JP3503487B2 - 自動演奏装置および記憶媒体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ソングモードとパ
ターンモードとを備えた自動演奏装置および記憶媒体に
関する。

【０００２】

【従来の技術】ソングモードとパターンモードとを備え
た自動演奏装置は、従来より知られている。

【０００３】ソングモードとは、たとえばＳＭＦ（Stan
dard MIDI File）のフォーマットで作成されたソングデ
ータを先頭のデータから末尾のデータまで順次再生して
行くモードをいう。

【０００４】他方、パターンモードとは、複数のセクシ
ョンからなるパターンデータを、該各セクションをそれ
ぞれ指示するためのスイッチを操作することにより、適
宜セクションを切り換えながら再生して行くモードをい
う。パターンモードでは、スイッチ操作に応じてリアル
タイムにセクションを切り換えることで、アドリブ的な
演奏を行うことが可能という利点がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の自
動演奏装置では、パターンモードを備えていない他の装
置（たとえば、一般的なシーケンサソフトウェアが起動
しているパソコン）で作成したソングデータを、パター
ンデータとして再生することはできなかった。これは、
ソングデータとパターンデータとでは、データ形式が異
なるからである。

【０００６】したがって、ユーザの日頃使い慣れている
装置が、パターンモードを備えていないものである場合
には、この装置ではそもそもパターンデータ自体を作成
することができないので、ユーザは、パターンデータを
作成するために、パターンモードを備えている、他の使
い慣れていない装置を使わざるを得なかった。

【０００７】本発明は、この点に着目してなされたもの
であり、パターンモードを備えていない装置で作成した
ソングデータをパターンデータとして再生可能な自動演
奏装置および記憶媒体を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１に記載の自動演奏装置は、ソングモードと
パターンモードとを備えた自動演奏装置であって、外部
で作成され、前記ソングモードで再生されるソングデー
タのロードを指示するロード指示手段と、該ロード指示
手段によるロード指示に応じて、前記パターンモードが
選択されているか否かを判別し、その結果、前記パター
ンモードが選択されている場合には、当該ソングデータ
を前記パターンモードで再生可能なパターンデータのデ
ータ形式で自動的に登録する登録手段とを有することを
特徴とする。また、請求項５に記載の自動演奏装置は、
ソングモードとパターンモードとを備えた自動演奏装置
であって、外部で作成され、前記ソングモードで再生さ
れるソングデータのロードを指示するロード指示手段
と、該ロード指示手段によるロード指示に応じて、前記
パターンモードが選択されているか否かを判別し、その
結果、前記パターンモードが選択されている場合には、
当該ソングデータを前記パターンモードで再生可能なパ
ターンデータのデータ形式で自動的に登録する登録手段
とを有し、前記ソングデータは、複数トラック分のデー
タによって構成され、前記パターンデータは、複数トラ
ック分のデータによって構成され、前記登録手段は、前
記ロード指示手段によるロード指示に応じて、前記複数
のトラックの各データをそれぞれ別々のフレーズとして
登録した後、前記パターンデータの前記複数のトラック
に対して、前記複数のフレーズのいずれかを指し示すデ
ータを登録することにより、前記パターンデータのデー
タ形式で登録することを特徴とする。

【０００９】ここで、「外部で作成され」とは、パター
ンモードを備えていない他の装置を用いて作成した場合
のみならず、本装置のソングモードで作成し、外部記憶
装置（媒体）に保存した場合も含む趣旨である。また、
「ロード」とは、外部で作成されたソングデータを本装
置内に取り込むことを意味し、典型的には本装置内の記
憶領域（手段）に格納することをいう。さらに、「パタ
ーンデータのデータ形式」とは、ある特定の形式を意味
するものではなく、各種形式が考えられる。ただ、パタ
ーンデータのデータ形式とソングデータのデータ形式と
が異なっているので、ソングデータは、そのままではパ
ターンモードで再生できないことが前提となっているた
め、ソングデータのデータ形式をパターンモードで再生
可能なデータ形式に合わせようという趣旨である。以
下、請求項が変わっても同様。

【００１０】また、好ましくは、前記パターンデータ
は、複数個のセクションからなり、前記登録手段は、前
記複数個のセクションのうち指定されたセクションに、
前記ロードされたソングデータを登録することを特徴と
する（請求項２）。

【００１１】上記目的を達成するため、請求項３に記載
の記憶媒体は、ソングモードとパターンモードとを備え
た自動演奏モジュールを含むプログラムであって、コン
ピュータが実行可能なものを格納した記憶媒体であっ
て、前記自動演奏モジュールは、外部で作成され、前記
ソングモードで再生されるソングデータのロードを指示
するロード指示手段によるロード指示に応じて、前記パ
ターンモードが選択されているか否かを判別し、その結
果、前記パターンモードが選択されている場合には、当
該ロードされたソングデータを前記パターンモードで再
生可能なパターンデータのデータ形式で自動的に登録す
る登録モジュールを有することを特徴とする。また、請
求項６に記載の記憶媒体は、ソングモードとパターンモ
ードとを備えた自動演奏モジュールを含むプログラムで
あって、コンピュータが実行可能なものを格納した記憶
媒体であって、前記自動演奏モジュールは、外部で作成
され、前記ソングモードで再生されるソングデータのロ
ードを指示するロード指示手段によるロード指示に応じ
て、前記パターンモードが選択されているか否かを判別
し、その結果、前記パターンモードが選択されている場
合には、当該ロードされたソングデータを前記パターン
モードで再生可能なパターンデータのデータ形式で自動
的に登録する登録モジュールを有し、前記ソングデータ
は、複数トラック分のデータによって構成され、前記パ
ターンデータは、複数トラック分のデータによって構成
され、前記登録モジュールは、前記ロード指示手段によ
るロード指示に応じて、前記複数のトラックの各データ
をそれぞれ別々のフレーズとして登録した後、前記パタ
ーンデータの前記複数のトラックに対して、前記複数の
フレーズのいずれかを指し示すデータを登録することに
より、前記パターンデータのデータ形式で登録すること
を特徴とする。

【００１２】また、好ましくは、前記パターンデータ
は、複数個のセクションからなり、前記登録モジュール
は、前記複数個のセクションのうち指定されたセクショ
ンに、前記ロードされたソングデータを登録することを
特徴とする（請求項４）。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。

【００１４】図１は、本発明の一実施の形態に係る自動
演奏装置の概略構成を示すブロック図である。

【００１５】同図に示すように、本実施の形態の自動演
奏装置は、音高情報を入力するための鍵盤１と、各種情
報を入力するための複数のスイッチを備えたパネルスイ
ッチ２と、鍵盤１の各鍵の押鍵状態を検出する押鍵検出
回路３と、パネルスイッチ２の各スイッチの押下状態を
検出するスイッチ検出回路４と、装置全体の制御を司る
ＣＰＵ５と、該ＣＰＵ５が実行する制御プログラムやテ
ーブルデータ等を記憶するＲＯＭ６と、演奏データ、各
種入力情報および演算結果等を一時的に記憶するＲＡＭ
７と、タイマ割込み処理における割込み時間や各種時間
を計時するタイマ８と、各種情報等を表示する、たとえ
ば大型液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）若しくはＣＲＴ（Ca
thode Ray Tube）ディスプレイおよび発光ダイオード
（ＬＥＤ）等を備えた表示装置９と、記憶媒体であるフ
ロッピディスク（ＦＤ）２０をドライブするフロッピデ
ィスクドライブ（ＦＤＤ）１０と、前記制御プログラム
を含む各種アプリケーションプログラムや各種データ等
を記憶するハードディスク（図示せず）をドライブする
ハードディスクドライブ（ＨＤＤ）１１と、前記制御プ
ログラムを含む各種アプリケーションプログラムや各種
データ等を記憶するコンパクトディスク−リード・オン
リ・メモリ（ＣＤ−ＲＯＭ）２１をドライブするＣＤ−
ＲＯＭドライブ（ＣＤ−ＲＯＭＤ）１２と、外部からの
ＭＩＤＩ（Musical Instrument Digital Interface）信
号を入力したり、ＭＩＤＩ信号を外部に出力したりする
ＭＩＤＩインターフェース（Ｉ／Ｆ）１３と、通信ネッ
トワーク１０１を介して、たとえばサーバコンピュータ
１０２とデータの送受信を行う通信インターフェース
（Ｉ／Ｆ）１４と、鍵盤１から入力された演奏データや
予め設定された演奏データ等を楽音信号に変換する音源
回路１５と、該音源回路１５からの楽音信号に各種効果
を付与するための効果回路１６と、該効果回路１６から
の楽音信号を音響に変換する、たとえば、ＤＡＣ（Digi
tal-to-Analog Converter）やアンプ、スピーカ等のサ
ウンドシステム１７とにより構成されている。

【００１６】上記構成要素３〜１６は、バス１８を介し
て相互に接続され、ＣＰＵ５にはタイマ８が接続され、
ＭＩＤＩＩ／Ｆ１３には他のＭＩＤＩ機器１００が接続
され、通信Ｉ／Ｆ１４には通信ネットワーク１０１が接
続され、音源回路１５には効果回路１６が接続され、効
果回路１６にはサウンドシステム１７が接続されてい
る。

【００１７】ＨＤＤ１１のハードディスクには、前述の
ように、ＣＰＵ５が実行する制御プログラムも記憶で
き、ＲＯＭ６に制御プログラムが記憶されていない場合
には、このハードディスクに制御プログラムを記憶させ
ておき、それをＲＡＭ７に読み込むことにより、ＲＯＭ
６に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作を
ＣＰＵ５にさせることができる。このようにすると、制
御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行え
る。

【００１８】ＣＤ−ＲＯＭドライブ１２のＣＤ−ＲＯＭ
２１から読み出された制御プログラムや各種データは、
ＨＤＤ１１内のハードディスクにストアされる。これに
より、制御プログラムの新規インストールやバージョン
アップ等が容易に行える。なお、このＣＤ−ＲＯＭドラ
イブ１２以外にも、外部記憶装置として、光磁気ディス
ク（ＭＯ）装置等、様々な形態のメディアを利用するた
めの装置を設けるようにしてもよい。

【００１９】ＭＩＤＩＩ／Ｆ１３は、専用のものに限ら
ず、ＲＳ−２３２ＣやＵＳＢ（ユニバーサル・シリアル
・バス）、ＩＥＥＥ１３９４（アイトリプルイー１３９
４）等の汎用のインターフェースより構成してもよい。
この場合、ＭＩＤＩメッセージ以外のデータをも同時に
送受信してもよい。

【００２０】通信Ｉ／Ｆ１４は、上述のように、たとえ
ばＬＡＮ（Local Area Network）やインターネット、電
話回線等の通信ネットワーク１０１に接続されており、
該通信ネットワーク１０１を介して、サーバコンピュー
タ１０２に接続される。ＨＤＤ１１内のハードディスク
に上記各プログラムや各種パラメータが記憶されていな
い場合には、通信Ｉ／Ｆ１４は、サーバコンピュータ１
０２からプログラムやパラメータをダウンロードするた
めに用いられる。クライアントとなるコンピュータ（本
実施の形態では、自動演奏装置）は、通信Ｉ／Ｆ１４お
よび通信ネットワーク１０１を介してサーバコンピュー
タ１０２へとプログラムやパラメータのダウンロードを
要求するコマンドを送信する。サーバコンピュータ１０
２は、このコマンドを受け、要求されたプログラムやパ
ラメータを、通信ネットワーク１０１を介してコンピュ
ータへと配信し、コンピュータが通信Ｉ／Ｆ１４を介し
て、これらプログラムやパラメータを受信してＨＤＤ１
１内のハードディスクに蓄積することにより、ダウンロ
ードが完了する。

【００２１】この他、外部コンピュータ等との間で直接
データのやりとりを行うためのインターフェースを備え
てもよい。

【００２２】図２は、本実施の形態の自動演奏装置のパ
ネル面の構成を示す図であり、パネル面は、パネルスイ
ッチ２および表示装置９によって構成されている。同図
には、パネルスイッチ２を構成する各種スイッチのう
ち、１６セクション（Ａ〜Ｐセクション）からなるパタ
ーンデータの各セクションをそれぞれ指定するための１
６個のセクションスイッチ２ａと、たとえば前記ＦＤ２
０等の外部記憶媒体に記憶されているソングデータやパ
ターンデータのロードを指示するロードスイッチ２ｂ
と、表示装置９を構成するディスプレイ部９ａとが図示
されている。もちろん、パネルスイッチ２には、セクシ
ョンスイッチ２ａやロードスイッチ２ｂの他にも、たと
えばディスプレイ部９に表示される各種情報を指定する
ためのカーソルを移動させるカーソル移動スイッチ等が
設けられているが、本発明を説明する上で必須の構成要
素ではないので図示を省略している。

【００２３】図３は、パターンデータのデータ形式を説
明するための図であり、パターン１のセクションＢに
は、ソングデータがパターンデータとしてロードされて
登録（以下、「パターンモードでロード」という）され
ている。なお、ソングデータをパターンモードでロード
する方法は、図４を用いて後述する。

【００２４】図３において、プリセットフレーズデータ
領域３１は、複数個（Ｍ個）のプリセットフレーズデー
タを記憶するための領域であり、この領域３１には、た
とえば工場設定により各種のプリセットフレーズデータ
が予め記憶されている。ユーザフレーズデータ領域３２
は、複数個（Ｎ個）のユーザフレーズデータを記憶する
ための領域であり、この領域３２には、ユーザが、本実
施の形態の自動演奏装置を用いて作成したユーザフレー
ズデータや、他の装置を用いて作成したユーザフレーズ
データが（ロードされて）記憶される。このように、プ
リセットフレーズデータ領域３１は、必ずしも書き換え
可能に構成する必要はないため、前記ＲＯＭ６上に設け
ることもできるが、ユーザフレーズデータ領域３２は、
必ず書き換え可能に構成する必要があるため、前記ＲＡ
Ｍ７上に設ける必要がある。

【００２５】ここで、プリセットフレーズデータおよび
ユーザフレーズデータは、ともに、当該フレーズの楽音
の音色を示す音色データと、楽音の発音／消音を指示す
るためのキーオン／オフイベントデータおよびキーオン
／オフイベントデータの発生タイミングを示すタイミン
グデータからなるシーケンスデータ列とにより、主とし
て構成されている。そして、キーオンイベントデータ
は、当該楽音の音高を示すノートデータと、前記音源回
路１５に対してその発音指示を行うキーオンデータと、
当該楽音のベロシティを示すベロシティデータとによっ
て構成されている。キーオフイベントデータも、キーオ
ンイベントデータと同様に、当該楽音の音高を示すノー
トデータと、音源回路１５に対してその消音指示を行う
キーオフデータと、当該楽音のベロシティを示すベロシ
ティデータとによって構成されている。しかし、消音す
るときには、ベロシティデータは必ずしも必要でないた
め、キーオフイベントデータは、ベロシティデータを省
略した構成にしてもよい。

【００２６】各パターンは、それぞれ、１６トラックか
らなるセクションが全１６セクション集まって構成され
ている。各トラック（領域）には、当該トラックに設定
されるプリセットフレーズまたはユーザフレーズに対応
するプリセットフレーズデータまたはユーザフレーズデ
ータの位置を示すポインタが記憶される。すなわち、パ
ターンデータは、複数のセクションからなり、各セクシ
ョンは複数個のポインタからなるというデータ形式を備
えている。ここで、ポインタとは、本実施の形態では、
当該トラック自体がポインタの機能を備えているという
意味ではなく、ＣＰＵ５が当該トラックをポインタとし
て使用するという意味である。したがって、各トラック
には、現在読み出し中の（または次に読み出すべき）デ
ータの位置を示す数値データが記憶されるのみである。
すなわち、ＣＰＵ５が各トラックに作用（インクリメン
トまたはデクリメント）することにより、各トラックは
ポインタとして機能する。

【００２７】なお、プリセットフレーズまたはユーザフ
レーズが設定されない空のトラックを設けるようにして
もよい。

【００２８】一方、ソングデータは、前述したプリセッ
トフレーズデータまたはユーザフレーズデータのデータ
形式と同様のデータ形式を備えている。したがって、本
発明では、ソングデータをパターンデータとして再生す
るために、ソングデータのデータ形式を上述のパターン
データのデータ形式に合わせている。すなわち、ソング
データをパターンモードでロードするとは、複数のトラ
ックからなるソングデータを、該各トラック毎に前記ユ
ーザフレーズデータ領域３２にロードし、ユーザが当該
ソングデータを割り当てたいセクションの各トラック
に、該各トラックに設定されるべきユーザフレーズに対
応するユーザフレーズデータを示すポインタを記憶する
ことをいう。

【００２９】たとえば図３においては、ロードしたソン
グデータにおける複数のトラックのデータは、ユーザフ
レーズデータ領域３２の「ユーザフレーズ２」、「ユー
ザフレーズ３」…として登録されるとともに、パターン
１のセクションＢにおけるトラック１には「ユーザフレ
ーズ２」へのポインタ、トラック２には「ユーザフレー
ズ３」へのポインタ、…がそれぞれ登録されることによ
り、ソングデータがパターンデータの形式でロードされ
ている。

【００３０】以上のように構成された自動演奏装置が実
行する制御処理を、以下、１）ソングデータロード処
理、２）パターンモード時の再生処理の順に説明する。

【００３１】図４は、本実施の形態の自動演奏装置、特
にＣＰＵ５が実行するソングデータロード処理の手順を
示すフローチャートである。このソングデータロード処
理は、ソングデータをロードするためにユーザが、たと
えば前記ＦＤ２０等の外部記憶媒体に記憶されているソ
ングデータのファイルを選択し、前記ロードスイッチ２
ｂを押したときに、起動される。

【００３２】図４において、まず、ユーザが選択してい
るモードがパターンモードであるか否かを判別する（ス
テップＳ１）。この判別は、ロードスイッチ２ｂを押し
たときに設定されているモードが、ソングモードである
か、または、パターンモードであるかによって行う。す
なわち、ユーザはソングモードとパターンモードの何れ
かを予め選択した状態でロードスイッチ２ｂを操作す
る。

【００３３】ステップＳ１で、パターンモードでなくソ
ングモードが選択されているときには、ソングモードで
のロード処理を行った（ステップＳ２）後に、本ソング
データロード処理を終了する一方、パターンモードが選
択されているときには、ステップＳ３〜Ｓ５で、パター
ンモードでのソングデータのロード処理を行った後に、
本ソングデータロード処理を終了する。なお、ソングモ
ードでのロード処理は、周知の技術であるため、その説
明を省略する。また、パターンモードが選択された状態
で、ロードスイッチ２ｂを押すときには、ユーザは、い
ずれかのパターンと、そのパターンにおけるいずれかの
セクションを選択しているものとする。

【００３４】ステップＳ３では、ソングデータを構成す
る１６個のトラック（トラック１〜１６）にそれぞれ対
応する演奏データを、ユーザフレーズデータ領域３２の
空き領域のうち、領域番号が小さい方から確保された１
６個分の領域にそれぞれ書き込む。たとえば、ユーザフ
レーズデータ領域３２中、領域番号１，２および５の領
域に既にユーザフレーズデータが格納されているときに
は、上記１６トラックの演奏データは、それぞれ領域番
号３，４，６〜１９の１６領域にそれぞれ書き込まれ
る。

【００３５】なお、ソングデータとしては、本実施の形
態では簡単のため、各チャンネルの演奏データがトラッ
ク毎に分離されたデータ形式を備えているものを想定し
ている。もちろん、これに限る必要はなく、１トラック
に複数チャンネルのデータが混在したデータ形式を備え
たものであってもよい。この場合には、ステップＳ３の
書き込み処理では、各チャンネル毎に演奏データを分離
した後に、ユーザフレーズデータ領域３２の対応する空
きトラックに書き込む必要がある。この技術も周知であ
るため、その詳細な説明は省略する。

【００３６】ステップＳ４では、このようにして書き込
んだ各ユーザフレーズデータにそれぞれ所定の名前を付
与する。各ユーザフレーズデータに付与される名称の具
体例としては、「ＵＳＥＲ＋領域番号」や、「ソングフ
ァイル名＋トラック番号」等を挙げることができる。こ
れにより、前者の場合は、たとえば書込まれるユーザフ
レーズ領域番号が３，４のときには「ＵＳＥＲ３」，
「ＵＳＥＲ４」というユーザフレーズ名称となる。また
後者の場合は、たとえばロードされるソングデータのフ
ァイル名が「ＤＡＮＣＥ」であり、書込まれるトラック
番号が１，２のときは「ＤＡＮＣＥ１」，「ＤＡＮＣＥ
２」というユーザフレーズ名称となる。もちろん、これ
ら以外の名称の付け方でもよい。たとえば、ユーザから
の名称入力を受け付けるようにしてもよい。

【００３７】ステップＳ５では、現在選択されているパ
ターンの、現在選択されているセクションにおける１６
個のトラック（トラック１〜１６）に上記書き込んだ１
６個のユーザフレーズデータの位置を示すポインタを書
き込む。

【００３８】なお、本ソングデータロード処理は、メイ
ンルーチンの一部を構成するものであり、ＣＰＵ５は、
このソングデータロード処理以外の処理を行うが、本発
明を説明する上で必須の処理ではないため、図示を省略
するとともにその説明も省略している。

【００３９】このように、ソングデータをパターンモー
ドでロードできるようにしたので、ユーザが使い慣れた
装置がソングデータのみ作成可能なものであるとして
も、パターンデータを作成することができ、したがっ
て、パターンデータの作成を容易にすることができる。

【００４０】なお、本実施の形態では、ロードされるソ
ングデータは、１つに限定して説明したが、これに限ら
ず、ロードされるソングデータを複数個用意しておき、
上述のようにして１つのソングデータをパターンモード
でロードし終えたときには、ロード先の新たなセクショ
ンを選択し直し、該セクションに新たに選択したソング
データをパターンモードでロードすることにより、１つ
のパターンの中で複数のソングデータを登録するように
してもよい。

【００４１】また、ソングデータをパターンモードでロ
ードした後に、一部のトラックをエディットする（具体
的には、当該トラックに設定されているソングデータを
他のユーザフレーズデータやプリセットフレーズデータ
に差し替える等）ようにしてもよい。

【００４２】さらに、各セクションに設定されるデータ
（フレーズデータ）のデータ長は、特に言及していない
が、典型的には１〜数小節であるが、これに限る必要は
なく、通常曲１曲分のように長くてもよい。また、セク
ション毎に、データ長や拍子が異なっていてもよい。

【００４３】なお、ロードすべきソングデータのトラッ
ク数がセクションのトラック数よりも多い場合には、ど
のトラックのデータをロードするかを選択できるように
してもよいし、自動的に決定（たとえば、トラック番号
の若い方から順次ロード）するようにしてもよい。

【００４４】また、ソングデータをロードすることによ
って生成されたパターンデータ、フレーズデータは、そ
のまま本体のメモリ（ＲＡＭ７）内に保存しておいても
よいし、いずれかの外部記憶装置に保存させるようにし
てもよい。

【００４５】さらに、フレーズデータ（ソングデータ）
は、音量制御、ピッチ制御、効果制御、音色制御、テン
ポ制御等の各種制御データを含むような構成にしてもよ
い。

【００４６】また、ロードしたときの各種データのフォ
ーマットは、例示したものに限る必要はないことはいう
までもない。たとえば、各セクションデータ内に実演奏
データを記憶するようにしてもよい。

【００４７】また、ソングデータをロードするときに、
演奏データの前または後に空白小節が存在する場合に
は、その空白小節を削除した上でロードするようにして
もよい。さらに、ソングデータをロードするときに、本
実施の形態では、ロード先のパターンやセクションは、
ロードモードに入る前に選択されていたパターンおよび
セクションであるとしたが、これに限らず、ロードモー
ドに入った後にパターンおよびセクションを選択できる
ようにしてもよい。

【００４８】また、ソングデータの一部区間のみをロー
ドできるようにしてもよい。このとき、たとえば、ロー
ド前または後に区間を設定できるようにすればよい。

【００４９】さらに、ソングデータは、本実施の形態の
ように、「ノートデータ＋タイミングデータ」の形式
の、いわゆる演奏データに限らず、たとえば音声波形デ
ータであってもよい。

【００５０】次に、パターンモード時の再生処理を説明
する。なお、本再生処理は本発明の特徴ではないため、
概要のみ説明する。

【００５１】１）ユーザが前記各種パターンの中からい
ずれかを選択すると、ＣＰＵ５は、そのパターンを構成
する１６個のセクション（Ａ〜Ｐセクション）を、それ
ぞれ前記１６個のセクションスイッチ（Ａ〜Ｐセクショ
ンスイッチ）２ａに割り当てる。

【００５２】２）ユーザが必要に応じてテンポを設定し
た後に、最初に演奏（再生）させたいセクションに対応
するセクションスイッチ２ａを押し、図示しない再生ス
タートスイッチを押すと、当該スイッチに割り当てられ
たセクションの各トラックに設定されているフレーズデ
ータ（プリセットフレーズデータまたはユーザフレーズ
データ）が１６トラック同時に再生される。具体的に
は、ＣＰＵ５は、各トラックに書き込まれたポインタ値
を１ずつインクリメントしながら、対応フレーズデータ
の対応イベントデータを読み出し、そのイベントデータ
に応じた再生処理を実行する。この再生処理は、周知で
あるため、その説明を省略する。ただし、選択されたパ
ターンによっては、１６セクションすべてにデータが存
在しないことがあり、この空のセクションに割り当てら
れたセクションスイッチ２ａをユーザが押した場合に
は、当該セクションに対応する再生処理は行わない。し
たがって、空のセクションに対応するセクションスイッ
チ２ａを押したときに、既に他のセクションに対応する
再生処理を行っている場合には、当該再生処理から新た
な再生処理に切り替わらない。または、次に空ではない
セクションに対応するセクションスイッチ２ａが押され
るまで、無音状態となるようにようしてもよい。

【００５３】３）当該フレーズデータの末尾のデータの
読み出しが終了すると、当該フレーズデータの先頭に戻
って、上記２）の再生を繰り返す。

【００５４】４）たとえば、前記鍵盤１による演奏（ま
たは、ソングモードでのソングデータによる自動演奏）
を行っているときに、任意のタイミングで、演奏させた
いいずれかのセクションに対応するセクションスイッチ
２ａを押すと、ＣＰＵ５は、直ちに、またはスイッチ操
作後の小節線や拍等の所定のタイミングで、当該セクシ
ョンの再生に切り換える。このように、セクションスイ
ッチ２ａを押して行くと、対応するセクションがリアル
タイムに切り替わり再生されて行くので、アドリブ的な
パターン演奏を行うことができる。

【００５５】５）演奏を終了させたい場合には、ユーザ
が図示しない再生ストップスイッチを押すことにより、
パターンの再生が終了する。

【００５６】なお、上記４）の処理で、１つのパターン
における複数のセクションに対して、「イントロ」「メ
インＡ」、「メインＢ」、「フィルイン」、「エンディ
ング」等の名称を付し、イントロセクションについて
は、そのセクションの再生が末尾まで到達したときには
自動的にメインＡセクションへと移行させ、エンディン
グセクションについては、そのセクションの再生が末尾
まで到達したときには自動的に再生を終了させる等の自
動状態推移機能を備えさせるようにしてもよい。

【００５７】また、上述した実施の形態の機能を実現す
るソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体
を、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは
装置のコンピュータ（またはＣＰＵ５やＭＰＵ）が記憶
媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行するこ
とによっても、本発明の目的が達成されることは云うま
でもない。

【００５８】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することに
なり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発
明を構成することになる。

【００５９】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、たとえば、前記フロッピーディスク２０、
ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ＣＤ−
ＲＯＭ２１、ＣＤ−Ｒ、磁気テープ、不揮発性のメモリ
カード、ＲＯＭ６などを用いることができる。また、他
のＭＩＤＩ機器１００や通信ネットワーク１０１を介し
てサーバコンピュータ１０２からプログラムコードが供
給されるようにしてもよい。

【００６０】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、上述した実施の形態の機
能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指
示に基づき、コンピュータ上で稼働しているＯＳなどが
実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって
上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる
ことは云うまでもない。

【００６１】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るＣＰＵ５などが実際の処理の一部または全部を行い、
その処理によって上述した実施の形態の機能が実現され
る場合も含まれることは云うまでもない。

【００６２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
外部で作成され、ソングモードで再生されるソングデー
タのロードを指示するロード指示手段によるロード指示
に応じて、前記パターンモードが選択されているか否か
を判別し、その結果、前記パターンモードが選択されて
いる場合には、当該ロードされたソングデータがパター
ンモードで再生可能なパターンデータのデータ形式で登
録されるので、ユーザが使い慣れた装置がソングデータ
のみ作成可能なものであるとしても、パターンデータを
作成することができ、したがって、パターンデータの作
成を容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係る自動演奏装置の概
略構成を示すブロック図である。

【図２】図１の自動演奏装置のパネル面の構成を示す図
である。

【図３】パターンデータのデータ形式を説明するための
図である。

【図４】図１の自動演奏装置、特にＣＰＵが実行するソ
ングデータロード処理の手順を示すフローチャートであ
る。

【符号の説明】

２ｂ ロードスイッチ（ロード指示手段） ５ ＣＰＵ（登録手段）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平７−199929（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−223796（ＪＰ，Ａ) 特開2000−10557（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G10H 1/00 - 7/12

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ソングモードとパターンモードとを備え
   た自動演奏装置であって、 外部で作成され、前記ソングモードで再生されるソング
   データのロードを指示するロード指示手段と、該ロード指示手段によるロード指示に応じて、前記パタ
   ーンモードが選択されているか否かを判別し、その結
   果、前記パターンモードが選択されている場合には、当
   該 ソングデータを前記パターンモードで再生可能なパタ
   ーンデータのデータ形式で自動的に登録する登録手段と
   を有することを特徴とする自動演奏装置。
2. 【請求項２】 前記パターンデータは、複数個のセクシ
   ョンからなり、 前記登録手段は、前記複数個のセクションのうち指定さ
   れたセクションに、前記ロードされたソングデータを登
   録することを特徴とする請求項１に記載の自動演奏装
   置。
3. 【請求項３】 ソングモードとパターンモードとを備え
   た自動演奏モジュールを含むプログラムであって、コン
   ピュータが実行可能なものを格納した記憶媒体であっ
   て、 前記自動演奏モジュールは、 外部で作成され、前記ソングモードで再生されるソング
   データのロードを指示するロード指示手段によるロード
   指示に応じて、前記パターンモードが選択されているか
   否かを判別し、その結果、前記パターンモードが選択さ
   れている場合には、当該ロードされたソングデータを前
   記パターンモードで再生可能なパターンデータのデータ
   形式で自動的に登録する登録モジュールを有することを
   特徴とする記憶媒体。
4. 【請求項４】 前記パターンデータは、複数個のセクシ
   ョンからなり、 前記登録モジュールは、前記複数個のセクションのうち
   指定されたセクションに、前記ロードされたソングデー
   タを登録することを特徴とする請求項３に記載の記憶媒
   体。
5. 【請求項５】 ソングモードとパターンモードとを備え
   た自動演奏装置であ って、 外部で作成され、前記ソングモードで再生されるソング
   データのロードを指示するロード指示手段と、 該ロード指示手段によるロード指示に応じて、前記パタ
   ーンモードが選択されているか否かを判別し、その結
   果、前記パターンモードが選択されている場合には、当
   該ソングデータを前記パターンモードで再生可能なパタ
   ーンデータのデータ形式で自動的に登録する登録手段と
   を有し、 前記ソングデータは、複数トラック分のデータによって
   構成され、 前記パターンデータは、複数トラック分のデータによっ
   て構成され、 前記登録手段は、前記ロード指示手段によるロード指示
   に応じて、前記複数のトラックの各データをそれぞれ別
   々のフレーズとして登録した後、前記パターンデータの
   前記複数のトラックに対して、前記複数のフレーズのい
   ずれかを指し示すデータを登録することにより、前記パ
   ターンデータのデータ形式で登録することを特徴とする
   自動演奏装置。
6. 【請求項６】 ソングモードとパターンモードとを備え
   た自動演奏モジュールを含むプログラムであって、コン
   ピュータが実行可能なものを格納した記憶媒体であっ
   て、 前記自動演奏モジュールは、 外部で作成され、前記ソングモードで再生されるソング
   データのロードを指示するロード指示手段によるロード
   指示に応じて、前記パターンモードが選択されているか
   否かを判別し、その結果、前記パターンモードが選択さ
   れている場合には、当該ロードされたソングデータを前
   記パターンモードで再生可能なパターンデータのデータ
   形式で自動的に登録する登録モジュールを有し、 前記ソングデータは、複数トラック分のデータによって
   構成され、 前記パターンデータは、複数トラック分のデータによっ
   て構成され、 前記登録モジュールは、前記ロード指示手段によるロー
   ド指示に応じて、前記複数のトラックの各データをそれ
   ぞれ別々のフレーズとして登録した後、前記パ ターンデ
   ータの前記複数のトラックに対して、前記複数のフレー
   ズのいずれかを指し示すデータを登録することにより、
   前記パターンデータのデータ形式で登録することを特徴
   とする記憶媒体。