JP3505103B2 - 巻取材料のたるみ防止機構 - Google Patents

巻取材料のたるみ防止機構

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JP3505103B2 JP12816399A JP12816399A JP3505103B2 JP 3505103 B2 JP3505103 B2 JP 3505103B2 JP 12816399 A JP12816399 A JP 12816399A JP 12816399 A JP12816399 A JP 12816399A JP 3505103 B2 JP3505103 B2 JP 3505103B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯状材料や線状材
料をたるみなく巻き取るためのたるみ防止機構に関し、
特に、これらの材料をほぼ一定長ずつ移動させて巻き取
る材料巻取機構に最適な巻取材料のたるみ防止機構に関
する。
【0002】
【従来の技術】図6は、ガス中のダスト濃度を測定する
β線吸収方式のダスト計の主要部を示す正面図である。
図6において、110はダストを捕集する濾紙300が
巻装された供給リール、120は濾紙300が巻き取ら
れる巻取リール、130はピンチローラ部、140はキ
ャプスタン、150はテンションローラ、200は測定
器、210はその上ブロック、220は下ブロック、2
30は下ブロック220の昇降機構である。なお、上ブ
ロック210及び下ブロック220には試料ガスを導
入、排出する配管やβ線照射器、β線検出器(何れも図
示せず)等が設けられている。
【0003】周知のように、この種のダスト計では、測
定器200の上下ブロック210,220によって挟持
した濾紙300の上にガスを吸引してダストを捕集し、
捕集前後における濾紙300の透過β線強度を計測して
その値からガス中のダスト濃度を求めている。ここで、
ダストを捕集した測定後の濾紙300は再度使用するこ
とができないので、測定が一旦終了した時点で昇降機構
230を下降させて上下ブロック210,220間の濾
紙300を解放し、巻取リール120を駆動して供給リ
ール110側から一定長だけ濾紙300を繰り出し、上
下ブロック210,220間に濾紙300の新たな部分
が供給されるように制御してその後に再び測定を行って
いる。このような動作を所定時間間隔で繰り返し行うも
のである。
【0004】上述したような濾紙300の巻き取り、供
給機構において、濾紙300を巻き取る際の巻取リール
120の角速度を一定にして駆動すると、巻取リール1
20内の濾紙300の巻取量が多く(巻取径が長く)な
るにつれて周速が大きくなる。このため、巻取リール1
20を一定角度回動させて濾紙300を移動させると、
巻取リール120内の巻取量が少ない(巻取径が短い)
場合に比べて濾紙300の移動距離が長くなるので、濾
紙300に使用されない部分が生じてしまう。従って、
巻取量が多くなるにつれて巻取リール120の角速度が
小さくなるように、巻取リール120に制動をかけなが
ら回動させることが必要になる。
【0005】そのための一つの従来技術として、巻取リ
ール120の軸部に対しその軸方向に沿った摩擦力を加
えて制動させる方法がある。図7は、巻取リール120
の軸方向に沿った濾紙巻取機構の概略的な側断面図であ
る。図7において、巻取リール120の回転軸121は
同軸上の軸部161と一体化されており、この軸部16
1はフランジ162を有している。そして、軸部161
はベアリングボックス163及びベアリング164,1
65により回動可能に支持されている。
【0006】前記フランジ162には駆動プーリ167
が隣接して配置されており、この駆動プーリ167はベ
アリング166を介して軸部161に取り付けられてい
る。168は駆動プーリ167を回動させるためのタイ
ミングベルトであり、図示されていないモータによって
駆動されるものである。また、軸部161の端部にはバ
ネ170の復元力によって矢印方向に常時付勢された押
圧板169が配置されており、この押圧板169はスラ
ストベアリング171を介して駆動プーリ167をフラ
ンジ162側に圧接している。なお、172はフランジ
162と駆動プーリ167との摩擦面(圧接面)であ
る。
【0007】図7の構成において、タイミングベルト1
68により動力が伝えられて駆動プーリ167が回動す
ると、当初は摩擦面172の静摩擦力が大きく、軸部1
61及び回転軸121は駆動プーリ167と一体的に回
動する。濾紙の巻き取りが進んで巻取リール120に加
わる張力が増加すると、この張力は軸部161に対し駆
動プーリ167の回動方向とは逆方向に作用するので、
軸部161はフランジ162と駆動プーリ167との間
の摩擦面172において滑りを生じながら駆動プーリ1
67よりも遅れて回動する。つまり、巻取リール120
は、押圧板169により駆動プーリ167からフランジ
162に加えられているすべり摩擦力を受けながら駆動
プーリ167より遅れて回動することになり、一種のブ
レーキがかかった状態となる。
【0008】なお、図6の供給リール110側の軸受部
の構造も図7と概ね同様であるが、図7における駆動プ
ーリ167に相当するプーリが固定されていて外部から
動力が伝えられず、そのプーリは供給リール110の軸
部(図7の軸部161に相当)を回動可能に支持する単
なる軸受けとして機能している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
では巻取リール120側に制動力を加えながら濾紙30
0を巻き取っているが、供給リール110はもっぱら巻
取リール120に従動回転するだけでフリーな状態とな
っている。このため、巻取リール120による巻き取り
の終期やそれまで回動していた巻取リール120が停止
した瞬間などに、慣性によって供給リール110が若干
オーバーランする場合がある。このため、巻取リール1
20と供給リール110との間に張り渡された濾紙30
0にたるみが生じてしまい、測定器200の上下ブロッ
ク210,220によって濾紙300を挟持した際にし
わが寄ったりずれたりするおそれがあり、濾紙300の
セッティングに大きな支障となっていた。このような濾
紙300のたるみ発生を防止する手段としては、テンシ
ョンローラ150やピンチローラ部130等によって濾
紙300に一定の張力をかけることが比較的有効である
が、適度な張力の設定が難しく、より簡単な構造による
たるみ防止機構の実現が望まれていた。
【0010】そこで本発明は、濾紙等の巻取材料に対し
て簡単な構造により適度な張力を加え、材料をたるみな
く移動させて巻き取るようにした巻取材料のたるみ防止
機構を提供しようとするものである。同時に、ロータリ
ーダンパーの有する粘性抵抗を利用して所望の摩擦力を
得るようにしたフリクション機構を前記たるみ防止機構
と一体化させ、巻取側及び供給側に一定の制動力を作用
させて一連の巻取動作をより円滑に行えるようにしたも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、巻取部材を回動させ、この
巻取部材と供給部材との間に掛け渡された巻取材料を介
して供給部材を従動させながら巻取材料を巻き取るよう
にした巻取機構であって、巻取部材の駆動力を連繋部材
により供給部材に伝達して供給部材の回動方向とは逆方
向に作用する力を供給部材に加えるようにした巻取機構
において、巻取部材の駆動力を制動して巻取部材に伝達
する巻取側のフリクション機構と、前記連繋部材を介し
て加えられる巻取部材の駆動力を制動して供給部材に伝
達する供給側のフリクション機構とを備え、巻取部材と
同一方向に回動する供給部材に対し、その回動方向とは
逆方向に作用する力を前記連繋部材及び供給側のフリク
ション機構を介し供給部材に加えると共に、供給側のフ
リクション機構の動作トルクを巻取側のフリクション機
構の動作トルクよりも小さく設定したものである。
【0012】これにより、供給部材側から巻取部材側に
移動しつつ巻き取られる巻取材料には、その移動方向に
対して逆向きの張力が加わるので、巻取材料にたるみが
生じるのを防ぐことができる。また、供給部材には巻取
材料からの力に対して逆向きの張力がフリクション機構
から加わることになり、たるみの発生が防止される。
【0013】巻取側及び供給側に設けられるフリクショ
ン機構は、請求項に記載するごとく、ダンパー本体に
封入された粘性流体の抵抗に抗しながら回動可能なギア
を有するロータリーダンパーと、軸部に同心状に固定さ
れた太陽ギアと、この太陽ギアに前記ロータリーダンパ
ーのギアが噛み合うように太陽ギアの周囲に前記ダンパ
ー本体を配置するためのダンパーハウジングとをそれぞ
れ備えたものである。そして、巻取側では、巻取部材を
フリクション機構の軸部と一体的に回動可能とし、か
つ、駆動力によって回動する駆動プーリをフリクション
機構の軸部の周囲にベアリングを介して取り付けると共
にこの駆動プーリを巻取側のダンパーハウジングと一体
的に連結することとし、また、供給側では供給部材をフ
リクション機構の軸部と一体的に回動可能とする。更
に、巻取側のフリクション機構のダンパーハウジングと
供給側のフリクション機構のダンパーハウジングとをた
すき掛けした連繋部材により連繋して両ダンパーハウジ
ングを逆方向に回動可能とする。
【0014】このような構成により、巻取側のロータリ
ーダンパーのギア(遊星ギア)に対し、相対的に太陽ギ
アから一定値以上のトルクが加わると、ロータリーダン
パーは内部の粘性流体の抵抗を摩擦力としてダンパーハ
ウジングと共に軸部及び太陽ギアの周囲を回動する。こ
の作用を利用して、ダンパーハウジングに加わる駆動力
の一部を摩擦力により減じて軸部に伝えることができ、
巻取部材を制動しつつ回動させることが可能になる。言
い換えれば、巻取部材から軸部に伝わる材料の張力がロ
ータリーダンパーによって定まる所定の力を超えると、
駆動プーリと軸部との間にすべりが生じ、軸部すなわち
巻取部材の回動速度が駆動プーリよりも遅くなる。従っ
て、巻取部材は制動されながら回動する状態になり、巻
取部材における材料巻取量の多少に関わらず、常にほぼ
一定長の材料を供給側から繰り出して巻き取ることがで
きる。また、たすき掛けされる連繋部材によって巻取側
のダンパーハウジングとは逆方向に供給側のダンパーハ
ウジングを回動させると、供給側のフリクション機構に
制動力が発生してこの制動力が供給部材の回動方向とは
逆向きの張力を巻取材料に生じさせ、巻取材料のたるみ
発生を防止する。
【0015】なお、請求項1及び請求項3に記載したよ
うに、供給側のフリクション機構の動作トルクを巻取側
のフリクション機構の動作トルクよりも小さく設定する
と、材料に適度な張力を加えた状態で移動させながら巻
き取ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。この実施形態は、本発明をダスト計にお
ける濾紙300の巻取機構に適用した場合のものであ
る。まず、図1は本実施形態のたるみ防止機構の概略を
示す正面図である。図において、40はモータの回転軸
40aに固定された駆動ローラであり、この駆動ローラ
40にはタイミングベルト42が巻装されている。タイ
ミングベルト42は駆動プーリ26に巻装されており、
この駆動プーリ26は、濾紙300を巻き取る巻取部材
としての巻取リール20と同軸上に取り付けられてい
る。上記駆動プーリ26の回動力は、後述するフリクシ
ョン機構F及び軸部22を介して巻取リール20に伝達
される。ここで、フリクション機構Fは、タイミングベ
ルト42から駆動プーリ26に伝達された回動力を摩擦
力により減じながら軸部22に伝える作用を持つ。な
お、23は軸部22を回動可能に保持するベアリング
(便宜上、図1では図示を省略する)が収納されたベア
リングボックスである。
【0017】31は前記駆動プーリ26と一体的に連結
された中空円盤状のダンパーハウジングであり、その外
周面には連繋部材としての連繋ベルト43が巻装されて
いる。一方、濾紙300の供給部材としての供給リール
50側にも、前記駆動プーリ26を除いて巻取側と同一
構造のフリクション機構F’が設けられている。そし
て、前記連繋ベルト43は、巻取リール20側のダンパ
ーハウジング31と供給リール50側のダンパーハウジ
ング31’との間で8の字状にたすき掛けされている。
【0018】上記構成において、巻取リール20(及び
供給リール50)は後述する図2に示されるようにフリ
クション機構F,F’の裏側に配置されている。13
1,150は濾紙300に従動するローラである。
【0019】次に、巻取リール20側のフリクション機
構Fの構成を、図2〜図4を参照しつつ詳述する。始め
に、図4はフリクション機構F,F’に使用されるロー
タリーダンパー10の平面図(図4(A))及び側面図
(同(B))である。このロータリーダンパー10は、
中空円盤状のダンパー本体11の内部にシリコンオイル
等の粘性流体を封入すると共に、本体外部のギア12の
回転軸13を本体内部の抵抗片14に連結して構成され
ている。そして、外部からギア12に加わるトルクが所
定の値(動作トルク)に達すると、ギア12及び抵抗片
14が粘性流体の抵抗に抗しながら回転するものであ
る。なお、15は本体11から突設された取付部を示
す。
【0020】図2は上記フリクション機構Fを備えた濾
紙300の巻取機構の断面図であり、図1のX−X拡大
断面図に相当している。また、図3はフリクション機構
Fの正面図である。図2において、巻取リール20は第
1軸部21に一体的に固定され、この第1軸部21の中
心には、第2軸部22(図1における軸部22)が同軸
上に固定されている。隔壁41に固定されたほぼ帽体状
のベアリングボックス23の中心には、ベアリング2
4,25を介して前記第2軸部22が貫通している。ま
た、ベアリングボックス23に隣接して前記駆動プーリ
26が配置されており、このプーリ26の中心にはベア
リング27,28を介して前記第2軸部22が貫通して
いる。
【0021】図2、図3において、フリクション機構F
は、第2軸部22の先端部にナット30と共に一体的に
固定された太陽ギア29と、この太陽ギア29に前記ギ
ア12が遊星ギアとしてそれぞれ噛み合っている3個の
ロータリーダンパー10A,10B,10Cと、これら
のロータリーダンパー10A,10B,10Cの各本体
11が固定されるダンパーハウジング31とを備えてお
り、ハウジング31と、ロータリーダンパー10A,1
0B,10Cの各本体11と、前記駆動プーリ26とは
一体的に連結されている。ロータリーダンパーは少なく
とも1個以上であればよいが、図示するように複数個の
ロータリーダンパー10A,10B,10Cを太陽ギア
29の周囲に互いに等角度を隔てて配置することによ
り、ロータリーダンパーと太陽ギア29との間の摩擦力
が均等に分散され、力の伝達に偏りがなくなる。
【0022】更に、ダンパーハウジング31の外周面に
掛けられた連繋ベルト43は、図1に示した如く供給リ
ール50側のフリクション機構F’のダンパーハウジン
グ31’にたすき掛けされている。なお、フリクション
機構F’における10A’,10B’,10C’は、巻
取側フリクション機構Fのロータリーダンパー10A,
10B,10Cと同一構造のロータリーダンパーであ
る。上記連繋ベルト43による連繋構造により、巻取リ
ール20側のダンパーハウジング31の回動方向に対し
て供給リール50側のダンパーハウジング31’は逆回
転するようになっている。また、供給リール50側に
は、巻取リール20側の駆動プーリ26に相当するプー
リがベアリングボックスとフリクション機構F’との間
に配置されているが、供給リール50側のプーリには動
力が加えられておらず、当該プーリは固定されていて供
給リール50側の軸部22’を回動可能に支持する単な
る軸受けとして機能している。
【0023】次に、この実施形態の動作を説明する。ま
ず、タイミングベルト42から駆動プーリ26に一定時
間、回動力が伝達されると、その力は、ダンパーハウジ
ング31、ロータリーダンパー10A,10B,10C
の本体11、ギア(遊星ギア)12、太陽ギア29、第
2軸部22へと順次、伝達される。このとき、第2軸部
22側の太陽ギア29からロータリーダンパー10A,
10B,10Cの各ギア12に対して加わるトルクがロ
ータリーダンパー10A,10B,10Cの動作トルク
以下であるとすると、各ギア12は太陽ギア29に対し
て回転(自転)し得ず、駆動プーリ26、ダンパーハウ
ジング31、ロータリーダンパー10A,10B,1
0、太陽ギア29、第2軸部22のすべてが一体的にな
って所定角度回動する。このとき、ロータリーダンパー
10A,10B,10Cの各ギア12は、太陽ギア29
に噛み合ったままの状態で公転する。これにより、第2
軸部22に連結された第1軸部21及び巻取リール20
も、濾紙300を巻き取る方向に所定角度回動する。
【0024】巻取リール20内の濾紙300の巻取量が
増加し、巻取径が長くなった状態では、濾紙300から
の張力により第1軸部21、第2軸部22及び太陽ギア
29を巻取方向と逆方向に回転させるトルクが次第に増
加していき、この状態で駆動プーリ26に回動力が伝え
られると、前記トルクがロータリーダンパー10A,1
0B,10Cの動作トルクを超えた時点でロータリーダ
ンパー10A,10B,10Cの各ギア12がわずかに
自転し始め、同時にロータリーダンパー10A,10
B,10Cがダンパーハウジング31と共に太陽ギア2
9の周囲を公転し始める。この状態でも駆動プーリ26
に加えられたトルクの一部はフリクション機構Fを介し
て第2軸部22に伝達されるので、第2軸部22は回動
可能となっている。
【0025】ここで、ロータリーダンパー10A,10
B,10C及びダンパーハウジング31は駆動プーリ2
6に一体的に連結され、太陽ギア29は第2軸部22に
一体的に連結されているので、駆動プーリ26は第2軸
部22を中心として相対的に回動する。すなわち、駆動
プーリ26は第2軸部22を中心として滑りながら回動
し、第2軸部22は駆動プーリ26よりも遅れて少ない
角度だけ回動することとなる。このため、第2軸部22
と一体的に連結された巻取リール20の回動角度も小さ
くなり、巻取リール20内の濾紙300の周速が大きく
ても濾紙の移動距離が必要以上に大きくなることはな
い。
【0026】これは、見方を変えれば、タイミングベル
ト42から駆動プーリ26に加えられた力の一部がロー
タリーダンパー10A,10B,10Cの粘性抵抗によ
る摩擦力によって吸収され、巻取リール20に制動がか
けられたのと同じ状態である。なお、ロータリーダンパ
ーの動作トルクの選択や個数の変更、太陽ギアまたは遊
星ギアの径の変更などにより、フリクション機構Fの摩
擦力を任意に設定することが可能である。
【0027】この間、ダンパーハウジング31の回動方
向とは逆方向の回動力が、たすき掛けされた連繋ベルト
43を介して供給リール50側のダンパーハウジング3
1’に伝達されている。このとき、供給リール50は、
巻取リール20によって巻き取られていく濾紙300の
張力により巻取リール20と同方向に回動するが、供給
リール50側のダンパーハウジング31’は供給リール
50とは逆方向に回動する。
【0028】図5は、これらの巻取リール20、ダンパ
ーハウジング31、連繋ベルト43、ダンパーハウジン
グ31’、供給リール50等の動作を示す模式図であ
り、回動方向や移動方向を示す矢印の長さは角度や距離
の大きさにも概念的に対応させてある。なお、巻取リー
ル20及び供給リール50、ダンパーハウジング31,
31’等の径は互いに同一であるとする。前述した巻取
リール20側のフリクション機構Fの動作により、ダン
パーハウジング31(駆動プーリ26)の移動角度より
少ない角度だけ軸部22及び巻取リール20が回動して
濾紙300が巻き取られる。他方、供給リール50側の
ダンパーハウジング31’は上記ダンパーハウジング3
1と逆方向に同一角度回動するが、この間、巻き取りに
よって実線の矢印A方向に移動する濾紙300の張力が
供給リール50に働くことにより、軸部22’及び供給
リール50が巻取リール20側と同一角度回動する。
【0029】ここで、濾紙300によって供給リール5
0に加わるトルクの方が、連繋ベルト43及びダンパー
ハウジング31’から軸部22’を介して供給リール5
0に加わる逆方向のトルクよりも大きくなるように各フ
リクション機構F,F’のロータリーダンパーの動作ト
ルクを設定しておけば、濾紙300を供給リール50か
ら繰り出して巻取リール20に巻き取らせることが可能
である。その際、フリクション機構F’において発生し
た前記逆方向のトルクは供給リール50に対する制動力
となり、濾紙300の移動方向(実線の矢印A方向)に
対して逆方向(破線の矢印B方向)の張力を生じさせ
る。従って、移動中に濾紙300がたるむのを防止でき
るのは勿論のこと、駆動プーリ26の停止に伴って巻取
リール20側のダンパーハウジング31が停止した時に
は、供給リール50を引き続き回動させようとする慣性
力よりも、供給リール50側のフリクション機構F’の
摩擦力や連繋ベルト43を介して連結されている巻取側
の負荷の方が大きいため、供給リール50のオーバーラ
ンが抑制されることとなり、濾紙300にたるみが発生
するのを防止できるものである。
【0030】なお、供給リール50側のフリクション機
構F’を構成するロータリーダンパーの動作トルクを、
巻取リール20側のフリクション機構Fを構成するロー
タリーダンパーよりも小さくすることにより、濾紙30
0の円滑な巻き取りを損なわない程度に供給リール50
を制動しつつ濾紙300に適度の張力を加えられること
が発明者の実験から明らかになっている。ちなみに、実
施形態では、供給リール50側のダンパーの動作トルク
が70〔gcm〕前後、巻取リール20側のダンパーの
動作トルクが100〔gcm〕前後(何れも図4におけ
るギア12の回転数が20〔rpm〕で常温時)であ
る。
【0031】上記実施形態においては、たるみ防止機構
の構成要素としてフリクション機構F,F’の一部をな
すダンパーハウジング31,31’と連繋ベルト43と
を用いた場合を説明したが、これらの機能を、スプロケ
ットとチェーンの組合せや、歯車列により実現すること
も可能である。
【0032】以上説明した本発明のたるみ防止機構は、
ダスト計における濾紙の巻取機構ばかりでなく、分析計
の分野では、特定ガスに反応して発色するテープを使用
したガス分析計のテープ巻取機構などにも適用可能であ
り、また、これ以外の分野でも各種の帯状材料、線状材
料の巻取機構に適用することができる。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、巻取材料
にその移動方向とは逆方向の張力を作用させることで、
材料の移動中や停止した瞬間のたるみの発生を防止する
ことができる。従って、ダスト計における濾紙巻取機構
のように、巻取材料を供給側と巻取側との間で直線状に
張り渡した状態で逐次、所定位置に繰り出す機構に適用
すれば、測定部位における材料の直線性が常に保たれ、
材料のセッティング等に支障をきたすおそれがない。加
えて、材料を無駄なく使用することができ、経済的であ
る。
【0034】また、本発明を前述のフリクション機構と
一体化させれば、帯状材料や線状材料をたるみなくほぼ
一定長ずつ繰り出して巻き取る巻取機構を少ないスペー
スで容易に実現することができる。例えば、実施形態の
ダンパーハウジングのようにフリクション機構の構成要
素をたるみ防止機構の構成部材としても使用すること
で、部材の有効活用、装置全体としての構造の簡略化、
低コスト化が可能である。更に、たるみ防止のために材
料に加える逆向きの張力を根源的に巻取部材の駆動力か
ら得ているため、エネルギーを有効に利用すると共に、
張力の調整もフリクション機構の動作トルク等の調整に
よって簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す概略的な正面図であ
る。
【図2】本発明の実施形態が適用される濾紙巻取機構の
断面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるフリクション機構の
正面図である。
【図4】図3のフリクション機構に使用されるロータリ
ーダンパーの平面図(図4(A))及び側面図(同
(B))である。
【図5】本発明の実施形態の動作説明図である。
【図6】β線吸収方式のダスト計の主要部を示す正面図
である。
【図7】図5における濾紙巻取機構の概略的な側断面図
である。
【符号の説明】
10,10A,10B,10C,10A’,10B’,
10C’ ロータリーダンパー 11 ダンパー本体 12 ギア(遊星ギア) 13 回転軸 14 抵抗片 15 取付部 20 巻取リール 21 第1軸部 22,22’ 第2軸部 23 ベアリングボックス 24,25,27,28 ベアリング 26 駆動プーリ 29,29’ 太陽ギア 30 ナット 31,31’ ダンパーハウジング 40 駆動ローラ 40a 回転軸 41 隔壁 42 タイミングベルト 43 連繋ベルト 50 供給リール 131,150 ローラ 300 濾紙 F,F’ フリクション機構
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−157440(JP,A) 特開 平11−68383(JP,A) 特開 平8−258056(JP,A) 特開 平9−274084(JP,A) 特開 平11−101277(JP,A) 特開 昭59−155270(JP,A) 特開 平5−126192(JP,A) 特開 平9−170637(JP,A) 実開 昭61−30884(JP,U) 実開 昭63−6374(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 35/00 - 35/10 F16F 9/00 - 9/58 G01N 1/00 - 1/34 G01T 1/00 - 7/12 B65H 18/00 - 18/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻取部材を回動させ、この巻取部材と供給
    部材との間に掛け渡された巻取材料を介して供給部材を
    従動させながら巻取材料を巻き取るようにした巻取機構
    であって、巻取部材の駆動力を連繋部材により供給部材
    に伝達して供給部材の回動方向とは逆方向に作用する力
    供給部材に加えるようにした巻取機構において、 巻取部材の駆動力を制動して巻取部材に伝達する巻取側
    のフリクション機構と、前記連繋部材を介して加えられ
    る巻取部材の駆動力を制動して供給部材に伝達する供給
    側のフリクション機構とを備え、巻取部材と同一方向に
    回動する供給部材に対し、その回動方向とは逆方向に作
    用する力を前記連繋部材及び供給側のフリクション機構
    を介し供給部材に加えると共に、供給側のフリクション
    機構の動作トルクを巻取側のフリクション機構の動作ト
    ルクよりも小さく設定した ことを特徴とする巻取材料の
    たるみ防止機構。
  2. 【請求項2】巻取部材を回動させ、この巻取部材と供給
    部材との間に掛け渡された巻取材料を介して供給部材を
    従動させながら巻取材料を巻き取るようにした巻取機構
    であって、巻取部材の駆動力を連繋部材により供給部材
    に伝達して供給部材の回動方向とは逆方向に作用する力
    を供給部材に加えると共に、 巻取部材の駆動力を制動して巻取部材に伝達する巻取側
    のフリクション機構と、前記連繋部材を介して加えられ
    る巻取部材の駆動力を制動して供給部材に伝達する供給
    側のフリクション機構とを備え、巻取部材と同一方向に
    回動する供給部材に対し、その回動方向とは逆方向に作
    用する力を前記連繋部材及び供給側のフリクション機構
    を介し供給部材に加えるようにした 巻取材料のたるみ防
    止機構において、 巻取側及び供給側のフリクション機構は、ダンパー本体
    に封入された粘性流体の抵抗に抗しながら回動可能なギ
    アを有するロータリーダンパーと、軸部に同心状に固定
    された太陽ギアと、この太陽ギアに前記ロータリーダン
    パーのギアが噛み合うように太陽ギアの周囲に前記ダン
    パー本体を配置するためのダンパーハウジングとをそれ
    ぞれ備え、 巻取部材を巻取側のフリクション機構の軸部と一体的に
    回動可能とし、かつ、駆動力によって回動する駆動プー
    リを巻取側のフリクション機構の軸部の周囲にベアリン
    グを介して取り付けると共にこの駆動プーリを巻取側の
    ダンパーハウジングと一体的に連結し、かつ、 供給部材を供給側のフリクション機構の軸部と一体的に
    回動可能とし、 巻取側のダンパーハウジングと供給側のダンパーハウジ
    ングとをたすき掛けした前記連繋部材により連繋して両
    ダンパーハウジングを逆方向に回動可能とした ことを特
    徴とする巻取材料のたるみ防止機構。
  3. 【請求項3】請求項2に記載した巻取材料のたるみ防止
    機構において、供給側のフリクション機構の動作トルクを巻取側のフリ
    クション機構の動作トルクよりも小さく設定 したことを
    特徴とする巻取材料のたるみ防止機構。
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