JP3505558B2 - 漏電遮断器 - Google Patents

漏電遮断器

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JP3505558B2
JP3505558B2 JP02882696A JP2882696A JP3505558B2 JP 3505558 B2 JP3505558 B2 JP 3505558B2 JP 02882696 A JP02882696 A JP 02882696A JP 2882696 A JP2882696 A JP 2882696A JP 3505558 B2 JP3505558 B2 JP 3505558B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、感度電流や時延
動作時間の設定値の切り換えが可能な漏電遮断器に係わ
り、ノイズによる誤動作を防止しながら低価格化が図れ
るように改良されたその構成に関する。
【0002】
【従来の技術】交流電路における地絡の発生時に、地絡
発生による事故を防止するための漏電遮断器が、広く使
用されている。これら漏電遮断器には、その遮断動作を
行う地絡電流の値である感度電流や時延動作時間の設定
値の切り換えを可能としたものも知られている。以下、
図面を用いていくつかのこの種の従来例について説明す
る。図5は、感度電流の設定値の切り換えを可能とした
従来例の瞬時動作型の漏電遮断器の回路図である。図5
において、9は、主回路接点91と、零相変流器92
と、検出用の抵抗器93と、感度設定部94と、動作部
95と、トリップコイル97とを備える瞬時動作型の漏
電遮断器である。
【0003】主回路接点91には、電源側導体99a,
99bと、負荷側導体98a,98bが接続されてい
る。零相変流器92は、備える鉄心に負荷側導体98
a,98bが貫通され、負荷側導体98a,98bに通
流する負荷電流中に地絡電流が含まれていると、よく知
られているように、その出力巻線921から地絡電流に
比例した出力電流I0 を出力する。抵抗器93は、出力
電流I0 の全部あるいは一部を通流させ、その両端に出
力電流I0 値に比例する値を持つ電圧であり地絡信号で
ある電圧V0 を発生させる。感度設定部94は、接点
a,b,cを持つ切換スイッチ941と、接点bに接続
された抵抗器942と、接点cに接続された抵抗器94
3と、切換スイッチ941,抵抗器942,943を搭
載する配線基板944とを有している。949は、感度
設定部94と抵抗器93との間を接続するリード線であ
る。この感度設定部94は、図5中に示す如く、電気回
路的には抵抗器93に並列に接続される。
【0004】動作部95は、信号を入力する入力端子
と、主回路接点91を釈放させる駆動電流Idを出力す
る出力端子とを有しており、入力端子に電圧V0 を入力
し、この電圧V0 が予め定められている設定値を越えた
場合には、駆動電流Idを出力端子から出力する回路装
置である。トリップコイル97は、駆動電流Idが動作
部95から供給されると、図示しない主接点遮断機構を
反転動作させて、主接点91を釈放させる動作を行う。
なお、抵抗器93には、固定抵抗器もしくは半固定抵抗
器が使用されており、また、動作部95の電源は、負荷
側導体98a,98bの間から供給されるのが一般であ
る。漏電遮断器9が前記の構成を備えているので、出力
電流I0 は、切換スイッチ941の切換え位置が接点a
にセットされた場合にはその全部が抵抗器93中を通流
するのに対し、接点bあるいは接点cにセットされた場
合には、抵抗器942あるいは抵抗器943にも分流さ
れる。このために、切換スイッチ941の切換え位置が
接点bあるいは接点cにセットされた場合には、抵抗器
93に発生する電圧V0 は、接点aにセットされた場合
よりも大きい出力電流I0 の値において出力されること
になり、感度電流値を切り換えることの可能な漏電遮断
器が得られているのである。
【0005】また、図6は、時延動作時間の設定値の切
り換えを可能とした従来例の時延動作型の漏電遮断器の
回路図である。図6において、図5に示した漏電遮断器
と同一部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
なお、図6中には、図5で付した符号については、代表
的な符号のみを記した。図6において、8は、図5に示
した従来例による漏電遮断器9に対して、感度設定部9
4,動作部95に替えて、差動増幅部である差動増幅器
81、コンパレータ82、基準電圧源83A、充電回路
部84、時延設定部85、時延信号比較回路部であるコ
ンパレータ86および動作部87を備える時延動作型の
漏電遮断器である。
【0006】衆知の差動増幅器81は、抵抗器93から
出力された電圧V0 を入力し、電圧V0 に対応すると共
に抵抗器93の抵抗値に影響されることのない電圧信号
である地絡変換信号S1 を出力する。衆知のコンパレー
タ82は、非反転入力端子に地絡変換信号S1 が、反転
入力端子に基準電圧源83Aから供給された地絡電流用
の基準電圧がそれぞれ入力され、地絡変換信号S1 の値
が前記の基準電圧値以上になると、出力端から電圧信号
である比較出力信号Saを出力する。充電回路部84
は、電気的に互いに直列に接続されたコンデンサ素子8
41と抵抗素子842とを有する。このコンデンサ素子
841は、充電回路部84に比較出力信号Saが印加さ
れることにより抵抗素子842などを介して充電され,
その両端から電圧信号である時延信号Stを出力する。
【0007】衆知のコンパレータ86は、非反転入力端
子に時延信号Stが、反転入力端子に基準電圧源83B
から供給された時延動作用の基準電圧がそれぞれ入力さ
れ、時延信号Stの値が時延動作用の基準電圧値以上に
なると、出力端から電圧信号である動作信号Sdを出力
する。動作部87は、互いに電気的に直列に接続された
直流電圧源872と、スイッチング素子であるサイリス
タ871とを有しており、トリップコイル97を電気的
に直列に接続している。時延設定部85は、接点a,
b,cを持つ切換スイッチ851と、接点bに接続され
た抵抗器852と、接点cに接続された抵抗器853
と、切換スイッチ851,抵抗器852,853を搭載
する配線基板854とを有している。この時延設定部8
5は、図6中に示す如く、電気回路的には抵抗器842
に並列に接続されている。なお、859は、時延設定部
85と抵抗素子842との間を接続するリード線であ
る。また、基準電圧源83A,83Bおよび直流電圧源
872の電源は、その詳細な図示は省略したが、負荷側
導体98a,98bの間から供給されるのが一般であ
る。
【0008】漏電遮断器8は前記の構成を備えているの
で、コンデンサ素子841に対する充電抵抗は、切換ス
イッチ851の切換え位置が接点aにセットされた場合
には抵抗素子842のみであるのに対し、接点bあるい
は接点cにセットされた場合には、抵抗素子842と抵
抗器852との並列抵抗、あるいは抵抗素子842と抵
抗器853との並列抵抗になる。このために、切換スイ
ッチ851の切換え位置が接点bあるいは接点cにセッ
トされた場合には、コンデンサ素子841で得られる充
電電圧である時延信号Stの値は、接点aにセットされ
た場合よりも短い充電時間で時延動作用の基準電圧値に
到達することになる。これにより、時延動作時間値を切
り換えることの可能な漏電遮断器が得られているのであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
る漏電遮断器、例えば、漏電遮断器8,9においては、
時延時間設定部85や感度設定部94が有する切換スイ
ッチ851,941を切り換えることにより、時延動作
時間や感度電流の設定値を切り換えることができている
が、次記することが問題点としてクローズアップされる
ようになってきている。すなわち、 漏電遮断器9では、その構造上の必要から、感度設定
部94が持つ配線基板944は、動作部95などを構成
する回路素子が搭載される配線基板とは別個の配線基板
として製作されることが多いものである。配線基板94
4と動作部95などが搭載された配線基板とが別個の配
線基板として製作された場合には、感度設定部94と動
作部などとを接続するリード線(例えばリード線949
である。)は、ある程度の長さが必要になるものであ
る。この長いリード線は、高周波成分を持つノイズに対
してはアンテナと同様に機能するので、ノイズが発生さ
れ易くなる。ところで、リード線949には、地絡信号
である電圧V0 が印加されたり、零相変流器92の出力
電流I0 の一部が通流されたりしている。
【0010】出力電流I0 により抵抗器93に通流され
る電流値および抵抗器93に発生される電圧値の一例を
示すと、感度電流値が100〔mA〕に設定されている
場合に、それぞれ、100〔μA〕前後および10〔m
V〕前後と極めて微弱である。当然のことながら、リー
ド線949においてもほぼこれと同様なレベルにある。
したがって、このリード線949にノイズが発生するこ
とは、微弱な電圧V0にノイズが重畳されることである
ので、漏電遮断器9は、高周波ノイズの影響を受けて誤
動作を起こし易いことになっているのである。このこと
は漏電遮断器8でも同様の事情に有り、漏電遮断器8で
は時延設定部85が持つ配線基板854が、他の回路素
子が搭載された配線基板とは別個の配線基板として製作
されることが多く、漏電遮断器8でも、リード線859
にノイズが発生することで、高周波ノイズの影響を受け
て誤動作を起こしやすいことになっている。また、 漏電遮断器9が有する切換スイッチ941は、前記の
ような微弱な電圧・電流を切り換えるので、接点部の接
触信頼性を高める必要から、その接点に金メッキを施さ
れるなどした切換スイッチを使用する必要が有り、漏電
遮断器9の製造原価を上昇させている。また、 漏電遮断器8の場合に、漏電遮断器8の製造原価の低
減などを図るために、充電回路部84が持つコンデンサ
素子841の静電容量値の低減を試みたいのであるが、
規格で定められている時延動作時間値は変更できないの
で、静電容量値の低減はそのまま充電電流値の低減をま
ねくことになる。充電電流値を微弱にすることは、項
で既に述べたところと同様な理由で、漏電遮断器8が有
する切換スイッチ851には、接点に金メッキを施され
るなどした高い接触信頼性を持つ切換スイッチを使用す
る必要が有ることになる。したがっていずれを選択する
にしろ、漏電遮断器8の製造原価が上昇することにな
る。さらにまた、 今までの説明では触れてこなかったが、漏電遮断器の
中には、感度電流および時延動作時間の両方の設定値を
切り換えることができるようにしたものも使用されてい
る。このような漏電遮断器の場合には、感度設定部94
と時延設定部85の両方を備える必要が有るので、リー
ド線としては、それぞれ2本のリード線949,859
が必要となる。この合計4本ものリード線の配線は、そ
の作業が煩雑になることもあって比較的に長い作業工数
を必要とすることで、この種の漏電遮断器の製造原価が
上昇することになっている。
【0011】この発明は、前述の従来技術の問題点に鑑
みなされたものであり、その目的は、ノイズによる誤動
作を防止しながら低価格化が図れるように改良された漏
電遮断器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明では前述の目的
は、 1)主回路接点と、主回路接点に通流する電流中に含ま
れる地絡電流を検出する零相変流器と、零相変流器が出
力する電流を電圧である地絡信号に変換する検出用の抵
抗器と、地絡信号を入力する差動増幅部と、地絡電流に
関する複数の感度電流値を適宜の値に切り換えて設定し
て感度電流値に対応する感度信号を出力する感度設定部
と、感度信号を入力して感度電流値に対応する抵抗値を
得る可変抵抗部と、差動増幅部から出力された地絡信号
に対応する信号が入力される一方の入力端と,地絡電流
用の基準電圧が入力される他方の入力端と,地絡信号に
対応する信号のレベルが基準電圧の値以上になると比較
出力信号を出力する出力端とを有する地絡信号比較回路
部と、比較出力信号が出力された場合に主回路接点を釈
放させる動作を行う動作部とを備え、可変抵抗部で得ら
れる抵抗値に基づいて、信号比較回路部に与える基準電
圧の値、または、差動増幅部の増幅度を切り換えてなる
構成とすること、または、 2)前記1項に記載の手段において、可変抵抗部は、ア
ナログ信号である感度信号を2値信号に変換するA/D
変換部と、前記の2値信号を入力して感度電流値の切り
換え段数と同数のビット数の2値信号を出力するデコー
ダと、デコーダから出力された複数の2値信号をそれぞ
れに入力し,この2値信号が持つレベルに対応してオン
・オフするスイッチング素子と、このスイッチング素子
によって抵抗値が切り換えられる抵抗素子部とを有する
構成とすること、または、 3)主回路接点と、主回路接点に通流する電流中に含ま
れる地絡電流を検出する零相変流器と、零相変流器が出
力する電流を電圧である地絡信号に変換する検出用の抵
抗器と、地絡信号を入力する差動増幅部と、差動増幅部
から出力された地絡信号に対応する信号が入力される一
方の入力端と,地絡電流用の基準電圧が入力される他方
の入力端と,地絡信号に対応する信号のレベルが地絡電
流用の基準電圧の値以上になると比較出力信号を出力す
る出力端とを有する地絡信号比較回路部と、時延動作時
間値を適宜の値に切り換えて設定して時延動作時間値に
対応する時延信号を出力する時延設定部と、複数のスイ
ッチを有し,入力される時延信号が持つ時延動作時間値
に対応する特定の1個のスイッチのみを閉路させる切換
部と、電気的に互いに直列に接続された抵抗素子とコン
デンサ素子とを有し,比較出力信号が地絡信号比較回路
部から出力されると充電電源によるコンデンサ素子への
充電が開始され,コンデンサ素子の両端から時延信号を
出力する時延信号生成部と、時延信号が入力される一方
の入力端と,時延信号用の基準電圧が入力される他方の
入力端と,時延信号のレベルが時延信号用の基準電圧の
値以上になると動作信号を出力する出力端とを有する時
延信号比較回路部と、動作信号が出力された場合に主回
路接点を釈放させる動作を行う動作部とを備え、切換部
の閉路されるスイッチに基づいて、時延信号生成部が持
つコンデンサ素子への充電条件を切り換えるか、また
は、時延信号用の基準電圧の値を切り換えることで、時
延動作時間値を切り換えてなる構成とすること、また
は、 4)前記2項に記載の手段において、切換部は、アナロ
グ信号である時延信号を2値信号に変換するA/D変換
部と、前記の2値信号を入力して時延動作時間値の切り
換え段数と同数のビット数の2値信号を出力するデコー
ダと、デコーダから出力された複数の2値信号をそれぞ
れに入力し,この2値信号が持つレベルに対応してオン
・オフするスイッチング素子とを有する構成とするこ
と、さらにまたは、 5)前記2項から4項までのいずれかに記載の手段にお
いて、感度設定部と時延設定部とは、感度電流設定用の
抵抗素子と時延動作時間設定用の抵抗素子とを一体に有
すると共に一端が接地された設定用ラダー抵抗と、設定
用ラダー抵抗の内の感度電流設定用の抵抗素子を切り換
える切換えスイッチと、設定用ラダー抵抗の内の時延動
作時間用の抵抗素子を切り換える切換えスイッチと、設
定用ラダー抵抗の反接地側に接続され,設定用ラダー抵
抗に一定値の直流電流を供給する定電流源とで一体に構
成された設定部としてなり、抵抗素子部を除く可変抵抗
部と切換部とが有するA/D変換部とは、変換用ラダー
抵抗と、変換用ラダー抵抗に一定値の直流電流または直
流電圧を供給する直流電源と、非反転入力端子に設定部
が持つ設定用ラダー抵抗と定電流源との接続点で得られ
た直流電圧が共通に入力され,反転入力端子に変換用ラ
ダー抵抗を構成する異なる抵抗素子相互の接続点で得ら
れる直流電圧がそれぞれに入力される複数のコンパレー
タとで一体に構成され、複数のそれぞれのコンパレータ
の出力端から2値信号がそれぞれに出力されてなる構成
とすること、により達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。図1はこの発明になる漏電遮断器の
実施の形態を説明する回路構成図である。図1におい
て、図5,図6に示した従来例による漏電遮断器と同一
部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。なお図
1中には、図5,図6で付した符号については、代表的
な符号のみを記した。図1において、1は図6に示した
従来例による漏電遮断器8に対して、感度設定部2,直
流電源3A,可変抵抗部3,地絡信号比較回路部4,時
延設定部5,直流電源6A,切換部6および時延信号生
成部7と、可変抵抗部3に替わって必要に応じて備えら
れる可変抵抗部3Bと、切換部6に替わって必要に応じ
て備えられる可変基準電圧生成回路部6Bまたは充電条
件切換部7Aを備える漏電遮断器である。ここで漏電遮
断器1は、説明の都合上から、感度電流と時延動作時間
の両設定値を切り換えることができる漏電遮断器として
示している。
【0014】感度設定部2は、漏電遮断器1の感度電流
の設定値を切り換えて、感度電流の設定値に対応する感
度信号S2 を出力する回路部であり、この点では図5中
に示した従来例による感度設定部94と同等の機能を有
している。しかし感度設定部2では、切換スイッチに与
える電圧・電流値が、感度設定部94の場合よりも切換
スイッチの接点部の接触信頼性を保持する上から有利な
値となるように構成されていることが相異している。可
変抵抗部3は、複数の抵抗素子を有しており、これ等の
抵抗素子を入力される感度信号S2 に応じて切り換える
などすることで、感度電流の設定値に対応する抵抗値を
得るようにした回路部である。可変抵抗部3が持つ抵抗
素子には直流電源3Aから一定値の直流の電圧または電
流が供給されることで、可変抵抗部3からは、差動増幅
器81から出力されている地絡変換信号S1 が持つ電圧
レベルに適合した感度信号である感度変換信号S3 が出
力される。すなわち、直流電源3Aと可変抵抗部3とが
総合された回路部は、接点部の接触信頼性の保持に有利
な電圧レベルを持つ感度信号S2 のレベルを、地絡変換
信号S1 が持つ電圧レベルに適合した値を持つ感度変換
信号S3 にレベル変換する回路部であることになる。地
絡信号比較回路部4は、衆知のコンパレータを用いた場
合で説明すると、その非反転入力端子に地絡変換信号S
1 が、反転入力端子に感度変換信号S3 がそれぞれ入力
され、地絡変換信号S1 の値が感度変換信号S3 の値以
上になると、出力端から電圧信号である比較出力信号S
aを出力する回路部である。
【0015】時延設定部5は、漏電遮断器1の時延動作
時間の設定値を切り換えて、時延動作時間の設定値に対
応する時延信号S5 を出力する回路部であり、この点で
は図6中に示した従来例による時延設定部85と同等の
機能を有している。しかし時延設定部5では、感度設定
部2と同様に、切換スイッチに与える電圧・電流値が、
時延設定部85の場合よりも切換スイッチの接点部の接
触信頼性を保持する上から有利な値となるように構成さ
れていることが相異している。切換部6は、複数のスイ
ッチを有し,入力される時延信号S5 が持つ時延動作時
間値に対応する特定の1個のスイッチのみを閉路させる
機能を持つ回路部である。切換部6が持つそれぞれのス
イッチには、直流電源6Aが持つ異なる電圧値の複数の
直流電源が接続されており、切換部6が持つスイッチに
この直流電源6Aが持つそれぞれの直流電源が接続され
ていることで、切換部6からは、充電用のコンデンサ素
子841の充電に適合した値の充電用電圧V6 が出力さ
れる。
【0016】すなわち、直流電源6Aと切換部6とが総
合された回路部は、接点部の接触信頼性の保持に有利な
電圧レベルを持つ時延信号S5 のレベルを、コンデンサ
素子841の充電に適合した値を持つ充電用電圧V6
レベル変換する回路部であることになる。時延信号生成
部7は、地絡信号比較回路部4から出力された比較出力
信号Saによってオン・オフ制御されるスイッチング素
子71と、充電回路部を有している。このスイッチング
素子71としては、比較出力信号Saによってオン・オ
フ制御できるものであれば、各種の半導体スイッチング
素子を含む適宜のスイッチング素子を使用可能である。
【0017】充電回路部は、原則的には、コンデンサ素
子841と抵抗素子842とで構成されている。時延信
号生成部7は、比較出力信号Saが出力されるとスイッ
チング素子71がオンすることで、充電用電圧V6 によ
りコンデンサ素子841の充電が開始され、コンデンサ
素子841の両端から電圧信号である時延変換信号St
を出力する。コンパレータ86には、非反転入力端子に
時延変換信号Stが、反転入力端子には、図6に示した
従来例の場合と同様に、一定の直流電圧値を持つ基準電
圧源から供給された時延動作用の基準電圧を入力するこ
ととなる。そうして、時延変換信号Stの値が時延動作
用の基準電圧値以上になると、出力端から電圧信号であ
る動作信号Sdを出力するのである。また、感度設定部
2,時延設定部5と、他の回路部とを接続するリード線
に印加される電圧レベルは、前記した従来例の場合より
も大きな値に設定された電圧であるので、このリード線
にノイズ電圧が発生したとしても、このノイズ電圧によ
る影響度は、前述の従来例の場合よりも低減されるので
ある。
【0018】今までの説明では、感度信号S2 に対応し
て動作する回路部は可変抵抗部3であるとしてきたが、
可変抵抗部3に替えて可変抵抗部3B(図1中に太い点
線で示す。)を用いることも可能である。可変抵抗部3
Bは、複数の抵抗素子を有しており、これ等の抵抗素子
を入力される感度信号S2 に応じて切り換えるなどする
ことで、感度電流の設定値に対応させた抵抗値を得るよ
うにした回路部である。この場合、衆知のごとく可変抵
抗部3Bは差動増幅器81に対する帰還抵抗として働
き、可変抵抗部3Bが持つ抵抗値を変えて差動増幅器8
1の増幅率を調整することにより、感度電流の設定値に
対応させた値を持つ地絡変換信号S1 を得るようにする
ものである。この場合には、地絡信号比較回路部4の非
反転入力端子には、図6に示した従来例の場合と同様、
一定の直流電圧値を持つ基準電圧源から供給された地絡
電流用の基準電圧を入力することとなる。なお、可変抵
抗部3Bは、差動増幅器81を含む増幅回路部の増幅方
法に対応させて、差動増幅器81のいずれかの入力端子
と、差動増幅器81の出力端子との間に接続される。
【0019】また今までの説明では、時延信号S5 に対
応して動作する回路部は切換部6であるとしてきたが、
切換部6に替えて可変抵抗部7A(図1中に太い点線で
示す。)を用いることも可能である。可変抵抗部7A
は、時延信号生成部7が持つ抵抗素子842に替えて用
いられるものであり、可変抵抗部3Bと同様にして複数
の抵抗素子を有し、これ等の抵抗素子を入力される時延
信号S5 に応じて切り換えるなどすることで、時延動作
時間の設定値に対応する充電用の抵抗値を得るようにし
た回路部である。可変抵抗部7Aが持つ抵抗値を変えて
コンデンサ素子841に対する充電電流値を調整するこ
とにより、時延動作時間の設定値に対応させた値を持つ
時延変換信号Stを得るようにするものである。この場
合には、可変抵抗部7Aには、直流電源6Aに替えて、
充電電圧源として一定の直流電圧値を持つ直流電圧源を
用いることとなる。
【0020】なおまた、時延信号S5 に対応して動作す
る回路部は、切換部6に替えて可変基準電圧生成回路部
6B(図1中に太い点線で示す。)を用いることも可能
である。可変基準電圧生成回路部6Bは、コンパレータ
86の反転入力端子に入力されている時延動作用の基準
電圧源に替えて用いられるものであり、例えば、前記し
た可変抵抗部3と直流電源3Aとを総合した回路部と同
様な構成として、時延動作時間の設定値に対応させた値
を持つ時延動作用の基準電圧値を得ようとするものであ
る。この場合には、時延信号生成部7は、時延信号S5
の如何にかかわらず、一定値の充電電圧,充電抵抗によ
って、コンデンサ素子841に対する充電を行うことと
なる。
【0021】以上説明してきた図1に示す構成とされた
漏電遮断器1では、感度電流値の設定を行う感度設定部
2と、時延動作時間値の設定を行う時延設定部5とは、
電圧V0 が印加される部位やコンデンサ素子841とは
電気回路的に切り離されていることで、用いる電圧,電
流のレベルを切換スイッチの接点部の接触信頼性の保持
に有利な、従来例の場合よりも大きな値に設定すること
が可能となる。これにより、感度設定部2や時延設定部
5が持つ切換スイッチは、従来例の場合とは異なり、金
メッキなどの接触抵抗の改善処理をとりたてて施されて
いない,一般の切換スイッチを使用することが可能とな
る。またこのことにより、コンデンサ素子841の静電
容量値を、切換スイッチの接点部の接触信頼性の保持に
無関係に設定できることになるので、コンデンサ素子8
41に小さい静電容量値を持つコンデンサ素子を選択す
ることが可能となる。
【0022】また、前述した漏電遮断器1は、感度電流
と時延動作時間の両方の設定値の切り換えが可能な漏電
遮断器である。しかしながら図1中に示された実施の形
態は、該当する部分を適用することによって、感度電流
の設定値のみの切り換えを可能とする漏電遮断器や時延
動作時間の設定値のみの切り換えを可能とする漏電遮断
器に対しても適用が可能であることは勿論のことであ
る。
【0023】
【実施例】以下この発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。なお、この項の以下の説明においては、図
1に示したこの発明の実施の形態をとしての漏電遮断
器、図5,図6に示した従来例の漏電遮断器と同一部分
には同じ符号を付し、その説明を省略する。また、この
項の以後の説明に用いる図中には、図1,図5,図6で
付した符号については、代表的な符号のみを記した。
【0024】実施例1;図2は、請求項1,2に対応す
るこの発明の一実施例による感度電流の設定値の切り換
えを可能とした瞬時動作型の漏電遮断器の回路図であ
る。図2において、1Aは、図6に示した従来例による
漏電遮断器9に対して、感度設定部94,動作部95に
替えて、差動増幅部である差動増幅器81,感度設定部
2,直流電源3A,可変抵抗部3,地絡信号比較回路部
4を備える漏電遮断器である。感度設定部2は、従来例
の切換スイッチ941と同様に3個の接点を持つ切換ス
イッチ21、互いに電気的に直列に接続された抵抗素子
22,23および抵抗素子22,23に一定値の直流電
流を供給する直流定電流源装置24を有している。抵抗
素子22,23の直列接続体は、切換スイッチ21が持
つ接点に対して図2中に示すごとく接続されると共に、
抵抗素子22の反抵抗素子23側で接地電位に接続さ
れ、抵抗素子23の反抵抗素子22側で直流定電流源装
置24と接続されている。そうして、抵抗素子23と直
流定電流源装置24との接続点から感度信号S2 を出力
する。この感度信号S2 の値は、切換スイッチ21の接
点切換え位置に対応して変更される。従来例に感度設定
部94に対して持つ感度設定部2の特長は発明の実施の
形態の項で説明したとおりである。そうして、感度信号
2 を出力するために感度設定部2に持たせる回路電圧
の値は、前記のことから5〔V〕〜10〔V〕程度に設
定されている。なお、直流定電流源装置24に替えて、
一定値の直流電圧を供給する直流定電圧源装置を用いる
ことも可能である。可変抵抗部3は、A/D変換部31
と、デコーダ35と、スイッチング素子であるトランス
ミッションゲート(以降、TGと略称することがあ
る。)群36と、ラダー接続された3個の抵抗素子37
A,37B,37Cとを備えている。A/D変換部31
は、ラダー接続された3個の抵抗素子32A,32B,
32Cと、非反転入力端子に感度信号S2 を入力し、抵
抗素子32A,32B,32Cの接続点電位を図2中に
示したごとくに反転入力端子に入力するコンパレータ3
3A,33Bと、抵抗素子32A,32B,32Cに一
定の直流電流を供給するための直流定電圧源装置34を
有している。このA/D変換部31は、3段階の値を持
つアナログ信号である感度信号S2 を入力し、コンパレ
ータ33A,33Bの出力端のそれぞれから2ビット
(切換スイッチ21の切換え接点数の個数3、したがっ
て、感度信号S2 の段階数3に対応するビット数であ
る。)(A,Bによって区分する。)の2値信号〔ハイ
レベル(以降、「H」と略称することがある。)かロー
レベル(以降、「L」と略称することがある。)かのい
ずれかの2つのレベルのみを持つデジタル信号を言
う。〕S31を出力する回路装置である。
【0025】デコーダ35は、2値信号S31を感度電流
値の切り換え段数と同数の3ビット(X,Y,Zによっ
て区分する。)の2値信号S35A に変換するために設置
されている。感度信号S2 に対する2値信号S31,S
35A が持つレベルの関連は、表1中に示したとおりであ
る。TG群36は、2値信号S35A のビット数と同数の
TG36A,36B,36Cからなっており、TG36
A,36B,36Cのそれぞれは、2値信号S35A の各
ビットの信号をそれぞれに入力し、「H」の2値信号S
35A (表1を参照)が入力されるいずれか1個のみがオ
ン状態とされる。ラダー接続された抵抗素子37A,3
7B,37Cには、図示のごとくに直流電源3AとTG
36A,36B,36Cの一端が接続されており、ま
た、TG36A,36B,36Cの他端は一括されてお
り、この部位から感度変換信号S3 が出力される。この
感度変換信号S3 が持つレベル値は、直流電源3Aが抵
抗素子37A,37B,37Cによって分圧された値と
なる。すなわち、感度変換信号S3 が持つレベル値は、
感度信号S2 のレベルの如何にかかわらず、直流電源3
Aが供給する例えば電圧値を適正に設定することで、地
絡変換信号S1 が持つ電圧レベルに適合させることがで
きるのである。
【0026】
【表1】 地絡信号比較回路部であるコンパレータ4は、その非反
転入力端子に地絡変換信号S1 が、反転入力端子に感度
変換信号S3 がそれぞれ入力され、地絡変換信号S1
値が感度変換信号S3 の値以上になると、出力端から電
圧信号である比較出力信号Saを出力する回路部であ
る。漏電遮断器1Aにおけるこの比較出力信号Saは、
図6に示した従来例の漏電遮断器8の場合の動作信号S
dと全く同様の働きを行い、比較出力信号Saが入力さ
れた動作部87では、サイリスタ871がオンすること
で、トリップコイル97は従来例と同様に、主接点91
を釈放させる動作を行う。図2に示す実施例による漏電
遮断器1Aが持つ作用・効果は、発明の実施の形態の項
で説明済の漏電遮断器1の該当部分が持つ作用・効果と
同様であるので、重複を避けてその説明は省略する。
【0027】実施例2;図3は、請求項3,4に対応す
るこの発明の一実施例による時延動作時間の設定値の切
り換えを可能とした時延動作型の漏電遮断器の回路図で
ある。図3において、図2に示した請求項1,2に対応
するこの発明の一実施例による漏電遮断器と同一部分に
対しても同じ符号を付し、その説明を省略する。図3に
おいて、1Bは、図6に示した従来例による漏電遮断器
8に対して、コンパレータ82,時延設定部85に替え
て、地絡信号比較回路部4、時延設定部5、直流電源6
A、切換部6および時延信号生成部7を備える漏電遮断
器である。時延設定部5は、従来例の切換スイッチ85
1と同様に3個の接点を持つ切換スイッチ51、互いに
電気的に直列に接続された抵抗素子52,53と抵抗素
子52,53に一定値の直流電流を供給する直流定電流
源装置54を有している。
【0028】抵抗素子52,53の直列接続体は、切換
スイッチ51が持つ接点に対して図3中に示すごとく接
続されると共に、抵抗素子52の反抵抗素子53側で接
地電位に接続され、抵抗素子53の反抵抗素子52側で
直流定電流源装置54と接続されている。そうして、抵
抗素子53と直流定電流源装置54との接続点から時延
信号S5 を出力する。この時延信号S5 の値は、切換ス
イッチ51の接点切換え位置に対応して変更される。従
来例の時延設定部感度設定部94に対して持つ時延設定
部2の特長は、発明の実施の形態の項で説明したとおり
であり、このために時延設定部2に持たせる回路電圧値
も前述の漏電遮断器1Aが備える感度設定部2の場合と
同等としている。なお、直流定電流源装置54に替え
て、一定値の直流電圧を供給する直流定電圧源装置を用
いることも可能である。
【0029】切換部6は、図2中に示したこの発明にな
る漏電遮断器1Aが備える可変抵抗部3から、抵抗素子
37A,37B,37Cを除いた残りの部分と同一の構
成を有する回路部である。なお、図3中においては、2
ビットの2値信号S31のそれぞれのビットは、C,Dで
区分し、デコーダ35から出力される3ビットの2値信
号は、2値信号S35B の符号を付し、それぞれのビット
はU,V,Wで区分している。直流電源6Aは、この事
例の場合には、切換スイッチ51が持つ切換え接点数3
と同数の直流電源61,62,63を有している。これ
等の直流電源61,62,63は、時延信号S5 が持つ
3段階の時延動作時間の設定値に対応するそれぞれ異な
る値の電圧値を持っている。直流電源61,62,63
は、切換部6が持つそれぞれのTG36A,36B,3
6Cの一方の端部に接続されており、したがって、TG
36A,36B,36Cの他端が一括されている切換部
6の信号出力端からは、後述する充電用のコンデンサ素
子841の充電に適合した値の充電用電圧V6 が出力さ
れる。この充電用電圧V6 が持つ電圧値は、感度信号S
5 のレベルの如何にかかわらず、直流電源6Aが供給す
る例えば電圧値を適正に設定することで、感度信号S5
が持つ時延動作時間に適合させてコンデンサ素子841
の充電を行うことができるのである。
【0030】時延信号生成部7は、電圧駆動型のスイッ
チング素子であるMOSFET71と、コンデンサ素子
841と抵抗素子842とで構成された充電回路部を有
する。これの素子は、図3中で示したように互いに直列
に接続されている。MOSFET71の反充電回路部側
の主極には、前記の充電用電圧V6 が入力されている。
このMOSFET71は、前記の比較出力信号Saが
「H」になるとオンされ、比較出力信号Saが「L」に
なるとオフされる。MOSFET71がオンされると、
充電回路部にはこの充電用電圧V6 が印加されることに
より、コンデンサ素子841は抵抗素子842を介して
充電され、その両端から電圧信号である時延信号Stを
出力する。このことは、図6に示した従来例の漏電遮断
器8の場合と同様であり、時延信号St以降の漏電遮断
器1Bの動作も、したがって、従来例の漏電遮断器8の
場合と全く同様である。図3に示す実施例による漏電遮
断器1Bが持つ作用・効果は、発明の実施の形態の項で
説明済の漏電遮断器1の該当部分が持つ作用・効果と同
様であるので、重複を避けてその説明は省略する。
【0031】実施例3;図4は、請求項5に対応するこ
の発明の一実施例による感度電流および時延動作時間の
両設定値の切り換えを可能とした時延動作型の漏電遮断
器の主要部分の回路図である。図4において、図2に示
した請求項1,2に対応するこの発明の一実施例による
漏電遮断器、および、図3に示した請求項3,4に対応
するこの発明の一実施例による漏電遮断器と同一部分に
対しても同じ符号を付し、その説明を省略する。図4に
おいて、1Cは、図2に示したこの発明になる漏電遮断
器1Aと、図3に示したこの発明になる漏電遮断器1B
の機能を合体させて備えている漏電遮断器である。漏電
遮断器1Cは、漏電遮断器1Aが備える感度設定部2
と,漏電遮断器1Bが備える時延設定部5とを一体に構
成した設定部2Aと、漏電遮断器1Aが備える可変抵抗
部3が持つA/D変換部31と,漏電遮断器1Bが備え
る切換部6が持つA/D変換部31とが持つ機能を一体
化して有するA/D変換部31Aと、漏電遮断器1Aが
備える可変抵抗部3が持つデコーダ35と,漏電遮断器
1Bが備える切換部6が持つデコーダ35とが持つ機能
を一体化して有するデコーダ35Aとを備えており、こ
のことが、漏電遮断器1A,1Bに対する構成上の特徴
である。
【0032】設定部2Aは、抵抗素子22,23と、抵
抗素子52,53との全てをラダー状に接続した設定用
のラダー抵抗体に、一定値の直流電流iを供給する直流
定電流源装置24Aを有している。設定用ラダー抵抗体
が持つ抵抗素子22,23,52,53は、切換スイッ
チ21,51が持つ接点に対して図4中に示すごとく接
続されると共に、抵抗素子52の端部で接地電位に接続
され、抵抗素子23の端部で直流定電流源装置24Aと
接続されている。そうして、抵抗素子23と直流定電流
源装置24Aとの接続点から、設定信号S2Aを出力す
る。この設定信号S2Aの値は、設定位置である切換スイ
ッチ21と切換スイッチ51のそれぞれの接点切換え位
置に対応して変更される。そうして、この設定信号S2A
の値は、切換スイッチ21,51の設定位置により、i
×(R23+R22+R53+R52),i×(R23
+R22+R53),i×(R23+R22),i×
(R23+R53+R52),i×(R23+R5
3),i×R23,i×(R53+R52),i×R5
3および零ボルトの9種の値のいずれかになる。
【0033】A/D変換部31Aは、抵抗素子32D,
32E,32F,32F,32G,32H,32I,3
2J,32K,32Lの合計9個の抵抗素子でなる変換
用ラダー抵抗体と、変換用ラダー抵抗に一定値の直流電
流を供給するための直流定電圧源装置34Aと、非反転
入力端子に設定信号S2Aを入力し、反転入力端子に抵抗
素子32A〜32Lの接続点電位を図4中に示したごと
く入力するコンパレータ33C,33D,33E,33
F,33G,33H,33I,33Jとを有している。
このA/D変換部31Aは、設定信号S2Aを入力し、コ
ンパレータ33C〜33Jの出力端のそれぞれから8ビ
ットの2値信号S31A (E〜Lによって区分する。)を
出力する回路装置である。デコーダ35Aは、2値信号
31A を、感度電流値の切り換え段数と同数の3ビット
(X,Y,Zによって区分する。)の2値信号S
35A と、時延動作時間値の切り換え段数と同数の3ビッ
ト(U,V,Wによって区分する。)の2値信号S35B
とに変換するために設置されている。設定信号S2Aに対
する2値信号S31A ,S35A ,S35B が持つレベルの関
連は、表2中に示したとおりである。なお、2値信号S
35A ,S35B の供給先以降は、漏電遮断器1A,漏電遮
断器1Bに同一であるので、重複を避けてその説明は省
略する。図4に示す構成とされた漏電遮断器1Cは、感
度電流および時延動作時間の両設定値の切り換えを可能
としているにもかかわらず、設定部2Aは、前述のよう
に感度電流および時延動作時間の両設定値の信号を一体
にまとめて出力する。このことにより、感度電流および
時延動作時間の両設定値の信号である設定信号S2Aを伝
送するリード線は従来技術の場合の半分の2本で済むこ
ととなる。設定信号S2Aを伝送するリード線が2本で済
むことにより、漏電遮断器1Cは、前述の漏電遮断器1
Aと漏電遮断器1Bが持つ作用・効果を備えながら、そ
れに加えて、リード線の配線作業に関する作業工数を低
減することが可能となるのである。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】この発明においては、前記の課題を解決
するための手段の項で述べた構成とすることにより、次
記する効果を奏する。 課題を解決するための手段の項の第(1)項による構
成とすることにより、感度設定部が持つ切換スイッチで
扱う電圧・電流の値を、通常の接点により扱うことが可
能なレベルになし得るので、一般の切換スイッチでも十
分な接触信頼性を得ることが可能となり、漏電遮断器の
製造原価の低減も可能となる。また、感度設定部と他の
回路部とを接続するリード線に印加される電圧レベルを
高くなし得るので、リード線に発生するノイズ電圧の影
響を低減することが可能となり、漏電遮断器の信頼性の
向上を図ることも可能となる。また、 課題を解決するための手段の項の第(2)項による構
成とすることにより、感度設定部で得た信号をデジタル
回路によりレベル変換できることになり、使用する回路
素子のばらつきの影響を低減できる等により、前記の
項による効果が得られる漏電遮断器の製造原価をさらに
低減するこが可能となる。また、 課題を解決するための手段の項の第(3)項による構
成とすることにより、時延設定部が持つ切換スイッチで
扱う電圧・電流の値を、通常の接点により扱うことが可
能なレベルになし得るので、一般の切換スイッチでも十
分な接触信頼性を得ることが可能となり、漏電遮断器の
製造原価の低減も可能となる。また、時延設定部と他の
回路部とを接続するリード線に印加される電圧レベルを
高くなし得るので、リード線に発生するノイズ電圧の影
響を低減することが可能となり、漏電遮断器の信頼性の
向上を図ることも可能となる。さらに、充電回路部を構
成するコンデンサ素子の静電容量値を小さくなし得るの
で、この点からも漏電遮断器の製造原価の低減が可能と
なる。また、 課題を解決するための手段の項の第(4)項による構
成とすることにより、時延設定部で得た信号をデジタル
回路によりレベル変換できることになり、使用する回路
素子のばらつきの影響を低減できる等により、前記の
項による効果が得られる漏電遮断器の製造原価をさらに
低減するこが可能となる。さらにまた、 課題を解決するための手段の項の第(5)項による構
成とすることにより、感度電流と時延動作時間の両設定
値の切り換えを可能とする漏電遮断器において、両設定
値に対する設定部から引き出されるリード線の本数を、
従来技術の場合の半分にすることが可能となるので、前
記の〜項による効果が得られる漏電遮断器の製造原
価を、一層低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明になる漏電遮断器の実施の形態を説明
する回路構成図
【図2】請求項1,2に対応するこの発明の一実施例に
よる感度電流の設定値の切り換えを可能とした瞬時動作
型の漏電遮断器の回路図
【図3】請求項3,4に対応するこの発明の一実施例に
よる時延動作時間の設定値の切り換えを可能とした時延
動作型の漏電遮断器の回路図
【図4】請求項5に対応するこの発明の一実施例による
感度電流および時延動作時間の両設定値の切り換えを可
能とした時延動作型の漏電遮断器の主要部分の回路図
【図5】感度電流の設定値の切り換えを可能とした従来
例の瞬時動作型の漏電遮断器の回路図
【図6】時延動作時間の設定値の切り換えを可能とした
従来例の時延動作型の漏電遮断器の回路図
【符号の説明】
1 漏電遮断器 2 感度設定部 3 可変抵抗部 3A 直流電源 4 地絡信号比較回路部 5 時延設定部 6 切換部 6A 直流電源 7 時延信号生成部 71 スイッチング素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02H 3/347 H02H 3/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主回路接点と、主回路接点に通流する電流
    中に含まれる地絡電流を検出する零相変流器と、零相変
    流器が出力する電流を電圧である地絡信号に変換する検
    出用の抵抗器と、地絡信号を入力する差動増幅部と、地
    絡電流に関する複数の感度電流値を適宜の値に切り換え
    て設定して感度電流値に対応する感度信号を出力する感
    度設定部と、感度信号を入力して感度電流値に対応する
    抵抗値を得る可変抵抗部と、差動増幅部から出力された
    地絡信号に対応する信号が入力される一方の入力端と,
    地絡電流用の基準電圧が入力される他方の入力端と,地
    絡信号に対応する信号のレベルが基準電圧の値以上にな
    ると比較出力信号を出力する出力端とを有する地絡信号
    比較回路部と、比較出力信号が出力された場合に主回路
    接点を釈放させる動作を行う動作部とを備え、可変抵抗
    部で得られる抵抗値に基づいて、信号比較回路部に与え
    る基準電圧の値、または、差動増幅部の増幅率を切り換
    えてなることを特徴とする漏電遮断器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の漏電遮断器において、 可変抵抗部は、アナログ信号である感度信号を2値信号
    に変換するA/D変換部と、前記の2値信号を入力して
    感度電流値の切り換え段数と同数のビット数の2値信号
    を出力するデコーダと、デコーダから出力された複数の
    2値信号をそれぞれに入力し,この2値信号が持つレベ
    ルに対応してオン・オフするスイッチング素子と、この
    スイッチング素子によって抵抗値が切り換えられる抵抗
    素子部とを有することを特徴とする漏電遮断器。
  3. 【請求項3】主回路接点と、主回路接点に通流する電流
    中に含まれる地絡電流を検出する零相変流器と、零相変
    流器が出力する電流を電圧である地絡信号に変換する検
    出用の抵抗器と、地絡信号を入力する差動増幅部と、差
    動増幅部から出力された地絡信号に対応する信号が入力
    される一方の入力端と,地絡電流用の基準電圧が入力さ
    れる他方の入力端と,地絡信号に対応する信号のレベル
    が地絡電流用の基準電圧の値以上になると比較出力信号
    を出力する出力端とを有する地絡信号比較回路部と、時
    延動作時間値を適宜の値に切り換えて設定して時延動作
    時間値に対応する時延信号を出力する時延設定部と、複
    数のスイッチを有し,入力される時延信号が持つ時延動
    作時間値に対応する特定の1個のスイッチのみを閉路さ
    せる切換部と、電気的に互いに直列に接続された抵抗素
    子とコンデンサ素子とを有し,比較出力信号が地絡信号
    比較回路部から出力されると充電電源によるコンデンサ
    素子への充電が開始され,コンデンサ素子の両端から時
    延信号を出力する時延信号生成部と、時延信号が入力さ
    れる一方の入力端と,時延信号用の基準電圧が入力され
    る他方の入力端と,時延信号のレベルが時延信号用の基
    準電圧の値以上になると動作信号を出力する出力端とを
    有する時延信号比較回路部と、動作信号が出力された場
    合に主回路接点を釈放させる動作を行う動作部とを備
    え、切換部の閉路されるスイッチに基づいて、時延信号
    生成部が持つコンデンサ素子への充電条件を切り換える
    か、または、時延信号用の基準電圧の値を切り換えるこ
    とで、時延動作時間値を切り換えてなることを特徴とす
    る漏電遮断器。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の漏電遮断器において、 切換部は、アナログ信号である時延信号を2値信号に変
    換するA/D変換部と、前記の2値信号を入力して時延
    動作時間値の切り換え段数と同数のビット数の2値信号
    を出力するデコーダと、デコーダから出力された複数の
    2値信号をそれぞれに入力し,この2値信号が持つレベ
    ルに対応してオン・オフするスイッチング素子とを有す
    ることを特徴とする漏電遮断器。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかに記載の漏
    電遮断器において、 感度設定部と時延設定部とは、感度電流設定用の抵抗素
    子と時延動作時間設定用の抵抗素子とを一体に有すると
    共に一端が接地された設定用ラダー抵抗と、設定用ラダ
    ー抵抗の内の感度電流設定用の抵抗素子を切り換える切
    換えスイッチと、設定用ラダー抵抗の内の時延動作時間
    用の抵抗素子を切り換える切換えスイッチと、設定用ラ
    ダー抵抗の反接地側に接続され,設定用ラダー抵抗に一
    定値の直流電流を供給する定電流源とで一体に構成され
    た設定部としてなり、 抵抗素子部を除く可変抵抗部と切換部とが有するA/D
    変換部とは、変換用ラダー抵抗と、変換用ラダー抵抗に
    一定値の直流電流または直流電圧を供給する直流電源
    と、非反転入力端子に設定部が持つ設定用ラダー抵抗と
    定電流源との接続点で得られた直流電圧が共通に入力さ
    れ,反転入力端子に変換用ラダー抵抗を構成する異なる
    抵抗素子相互の接続点で得られる直流電圧がそれぞれに
    入力される複数のコンパレータとで一体に構成され、複
    数のそれぞれのコンパレータの出力端から2値信号がそ
    れぞれに出力されてなることを特徴とする漏電遮断器。
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