JP3504069B2 - 光制御方法および光制御装置 - Google Patents

光制御方法および光制御装置

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JP3504069B2
JP3504069B2 JP15113396A JP15113396A JP3504069B2 JP 3504069 B2 JP3504069 B2 JP 3504069B2 JP 15113396 A JP15113396 A JP 15113396A JP 15113396 A JP15113396 A JP 15113396A JP 3504069 B2 JP3504069 B2 JP 3504069B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば光通信、光情報
処理などの光エレクトロニクスおよびフォトニクスの分
野において有用な、光応答性組成物から成る光学素子を
用いる光制御方法および光制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】超高速情報伝達・処理を目的として、光
の多重性、高密度性に着目した光エレクトロニクスおよ
びフォトニクスの分野において、光学材料または光学組
成物を加工して作成した光学素子に光を照射することで
引き起こされる透過率や屈折率の変化を利用して、電子
回路技術を用いずに、光の強度(振幅)または周波数
(波長)を変調しようとする光・光制御方法の研究開発
が盛んに進められている。また、光の特徴を活かして、
並列光論理演算や画像処理を行おうとする場合、光ビー
ム(光線束)の断面に光強度分布変化など、何等かの変
調を行うための「空間光変調器」が極めて重要であり、
ここへも光・光制御方法の適用が期待される。
【0003】光・光制御方法への応用が期待される現象
としては可飽和吸収、非線形屈折、フォトリフラクティ
ブ効果などの非線形光学効果、およびフォトクロミック
現象が広く注目を集めている。
【0004】一方、第一の波長帯域の光で励起された分
子が、分子構造の変化を伴わずに、第一の波長帯域とは
異なる第二の波長帯域において新たに光吸収を起こす現
象も知られており、これを「励起状態吸収」または「誘
導吸収」、あるいは「過渡吸収」と呼ぶことができる。
【0005】励起状態吸収の応用を試みた例としては、
例えば、特開昭53−137884号公報にはポルフィ
リン系化合物と電子受容体を含んだ溶液または固体に対
して波長の異なる少なくとも二種類の光線を照射し、こ
の照射により一方の波長の光線が有する情報を他方の光
線の波長に移すような光変換方法が開示されている。ま
た、特開昭55−100503号公報および特開昭55
−108603号公報にはポルフィリン誘導体などの有
機化合物の基底状態と励起状態の間の分光スペクトルの
差を利用し、励起光の時間的な変化に対応して伝搬光を
選択するような機能性の液体コア型光ファイバーが開示
されている。また、特開昭63−89805号公報には
光によって励起された三重項状態から更に上位の三重項
状態への遷移に対応する吸収を有するポルフィリン誘導
体などの有機化合物をコア中に含有しているプラスチッ
ク光ファイバーが開示されている。また、特開昭63−
236013号公報にはクリプトシアニンなどのシアニ
ン色素の結晶に第一の波長の光を照射して分子を光励起
した後、第一の波長とは異なる第二の波長の光を前記分
子に照射し、第一の波長の光による光励起状態によって
第二の波長の光の透過または反射をスイッチングするよ
うな光機能素子が開示されている。また、特開昭64−
73326号公報にはポルフィリン誘導体などの光誘起
電子移動物質をマトリックス材料中に分散した光変調媒
体に第一および第二の波長の光を照射して、分子の励起
状態と基底状態の間の吸収スペクトルの差を利用して光
変調するような光信号変調媒体が開示されている。
【0006】これら従来技術で用いられている光学装置
の構成としては、特開昭55−100503号公報、特
開昭55−108603号公報、および特開昭63−8
9805号公報には伝搬光の伝播する光ファイバーを励
起光の光源(例えばフラッシュランプ)の周囲に巻きつ
けるような装置構成が開示されており、特開昭53−1
37884号公報および特開昭64−73326号公報
には光応答性光学素子内部の信号光に相当する光の伝播
している部分全体に信号光の光路とは別の方向から制御
光に相当する光を収束させることなくむしろ投射レンズ
などの手段によって発散させて照射するような装置構成
が開示されている。
【0007】しかしながら、以上のような従来技術にお
いては、実用に足りる大きさの透過率変化または屈折率
変化(光応答)を引き起こすためには非常に高密度の光
パワーを必要としたり、光照射に対する応答が遅かった
りするため、実用に至るものは未だ得られていないのが
現状である。
【0008】本出願人は、上記従来技術の有する課題を
解消し、できる限り低い光パワーで充分な大きさおよび
速度の光応答を光応答性の光学素子から引出すような
光制御方法および光制御装置に関する特許(特願平7−
25618)および光応答性材料に関する特許(特願
平7−58413、7−58414)を出願した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決し、光応答を充分な大きさで再現性良く得るための
光制御方法および光制御装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願の請求項1記載の発明に係る光制御方法は、光
応答性組成物から成る光学素子に、前記光応答性組成物
が感応する波長の制御光を照射し、制御光とは異なる波
長帯域にある信号光の透過率および/または屈折率を可
逆的に変化させることにより前記光学素子を透過する前
記信号光の強度変調および/または光束密度変調を行う
光制御方法であって、前記制御光および前記信号光を各
々収束させて前記光学素子へ照射し、かつ、前記制御光
および前記信号光のそれぞれの焦点近傍の光子密度が最
も高い領域が前記光学素子中において互いに重なるよう
に、前記制御光および前記信号光の光路をそれぞれ配置
し、前記光学素子中の前記光応答性組成物を透過し
後、発散していく信号光光線束を、前記信号光の収束手
段よりも小さい開口数の凸レンズまたは凹面鏡で受光す
ることによって、前記強度変調および/または光束密度
変調を強く受けた領域の信号光光線束を分別して取り出
すことを特徴とする。
【0011】また、上記目的を達成するために、本願の
請求項2記載の発明に関わる光制御方法は、本願の請求
項1記載の光制御方法において、前記制御光および前記
信号光を前記光学素子中において実質的に同一光路で伝
搬させることを特徴とする。
【0012】
【0013】この場合、通常、信号光光線束の中心部分
が特に変調を受けやすいので、発散する信号光光線束を
収束するために受光レンズを用いるときには信号光光線
束の中心軸に受光レンズの中心軸を一致させることが好
適である。
【0014】 また、上記目的を達成するために、本願
の請求項3に記載の発明に係る光制御装置は、光応答性
組成物から成る光学素子に、前記光応答性組成物が感応
する波長の制御光を照射し、制御光とは異なる波長帯域
にある信号光の透過率および/または屈折率を可逆的に
増減させることにより前記光学素子を透過する前記信号
光の強度変調および/または光束密度変調を行う光制御
装置であって、前記制御光および前記信号光を各々収束
させる収束手段を有し、収束された前記制御光および前
記信号光のそれぞれの焦点近傍の光学密度が最も高い領
域が互いに重なり合うように、前記制御光および前記信
号光の光路をそれぞれ配置し、前記光学素子は、収束さ
れた前記制御光および前記信号光のそれぞれの焦点近傍
の光子密度が最も高い領域が互いに重なり合う位置に配
置され、前記光学素子の前記光応答性組成物を透過し
後、発散していく信号光光線束のうち、前記強度変調お
よび/または光束密度変調を強く受けた領域の信号光光
線束を分別して取り出す手段を有し、前記取り出す手段
は、前記光学素子へ前記信号光を収束させて入射させる
際に用いた収束手段の開口数よりも小さい開口数の凸レ
ンズまたは凹面鏡を用いることを特徴とする。
【0015】また、上記目的を達成するために、本願の
請求項4記載の発明に係る光制御装置は、前記制御光お
よび前記信号光が前記光学素子中において実質的に同一
光路で伝搬するように配置されていることを特徴とす
る。
【0016】
【0017】[光応答性組成物]ここで、本発明におけ
る制御光を照射したとき、制御光とは異なる波長帯域に
ある信号光の透過率および/または屈折率を可逆的に可
変させるような光学素子に用いられる光応答性組成物と
しては、公知の種々のものを使用することができる。
【0018】その例を具体的に挙げるならば、例えば、
GaAs、GaAsP、GaAlAs、InP、InS
b、InAs、PbTe、InGaAsP、ZnSeな
どの化合物半導体の単結晶、前記化合物半導体の微粒子
をマトリックス材料中へ分散したもの、異種金属イオン
をドープした金属ハロゲン化物(例えば臭化カリウム、
塩化ナトリウムなど)の単結晶、前記金属ハロゲン化物
(例えば臭化銅、塩化銅、塩化コバルトなど)の微粒子
をマトリックス材料中へ分散したもの、銅などの異種金
属イオンをドープしたCdS、CdSe、CdSeS、
CdSeTeなどのカドミウムカルコゲナイドの単結
晶、前記カドミウムカルコゲナイドの微粒子をマトリッ
クス材料中へ分散したもの、シリコン、ゲルマニウム、
セレン、テルルなどの半導体単結晶薄膜、多結晶薄膜、
ないし多孔質薄膜、シリコン、ゲルマニウム、セレン、
テルルなどの半導体微粒子をマトリックス材料中へ分散
したもの、白金、金、パラジウムなどの貴金属微粒子を
マトリックス材料中へ分散したもの、ルビー、アレキサ
ンドライト、ガーネット、Nd:YAG、サファイア、
Ti:サファイア、Nd:YLFなど、金属イオンをド
ープした宝石に相当する単結晶(いわゆるレーザー結
晶)、金属イオン(例えば鉄イオン)をドープしたニオ
ブ酸リチウム(LiNbO3 )、LiB3 5 、LiT
aO3 、KTiOPO4 、KH2 PO4 、KNbO3
BaB2 2 などの強誘電性結晶、金属イオン(例えば
ネオジウムイオン、エルビウムイオンなど)をドープし
た石英ガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラスその他
のガラスなどのほか、マトリックス材料中に色素を溶解
または分散したものを好適に使用することができる。
【0019】これらの中でも、マトリックス材料中に色
素を溶解または分散したものは、マトリックス材料およ
び色素の選択範囲が広く、かつ光学素子への加工も容易
であるため、本発明で特に好適に用いることができる。
【0020】本発明で用いることのできる色素の具体例
としては、例えば、ローダミンB、ローダミン6G、エ
オシン、フロキシンBなどのキサンテン系色素、アクリ
ジンオレンジ、アクリジンレッドなどのアクリジン系色
素、エチルレッド、メチルレッドなどのアゾ色素、ポル
フィリン系色素、フタロシアニン系色素、3、3’−ジ
エチルチアカルボシアニンヨージド、3、3’−ジエチ
ルオキサジカルボシアニンヨージドなどのシアニン色
素、エチル・バイオレット、ビクトリア・ブルーRなど
のトリアリールメタン系色素などを好適に使用すること
ができる。
【0021】本発明では、これらの色素を単独で、また
は、2種類以上を混合して使用することができる。
【0022】本発明で用いることのできるマトリックス
材料は、(1)本発明の光制御方式で用いられる光の波
長領域で透過率が高いこと、(2)本発明で用いられる
色素または種々の微粒子を安定性良く溶解または分散で
きること、(3)光学素子としての形態を安定性良く保
つことができること、という条件を満足するものであれ
ば任意のものを使用することができる。
【0023】無機系のマトリックス材料としては、例え
ば金属ハロゲン化物の単結晶、金属酸化物の単結晶、金
属カルコゲナイドの単結晶、石英ガラス、ソーダガラ
ス、ホウケイ酸ガラスなどの他、いわゆるゾルゲル法で
作成される低融点ガラス材料などを使用することができ
る。
【0024】また、有機系のマトリックス材料として
は、例えば種々の有機高分子材料を使用することができ
る。
【0025】これらのマトリックス材料中へ色素を溶解
または分散させるには公知の方法を用いることができ
る。例えば、色素とマトリックス材料を共通の溶媒中へ
溶解して混合した後、溶媒を蒸発させて除去する方法、
ゾルゲル法で製造する無機系マトリックス材料の原料溶
液へ色素を溶解または分散させてからマトリックス材料
を形成する方法、有機高分子系マトリックス材料のモノ
マー中へ、必要に応じて溶媒を用いて、色素を溶解また
は分散させてから該モノマーを重合ないし重縮合させて
マトリックス材料を形成する方法、色素と有機高分子系
マトリックス材料を共通の溶媒中に溶解した溶液を、色
素および熱可塑性の有機高分子系マトリックス材料の両
方が不溶の溶剤中へ滴下し、生じた沈殿を濾別し乾燥し
てから加熱・溶融加工する方法などを好適に用いること
ができる。色素とマトリックス材料の組合せおよび加工
方法を工夫することで、色素分子を凝集させ、「H会合
体」や「J会合体」などと呼ばれる特殊な会合体を形成
させることができることが知られているが、マトリック
ス材料中の色素分子をこのような凝集状態もしくは会合
状態を形成する条件で使用しても良い。
【0026】また、これらのマトリックス材料中へ前記
の種々の微粒子を分散させるには公知の方法を用いるこ
とができる。例えば、前記微粒子をマトリックス材料の
溶液、または、マトリックス材料の前駆体の溶液に分散
した後、溶媒を除去する方法、有機高分子系マトリック
ス材料のモノマー中へ、必要に応じて溶媒を用いて、前
記微粒子を分散させてから該モノマーを重合ないし重縮
合させてマトリックス材料を形成する方法、微粒子の前
駆体として、例えば過塩素酸カドミウムや塩化金などの
金属塩を有機高分子系マトリックス材料中に溶解または
分散した後、硫化水素ガスで処理して硫化カドミウムの
微粒子を、または、熱処理することで金の微粒子を、そ
れぞれマトリックス材料中に析出させる方法、化学的気
相成長法、スパッタリング法などを好適に用いることが
できる。
【0027】なお、本発明で用いられる光応答性組成物
は、その機能に支障をきたさない範囲において、加工性
を向上させたり、光学素子としての安定性・耐久性を向
上させるため、副成分として公知の酸化防止剤、紫外線
吸収剤、一重項酸素クエンチャ−、分散助剤などを含有
しても良い。
【0028】[光学素子]本発明で用いられる光学素子
の形態は、本発明の光制御装置の構成に応じて、薄膜、
厚膜、板状、ブロック状、円柱状、半円柱状、四角柱
状、三角柱状、凸レンズ状、凹レンズ状、マイクロレン
ズアレイ状、ファイバー状、マイクロチャンネルアレイ
状、および光導波路型などの中から適宜選択することが
できる。本発明で用いられる光学素子の作成方法は、光
学素子の形態および使用する光応答組成物の種類に応じ
て任意に選定され、公知の方法を用いることができる。
【0029】例えば、薄膜状の光学素子を例えば色素と
マトリックス材料から製造する場合、色素およびマトリ
ックス材料を溶解した溶液を例えばガラス板上に塗布
法、ブレードコート法、ロールコート法、スピンコート
法、ディッピング法、スプレー法などの塗工法で塗工す
るか、あるいは、平版、凸版、凹版、孔版、スクリー
ン、転写などの印刷法で印刷すれば良い。この場合、ゾ
ルゲル法による無機系マトリックス材料作成方法を利用
することもできる。
【0030】例えば、用いる有機高分子系マトリックス
材料が熱可塑性の場合、ホットプレス法(特開平4−9
9609号公報)や延伸法を用いても薄膜ないし厚膜状
の膜型光学素子を作成することができる。
【0031】板状、ブロック状、円柱状、半円柱状、四
角柱状、三角柱状、凸レンズ状、凹レンズ状、マイクロ
レンズアレイ状の光学素子を作成する場合は、例えば有
機高分子系マトリックス材料の原料モノマーに色素を溶
解または分散させたものを用いてキャスティング法やリ
アクション・インジェクション・モールド法で成型する
ことができる。また、熱可塑性の有機高分子系マトリッ
クス材料を用いる場合、色素を溶解または分散したペレ
ットまたは粉末を加熱溶融させてから射出成形法で加工
しても良い。
【0032】ファイバー状の光学素子は、例えば、金属
イオンをドープした石英ガラスを溶融延伸してファイバ
ー化する方法、ガラスキャピラリー管の中に有機高分子
系マトリックス材料の原料モノマーに色素を溶解または
分散させたものを流し込むか、または、毛管現象で吸い
上げたものを重合させる方法、または、色素を溶解また
は分散させた熱可塑性の有機高分子系マトリックス材料
の円柱、いわゆるプリフォームをガラス転移温度よりも
高い温度まで加熱、糸状に延伸してから、冷却する方法
などで作成することができる。
【0033】上記のようにして作成したファイバー状の
光学素子を多数束ねて接着ないし融着処理してから薄片
状ないし板状にスライスすることによりマイクロチャン
ネルアレイ型の光学素子を作成することもできる。
【0034】導波路型の光学素子は、例えば、基板上に
作成した溝の中に有機高分子系マトリックス材料の原料
モノマーに色素を溶解または分散させたものを流し込ん
でから重合させる方法、または、基板上に形成した薄膜
状光学素子をエッチングして「コア」パターンを形成
し、次いで、色素を含まないマトリックス材料で「クラ
ッド」を形成する方法によって作成することができる。
【0035】本発明の光制御方法および光制御装置で
は、制御光および信号光をそれぞれ収束させ、かつ、前
記制御光および前記信号光のそれぞれの焦点近傍の光子
密度が最も高い領域が光学素子中において互いに重なり
合い、前記光学素子の光応答性組成物中の励起種(例え
ば色素分子、金属イオンなど)と前記制御光および前記
信号光の光子の相互作用効率を著しく向上させることが
可能となり、その結果、従来に比べ低い光パワーで充分
な大きさおよび速度の光応答を光応答性の光学素子から
出すことが可能になる。
【0036】同時に、前記光学素子を透過または反射し
た後、発散していく信号光の光線束のうち、前記強度変
調および/または光束密度変調を強く受けた領域の光線
束を分別して取り出すことにより、充分な大きさで強度
変調および/または光束密度変調された信号光を再現性
良く得ることが可能となる。
【0037】
【実施形態】以下、図面に基づき本発明の実施形態につ
いて説明する。
【0038】〔実施形態1〕図1には本実施形態の光制
御装置の概略構成が示されている。このような光学装置
構成および配置は、図1に例示するように膜型光学素子
8を用いる場合の他、ファイバー型光学素子(図示せ
ず)を用いる場合にも、光導波路型(図示せず)、マイ
クロチャンネルアレイ型(図示せず)などの光学素子を
用いる場合にも好適に用いることができる。
【0039】ここで、膜型光学素子8は例えば以下の手
順で作成することができる。すなわち、シアニン色素の
3、3’−ジエチルオキサジカルボシアニンヨージド
(慣用名DODCI、エキシトン社製):23.0mg
およびポリメタクリル酸2−ヒドロキシプロピル:19
77.0mgをアセトン:200mlに溶解し、n−ヘ
キサン:300ml中へかき混ぜながら加えて析出した
沈殿(色素およびポリマーの混合物)を濾別し、n−ヘ
キサンで洗浄してから減圧下乾燥し、粉砕した。得られ
た色素およびポリマーの混合粉末を10-5Pa未満の超
高真空下、100℃で2日間加熱を続け、残留溶媒等の
揮発成分を完全に除去して、光応答性組成物の粉末を得
た。この粉末20mgをスライドガラス(25mm×7
6mm×厚さ1.150mm)およびカバーガラス(1
8mm×18mm×厚さ0.150mm)の間に挟み、
真空下150℃に加熱し、2枚のガラス板を圧着する方
法(真空ホットプレス法)を用いてスライドガラス/カ
バーガラス間に色素/ポリマーの膜(膜厚50μm)を
作成した。なお、色素/ポリマー膜中の色素濃度は、色
素/ポリマー混合物の密度を1.06として計算する
と、2.5×10-2mol/lである。
【0040】以上のようにして作成した膜型光学素子の
透過率スペクトルを図2に示す。この膜の透過率は制御
光の波長(633nm)で38.0%、信号光の波長
(694nm)で90.5%であった。
【0041】図1に概要を例示する本発明の光制御装置
は、制御光の光源1、信号光の光源2、NDフィルター
3、シャッター4、半透過鏡5、光混合器6、集光レン
ズ7、膜型光学素子8、受光レンズ9、波長選択透過フ
ィルター20、光検出器11および22、およびオシロ
スコープ100から構成される。これらの光学素子ない
し光学部品のうち、制御光の光源1、信号光の光源2、
光混合器6、集光レンズ7、膜型光学素子8、受光レン
ズ9、および、波長選択透過フィルター20は、図1の
装置構成で本発明の光制御方法を実施するために必須の
装置構成要素である。なお、NDフィルター3、シャッ
ター4、および半透過鏡5は必要に応じて設けるもので
あり、また、光検出器11および22、およびオシロス
コープ100は、本発明の光制御方法を実施するために
は必要ないが光制御の動作を確認するための電子装置と
して、必要に応じて用いられる。
【0042】次に、個々の構成要素の特徴ならびに動作
について説明する。
【0043】制御光の光源1にはレーザー装置が好適に
用いられる。その発振波長および出力は、本発明の光制
御方法が対象とする信号光の波長および使用する光応答
性組成物の応答特性に応じて適宜選択される。レーザー
発振の方式については特に制限はなく、発振波長帯域、
出力、および経済性などに応じて任意の形式のものを用
いることができる。また、レーザー光源の光を非線形光
学素子によって波長変換してから使用しても良い。具体
的には例えば、アルゴンイオンレーザー(発振波長45
7.9ないし514.5nm)、ヘリウム・ネオンレー
ザー(633nm)などの気体レーザー、ルビーレーザ
ーやNd:YAGレーザーなどの固体レーザー、色素レ
ーザー、半導体レーザーなどを好適に使用することがで
きる。信号光の光源2にはレーザー光源からのコヒーレ
ント光だけではなく非コヒーレント光を使用することも
できる。また、レーザー装置、発光ダイオード、ネオン
放電管など、単色光を与える光源の他、タングステン電
球、メタルハライドランプ、キセノン放電管などからの
連続スペクトル光を光フィルターやモノクロメーターで
単色化して用いても良い。
【0044】本発明の光制御方法で利用される光応答性
組成物、信号光の波長帯域、および制御光の波長帯域
は、これらの組合わせとして、使用目的に応じて適切な
組合わせが選定され、用いられる。以下、信号光の光源
2として半導体レーザー(発振波長694nm、連続発
振出力3mW、ビーム整形後の直径約8mmのガウスビ
ーム)、制御光の光源1としてヘリウム・ネオンレーザ
ー (発振波長633nm、ビーム直径2mmのガウス
ビーム)、および前記の光応答性組成物からなる膜型光
学素子8の組合わせを用いた場合について実施形態を説
明する。
【0045】NDフィルター3は必ずしも必要ではない
が、装置を構成する光学部品や光学素子へ必要以上に高
いパワーのレーザー光が入射することを避けるため、ま
た、本発明で用いられる光学素子の光応答性能を試験す
るにあたり、制御光の光強度を増減するために有用であ
る。この実施形態では後者の目的で数種類のNDフィル
ターを交換して使用した。
【0046】シャッター4は、制御光として連続発振レ
ーザーを用いた場合に、これをパルス状に明滅させるた
めに用いられるものであり、本発明の光制御方法を実施
する上で必須の装置構成要素ではない。すなわち、制御
光の光源1がパルス発振するレーザーであり、そのパル
ス幅および発振間隔を制御できる形式の光源である場合
や、適当な手段で予めパルス変調されたレーザー光を光
源1として用いる場合は、シャッター4を設けなくても
良い。
【0047】シャッター4を使用する場合、その形式と
しては任意のものを使用することができ、例えば、オプ
ティカルチョッパ、メカニカルシャッター、液晶シャッ
ター、光カー効果シャッター、ポッケルセル、音響光学
(AO)変調器などを、シャッター自体の作動速度を勘
案して適時選択して使用することができる。
【0048】半透過鏡5は、この実施形態において、本
発明の光制御方法の作用を試験するにあたり、制御光の
光強度を常時見積もるために用いるものであり、光分割
比は任意に設定可能である。
【0049】光検出器11および22は、本発明の光・
光制御による光強度の変化の様子を電気的に検出して検
証するため、また、本発明の光学素子の機能を試験する
ために用いられる。光検出器11および22の形式は任
意であり、検出器自体の応答速度を勘案して適時選択し
て使用することができ、例えば、光電子増倍管やフォト
ダイオード、フォトトランジスターなどを使用すること
ができる。
【0050】前記光検出器11および22の受光信号は
オシロスコープ100などの他、AD変換器とコンピュ
ーターの組合わせ(図示せず)によってモニターするこ
とができる。
【0051】光混合器6は、前記光学素子中を伝播して
行く制御光および信号光の光路を調節するために用いる
ものであり、本発明の光制御方法および光制御装置を実
施するに当たり重要な装置構成要素の一つである。偏光
ビームスプリッター、非偏光ビームスプリッター、また
はダイクロイックミラーのいずれも使用することがで
き、光分割比についても任意に設定可能である。
【0052】集光レンズ7は、信号光および制御光に共
通の収束手段として、光路が同一になるように調節され
た信号光および制御光を収束させて前記光学素子へ照射
するためのものであり、本発明の光制御方法および光制
御装置の実施に必須な装置構成要素の一つである。集光
レンズの焦点距離、開口数、F値、レンズ構成、レンズ
表面コートなどの仕様については任意のものを適宜使用
することができる。
【0053】この実施形態では集光レンズ7として、倍
率40倍、焦点距離5mm、開口数0.65の顕微鏡用
対物レンズを用いた。
【0054】受光レンズ9は、収束されて光学素子8へ
照射され、透過してきた信号光および制御光を平行およ
び/または収束ビームに戻すための手段であるが、本実
施形態に示すように、前記集光レンズ7の開口数より小
さい開口数のレンズを用いることによって、充分な大き
さで強度変調および/または光束密度変調された信号光
を再現性良く得ることができる。本実施形態では受光レ
ンズ9として、例えば、倍率20倍、開口数0.4の顕
微鏡レンズを用いた。すなわち、集光レンズ7の開口数
より受光レンズ9の開口数を小さくすることにより、信
号光の光束のうち、強度変調および/または光束密度変
調を強く受けた領域の光束を分別して取り出すことが可
能となり、充分な大きさで変調を受けた信号光を再現性
良く検出できるようになる。もちろん、レンズ開口数が
大きくても、絞り19を入れたり、光検出器に光束の中
心部分のみ入射させて実質的に開口数を小さくしても良
いことは言うまでもない。また、後で述べるように、集
光レンズおよび受光レンズの代りに凹面鏡を用いること
も可能である(実施形態4参照)。
【0055】波長選択透過フィルター20は、図1の装
置構成で本発明の光制御方法を実施するために必須の装
置構成要素の一つであり、前記光学素子中の同一の光路
を伝播してきた信号光と制御光とから信号光のみを取り
出すための手段の一つとして用いられる。
【0056】波長の異なる信号光と制御光とを分離する
ための手段としては他に、プリズム、回折格子、ダイク
ロイックミラーなどを使用することができる。
【0057】図1の装置構成で用いられる波長選択透過
フィルター20としては、制御光の波長帯域の光を完全
に遮断し、一方、信号光の波長帯域の光を効率良く透過
することのできるような波長選択透過フィルターであれ
ば、公知の任意のものを使用することができる。例え
ば、色素で着色したプラスチックやガラス、表面に誘電
体多層蒸着膜を設けたガラスなどを用いることができ
る。
【0058】以上のような構成要素から成る図1の光学
装置において、光源1から出射された制御光の光ビーム
は、透過率を加減することによって透過光強度を調節す
るためのNDフィルター3を通過し、次いで制御光をパ
ルス状に明滅するためのシャッター4を通過して、半透
過鏡5によって分割される。
【0059】半透過鏡5によって分割された制御光の一
部は光検出器11によって受光される。ここで、光源2
を消灯、光源1を点灯し、シャッター4を開放した状態
において光学素子8への光ビーム照射位置における光強
度と光検出器11の信号強度との関係をあらかじめ測定
して検量線を作成しておけば、光検出器11の信号強度
から、光学素子8に入射する制御光の光強度を常時見積
もることが可能になる。この実施形態では、NDフィル
ター3によって、膜型光学素子8へ入射する制御光のパ
ワーを0.5mWないし25mWの範囲で調節した。
【0060】半透過鏡5で分割・反射された制御光は、
光混合器6および集光レンズ7を通って、光学素子8に
収束されて照射される。膜型光学素子8を通過した制御
光の光ビームは、受光レンズ9を通過した後、波長選択
透過フィルター20によって遮断される。
【0061】光源2から出射された信号光の光ビーム
は、前記光混合器6によって、制御光と同一光路を伝播
するよう混合され、集光レンズ7を経由して、膜型光学
素子8に収束・照射され、素子を通過した光は受光レン
ズ9および波長選択透過フィルター20を透過した後、
必要に応じて設けられる絞り19を通過した後、光検出
器22にて受光される。
【0062】図1の光学装置を用いて光制御の実験を行
い、図3および図4に示すような光強度変化を観測し
た。図3および図4において、111は光検出器11の
受光信号、222および223は光検出器22の受光信
号である。光検出器22の受光信号222の得られる場
合と223の得られる場合の違いは、以下の通りであ
る。
【0063】図1の装置配置においては膜型光学素子8
に制御光と信号光とを収束して入射させているが、収束
ビーム径が最小となる位置(焦点Fc )を膜型光学素子
8の集光レンズ7に近い所(光の入射側)に設定する
と、前記光学素子を透過した前記信号光の強度が減少す
る方向の光応答222が観察される。一方、収束ビーム
径が最小となる位置(焦点Fc )を膜型光学素子8の受
光レンズ9に近い所(光の出射側)に設定すると、前記
光学素子を透過した前記信号光の見かけの強度が増大す
る方向の光応答223が観察される。
【0064】このような光応答が生じる機構の詳細につ
いては未解明であり、現在、鋭意検討中であるが、制御
光の照射により光応答性物質の透過率や屈折率等が変化
することに起因するものと推測される。
【0065】図1の光学装置を用いて光制御の実験を行
い、図3および図4に示すような光強度変化を観測した
が、その詳細は以下に述べる通りである。
【0066】まず、制御光の光ビームと信号光の光ビー
ムとが、膜型光学素子8内部または近傍の同一領域で焦
点Fc を結ぶように、それぞれの光源からの光路、光混
合器6、および集光レンズ7を調節した。なお、前記膜
型光学素子8のカバーガラス側から信号光および制御光
が入射し、スライドガラス基板側から出射するような向
きに光学素子を配置した。次いで、波長選択フィルター
20の機能を点検した。すなわち、光源2を消灯した状
態で、光源1を点灯し、シャッター4を開閉した場合に
は光検出器22に応答が全く生じないことを確認した。
【0067】なお、収束ビーム径最小位置(焦点Fc )
の膜型光学素子8上での移動は、膜型光学素子8を移動
させて行った。すなわち、集光レンズ7および受光レン
ズ9の間隔(d78+d89)を固定したまま、膜型光学素
子8と集光レンズ7の距離を変化させ、同一の光路で収
束された制御光および信号光の焦点位置と膜型光学素子
8との位置関係を変化させて行った。
【0068】まず前記焦点Fc を膜型光学素子8の集光
レンズ側に設置した場合について述べる。この場合の、
制御光の波形111に対する信号光の応答波形222を
図3に示す。
【0069】シャッター4を閉じた状態で制御光の光源
1を点灯し、次いで、時刻t1 において光源2を点灯し
光学素子8へ信号光を照射すると、光検出器22の信号
強度はレベルCからレベルAへ増加した。
【0070】時刻t2 においてシャッター4を開放し、
光学素子8内部の信号光が伝播しているのと同一の光路
へ制御光を収束・照射すると光検出器22の信号強度は
レベルAからレベルBへ減少した。この変化の応答時間
は2マイクロ秒未満であった。
【0071】時刻t3 においてシャッター4を閉じ、光
学素子への制御光照射を止めると光検出器22の信号強
度はレベルBからレベルAへ復帰した。この変化の応答
時間は3マイクロ秒未満であった。
【0072】時刻t4 においてシャッター4を開放し、
ついで、時刻t5 において閉じると、光検出器22の信
号強度はレベルAからレベルBへ減少し、次いでレベル
Aへ復帰した。
【0073】時刻t6 において光源2を消灯すると光検
出器22の出力は低下し、レベルCへ戻った。
【0074】ついで、前記焦点Fc を膜型光学素子8の
受光レンズ側に設置した場合について述べる。この場合
の、制御光の波形111に対する信号光の応答波形22
3を図4に示す。
【0075】シャッター4を閉じた状態で制御光の光源
1を点灯し、次いで、時刻t1 において光源2を点灯し
光学素子8へ信号光を照射すると、光検出器22の信号
強度はレベルCからレベルAへ増加した。
【0076】時刻t2 においてシャッター4を開放し、
光学素子8内部の信号光が伝播しているのと同一の光路
へ制御光を収束・照射すると光検出器22の信号強度は
レベルAからレベルDへ増加した。この変化の応答時間
は2マイクロ秒未満であった。
【0077】時刻t3 においてシャッター4を閉じ、光
学素子への制御光照射を止めると光検出器22の信号強
度はレベルDからレベルAへ復帰した。この変化の応答
時間は3マイクロ秒未満であった。
【0078】時刻t4 においてシャッター4を開放し、
ついで、時刻t5 において閉じると、光検出器22の信
号強度はレベルAからレベルDへ増加し、次いでレベル
Aへ復帰した。
【0079】時刻t6 において光源2を消灯すると光検
出器22の出力は低下し、レベルCへ戻った。
【0080】以上まとめると、膜型光学素子8へ、制御
光を図3または図4の111に示すような波形で表され
る光強度の時間変化を与えて照射したところ、信号光の
光強度をモニターして示す光検出器22の出力波形は図
3の222または図4の223に示すように、制御光の
光強度の時間変化に対応して可逆的に変化した。すなわ
ち、制御光の光強度の増減または断続により信号光の透
過を制御すること、すなわち光で光を制御すること(光
・光制御)、または、光で光を変調すること(光・光変
調)ができることが確認された。
【0081】なお、制御の光の断続に対応する信号光の
光強度の変化の程度は、前記の光検出器22の出力レベ
ルA、BおよびCを用いて次に定義される値ΔT[単位
%]または、A、CおよびDを用いて次に定義される値
ΔT’[単位%]
【数1】 ΔT =100[(A−B)/(A−C)]
【数2】 ΔT’=100[(D−A)/(A−C)] によって定量的に比較することができる。ここで、Aは
制御光を遮断した状態で信号光の光源2を点灯した場合
の光検出器22の出力レベル、BおよびDは信号光と制
御光を同時に照射した場合の光検出器22の出力レベ
ル、Cは信号光の光源2を消灯した状態の光検出器22
の出力レベルである。
【0082】上の例において、制御光の入射パワーを2
0mWとし、膜型光学素子8を移動して信号光の光応答
の向きと大きさを調べたところ、信号光強度が減少する
向きの応答の大きさΔTの最大値は80%、見かけの信
号光強度が増加する向きの応答の大きさΔT’の最大値
は40%であった。
【0083】上記のように収束ビーム径が最小となる位
置(焦点Fc )と膜型光学素子8の位置関係を変えるこ
とによって、信号光の光応答の向きを逆転させ、信号光
見かけの強度が減少する方向、または、増加する方向
の応答を得ることが出来る。
【0084】このような光応答変化の生じる機構を調べ
るため、光制御を行った場合に起こる信号光ビーム断面
における光強度分布の変化の測定を行った。すなわち、
図1の装置において、受光レンズ9を集光レンズ7の開
口数(本実施形態の場合は0.65)よりも大きな開口
数(例えば0.75)のものに変更し、光検出器22の
代わりに光強度分布測定器を設置し、膜型光学素子8を
透過した光線束の全てを受光レンズ9で受光・収束させ
て前記光強度分布測定器の受光部31(有効直径4m
m)へ入射させ、信号光光線束断面の光強度分布を測定
した。測定結果を図8、9、10に示す。ここで、光強
度分布測定器は、図5に示すように、受光部31(有効
直径4mm)に対して幅1mmの第一のスリット32を
設け、第一のスリットの長さ方向、すなわち図5におい
て点Xから点Yの向きに、幅25μmの第二のスリット
33を一定速度で移動させて、2枚のスリットが作る1
mm×25μmの長方形の窓を通過した光の強度を、前
記窓の移動位置に対応させて測定する装置である。前記
窓の移動位置に対応させて光強度を測定するには、例え
ば、第二のスリット33の移動速度に同期させたストレ
ージオシロスコープ上に、前記窓を通過した光を受光し
た検出器の出力を記録すれば良い。図8〜10は、以上
のようにして、ストレージオシロスコープ上に記録され
た信号光の光ビーム断面についての光強度分布を示すも
のであり、横軸(光ビーム断面内の位置)は図5の点X
から点Yの方向の位置に対応し、縦軸は光強度を表す。
【0085】図8は、膜型光学素子8に制御光が入射せ
ず、信号光のみが入射した場合の前記信号光ビーム断面
の光強度分布である。この場合の光強度分布は、中心部
分の強度が強く、周辺に行くに従い強度が弱まる分布
(おおむね「ガウス分布」)である。
【0086】図9は、収束ビーム径が最小となる位置
(焦点Fc )を膜型光学素子8の集光レンズ7に近い所
(光の入射側)に設定し、制御光を照射したとき見かけ
の信号光強度が減少する向きの光応答222が観察され
る条件において、制御光を照射したときの信号光ビーム
断面の光強度分布である。この場合の光強度分布は、中
心部分の光強度が弱く、周辺で光強度が増大する分布に
なっている。信号光ビーム断面の中心部の光強度は、制
御光強度および膜型光学素子8と焦点の位置関係に依存
して減少し、制御光強度が増すに従い、ゼロに近づいて
いく。従って、この場合、信号光ビームの中心部分だけ
を取り出して、見かけの信号光強度を測定すると、制御
光の断続に対応して、信号光の強度が減少する向きの光
応答222を、充分な大きさで取り出すことが出来る。
【0087】図10は、収束ビーム径が最小となる位置
(焦点Fc )を膜型光学素子8の受光レンズ9に近い所
(光の出射側)に設定し、制御光を照射したとき見かけ
の信号光強度が増大する向きの光応答223が観察され
る条件において、制御光を照射したときの信号光ビーム
断面の光強度分布である。この場合は、中心部分の光強
度が、制御光を照射しない場合の中心部分の光強度(図
8)より強くなっている。この場合、信号光ビーム断面
の中心部の光強度は、制御光強度および膜型光学素子8
を焦点位置の関係に依存するが、制御光非照射時の数倍
にも達する。従って、この場合、信号光ビームの中心部
分だけを取り出して、見かけの信号光強度を測定する
と、制御光の断続に対応して、信号光の強度が増大する
向きの光応答223を充分な大きさで取り出すことが出
来る。
【0088】以上の実験から、制御光の断続による信号
光の光強度変調(光応答)は、信号光ビーム(光束)断
面の中心部で、特に大きく起きていることが判る。従っ
て、本発明の主旨とは逆に、受光レンズ9の開口数を集
光レンズ7の開口数よりも大きくして、光学素子8を透
過した信号光を全て補足し、光検出器で受光した場合、
検出される光応答は、本発明の場合に比べて著しく小さ
くなってしまう。また、光検出器に、制御光による光変
調を受けた部分以外のノイズ成分が取り込まれてしま
い、S/N比が著しく悪くなってしまう。
【0089】なお、図11、12、13は、集光レンズ
7の開口数を0.65、受光レンズ9の開口数を0.4
にした場合の信号光ビーム断面の光強度分布である。図
11は信号光のみが膜型光学素子8に入射した場合、図
12は収束ビーム径が最小となる位置(焦点Fc )を膜
型光学素子8の集光レンズ7に近い所(光の入射側)に
設定した場合、図13は収束ビーム径が最少となる位置
(焦点Fc )を膜型光学素子8の受光レンズ9に近い所
(光の出射側)に設定した場合の前記信号光のそれぞれ
の光強度分布である。
【0090】〔実施形態2〕本発明の光制御光法および
光制御装置において光応答を大きくするためには前記制
御光および前記信号光を各々収束させて前記光学素子へ
照射し、かつ、前記制御光および前記信号光のそれぞれ
の焦点の近傍の光子密度が最も高い領域が前記光学素子
中において互いに重なり合うように前記制御光および前
記信号光の光路をそれぞれ配置すれば良いが、そのため
には信号光および制御光を実質的に同一光路で伝播させ
ることが好ましい。なお、前記制御光および前記信号光
の電場の振幅分布がガウス分布となっているガウスビー
ムの場合、集光レンズ7などで、開き角2θで収束させ
たときの焦点Fc 近傍における光線束および波面30の
様子を図6に示す。ここで、波長λのガウスビームの直
径2ω0 が最小になる位置、すなわちビームウエストの
半径ω0 は次の式で表される。
【0091】
【数3】ω0 = λ/(π・θ) 例えば、実施形態1で用いた集光レンズ(焦点距離5m
m、開口数0.65)で波長633nm、ビーム直径1
mmの制御光を収束したときのビームウエストの半径は
2.02μm、同様にして波長694nm、ビーム直径
8mmの信号光を収束したときのビームウエストの半径
は0.327μm(ほぼ回折限界)と計算される。
【0092】図7に示すように、信号光および制御光が
「実質的に同一光路」と看做すことができるのは次のよ
うな場合である: 1)制御光と信号光の光軸が互いに平行であって、制御
光の光路、例えば断面L02(半径r2 )の中に信号光の
光路、例えば断面L+1、L01、またはL-1(半径r1
1 ≦r2 )が重なって伝搬する場合、 2)制御光と信号光の光軸が互いに平行であって、信号
光の光路、例えば断面L02(半径r2 )の中に制御光の
光路、例えば断面L+1、L01、またはL-1(半径r1
1 ≦r2 )が重なって伝搬する場合、 3)制御光と信号光の光軸が互いに平行(光軸間の距離
+1、l-1、またはl+1+l-1)であって、制御光の光
路が断面L+1、L01、またはL-1のいずれか、信号光の
光路も断面L+1、L01、またはL-1のいずれかである場
合。
【0093】表1のデータは、一例として、実施形態1
の装置において、集光レンズ7として、開口数0.65
の顕微鏡用対物レンズを用い、受光レンズ9として、開
口数0.4の顕微鏡用レンズを用い、収束ビーム径が
となる位置(焦点)を膜型光学素子8の集光レンズ7
に近い所(光の入射側)に設定し、前記光学素子を透過
した前記信号光が減少する方向の光応答222が観察さ
れる条件下、信号光の光路を断面L02(直径8mm)に
固定し、断面L+1、L01 またはL-1(直径1mm)の
制御光の光路(光軸)を光軸間の距離l+1またはl-1
して0.9乃至1.2mm平行移動した場合の、信号光
・光応答の大きさΔTの変化を示したものである。信号
光および制御光の光軸が完全に一致している場合の光応
答が最大であるが、光軸間の距離l+1またはl-1が±
0.6mm程度ずれても、光応答の大きさΔTは7ポイ
ントほど変化するにすぎない。
【0094】すなわち、収束された信号光および制御光
のそれぞれの焦点の近傍の光子密度が最も高い領域(ビ
ームウエスト)が前記光学素子中において互いに重なり
合うように前記制御光および前記信号光の光路がそれぞ
れ配置され、これらの領域の重なり合いが最大になった
とき、すなわち、前記制御光および前記信号光の光軸が
完全に一致したとき前記光応答は最大になること、前記
制御光および前記信号光の光路が実質的に同一のとき、
充分大きな光応答が得られることが判った。
【0095】
【表1】 〔実施形態3〕シアニン色素としてDODCIの代わり
に、1、1’−ジエチル−2、2’−カルボシアニンヨ
ージド(アルドリッチ社製)を用いた他は実施形態1に
記載の方法と同様の手順によって、膜型光学素子8を作
成した。この膜の透過率は制御光の波長(633nm)
で0.18%、信号光の波長(694nm)で88.5
%であった。
【0096】この膜型光学素子を実施形態1の場合と同
様な光制御装置(図1)に取り付け、制御光および信号
光の収束ビーム径が最小となる位置(焦点Fc )と膜型
光学素子8の位置関係を変えながら、制御光の断続に対
応した、信号光の光応答の向きおよび大きさを調べた。
ただし、集光レンズ7として倍率20倍、開口数0.4
の顕微鏡用レンズを、受光レンズ9として倍率10倍、
開口数0.3の顕微鏡用対物レンズを用い、集光レンズ
7および受光レンズ9の間隔(d78+d89)を固定した
まま、膜型光学素子8と集光レンズ7の距離を変化さ
せ、同一の光路で収束された制御光および信号光の焦点
位置と膜型光学素子8との位置関係を変化させて行っ
た。
【0097】制御光の入射パワー13mWのとき、信号
光強度が減少する向きの応答の大きさΔTの最大値は9
1%、見かけの信号光強度が増加する向きの応答の大き
さΔT’の最大値は48%であった。
【0098】〔実施形態4〕図14には本実施形態の光
制御装置の概略構成が示されている。このような光学装
置構成および配置は、図14に例示するような膜型光学
素子8の他に、ファイバー型、光導波路型、マイクロチ
ャンネルアレイ型などの光学素子を用いる場合にも好適
に用いることができる。
【0099】光源1および2、NDフィルター3、シャ
ッター4、光検出器11および22、膜型光学素子8、
波長選択フィルター20、およびオシロスコープ100
については実施形態1(図1)と同様のものを同様にし
て用いた。
【0100】図14に示すような配置でダイクロイック
ミラー21を用いることで、制御光を分割して、その光
強度を光検出器11でモニターすると同時に、制御光と
信号光の光路を重ね合わせることができ、図1の配置で
必要な光混合器6を省略することができる。ただし、図
7の配置においては、ダイクロイックミラー21の波長
選択透過および反射を補完するために、信号光を完全に
遮断し制御光だけを透過させるような波長選択透過フィ
ルター10を光検出器11の前に設けることが好まし
い。また、信号光および/または制御光が光源1および
2へ戻り、光源装置に悪影響を与えるのを避けるため、
必要に応じて、光アイソレーター13および14を、そ
れぞれ光源1および2の前に設けても良い。
【0101】光路を一致させた信号光および制御光を一
緒に収束させて膜型光学素子8へ照射する際の光収束手
段として、集光レンズ7および受光レンズ9の代りに、
図14のような配置において凹面鏡15および16を用
いることができる。信号光と制御光に共通の収束手段と
してレンズを用いる場合、厳密には波長によって焦点距
離が異なるという問題が生じるが、凹面鏡ではその心配
がない。
【0102】図14に例示するような、本発明の光制御
装置において前記光学素子を透過または反射した後、発
散していく信号光光線束のうち、前記強度変調および/
または光束密度変調を強く受けた領域の信号光光線束を
分別して取り出すには、次のような方法を採用すること
が出来る。
【0103】(1)光検出器22の手前に絞り19を設
ける方法。
【0104】(2)照射側の凹面鏡15の開口角よりも
受光側の凹面鏡16の開口角を小さくする方法。
【0105】(3)照射側の凹面鏡15の開口角よりも
受光側の凹面鏡16の開口角を小さくし、更に、光検出
器22の手前に絞り19を設ける方法。
【0106】図14に例示するような、本発明の光制御
装置において必須の装置構成要素は光源1および2、ダ
イクロイックミラー21、波長選択透過フィルター2
0、凹面鏡15、16、および膜型光学素子8である。
なお、図14におけるダイクロイックミラー21の代り
に偏光または非偏光のビームスプリッターを用いること
もできる。
【0107】本発明の光制御方法を図14に示すような
装置で行う場合の手順として、まず、制御光(光源1)
と信号光(光源2)の光路が一致し、共通の焦点Fc
(ビームウエスト)位置に光学素子8が配置されるよう
調節を行い、次いで、ダイクロイックミラー21ならび
に波長選択透過フィルター10および20の機能を点検
するため、光源1と2を交互に点灯し、光源1のみ点灯
(シャッター4開放)したとき光検出器22に応答がな
いこと、および光源2のみを点灯したとき光検出器11
に応答がないことを確認した。
【0108】以下、実施形態1の場合と同様にして、前
記膜型光学素子8を用いた光・光制御方法を実施し、実
施形態1の場合と同等の実験結果を得た。
【0109】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
光制御方法および光制御装置によれば、例えば、可視領
域にあるレーザー光を制御光として、近赤外線領域にあ
る信号光を効率良く変調することが、極めて単純な光学
装置によって、電子回路などを一切用いることなく、実
用上充分な応答速度において実現可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する際に用いられる装置構成を
例示した実施形態1の構成図である。
【図2】 実施形態1の膜型光学素子の透過率スペクト
ルである。
【図3】 制御光および信号光の光強度時間変化を例示
した図である。
【図4】 制御光および信号光の光強度時間変化を例示
した図である。
【図5】 光強度分布測定に用いたスリットと光ビーム
との関係を示す図である。
【図6】 集光レンズなどで収束されたガウスビームの
焦点近傍における様子を表した模式図である。
【図7】 制御光および信号光の光路(および光軸)の
関係を例示した図である。
【図8】 信号光のビーム断面の光強度分布を表した図
である。
【図9】 信号光のビーム断面の光強度分布を表した図
である。
【図10】 信号光のビーム断面の光強度分布を表した
図である。
【図11】 信号光のビーム断面の光強度分布を表した
図である。
【図12】 信号光のビーム断面の光強度分布を表した
図である。
【図13】 信号光のビーム断面の光強度分布を表した
図である。
【図14】 本発明を実施する際に用いられる実施形態
4の装置構成を例示した構成図である。
【符号の説明】
1 制御光の光源、2 信号光の光源、3 NDフィル
ター、4 シャッター、5 半透過鏡、6 光混合器、
7 集光レンズ、8 膜型光学素子、9 受光レンズ、
10 波長選択透過フィルター(信号光遮断用)、11
光検出器、13 光アイソレーター(制御光用)、1
4 光アイソレーター(信号光用)、15 凹面鏡、1
6 凹面鏡、19 絞り、20 波長選択透過フィルタ
ー(制御光遮断用)、21 ダイクロイックミラー、2
2 光検出器(信号光の光強度検出用)、30 波面、
31 光強度分布測定器の受光部(有効直径4mm)、
32 第一のスリット(幅1mm)、33 第二のスリ
ット(幅25μm)、100 オシロスコープ、111
光検出器11からの信号(制御光の光強度時間変化曲
線)、222および223 光検出器22からの信号
(信号光の光強度時間変化曲線)、A 制御光を遮断し
た状態で信号光の光源を点灯した場合の光検出器22の
出力レベル、B 焦点Fc が膜型光学素子8の集光レン
ズ側に設定された場合で、かつ信号光の光源を点灯した
状態で制御光を照射した場合の光検出器22の出力レベ
ル、C 信号光を消灯した状態の光検出器22の出力レ
ベル、D焦点Fc が膜型光学素子8の受光レンズ側に設
定された場合で、かつ信号光の光源を点灯した状態で制
御光を照射した場合の光検出器22の出力レベル、d78
集光レンズ7と膜型光学素子8の距離、d89 膜型光学
素子8と受光レンズ9の距離、Fc 焦点、L01
+1、L-1およびL02 信号光または制御光の光ビーム
断面、l+1およびl-1 信号光または制御光の光軸の平
行移動距離、r1信号光または制御光の光ビーム断面L
01、L+1またはL-1の半径、r2 信号光または制御光
の光ビーム断面L02の半径、t1 信号光の光源を点灯
した時刻、t2 制御光を遮断していたシャッターを開
放した時刻、t3 制御光をシャッターで再び遮断した
時刻、t4 制御光を遮断したシャッターを開放した時
刻、t5 制御光をシャッターで再び遮断した時刻、t
6 信号光の光源を消灯した時刻、θ 集光レンズで収
束させた光ビームの外周部が光軸となす角度、ω0集光
レンズで収束させたガウスビームのビームウエスト(焦
点位置におけるビーム半径)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 教雄 東京都足立区堀之内1丁目9番4号 大 日精化工業株式会社 東京製造事業所内 (72)発明者 宝田 茂 東京都足立区堀之内1丁目9番4号 大 日精化工業株式会社 東京製造事業所内 (56)参考文献 Wuli Xueabo,1995年,V ol.44,No.3,419−426 Appl.Spec.,1994年,Vo l.48,No.12,1506−1512 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/35 G02F 1/19 G02F 1/17 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光応答性組成物から成る光学素子に、前
    記光応答性組成物が感応する波長の制御光を照射し、制
    御光とは異なる波長帯域にある信号光の透過率および/
    または屈折率を可逆的に変化させることにより前記光学
    素子を透過する前記信号光の強度変調および/または光
    束密度変調を行う光制御方法であって、 前記制御光および前記信号光を各々収束させて前記光学
    素子へ照射し、かつ、前記制御光および前記信号光のそ
    れぞれの焦点近傍の光子密度が最も高い領域が前記光学
    素子中において互いに重なるように、前記制御光および
    前記信号光の光路をそれぞれ配置し、 前記光学素子中の前記光応答性組成物を透過した後、発
    散していく信号光光線束を、前記信号光の収束手段より
    も小さい開口数の凸レンズまたは凹面鏡で受光すること
    によって、 前記強度変調および/または光束密度変調を強く受けた
    領域の信号光光線束を分別して取り出すことを特徴とす
    る光制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光制御方法において、 前記制御光および前記信号光を前記光学素子中において
    実質的に同一光路で伝搬させることを特徴とする光制御
    方法。
  3. 【請求項3】 光応答性組成物から成る光学素子に、前
    記光応答性組成物が感応する波長の制御光を照射し、制
    御光とは異なる波長帯域にある信号光の透過率および/
    または屈折率を可逆的に増減させることにより前記光学
    素子を透過する前記信号光の強度変調および/または光
    束密度変調を行う光制御装置であって、 前記制御光および前記信号光を各々収束させる収束手段
    を有し、収束された前記制御光および前記信号光のそれ
    ぞれの焦点近傍の光学密度が最も高い領域が互いに重な
    り合うように、前記制御光および前記信号光の光路をそ
    れぞれ配置し、 前記光学素子は、収束された前記制御光および前記信号
    光のそれぞれの焦点近傍の光子密度が最も高い領域が互
    いに重なり合う位置に配置され、 前記光学素子の前記光応答性組成物を透過した後、発散
    していく信号光光線束のうち、前記強度変調および/ま
    たは光束密度変調を強く受けた領域の信号光光線束を分
    別して取り出す手段を有し、前記取り出す手段は、前記
    光学素子へ前記信号光を収束させて入射させる際に用い
    た収束手段の開口数よりも小さい開口数の凸レンズまた
    は凹面鏡を用いることを特徴とする光制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光制御装置において、
    前記制御光および前記信号光が前記光学素子中において
    実質的に同一光路で伝搬するように配置されていること
    を特徴とする光制御装置。
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