JP3506260B2 - 原液の浄化装置 - Google Patents

原液の浄化装置

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JP3506260B2 JP10363293A JP10363293A JP3506260B2 JP 3506260 B2 JP3506260 B2 JP 3506260B2 JP 10363293 A JP10363293 A JP 10363293A JP 10363293 A JP10363293 A JP 10363293A JP 3506260 B2 JP3506260 B2 JP 3506260B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、冷凍倉庫スケートリン
クなどの熱媒体として用いられるブラインや、自動車エ
ンジンなどの冷却に使用されるクーラントのような使用
済の原液を液体源から抽出し、浄化する原液の浄化装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、冷凍倉庫などの冷凍システム
では、低温媒体として有機系ブラインが使用される。該
有機系ブラインとは、グリコール類およびアルコール類
をベースとし、それに種々の防食添加剤、酸化防止剤、
消泡剤、着色剤等を添加剤として加えたものである。そ
のために使用当初は、これら添加剤の働きによりシステ
ム構成金属に対して防食能力を有しているが、長年使用
しているうちに防食添加剤、酸化防止剤、消泡剤等が消
耗劣化して、金属の腐食が起き、液中に金属イオン、腐
食生成物およびその他種々の不要含有物が増加して機能
が低下する。このため通常使用開始後2〜3年で新液と
交換される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、このように使
用済のブラインを新液と交換する場合には、システムか
ら使用済の液を抜き取り、この廃液を処理業者の処理に
任せる必要があり、経済的にかなりの負担となるばかり
か、使用済のブライン中には有害な重金属が含まれてい
るため廃液を少量でも河川等に廃棄すると公害問題が発
生するなどの問題点がある。 【0004】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、使用済のブラインなどの原液を廃棄することなく浄
化し、再利用することができる原液の浄化装置を提供す
ることを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題は、使用済の原液を浄化する装置であって、原液を通
過させて原液中の不要な含有物を除去する除去手段と、
除去手段に流入する原液の温度を該除去手段の除去能力
が高く維持されるように調節する温度調節手段と、温度
調節手段に流入する原液と除去手段から流出した透過液
との間で熱交換を行う熱交換器とを設けた原液の浄化装
置を提供することによって解決される。 【0006】 【実施例】図1は本発明の一実施例に係る原液の浄化装
置を示す概略図である。1は冷凍倉庫に適用される冷凍
システムであり、冷凍機2と熱交換器3とからなる。こ
の冷凍システム1において低温媒体として使用されるブ
ラインは、冷凍機2で冷却されたのち往路配管4を経て
熱交換器3に流入する。ここで、倉庫などの冷却に寄与
したブラインは、仕切弁6を途中に有する復路配管5を
経て冷却機2に戻り、再度冷却される。 【0007】この冷凍システム1の復路配管5における
上記仕切弁6を挟む上流側および下流側は、それぞれ途
中に仕切弁7,8を有する分岐管5a,5bを介して浄
化装置10の保冷タンク11に接続されている。使用済
ブラインを再生する場合に、上記分岐管5aを経てブラ
インが冷凍システム1から保冷タンク11へと導出され
る。すなわち、復路配管5の途中の仕切弁6を閉じると
共に、分岐管5aの途中の仕切弁7を開くことにより使
用済ブライン(原液)が保冷タンク11へと導出され
る。分岐管5bの一端には回収用ポンプ9が接続されて
いる。このポンプ9は、保冷タンク11の使用済ブライ
ンが浄化されたとき、そのブラインを分岐管5bを経て
冷凍システム1に回収するのに使用される。 【0008】保冷タンク11には、使用済ブライン中の
金属イオンを除去する目的で、該金属イオンと反応して
不溶解物質を生成する金属イオン反応剤が添加される。
生成された不溶解物質は保冷タンク11内において使用
済ブライン中で沈澱し、後述するフィルター32により
除去される。 【0009】上記金属イオン反応剤としては、例えば特
開平3−43617号公報に記載されたナトリウムジメ
チルジチオン炭酸塩のような公知のものを特に制限なく
使用することができる。 【0010】上記保冷タンク11は、ポンプ12を一端
に有し途中に詰まり監視用の圧力計13を有する抽出用
配管14を介して、熱交換器15の導入路15aの入口
側に連通させるとともに、回収用配管17を介して上記
熱交換器15の回収路15bの出口側に連通させてあ
る。この回収路15bの入口側にも詰まり監視用の圧力
計16が設けられている。上記ポンプ12で導き出され
た使用済ブラインは、抽出用配管14を経て熱交換器1
5の導入路15aに流入される。この熱交換器15は例
えば公知のプレート型からなり、保冷タンク11から導
出され導入路15aに流入する使用済ブラインと、回収
路15bを経て保冷タンク11に回収される浄化液との
間で熱交換を行って、次段のヒーター18に流入する浄
化前のブラインを加熱するとともに、保冷タンク11に
回収される浄化済ブラインを冷却する機能をもつ。 【0011】熱交換器15の導入路15aの出口側は、
途中にヒーター18、温度コントローラ19、ポンプ2
0、詰まり監視用圧力計21および三方弁22を有する
送給管23を介して、一対のプレフィルタ24,24の
一次側に連通させてある。すなわち、送給管23の下流
側は三方弁22を介して2つの分岐管23a,23bに
分岐させてあり、各分岐管23a,23bが対応する各
プレフィルタ24の一次側に連通している。上記温度コ
ントローラ19は、ヒーター18を通電制御して送給管
23を流れるブラインを所定温度(例えば20°C)に
維持するものである。一対のプレフィルタ24,24の
うち、一方のプレフィルタは予備として使用される。こ
れらプレフィルタ24,24は濾過膜の孔径を1〜5μ
m程度とした、例えばプリーツ型のカートリッジフィル
ターであり、流入してくるブライン中の不要含有物のう
ち、主として配管内の粗ごみなど粒度の大きいものを除
去する。 【0012】さらに、各プレフィルタ24の二次側は、
三方弁27に接続された2つの分岐管31a,31bを
有し、途中に流量計28、詰まり監視用圧力計29およ
び仕切弁30を有する連結管31を介して、次段のフィ
ルタ32の一次側に連通させてある。フィルタ32とし
ては、通常、孔径が0.01〜0.3μmの精密濾過領
域のフィルタが好ましく用いられるが、使用目的に応じ
てさらに孔径の小さな限外濾過領域のフィルタを用いる
こともできる。 【0013】連結管31の各分岐管31a,31bに設
けられた各プレフィルタ24の詰まりは、圧力計21と
29の差圧から検出される。一方のプレフィルタ24の
詰まりが検出されると、三方弁22,27を切り替え
て、他方のプレフィルタ24を使用すればよい。 【0014】上記フィルタ32は、プレフィルタ24を
濾過して流入してくるブライン中の粒度の小さい不要含
有物を除去する機能を有する。フィルタ32としては、
外圧全濾過型のものが使用され、例えば、実公昭61−
5923号公報または特公平4−17695号公報に示
したような中空糸型のものを例示することができる。バ
ルブ33は空気抜き用バルブであって、フィルタ32の
容器内に液が充満するように、使用開始時に開放されて
容器内の空気を排出する。35はドレン配管である。 【0015】上記フィルタ32の二次側は、途中に詰ま
り監視用圧力計36、仕切弁37および三方弁38を有
する循環用配管39を介して前記ヒーター18の上流側
の送給管23に連通するとともに、三方弁38を介して
前記熱交換器15の回収路15bの入口側に連通してい
る。上記フィルタ32の一次側の圧力計29と二次側の
圧力計36との差圧からフィルタ32の詰まりが検出さ
れる。 【0016】また、上記循環用配管39の途中の仕切弁
37の上流側には、上記フィルタ32の濾過膜に対して
濾過方向と逆方向にエアーを透過させることによって膜
表面に付着した原液中の不要含有物を剥離させる逆洗回
路40が連結されている。この逆洗回路40は、エアー
調節弁41および仕切弁42を途中に有する給気管43
を介して、エアー源であるコンプレッサー44を上記循
環用配管39に連通させている。フィルタ32の洗浄時
には、仕切弁37を閉、仕切弁42を開にし、コンプレ
ッサー44から給気管43、循環用配管39を経てフィ
ルタ32の二次側にエアーが吹き込まれる。洗浄が終了
すると、仕切弁42を閉、仕切弁37を開にして、次の
新たなブラインの浄化運転に備える。 【0017】上記原液浄化装置10の動作を以下に説明
する。冷凍システム1から定期的、例えば1年に1回、
ブラインを保冷タンク11に抜き出す。冷凍システム1
から保冷タンク11に導出された使用済ブラインには、
金属イオン反応剤をオペレータが実線で示す矢印47の
ように添加する。 【0018】上記金属イオン反応剤が添加され、金属イ
オンが不溶解物質として沈殿した使用済ブラインは、ポ
ンプ12で保冷タンク11から導出され、抽出用配管1
4、熱交換器15の導入路15aおよび送給管23を経
てヒーター18を通過する。保冷タンク11から導出さ
れる低温(例えば−26°C)の使用済ブラインは上記
ヒーター18で加熱され、さらにポンプ20、三方弁2
2を経てプレフィルタ24に流入する。プレフィルタ2
4では、ブライン中の不要含有物のうち配管中の粗ごみ
など粒度の大きいものが除去され、このプレフィルタ2
4を透過したブラインは連結管31を経て次段のフィル
タ32に流入する。フィルタ32では、ブライン中に残
留する微小な不要含有物が除去される。 【0019】原液浄化装置の動作開始時には、循環用配
管39の途中に設けられた三方弁38は、循環用配管3
9が送給管23に連通する状態に設定されており、フィ
ルタ32を透過した液は、ポンプ20の力で循環用配管
39を経てヒーター18、プレフィルタ24およびフィ
ルタ32へと循環供給される。この循環供給に伴い透過
液の温度はヒーター18の加熱によって上昇し、温度コ
ントローラ19で制御される所定温度(例えば20°
C)に達すると、循環用配管39の三方弁38は、循環
用配管39が熱交換器15の回収路15bに連通する状
態に切換設定される。これにより、これ以降、保冷タン
ク11から導出される使用済ブラインがプレフィルタ2
4およびフィルタ32に順次流入して浄化され、その浄
化済ブラインが循環用配管39、熱交換器15の回収路
15b、および回収用配管17を経て保冷タンク11に
回収される。 【0020】加熱されて所定温度まで温度上昇した循環
用配管39内の浄化済ブラインは、熱交換器15の回収
路15bを経て保冷タンク11に回収される際に、熱交
換器15の導入路15aを経て導入される低温(−26
°C)の未浄化ブライン(原液)との間で熱交換されて
冷却されたのち、保冷タンク11に回収される。 【0021】保冷タンク11から導出される低温(−2
6°C)の未浄化ブラインは、プレフィルタ24および
フィルタ32に流入するのに先立ち、熱交換器15にお
ける浄化済ブラインとの間の熱交換およびヒータ18で
の加熱により、所定温度に昇温される。これにより、プ
レフィルタ24やフィルタ32の濾過能力を高く維持し
て、ブライン中の不要含有物の除去を効果的に行うこと
ができる。すなわち、浄化対象原液であるブラインは、
その温度が低下すると粘性が高くなり、プレフィルタ2
4およびフィルタ32の濾過能率を下げることとなる。
また、その温度が80°Cを越えるとプレフィルタ24
およびフィルタ32の濾過膜を損傷させるおそれがある
ので、上記のように濾過前のブラインを熱交換器15に
よって、0℃〜80℃の範囲内の所定温度、例えば20
°Cに昇温することにより、プレフィルタ24およびフ
ィルタ32の不要含有物除去効果を向上させることがで
きる。 【0022】保冷タンク11に回収された浄化済ブライ
ンには未反応の金属イオン反応剤が残留している場合が
ある。このように金属イオン反応剤が残留している浄化
済ブラインを冷凍システム1に戻すと、冷凍システム1
中で溶出した金属イオンが、金属イオン反応剤と反応し
て不溶解物質として沈澱し、その沈澱物が配管を閉塞す
る恐れがある。 【0023】このような場合には、未反応の金属イオン
反応剤を分解する分解剤を、保冷タンク11内に戻った
浄化済ブラインに、破線で示す矢印48のように添加す
ればよい。上記分解剤は、未反応の金属イオン反応剤を
分解するとともに、自ら二重化して以後の反応に関与し
ない形となるものをいい、金属イオン反応剤に応じて適
宜選択すればよい。通常、かかる分解剤は、金属イオン
反応剤に対して多量に用いられる。なお、かかる分解剤
の投入場所は、フィルタ32の後であればよく特に制限
されない。 【0024】上記浄化処理により、使用済ブライン中の
金属イオン等が不要含有物として除去される。また、使
用済ブラインは、防食添加剤、酸化防止剤、消泡剤等が
消耗・劣化により減少しているので、浄化済ブラインに
対し上記各添加剤を添加(補充)することにより、ブラ
インが再生される。これら添加剤の添加は、通常、保冷
タンク11に回収した後に行われるが、フィルタ32を
透過した後の循環用配管39、回収用配管17等の経路
の途中で行ってもよい。 【0025】ところで、上記実施例は、1年に1回程
度、周期的に冷凍システム1から保冷タンク11に使用
済ブラインを導出してから浄化するバッチ式の浄化処理
について説明したが、冷凍システム1でのブラインの流
量が少ない場合には、図2のように冷凍システム1にお
ける熱交換器3の出口側を、原液浄化装置10における
熱交換器15の導入路15aの入口側Aに、また冷凍シ
ステム1における冷凍機2の入口側を、原液浄化装置1
0における熱交換器15の回収路15bの出口側Bにそ
れぞれ連通させて、冷凍システム1の中に原液浄化装置
10を組み込んだインライン型として、常時、ブライン
を浄化しながら冷凍システム1に循環供給するようにし
てもよい。この場合には保冷タンク11を省略できるの
で、全体の構成を小型化できる。 【0026】なお、図2の実施例では、金属イオン反応
剤は矢印47で示すように導入路15aにおいて添加さ
れる。また、必要に応じて、未反応の金属イオン反応剤
を分解する分解剤が、フィルタ32による濾過の後、例
えば矢印48で示すように回収用配管17において添加
される。 【0027】また、上記実施例では、浄化対象原液であ
るブライン中の不要含有物を除去する手段としてプレフ
ィルタ24およびフィルタ32を使用したが、これらに
加えてイオン交換器を設けてもよい。 【0028】さらに、上記各実施例では、低温の使用済
ブラインを浄化する場合について説明したが、食品加工
システムなどに使用されるタンクの洗浄温水やボイラで
処理される水のような高温の原液の浄化にも同様に適用
できる。この場合、上記実施例において温度コントロー
ラ19とともに温度調節手段を構成する先のヒーター1
8に換えて冷却装置を用いればよい。これにより、浄化
開始時に原液浄化装置に導入される未浄化の高温原液を
循環させる間に、上記冷却装置で高温原液の温度を降下
させ、それ以後は熱交換器15において回収される低温
の浄化済液との間の熱交換および冷却装置での冷却によ
り、プレフィルタ24およびフィルタ32に流入する前
の原液の温度を低下させて、高温による濾過膜の損傷を
回避することができる。 【0029】 【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の原液浄化
装置によれば、使用済の原液は除去手段に導入されて原
液中の不要な含有物が除去される。これにより、ブライ
ン等の使用済原液を廃棄することなく浄化回収できる。
また、導入される原液が熱交換器によって加熱または冷
却されるので、その次段に設けられる温度調節手段との
働きによって、原液の温度を、上記除去手段の除去能力
が高く維持されるのに適した温度に設定できる。したが
って、高い浄化効率が維持される。さらに、不要含有物
が除去されて除去手段から流出する透過液(浄化済液)
と、上記温度調節手段に流入する原液との間で、熱交換
器によって熱交換が行われ、これによって、浄化済液は
除去手段に流入する前の原液とほぼ同じ温度に戻され
る。したがって、浄化済液をそのまま液体源に戻すこと
もできる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の一実施例を示す概略構成図である。 【図2】この発明の他の実施例の要部を示す概略構成図
である。 【符号の説明】 10…原液の浄化装置、11…保冷タンク、15…熱交
換器、18…ヒーター(温度調節手段)、19…温度コ
ントローラ、24A,24B…プレフィルタ、32…フ
ィルタ(除去手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 貞三 大阪市淀川区新高3丁目7番9号 株式 会社新三国機械内 (72)発明者 福田 一郎 大阪市淀川区新高3丁目7番9号 株式 会社新三国機械内 (56)参考文献 特開 平4−225810(JP,A) 特開 平6−71248(JP,A) 特表 平3−504211(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 36/00 B01D 35/18

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 使用済の原液を浄化する装置であって、 原液を通過させて原液中の不要な含有物を除去する除去
    手段と、 上記除去手段に流入する原液の温度を上記除去手段の除
    去能力が高く維持されるように調節する温度調節手段
    と、 上記温度調節手段に流入する原液と上記除去手段から流
    出した透過液との間で熱交換を行う熱交換器とを備えて
    なる原液の浄化装置。
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