JP3506160B2 - フィルタ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、数百ＭＨｚ〜数Ｇ
Ｈｚの周波数領域におけるフィルタ技術に属するもので
あり、特に積層配置された誘電体の異なる積層面に複数
の１／４波長共振電極を配置したフィルタに関する。
Ｈｚの周波数領域におけるフィルタ技術に属するもので
あり、特に積層配置された誘電体の異なる積層面に複数
の１／４波長共振電極を配置したフィルタに関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
数百ＭＨｚ〜数ＧＨｚの周波数領域で使用されるバンド
パフィルタとしては、誘電体ブロックに平行な複数の貫
通孔を形成し、該誘電体ブロックの貫通孔内面と該貫通
孔に沿った方向の外部側面とに導体を付与してそれぞれ
内部導体及び外部導体を形成し、上記貫通孔が開口せる
２つの誘電体ブロック端面のうちの１つに上記内部導体
と外部導体とを接続させる接続導体を形成してなる同軸
型共振器によるものが用いられている。
数百ＭＨｚ〜数ＧＨｚの周波数領域で使用されるバンド
パフィルタとしては、誘電体ブロックに平行な複数の貫
通孔を形成し、該誘電体ブロックの貫通孔内面と該貫通
孔に沿った方向の外部側面とに導体を付与してそれぞれ
内部導体及び外部導体を形成し、上記貫通孔が開口せる
２つの誘電体ブロック端面のうちの１つに上記内部導体
と外部導体とを接続させる接続導体を形成してなる同軸
型共振器によるものが用いられている。
【０００３】更に、近年において、より一層の小型化や
構成の簡易化を目指したものとして、図５に示されてい
る様な、ストリップライン型１／４波長共振器によるも
のが利用されている（特開平７−４６００３号公報参
照）。図５において、１２は誘電体基板であり、その第
１の主面（上面）には、長さＬの２つの共振電極１４
Ａ，１４Ｂが並列に形成されており、該第１の主面の一
部ならびに誘電体基板１２の一端面及び第２の主面（下
面）の全体にわたってアース電極１６が形成されてい
る。誘電体基板１２の第１の主面には、共振電極１４
Ａ，１４Ｂにそれぞれ接続された入出力電極１８Ａ，１
８Ｂが形成されている。かくして、２つの共振電極１４
Ａ，１４Ｂを含んでなる２つの１／４波長共振器の電磁
気的結合を用いたフィルタが形成される。
構成の簡易化を目指したものとして、図５に示されてい
る様な、ストリップライン型１／４波長共振器によるも
のが利用されている（特開平７−４６００３号公報参
照）。図５において、１２は誘電体基板であり、その第
１の主面（上面）には、長さＬの２つの共振電極１４
Ａ，１４Ｂが並列に形成されており、該第１の主面の一
部ならびに誘電体基板１２の一端面及び第２の主面（下
面）の全体にわたってアース電極１６が形成されてい
る。誘電体基板１２の第１の主面には、共振電極１４
Ａ，１４Ｂにそれぞれ接続された入出力電極１８Ａ，１
８Ｂが形成されている。かくして、２つの共振電極１４
Ａ，１４Ｂを含んでなる２つの１／４波長共振器の電磁
気的結合を用いたフィルタが形成される。
【０００４】ところで、この１／４波長共振器では、共
振電極１４Ａ，１４Ｂの長さＬは、使用する電磁波の波
長をλとし、誘電体基板１２の実効誘電率をεとして、 Ｌ＝（１／４）λ（１／ε1/2 ） で表される。従って、電磁波の周波数ωが数百ＭＨｚ〜
数ＧＨｚの場合には、電極長Ｌがかなり長くなり、例え
ば、ε＝７０で、ω＝８００ＭＨｚの場合には、Ｌ＝１
１．２ｍｍとなる。
振電極１４Ａ，１４Ｂの長さＬは、使用する電磁波の波
長をλとし、誘電体基板１２の実効誘電率をεとして、 Ｌ＝（１／４）λ（１／ε1/2 ） で表される。従って、電磁波の周波数ωが数百ＭＨｚ〜
数ＧＨｚの場合には、電極長Ｌがかなり長くなり、例え
ば、ε＝７０で、ω＝８００ＭＨｚの場合には、Ｌ＝１
１．２ｍｍとなる。
【０００５】そこで、フィルタの一層の小型化を目的と
して、共振器を小型化すべく、ストリップライン型共振
器の共振電極を折り曲げて渦巻き状となすことにより、
誘電体基板の大きさ（特に長さ）を縮小させることが提
案されている（上記特開平７−４６００３号公報参
照）。即ち、図６に示されている様に、誘電体基板１２
の第１の主面に形成された共振電極１４Ａを直線部分１
４Ａａ〜１２Ａｆからなる渦巻き形状となし、同様にし
て、図示はしないが共振電極１４Ｂをも複数の直線部分
からなる渦巻き形状となすことにより、各共振器の直線
部分の長さの合計として共振電極長さを得ることがで
き、誘電体基板１２の長さを最長直線部分１４Ａａ等と
同程度まで減少させることができ、かくして上記Ｌが長
い場合であっても共振器全体の寸法ひいてはフィルタ全
体の寸法をそれほど大きくすることがない。
して、共振器を小型化すべく、ストリップライン型共振
器の共振電極を折り曲げて渦巻き状となすことにより、
誘電体基板の大きさ（特に長さ）を縮小させることが提
案されている（上記特開平７−４６００３号公報参
照）。即ち、図６に示されている様に、誘電体基板１２
の第１の主面に形成された共振電極１４Ａを直線部分１
４Ａａ〜１２Ａｆからなる渦巻き形状となし、同様にし
て、図示はしないが共振電極１４Ｂをも複数の直線部分
からなる渦巻き形状となすことにより、各共振器の直線
部分の長さの合計として共振電極長さを得ることがで
き、誘電体基板１２の長さを最長直線部分１４Ａａ等と
同程度まで減少させることができ、かくして上記Ｌが長
い場合であっても共振器全体の寸法ひいてはフィルタ全
体の寸法をそれほど大きくすることがない。
【０００６】しかしながら、この様な渦巻き状の共振電
極を用いる場合には、渦巻の隣接する互いに平行な部分
の間隔が小さくなると、特にこれら隣接部分間（例え
ば、図６における直線部分１４Ａａと直線部分１４Ａｅ
との間や直線部分１４Ａｂと直線部分１４Ａｆとの間
等）で磁束が影響しあって、共振電極１４Ａ等における
電流の流れが阻害され、実質的な抵抗が増加して共振の
Ｑ値が低下するというという問題が生ずる。これは、フ
ィルタ特性における損失を増大させる。
極を用いる場合には、渦巻の隣接する互いに平行な部分
の間隔が小さくなると、特にこれら隣接部分間（例え
ば、図６における直線部分１４Ａａと直線部分１４Ａｅ
との間や直線部分１４Ａｂと直線部分１４Ａｆとの間
等）で磁束が影響しあって、共振電極１４Ａ等における
電流の流れが阻害され、実質的な抵抗が増加して共振の
Ｑ値が低下するというという問題が生ずる。これは、フ
ィルタ特性における損失を増大させる。
【０００７】そこで、本発明は、小型化が可能で且つ小
型化してもＱ値の低下が少ない１／４波長共振器を用い
たフィルタを提供することを目的とするものである。
型化してもＱ値の低下が少ない１／４波長共振器を用い
たフィルタを提供することを目的とするものである。
【０００８】更に、本発明は、損失の少ないフィルタを
提供することを目的とするものである。
提供することを目的とするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、以上の
如き目的を達成するものとして、複数の誘電体基板が積
層されて基板積層体が形成されており、該基板積層体の
互いに異なる積層面に複数の共振電極が形成されてお
り、該共振電極は少なくとも１回折り曲げられた形状を
なしており、前記基板積層体の２つの主面及び端面には
シールド電極が形成されており、前記共振電極の一端は
前記基板積層体端面にまで延びて前記シールド電極と接
続されており、前記基板積層体の端面には互いに異なる
位置に第１及び第２の入出力電極が形成されており、前
記基板積層体の前記共振電極の形成された積層面のうち
の最上層及び最下層にはそれぞれ前記共振電極の前記一
端と隔てられた部分と前記第１及び第２の入出力電極と
を電気的に接続する第１及び第２の入出力接続部が形成
されており、前記基板積層体の前記共振電極の形成され
ている積層面と異なる積層面であって前記複数の共振電
極の隣接するものどうしの間に位置するそれぞれ１つの
積層面には結合制御電極が形成されており、前記共振電
極は実効電極長が中心線長さの０．９０〜０．９４倍の
範囲内であることを特徴とする、フィルタ、が提供され
る。
如き目的を達成するものとして、複数の誘電体基板が積
層されて基板積層体が形成されており、該基板積層体の
互いに異なる積層面に複数の共振電極が形成されてお
り、該共振電極は少なくとも１回折り曲げられた形状を
なしており、前記基板積層体の２つの主面及び端面には
シールド電極が形成されており、前記共振電極の一端は
前記基板積層体端面にまで延びて前記シールド電極と接
続されており、前記基板積層体の端面には互いに異なる
位置に第１及び第２の入出力電極が形成されており、前
記基板積層体の前記共振電極の形成された積層面のうち
の最上層及び最下層にはそれぞれ前記共振電極の前記一
端と隔てられた部分と前記第１及び第２の入出力電極と
を電気的に接続する第１及び第２の入出力接続部が形成
されており、前記基板積層体の前記共振電極の形成され
ている積層面と異なる積層面であって前記複数の共振電
極の隣接するものどうしの間に位置するそれぞれ１つの
積層面には結合制御電極が形成されており、前記共振電
極は実効電極長が中心線長さの０．９０〜０．９４倍の
範囲内であることを特徴とする、フィルタ、が提供され
る。
【００１０】本発明の一態様においては、前記共振電極
の折り曲げは前記一端から他端へと進む際に同一の向き
に直角をなしてなされている。
の折り曲げは前記一端から他端へと進む際に同一の向き
に直角をなしてなされている。
【００１１】本発明の一態様においては、前記共振電極
の折り曲げの数が２〜５である。
の折り曲げの数が２〜５である。
【００１２】本発明の一態様においては、前記共振電極
による共振器は中心線長さが同一で折り曲げなしの直線
状共振電極の場合のＱ値の７０〜１００％の範囲内のＱ
値をもつ。
による共振器は中心線長さが同一で折り曲げなしの直線
状共振電極の場合のＱ値の７０〜１００％の範囲内のＱ
値をもつ。
【００１３】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。
の実施の形態を説明する。
【００１４】図１は、本発明によるフィルタの一実施形
態を示す分解斜視図であり、図２はその組立状態の斜視
図である。図１及び図２において、２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，
２Ｄ，２Ｅ，２Ｆ，２Ｇ，２Ｈ，２Ｉ，２Ｊ，２Ｋ，２
Ｌは、それぞれ誘電体基板であり、その材料は同一のも
のでよく、例えば実効誘電率９０のセラミック誘電体で
ある。これら基板の各々の上面を第１の主面とし下面を
第２の主面とする。これら１２枚の誘電体基板２Ａ〜２
Ｌが積層されて、基板積層体２が構成されている。
態を示す分解斜視図であり、図２はその組立状態の斜視
図である。図１及び図２において、２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，
２Ｄ，２Ｅ，２Ｆ，２Ｇ，２Ｈ，２Ｉ，２Ｊ，２Ｋ，２
Ｌは、それぞれ誘電体基板であり、その材料は同一のも
のでよく、例えば実効誘電率９０のセラミック誘電体で
ある。これら基板の各々の上面を第１の主面とし下面を
第２の主面とする。これら１２枚の誘電体基板２Ａ〜２
Ｌが積層されて、基板積層体２が構成されている。
【００１５】誘電体基板２Ｃの上面には膜状の共振電極
４Ａが形成されている。該共振電極４Ａは折り曲げられ
た渦巻き形状をなしており、複数の直線部分４Ａａ，４
Ａｂ，４Ａｃ，４Ａｄ，４Ａｅからなり、直線部分４Ａ
ａ，４Ａｂは互いに直角をなしており、直線部分４Ａ
ｂ，４Ａｃは互いに直角をなしており、直線部分４Ａ
ｃ，４Ａｄは互いに直角をなしており、直線部分４Ａ
ｄ，４Ａｅは互いに直角をなしている。この共振電極４
Ａの折り曲げは、直線部分４Ａａから４Ａｅへと進む際
に同一の向き（右向き）に直角をなす様になされてい
る。直線部分４Ａａの一端（直線部分４Ａｂとの接続側
とは反対側の端部）は、誘電体基板２Ｃの端面まで延び
ている。
４Ａが形成されている。該共振電極４Ａは折り曲げられ
た渦巻き形状をなしており、複数の直線部分４Ａａ，４
Ａｂ，４Ａｃ，４Ａｄ，４Ａｅからなり、直線部分４Ａ
ａ，４Ａｂは互いに直角をなしており、直線部分４Ａ
ｂ，４Ａｃは互いに直角をなしており、直線部分４Ａ
ｃ，４Ａｄは互いに直角をなしており、直線部分４Ａ
ｄ，４Ａｅは互いに直角をなしている。この共振電極４
Ａの折り曲げは、直線部分４Ａａから４Ａｅへと進む際
に同一の向き（右向き）に直角をなす様になされてい
る。直線部分４Ａａの一端（直線部分４Ａｂとの接続側
とは反対側の端部）は、誘電体基板２Ｃの端面まで延び
ている。
【００１６】誘電体基板２Ｉの上面には膜状の共振電極
４Ｂが形成されている。該共振電極４Ｂは折り曲げられ
た渦巻き形状をなしており、複数の直線部分４Ｂａ，４
Ｂｂ，４Ｂｃ，４Ｂｄ，４Ｂｅからなり、直線部分４Ｂ
ａ，４Ｂｂは互いに直角をなしており、直線部分４Ｂ
ｂ，４Ｂｃは互いに直角をなしており、直線部分４Ｂ
ｃ，４Ｂｄは互いに直角をなしており、直線部分４Ｂ
ｄ，４Ｂｅは互いに直角をなしている。この共振電極４
Ｂの折り曲げは、直線部分４Ｂａから４Ｂｅへと進む際
に同一の向き（左向き）に直角をなす様になされてい
る。直線部分４Ｂａの一端（直線部分４Ｂｂとの接続側
とは反対側の端部）は、誘電体基板２Ｉの端面まで延び
ている。
４Ｂが形成されている。該共振電極４Ｂは折り曲げられ
た渦巻き形状をなしており、複数の直線部分４Ｂａ，４
Ｂｂ，４Ｂｃ，４Ｂｄ，４Ｂｅからなり、直線部分４Ｂ
ａ，４Ｂｂは互いに直角をなしており、直線部分４Ｂ
ｂ，４Ｂｃは互いに直角をなしており、直線部分４Ｂ
ｃ，４Ｂｄは互いに直角をなしており、直線部分４Ｂ
ｄ，４Ｂｅは互いに直角をなしている。この共振電極４
Ｂの折り曲げは、直線部分４Ｂａから４Ｂｅへと進む際
に同一の向き（左向き）に直角をなす様になされてい
る。直線部分４Ｂａの一端（直線部分４Ｂｂとの接続側
とは反対側の端部）は、誘電体基板２Ｉの端面まで延び
ている。
【００１７】誘電体基板２Ｆの上面には膜状の結合制御
電極１１が形成されている。該結合制御電極１１は、上
記共振電極４Ａと共振電極４Ｂとの間に存在しており、
これら２つの共振電極の電磁気的結合を制御するもので
ある。
電極１１が形成されている。該結合制御電極１１は、上
記共振電極４Ａと共振電極４Ｂとの間に存在しており、
これら２つの共振電極の電磁気的結合を制御するもので
ある。
【００１８】誘電体基板２Ｌの上面にはほぼ全面に膜状
のシールド電極６が形成されており、図には表れていな
いが誘電体基板２Ａの下面にも誘電体基板２Ｌ上面のシ
ールド電極６に対応してほぼ全面に膜状のシールド電極
が形成されている。誘電体基板２Ｌの上面の一部及び端
面の一部と、誘電体基板２Ａの下面の一部及び端面の一
部と、誘電体基板２Ｂ〜２Ｋの端面の一部とに、２つの
入出力電極８Ａ，８Ｂが形成されている。そして、誘電
体基板２Ａ〜２Ｌの端面の大部分には、上記入出力電極
８Ａ，８Ｂ及びその近傍を除いて膜状のシールド電極６
が形成されている。即ち、基板積層体２は、入出力電極
８Ａ，８Ｂ及びその近傍を除いて、露出面全体が膜状の
シールド電極６で覆われている。そして、上記共振電極
４Ａの直線部分４Ａａの一端は上記基板積層体２の端面
においてシールド電極６と接続されており、上記共振電
極４Ｂの直線部分４Ｂａの一端は上記基板積層体２の端
面においてシールド電極６と接続されている。
のシールド電極６が形成されており、図には表れていな
いが誘電体基板２Ａの下面にも誘電体基板２Ｌ上面のシ
ールド電極６に対応してほぼ全面に膜状のシールド電極
が形成されている。誘電体基板２Ｌの上面の一部及び端
面の一部と、誘電体基板２Ａの下面の一部及び端面の一
部と、誘電体基板２Ｂ〜２Ｋの端面の一部とに、２つの
入出力電極８Ａ，８Ｂが形成されている。そして、誘電
体基板２Ａ〜２Ｌの端面の大部分には、上記入出力電極
８Ａ，８Ｂ及びその近傍を除いて膜状のシールド電極６
が形成されている。即ち、基板積層体２は、入出力電極
８Ａ，８Ｂ及びその近傍を除いて、露出面全体が膜状の
シールド電極６で覆われている。そして、上記共振電極
４Ａの直線部分４Ａａの一端は上記基板積層体２の端面
においてシールド電極６と接続されており、上記共振電
極４Ｂの直線部分４Ｂａの一端は上記基板積層体２の端
面においてシールド電極６と接続されている。
【００１９】誘電体基板２Ｃの上面には、共振電極４Ａ
の直線部分４Ａａの上記シールド電極６との接続部分か
ら適宜の距離ＤＡだけ隔てられた位置と上記入出力電極
８Ａとを接続する導体膜からなる入出力接続部１０Ａが
形成されている。直線部分４Ａａと入出力接続部１０Ａ
とは、直接接続されていなくとも間隔をおいて容量結合
されていてもよい。
の直線部分４Ａａの上記シールド電極６との接続部分か
ら適宜の距離ＤＡだけ隔てられた位置と上記入出力電極
８Ａとを接続する導体膜からなる入出力接続部１０Ａが
形成されている。直線部分４Ａａと入出力接続部１０Ａ
とは、直接接続されていなくとも間隔をおいて容量結合
されていてもよい。
【００２０】誘電体基板２Ｉの上面には、共振電極４Ｂ
の直線部分４Ｂａの上記シールド電極６との接続部分か
ら適宜の距離ＤＢだけ隔てられた位置と上記入出力電極
８Ｂとを接続する導体膜からなる入出力接続部１０Ｂが
形成されている。直線部分４Ｂａと入出力接続部１０Ｂ
とは、直接接続されていなくとも間隔をおいて容量結合
されていてもよい。
の直線部分４Ｂａの上記シールド電極６との接続部分か
ら適宜の距離ＤＢだけ隔てられた位置と上記入出力電極
８Ｂとを接続する導体膜からなる入出力接続部１０Ｂが
形成されている。直線部分４Ｂａと入出力接続部１０Ｂ
とは、直接接続されていなくとも間隔をおいて容量結合
されていてもよい。
【００２１】尚、誘電体基板２Ｆの上面の結合制御電極
１１は、図示されている様に、一部が上記基板積層体２
の端面においてシールド電極６と接続されている。この
様にすることにより、基板積層体２における割れ発生た
とえば積層時の割れ発生を防止することができる。結合
制御電極１１による共振電極間の結合は、該結合制御電
極の全体的形状及び寸法に加えてシールド電極６との接
続位置を変化させることによっても制御することができ
る。
１１は、図示されている様に、一部が上記基板積層体２
の端面においてシールド電極６と接続されている。この
様にすることにより、基板積層体２における割れ発生た
とえば積層時の割れ発生を防止することができる。結合
制御電極１１による共振電極間の結合は、該結合制御電
極の全体的形状及び寸法に加えてシールド電極６との接
続位置を変化させることによっても制御することができ
る。
【００２２】以上の様なフィルタは、誘電体基板２Ａ〜
２Ｌに対応する数の誘電体材料からなるセラミックグリ
ーンシートを用意し、上記共振電極４Ａ，４Ｂ、入出力
接続部１０Ａ，１０Ｂ、入出力電極８Ａ，８Ｂ及びシー
ルド電極６を形成する所定グリーンシートの所定領域に
銀ペースト等の導電性ペーストを例えばスクリーン印刷
にて塗布し、これらグリーンシートの全体を所定の配列
にて積層し圧着し、しかる後に焼成を行なうことによ
り、製造することができる。尚、基板積層体２の露出面
に形成されるシールド電極６及び入出力電極８Ａ，８Ｂ
については、グリーンシートに導電性ペーストを塗布す
ることなく焼成を行ない、しかる後に導電性ペーストを
塗布し焼き付けを行なうことにより、形成してもよい。
２Ｌに対応する数の誘電体材料からなるセラミックグリ
ーンシートを用意し、上記共振電極４Ａ，４Ｂ、入出力
接続部１０Ａ，１０Ｂ、入出力電極８Ａ，８Ｂ及びシー
ルド電極６を形成する所定グリーンシートの所定領域に
銀ペースト等の導電性ペーストを例えばスクリーン印刷
にて塗布し、これらグリーンシートの全体を所定の配列
にて積層し圧着し、しかる後に焼成を行なうことによ
り、製造することができる。尚、基板積層体２の露出面
に形成されるシールド電極６及び入出力電極８Ａ，８Ｂ
については、グリーンシートに導電性ペーストを塗布す
ることなく焼成を行ない、しかる後に導電性ペーストを
塗布し焼き付けを行なうことにより、形成してもよい。
【００２３】本実施形態では、共振電極４Ａ，４Ｂの実
効電極長ＬEFが、共振電極４Ａ，４Ｂの中心線長さ（即
ち直線部分４Ａａ〜４Ａｅ，４Ｂａ〜４Ｂｅの中心線長
さの合計）の０．９０〜０．９４倍の範囲内にある。即
ち、上記関係式Ｌ＝（１／４）λ（１／ε1/2 ）の代わ
りにＬEF＝（１／４）λ（１／ε1/2 ）・ａ｛ａは補正
係数｝とした時に、ａの値として０．９０〜０．９４の
範囲内の値に設定している。
効電極長ＬEFが、共振電極４Ａ，４Ｂの中心線長さ（即
ち直線部分４Ａａ〜４Ａｅ，４Ｂａ〜４Ｂｅの中心線長
さの合計）の０．９０〜０．９４倍の範囲内にある。即
ち、上記関係式Ｌ＝（１／４）λ（１／ε1/2 ）の代わ
りにＬEF＝（１／４）λ（１／ε1/2 ）・ａ｛ａは補正
係数｝とした時に、ａの値として０．９０〜０．９４の
範囲内の値に設定している。
【００２４】図３に、補正係数値ａと共振器のＱ値との
関係の一例を示す。補正係数値ａは、共振電極４Ａ，４
Ｂの折り曲げの数や渦巻の隣接する互いに平行な部分の
間隔と関連を有する。即ち、共振電極４Ａ，４Ｂの折り
曲げの数が大きくなるほど補正係数値ａは小さくなり、
共振電極４Ａ，４Ｂの渦巻の隣接する互いに平行な部分
の間隔が小さくなるほど補正係数値ａは小さくなる。従
って、ａが０．９０より小さくなると、次第に折り曲げ
の数が多くなり、小型化の点では有利であるがＱ値が急
激に低下するという難点が生ずる様になる。一方、ａが
０．９４より大きくなると、Ｑ値の低下は殆どないが、
折り曲げの数が少なく小型化の観点からの難点が生ずる
様になる。
関係の一例を示す。補正係数値ａは、共振電極４Ａ，４
Ｂの折り曲げの数や渦巻の隣接する互いに平行な部分の
間隔と関連を有する。即ち、共振電極４Ａ，４Ｂの折り
曲げの数が大きくなるほど補正係数値ａは小さくなり、
共振電極４Ａ，４Ｂの渦巻の隣接する互いに平行な部分
の間隔が小さくなるほど補正係数値ａは小さくなる。従
って、ａが０．９０より小さくなると、次第に折り曲げ
の数が多くなり、小型化の点では有利であるがＱ値が急
激に低下するという難点が生ずる様になる。一方、ａが
０．９４より大きくなると、Ｑ値の低下は殆どないが、
折り曲げの数が少なく小型化の観点からの難点が生ずる
様になる。
【００２５】そこで、本発明では、小型化が可能で且つ
Ｑ値低下が少ない範囲として補正係数値ａを０．９０〜
０．９４の範囲内としているのである。
Ｑ値低下が少ない範囲として補正係数値ａを０．９０〜
０．９４の範囲内としているのである。
【００２６】共振電極４Ａ，４Ｂの折り曲げの数が２〜
５である（即ち共振電極直線部分の数が３〜６である）
のが好ましい。また、共振器は、中心線長さが同一でａ
＝１即ち共振電極４Ａ，４Ｂが折り曲げ数０で一直線状
の場合のＱ値の７０〜１００％の範囲内のＱ値をもつの
が好ましい。
５である（即ち共振電極直線部分の数が３〜６である）
のが好ましい。また、共振器は、中心線長さが同一でａ
＝１即ち共振電極４Ａ，４Ｂが折り曲げ数０で一直線状
の場合のＱ値の７０〜１００％の範囲内のＱ値をもつの
が好ましい。
【００２７】以下に具体例を示す
（１）共振電極４Ａ，４Ｂの幅が５００μｍで折り曲げ
の数が３（直線部分の数が４）の場合［ａ＝０．９２］
には、Ｑ値はａ＝１の場合の８８％であった。
の数が３（直線部分の数が４）の場合［ａ＝０．９２］
には、Ｑ値はａ＝１の場合の８８％であった。
【００２８】（２）共振電極４Ａ，４Ｂの幅が７７０μ
ｍで折り曲げの数が３（直線部分の数が４）の場合［ａ
＝０．９４］には、Ｑ値はａ＝１の場合の８９％であっ
た。
ｍで折り曲げの数が３（直線部分の数が４）の場合［ａ
＝０．９４］には、Ｑ値はａ＝１の場合の８９％であっ
た。
【００２９】（３）共振電極４Ａ，４Ｂの幅が５００μ
ｍで折り曲げの数が４（直線部分の数が５）で渦巻の隣
接する互いに平行な部分の間隔が３００μｍの場合［ａ
＝０．９１］には、Ｑ値はａ＝１の場合の７９％であっ
た。
ｍで折り曲げの数が４（直線部分の数が５）で渦巻の隣
接する互いに平行な部分の間隔が３００μｍの場合［ａ
＝０．９１］には、Ｑ値はａ＝１の場合の７９％であっ
た。
【００３０】（４）共振電極４Ａ，４Ｂの幅が７７０μ
ｍで折り曲げの数が４（直線部分の数が５）で渦巻の隣
接する互いに平行な部分の間隔が３００μｍの場合［ａ
＝０．９２］には、Ｑ値はａ＝１の場合の７８％であっ
た。
ｍで折り曲げの数が４（直線部分の数が５）で渦巻の隣
接する互いに平行な部分の間隔が３００μｍの場合［ａ
＝０．９２］には、Ｑ値はａ＝１の場合の７８％であっ
た。
【００３１】図４に、以上の様な本実施形態のフィルタ
の周波数特性の一例を示す。挿入損失の少ない良好な帯
域通過特性が得られている。
の周波数特性の一例を示す。挿入損失の少ない良好な帯
域通過特性が得られている。
【００３２】尚、以上の実施形態においては、入出力接
続部１０Ａ，１０Ｂと接続される共振電極４Ａ，４Ｂの
位置即ち図１に示されている距離ＤＡ，ＤＢの値を調節
することにより、外部回路とのインピーダンスマッチン
グを考慮に入れてフィルタを製造することができる。
続部１０Ａ，１０Ｂと接続される共振電極４Ａ，４Ｂの
位置即ち図１に示されている距離ＤＡ，ＤＢの値を調節
することにより、外部回路とのインピーダンスマッチン
グを考慮に入れてフィルタを製造することができる。
【００３３】また、以上の実施形態においては、入出力
電極８ａ，８Ｂ及びその近傍を除く露出面がシールド電
極６で覆われているので、外部からのノイズによる影響
を受けにくい高周波共振器を得ることができる。
電極８ａ，８Ｂ及びその近傍を除く露出面がシールド電
極６で覆われているので、外部からのノイズによる影響
を受けにくい高周波共振器を得ることができる。
【００３４】上記実施形態では２つの共振電極が使用さ
れた２段のフィルタが示されているが、本発明は共振電
極が３つ以上の場合（即ち３段以上のフィルタ）にも適
用できる。その場合には、入出力電極と接続される２つ
の共振電極の形成されている積層面の間の１つ以上の積
層面に入出力電極と接続しない共振電極を形成し、全て
の共振電極の隣接するものどうしの間の積層面に上記の
如き結合制御電極を配置すればよい。
れた２段のフィルタが示されているが、本発明は共振電
極が３つ以上の場合（即ち３段以上のフィルタ）にも適
用できる。その場合には、入出力電極と接続される２つ
の共振電極の形成されている積層面の間の１つ以上の積
層面に入出力電極と接続しない共振電極を形成し、全て
の共振電極の隣接するものどうしの間の積層面に上記の
如き結合制御電極を配置すればよい。
【００３５】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、小型化が可能で且つ小型化してもＱ値の低下
が少ない１／４波長共振器を用いたフィルタを提供する
ことができる。特に、本発明では、特徴的な共振電極を
使用していることと結合制御電極により共振器間の結合
を制御していることとにより、小型で損失の少ないフィ
ルタが提供される。
によれば、小型化が可能で且つ小型化してもＱ値の低下
が少ない１／４波長共振器を用いたフィルタを提供する
ことができる。特に、本発明では、特徴的な共振電極を
使用していることと結合制御電極により共振器間の結合
を制御していることとにより、小型で損失の少ないフィ
ルタが提供される。
【００３６】尚、本発明のフィルタにおいては、入出力
接続部と接続される共振電極の位置を調節することによ
り、外部回路とのインピーダンスマッチングを考慮に入
れてフィルタを製造することができる。
接続部と接続される共振電極の位置を調節することによ
り、外部回路とのインピーダンスマッチングを考慮に入
れてフィルタを製造することができる。
【００３７】また、本発明のフィルタにおいては、入出
力電極及びその近傍を除く露出面がシールド電極で覆わ
れているので、外部からのノイズによる影響を受けにく
い高周波フィルタを得ることができる。
力電極及びその近傍を除く露出面がシールド電極で覆わ
れているので、外部からのノイズによる影響を受けにく
い高周波フィルタを得ることができる。
【図１】本発明によるフィルタの一実施形態を示す分解
斜視図である。
斜視図である。
【図２】本発明によるフィルタの一実施形態の組立状態
の斜視図である。
の斜視図である。
【図３】補正係数値ａとＱ値との関係を示すグラフであ
る。
る。
【図４】フィルタの周波数特性を示すグラフである。
【図５】従来のストリップライン型フィルタを示す斜視
図である。
図である。
【図６】従来のストリップライン型フィルタを示す平面
図である。
図である。
２ 基板積層体
２Ａ〜２Ｌ 誘電体基板
４Ａ，４Ｂ 共振電極
４Ａａ〜４Ａｅ，４Ｂａ〜４Ｂｅ 共振電極直線部分
６ シールド電極
８Ａ，８Ｂ 入出力電極
１０Ａ，１０Ｂ 入出力接続部
１１ 結合制御電極
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平４−306005（ＪＰ，Ａ)
特開 平７−193403（ＪＰ，Ａ)
特開 平７−22821（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
H01P 1/20 - 1/219
H01P 7/00 - 7/10
Claims (4)
- 【請求項１】 複数の誘電体基板が積層されて基板積層
体が形成されており、該基板積層体の互いに異なる積層
面に複数の共振電極が形成されており、該共振電極は少
なくとも１回折り曲げられた形状をなしており、前記基
板積層体の２つの主面及び端面にはシールド電極が形成
されており、前記共振電極の一端は前記基板積層体端面
にまで延びて前記シールド電極と接続されており、前記
基板積層体の端面には互いに異なる位置に第１及び第２
の入出力電極が形成されており、前記基板積層体の前記
共振電極の形成された積層面のうちの最上層及び最下層
にはそれぞれ前記共振電極の前記一端と隔てられた部分
と前記第１及び第２の入出力電極とを電気的に接続する
第１及び第２の入出力接続部が形成されており、前記基
板積層体の前記共振電極の形成されている積層面と異な
る積層面であって前記複数の共振電極の隣接するものど
うしの間に位置するそれぞれ１つの積層面には結合制御
電極が形成されており、前記共振電極は実効電極長が中
心線長さの０．９０〜０．９４倍の範囲内であることを
特徴とする、フィルタ。 - 【請求項２】 前記共振電極の折り曲げは前記一端から
他端へと進む際に同一の向きに直角をなしてなされてい
ることを特徴とする、請求項１に記載のフィルタ。 - 【請求項３】 前記共振電極の折り曲げの数が２〜５で
あることを特徴とする、請求項１または２に記載のフィ
ルタ。 - 【請求項４】 前記共振電極による共振器は中心線長さ
が同一で折り曲げなしの直線状共振電極の場合のＱ値の
７０〜１００％の範囲内のＱ値をもつことを特徴とす
る、請求項１〜３のいずれかに記載のフィルタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22486695A JP3506160B2 (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22486695A JP3506160B2 (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | フィルタ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0969701A JPH0969701A (ja) | 1997-03-11 |
| JP3506160B2 true JP3506160B2 (ja) | 2004-03-15 |
Family
ID=16820402
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22486695A Expired - Lifetime JP3506160B2 (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | フィルタ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3506160B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7649431B2 (en) | 2006-10-27 | 2010-01-19 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Band pass filter |
-
1995
- 1995-09-01 JP JP22486695A patent/JP3506160B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0969701A (ja) | 1997-03-11 |
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