JP3505012B2 - インクジェット用記録液およびその製造方法 - Google Patents

インクジェット用記録液およびその製造方法

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JP3505012B2
JP3505012B2 JP19934095A JP19934095A JP3505012B2 JP 3505012 B2 JP3505012 B2 JP 3505012B2 JP 19934095 A JP19934095 A JP 19934095A JP 19934095 A JP19934095 A JP 19934095A JP 3505012 B2 JP3505012 B2 JP 3505012B2
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保春 飯田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,耐水性の優れたイ
ンクジェット用記録液およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりインクジェット用記録液として
は,特開昭53−61412号公報,特開昭54−89
811号公報,特開昭55−65269号公報に開示さ
れるように,酸性染料,直接染料,塩基性染料等の水溶
性染料をグリコール系溶剤と水に溶解したものがよく用
いられている。しかし,水溶性染料としては,記録液の
安定性を得るため,水に対する溶解性の高いものが一般
的に用いられる。したがって,インクジェット記録物
は,一般的に耐水性が悪く,水をこぼしたりすると容易
に記録部分の染料のにじみを生じるという問題があっ
た。
【0003】このような耐水性の不良を改良するため,
特開昭56−57862号公報に開示されるように,染
料の構造を変えたり,塩基性の強い記録液を調製するこ
とが試みられている。また,特開昭50−49004号
公報,特開昭57−36692号公報,特開昭59−2
0696号公報,特開昭59−146889号公報に開
示されるように,記録紙と記録液との反応をうまく利用
して耐水性の向上を図ることも行われている。これらの
方法は,ある種の記録紙については著しい効果をあげて
いるが,インクジェット方式の記録においては種々の記
録紙を用いるため,水溶性染料を使用する記録液では記
録物の充分な耐水性が得られないことが多い。
【0004】また,耐水性の良好な記録液としては,油
溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの,油溶
性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが,溶剤の
臭気や溶剤の排出に対して環境上嫌われることがあり,
大量の記録を行う場合や装置の設置場所によっては,溶
剤回収等の必要性が問題となることがある。したがっ
て,記録物の耐水性をよくするために,水系媒体に顔料
を分散した記録液の開発が行われている。しかし,イン
クジェット記録においては,プリンターの高解像度化に
つれノズルの径が細くなってきており,これに伴い記録
液中の着色剤粒子も微細化する必要が生じている。ま
た,オーバーヘッドプロジェクター等の透明基材への画
像形成においても染料並みの透明性に対する要求があ
り,発色の観点からも色相の観点からも微細な黄色の顔
料が要求されている。
【0005】一般に顔料の分散は,サンドミル,ボール
ミル,3本ロールミル等の分散機により行われる。通常
の分散工程は,顔料の凝集体である2次粒子をほぐし1
次粒子の状態に近い分散体を得る工程である。しかしな
がら,さらに細かな顔料粒子を得るためには,一次粒子
自体を細かくする必要がある。高速のサンドミルは,顔
料の1次粒子をさらに微細な粒子にすることも可能であ
るが,この場合は,多大なエネルギーを要するという欠
点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,透明でかつ
ノズルでの吐出安定性の良好なインクジェット用記録液
の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決する手段】すなわち,本発明は,水性の液
体中に着色剤を分散してなるインクジェット用記録液に
おいて,着色剤として,3,3’−ジクロロ−ベンジジ
ンのテトラゾ化物と下記一般式(I)または(II)の化
合物のテトラゾ化物とを1種または2種以上のアセトア
セトアニリド系化合物とカップリングしてなる顔料を用
いることを特徴とするインクジェット用記録液を提供す
る。本発明は,また,3,3’−ジクロロ−ベンジジン
のテトラゾ化物と下記一般式(I)または(II)の化合
物のテトラゾ化物とを1種または2種以上のアセトアセ
トアニリド系化合物とカップリングしてなる顔料および
樹脂を含む濃縮状態の水分散液をあらかじめ分散させた
のち,水および添加剤を加えて希釈し,孔径1μm以下
のフィルターにて濾過することを特徴とするインクジェ
ット用記録液の製造方法を提供する。
【0008】
【化5】 Xは,カルボキシル基,スルホン酸基,カルボアマイド
基,スルホアマイド基を表す。Yは,水素原子,カルボ
キシル基,スルホン酸基,カルボアマイド基,スルホア
マイド基を表す。
【化6】 Zは,メトキシ基,カルボキシル基,スルホン酸基,カ
ルボアマイド基,スルホアマイド基を表す。
【0009】本発明において着色剤として用いられる顔
料は,3,3’−ジクロロ−ベンジジンのテトラゾ化物
と一般式(I)または(II)のテトラゾ化物とを含む2
種以上のテトラゾ成分をアセトアセトアニリド系化合物
とカップリングすることにより得られる。2種以上のテ
トラゾ成分を用いることにより,テトラゾ成分の機能が
発揮され,1種のテトラゾ成分をカップリングして得ら
れる通常の顔料よりも優れた色相,分散性等の特性を有
する顔料が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】一般式(I)の化合物としては,
1,4−ジアミノベンゼン−2−スルホン酸,1,4−
ジアミノベンゼン−2−カルボン酸,1,4−ジアミノ
−2,5−ジメチルベンゼン,1,4−ジアミノ−2,
5−ジクロロベンゼン等が挙げられる。一般式(II)の
化合物としては,3,3’−ジメトキシベンジジンが挙
げられれる。これらは,1種を単独で,または2種以上
を組合わせて用いることができる。3,3’−ジクロロ
−ベンジジンと一般式(I)または(II)の化合物と
は,任意の割合で用いることができるが,3,3’−ジ
クロロ−ベンジジン1重量部に対して,一般式(I)ま
たは(II)の化合物0.2〜5.0重量部の割合で用い
ることが好ましい。
【0011】アセトアセトアニリド系化合物としては,
アセトアセトアニリド,アセトアセト−o−トルイジ
ド,アセトアセト−m−キシリジド,アセトアセト−o
−アニシジド,アセトアセト−2,5−ジメトキシアニ
リド,アセトアセト−p−アニシジド,アセトアセト−
2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド,アセトアセ
ト−o−クロロアニリド等が挙げられる。アセトアセト
アニリド系化合物は,1種を単独で,または2種以上を
組合わせて用いることができるが,色相,鮮明性の点で
アセトアセト−o−アニシジドとアセトアセト−2,5
−ジメトキシ−4−クロロアニリドとを組合せて用いる
ことが好ましい。
【0012】アセトアセト−o−アニシジドとアセトア
セト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリドとを組
合せて用いるときは,1:20〜20:1の重量比の範
囲で混合すると所望の効果を得ることができるが,アセ
トアセト−o−アニシジド20重量部に対してアセトア
セト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド1〜5
重量部の範囲で混合することが好ましい。このような組
成のアセトアセトアニリド系化合物と2種以上のテトラ
ゾ成分とをカップリングしてなる顔料は色相に優れ,該
顔料を着色剤として用いることにより,透明性,分散
性,経時での安定性に優れたインクジェット用記録液が
得られる。
【0013】3,3’−ジクロロ─ベンジジンのテトラ
ゾ化物と一般式(I)または(II)の化合物のテトラゾ
化物とを1種または2種以上のアセトアセトアニリド系
化合物とカップリングしてなる顔料は,水性顔料スラリ
ーの状態で用いることが好ましい。水性顔料スラリーを
サンドミル等の通常の分散機で分散することにより,色
相が調整され,顔料が微細に分散されたインクジェット
用記録液が容易に得られる。
【0014】本発明のインクジェット用記録液には,着
色剤を強固に定着させ,記録物の耐水性を良好にするた
めに水性樹脂を用いることができる。水性樹脂として
は,水に溶解する水溶解性樹脂ないし水に分散する水分
散性樹脂が単独ないし混合して用いられる。具体的に
は,アクリル系,スチレン−アクリル系,ポリエステル
系,ポリアミド系,ポリウレタン系等の水溶解性樹脂お
よび水分散性樹脂が用いられる。
【0015】これらの水性樹脂は,記録液中に0.5〜
10重量%,好ましくは1〜5重量%の範囲で用いる。
この量よりも少ないと十分な着色剤の定着ができない。
また,この量よりも多くなると,記録液の吐出安定性を
低下させることがある。なお,水溶解性樹脂を用いると
記録液の粘度を高くする傾向があるが,水分散性樹脂で
は粘度を低く抑えることができる。本発明のインクジェ
ット用記録液には,必要に応じ,アンモニウム,アミ
ン,無機アルカリ等の中和剤を適宜調整して加えること
ができる。
【0016】記録液の媒体である水性の液体としては,
金属イオン等を除去したイオン交換水ないし蒸留水を用
いる。また,水性の液体としては,記録液のノズル部分
での乾燥,記録液の固化を防止し,安定な記録液の噴射
およびノズルの経時での乾燥を防止するために,水性溶
剤を単独ないし混合して記録液の0〜50重量%の範囲
で用いることができる。水性溶剤としては,エチレング
リコール,ジエチレングリコール,プロピレングリコー
ル,トリエチレングリコール,ポリエチレングリコー
ル,グリセリン,テトラエチレングリコール,ジプロピ
レングリコール,ケトンアルコール,ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル,エチレングリコールモノブチ
ルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテル,
1,2−ヘキサンジオール,N−メチル−2−ピロリド
ン,置換ピロリドン,2,4,6−ヘキサントリオー
ル,テトラフルフリルアルコール,4−メトキシ−4メ
チルペンタノン等を例示できる。
【0017】また,記録液の紙での乾燥を速めることを
目的として,メタノール,エタノール,イソプロピルア
ルコール等のアルコール類も用いることができる。記録
液の被印刷体が紙のような浸透性のある材料のときに
は,紙への記録液の浸透をはやめ見掛けの乾燥性を早く
するため,浸透剤を加えることができる。このような浸
透剤としては,水性溶剤として例示したジエチレングリ
コールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル,ア
ルキレングリコール,ポリエチレングリコールモノラウ
リルエーテル,ラウリル硫酸ナトリウム,ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウム等を用いることがで
きる。これらは,記録液の5重量%以下の使用量で十分
な効果があり,これよりも多いと印字の滲み,紙抜け
(プリントスルー)を起こし好ましくなくなる。
【0018】さらに,記録液への黴の発生を防止するた
めに,防黴剤を記録液の0.05〜1.0重量%の範囲
で用いることができる。防黴剤としては,デヒドロ酢酸
ナトリウム,安息香酸ナトリウム,ソジウムピリジンチ
オン−1−オキサイド,ジンクピリジンチオン−1−オ
キサイド,1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン,
1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等が挙
げられる。
【0019】また,記録液中の金属イオンを封鎖し,ノ
ズル部での金属の析出や記録液中での不溶解性物の析出
等を防止するために,キレート剤を記録液の0.005
〜0.5重量%の範囲で用いることができる。キレート
剤としては,エチレンジアミンテトラアセティックアシ
ド,エチレンジアミンテトラアセティックアシドのナト
リウム塩,エチレンジアミンテトラアセティックアシド
のジアンモニウム塩,エチレンジアミンテトラアセティ
ックアシドのテトラアンモニウム塩等が挙げられる。
【0020】また,記録液のpHを調整し,記録液の安
定ないし記録装置中の記録液配管との安定性を得るた
め,アミン,無機塩,アンモニア等のpH調整剤,リン
酸等の緩衝液を用いることができる。また,記録液の循
環,移動,あるいは記録液の製造時の泡の発生を防止す
るため,消泡剤を添加することもできる。さらに,顔料
の分散を良くするため,アニオン性,非イオン性,カチ
オン性,両イオン性活性剤等の分散剤を用いることがで
きる。
【0021】アニオン性活性剤としては,脂肪酸塩,ア
ルキル硫酸エステル塩,アルキルアリールスルホン酸
塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,ジアルキルスル
ホン酸塩,ジアルキルスルホコハク酸塩,アルキルジア
リールエーテルジスルホン酸塩,アルキルリン酸塩,ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩,ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩,ナフタレン
スルホン酸フォルマリン縮合物,ポリオキシエチレンア
ルキルリン酸エステル塩,グリセロールボレイト脂肪酸
エステル,ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エス
テル等を例示できる。
【0022】非イオン性活性剤としては,ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル,ポリオキシエチレンオキシプロピレ
ンブロックコポリマー,ソルビタン脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキ
シエチレンソルビトール脂肪酸エステル,グリセリン脂
肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンアルキルアミン,フッ素系,シリコン
系等の非イオン性活性剤が例示できる。カチオン性活性
剤としては,アルキルアミン塩,第4級アンモニウム
塩,アルキルピリジニウム塩,アルキルイミダゾリウム
塩等を例示できる。両イオン性活性剤としては,アルキ
ルベタイン,アルキルアミンオキサイド,ホスファジル
コリン等が例示できる。
【0023】その他の添加剤として,尿素,ジメチル尿
素等を加えることもできる。記録液の製造については,
顔料水性スラリー,水,および必要に応じて分散剤,水
性樹脂,水性溶剤,添加剤等を混合し,サンドミル,ホ
モジナイザー,ボールミル,ペイントシェーカー,超音
波分散機等にて分散する。あるいは,二本ロールミルに
てあらかじめ良く混練したのち,上記サンドミル等にて
さらに分散し,適宜水にて希釈,他の添加剤を混合して
記録液を製造する。混合攪拌は,通常の羽を用いた攪拌
機による攪拌のほか,高速の分散機,乳化機等により行
うことができる。
【0024】混合された記録液は,希釈の前あるいは後
に,孔径1μ以下,さらに好ましくは0.65μ以下の
フィルターにて十分濾過することが好ましい。フィルタ
ー濾過に先立って,遠心分離による濾過を行うこともで
き,これによりフィルター濾過における目詰まりを少な
くし,フィルター交換が容易となる。記録液は,記録装
置の方式にもよるが,粘度0.8〜15cps(25
℃)に調整する。表面張力は,25〜60dyn/cm
である。pHは,特に制約されないが4〜12の範囲で
あり,7〜10の弱アルカリ性が好ましい。
【0025】
【実施例】以下,実施例に基づいて本発明を説明する。
例中,部および%とあるは,重量部および重量%を示
す。 [実施例1]水500部に,35%塩酸105部,3,
3’−ジクロロ−ベンジジン240.6部および1,4
−ジアミノベンゼン−2−カルボン酸8.0部を加えて
リスラリーし,さらに35%塩酸105部,氷2900
部を加えて,0℃以下にした。これに,40%の亜硝酸
ナトリウム溶液を加えてテトラゾ化溶液を得た。一方,
水3000部に,25%の水酸化ナトリウム水溶液64
0部,アセトアセト−o−アニシジド351.0部およ
びアセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニ
リド51.2部を加えて溶解した。これに,水5000
部および80%酢酸332部からなる酸析液を約30分
かけて添加し,酸析を行い下漬液を調整した。この下漬
液に前記テトラゾ化溶液を約2時間かけて添加し,カッ
プリングさせた。得られたジスアゾ顔料のスラリーを水
酸化ナトリウム溶液でpH10〜11に調整した。つい
で,濾過および水洗を繰り返して,固形分約50%の黄
顔料スラリー(処理顔料分散体I)を得た。
【0026】サンドミルに下記の原料を入れて4時間分
散し,インクジェット用濃縮記録液を作製した。 処理顔料分散体I(固形分約50%) 28.0部 アクリル樹脂水溶液 2.7部 (ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル62」,固形分34.6%) 分散剤(花王社製「エマルゲン420」) 2.0部 精製水 50.0部 グリセリン 5.0部
【0027】下記の原料を混合したのち,0.65μの
メンブランフィルターにて濾過し,記録液を製造した。 上記インクジェット用濃縮記録液 13.3部 分散剤(花王社製「エマルゲン420」) 0.2部 アクリル樹脂エマルジョン 3.0部 (岐阜シェラック製造社製「エマポリーTYN−50」,固形分44.8%) エチレングリコール 30.0部 防黴剤(オーリンケミカル社製「ソジウムオマジン」) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 精製水 63.53部 得られた記録液をインクジェットプリンター(セイコー
エプソン社製「MJ700V2C」)のカートリッジに
入れて,コピー用紙(ゼロックス社製「K」)に記録を
行ったところ,良好な記録物が得られた。
【0028】[実施例2]水3000部に,25%の水
酸化ナトリウム水溶液640部およびアセトアセト−o
−アニシジド401部を加えて溶解し,実施例1と同様
にして下漬液を調整した。この下漬液に実施例1と同様
のテトラゾ化溶液を約2時間かけて添加してカップリン
グさせ,実施例1と同様にして固形分約50%の黄顔料
スラリー(処理顔料分散体II)を得た。処理顔料分散体
Iの代わりに処理顔料分散体IIを用い,実施例1と同様
にして,透明性および耐性に優れたインクジェット用記
録液を得た。得られた記録液を用い,実施例1と同様に
して記録を行ったところ,良好な記録物が得られた。
【0029】[実施例3]3,3’−ジクロロ−ベンジ
ジン240.6部および1,4−ジアミノベンゼン−2
−スルホン酸7.0部を用い,実施例1と同様にしてテ
トラゾ化溶液を得た。一方,水3000部に,25%の
水酸化ナトリウム水溶液640部,アセトアセト−o−
アニシジド201.0部およびアセトアセト−2,5−
ジメキシ−4−クロロアニリド85.2部を加えて溶解
し,実施例1と同様にして下漬液を調整した。この下漬
液に前記テトラゾ化溶液を約2時間かけて添加してカッ
プリングさせ,実施例1と同様にして固形分約50%の
黄顔料スラリー(処理顔料分散体III )を得た。処理顔
料分散体I28.0部の代わりに処理顔料分散体III 2
6.0部を用い,実施例1と同様にして,透明性および
耐性に優れたインクジェット用記録液を得た。得られた
記録液を用い,実施例1と同様にして記録を行ったとこ
ろ,良好な記録物が得られた。
【0030】[実施例4]3,3’−ジクロロ−ベンジ
ジン250.6部および1,4−ジアミノベンゼン−2
−カルボン酸8.0部を用い,実施例1と同様にしてテ
トラゾ化溶液を得た。実施例3と同様の下漬液に前記テ
トラゾ化溶液を約2時間かけて添加してカップリングさ
せ,実施例1と同様にして固形分約50%の黄顔料スラ
リー(処理顔料分散体IV)を得た。処理顔料分散体Iの
代わりに処理顔料分散体IVを用い,実施例1と同様にし
て,透明性および耐性に優れたインクジェット用記録液
を得た。得られた記録液を用い,実施例1と同様にして
記録を行ったところ,良好な記録物が得られた。
【0031】[実施例5]3,3’−ジクロロ−ベンジ
ジン330.6部および1,4−ジアミノベンゼン−2
−カルボン酸10.0部を用い,実施例1と同様にして
テトラゾ化溶液を得た。一方,水3000部に,25%
の水酸化ナトリウム水溶液640部,アセトアセト−m
−キシリジド301.0部およびアセトアセト−2,5
−ジメトキシ−4−クロロアニリド85.2部を加えて
溶解し,実施例1と同様にして下漬液を調整した。この
下漬液に前記テトラゾ化溶液を約2時間かけて添加して
カップリングさせ,実施例1と同様にして固形分約50
%の黄顔料スラリー(処理顔料分散体V)を得た。処理
顔料分散体Iの代わりに処理顔料分散体Vを用い,実施
例1と同様にして,透明性および耐性に優れたインクジ
ェット用記録液を得た。得られた記録液を用い,実施例
1と同様にして記録を行ったところ,良好な記録物が得
られた。
【0032】[実施例6]3,3’−ジクロロ−ベンジ
ジン330.6部,1,4−ジアミノベンゼン−2−カ
ルボン酸10.0部および3,3’−ジメトキシベンジ
ジン5.0部を実施例1と同様にしてテトラゾ化してテ
トラゾ化溶液を得た。一方,アセトアセト−o−トルイ
ジド290.0部とアセトアセト−2,5−ジメキシ−
4−クロロアニリド85.2部を5%の水酸化ナトリウ
ム水溶液3700部に溶解し,下漬液を調整した。この
下漬液に前記テトラゾ化溶液を混合してカップリングさ
せ,実施例1と同様にして固形分約50%の黄顔料スラ
リー(処理顔料分散体VI)を得た。
【0033】サンドミルに下記の原料を入れて4時間分
散し,インクジェット用濃縮記録液を作製した。 処理顔料分散体VI(固形分約50%) 30.0部 アクリル樹脂(日本ポリマー工業社製「F−157」) 1.3部 分散剤(ゼネカ社製「ソルスパース27000」) 0.5部 精製水 74.0部 グリセリン 5.8部 ジメチルエタノールアミン 0.1部
【0034】下記の原料を混合したのち,3μのメンブ
ランフィルターにて濾過,続いて0.45μのメンブラ
ンフィルターにて濾過し,記録液を製造した。 上記インクジェット用濃縮記録液 25.0部 グリセリン 20.0部 防黴剤(オーリンケミカル社製「ソジウムオマジン」) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 シリコンエマルジョン型水系消泡剤 0.8部 (花王社製「アンチホームE20 」)得られた記録液をイ
ンクジェットプリンター(セイコーエプソン社製「HG
5130」)のカートリッジに入れて,コピー用紙(ゼ
ロックス社製「K」)に記録を行ったところ,良好な記
録物が得られた。
【0035】実施例で得られた記録液について,濾過
性,粘度,平均粒径,分散性および透明性を評価し,記
録物について,噴射特性および耐水性を評価した。結果
を表1に示す。なお,評価は下記のようにして行った。
【0036】[濾過性]1分間に直径90mmの0.4
5μのメンブランフィルターにて濾過できる量を測定し
た。 [粘度]B型粘度計を用いて25℃にて測定した。 [平均粒径]記録液の粒度分布をレーザー回折方式の粒
度分布計(大塚電子社製「DSL─700」)で測定
し,平均粒径を求めた。 [分散性]記録液を50℃で7日間保存後の平均粒径を
測定し,その変化から分散性を評価した。 良:15nm未満の変化。 不良:15nm以上の変化。
【0037】[透明性]インクジェット用OHPシート
に1.5ミルのアプリケーターにてインキを展色した時
の透明性を目視にて評価した。 良:透明性あり。 不良:透明性不足。 [耐水性]記録物を1分間水に浸漬した時のインキのに
じみ,流れだしの有無を目視にて評価した。 良:インキのにじみ,流れだし無し。 不良:インキのにじみ,流れだし有り。 [噴射特性]連続印字中のノズルの噴射状態を記録物に
よって評価した。 良:連続印字を行った際にインキ不吐出が発生しない。 不良:連続印字を行うにつれ,インキ不吐出が発生す
る。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明により,水を媒体にしながら,耐
水性が良好で保存性に優れ,鮮明な色相の黄色の記録物
を与える記録液が得られるようになった。これにより,
被記録体の制約が非常に少なくなり,従来は被記録体の
影響により耐水性の不足を生じることの多かった分野へ
の用途の拡大ができる。具体的には,本発明の記録液
は,インクジェット用記録液として好適に用いられ,オ
フィスにおける書類の作成,ダンボールのマーキング,
ナンバリング,バーコード記録等の分野で利用すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤ヶ森 勉 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 間 清二 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イ ンキ製造株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−40894(JP,A) 特表 平4−506369(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性の液体中に着色剤を分散してなるイン
    クジェット用記録液において,着色剤として,3,3’
    −ジクロロ−ベンジジンのテトラゾ化物と下記一般式
    (I)または(II)の化合物のテトラゾ化物とを1種ま
    たは2種以上のアセトアセトアニリド系化合物とカップ
    リングしてなる顔料を用いることを特徴とするインクジ
    ェット用記録液。 【化1】 Xは,カルボキシル基,スルホン酸基,カルボアマイド
    基,スルホアマイド基を表す。Yは,水素原子,カルボ
    キシル基,スルホン酸基,カルボアマイド基,スルホア
    マイド基を表す。 【化2】 Zは,メトキシ基,カルボキシル基,スルホン酸基,カ
    ルボアマイド基,スルホアマイド基を表す。
  2. 【請求項2】さらに水性樹脂を含むことを特徴とする請
    求項1記載のインクジェット用記録液。
  3. 【請求項3】アセトアセトアニリド系化合物がアセトア
    セト−O−アニシジドおよびアセトアセト−2,5−ジ
    メトキシ−4−クロロアニリドの混合物である請求項1
    または2記載のインクジェット用記録液。
  4. 【請求項4】アセトアセト−O−アニシジドとアセトア
    セト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリドの重量
    比が1:20〜20:1である請求項3記載のインクジ
    ェット用記録液。
  5. 【請求項5】3,3’−ジクロロ−ベンジジンのテトラ
    ゾ化物と一般式(I)または(II)の化合物のテトラゾ
    化物とを1種または2種以上のアセトアセトアニリド系
    化合物とカップリングしてなる顔料を0.1〜10重量
    %含むことを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項
    に記載のインクジェット用記録液。
  6. 【請求項6】3,3’−ジクロロ−ベンジジンのテトラ
    ゾ化物と下記一般式(I)または(II)の化合物とのテ
    トラゾ化物を1種または2種以上のアセトアセトアニリ
    ド系化合物とカップリングしてなる顔料および樹脂を含
    む濃縮状態の水分散液をあらかじめ分散させたのち,水
    および添加剤を加えて希釈し,孔径1μm以下のフィル
    ターにて濾過することを特徴とするインクジェット用記
    録液の製造方法。 【化3】 Xは,カルボキシル基,スルホン酸基,カルボアマイド
    基,スルホアマイド基を表す。Yは,水素原子,カルボ
    キシル基,スルホン酸基,カルボアマイド基,スルホア
    マイド基を表す。 【化4】 Zは,メトキシ基,カルボキシル基,スルホン酸基,カ
    ルボアマイド基,スルホアマイド基を表す。
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