JP3504650B2 - 抗菌性ポリマー組成物 - Google Patents

抗菌性ポリマー組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(技術分野) 本発明は、抗菌性ポリマー組成物に関する。さらに詳し
くは、本発明抗菌性ポリマー組成物は、遊離、水和、ヘ
ミアセタールまたはアセタール体のアルデヒド基をもつ
ポリアクロレインサブユニットを有し、生物静力学的お
よび/または殺生物的特性を有する化合物を包含する。
本発明は、これらのポリマー化合物を含む組成物ならび
にこれらの組成物の生物静力学的および/または殺生物
的使用に関する。
【0002】(背景技術) 反復ポリマーユニット:
【化1】 ;または水和、ヘミアセタールまたはアセタール体のこ
のユニット:
【化2】 [ここで、Rは、水素またはアルキルおよびnは1また
は2以上の整数である]を有するポリマー(以降、“主
題ポリマー”と称する)の広域的な抗菌特性が、先行文
献(Melroseら、国際公開WO88/04671)に証
明されている。該文献に記載された主題ポリマーは、ポ
リ(2−プロペナール,2−プロペン酸)を包含する。
【0003】乾燥ポリマーを空気中で100℃、好まし
くは80℃〜100℃に加熱することによって、ポリ
(2−プロペナール)synポリアクロレインのアルデヒド
基が部分的に自動酸化されてカルボキシル基になる場合
に、ポリ(2−プロペナール,2−プロペン酸)が形成さ
れることも先行文献(Melroseら、国際公開WO96/
38186)に示されている。さらに、得られるポリマ
ーが、炭酸ナトリウム水溶液などの希塩基水溶液に可溶
であることが示された。さらに早期の発表(Werleら、
オーストラリア特許出願11686/95、失効)は、
75℃に加熱した後の、水性媒体ではなく、ポリオール
における主題ポリマーの可溶性を主張した。該発表は、
75℃加熱に続いて、水酸化ナトリウムで短時間処理す
ると水溶性が生じ、結果として明らかに、抗菌活性が増
進することもさらに主張した。主題ポリマーを含む組成
物の安定性を増加するために、MelroseおよびHuxham
(国際特許出願PCT/AU99/00578)は、陰
イオン界面活性剤とともに組成物を製剤した。さらに、
この先行文献は、塩基性組成物においては、酸性組成物
とは異なり、主題ポリマーは、さらに確固とした抗菌活
性をもつが、安定性は低いことを明らかにした。アクロ
レインモノマーは、眼、肺、組織および皮膚に対して刺
激性があるので、主題ポリマーが、不安定(アクロレイ
ンを生じる)でないことが特に望ましい。
【0004】本発明の1つの目的は、主題ポリマー、特
にポリ(2−プロペナール,2−プロペン酸)の新たな配
置を生み出す、増強された抗菌活性をもつ組成物の製造
方法を提供することである。本発明のさらに別の目的
は、主題ポリマー、特にポリ(2−プロペナール,2−
プロペン酸)の新たな配置を生み出す、さらに優れて抗
菌活性を保持する組成物の製造方法を提供することであ
る。本発明のさらにまた別の目的は、主題ポリマー、特
にポリ(2−プロペナール,2−プロペン酸)の新たな配
置を生み出す、遊離アクロレイン含量が少ない組成物の
製造方法を提供することである。本発明のまた別の目的
は、主題ポリマー、特にポリ(2−プロペナール,2−
プロペン酸)の新たな配置を生み出す、有効な消毒剤ま
たは防腐剤である組成物の製造方法を提供することであ
る。本明細書を通じて、他に特記されない限り、“含
む”は、定まったものまたは群をなすものの包括を意味
し、他のものまたは群をなすもののいずれをも排除する
ものではないと理解されたい。
【0005】(発明の開示)本発明は、水ならびにポリオール、ポリエチレングリコ
ールおよびアルカノールからなるグループから選ばれる
アルコールなどの水酸基含有溶媒を含む混合物中のカル
ボキシル基を含む酸化アクロレインポリマーの溶液を準
備し;次いで、該アクロレインポリマーの抗菌活性を改
善するのに十分な時間、40〜150℃の範囲の温度で
該溶液を加熱すること;を特徴とする、アクロレインモ
ノマーから誘導したポリマーを空気中で酸化して形成し
たカルボキシル基を含む酸化アクロレインポリマーの抗
菌活性を改善する方法を提供する。溶液 を40〜150
℃の範囲に加熱するのが好ましい。溶液を40〜115
℃の範囲に加熱するのがさらに好ましい。溶液を70〜
90℃の範囲に加熱するのがさらになお好ましい。溶液
を1〜1400時間加熱することによってポリマーの抗
菌活性が増進するのが好ましい。溶液を10〜60時間
加熱するのがさらに好ましい。
【0006】本発明の1つの態様においては、1種また
は2種以上のポリエチレングリコール、ポリオールまた
はアルカノールの存在下でポリマーを加熱することによ
って安定性増加または抗菌活性増進の一方または両方が
得られる。水は、これらのアルコール中に一定に存在す
る。ポリマーの製造中、ポリエチレングリコールが50
〜99重量%で存在するのが好ましい。本発明の他の態
様においては、加熱前および/または加熱中に塩基また
はアルカリを加えることによってポリマーの抗菌活性を
増進する。塩基またはアルカリがポリマーのpHを7〜
9にするのが好ましい。pHが約8であるのがさらに好
ましい。水酸化ナトリウムを加えるのが好ましい。本発
明のさらに別の態様においては、遊離アクロレインモノ
マーの放出を阻止することによってポリマーが組織また
は皮膚刺激源となりうる可能性を低くする。ポリマーを
大部分乾燥状態で、最初に80〜100℃に加熱するの
が好ましい。ポリマーを最初に約85℃に加熱するのが
好ましい。
【0007】本発明はさらに、前記の1つまたは2つ以
上の方法によって製造された抗菌性化合物または組成物
を提供する。本発明はまた、前記の1つまたは2つ以上
の方法によって製造された保存力のある化合物または組
成物を提供する。本発明はさらにまた、全面的または部
分的に前記の方法によって製造された消毒剤または防腐
剤を提供する。消毒剤または防腐剤のpHが、6以上で
あることによって抗菌活性が増進されるのが好ましい。
本発明は、該組成物は抗菌活性の増進および/または安
定性の増大が見られ、および/または遊離アクロレイン
の含量が少なく、したがって、酸性または塩基性条件下
で、ポリマーおよび/または組成物の保存剤および/ま
たは消毒剤および/または防腐剤の有効成分としての安
定性を高める新たな配置のポリ(2−プロペナール,2
−プロペン酸)などの主題ポリマーおよびそれを含む組
成物の製造方法を提供する。
【0008】(発明を実施するための最良の形態) その組成物の抗菌活性の損失によって証明されるよう
に、ポリ(2−プロペナール,2−プロペン酸)の或る程
度の不安定性が先行文献に記録されているので、次い
で、我々の研究室において工業における日常業務手順を
行い、高温(40℃)における標準的“促進老化”によ
って、この不安定性を定量的に測定した。しかし、非常
に驚いたことに、ポリ(2−プロペナール,2−プロペ
ン酸)に対する40℃における水性または水性ポリエチ
レングリコール溶液中での高温“老化”は、抗菌活性を
低下させず、実際、ポリ(2−プロペナール,2−プロ
ペン酸)の抗菌活性を増加した(実施例2(a)および
(b)参照)。この発見は、温度の上昇が、“促進老
化”、すなわち抗菌活性の促進損失を引き起こすという
ことを予想する先行文献に全く反するものであり、予期
しないものである。今後、ポリ(2−プロペナール,2
−プロペン酸)などの主題ポリマーの新たな配置の形成
によって増進された抗菌活性を提供する方法を“超活性
化(super-activation)”と称し、該ポリマーを“超活
性化ポリマー”と称する。さらに驚いたことには、先行
文献では、発明者らは、水性ポリエチレングリコール溶
液における超活性化が塩基性条件によって促進されるこ
とを発見している(実施例2(c)参照)。また、超活性
化は、熱および水分単独でも促進される(実施例4参
照)。
【0009】さらに、事前の80〜85℃における主題
ポリマーの無水加熱により、水性培体に可溶であり、そ
の後の超活性化に適したポリマーが得られることが発見
されている(実施例1参照)。ポリエチレングリコール
またはポリオールまたはアルカノールの存在が、おそら
くアセタールの形成によって、カニッツァロ反応による
アルカリ分解からポリマーのカルボニル基を保護し、安
定させるので、超活性化が、ポリエチレングリコールま
たはポリオールまたはアルカノールの存在によって促進
される(実施例3参照)と我々は思う。超活性化のさら
なる利点は、それが、組織および皮膚刺激の原因となる
汚染物質アクロレインを少なくすることである(実施例
6参照)。超活性化が、失効したオーストラリア特許出
願11686/95(以降“11686/95”と称す
る)に記載されたようなポリマーの増加した親水性の結
果として、いずれかの水性テスト媒体において得られ
る、より多量のポリマーからのみ得られる抗菌活性に対
し、全く独特かつ特別なものであることを強調する。本
発明者らは、11686/95に記載された方法を正確
に繰り返し、次いで、続いて起こる部分可溶性ポリマー
の超活性化が、さらなる実質的抗菌活性を明らかに生じ
させることを見出した(実施例5参照)。ポリマーを8
0〜85℃で最初に加熱することから始まる超活性化と
は対照的に、超活性化でさえも、11686/95から
のポリマーを完全に可溶性にしなかったことに留意すべ
きである。
【0010】ポリ(2−プロペナール,2−プロペン酸)
の溶液の超活性化を達成する最適時間は、温度に逆比例
する(実施例7参照)。室温での老化でさえも、特に、
水酸基溶媒および/または塩基の存在下に促進する場
合、超活性化に用いることができることが明らかであろ
う。しかし明らかに、これは長い時間が必要なので非実
用的である。本発明者らは、本明細書に記載したように
超活性化されたポリマーが、強化された抗菌活性という
利点を有する、水分ベース製品またはプロセスにおける
保存剤ならびに消毒剤または防腐剤の有効成分として適
していることを見出した(実施例8参照)。さらに、本
発明者らは、このような消毒剤または防腐剤の抗菌活性
が、それらのpHが増加する(たとえばpH6以上)こ
とによって増大することを見出した(再度実施例8参
照)。本発明を幾つかの実施例を参照して説明するが、
それらの実施例は本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0011】殺菌性試験 1%重炭酸ナトリウム水溶液でサンプルを希釈して、必
要な濃度にする(他に特記しない限り、0.125%ポ
リマー)。希釈サンプル19.9gを滅菌ジャーに入
れ、10〜10個のPs.aeruginosa懸濁液0.1m
lを植え付け、混合する。特定の時間間隔で、植え付け
たサンプル1mlをレセーンブロス9mlに移し、渦巻
き攪拌する。番号1を10個の希釈物にプレートアウト
する。トリプトン大豆寒天とともに注ぐ。37℃にて3
日間インキュベートする。
【0012】実施例1 本実施例は、空気中で固体アクロレインポリマーを酸化
することによるポリ(2−プロペナール,2−プロペン
酸)の製造方法を記載する。このポリ(2−プロペナー
ル,2−プロペン酸)の製造は、本発明方法で用いる出
発物質を製造する好ましい方法である。 有毒ガス排出装
置付き実験容器内で、水(周囲温度で720ml、約2
0℃)およびアクロレイン(60g、新たに蒸留したも
の、ヒドロキノンを0.25%w/wになるまで加え
る)を開口ビーカーに入れ、機械で非常に激しく攪拌し
た。次いで、0.2Mの水性水酸化ナトリウム(21.
4ml)を加えてpH10.5〜11.0にした。溶液
は直ちにヒドロキノンアニオンの色である黄色に変わ
り、1分以内に色は消滅し、透明な溶液は乳白色にな
る。約1分後、白色結晶性綿状ポリマーの沈澱が始ま
り、15〜30分以内に完了した。沈澱を濾過し、水
(250ml)で洗浄し、濾紙上で室温にて2日間乾燥
し(収量25g)、次いで、ガラスのペトリ皿に薄く広
げ、40℃で8時間行った。この加熱を、次のような段
取りで継続した:50℃/15時間;75℃/18時
間;84℃/24時間。この方法は、アクロレインの段
階的添加、閉鎖容器内、それに続いて、より急速な乾燥
といったようなスケールアップも考慮できる。代表的に
は、主題ポリマー2gを1%w/w水性炭酸ナトリウム
溶液(100ml)に加えて15〜30分にわたって攪
拌し、次いで、必要に応じて希釈することよって、得ら
れるポリ(2−プロペナール,2−プロペン酸)の溶液を
調製した。このような溶液は、11686/95の実施
例5(以降、比較例5という)から誘導されたポリマー
を代替的に用いて試みた溶解とは対照的に、完全に透明
であった。
【0013】実施例2 (a)5gのポリ(2−プロペナール,2−プロペン酸)を
64gのポリエチレングリコール(PEG)200に溶
解し、31gの炭酸ナトリウム0.71%溶液と合わせ
た。溶液(pH約5.8)の一部を室温で保持し、残り
を60℃にて12または25日間加熱した。1%重炭酸
ナトリウム溶液でサンプルを希釈し、0.125%w/
wのポリマー濃度にて殺菌性試験を行った。驚いたこと
に、表1から明らかなように、“促進老化”を受けたサ
ンプルにおいて抗菌活性が向上した。
【表1】 *)コロニー形成ユニット/ml
【0014】(b)1gのポリ(2−プロペナール,2−
プロペン酸)を200mlの0.1%NaCOに溶
解し、一夜静置する。ラウリル硫酸ナトリウムを0.0
5%の濃度で加え、HClで溶液をpH5.9にした。
小分けしたものを室温および60℃で貯蔵した。希釈剤
として1%NaHCOを用い、0.125%ポリマー
溶液にて抗菌性試験を行った。表2から明らかなよう
に、“老化”サンプルは、その能力において驚くべき向
上を示した。
【表2】 *)コロニー形成ユニット/ml
【0015】(c)PEG200の代わりにPEG100
0を用いる以外は実施例(2a)と同様にして、超活性化
ポリマーの5%溶液を調製した。この溶液の一部を濃N
aOHで処理してpH8.1にした。サンプルを60℃
で加熱し、抗菌性試験を行った。表3から明らかなよう
に、塩基性条件に曝したサンプルは、予想外の優れた抗
菌能力を発揮した。
【表3】 *)コロニー形成ユニット/ml
【0016】実施例3 (a)PEG200のパーセンテージを変える以外は実施
例2(a)と同様にして、一連の超活性化度のポリマーの
5%溶液(見かけのpH5.8)を調製した。サンプル
を60℃で加熱し、安定性を時間に関して監視した。沈
澱またはゲル化が発生しないように、物理的安定性を考
慮した。1%炭酸ナトリウム溶液中のポリマー濃度0.
01%においてUV測定を行った。268nm:230
nmにおける吸光度比の減少は、化学的安定性の減少を
意味するとみなす。結果を表4に示す。
【表4】 物理的およびUVスペクトルの結果は、安定性における
PEGのプラス効果を証明する;PEG濃度が高くなる
につれて物理的および化学的安定性も大きくなる。
【0017】(b)4gのポリ(2−プロペナール,2−
プロペン酸)を196gの1%重炭酸ナトリウムに溶解
し、希HClでpH7(A)およびpH5.5(B)も
調節することによって、次に述べる溶液AおよびBを調
製した。溶液Cは、50gのポリ(2−プロペナール,
2−プロペン酸)を65〜70℃にてPEG200(6
40g)に溶解することによって調製した。次いで、水
(306g)中の炭酸ナトリウム4gの溶液を加える
と、見かけのpHは7になり、31日間の処理機関の最
後には5.5になるすべてのサンプルを40℃で貯蔵し
た。種々の時間間隔において、0.125%のポリマー
を含むサンプルで抗菌性試験を行った。結果を表5に示
す。
【表5】
【0018】実施例4 1gのポリ(2−プロペナール,2−プロペン酸)を乾燥
または湿気のある密閉実験容器のいずれかにて60℃で
3日間加熱した。乾燥ポリマーおよび加湿ポリマーの溶
液をそれぞれ0.125%w/vに調製し(湿分含量を
補正する)、殺菌性試験を行った。
【表6】 *)コロニー形成ユニット/ml ポリマーは、IR1700〜1730cm−1の間にカ
ルボニルおよび/またはカルボキシルの吸光、カルボニ
ル基(シッフ試薬などによる)を示し、Mw=約100
00、Mn=約5000である;滴定によりカルボキシ
ル基が約5モル%であることがわかる。これらのパラメ
ーターは、ポリ(2−プロペナール,2−プロペン酸)の
ものと似ている(同じではない)。
【0019】実施例5 二重反復実験において、11686/95の実施例5と
全く同様にして、ポリマーのサンプルを調製し、次い
で、エタンジオールに溶解した。この材料の半分をさら
に80℃で24時間加熱した(この後、水性媒体への可
溶性不完全には残らなかった)。標準的抗菌性試験を用
いて、抗菌活性についてサンプルを比較した。表7に示
すように、加熱処理(すなわち、超活性化した)サンプ
ルは、両方とも明らかな抗菌活性の増大を示した。
【表7】 *)コロニー形成ユニット/ml
【0020】実施例6 50gのポリ(2−プロペナール,2−プロペン酸)を6
5〜70℃にてPEG200(640g)に溶解した。
次いで、水(306g)中の炭酸ナトリウム(4g)の
水溶液を加えた。サンプルを分割し、それぞれ室温で保
持するかまたは80℃で24時間加熱した。逆相HPL
Cによって、溶液のアクロレイン含量を時間に関して測
定し、表8に結果を示す。
【表8】
【0021】実施例7 実施例6と同様にしてポリ(2−プロペナール,2−プ
ロペン酸)の溶液を調製し、時間を変化させながら4
0、60、80、100および115℃で処理した。サ
ンプルを標準的抗菌性試験に付して、殺菌率の増加を確
認し、結果を表9に示す。
【表9】 超活性化に必要な時間量は、温度に反比例するように見
える。超活性化プロセスから誘導されたポリマーのすべ
ての溶液は、すべての割合において、水性溶媒との混和
性が完全であった。
【0022】実施例8 (a)540gのポリ(2−プロペナール,2−プロペン
酸)を、65℃にて2304gのPEG200に溶解し
た後、水(712g)中の43.2gの炭酸ナトリウム
と混合した。次いで、溶液を100℃で4時間加熱し、
36gのラウリル硫酸ナトリウム、7gのECOTER
IC T20(非イオン性界面活性剤)および2gのレモ
ン芳香剤を加えた。硬水で配合物(pH6)を1:30
に希釈し、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
(院内感染に関して特に重要なグラム陽性菌)および豚
コレラ菌(Salmonella choleraesuis)(食品製造場におけ
る感染に関して特に重要なグラム陰性菌)で、それぞれ
農芸化学者協会公式分析法(1995)991.47、9
91.48(ハード・サーフィス・キャリヤー試験法)を
用いて攻撃した。結果を表10に示す。
【表10】 抗菌試験による観察の結果、この配合物のpHをより高
い値に調節すると、抗菌活性が増大する。結果を表11
(a)および11(b)に示す。
【表11(a)】
【表11(b)】
【0023】(b)1200gのポリ(2−プロペナー
ル,2−プロペン酸)を、60℃にて7680gのPE
G200に溶解し、次いで、水(3024g)中の96
gの炭酸ナトリウムを加えた。溶液を100℃で6時間
加熱した。配合物を誘導ドラフト冷却塔の鉢に入れ、3
回/週、濃度300ppm(30ppmポリマー)へ加
えた。作業を再開する前に8〜12時間の接触時間を置
くために、投与は夕方に行った;残留濃度は、作業3〜
6時間毎に半減すると予想された。再循環水は、平均し
て、温度27℃、pH8.5、伝導率3000μS。微
生物総数を測定し、毎日生物分散剤を投与した隣接した
同一の塔と比較した。結果を表12に示す。
【表12】 *)コロニー形成ユニット/mL データから、処置プログラムが、AS/NZ規格366
6.3(Int):1998のガイドライン内および生物分散
剤(非常に暑い夏の試験期間という厳しい条件の間は、
著しく不適当であることがわかった)を含む隣接塔の値
より下に微生物総数を維持したことが示される。当業者
が容易に思い至る部分修正および変更は、本発明の範囲
内に含まれるとみなされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェリー・ダリー オーストラリア6076ウェスタン・オース トラリア州グースベリー・ヒル、アボイ ン・ロード16番 (72)発明者 アンドリュー・ジェイムズ・ハクサム オーストラリア6061ウェスタン・オース トラリア州バルガ、ステッダム・ウェイ 30番 (56)参考文献 国際公開00/003723(WO,A1) 国際公開88/04671(WO,A1) 国際公開96/38186(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌活性が改善された酸化アクロレイン
    ポリマーの製造方法であって、 アクロレインモノマーを空気中で酸化して、カルボキシ
    ル基を含む酸化アクロレインポリマーを形成し; 水ならびにポリオール、ポリエチレングリコールおよび
    アルカノールからなるグループから選ばれるアルコール
    などの水酸基含有溶媒を含む混合物中のカルボキシル基
    を含む酸化アクロレインポリマーの溶液を調製し;次い
    で、 該溶液を40〜150℃の範囲の温度で該アクロレイン
    ポリマーの抗菌活性を改善するのに十分な時間、加熱す
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基を含む酸化ポリマーが、
    固体アクロレインポリマーを空気中で高温にて加熱して
    カルボキシル基を形成する方法によって形成される請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 カルボキシル基を含む酸化ポリマーが、
    固体アクロレインポリマーを空気中で80℃〜100℃
    で加熱することによって形成される請求項2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基を含む酸化ポリマーが、
    固体アクロレインポリマーを空気中で85℃で加熱する
    ことによって形成される請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 溶媒のpHが7〜9の範囲である請求項
    1記載の方法。
  6. 【請求項6】 溶媒のpHが約8である請求項1記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 溶媒が、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ
    およびその混合物から選ばれるアルカリを含む請求項2
    または3記載の方法。
  8. 【請求項8】 アルカリが、水酸化ナトリウム、炭酸ナ
    トリウムまたはその混合物である請求項2または3記載
    の方法。。
  9. 【請求項9】 溶液を40〜115℃の範囲で加熱する
    請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 溶液を70〜115℃の範囲で加熱す
    る請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 溶液を約100℃で加熱する請求項9
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 溶液を1〜1400時間加熱すること
    によってポリマーの抗菌活性を増進する請求項1〜3の
    いずれか1つに記載の方法。
  13. 【請求項13】 溶液を4〜60時間加熱する前記請求
    項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
  14. 【請求項14】 水酸基含有溶媒がポリエチレングリコ
    ールであり、ポリエチレングリコールが溶液の50〜9
    9重量%の量で存在する請求項11記載の方法。
  15. 【請求項15】 ポリエチレングリコールが、溶液の6
    4〜95重量%の量で存在する請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 加熱前および/または加熱中にポリマ
    ーに塩基またはアルカリを加えることによって、ポリマ
    ーの抗菌活性を増進する前記請求項1〜15のいずれか
    1つに記載の方法。
  17. 【請求項17】 アクロレインポリマーによる遊離アク
    ロレインモノマーの放出が減少される前記請求項1〜1
    6のいずれか1つに記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記請求項1〜16のいずれか1つに
    記載の方法によって製造される抗菌性化合物または組成
    物。
  19. 【請求項19】 請求項1〜16のいずれか1つに記載
    の方法によって、完全または部分的に製造される保存
    力、消毒力または防腐力のある化合物または組成物。
  20. 【請求項20】 ポリエチレングリコールおよびポリオ
    ールからなるグループから選ばれる1種またはそれ以上
    のアルコールとポリ(2−プロペナール,2−プロペン
    酸)とを反応させて保護カルボニル基を形成することに
    よって形成されるポリ(2−プロペナール,2−プロペ
    ン酸)の誘導体を含む抗菌剤。
  21. 【請求項21】 保護カルボニル基が、アセタールであ
    る請求項20記載の抗菌剤。
  22. 【請求項22】 アルコールが、ポリエチレングリコー
    ルである請求項21記載の抗菌剤。
  23. 【請求項23】 アルコールが、分子量200から10
    00のポリエチレングリコールである請求項22記載の
    抗菌剤。
  24. 【請求項24】 請求項21記載の抗菌剤を含む消毒ま
    たは防腐力のある組成物。
  25. 【請求項25】 64〜95重量%の範囲のポリエチレ
    ングリコールを含む組成物で存在する請求項22記載の
    抗菌剤。
  26. 【請求項26】 組成物のpHが7〜9である請求項2
    5記載の抗菌剤。
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