JP3505746B2 - トリメトキシシランの分離方法 - Google Patents
トリメトキシシランの分離方法Info
- Publication number
- JP3505746B2 JP3505746B2 JP20537893A JP20537893A JP3505746B2 JP 3505746 B2 JP3505746 B2 JP 3505746B2 JP 20537893 A JP20537893 A JP 20537893A JP 20537893 A JP20537893 A JP 20537893A JP 3505746 B2 JP3505746 B2 JP 3505746B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- methanol
- trimethoxysilane
- hexane
- distillation column
- azeotropic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】トリメトキシシランは、半導体用
のシリコン製造の原料となるシランガスや、複合材、塗
料などの分野で用いられるシランカップリング材の製造
原料として産業上重要な化合物である。本発明は、この
トリメトキシシランの分離方法に関する。 【0002】 【従来の技術】トリメトキシシランの製造方法として、
ケイ素とメタノールを塩化第一銅触媒により反応させる
((I)式)方法が知られている。 【0003】 【化1】 【0004】この方法で得られる反応生成物は、トリメ
トキシシランとメタノール及び副生するテトラメトキシ
シランを主成分とし、その他メトキシシランの重合物を
含む混合物となる。この反応生成物からトリメトキシシ
ランを単離する場合、各成分の沸点がメタノール64
℃、トリメトキシシラン86℃、テトラメトキシシラン
121℃のため蒸留法が適していると考えられるが、メ
タノールとトリメトキシシランが重量比で48:52の
共沸物(沸点58℃)を形成するため、分離できない。
このため、メタノールと重量比26:74で沸点50℃
の共沸物をつくるn−ヘキサン等の第3成分(「共沸
剤」)を反応生成物に加えて、メタノールとトリメトキ
シシランを分離する共沸蒸留法が知られている。 【0005】すなわち、メタノール・n−ヘキサン共沸
物の共沸点50℃が、メタノール・トリメトキシシラン
の共沸物の共沸点58℃より低いため、n−ヘキサンを
メタノールとの共沸組成分添加して蒸留を行なえば、メ
タノール・n−ヘキサン共沸物とトリメトキシシランの
蒸留分離ができる。メタノールを除去した後、トリメト
キシシランとテトラメトキシシランは通常の蒸留で分離
できる。この蒸留法を図1で説明する。 【0006】10はメタノールとトリメトキシシランの
分離蒸留塔であり、1からトリメトキシシランの反応生
成物をフィードする。一方4から共沸剤のn−ヘキサン
をフィードする。蒸留塔10の留出液はメタノールとn
−ヘキサンの共沸物である。これは、沸点50℃の温度
で留出するが、42℃以下に冷却して、デカンター13
に入れて静置するとn−ヘキサンに富んだ上相とメタノ
ールに富んだ下相との2相に分離する。このため、上相
は、4のn−ヘキサンとして10に再使用する。一方、
下相は5を通して蒸留塔11へフィードし、メタノール
・n−ヘキサン共沸物とメタノールに分離する。メタノ
ール・n−ヘキサン共沸物は留出液として6を通してデ
カンター13に入る。メタノールは缶出液7として得ら
れる。 【0007】蒸留塔10の缶出液2は、トリメトキシシ
ラン、テトラメトキシシランとその他高沸物の混合液で
ある。これを蒸留塔12へフィードし、留出液としてト
リメトキシシランを得る。缶出液9は、テトラメトキシ
シランと高沸物の混合液となる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】図1の3本の蒸留塔に
おいて、処理液の量が最大となるのは蒸留塔10であ
り、10の処理液量および段数は、図1で示すトリメト
キシシランの単離の設備全体のコストに大きく影響す
る。 【0009】 【問題を解決するための手段】本発明者らは、以上の事
実に鑑み、蒸留塔10の処理液量、および段数を少なく
する方法について検討した結果、共沸剤のn−ヘキサン
を蒸留塔の塔頂部に供給する事により効果的にその目的
が達せられる事を見い出した。すなわち本願発明は、ト
リメトキシシランとメタノールを含有する液からトリメ
トキシシランを分離する際に、該液から共沸蒸留により
メタノールを分離する共沸蒸留塔の塔頂部に共沸剤を供
給することを特徴とするトリメトキシシランの分離方法
に存する。 【0010】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明で、蒸留原料となるトリメトキシシランとメタノール
を含有する液としては、例えばケイ素とメタノールを塩
化第一銅等の触媒で反応させて得られる反応生成物で、
メタノール含有量1〜90%、トリメトキシシラン含有
量1〜90%その他の成分として、テトラメトキシシラ
ンとそれより高沸点(121℃以上)の化合物を含有す
る混合物である。 【0011】また、メタノールの共沸剤として用いるn
−ヘキサンは純度95%以上、好ましくは97%以上で
あることが望ましい。メタノールの共沸蒸留に用いる蒸
留塔(図1の蒸留塔10)の理論段数は3〜50段好ま
しくは、10〜30段である。トリメトキシシラン反応
生成物の供給位置は、中段付近で好ましくは、中段と塔
底の間の段である。 【0012】一方、本発明での共沸剤の供給位置は塔頂
部、すなわち蒸留塔の段数を上から順番に数えて第1段
目に、還流液として供給する。これを図で説明すると図
2の様になる。共沸剤の組成は、n−ヘキサン単独でも
よいが、n−ヘキサンと共沸する濃度(26%)以下の
メタノールや10%以下のトリメトキシシラン、テトラ
メトキシシランを含有してもよい。実際、図1の4は、
デカンター静置温度での溶解度分のメタノールを含有す
る事になる。共沸剤の供給流量は、トリメトキシシラン
反応生成物中のメタノールと共沸剤に含まれるメタノー
ルの総和に対して共沸組成を作るn−ヘキサン量を供給
するようにするのが好適である。 【0013】 【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例によってその範囲を制限されるものではない。 実施例1 メタノールの共沸蒸留を図3に示す装置で行なった。図
3中の23の蒸留塔は、直径1mm程度の孔の多孔板で
気液接触を行なうオルダーショウ型(柴田科学社製)の
分留管(内径32mm)を用い、全段数35段で、塔頂
から数えて25段目と26段目の間にトリメトキシシラ
ン反応生成物をフィードする段構成とした。一方、共沸
剤は1段目にフィードした。留出蒸気はコンデンサー2
4で凝縮させ、受器25へ全量留める様にした。以下、
図3のラインに沿って説明する。 【0014】タンク20に共沸剤として、5%のメタノ
ールを含むn−ヘキサン3000gを仕込んだ。一方、
メタノール、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラ
ンの3成分をそれぞれの試薬を用いて混合して調製した
トリメトキシシラン反応生成物(組成:メタノール2
9.6%、トリメトキシシラン47.4%、テトラメト
キシシラン23.0%)3000gをタンク22に仕込
んだ。次に、タンク20,22のフィードポンプ21を
用い、タンク20,22の原料を蒸留塔23にフィード
した。流量は、2つのフィード液のメタノールとn−ヘ
キサンが、26:74の共沸組成になる様に調節した。
また、蒸留塔ボトムのリボイラー15の熱媒温度をコン
トロールして、フィードポンプ21からフィードされる
メタノールとn−ヘキサンの合計量が留出する様にし
た。この様にして、蒸留塔内の気液接触が最適に行なわ
れるフィード流量を調べた結果、共沸剤219g/h
(タンク20のフィードポンプ21)、トリメトキシシ
ラン反応生成物210g/h(タンク22のフィードポ
ンプ21)、留出液量288g/hであった。この条件
で、十分定常になった時点で留出液、缶出液を受器2
5,27からサンプリングして、ガスクロマトグラフィ
ーで分析した。その結果を第1表に示す。また、蒸留塔
の負荷を見積るため濃縮部の蒸気流量を次の様に計算し
た。 【0015】等モルいつ流の仮定をおくと、濃縮部の蒸
気流量は、留出液の流量に等しいため、表1の留出組成
と留出流量288g/hから 【数1】蒸気流量=288×(0.254/32)+2
88×(0.724/86.2)+288×(0.02
2/122.2) =4.76mol/h トリメトキシシラン反応生成物流量に対して蒸気流量を
計算すると、 4.76÷210=0.0227mol/g=22.7mol/kg 【0016】比較例1 図4に示す蒸留装置でメタノールの共沸蒸留を行った。
図4では、共沸剤をトリメトキシシラン反応生成物と同
一段(26段)にフィードするラインとなっている。ま
た、28に開閉式の還流器をとりつけ、留出液の一部を
蒸留塔23の一段目に還流するようになっている。共沸
剤とトリメトキシシラン反応生成物は、実施例1と同じ
組成のものを用いた。還流比5の条件でフィード流量を
調べたところ、共沸剤51g/h、トリメトキシシラン
反応生成物49g/h、留出液量67g/hが最適であ
った。また、この条件で十分定常になった時点で留出液
と缶出液を分析した結果と濃縮部の蒸気量を表2に示
す。 【0017】メタノールとトリメトキシシランの分離効
率でみると、実施例1では留出のトリメトキシシランが
2.2%に対し、比較列1では8.0%と多く、しかも
缶出にn−ヘキサンが残存しており、明らかに分離が悪
くなっている。すなわち、理論段数が比較例1では不足
していると考えられる。一方、蒸留塔の負荷をみると、
蒸気量は比較例1の方が5.6倍も多く、同じ量のメタ
ノールを分離するのに、比較例1の方が塔径が5.6倍
大きい蒸留塔が必要である。この様に共沸剤の供給位置
により蒸留塔のサイズに差がある。 【0018】 【表1】 【0019】 【表2】 *蒸留塔へフィードしたトリメトキシシラン反応生成物
1kgに対する蒸留塔濃縮部の蒸気留量計算値 【0020】 【発明の効果】トリメトキシシランの効果的な分離を可
能にする。
のシリコン製造の原料となるシランガスや、複合材、塗
料などの分野で用いられるシランカップリング材の製造
原料として産業上重要な化合物である。本発明は、この
トリメトキシシランの分離方法に関する。 【0002】 【従来の技術】トリメトキシシランの製造方法として、
ケイ素とメタノールを塩化第一銅触媒により反応させる
((I)式)方法が知られている。 【0003】 【化1】 【0004】この方法で得られる反応生成物は、トリメ
トキシシランとメタノール及び副生するテトラメトキシ
シランを主成分とし、その他メトキシシランの重合物を
含む混合物となる。この反応生成物からトリメトキシシ
ランを単離する場合、各成分の沸点がメタノール64
℃、トリメトキシシラン86℃、テトラメトキシシラン
121℃のため蒸留法が適していると考えられるが、メ
タノールとトリメトキシシランが重量比で48:52の
共沸物(沸点58℃)を形成するため、分離できない。
このため、メタノールと重量比26:74で沸点50℃
の共沸物をつくるn−ヘキサン等の第3成分(「共沸
剤」)を反応生成物に加えて、メタノールとトリメトキ
シシランを分離する共沸蒸留法が知られている。 【0005】すなわち、メタノール・n−ヘキサン共沸
物の共沸点50℃が、メタノール・トリメトキシシラン
の共沸物の共沸点58℃より低いため、n−ヘキサンを
メタノールとの共沸組成分添加して蒸留を行なえば、メ
タノール・n−ヘキサン共沸物とトリメトキシシランの
蒸留分離ができる。メタノールを除去した後、トリメト
キシシランとテトラメトキシシランは通常の蒸留で分離
できる。この蒸留法を図1で説明する。 【0006】10はメタノールとトリメトキシシランの
分離蒸留塔であり、1からトリメトキシシランの反応生
成物をフィードする。一方4から共沸剤のn−ヘキサン
をフィードする。蒸留塔10の留出液はメタノールとn
−ヘキサンの共沸物である。これは、沸点50℃の温度
で留出するが、42℃以下に冷却して、デカンター13
に入れて静置するとn−ヘキサンに富んだ上相とメタノ
ールに富んだ下相との2相に分離する。このため、上相
は、4のn−ヘキサンとして10に再使用する。一方、
下相は5を通して蒸留塔11へフィードし、メタノール
・n−ヘキサン共沸物とメタノールに分離する。メタノ
ール・n−ヘキサン共沸物は留出液として6を通してデ
カンター13に入る。メタノールは缶出液7として得ら
れる。 【0007】蒸留塔10の缶出液2は、トリメトキシシ
ラン、テトラメトキシシランとその他高沸物の混合液で
ある。これを蒸留塔12へフィードし、留出液としてト
リメトキシシランを得る。缶出液9は、テトラメトキシ
シランと高沸物の混合液となる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】図1の3本の蒸留塔に
おいて、処理液の量が最大となるのは蒸留塔10であ
り、10の処理液量および段数は、図1で示すトリメト
キシシランの単離の設備全体のコストに大きく影響す
る。 【0009】 【問題を解決するための手段】本発明者らは、以上の事
実に鑑み、蒸留塔10の処理液量、および段数を少なく
する方法について検討した結果、共沸剤のn−ヘキサン
を蒸留塔の塔頂部に供給する事により効果的にその目的
が達せられる事を見い出した。すなわち本願発明は、ト
リメトキシシランとメタノールを含有する液からトリメ
トキシシランを分離する際に、該液から共沸蒸留により
メタノールを分離する共沸蒸留塔の塔頂部に共沸剤を供
給することを特徴とするトリメトキシシランの分離方法
に存する。 【0010】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明で、蒸留原料となるトリメトキシシランとメタノール
を含有する液としては、例えばケイ素とメタノールを塩
化第一銅等の触媒で反応させて得られる反応生成物で、
メタノール含有量1〜90%、トリメトキシシラン含有
量1〜90%その他の成分として、テトラメトキシシラ
ンとそれより高沸点(121℃以上)の化合物を含有す
る混合物である。 【0011】また、メタノールの共沸剤として用いるn
−ヘキサンは純度95%以上、好ましくは97%以上で
あることが望ましい。メタノールの共沸蒸留に用いる蒸
留塔(図1の蒸留塔10)の理論段数は3〜50段好ま
しくは、10〜30段である。トリメトキシシラン反応
生成物の供給位置は、中段付近で好ましくは、中段と塔
底の間の段である。 【0012】一方、本発明での共沸剤の供給位置は塔頂
部、すなわち蒸留塔の段数を上から順番に数えて第1段
目に、還流液として供給する。これを図で説明すると図
2の様になる。共沸剤の組成は、n−ヘキサン単独でも
よいが、n−ヘキサンと共沸する濃度(26%)以下の
メタノールや10%以下のトリメトキシシラン、テトラ
メトキシシランを含有してもよい。実際、図1の4は、
デカンター静置温度での溶解度分のメタノールを含有す
る事になる。共沸剤の供給流量は、トリメトキシシラン
反応生成物中のメタノールと共沸剤に含まれるメタノー
ルの総和に対して共沸組成を作るn−ヘキサン量を供給
するようにするのが好適である。 【0013】 【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例によってその範囲を制限されるものではない。 実施例1 メタノールの共沸蒸留を図3に示す装置で行なった。図
3中の23の蒸留塔は、直径1mm程度の孔の多孔板で
気液接触を行なうオルダーショウ型(柴田科学社製)の
分留管(内径32mm)を用い、全段数35段で、塔頂
から数えて25段目と26段目の間にトリメトキシシラ
ン反応生成物をフィードする段構成とした。一方、共沸
剤は1段目にフィードした。留出蒸気はコンデンサー2
4で凝縮させ、受器25へ全量留める様にした。以下、
図3のラインに沿って説明する。 【0014】タンク20に共沸剤として、5%のメタノ
ールを含むn−ヘキサン3000gを仕込んだ。一方、
メタノール、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラ
ンの3成分をそれぞれの試薬を用いて混合して調製した
トリメトキシシラン反応生成物(組成:メタノール2
9.6%、トリメトキシシラン47.4%、テトラメト
キシシラン23.0%)3000gをタンク22に仕込
んだ。次に、タンク20,22のフィードポンプ21を
用い、タンク20,22の原料を蒸留塔23にフィード
した。流量は、2つのフィード液のメタノールとn−ヘ
キサンが、26:74の共沸組成になる様に調節した。
また、蒸留塔ボトムのリボイラー15の熱媒温度をコン
トロールして、フィードポンプ21からフィードされる
メタノールとn−ヘキサンの合計量が留出する様にし
た。この様にして、蒸留塔内の気液接触が最適に行なわ
れるフィード流量を調べた結果、共沸剤219g/h
(タンク20のフィードポンプ21)、トリメトキシシ
ラン反応生成物210g/h(タンク22のフィードポ
ンプ21)、留出液量288g/hであった。この条件
で、十分定常になった時点で留出液、缶出液を受器2
5,27からサンプリングして、ガスクロマトグラフィ
ーで分析した。その結果を第1表に示す。また、蒸留塔
の負荷を見積るため濃縮部の蒸気流量を次の様に計算し
た。 【0015】等モルいつ流の仮定をおくと、濃縮部の蒸
気流量は、留出液の流量に等しいため、表1の留出組成
と留出流量288g/hから 【数1】蒸気流量=288×(0.254/32)+2
88×(0.724/86.2)+288×(0.02
2/122.2) =4.76mol/h トリメトキシシラン反応生成物流量に対して蒸気流量を
計算すると、 4.76÷210=0.0227mol/g=22.7mol/kg 【0016】比較例1 図4に示す蒸留装置でメタノールの共沸蒸留を行った。
図4では、共沸剤をトリメトキシシラン反応生成物と同
一段(26段)にフィードするラインとなっている。ま
た、28に開閉式の還流器をとりつけ、留出液の一部を
蒸留塔23の一段目に還流するようになっている。共沸
剤とトリメトキシシラン反応生成物は、実施例1と同じ
組成のものを用いた。還流比5の条件でフィード流量を
調べたところ、共沸剤51g/h、トリメトキシシラン
反応生成物49g/h、留出液量67g/hが最適であ
った。また、この条件で十分定常になった時点で留出液
と缶出液を分析した結果と濃縮部の蒸気量を表2に示
す。 【0017】メタノールとトリメトキシシランの分離効
率でみると、実施例1では留出のトリメトキシシランが
2.2%に対し、比較列1では8.0%と多く、しかも
缶出にn−ヘキサンが残存しており、明らかに分離が悪
くなっている。すなわち、理論段数が比較例1では不足
していると考えられる。一方、蒸留塔の負荷をみると、
蒸気量は比較例1の方が5.6倍も多く、同じ量のメタ
ノールを分離するのに、比較例1の方が塔径が5.6倍
大きい蒸留塔が必要である。この様に共沸剤の供給位置
により蒸留塔のサイズに差がある。 【0018】 【表1】 【0019】 【表2】 *蒸留塔へフィードしたトリメトキシシラン反応生成物
1kgに対する蒸留塔濃縮部の蒸気留量計算値 【0020】 【発明の効果】トリメトキシシランの効果的な分離を可
能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に用いる装置の一例を示す。
【図2】本願発明に用いる装置の一例を示す。
【図3】本願発明に用いる装置の一例を示す。
【図4】本願発明に用いる装置の一例を示す。
【符号の説明】
1 トリメトキシシラン反応生成物
2 1からメタノールを除去した缶出液
3 メタノール・n−ヘキサン共沸物
4 デカンターの上相液(n−ヘキサンリッチ液)で
あるメタノール共沸剤 5 デカンターの下相液(メタノールリッチ液) 6 メタノール・n−ヘキサン共沸物 7 メタノール 8 トリメトキシシラン 9 テトラメトキシシランとその他高沸物 10 メタノールを分離する共沸蒸留塔 11 メタノールとn−ヘキサンを分離する蒸留塔 12 トリメトキシシランとテトラメトキシシランを
分離する蒸留塔 13 蒸留塔A,Bの留出液を静置し、n−ヘキサン
とメタノールを液−液分離する装置 14 留出液コンデンサー 15 リボイラー 16 蒸留原料であるトリメトキシシラン反応生成物 17 メタノール・n−ヘキサン共沸混合物 18 共沸剤(主成分n−ヘキサン) 19 1からメタノールを除去した缶出液 20 共沸剤タンク 21 フィードポンプ 22 トリメトキシシラン反応生成物タンク 23 蒸留塔(オルダーショウ型) 24 留出蒸気のコンデンサー 25 留出液の受器 26 缶出液抜き出し弁 27 缶出液の受器
あるメタノール共沸剤 5 デカンターの下相液(メタノールリッチ液) 6 メタノール・n−ヘキサン共沸物 7 メタノール 8 トリメトキシシラン 9 テトラメトキシシランとその他高沸物 10 メタノールを分離する共沸蒸留塔 11 メタノールとn−ヘキサンを分離する蒸留塔 12 トリメトキシシランとテトラメトキシシランを
分離する蒸留塔 13 蒸留塔A,Bの留出液を静置し、n−ヘキサン
とメタノールを液−液分離する装置 14 留出液コンデンサー 15 リボイラー 16 蒸留原料であるトリメトキシシラン反応生成物 17 メタノール・n−ヘキサン共沸混合物 18 共沸剤(主成分n−ヘキサン) 19 1からメタノールを除去した缶出液 20 共沸剤タンク 21 フィードポンプ 22 トリメトキシシラン反応生成物タンク 23 蒸留塔(オルダーショウ型) 24 留出蒸気のコンデンサー 25 留出液の受器 26 缶出液抜き出し弁 27 缶出液の受器
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 トリメトキシシランとメタノールを含有
する液からトリメトキシシランを分離する際に、該液か
ら共沸蒸留によりメタノールを分離する共沸蒸留塔の塔
頂部に共沸剤を供給することを特徴とするトリメトキシ
シランの分離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20537893A JP3505746B2 (ja) | 1993-08-19 | 1993-08-19 | トリメトキシシランの分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20537893A JP3505746B2 (ja) | 1993-08-19 | 1993-08-19 | トリメトキシシランの分離方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0753568A JPH0753568A (ja) | 1995-02-28 |
JP3505746B2 true JP3505746B2 (ja) | 2004-03-15 |
Family
ID=16505841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20537893A Expired - Fee Related JP3505746B2 (ja) | 1993-08-19 | 1993-08-19 | トリメトキシシランの分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3505746B2 (ja) |
-
1993
- 1993-08-19 JP JP20537893A patent/JP3505746B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0753568A (ja) | 1995-02-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4528483B2 (ja) | アミン含有混合物を分別する方法 | |
JP4597472B2 (ja) | アミン含有混合物を分別する方法 | |
JP4724341B2 (ja) | 酢酸エチルの製造方法及びその方法を実施するための装置 | |
JP2004513931A (ja) | 1,3−粗ブタジエンから1,3−純ブタジエンを蒸留により取得するための方法及び装置 | |
JP4304067B2 (ja) | 酸化プロピレンの精製 | |
JPH0948744A (ja) | 酢酸の精製方法 | |
EP0310920B1 (en) | Process for recovering trimethoxysilane from a trimethoxysilane and methanol mixture | |
JP3684197B2 (ja) | 主成分の酢酸およびギ酸からなる水性混合物を分離および精製するための方法 | |
JP3479533B2 (ja) | ホルムアルデヒドとフッ化水素とからビス(フルオロメチル)エーテル及び/又はジフルオロメタンの製造 | |
JP3505746B2 (ja) | トリメトキシシランの分離方法 | |
US5929269A (en) | Process for preparing vinylated organosilicon compounds | |
US4934519A (en) | Process for working up crude liquid vinyl acetate | |
US4370204A (en) | Method for the purification of hexamethyldisiloxane | |
JP2004149421A (ja) | ジメチルアミド化合物とカルボン酸を蒸留分離する方法及びその装置 | |
CA2273539C (en) | Process for working up crude, liquid vinyl acetate | |
US2388575A (en) | Resolution of mixtures of chlorosilanes | |
JP4399167B2 (ja) | 無水マレイン酸を吸収するための有機溶剤の精製法 | |
EP1623746B1 (en) | Rectifying plant for purifying tertiary amines | |
JPH0741489A (ja) | トリメトキシシランの分離方法 | |
FR2508460A1 (fr) | Procede de production d'acyloxysilanes | |
JP2506397B2 (ja) | イソ酪酸とメタクリル酸の分離方法 | |
WO1995017366A1 (fr) | Procede de purification de 1,1,1,3,3-pentafluoro-2,3-dichloropropane | |
CN105461594A (zh) | 一种降低重溶剂法tdi产品酸值的方法 | |
JP2797881B2 (ja) | 3−[n−(2−アミノエチル)]アミノプロピルアルコキシシランの連続的製造方法及びその製造装置 | |
JP3505745B2 (ja) | トリメトキシシランの分離方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20031208 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081226 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091226 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |