘電体膜が光記録膜の保護膜として機能しうる緻
密さ及び/又は干渉層として機能しうる光学特性を有す
るように適宜選択されるものであって、該無機誘電体膜
に担持させる機能及び該無機誘電体に用いる材料によっ
て成膜条件は変化し一概に決定されるものでないが、例
えば光記録膜としてTb−Fe−Co等の光磁気記録膜
の保護膜兼干渉膜としてSiNx膜を反応性ガスにN2
を用いて成膜する場合SiNxの膜が0〜30Kgf/
cm2の圧縮応力を示し、且つ2.0〜2.3程度の屈
折率を示す様な成膜条件に設定することが好ましく具体
的には放電パワーとして1〜10W/cm2放電ガス
と、反応性ガスの全圧力として0.1〜0.8pa、放
電ガスと反応性ガスの混合比として全ガスに対する反応
性ガスの体積比で10〜50%の範囲で成膜することで
SiNx膜に上記の特性を担持させることが可能であ
る。
録層の構成と無機誘電体膜の特性に応じて決定されるも
のであるが、例えば図2に示した様に光記録膜を挟持す
る様に2層の無機誘電体膜が配置されてなる構成に於て
は記録の保護及び信号再生時のカー回転角のエンハンス
の為に基板と光記録膜の間の無機誘電体膜の膜厚を10
0〜1500Å程度、光記録膜上の無機誘電体膜の膜厚
を100〜1000Å程度の範囲とすることが好まし
い。
(a)及び図8(a)のターゲット33の円80の内部
の拡大断面図である図8(b)に示した様にスパッタリ
ングターゲット33のスパッタ面33′に隣接してなる
稜角部81の面取りを施す点にある。
ーゲット端部への電荷の集中を抑えることができ、例え
ばターゲット端部とプラズマ空間との間での異常放電の
発生頻度を低減させることができるため好ましいもので
ある。
行なう場合、該ターゲットの中心を通り且つスパッタ面
33′に直交する切断面に於ける該ターゲットの断面形
状として該ターゲットの厚さを“h”、面取りによって
形成されてなる面82の長さを“a”そして面取りによ
って形成されてなる面82が該ターゲットのスパッタ面
33′に対してなす角度をθとしたときasinθ/h
が0.2〜0.8、特に0.3〜0.7とすること、そ
してまた角度θを20°〜60°、特に40°〜50°
更には43°〜47°とすることは異常放電の原因とな
るスパッタリング工程に於けるターゲットへのクラック
の発生を有効に防止することができ、且つターゲットの
スパッタリング効率も殆んど低下せず好ましいものであ
る。なお、面取り部の形状を上記した様に制御すること
でターゲットへのクラックの発生を防止できる理由につ
いては明らかでないが、以下の作用によるものと考えら
れる。
に於てはスパッタリング面が加熱される一方でスパッタ
リング面と反対側の面は、バッキングプレートに接して
冷却されることからターゲットのスパッタリング面側に
圧縮応力が加わり、バッキングプレートに接する面の側
には引張応力が加わることになり、ターゲット内部には
スパッタリング面に対しほぼ45°の方向で剪断応力が
発生する。そしてこの剪断応力がターゲットの稜角部に
集中することによってターゲットにクラックが生じるも
のと考えられる。ここで本発明に係るスパッタリングタ
ーゲットのスパッタ面33′に対してスパッタリングを
行なった場合、上記剪断応力の集中を面取り部によって
緩和させることができるためターゲットへのヒビや割れ
の発生を防止できるものと考えられる。
トの稜角部を面取りした後、更に図9に示す様に該面取
りによって新たに形成されてなる面90に隣接する稜角
部91及び92の面取り、所謂、糸面取りを施すことは
異常放電の発生を更に低減させるうえで好ましいもので
ある。
実施態様として、図10に示す通り稜角部が曲面となる
ような面取り処理を行なってもよい。
10≦r≦h、特にh/5≦r≦h/2とすることは異
常放電の発生及びターゲットへのクラックの発生を抑え
られ且つターゲットのスパッタリング効率も殆んど低下
させることがないため好ましい。
用することのできるスパッタリングターゲットとして
は、直流スパッタリングの可能な導電性を有するターゲ
ットであれば何ら制限なく用いることができ、例えばA
l、Ti、Co、Mn、Fe、Cr、Ni、Cu、T
a、Pt、Tb、Ga、Nd、Zn、Zr、Mo、R
u、Rh、Pd、Ag、Hf、Irなどの金属ターゲッ
トやSi、Ge、Se、Te、Cなどの非(半)金属で
あって必要に応じてB(ボロン)やP(リン)等をドー
プして導電性を調整したターゲットなどを用いることが
できる。そして又面取りの処理を施したスパッタリング
ターゲットは直流反応性スパッタリング法に限らず通常
の直流スパッタリング法に用いた場合にも異常放電の防
止効果を達成できるものである。
特徴事項の構成を有するスパッタリングターゲットに適
用した場合、第1の特徴事項の構成によって得られる異
常放電の防止効果を越えるより優れた異常放電の防止効
果を達成することができる。
2の特徴事項に係るスパッタリングターゲットとして例
えばSiやGe等の、単体では直流スパッタに必要な導
電性を有していない様な絶縁性の材料で構成されてなる
スパッタリングターゲットの場合、B(ホウ素)やP
(リン)等の導電性材料を添加することによりスパッタ
面の導電化を図る必要が有るが、この時該ターゲットの
比抵抗率を0.01Ω・cm以下、特に0.001Ω・
cm以下となるように該導電性材料をドーピングするこ
とによってスパッタ面の電荷蓄積が軽減され、異常放電
の発生をより一層防止することができるため好ましいも
のである。
導電性材料のドーピングによって担持させる導電性とし
ては10-5Ω・cm以上、特に10-4Ω・cm以上とす
ることが好ましい。即ちこれによって成膜する無機誘電
体薄膜中への導電性材料の混入を実質的に防止すること
ができるものである。
タリング装置内のスパッタリングターゲットを載置する
為のバッキングプレート32及び該バッキングプレート
32上に載置されてなるスパッタリングターゲット33
の少なくとも一方の形状及び寸法を該ターゲット33の
側面と該バッキングプレート32の側面とが一致するよ
うに形成する事は好ましいものである。
ングターゲットの側面が一致するように形成することに
よって、異常放電の原因となる電荷集中をもたらすスパ
ッタリングターゲットのスパッタ面と反対側の面に隣接
する稜角部(図11の101、102)を見かけ上無く
することができ、それによってスパッタリングターゲッ
トへのクラックの発生をより一層抑制することができる
ものである。
ングターゲットの少なくとも一方の形状及び寸法を上記
の関係を満たすように形成することによって、該ターゲ
ットへのクラックの発生を更に良好に抑えられる理由は
図11に示す様にスパッタリングターゲット103がバ
ッキングプレート100より出っ張っている場合、スパ
ッタリングターゲットのバッキングプレートと接触して
いる部分と接触していない部分とで冷却の程度に差が生
じ、このとき該ターゲットのスパッタ面(103′)に
平行な方向に生じる温度勾配によって熱応力が発生し、
この応力がスパッタリングターゲットにクラックを生じ
させる原因の1つと考えられ、上記した本願発明の構成
によればスパッタリングターゲットのターゲット面に平
行な方向に温度勾配を生じさせることがないことからス
パッタリングターゲットへのクラックの発生を抑制でき
るものと考えられる。
て、前記した本発明の特徴事項に係る無機誘電体膜の成
膜ステップ以外の構成については何ら制限されるもので
なく、例えば無機誘電体膜の成膜ステップと光記録膜の
成膜ステップとの順番は所定の記録層の構成に従って順
次成膜を行なえばよい。
記録膜に用いる材料の特性に適した公知の成膜方法を用
いればよく、具体的には例えば蒸着、スパッタリング、
湿式塗布等を用いることができる。
光ビームの照射によって情報の記録・再生の可能な光記
録膜であれば特に制限無く用いることができるが、無機
誘電体膜との組み合わせによって光記録膜の保護及び/
又は光記録膜からの再生信号のエンハンスメントを図る
事が好ましい。Tb−Fe−Co、Gd−Fe−Co、
Tb−Fe−Co−CrやGd−Fe−Co−Cr等の
光磁気記録膜やスピロピラン等のフォトンモードで記録
のなされる光記録膜は無機誘電体膜中に欠陥の無い事が
特に厳しく要求されるため本発明の光記録媒体の製造方
法を一層有効に作用させることができるという点で好ま
しい材料である。
て得られる基板上に記録層を有してなる光記録媒体の該
記録層上には必要に応じて反射層及び/又は保護層を設
けてもよい。この場合反射層の材料としてはAuやAl
等を用いることができ、又その形成方法としては蒸着法
やスパッタリング法等が挙げられる。又保護層は例えば
光硬化性樹脂を該記録層上に所定の厚さ(例えば10〜
30μm)となるように塗布した後光照射を行なって硬
化せしめたり、予め所定の厚さに成形されてなる樹脂シ
ート(例えばポリカーボネート樹脂シートやポリエステ
ル樹脂シート等)を接着剤や粘着剤等で記録層上に貼着
させることによって形成できる。
原子やイオン或いはラジカルが単位格子内部に混入する
ことを許容する空隙を有さない格子面をスパッタ面と略
一致させる」とは該スパッタ面がその格子面と完全に一
致してなる場合だけでなく、該スパッタ面が該特定の格
子面の特徴である反応性ガス起源の原子、イオン、ラジ
カルの単位格子内への混入を許容する空隙を有さないと
いう特徴を失わない範囲でずれて一致しているばあいを
も包含するものである。
する。
2mmで一方の表面に幅0.6μm、ピッチ1.6μ
m、深さ800Åのスパイラル状のトラック溝を有する
ポリカーボネート製の基板の、トラック溝が形成された
側の表面に第1誘電体膜として厚さ900ÅのSiN
膜、光記録膜として厚さ1000ÅのTb−Fe−Co
の非晶質光磁気記録膜、第2誘電体層として厚さ700
ÅのSiN膜が順次積層された記録層を有する光磁気デ
ィスクを以下の方法で作成した。
成膜用のスパッタリング装置を用意した。
iN膜の成膜室のチャンバー内には各々4個(合計8
個)のターゲット載置面の直径が20cmのバッキング
プレートを配置した。そして各々のバッキングプレート
には直流電流を接続し、又各々の直流電源には異常放電
発生時に電源保護のために一時給電を停止し、再度通電
を開始する機能(アークカット機能)を付加し、更にア
ークカットの発生を記録するレコーダーを接続した。
に示すように永久磁石を配置し、該永久磁石はターゲッ
トのスパッタ面全面がエロージョン領域となる様にスパ
ッタリング工程中に移動可能な構成とした。そして各々
のバッキングプレート上には、直径20cmφ、厚さ3
mmのSi単結晶ターゲットを装着した。なおここで用
いたターゲットはB(ボロン)のドーピングによってス
パッタ面の比抵抗を10-3Ω・cmに調整すると共にス
パッタ面がSi単結晶のミラー指数(1、0、0)で示
される格子面と一致させたものとした。
するインライン型のスパッタ装置の基板投入室に図14
に示した様に、8枚のディスク基板21を取り付けた基
板ホルダー17を投入し、次いで脱気室に基板を搬送し
て脱気した後第1のSiN膜成膜室に基板を搬送し第1
のSiN膜の成膜を行なった。
部を1×10-5Paまで真空排気した後、Arガス及び
N2 ガスをチャンバー内に導入しArガスとN2 ガスの
混合ガスの圧力を0.2Pa(但し混合ガス中のN2 ガ
スの割合は30vol%)とした雰囲気中でターゲット
の単位面積(1cm2 )当りの放電パワーを5.7Wと
してスパッタを行ないSiN膜の成膜速度が約260Å
/分となる様に調整した。
とターゲット間の距離は120mmとした。従って第1
誘電体膜の成膜に要した時間は約3分であった。
録膜成膜室に搬送しTb−Fe−Co光磁気記録膜の成
膜を行なった。
電の生じないRFスパッタリング法で行なった。なお、
スパッタリングターゲットとしては直径20cm、厚さ
3mmのTb23Fe70Co7 の合金ターゲットを4個用
い、又RFスパッタリングの条件としてはチャンバー内
部を1×10-5Paまで真空排気した後、Arガスを導
入しArガスの圧力を0.1Pa、RFパワー5.6W
/cm2 としてスパッタを行なった。
板を第2のSiN膜の成膜室に搬送し、第1のSiN膜
の成膜条件と同一の条件でSiN膜を成膜した。従って
第2のSiN膜の成膜時間は約2.7分であった。上記
の手順に従って8枚のディスク基板を保持した基板ホル
ダー120枚を連続的に該インライン型の成膜装置に投
入して成膜を行ない合計960枚の光磁気ディスクを作
製した。従って第1のSiN膜の成膜室中のSiターゲ
ット1枚当りの放電時間の合計は6時間であって第2の
SiN膜の成膜室中のSiターゲット1枚当りの放電時
間の合計は5.4時間であった。
中に於るSiターゲットの積算放電時間が1時間毎の異
常放電の発生回数を計測した。
工程に於て、異常放電の発生は図12に示すように殆ど
認められなかった。又本実施例によって作成した960
枚の磁気ディスクについて光学顕微鏡を用いて記録層の
状態を観察し、50μmφ以上のピンホール欠陥が1個
以上有れば不良品として不良品発生率を算出した。その
結果本実施例に於る不良品発生率は約0.5%であっ
た。
Siターゲットのスパッタ面をX線マクロアナライザー
(商品名:JSM−T200;日本電子データム(株)
社製)を用いてX線で走査してスパッタ面の元素分析を
行なったところ、スパッタ面へのSiNの形成は認めら
れなかった。
晶で構成され、スパッタ面がミラー指数(1、1、1)
面と一致し、且つスパッタ面の比抵抗を0.001Ω・
cmとした。
トを用いた以外は実施例1と同様にして光磁気ディスク
を作製した。
工程に於て異常放電は図12に示すように殆ど発生せず
又、光磁気ディスクの不良品発生率も約0.5%であっ
た。
Siターゲットのスパッタ面を実施例1と同様にして観
察したところスパッタ面にSiNは形成されていなかっ
た。
トを、Si単結晶で構成され、スパッタ面がミラー指数
(1、1、0)の格子面と一致し、且つスパッタ面の比
抵抗が0.001Ω・cmとした直径20cm、厚さ3
mmのSiターゲットを用いた以外は実施例1と同様に
して光磁気ディスクを作成した。その結果として第1の
SiN膜の成膜に用いた4枚のSiターゲットについて
積算放電時間が1時間毎の異常放電の発生回数の平均値
(異常放電発生頻度)のグラフを図12に示す。図12
から明らかな様に比較例1に於てはターゲットの積算放
電時間が増加すると共に異常放電の発生回数も著しく増
加し、例えば積算放電時間5時間〜6時間の1時間に発
生した異常放電は180回に達した。そこでこの傾向は
第2のSiN膜の成膜工程に於ても殆ど同様であった。
又比較例1で得られた光磁気ディスクの不良品発生率は
約91%であった。
ゲットについて実施例1と同様にして観察したところ、
スパッタ面にSiNが点在しているのが認められた。
ットを、粒界サイズが10〜15mmの多結晶Siであ
って、スパッタ面の比抵抗を0.001Ω・cmとし
た。直径20cm、厚さ3mmのSiターゲットを用い
た以外は実施例1と同様にして光磁気ディスクを作製し
た。
用いた4枚のSiターゲットについて積算放電時間が1
時間毎の異常放電の発生回数の平均値(異常放電の発生
頻度)を図12に示す。そして図12から明らかな様に
比較例2に於ても積算放電時間が増化すると共に異常放
電の発生回数も増加し、例えば積算放電時間が5時間〜
6時間の1時間に60回の異常放電が発生した。又この
傾向は第2のSiN膜の成膜工程に於ても殆ど同様であ
った。
クの不良品発生率は約80%であった。
ーゲットについて実施例1と同様にして観察したところ
スパッタ面にSiNが点在しているのが認められた。
0.6μm、ピッチ1.6μm、深さ800Åのスパイ
ラル状のトラック溝を有するポリカーボネート製の基板
のトラック溝が形成された側の表面に第1誘電体膜とし
て厚さ1050ÅのSiN膜、光記録膜として厚さ50
0ÅのTb-Fe-Coの非晶質光磁気記録膜、第2誘電
体層として厚さ450ÅのSiN膜が順次積層された記
録層を有する光磁気ディスクを以下の方法で作成した。
成膜用のスパッタリング装置を用意した。
iN膜の成膜室のチャンバー内には各々4個(合計8
個)のターゲット載置面の直径が13.3cmのバッキ
ングプレートを配置した。そして各々のバッキングプレ
ートには直流電流を接続し、又各々の直流電源には異常
放電発生時に電源保護のために一時給電を停止し、再度
通電を開始する機能(アークカット機能)を付加し更に
アークカットの発生を記録するレコーダーを接続した。
に示すように永久磁石を配置し、該永久磁石はターゲッ
トのスパッタ面全面がエロージョン領域となる様にスパ
ッタリング工程中に移動可能な構成とした。そして各々
のバッキングプレート上には、直径13.3cmφ、厚
さ3mmのSi単結晶ターゲットを装着した。なおここ
で用いたターゲットはB(ボロン)のドーピングによっ
てスパッタ面の比抵抗を10-3Ω・cmに調整すると共
にスパッタ面がSi単結晶のミラー指数(1、0、0)
で示される格子面と一致させたものとし、更にスパッタ
面に隣接する稜角部を図8(b)に於てθ=45°、a
sinθ/h=1/3となる様に面取りした構成とし
た。
するインライン型スパッタ装置の基板投入室に、8枚の
ディスク基板を取り付けた基板ホルダーを投入し、次い
で脱気室に基板を搬送して脱気した後、第1のSiN膜
成膜室に基板を搬送し、第1のSiN膜の成膜を行なっ
た。
部を1×10-5Paまで真空排気した後、Arガス及び
N2 ガスをチャンバー内に導入し、ArガスとN2 ガス
の混合ガスの圧力を0.2Pa(但し混合ガス中のN2
ガスの割合は30vol%)とした雰囲気中で、ターゲ
ットの単位面積(1cm2 )当りの放電パワーを6.5
Wとしてスパッタを行ないSiN膜の成膜速度が300
Å/分となる様に調整した。
ターゲット間の距離は120mmとした。
3.5分であった。
録膜成膜室に搬送し、Tb−Fe−Co光磁気記録膜の
成膜を行なった。
電の生じないRFスパッタリング法で行なった。なお、
スパッタリングターゲットとしては直径20cm、厚さ
3mmのTb23Fe70Co7 の合金ターゲットを用い、
又RFスパッタリングの条件としてはチャンバー内部を
1×10-5Paまで真空排気した後、Arガスを導入
し、Arガスの圧力を0.1Pa、RFパワー5.6W
/cm2 としてスパッタを行なった。
板を第2のSiN膜の成膜室に搬送し、第1のSiN膜
の成膜条件と同一の条件でSiN膜を成膜した。従って
第2のSiN膜の成膜時間は1.5分であった。上記の
手順に従って8枚のディスク基板を保持した基板ホルダ
ー120枚を連続的に該インライン型の成膜装置に投入
して成膜を行ない、合計960枚の光磁気ディスクを作
製した。従って第1のSiN膜の成膜中のSiターゲッ
ト1枚当りの放電時間の合計は7時間であって、第2の
SiN膜の成膜室中のSiターゲット1枚当りの放電時
間の合計は3時間であった。そして第1及び第2のSi
N膜の成膜工程中に於る異常放電の発生頻度を計測し
た。そして第1のSiN膜の成膜工程に於る異常放電の
発生頻度を図13に示す。図13から分る様に実施例3
に於て第1のSiNの成膜工程に於て異常放電の発生は
殆どなく、これは第2のSiN膜の成膜工程に於ても同
様であった。
ゲットについてターゲットの割れやヒビの発生状態を目
視で観察した。
の光磁気ディスクについて光学顕微鏡を用いて記録層の
状態を観察し、40μmφ以上のピンホール欠陥が1個
以上有れば不良品として不良品発生率を算出した。
異常放電の発生頻度は第1及び第2のSiN膜の成膜を
通して計測される発生頻度のうちその値が最大となる第
1のSiN膜の成膜に用いた4枚のターゲットの積算放
電時間6時間〜7時間の1時間に発生した異常放電の発
生回数をターゲットの枚数、即ち4で割って平均化した
値である。
と共にスパッタ面をミラー指数(1、0、0)で示され
る格子面と一致させ、更に面取りの処理の有無、直径及
びスパッタ面の比抵抗を表1に示す様に変化させたスパ
ッタリングターゲットを用意し、各々のスパッタリング
ターゲットを用いて実施例3と同様にして光磁気ディス
クを作成した。但し実施例3〜5に用いたターゲットの
面取りは実施例2に用いたターゲットと同じ形状とし
た。
生頻度、ターゲットへの割れやヒビの発生状態及びディ
スクの不良品発生率について実施例2と同様にして評価
した。その結果を表1に示す。
0.6μm、ピッチ1.6μm、深さ800Åのスパイ
ラル状のトラック溝を有するポリカーボネート製の基板
の、トラック溝が形成された側の表面に第1誘電体膜と
して厚さ900ÅのGeO膜、光記録膜として厚さ10
00ÅのTb−Fe−Coの非晶質光磁気記録膜、第2
誘電体層として厚さ700ÅのGeO膜が順次積層され
た記録層を有する光磁気ディスクを以下の方法で作成し
た。
成膜用のスパッタリング装置を用意した。
GeO膜の成膜室のチャンバー内には各々4個(合計8
個)のターゲット載置面の直径が20cmのバッキング
プレートを配置した。そして各々のバッキングプレート
には直流電流を接続し、又各々の直流電源には異常放電
発生時に電源保護のために一時給電を停止し、再度通電
を開始する機能(アークカット機能)を付加し、更にア
ークカットの発生を記録するレコーダーを接続した。
示すように永久磁石を配置し、該永久磁石はターゲット
のスパッタ面全面がエロージョン領域となる様にスパッ
タリング工程中に移動可能な構成とした。
直径20cmφ、厚さ3mmのGe単結晶ターゲットを
装着した。なおここで用いたターゲットはB(ボロン)
のドーピングによってスパッタ面の比抵抗を10-3Ω・
cmに調整すると共にスパッタ面がGe単結晶のミラー
指数(1、0、0)で示される格子面と一致させたもの
とした。
するインライン型スパッタ装置の基板投入室に、8枚の
ディスク基板を取り付けた基板ホルダーを投入し、次い
で脱気室に基板を搬送して脱気した後、第1のGeO膜
成膜室に基板を搬送し第1のGeO膜の成膜を行なっ
た。
部を1×10-5Paまで真空排気した後、Arガス及び
O2 ガスをチャンバー内に導入し、ArガスとO2 ガス
の混合ガスの圧力を0.2Pa(但し混合ガス中のO2
ガスの割合は23vol%)とした雰囲気中で、ターゲ
ットの単位面積(1cm2 )当りの放電パワーを4.1
Wとしてスパッタを行ないGeO膜の成膜速度が170
Å/分となる様に調整した。
ターゲット間の距離は120mmとした。
約5.3分であった。
録膜成膜室に搬送し、Tb−Fe−Co光磁気記録膜の
成膜を行なった。
電の生じないRFスパッタリング法で行なった。なお、
スパッタリングターゲットとしては直径20cm、厚さ
3mmのTb23Fe70Co7 の合金ターゲットを用い、
又RFスパッタリングの条件としてはチャンバー内部を
1×10-5Paまで真空排気した後、Arガスを導入
し、Arガスの圧力を0.1Pa、RFパワー5.6W
/cm2 としてスパッタを行なった。
板を第2のGeO膜の成膜室に搬送し、第1のGeO膜
の成膜条件と同一の条件でGeO膜を成膜した。従って
第2のGeO膜の成膜時間は4.1分であった。
保持した基板ホルダー120枚を連続的に該インライン
型の成膜装置に投入して成膜を行ない、合計960枚の
光磁気ディスクを作製した。従って第1のGeO膜の成
膜室中のGeターゲット1枚当りの放電時間の合計は1
0.6時間であって、第2のGeO膜の成膜室中のGe
ターゲット1枚当りの放電時間の合計は8.2時間であ
った。
程中に於るGeターゲットの積算放電時間が1時間毎の
異常放電の発生回数を計測した。
工程に於て、異常放電の発生は殆ど認められなかた。
又、本実施例によって作成した860枚の光磁気ディス
クについて光学顕微鏡を用いて記録層の状態を観察し、
50μmφ以上のピンホール欠陥が1個以上有れば不良
品として不良品発生率を算出した。その結果本実施例に
於る不良品発生率は約1.5%であった。
Geターゲットのスパッタ面を実施例1と同様にして観
察したところ、スパッタ面にGeOは形成されていなか
った。
(I)で示される構造のスピロピラン化合物を厚さ20
0nmに蒸着するステップに代えた以外は実施例1と同
様にして光ディスクを作成した。
施例1と同様であって、2層のSiN膜で挟持されたス
ピロピラン膜で構成された光記録層に欠陥の無い高品質
な光記録媒体を生産性良く製造することができた。
に於て用いたSi単結晶及びGe単結晶のスパッタリン
グターゲットのスパッタ面の格子面はX線回折装置(商
品名:RAD−3B;理学電機(株)社製)を用いたX
線回折分析によって特定したものである。具体的には、
上記X線回折装置のX線発生装置の対陰極(ターゲッ
ト)にCuを用い、この時に発生するX線のうちKα線
をX線源として、該X線をスパッタリングターゲットの
スパッタ面に入射角が2θ=20°〜120°となる様
に変化させて入射せしめてX線回折ピークを測定・記録
し、その結果を既知物質のX線回折ピークの位置と結晶
の格子面との対照データ(JCPDS PDF…Joi
nt Commitee on Powder Dif
fraction Standards Powder
Data File)と照合することによって特定し
た。
スパッタリング法によって無機誘電体膜を形成する場合
に、不活性ガスによるスパッタエッチングが生じる為に
無機誘電体膜が形成されることはないと考えられている
スパッタリングターゲットのスパッタ面のエロージョン
領域にも絶縁性の無機誘電体が形成され、このエロージ
ョン領域の無機誘電体が異常放電をもたらすという新た
な知見に基づくものであり、本発明によれば直流反応性
スパッタリングによって無機誘電体薄膜を有する記録層
を備えた光記録媒体を製造する際に同一のターゲットを
用いた長時間のスパッタリング及び/又は高パワー密度
でのスパッタリングを行なった場合にも異常放電の発生
頻度を大幅に減少させることができ、高品質な光記録媒
体を生産性良く製造することができる。
ングを含む直流スパッタリング法によって薄膜を形成す
る際に、同一のターゲットに対して長時間のスパッタリ
ング及び/又は高パワー密度でのスパッタリングを行な
った場合の異常放電の発生の原因となるターゲットのヒ
ビや割れを有効に抑えられるものである。
ンライン型の記録層成膜装置の概略平面図。
概略断面図。
ラー指数(1、0、0)で示される格子面に於る断面
図。
ラー指数(1、1、0)で示される格子面に於る断面
図。
ラー指数(1、1、1)で示される格子面に於る断面
図。
図。 (a)本発明に係る他の光記録媒体の製造方法に用いる
無機誘電体膜成膜室の概略断面図。 (b)図8(a)のスパッタリングターゲットの拡大断
面図。
実施態様の拡大断面図。
に他の実施態様の拡大断面図。
レートのサイズに関する説明図。
常放電の発生頻度を示すグラフ。
示すグラフ。
Claims (12)
- 【請求項1】 金属元素および半金属元素の少なくとも
一方を含むターゲット元素を含む薄膜を形成する為のス
パッタリング方法であって、 ダイアモンド結晶構造を有する、ターゲット元素の単結
晶からなるスパッタリングターゲットを用意する工程;
および 該スパッタリングターゲットを反応性ガス雰囲気下でD
Cスパッタし、無機誘電体薄膜を形成する工程、を有
し、 該スパッタリングターゲットは、該ダイヤモンド結晶構
造のミラー指数(1,0,0)によって示される格子面
から構成されるスパッタ面を有していることを特徴とす
るスパッタリング方法。 - 【請求項2】 該半金属元素が少なくともシリコンおよ
びゲルマニウムの少なくとも一方である請求項1記載の
スパッタリング方法。 - 【請求項3】 該反応性ガスが少なくとも窒素、酸素、
アンモニアおよびエチレンから選ばれる少なくとも1つ
である請求項1または2に記載のスパッタリング方法。 - 【請求項4】 該スパッタ面が、導電性付与材料をドー
プすることによって導電性が付与されている請求項1〜
3の何れかに記載のスパッタリング方法。 - 【請求項5】 該スパッタ面の抵抗値が最大で0.01
Ω・cmである請求項4記載のスパッタリング方法。 - 【請求項6】 該導電性付与材料がボロンおよびリンの
少なくとも一方である請求項4または5記載のスパッタ
リング方法。 - 【請求項7】 該スパッタリングターゲットが該スパッ
タ面に隣接する稜角部が面取りされている請求項1〜6
の何れかに記載のスパッタリング方法。 - 【請求項8】 該面取りが、該スパッタリングターゲッ
トの中心を通り、且つ該スパッタ面に直交する切断面に
於ける断面形状が、該スパッタリングターゲットの厚さ
をh、面取りによって形成される面の長さをa、面取り
によって形成される面が該スパッタ面に対してなす角度
をθとしたときに、(a×sinθ/ h)が下記の関係を満
たす請求項7記載のスパッタリング方法。 0.2≦ (a×sinθ/ h )≦0.8 - 【請求項9】 上記(a×sinθ/ h )が下記の関係を
満たす請求項8記載のスパッタリング方法。 0.3≦ (a×sinθ/ h )≦0.7 - 【請求項10】 基板上に光記録膜および半金属元素を
含む無機誘電体膜とを含む光記録媒体の製造方法であっ
て、 基板上に該光記録膜を製膜する工程;および 該無機誘電体膜を製膜する工程、を有し、 該無機誘電体膜を製膜する工程が、請求項1〜9の何れ
かのスパッタ方法によって行われることを特徴とする光
記録媒体の製造方法。 - 【請求項11】 金属元素もしくは半金属元素のダイヤ
モンド型単結晶構造からなる、反応性ガス雰囲気下での
DCスパッタリング方法において用いられるスパッタリ
ングターゲットであって、該ダイヤモンド型単結晶構造
のミラー指数(1,0,0)によって示される格子面か
ら実質的に構成されてなるスパッタ面を有することを特
徴とするスパッタリングターゲット。 - 【請求項12】 該半金属元素がシリコンおよびゲルマ
ニウムの少なくとも一方である請求項11記載のスパッ
タリングターゲット。
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---|---|---|---|
JP24941893A JP3507104B2 (ja) | 1992-10-05 | 1993-10-05 | 光記録媒体の製造方法、スパッタリング方法及びスパッタリングターゲット |
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JP4-288187 | 1992-10-05 | ||
JP21161393 | 1993-08-26 | ||
JP5-211613 | 1993-08-26 | ||
JP24941893A JP3507104B2 (ja) | 1992-10-05 | 1993-10-05 | 光記録媒体の製造方法、スパッタリング方法及びスパッタリングターゲット |
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ID=27329263
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JP4500061B2 (ja) * | 2004-02-02 | 2010-07-14 | 株式会社神戸製鋼所 | 硬質皮膜の成膜方法 |
-
1993
- 1993-10-05 JP JP24941893A patent/JP3507104B2/ja not_active Expired - Fee Related
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