JP3506059B2 - 光ディスク記録装置 - Google Patents

光ディスク記録装置

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JP3506059B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、オーディオ信号
をディジタル信号で光ディスクに記録(録音)する光デ
ィスク記録装置に関し、入力ディジタルオーディオ信号
を、その再生クロックに同期してバッファメモリに一旦
書き込み、装置内部の基準発振源から発振される基準ク
ロックに同期して該バッファメモリから読み出して入力
ディジタルオーディオ信号と同じサンプリングレートで
光ディスクに記録する場合に、記録終了の指令を発して
から実際に記録が終了するまでの待ち時間を短縮したも
のである。
【0002】
【従来の技術】オーディオ信号をディジタル信号で光デ
ィスクに記録する光ディスク記録装置として、オーディ
オ信号をCDフォーマットでCD−RディスクまたはC
D−RWディスクに記録するオーディオCDレコーダが
実用化されている。オーディオCDレコーダの録音入力
は、アナログ入力およびディジタル入力がある。ディジ
タル入力を選択した場合は、通常はディジタル入力のサ
ンプリングレートをCDのサンプリングレート(44.
1kHz)に変換して光ディスクに記録する。また、デ
ィジタル入力のサンプリングレートがCDと同じ場合
(例えばCDのディジタル出力を入力した場合)は、C
Dダイレクトレコーディング等と称して、サンプリング
レートの変換処理を経ずに光ディスクに記録することが
できる。CDダイレクトレコーディングでは、入力され
るディジタルオーディオ信号から44.1kHzのクロ
ック信号を再生し、該再生クロックに同期して該ディジ
タルオーディオ信号をバッファメモリに一旦書き込み、
該再生クロックに同期して該バッファメモリから該ディ
ジタルオーディオ信号を読み出して光ディスクに記録す
る。このとき、再生クロックを分周して22.05kH
zのクロック信号を作成し、光ディスクから検出される
ウォブル周波数がこのクロック信号に同期するようにス
ピンドルモータの回転をPLL制御する。また、再生ク
ロックをてい倍してストラテジー回路に供給し、記録用
レーザ光の照射時間および照射開始タイミングを微調整
する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な記録方法では、精度が低い(時間軸方向の揺れが大き
い)再生クロックを用いてストラテジー回路を動作させ
るので、記録用レーザ光の照射時間および照射開始タイ
ミングの調整精度が悪く(所期の調整量からのずれが生
じる。)、記録信号品位が低いものとなり、再生時に読
み取りエラーが多発するおそれがある。そこで、CDダ
イレクトレコーディング時に、再生クロックに代えて、
装置内部の基準発振源(水晶発振器等)から発振される
基準クロックに基づき光ディスクの記録を行うことが考
えられる。すなわち、入力されるディジタルオーディオ
信号から44.1kHzのクロック信号を再生し、該再
生クロックに同期して該ディジタルオーディオ信号をバ
ッファメモリに一旦書き込み、装置内部の基準発振源か
ら発振される基準クロックに基づき44.1kHzのク
ロック信号を生成し、該クロック信号に同期して該バッ
ファメモリから該ディジタルオーディオ信号を読み出し
て光ディスクに記録する。このとき、基準クロックに基
づき22.05kHzのクロック信号を作成し、光ディ
スクから検出されるウォブル周波数がこのクロック信号
に同期するようにスピンドルモータの回転をPLL制御
する。また、基準クロックに基づきストラテジー回路を
駆動して、記録用レーザ光の照射時間および照射開始タ
イミングを制御する。このような記録方法によれば、精
度が高い基準クロックに基づきストラテジー回路を動作
させるので、記録信号品位が高い記録をすることがで
き、読み取りエラーの少ない再生を行うことができる。
【0004】ところが、このような記録方法では、バッ
ファメモリへの書き込みを行う再生クロックと、バッフ
ァメモリからの読み出しを行う基準クロックは同期して
いないため、バッファメモリの書き込み速度よりも読み
出し速度の方が速い場合は、バッファメモリ内のデータ
が空になるいわゆるバッファアンダーランを生じ、記録
失敗となる。そこで、この記録方法を用いる場合は、バ
ッファアンダーランが生じるのを防止するため、バッフ
ァメモリに十分なデータ量を格納してから光ディスクの
記録を開始する必要がある。例えば、44.1kHz基
準クロックに対する再生クロックの偏差が300PPM
であることを想定すると、記録長が80分のCDでは、
バッファメモリヘ全データを書き込む時間とバッファメ
モリから全データを読み出す時間に 300PPM×80分×60秒=1.44秒 の差が生じる。したがって、この場合は図2に示すよう
に、使用者が記録開始の指示をしてバッファメモリへの
入力信号の書き込みを開始してから1.44秒待って光
ディスクの記録を開始する必要がある。
【0005】ところで、CDフォーマットでは、プログ
ラム領域の各トラック(例えば各曲)の開始当初にQサ
ブコードのINDEX=0にして曲間信号(無音信号)
を記録することができる。曲間信号の長さは、第1トラ
ックが2秒以上、第2トラック以降が0秒以上(0秒す
なわち曲間無しも選択可)と定められている。曲間信号
の記録例を図3に示す。CD−RディスクやCD−RW
ディスクに曲間を形成して曲(1つのトラック)を記録
する場合は、まず曲間信号を記録しこれに続けて(つま
り一筆書きで)曲を記録する。このように曲間信号を記
録する場合にも、前述と同様に、使用者が記録開始の指
示をしてバッファメモリへの入力信号の書き込みを開始
してから1.44秒待って光ディスクの記録を開始する
ものとすると、光ディスクの記録は曲間信号の記録から
開始されるので、曲の記録開始は記録開始の指示から
1,44秒よりも遅れることになる。図4はこの様子を
示したもので、曲間信号を2秒記録する場合を示してい
る。使用者が記録開始の指示をしてバッファメモリへの
入力信号の書き込みを開始してから1.44秒後に光デ
ィスクの記録が開始され、2秒間曲間信号を記録してか
ら曲の記録が開始される。したがって、使用者が記録開
始の指示をしてから実際に曲の記録が開始されるまでに
長い時間を要することになる。その結果、使用者が記録
終了の指示をしてから実際に曲の記録が終了するまでの
時間も長くなり、使用者が記録終了の指示をしてすぐに
ディスクを取り出したりあるいは記録した内容をすぐに
再生したいと思っても、長い時間待たされることにな
る。
【0006】以上の説明では、サーボの引き込み時間を
考慮していないが、現実には、CD−RディスクやCD
−RWディスクを記録する場合、各種サーボをオンして
から記録可能な状態に至るのにサーボ引き込み(シーク
動作を含む)のための待ち時間を要する。この場合、使
用者が記録開始の指示をしてバッファメモリへの入力信
号の書き込みを開始してから1.44秒後に各種サーボ
をオンし、サーボ引き込みを完了してから曲間信号の記
録を開始すると、曲の記録開始はさらに遅れ、その結果
記録終了の指示をしてから実際に記録が終了するまでの
待ち時間はさらに長くなる。また、入力信号の記録終了
に引き続いてPMA領域(Program Memor
y Area)に位置情報を記録する時間を考慮すると
待ち時間はさらにまた長くなる。
【0007】この発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、入力ディジタルオーディオ信号を、その再生クロッ
クに同期してバッファメモリに一旦書き込み、装置内部
の基準発振源から発振される基準クロックに同期して該
バッファメモリから読み出して入力ディジタルオーディ
オ信号と同じサンプリングレートで光ディスクに記録す
る場合に、記録終了の指令を発してから実際に記録が終
了するまでの待ち時間を短縮した光ディスク記録装置を
提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、所定サンプ
リングレートのディジタルオーディオ信号を入力し、該
ディジタルオーディオ信号を、その再生クロックに同期
してバッファメモリに一旦書き込みかつ装置内部の基準
発振源から発振される基準クロックに同期して該バッフ
ァメモリから読み出して前記入力ディジタルオーディオ
信号と同じサンプリングレートで光ディスクに記録する
ことができ、記録開始当初に前記光ディスクに、装置内
部で生成した曲間信号を記録しこれに続けて前記バッフ
ァメモリから前記ディジタルオーディオ信号を読み出し
て記録することができる光ディスク記録装置において、
使用者により操作され、前記曲間信号を記録するかしな
いかを指示する操作手段と、前記操作手段の操作に基づ
き、前記曲間信号を記録するときは、該曲間信号を記録
しないときに比べて、前記バッファメモリへの書き込み
開始から前記光ディスクの記録開始までの時間を短くす
る制御を行う制御手段とを具備してなるものである。
【0009】これによれば、曲間信号を記録するとき
は、ディジタルオーディオ信号の記録開始が遅れるの
で、その分バッファメモリに格納されるデータ量が多く
なる。したがって、光ディスクの記録開始を早めてもバ
ッファアンダーランが生じなくなるので、曲間信号を記
録しない場合に比べて光ディスクの記録開始を早めるこ
とができる。そして、光ディスクの記録開始を早めるこ
とにより、記録終了の指令を発してから実際に記録が終
了するまでの待ち時間を短縮することができる。なお、
曲間信号が長い場合は、バッファメモリへの書き込み開
始と同時またはほぼ同時にディスクの記録を開始するこ
ともできる。
【0010】また、この発明は、所定サンプリングレー
トのディジタルオーディオ信号を入力し、該ディジタル
オーディオ信号を、その再生クロックに同期してバッフ
ァメモリに一旦書き込みかつ装置内部の基準発振源から
発振される基準クロックに同期して該バッファメモリか
ら読み出して前記入力ディジタルオーディオ信号と同じ
サンプリングレートで光ディスクに記録することがで
き、記録開始当初に前記光ディスクに、装置内部で生成
した曲間信号を記録しこれに続けて前記バッファメモリ
から前記ディジタルオーディオ信号を読み出して記録す
ることができる光ディスク記録装置において、使用者に
より操作され、前記曲間信号の記録長を設定する操作手
段と、前記操作手段の操作に基づき、相対的に長い曲間
信号を記録するときは、相対的に短い曲間信号を記録す
るときに比べて、前記バッファメモリへの書き込み開始
から前記光ディスクの記録開始までの時間を短くする制
御を行う制御手段とを具備してなるものである。
【0011】これによれば、長い曲間信号を記録する場
合ほどディジタルオーディオ信号の記録開始が遅れるの
で、その分バッファメモリに格納されるデータ量が多く
なる。したがって、光ディスクの記録開始をより早めて
もバッファアンダーランが生じなくなるので、短い曲間
信号を記録する場合に比べて光ディスクの記録開始を早
めることができる。そして、光ディスクの記録開始を早
めることにより、長い曲間信号を記録する場合に記録終
了の指令を発してから実際に記録が終了するまでの時間
を短縮することができる。なお、所定時間以上の曲間信
号を記録するときに、バッファメモリへの書き込み開始
と同時またはほぼ同時に光ディスクの記録を開始するこ
ともできる。
【0012】なお、前記光ディスクの記録サンプリング
レートと同じサンプリングレートのディジタルオーディ
オ入力のほか、該光ディスク記録サンプリングレートと
異なるサンプリングレートのディジタルオーディオ入力
およびアナログ入力を選択して該光ディスクの記録サン
プリングレートに変換して記録することが可能な場合
は、前記光ディスクの記録サンプリングレートと異なる
サンプリングレートのディジタルオーディオ入力または
前記アナログ入力が選択されたときに、前記制御手段は
曲間信号の記録の有無または記録長にかかわらず、前記
バッファメモリへの書き込み開始と同時またはほぼ同時
に前記光ディスクの記録を開始する制御を行うものとす
ることができる。また、この発明の光ディスク記録装置
は、いずれの入力の場合も、スピンドルモータの回転制
御を行うモータコントローラと、記録用レーザ光の照射
時間および照射開始タイミングの微調整制御を行うスト
ラテジー回路が、前記基準クロックに同期してこれらの
制御を行うものとすることができる。また、この発明の
光ディスク装置は、前記光ディスクをCD−Rディスク
またはCD−RWディスクとして、オーディオCDレコ
ーダとして構成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を以下説明
する。ここではこの発明をオーディオCDレコーダに適
用した場合について説明する。図5はこの発明が適用さ
れたオーディオCDレコーダ10の装置本体の前面パネ
ル12の構成例を示す。前面パネル12にはトレイ14
およびディスプレイ16が配置されている。また、操作
子として、電源オン・オフボタン18、トレイ開閉ボタ
ン20、インプットセレクトボタン22、録音ミュート
ボタン24、録音スタンバイボタン26、録音ボタン2
8、停止ボタン30、再生ボタン32、一時停止ボタン
34、スキップ戻しボタン(演奏中の曲の先頭に戻して
再生することを指示するボタン)36、スキップ送りボ
タン(次の曲の先頭に進めて再生することを指示するボ
タン)38、早戻しボタン40、早送りボタン42が配
置されている。
【0014】インプットセレクトボタン22は録音入力
を選択するものである。このオーディオCDレコーダ1
0は録音入力端子としてアナログ入力、ディジタル入力
1、ディジタル入力2の各端子を具えており、インプッ
トセレクトボタン22を押すたびに、録音入力はアナロ
グ入力→ディジタル入力1→ディジタル入力2→アナロ
グ入力→……と循環して切り換えられる。録音ミュート
ボタン24は曲間信号を記録するかしないかを指示する
もので、押すたびにミュートオン(曲間信号記録する)
→ミュートオフ(曲間信号記録しない)→ミュートオン
→……と循環して切り換えられる。この場合ミュートオ
ンを選択すると固定長(例えば2秒)の曲間信号が記録
される。なお、ミュートオン時の曲間信号の記録長を可
変とし、該記録長を設定する機能を録音ミュートボタン
24または別途設けた操作子に持たせることもできる。
録音ミュートボタン24に曲間信号の記録長を設定する
機能を持たせる場合は、例えば録音ミュートボタン24
を押すたびに、ミュート時間(曲間信号の記録時間)が
0秒から所定ステップで増大し、所定の上限値に達した
ら0秒に戻って増大を繰り返すものとすることにより、
曲間信号の記録長を所望の長さに設定するができる。録
音スタンバイボタン26は、録音開始前にこれを投入す
ることにより、各サーボをオンさせて、光ディスク(C
D−RディスクまたはCD−RWディスク)に対する光
ヘッドの径方向位置を、所定の記録開始位置(プログラ
ム領域の開始位置または前回の記録終端部の書き継ぎ位
置)に位置決めし、スピンドルモータを該記録開始位置
で所定の線速度が得られる速度に制御して録音待機状態
(すぐに録音を開始できる状態)にするためのものであ
る。
【0015】録音を行うときの操作手順を図6に示す。
トレイ14に光ディスクをセットし(S10)、インプ
ットセレクトボタン22で入力信号を選択し(S1
1)、録音ミュートボタン24で曲間信号の記録の有無
または曲間信号の記録長を選択し(S12)、録音スタ
ンバイボタン26をオンして録音待機状態にする(S1
3)。この状態で録音ボタン28を押すと(S14)、
バッファメモリへの書き込みが開始され、これと同時ま
たは所定の待ち時間経過後に曲間信号(曲間信号を記録
する場合)およびこれに続けてバッファメモリから入力
信号が読み出されて光ディスクに記録される(S1
5)。停止ボタン30を押すと(S15)、バッファメ
モリへの入力信号の書き込みが停止され、該バッファメ
モリに残っている信号が全て吐き出されて記録されるの
を待って記録が終了し、記録動作はすべて終了する。記
録開始前の設定内容(選択した入力、曲間信号の記録の
有無または記録長等)および録音時の動作状態(録音待
機状態、録音状態等)はディスプレイ16に表示され
る。
【0016】図5のオーディオCDレコーダ10内の電
気系統の主要部の構成例を図1に示す。このオーディオ
CDレコーダ10には、録音入力端子として、アナログ
入力端子44、ディジタル入力1端子46、ディジタル
入力2端子48が設けられている。装置内部には、基準
発振源として、例えば33.8688MHzの基準クロ
ックを発振する水晶発振器50が設けられている。基準
クロック生成回路52は、水晶発振器50から発振され
る基準クロックを分周して、CDのサンプリング周波数
に対応した44.1kHzの基準クロックを生成する。
基準クロック生成回路54は、この44.1kHz基準
クロックを1/2分周して22.05kHzの基準クロ
ックを生成する。
【0017】トレイ14にセットされた光ディスク56
(CD−RディスクまたはCD−RWディスク)は、ス
ピンドルモータ58で回転駆動され、光ヘッド60で情
報の記録および再生が行なわれる。ウォブル検出回路6
2は、記録時に、光ヘッド60の戻り光検出信号からウ
ォブル信号成分を検出する。PLL回路64は、検出さ
れたウォブル信号と基準クロック生成回路54で生成さ
れる22.05kHz基準クロックとを位相比較し(1
倍速記録の場合。高速記録の場合は22.05kHz×
記録速度倍率の基準クロックと位相比較する。)、位相
ロック状態に引き込みかつ保持するようにモータコント
ローラ66を介してスピンドルモータ58を制御する。
光ヘッドコントローラ68は光ヘッド60のトラッキン
グ、フォーカス、送りの各制御を行う。
【0018】アナログ入力端子44から入力されるアナ
ログオーディオ信号は、A/D変換器70で44.1k
Hz基準クロックでサンプリングされてディジタル信号
に変換される。ディジタル入力1端子46およびディジ
タル入力2端子48から入力されるディジタルオーディ
オ信号は、インプットセレクトボタン22で選択された
ものがスイッチ72を通過して、ディジタル・インタフ
ェース・レシーバ(DIR)73に入力される。DIR
73は入力信号のデューティ比の誤差の吸収(修正)お
よび装置内部で扱い易いフォーマットへの変換を行う。
また、DIR73は入力信号のサンプリング周波数を自
動検出して、CDに相当する44.1kHzが検出され
たときは、該44.1kHzのワードクロックを分離
(クロック再生)する。信号処理された入力信号はサン
プリング・レート・コンバータ(SRC)74に入力さ
れる。SRC74は、44.1kHz基準クロックを用
いて入力信号のサンプリング周波数をCDのサンプリン
グ周波数である44.1kHzに変換する。ただし、D
IR73で44.1kHzのサンプリング周波数が検出
された場合(つまり、CD再生ディジタルオーディオ信
号等が入力された場合)は、SRC74の機能は停止
し、該入力信号は基準クロックに非同期のままSRC7
4から出力される。
【0019】A/D変換器70でA/D変換されたアナ
ログ入力およびSRC74から出力されるディジタル入
力は、インプットセレクトボタン22で選択されたもの
がスイッチ76を介してバッファコントローラ78に入
力され、バッファメモリ80に一旦書き込まれた後読み
出される。このときバッファメモリ80への書き込み
は、アナログ入力および44.1kHz以外のディジタ
ル入力の場合は44.1kHz基準クロックに同期して
行われ、44.1kHzディジタル入力の場合は44.
1kHz再生クロックに同期して行われる。また、バッ
ファメモリ80からの読み出しは、いずれの入力の場合
も44.1kHz基準クロックに同期して行われる。な
お、バッファメモリ80への書き込みは、録音ボタン2
8の投入と同時に開始され、停止ボタン30の投入と同
時に終了する。バッファメモリ80から読み出された信
号は、CDエンコーダ82でCDフォーマットにエンコ
ードされ、ストラテジー回路84で記録用レーザ光の照
射時間および照射開始タイミングの微調整に相当する時
間軸の補正が行われて光ヘッド60のレーザ駆動源に供
給され、記録用レーザ光を変調して光ディスク56に記
録される。ストラテジー回路84はいずれの入力の場合
も基準クロックに同期して制御される。システムコント
ローラ86は装置全体を制御する。録音ミュートボタン
24で曲間信号の記録が指示されたときは、記録開始当
初にCDエンコーダ82でQサブコードのINDEX=
0とした曲間信号が自動生成され、これに引き続きバッ
ファメモリ80から入力信号が読み出される。システム
コントローラ86は録音ミュートボタン24による曲間
信号の記録の有無または記録長の指示およびインプット
セレクトボタン22による入力選択に応じて、録音ボタ
ン28の投入からCDエンコーダ82による記録信号の
出力(つまり、光ディスク56の記録開始)までの待ち
時間を制御する。
【0020】この録音ボタン28の投入から光ディスク
56の記録開始までの待ち時間の制御内容について説明
する。アナログ入力および44.1kHz以外のディジ
タル入力の場合は、バッファメモリ80は書き込みおよ
び読み出しがともに基準クロックに同期して行われるの
で、バッファアンダーランが生じるおそれはなく、録音
ボタン28の投入とほぼ同時に光ディスク56の記録を
開始する。44.1kHzディジタル入力の場合は、バ
ッファメモリ80は書き込みが再生クロックに同期して
行われ、読み出しが基準クロックに同期して行われるの
で、再生クロックが規定の44.1kHzに対して遅れ
ている場合には、バッファアンダーランを生じるおそれ
がある。そこで、両クロックの許容周波数偏差と曲間信
号の記録長に応じて、録音ボタン28の投入から光ディ
スク56の記録開始までの待ち時間を制御する。例え
ば、基準クロックに対する再生クロックの周波数偏差が
300PPMであることを想定すると、記録長が80分
のCDでは、バッファメモリ80ヘ全データを書き込む
時間とバッファメモリ80から全データを読み出す時間
に前述のように1.44秒の差がつくから、記録開始当
初にバッファメモリ80に入力信号を1.44秒以上格
納する必要がある。この場合、記録開始当初に2秒間の
曲間信号を記録するものとすると、入力信号は曲間信号
を記録している2秒間バッファメモリ80に書き込まれ
ることになるので、曲間信号に続いて入力信号の記録を
開始する時点ではバッファメモリ80に1.44秒より
も長い2秒間分の入力信号が格納されることになる。し
たがって、このときは、使用者による記録開始(=バッ
ファメモリ80への書き込み開始)の指示(録音ボタン
28の投入)と同時に光ディスク56の記録を開始して
もバッファアンダーランは生じないので、図7に示すよ
うに、使用者による記録開始の指示と同時に光ディスク
56の記録を開始する。
【0021】また、曲間信号を記録しないでいきなり入
力信号を記録する場合(第2トラック以降の記録を行う
場合にそのような選択が許される。)は使用者による記
録開始の指示(録音ボタン28の投入)と同時に光ディ
スク56の記録を開始すると、バッファアンダーランを
生じるおそれがある。したがって、このときは図8に示
すように、使用者による記録開始の指示から1.44秒
以上待って光ディスク56の記録を開始する。また、曲
間信号の記録長を設定できる場合は、その記録長が1.
44以上の場合は使用者による記録開始の指示と同時に
光ディスク56の記録を開始し、1.44秒よりも短い
場合は、1.44秒との差分以上の時間待ってから光デ
ィスク56の記録を開始する。つまり、録音ボタン28
の投入から光ディスク56の記録開始までの待ち時間を
P、基準クロックと再生クロックの許容周波数偏差に基
づくバッファメモリ80の全入力データ長と全出力デー
タ長の時間差をa(例えば前述の1.44秒)、曲間信
号の記録長をbとすると、待ち時間Pを P≧a−b(ただしP≧0) … (1) に制御すれば、バッファアンダーランを生じることなく
記録を行うことができる。特に、(1)式を満足する範
囲内で待ち時間Pをa−bと等しい値またはこれに近い
値に設定することにより、使用者による記録終了(=バ
ッファメモリ80への書き込み終了)の指示(停止ボタ
ン30の投入)からバッファメモリ80内のデータが全
て吐き出されて光ディスク56の記録を終了するまでの
待ち時間を最短にすることができる。
【0022】なお、上記実施の形態では、録音スタンバ
イボタン26によって録音待機状態にしてから録音ボタ
ン28を投入して光ディスク56の記録を開始するよう
にしたので、サーボ引き込みに要する時間を考慮しなか
ったが、録音スタンバイボタン26を押すことなくいき
なり録音ボタン28を投入した場合には、サーボ引き込
み(シーク動作を含む)を行ってから光ディスク56の
記録を開始することになるので、録音ボタン28を投入
後前記(1)式に基づき設定した待ち時間Pを経過して
からサーボ引き込みを開始すると、サーボ引き込みを行
っている時間分余計にバッファメモリ80に入力信号が
格納されることになる。したがって、この場合は録音ボ
タン28の投入と同時にサーボ引き込みを開始して、前
記(1)式に基づき設定した待ち時間Pを経過した時点
(サーボ引き込みに要する時間が、設定された待ち時間
Pよりも短い場合)またはサーボ引き込みを完了した時
点(サーボ引き込みに要する時間が、設定された待ち時
間よりも長い場合)で光ディスク56の記録を開始す
る。
【0023】また、前記実施の形態ではこの発明をオー
ディオCDレコーダに適用した場合について説明した
が、CD以外のフォーマットで記録する光ディスク記録
装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態を示す図で、図5のオ
ーディオCDレコーダ内の電気系統の主要部の構成例を
示すブロック図である。
【図2】 使用者の操作タイミング、バッファメモリへ
の入力信号の書き込み期間、光ディスクの記録期間の時
間関係の一例を示すタイムチャートである。
【図3】 CDのプログラム領域の記録例を示す図であ
る。
【図4】 使用者の操作タイミング、バッファメモリへ
の入力信号の書き込み期間、光ディスクの記録期間の時
間関係の他の一例を示すタイムチャートである。
【図5】 この発明が適用されたオーデイオCDレコー
ダの装置本体の前面パネルの構成例を示す正面図であ
る。
【図6】 図1、図5のオーディオCDレコーダにおけ
る記録時の操作手順の一例を示すフローチャートであ
る。
【図7】 図1、図5のオーディオCDレコーダにおけ
る曲間信号を記録するときの使用者の操作タイミング、
バッファメモリへの入力信号の書き込み期間、光ディス
クの記録期間の時間関係の他の一例を示すタイムチャー
トである。
【図8】 図1、図5のオーディオCDレコーダにおけ
る曲間信号を記録しないときの使用者の操作タイミン
グ、バッファメモリへの入力信号の書き込み期間、光デ
ィスクの記録期間の時間関係の他の一例を示すタイムチ
ャートである。
【符号の説明】
10…オーディオCDレコーダ(光ディスク記録装
置)、24…録音ミュートボタン(操作手段)、50…
水晶発振器(基準発振源)、56…光ディスク(CD−
RディスクまたはCD−RWディスク)、66…モータ
コントローラ、80…バッファメモリ、84…ストラテ
ジー回路、86…システムコントローラ(制御手段)。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定サンプリングレートのディジタルオー
    ディオ信号を入力し、該ディジタルオーディオ信号を、
    その再生クロックに同期してバッファメモリに一旦書き
    込みかつ装置内部の基準発振源から発振される基準クロ
    ックに同期して該バッファメモリから読み出して前記入
    力ディジタルオーディオ信号と同じサンプリングレート
    で光ディスクに記録することができ、記録開始当初に前
    記光ディスクに、装置内部で生成した曲間信号を記録し
    これに続けて前記バッファメモリから前記ディジタルオ
    ーディオ信号を読み出して記録することができる光ディ
    スク記録装置において、 使用者により操作され、前記曲間信号を記録するかしな
    いかを指示する操作手段と、 前記操作手段の操作に基づき、前記曲間信号を記録する
    ときは、該曲間信号を記録しないときに比べて、前記バ
    ッファメモリへの書き込み開始から前記光ディスクの記
    録開始までの時間を短くする制御を行う制御手段とを具
    備してなる光ディスク記録装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段が、前記曲間信号を記録する
    ときに、前記バッファメモリへの書き込み開始と同時ま
    たはほぼ同時に前記ディスクの記録を開始する制御を行
    う請求項1記載の光ディスク記録装置。
  3. 【請求項3】所定サンプリングレートのディジタルオー
    ディオ信号を入力し、該ディジタルオーディオ信号を、
    その再生クロックに同期してバッファメモリに一旦書き
    込みかつ装置内部の基準発振源から発振される基準クロ
    ックに同期して該バッファメモリから読み出して前記入
    力ディジタルオーディオ信号と同じサンプリングレート
    で光ディスクに記録することができ、記録開始当初に前
    記光ディスクに、装置内部で生成した曲間信号を記録し
    これに続けて前記バッファメモリから前記ディジタルオ
    ーディオ信号を読み出して記録することができる光ディ
    スク記録装置において、 使用者により操作され、前記曲間信号の記録長を設定す
    る操作手段と、 前記操作手段の操作に基づき、相対的に長い曲間信号を
    記録するときは、相対的に短い曲間信号を記録するとき
    に比べて、前記バッファメモリへの書き込み開始から前
    記光ディスクの記録開始までの時間を短くする制御を行
    う制御手段とを具備してなる光ディスク記録装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段が、所定時間以上の前記曲間
    信号を記録するときに、前記バッファメモリへの書き込
    み開始と同時またはほぼ同時に前記光ディスクの記録を
    開始する制御を行う請求項3記載の光ディスク記録装
    置。
  5. 【請求項5】前記光ディスクの記録サンプリングレート
    と同じサンプリングレートのディジタルオーディオ入力
    のほか、該光ディスク記録サンプリングレートと異なる
    サンプリングレートのディジタルオーディオ入力および
    アナログ入力を選択して該光ディスクの記録サンプリン
    グレートに変換して記録することができる光ディスク記
    録装置であって、 前記光ディスクの記録サンプリングレートと異なるサン
    プリングレートのディジタルオーディオ入力または前記
    アナログ入力が選択されたときに、前記制御手段が曲間
    信号の記録の有無または記録長にかかわらず、前記バッ
    ファメモリへの書き込み開始と同時またはほぼ同時に前
    記光ディスクの記録を開始する制御を行う請求項1から
    4のいずれかに記載の光ディスク記録装置。
  6. 【請求項6】スピンドルモータの回転制御を行うモータ
    コントローラと、記録用レーザ光の照射時間および照射
    開始タイミングの微調整制御を行うストラテジー回路
    が、前記基準クロックに同期して該各制御を行う請求項
    1から5のいずれかに記載の光ディスク記録装置。
  7. 【請求項7】前記光ディスクがCD−Rディスクまたは
    CD−RWディスクであり、オーディオCDレコーダと
    して構成ている請求項1から6のいずれかに記載の光デ
    ィスク記録装置。
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