JP3502962B2 - ブロック共重合体オリゴマー、その製造法及び防汚加工剤及び繊維製品 - Google Patents

ブロック共重合体オリゴマー、その製造法及び防汚加工剤及び繊維製品

Info

Publication number
JP3502962B2
JP3502962B2 JP33555695A JP33555695A JP3502962B2 JP 3502962 B2 JP3502962 B2 JP 3502962B2 JP 33555695 A JP33555695 A JP 33555695A JP 33555695 A JP33555695 A JP 33555695A JP 3502962 B2 JP3502962 B2 JP 3502962B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
block copolymer
hydrophilic
hydrophobic
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33555695A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09176961A (ja
Inventor
俊夫 綿貫
博之 三浦
裕 辻本
静男 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shikibo Ltd
Wakayama Prefecture
Original Assignee
Shikibo Ltd
Wakayama Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shikibo Ltd, Wakayama Prefecture filed Critical Shikibo Ltd
Priority to JP33555695A priority Critical patent/JP3502962B2/ja
Publication of JPH09176961A publication Critical patent/JPH09176961A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3502962B2 publication Critical patent/JP3502962B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な親水性−疎
水性−繊維反応性ブロック共重合体オリゴマーおよびそ
の製造法及び防汚加工剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ブロック共重合体オリゴマーを得
る方法として、縮合による方法、アニオン重合、リビン
グカチオン重合がある(大津隆行著、「化学モノグラフ
15改訂 高分子合成の化学」、化学同人・京都)。し
かし高分子の縮合は完全に反応させることは困難であ
り、またアニオン、カチオン重合は、重合系より水を完
全に除去しなければならない、そして低温で重合しなけ
ればならず、重合操作は困難である。さらに、モノマー
はアニオン、カチオン重合可能なモノマーに限定され
る。
【0003】またラジカル開始剤を用いるブロック共重
合体オリゴマー製造法としてマクロアゾ開始剤(上田
明、海外高分子研究、41巻、68ページ(199
5))、ポリ過酸化物開始剤(山本隆ら、日本化学会
誌、1992巻(11号)、1269ページ(199
2))を用いる方法がある。前者は再結合が問題であ
り、後者は水素引き抜き等の連鎖移動が起こり易く、効
率は悪い。またこれらラジカル開始剤による方法は分子
量を制御することは難しい。
【0004】繊維の防汚加工剤として、下記の親水成分
−疎水成分を含むポリマーが報告されている。
【0005】
【化1】
【0006】(P.O.Sherman et al.,Text.Res.J.,Vol.3
9,449(1969))
【0007】
【化2】
【0008】(ランダム共重合体オリゴマー x:y=
2:1) (A.G.Pittman et al.,Text.Chemist Color.,Vol.3,175
(1971))
【0009】
【化3】
【0010】(B.M.Latta et al.,Text.Res.J.,Vol.51,5
79(1981))上記の化合物は、いずれも合成が困難であ
り、セルロース繊維への接着性が乏しい欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】高分子の縮合によるブ
ロック共重合の合成は、完全に反応させることは困難で
ある。そしてアニオン重合、リビングカチオン重合によ
るブロック共重合体オリゴマーの合成は、モノマーはア
ニオン、カチオン重合可能な少数のモノマーに限られ
る。またアニオン、カチオン重合は、重合系より完全に
水を除去しなければならず、そして重合は低温で行わな
ければならず、重合操作は困難である(大津隆行著、
「化学モノグラフ15 改訂 高分子合成の化学」、化
学同人・京都)。
【0012】またブロック共重合体オリゴマー製造法と
してマクロアゾ開始剤(上田明、海外高分子研究、41
巻、68ページ(1995))は、ラジカル重合であ
り、適応モノマーも多く、重合操作も、ラジカル重合は
水系も可能であり、容易であるが、再結合が起こり易
く、効率は悪い。また分子量の制御は難しい。ラジカル
開始剤のポリ過酸化物開始剤(山本隆ら、日本化学会
誌、1992巻(11号)、1269ページ(199
2))は水素引き抜き等の連鎖移動が起こり易く、効率
が悪い。そして分子量の制御は難しい。
【0013】従来の防汚加工剤はセルロース繊維への接
着性が乏しい。これの改良はN−メチロールアクリルア
ミド成分をポリマー中に入れることにより、酸触媒でセ
ルロースと反応させることができる。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記のブロッ
ク共重合体オリゴマー、その製造法及び防汚加工剤及び
繊維製品を提供するものである。
【0015】項1. 重合開始剤、親水性モノマー、疎
水性モノマーおよび繊維反応性モノマーを光照射下に重
合させることを特徴とする親水性−疎水性−繊維反応性
3元系ブロック共重合体オリゴマーの製造法。
【0016】項2. 重合開始剤、疎水性モノマーおよ
び繊維反応性モノマーを光照射下に重合させることを特
徴とする疎水性−繊維反応性2元系ブロック共重合体オ
リゴマーの製造法。
【0017】項3. (1)重合開始剤が、テトラエチ
ルチウラムジスルフィド、(2)親水性モノマーが、低
級アルコキシエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、低級アルコキシプロピレングリコール(メタ)アク
リレート、メタクリル酸、メタクリル酸塩、アクリル
酸、アクリル酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1
種、(3)疎水性モノマーが、パーフルオロアルキル
(メタ)アクリレート、(4)繊維反応性モノマーが、
N−メチロール(メタ)アクリルアミドである項1に記
載の製造法。
【0018】項4. 項1または3に記載の方法により
得た親水性−疎水性−繊維反応性ブロック共重合体オリ
ゴマーを連鎖移動剤の存在下に光照射処理、酸の存在下
での加熱処理及びアミンとの処理からなる群から選ばれ
るいずれかの処理を行うことにより末端のジエチルジチ
オカルバメート基を脱離させることを特徴とする親水性
−疎水性−繊維反応性ブロック共重合体オリゴマーの製
造法。
【0019】項5. 親水性ブロック、疎水性ブロック
及び繊維反応性ブロックを有し、数平均分子量が600
〜10,000である3元系ブロック共重合体オリゴマ
ー。
【0020】項6. 末端にジエチルジチオカルバメー
ト基を含む請求項5に記載の3元系ブロック共重合体オ
リゴマー。
【0021】項7. (1)親水性モノマーが、低級ア
ルコキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、低
級アルコキシプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メタクリル酸、メタクリル酸塩、アクリル酸、アク
リル酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、
(2)疎水性モノマーが、パーフルオロアルキル(メ
タ)アクリレート、(3)繊維反応性モノマーが、N−
メチロール(メタ)アクリルアミドである項5または6
に記載の3元系ブロック共重合体オリゴマー。
【0022】項8. 疎水性ブロック及び親水性繊維反
応性ブロックを有し、数平均分子量が600〜10,0
00である疎水性−親水性繊維反応性2元系ブロック共
重合体オリゴマー。
【0023】項9. 項5〜7のいずれかに記載の親水
性−疎水性−繊維反応性ブロック共重合体オリゴマーを
必須成分とする防汚加工剤。
【0024】項10. 項8に記載の疎水性−親水性繊
維反応性2元系ブロック共重合体オリゴマーを必須成分
とする防汚加工剤。
【0025】項11. 項9または10に記載の防汚加
工剤で加工処理してなる繊維製品。
【0026】さらに本発明は、以下の製造法を提供する
ものである。
【0027】項A. (i)親水性(又は疎水性)モノマ
ーを重合開始剤の存在下に重合する工程、(ii)得られた
親水性(又は疎水性)ブロックと繊維反応性モノマーを
光照射下に重合させる工程、(iii)得られた親水性(又
は疎水性)−繊維反応性ブロック共重合体オリゴマーと
疎水性(又は親水性)モノマーを光照射下に重合させる
工程を含む親水性−疎水性−繊維反応性3元系ブロック
共重合体オリゴマーの製造法。
【0028】項B. (i)親水性(又は疎水性)モノマ
ーを重合開始剤の存在下に重合する工程、(ii)得られた
親水性(又は疎水性)ブロックと疎水性(又は親水性)
モノマーを光照射下に重合させる工程、(iii)得られた
親水性−疎水性ブロック共重合体オリゴマーと繊維反応
性モノマーを光照射下に重合させる工程を含む親水性−
疎水性−繊維反応性3元系ブロック共重合体オリゴマー
の製造法。
【0029】
【発明の実施の態様】本発明の2元系ブロック共重合体
オリゴマーは、繊維反応性モノマーが親水性である場
合、繊維反応性ブロックが親水性ブロックを兼ねること
ができるため、3元系ブロック共重合体オリゴマーと同
様な防汚効果を発揮する。
【0030】本発明のブロック共重合体は、親水性ブロ
ック、疎水性ブロック、繊維反応性ブロックが分離され
ていることが重要であり、モノマ−(親水性、疎水性、
繊維反応性)がランダムに結合した共重合体は防汚効果
が弱く、本発明には含まれない。
【0031】本発明の「ブロック」とは、親水性、疎水
性または繊維反応性モノマーがランダムに結合していな
いことを示すものであり、例えば1つの共重合体中に親
水性モノマーが1分子しか含まれない場合、親水性ブロ
ックはこの1分子の親水性モノマーからなる。同様に、
疎水性ブロック、繊維反応性ブロックは、1分子以上の
対応するモノマーからなる。
【0032】本発明の「オリゴマー」とは、本発明の対
象となるブロック共重合体が数平均分子量1万以下のも
のを対象としていることを意味している。従って、モノ
マーの分子量が大きい場合にはモノマーの数の上限は小
さくなり、モノマーの分子量が小さい場合にはモノマー
の数の上限は大きくなる。
【0033】本発明の製造法で用いる重合開始剤は、ブ
ロック共重合体を製造するために、2または3のブロッ
クを段階的に結合するために、反応の開始と停止を制御
できるものが好ましい。このような開始剤としては、下
記に構造が示されるテトラエチルチウラムジスルフィド
(TD)及びPAT、TPSN、TMPSN、PPEお
よびBDC
【0034】
【化4】
【0035】等が挙げられ、好ましくはテトラエチルチ
ウラムジスルフィド(TD)が挙げられる。
【0036】親水性モノマーとしては、メトキシエチレ
ングリコール1000メタクリレート、ポリエチレング
リコールモノメタクリレート(日本油脂製ブレンマーP
E)、メトキシエチレングリコール400アクリレート
などの(メタ)アクリル酸と末端に炭素数1〜4のアル
コキシ基を有する(ポリ)エチレングリコールまたはポ
リプロピレングリコールのエステル、メタクリル酸また
はその塩、アクリル酸またはその塩等が挙げられる。炭
素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキ
シ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、
イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ
などのアルコキシ基が挙げられる。(メタ)アクリル酸
の塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの
アルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどのアル
カリ土類金属塩が挙げられる。
【0037】疎水性モノマーとしては、パーフロロオク
チルエチルメタクリレート、パーフロロオクチルエチル
アクリレートなどのパーフロロアルキルエチル(メタ)
アクリレート;パーフロロオクチルメタクリレート、パ
ーフロロノニルメタクリレート、パーフロロデシルメタ
クリレートなどのパーフルオロアルキル(メタ)アクリ
レート;パーフロロオクチルメチルメタクリレートなど
のパーフロロアルキルメチル(メタ)アクリレート;な
どの炭素数3〜22(好ましくは3〜18、より好まし
くは4〜16、更に好ましくは6〜12)のアルキル基
の過半数の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数6
〜25(好ましくは6〜21、より好ましくは7〜1
9、更に好ましくは9〜15)のフッ素化アルキル(メ
タ)アクリレートが挙げられる。
【0038】繊維反応性モノマーとしては、N−メチロ
ール基及び反応性の二重結合を有するモノマーが挙げら
れ、具体的には、N−メチロールアクリルアミド、N−
メチロールメタクリルアミドなどの親水性の繊維反応性
モノマーが挙げられ、好ましくはN−メチロールアクリ
ルアミドが挙げられる。本発明の繊維反応性モノマー
は、セルロース繊維の水酸基と反応して共有結合を形成
するが、ポリエステル等の水酸基を有しない繊維とは反
応しないが、繊維反応性ブロックを組み込むことで、こ
れら繊維に対しても強く付着する。なお、本明細書で
は、親水性の繊維反応性モノマーを「親水性繊維反応性
モノマー」と記載することがあり、このようなモノマー
として、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロー
ルメタクリルアミドが挙げられる。
【0039】本発明の3元系ブロック共重合体オリゴマ
ーで処理される繊維としては、木綿、麻等の天然セルロ
ース、レーヨン等の再生セルロース、又はこれらの混紡
品であるセルロース繊維、ポリエステル、ナイロン、ア
クリルが挙げられ、好ましくはセルロース繊維、ポリエ
ステルが挙げられる。該繊維は、一次加工品、例えば
糸、ニット、織物、編物、不織布等の形態で本発明の3
元系ブロック共重合体オリゴマーを必須成分とする防汚
加工剤で処理される。
【0040】本発明繊維製品とは、例えば上記のセルロ
ース繊維ないしポリエステル製の衣料、寝装品、インテ
リア等の製品を意味する。
【0041】該防汚加工剤の使用量は、繊維の種類等に
より異なり特に限定されないが、通常、必須成分である
ブロック共重合体が、加工に供される原布ないし未加工
布の0.1〜3重量%程度用いられる。
【0042】本発明の3元系ブロック共重合体オリゴマ
ーは、親水性モノマー、疎水性モノマーおよび繊維反応
性モノマーが各々1分子以上あればよい。該オリゴマー
は、好ましくは、親水性と疎水性が同程度であるものが
防汚性向上の観点から好ましい。親水性と疎水性の判断
基準として、例えば親水性モノマーとしてメトキシエチ
レングリコール1000メタクリレートを1分子、疎水
性モノマーとしてパーフルオロオクチルメチルメタクリ
レートを1分子からなるブロック共重合体はやや疎水性
が高く、該2分子に更に繊維反応性モノマーとして親水
性のN−メチロールアクリルアミド1分子を加えると、
該3分子からなる3元系ブロック共重合体オリゴマーは
親水性と疎水性のバランスがとれたものとなり、防汚性
も高くなる。該共重合体オリゴマーの数平均分子量は、
600〜10000程度、好ましくは1000〜600
0程度、より好ましくは1500〜3000程度であ
る。
【0043】親水性−疎水性−繊維反応性ブロック共重
合体オリゴマー及び疎水性−親水性繊維反応性ブロック
共重合体オリゴマーの合成は、例えばテトラヒドロフラ
ン(THF)、ジオキサン、あるいはこれらの水混合溶
媒にて合成される。
【0044】メトキシエチレングリコール1000メタ
クリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト(日本油脂製ブレンマーPE)が、好ましい親水性ポ
リマーとして例示される。
【0045】重合開始剤として、テトラエチルチウラム
ジスルフィドを用いる場合、該ジスルフィドの分解は熱
及び光(紫外線)で行い、モノマーへ付加させる。この
熱反応は60℃〜100℃程度の反応温度で行い、光反
応は室温で行うことができる。ジエチルジチオカルバメ
ート基の分解には光(紫外線)を用いて行い、そして第
2成分のモノマーを付加させて、更に該工程を繰り返し
第3成分のモノマーを付加させて3元系ブロック共重合
体オリゴマーを合成する。2元系ブロック共重合体オリ
ゴマーは、第3成分を付加させる工程を省略すればよ
い。該共重合体オリゴマーは、通常オリゴマーとして得
られる。この光反応も室温で行うことができる。
【0046】この3元系ブロック共重合体オリゴマー末
端のジエチルジチオカルバメート基の脱離は連鎖移動剤
の存在下で光を照射する方法、酸の存在下で加熱する方
法、或いはアミンと反応させる方法により行うことがで
きる。連鎖移動剤としては、チオグリコール酸2−エチ
ルヘキシル等のチオール類、イソプロパノール等のアル
コール類、アミン類、フェノール類などが用いられる。
酸としては、塩化マグネシウム、塩酸、硫酸、リン酸、
臭化水素酸などの無機酸、p−トルエンスルホン酸、メ
タンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸
が挙げられる。アミンとしては、メチルアミン、エチル
アミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、アニリン等の芳香族又は脂肪族の1級または2級
のアミンが挙げられる。
【0047】この2元系または3元系ブロック共重合体
オリゴマーによる繊維の防汚加工は通常の方法で行われ
る。すなわちブロック共重合体オリゴマーを水に所定濃
度入れ、塩化マグネシウム等の酸触媒を用いてパッド−
ドライ−キュア法により加工する。
【0048】この時、酸触媒存在下での加熱により、ブ
ロック共重合体オリゴマーの末端のジチオカルバメート
基は分解する。
【0049】本発明の3元系ブロック共重合体オリゴマ
ーによる加工では、加工布が空気中に存在する時は、疎
水基が表面に出て、疎水性を示し、汚れを付き難くし、
水中での洗濯時には親水基が表に出て親水性を示し、付
着している汚れを落ち易くする。3元系のランダム共重
合体オリゴマーよりも3元系ブロック共重合体オリゴマ
ーの方が防汚効果は大きく好ましい。
【0050】このブロック共重合体オリゴマーは数平均
分子量600〜10000のオリゴマーであるために、
加工布の風合も良い。
【0051】本発明による親水性−疎水性ブロック共重
合体オリゴマーおよびその製造法及び防汚加工剤への利
用によれば、ラジカル開始剤テトラエチルチウラムジス
ルフィドを用いて、分子量1万までの親水性−疎水性ブ
ロック共重合体オリゴマー(オリゴマー)を合成する事
ができる。ラジカル重合は系の水分の除去は必要なく、
重合温度も室温〜100℃で行え、重合操作は簡単であ
る。
【0052】またこの親水性−疎水性ブロック共重合体
オリゴマー(オリゴマー)による繊維の加工は通常の方
法で行え、酸触媒を用いて加工すると、共重合体オリゴ
マーのN−メチロール基はセルロース繊維と反応して、
耐洗濯性のある加工となる。
【0053】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明する。
【0054】実施例1 親水性−疎水性−繊維反応性ブ
ロック共重合体オリゴマーの合成 メトキシエチレングリコール1000メタクリレート
0.025モル、テトラエチルチウラムジスルフィド
0.025モルを300mlナス型フラスコ中に入れ、
ジオキサン50mlに溶解し、100℃にて、マグネチ
ックスターラーで攪拌し、20時間付加反応させた。生
成物のGPC測定結果は数平均分子量1,597、重量
平均分子量1,718、重量平均分子量/数平均分子量
=1.08(分子量計算値1,365)だった。さらに
N−メチロールアクリルアミド0.025モルを50m
lジオキサンに溶解し、上記重合液に加え、400W高
圧水銀灯で、室温にて5時間照射した。そして、数平均
分子量1,635、重量平均分子量1,739、重量平
均分子量/数平均分子量=1.06(分子量計算値1,
466)のブロック共重合体オリゴマーを得た。
【0055】さらに、パーフロロオクチルエチルメタク
リレート0.025モルを加え、400W高圧水銀灯
で、室温にて、13時間照射した。そして数平均分子量
1,777、重量平均分子量1,833、重量平均分子
量/数平均分子量=1.06(分子量計算値1,99
3)の親水性−疎水性ブロック共重合体オリゴマーが得
られた。
【0056】実施例2 親水性−疎水性−繊維反応性ブ
ロック共重合体オリゴマーの合成 パーフロロオクチルエチルメタクリレート0.025モ
ル、テトラエチルチウラムジスルフィド0.025モル
を300mlナス型フラスコ中に入れ、ジオキサン10
0mlに溶解し、100℃にて、マグネチックスターラ
ーで攪拌し、18時間付加反応させた。生成物のGPC
測定結果は数平均分子量521、重量平均分子量52
9、重量平均分子量/数平均分子量=1.01(分子量
計算値829)だった。さらにメトキシエチレングリコ
ール400アクリレート0.025モルを、上記反応液
に加え、100W高圧水銀灯で、室温にて13.5時間
照射した。そして、数平均分子量831、重量平均分子
量857、重量平均分子量/数平均分子量=1.03
(分子量計算値1,283)のブロック共重合体オリゴ
マーを得た。
【0057】さらに、N−メチロールアクリルアミド
0.025モルを加え、100W高圧水銀灯で、室温に
て、26時間照射した。そして数平均分子量914、重
量平均分子量947、重量平均分子量/数平均分子量=
1.04(分子量計算値1,384)の親水性−疎水性
ブロック共重合体オリゴマーが得られた。
【0058】実施例3 親水性−疎水性−繊維反応性ブ
ロック共重合体オリゴマーの合成 パーフロロオクチルエチルメタクリレート0.025モ
ル、テトラエチルチウラムジスルフィド0.025モル
を300mlナス型フラスコ中に入れ、THF50ml
に溶解し、室温にて、マグネチックスターラーで攪拌
し、100W高圧水銀灯で15時間照射して付加反応さ
せた。生成物のGPC測定結果は数平均分子量574、
重量平均分子量586、重量平均分子量/数平均分子量
=1.02(分子量計算値829)だった。さらにメト
キシエチレングリコール400アクリレート0.025
モルを、上記反応液に加え、100W高圧水銀灯で、室
温にて12.5時間照射した。そして、数平均分子量8
17、重量平均分子量836、重量平均分子量/数平均
分子量=1.02(分子量計算値1,283)のブロッ
ク共重合体オリゴマーを得た。
【0059】さらに、メトキシエチレングリコール10
00メタクリレート0.025モルを加え、100W高
圧水銀灯で、室温にて、19.5時間照射した。そして
数平均分子量1,629、重量平均分子量1,721、
重量平均分子量/数平均分子量=1.06(分子量計算
値2,351)のブロック共重合体オリゴマーが得られ
た。
【0060】次いで、N−メチロールアクリルアミド
0.025モルを加え、100W高圧水銀灯で、室温に
て、24時間照射した。そして数平均分子量1,70
9、重量平均分子量1,833、重量平均分子量/数平
均分子量=1.07(分子量計算値2,452)の親水
性−疎水性ブロック共重合体オリゴマーが得られた。
【0061】実施例4 親水性−疎水性−繊維反応性ブ
ロック共重合体オリゴマーの合成 パーフロロオクチルエチルメタクリレート0.025モ
ル、テトラエチルチウラムジスルフィド0.025モル
を300mlナス型フラスコ中に入れ、THF50ml
に溶解し、室温にて、マグネチックスターラーで攪拌
し、400W高圧水銀灯で3時間照射して付加反応させ
た。生成物のGPC測定結果は数平均分子量580、重
量平均分子量586、重量平均分子量/数平均分子量=
1.01(分子量計算値829)だった。さらにメタク
リル酸0.25モルを、上記反応液に加え、400W高
圧水銀灯で、室温にて12時間照射した。そして、数平
均分子量1,303、重量平均分子量1,454、重量
平均分子量/数平均分子量=1.12(分子量計算値
1,690)のブロック共重合体オリゴマーを得た。
【0062】次いで、N−メチロールアクリルアミド
0.025モルをTHF50mlに溶解して加え、40
0W高圧水銀灯で、室温にて、5時間照射した。そして
数平均分子量1,352、重量平均分子量1,503、
重量平均分子量/数平均分子量=1.11(分子量計算
値1,791)の親水性−疎水性ブロック共重合体オリ
ゴマーが得られた。この共重合体オリゴマーは水酸化ナ
トリウムで中和した。
【0063】実施例5 親水性−疎水性−繊維反応性ブ
ロック共重合体オリゴマーの合成 メトキシエチレングリコール1000メタクリレート
0.025モル、テトラエチルチウラムジスルフィド
0.025モルを300mlナス型フラスコ中に入れ、
ジオキサン50mlに溶解し、100℃にて、マグネチ
ックスターラーで攪拌し、20時間付加反応させた。生
成物のGPC測定結果は数平均分子量1,597、重量
平均分子量1,718、重量平均分子量/数平均分子量
=1.08(分子量計算値1,365)だった。さらに
N−メチロールアクリルアミド0.025モルを50m
lジオキサンに溶解し、上記重合液に加え、400W高
圧水銀灯で、室温にて5時間照射した。そして、数平均
分子量1,635、重量平均分子量1,739、重量平
均分子量/数平均分子量=1.06(分子量計算値1,
466)のブロック共重合体オリゴマーを得た。
【0064】さらに、パーフロロオクチルエチルアクリ
レート0.025モルを加え、100W高圧水銀灯で、
室温にて、14時間照射した。そして数平均分子量1,
717、重量平均分子量1,819、重量平均分子量/
数平均分子量=1.06(分子量計算値1,984)の
親水性−疎水性ブロック共重合体オリゴマーが得られ
た。
【0065】実施例6 親水性−疎水性−繊維反応性ブ
ロック共重合体オリゴマーの合成 メトキシエチレングリコール1000メタクリレート
0.025モル、テトラエチルチウラムジスルフィド
0.025モルを300mlナス型フラスコ中に入れ、
ジオキサン50mlに溶解し、100℃にて、マグネチ
ックスターラーで攪拌し、20時間付加反応させた。生
成物のGPC測定結果は数平均分子量1,597、重量
平均分子量1,718、重量平均分子量/数平均分子量
=1.08(分子量計算値1,365)であった。
【0066】さらに、アクリル酸0.25モルを、上記
反応液に加え、400W高圧水銀灯で、室温にて5時間
照射した。そして、数平均分子量1,682、重量平均
分子量2,023、重量平均分子量/数平均分子量=
1.20(分子量計算値2,212)のブロック共重合
体オリゴマーを得た。
【0067】次ぎに、N−メチロールアクリルアミド
0.025モルを50mlジオキサンに溶解し、上記重
合液に加え、400W高圧水銀灯で、室温にて19時間
照射した。そして、数平均分子量1,752、重量平均
分子量2,227、重量平均分子量/数平均分子量=
1.27(分子量計算値2,313)のブロック共重合
体オリゴマーを得た。
【0068】そして、パーフロロオクチルエチルメタク
リレート0.025モルを加え、400W高圧水銀灯
で、室温にて、30時間照射した。そして数平均分子量
1,850、重量平均分子量2,533、重量平均分子
量/数平均分子量=1.37(分子量計算値2,85
9)の親水性−疎水性ブロック共重合体オリゴマーが得
られた。
【0069】そして水酸化ナトリウムによってブロック
共重合体オリゴマーを中和した。
【0070】実施例7 親水性−疎水性−繊維反応性ブ
ロック共重合体オリゴマーの合成 メトキシエチレングリコール1000メタクリレート5
3.4g、N−メチロールアクリルアミド5.1g、パ
ーフロロオクチルエチルメタクリレート26.6g、テ
トラエチルチウラムジスルフィド0.2966g(モル
比1:1:1:0.02)をTHF100ml中で、室
温で5時間、400W高圧水銀灯を照射し、重合し、数
平均分子量1,677、重量平均分子量1,799、重
量平均分子量/数平均分子量=1.07(分子量計算値
1,701)の親水性−疎水性ブロック共重合体オリゴ
マーを得た。
【0071】実施例8 疎水性−親水性繊維反応性ブロ
ック共重合体オリゴマー(2元系)の合成 パーフロロオクチルエチルメタクリレート0.025モ
ル、テトラエチルチウラムジスルフィド0.025モル
を300mlナス型フラスコ中に入れ、THF50ml
に溶解し、室温にて、マグネチックスターラーで攪拌
し、400W高圧水銀灯で3時間照射して付加反応させ
た。生成物のGPC測定結果は数平均分子量580、重
量平均分子量586、重量平均分子量/数平均分子量=
1.01(分子量計算値829)だった。
【0072】次いで、N−メチロールアクリルアミド
0.025モルをTHF50mlに溶解して加え、40
0W高圧水銀灯で、室温にて、5時間照射しての疎水性
−親水性繊維反応性ブロック共重合体オリゴマー(2元
系)が得られた。
【0073】実施例9 (1)ジチオカルバメート基の脱離I 実施例1で得られた親水性−疎水性−繊維反応性ブロッ
ク共重合体オリゴマー5gをTHF50ml、連鎖移動
剤イソプロパノール100mlを300mlナス型フラ
スコ中に入れ、400W高圧水銀灯で30時間照射し
た。その後、溶媒、連鎖移動剤を留去し、再沈澱させ、
得られたブロック共重合体オリゴマーの赤外吸収スペク
トルを測定したところ、1195cm-1(νC=S)、
1495cm-1(νC=S)、1270cm-1(νC−
N)付近のジチオカルバメート基の吸収は消失してお
り、脱離していることが解った。
【0074】(2)ジチオカルバメート基の脱離II 実施例1で得られた親水性−疎水性−繊維反応性ブロッ
ク共重合体オリゴマー5g、THF50ml、ジーn−
プロピルアミン20mlを300mlのナス型フラスコ
に入れ、60℃で30時間攪拌、反応した。その後、溶
媒、ジーn−プロピルアミンを留去し、再沈殿させ、得
られたブロック共重合体の赤外線スペクトルを測定した
ところ、1195cm-1(νC=S)、1495cm-1
(νC=S)、1270cm-1(νC−N)付近のジチ
オカルバメート基の吸収は消失しており、ジチオカルバ
メート基は脱離していることが明らかになった。
【0075】(3)ジチオカルバメート基の脱離III 実施例8で得られた親水性−疎水性−繊維反応性ブロッ
ク共重合体オリゴマー5gを上記(1)と同様の条件で
処理したところ、IRのピークの消失によりジチオカル
バメート基の脱離を確認した。
【0076】比較例1 親水性ポリマーの合成 メトキシエチレングリコール400アクリレート90.
8g、N−メチロールアクリルアミド10.1g(モル
比2:1)をイソプロパノール300ml中で、開始剤
過酸化ベンゾイル0.2g、連鎖移動剤チオグリコール
酸2−エチルヘキシル1mlを用いて、60℃で25時
間重合し、親水性ポリマー103.7gを得た。
【0077】比較例2 親水性ポリマーの合成 メトキシエチレングリコール400アクリレート90.
8g、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート塩化
メチル4級塩38.8g、N−メチロールアクリルアミ
ド10.1g(モル比2:2:1)を比較例1と同様に
重合し、親水性ポリマー138.5gを得た。
【0078】比較例3 親水性ブロック共重合体オリゴ
マーの合成 メトキシエチレングリコール1000メタクリレート
0.025モル、テトラエチルチウラムジスルフィド
0.025モルを300mlナス型フラスコ中に入れ、
ジオキサン50mlに溶解し、100℃にて、マグネチ
ックスターラーで攪拌し、20時間付加反応させた。生
成物のGPC測定結果は数平均分子量1,597、重量
平均分子量1,718、重量平均分子量/数平均分子量
=1.08(分子量計算値1,365)だった。さらに
N−メチロールアクリルアミド0.025モルを50m
lジオキサンに溶解し、上記反応液に加え、400W高
圧水銀灯で、室温にて5時間照射した。そして溶媒を留
去して、数平均分子量1,635、重量平均分子量1,
739、重量平均分子量/数平均分子量=1.06(分
子量計算値1,466)の親水性ブロック共重合体オリ
ゴマーを得た。
【0079】比較例4 ランダム共重合体オリゴマーの
合成 メトキシエチレングリコール1000メタクリレート5
3.4g、パーフロロオクチルエチルメタクリレート2
6.6g、N−メチロールアクリルアミド5.1g(モ
ル比1:1:1)を比較例1と同様に重合し、ランダム
共重合体オリゴマー84.0gを得た。
【0080】製造例1 実施例1で合成した共重合体オリゴマー10%、塩化マ
グネシウム6水和物3%水溶液をパッドし、100℃、
3分間、乾燥、150℃、3分間、キュアして、その
後、湯洗い、乾燥して、綿ブロード、ポリエステルタフ
タを加工した。
【0081】加工布は、下記のソイルリリーズ性試験及
び再汚染防止性試験に供した。
【0082】ポリエステル加工布(10回洗濯後)の摩
擦帯電圧(ロータリースタティクテスター)は60V
(未加工布3,400V)であった。
【0083】加工布の撥水性(スプレー法)は綿40%
(未加工布0%)、ポリエステル30%(未加工布10
%)であった。
【0084】そして加工布の引裂強度は綿タテ520g
f(未加工布1,040gf)、綿ヨコ460gf(未
加工布800gf)、ポリエステル タテ2,380g
f(未加工布2,130gf)、ポリエステル ヨコ
2,470gf(未加工布1,830gf)であった。
【0085】製造例2 実施例2で合成した共重合体オリゴマー10%、塩化マ
グネシウム6水和物3%水溶液をパッドし、100℃、
3分間、乾燥、150℃、3分間、キュアして、その
後、湯洗い、乾燥して、綿ブロード、ポリエステルタフ
タを加工した。
【0086】加工布は、下記のソイルリリーズ性試験及
び再汚染防止性試験に供した。
【0087】製造例3 実施例3で合成した共重合体オリゴマー10%、塩化マ
グネシウム6水和物3%水溶液をパッドし、100℃、
3分間、乾燥、150℃、3分間、キュアして、その
後、湯洗い、乾燥して、綿ブロード、ポリエステルタフ
タを加工した。
【0088】加工布は、下記のソイルリリーズ性試験及
び再汚染防止性試験に供した。
【0089】製造例4 実施例4で合成した共重合体オリゴマー10%、塩化マ
グネシウム6水和物3%水溶液をパッドし、100℃、
3分間、乾燥、150℃、3分間、キュアして、その
後、湯洗い、乾燥して、綿ブロード、ポリエステルタフ
タを加工した。
【0090】加工布は、下記のソイルリリーズ性試験及
び再汚染防止性試験に供した。
【0091】比較製造例1 親水性ポリマーによる防汚
加工 メトキシエチレングリコール400アクリレート90.
8g、N−メチロールアクリルアミド10.1g(モル
比2:1)をイソプロパノール300ml中で、開始剤
過酸化ベンゾイル0.2g、連鎖移動剤チオグリコール
酸2−エチルヘキシル1mlを用いて、60℃で25時
間重合し、親水性ポリマー103.7gを得た。
【0092】このポリマー10%、塩化マグネシウム6
水和物3%水溶液をパッドし、100℃、3分間、乾
燥、150℃、3分間、キュアして、その後、湯洗い、
乾燥して、綿ブロード、ポリエステルタフタを加工し
た。
【0093】加工布は、下記のソイルリリーズ性試験及
び再汚染防止性試験に供した。
【0094】ポリエステル加工布(10回洗濯後)の摩
擦帯電圧(ロータリースタティクテスター)は65V
(未加工布3,400V)であった。
【0095】比較製造例2 親水性ポリマーによる防汚
加工 メトキシエチレングリコール400アクリレート90.
8g、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート塩化
メチル4級塩38.8g、N−メチロールアクリルアミ
ド10.1g(モル比2:2:1)を比較例1と同様に
重合し、親水性ポリマー138.5gを得た。
【0096】このポリマーで比較例1と同様に綿ブロー
ド、ポリエステルタフタを加工した。
【0097】加工布は、下記のソイルリリーズ性試験及
び再汚染防止性試験に供した。
【0098】ポリエステル加工布(10回洗濯後)の摩
擦帯電圧(ロータリースタティクテスター)は2,20
0V(未加工布3,400V)であった。
【0099】比較製造例3 親水性ブロック共重合体オ
リゴマーによる防汚加工 メトキシエチレングリコール1000メタクリレート
0.025モル、テトラエチルチウラムジスルフィド
0.025モルを300mlナス型フラスコ中に入れ、
ジオキサン50mlに溶解し、100℃にて、マグネチ
ックスターラーで攪拌し、20時間付加反応させた。生
成物のGPC測定結果は数平均分子量1,597、重量
平均分子量1,718、重量平均分子量/数平均分子量
=1.08(分子量計算値1,365)だった。さらに
N−メチロールアクリルアミド0.025モルを50m
lジオキサンに溶解し、上記反応液に加え、400W高
圧水銀灯で、室温にて5時間照射した。そして溶媒を留
去して、数平均分子量1,635、重量平均分子量1,
739、重量平均分子量/数平均分子量=1.06(分
子量計算値1,466)の親水性ブロック共重合体オリ
ゴマーを得た。
【0100】このブロック共重合体オリゴマー10%、
塩化マグネシウム6水和物3%水溶液をパッドし、10
0℃、3分間、乾燥、150℃、3分間、キュアして、
その後、湯洗い、乾燥して、綿ブロード、ポリエステル
タフタを加工した。
【0101】加工布は、下記のソイルリリーズ性試験及
び再汚染防止性試験に供した。
【0102】比較製造例4 ランダム共重合体オリゴマ
ーによる防汚加工 メトキシエチレングリコール1000メタクリレート5
3.4g、パーフロロオクチルエチルメタクリレート2
6.6g、N−メチロールアクリルアミド5.1g(モ
ル比1:1:1)を比較例1と同様に重合し、ランダム
共重合体オリゴマー84.0gを得た。
【0103】このポリマーで比較例1と同様に綿ブロー
ド、ポリエステルタフタを加工した。
【0104】加工布は、下記のソイルリリーズ性試験及
び再汚染防止性試験に供した。
【0105】<試験例I> ソイルリリーズ性試験 上記製造例1〜4及び比較製造例1〜4で得た防汚加工
布に、汚れたモーターオイル及び墨汁をそれぞれ所定の
位置につけて、2時間放置して汚染布を作成した。次に
これら汚染布を洗濯し、汚れ落ちの程度を下記の5段階
評価基準に従い評価した。
【0106】1級:全く汚れの脱落が認められない。
【0107】2級:汚れの脱落が僅かである。
【0108】3級:汚れの脱落が中程度である。
【0109】4級:汚れの脱落が明瞭である。
【0110】5級:汚れの跡の確認のみができる、又は
汚れが殆んど確認できない。
【0111】結果を下記の表1及び表2に示す。
【0112】
【表1】 ソイルリリーズ性(綿100%の綿ブロード) 汚れたモーターオイル 墨 汁 加工上がり 洗濯10回後 加工上がり 洗濯10回後 製造例1 3級 3級 3級 3級 製造例2 3級 3級 2級 2級 製造例3 3級 3級 2級 2級 製造例4 4級 4級 3級 3級 比較製造例1 1級 1級 2級 1級 比較製造例2 2級 2級 2級 1級 比較製造例3 2級 2級 2級 1級 比較製造例4 2級 2級 2級 1級未加工布 1級 1級 1級 1級
【0113】
【表2】 ソイルリリーズ性(ポリエステル100%のポリエステルタフタ) 汚れたモーターオイル 墨 汁 加工上がり 洗濯10回後 加工上がり 洗濯10回後 製造例1 4級 4級 4級 4級 製造例2 3級 3級 3級 3級 製造例3 4級 4級 3級 3級 製造例4 5級 5級 4級 4級 比較製造例1 4級 4級 2級 2級 比較製造例2 2級 2級 2級 2級 比較製造例3 3級 3級 2級 2級 比較製造例4 3級 3級 2級 2級未加工布 1級 1級 2級 2級 <試験例II> 再汚染防止性試験 洗濯槽に墨汁0.3ml/リットル及び家庭用洗剤2.
5g/リットルを溶解した溶液を作成し、洗濯布を洗濯
した後、汚染程度をJIS汚染グレースケールで1〜5
等級で判定した。JIS汚染グレースケールにおける1
級は汚染がひどい場合であり、5級は汚染がない場合で
ある。結果を下記表3及び表4に示す。
【0114】
【表3】
【0115】
【表4】
【0116】
【発明の効果】本発明の親水性−疎水性ブロック共重合
体オリゴマー(オリゴマー)製造法及び防汚加工剤への
利用は、ラジカル重合によりブロック共重合体オリゴマ
ー(オリゴマー)が合成でき、通常の方法によって繊維
に防汚加工ができる。
【0117】ラジカル重合は、重合操作も容易で、工業
的に最もよく用いられ、そして水系でも重合することが
出来る利点がある。
【0118】本発明の親水性−疎水性ブロック共重合体
オリゴマーは、ポリマーアロイの相溶化剤、プラスチッ
クの表面改質剤(接着性、撥水剤、防曇剤等)として利
用出来る可能性がある。
フロントページの続き (72)発明者 久保田 静男 和歌山県伊都郡かつらぎ町東渋田567 (56)参考文献 特開 昭52−35188(JP,A) 特開 平4−202846(JP,A) 特開 平5−321152(JP,A) 特開 昭60−228588(JP,A) 国際公開95/018194(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 10/00 - 10/10 C08F 4/00 C08F 293/00 D06M 15/263 D06M 15/285

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合開始剤、親水性モノマー、疎水性モノ
    マーおよび繊維反応性モノマーを光照射下に重合させる
    ことを特徴とする親水性−疎水性−繊維反応性3元系ブ
    ロック共重合体オリゴマーの製造法。
  2. 【請求項2】重合開始剤、疎水性モノマーおよび繊維反
    応性モノマーを光照射下に重合させることを特徴とする
    疎水性−繊維反応性2元系ブロック共重合体オリゴマー
    の製造法。
  3. 【請求項3】(1)重合開始剤が、テトラエチルチウラ
    ムジスルフィド、(2)親水性モノマーが、低級アルコ
    キシエチレングリコール(メタ)アクリレート、低級ア
    ルコキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、
    メタクリル酸、メタクリル酸塩、アクリル酸、アクリル
    酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、(3)疎
    水性モノマーが、パーフルオロアルキル(メタ)アクリ
    レート、(4)繊維反応性モノマーが、N−メチロール
    (メタ)アクリルアミドである請求項1に記載の製造
    法。
  4. 【請求項4】請求項1または3に記載の方法により得た
    親水性−疎水性−繊維反応性ブロック共重合体オリゴマ
    ーを連鎖移動剤の存在下に光照射処理、酸の存在下での
    加熱処理及びアミンとの処理からなる群から選ばれるい
    ずれかの処理を行うことにより末端のジエチルジチオカ
    ルバメート基を脱離させることを特徴とする親水性−疎
    水性−繊維反応性ブロック共重合体オリゴマーの製造
    法。
  5. 【請求項5】親水性ブロック、疎水性ブロック及び繊維
    反応性ブロックを有し、数平均分子量が600〜10,
    000である3元系ブロック共重合体オリゴマー。
  6. 【請求項6】末端にジエチルジチオカルバメート基を含
    む請求項5に記載の3元系ブロック共重合体オリゴマ
    ー。
  7. 【請求項7】(1)親水性モノマーが、低級アルコキシ
    エチレングリコール(メタ)アクリレート、低級アルコ
    キシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メタ
    クリル酸、メタクリル酸塩、アクリル酸、アクリル酸塩
    からなる群から選ばれる少なくとも1種、(2)疎水性
    モノマーが、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレー
    ト、(3)繊維反応性モノマーが、N−メチロール(メ
    タ)アクリルアミドである請求項5または6に記載の3
    元系ブロック共重合体オリゴマー
  8. 【請求項8】疎水性ブロック及び親水性繊維反応性ブロ
    ックを有し、数平均分子量が600〜10,000であ
    る疎水性−親水性繊維反応性2元系ブロック共重合体オ
    リゴマー。
  9. 【請求項9】請求項5〜7のいずれかに記載の親水性−
    疎水性−繊維反応性ブロック共重合体オリゴマーを必須
    成分とする防汚加工剤。
  10. 【請求項10】請求項8に記載の疎水性−親水性繊維反
    応性2元系ブロック共重合体オリゴマーを必須成分とす
    る防汚加工剤。
  11. 【請求項11】請求項9または10に記載の防汚加工剤
    で加工処理してなる繊維製品。
JP33555695A 1995-12-22 1995-12-22 ブロック共重合体オリゴマー、その製造法及び防汚加工剤及び繊維製品 Expired - Fee Related JP3502962B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33555695A JP3502962B2 (ja) 1995-12-22 1995-12-22 ブロック共重合体オリゴマー、その製造法及び防汚加工剤及び繊維製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33555695A JP3502962B2 (ja) 1995-12-22 1995-12-22 ブロック共重合体オリゴマー、その製造法及び防汚加工剤及び繊維製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09176961A JPH09176961A (ja) 1997-07-08
JP3502962B2 true JP3502962B2 (ja) 2004-03-02

Family

ID=18289908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33555695A Expired - Fee Related JP3502962B2 (ja) 1995-12-22 1995-12-22 ブロック共重合体オリゴマー、その製造法及び防汚加工剤及び繊維製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3502962B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001018305A1 (en) * 1999-09-10 2001-03-15 Nano-Tex, Llc Water-repellent and soil-resistant finish for textiles
JP5133606B2 (ja) * 2007-06-04 2013-01-30 Agcセイミケミカル株式会社 界面活性剤
JP6703771B2 (ja) * 2014-10-21 2020-06-03 学校法人福岡大学 フッ素樹脂成形体の改質方法およびフッ素樹脂成形体の改質用の共重合体の製造方法
WO2016139790A1 (ja) * 2015-03-05 2016-09-09 国立大学法人東北大学 表面修飾バイオファイバー、その製造方法、並びに、表面修飾バイオファイバーを含有する分散液及び樹脂組成物
EP3398978B1 (fr) * 2017-05-05 2020-03-11 The Swatch Group Research and Development Ltd Agent d'épilamage et procédé d'épilamage utilisant un tel agent d'épilamage
CN115124668B (zh) * 2022-05-16 2023-08-22 浙江传化功能新材料有限公司 含氟多嵌段共聚物及其制备方法和应用

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5235188A (en) * 1975-09-12 1977-03-17 Asahi Glass Co Ltd Soil resistant finishing agent with good dry soil and friction resista nce
JPS60228588A (ja) * 1984-04-27 1985-11-13 Nippon Oil & Fats Co Ltd エアゾ−ル型撥水撥油剤組成物
JP2906655B2 (ja) * 1990-11-29 1999-06-21 東レ株式会社 ▲はっ▼水性、深色性着色繊維構造物の製造法
JPH05321152A (ja) * 1992-05-13 1993-12-07 Toyobo Co Ltd セルロース繊維含有繊維構造物及びその製造法
DE69432228T2 (de) * 1993-12-29 2004-01-22 Daikin Industries, Ltd. Fluorierte öl-in-wasser-emulsion zur oberflächenbehandlung

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09176961A (ja) 1997-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2471623C (en) Azetidinium modified polymers and fabric treatment composition
CN104540932B (zh) 含有羧基的聚合物及含有该聚合物的组合物
EP1735359B1 (en) Polymeric reaction products from substituted aminosiloxanes
EP1043342B1 (en) Colorless polymaleates and uses thereof
JP2013122017A (ja) 含フッ素共重合体およびそれを有効成分とする撥水撥油剤
JPH0559942B2 (ja)
JP3502962B2 (ja) ブロック共重合体オリゴマー、その製造法及び防汚加工剤及び繊維製品
JP5344076B2 (ja) 含フッ素組成物
KR101768241B1 (ko) 플루오로중합체 에멀젼
WO1998052983A1 (fr) Nouveau polymere et composition d'agent antifouling le contenant
JP5397520B2 (ja) 含フッ素組成物および表面処理剤
US20060123559A1 (en) Fabric care composition
JP5397519B2 (ja) 含フッ素組成物およびその用途
US4063885A (en) Single-treatment radiation process for imparting durable soil-release properties to cotton and cotton-polyester blend fabrics
JP2001098033A (ja) 共重合体、撥水撥油剤、および水分散型撥水撥油剤組成物
TW201321418A (zh) 含氟組成物及含氟聚合物
US6815515B2 (en) Colorless polymaleates and uses thereof
EP1354935B1 (en) Amine copolymers for textile and fabric protection
JP2854567B2 (ja) 防汚加工剤
JP7448845B2 (ja) アミド基含有単量体の製造方法
JP5040583B2 (ja) 含フッ素グラフト重合体および防汚剤
JP2968364B2 (ja) 耐久性の優れた撥水撥油剤および撥水撥油剤組成物
US20050227010A1 (en) Azetidinium-functionalised polymers and compositions containing the same
JP2003105675A (ja) 天然繊維用吸水撥油性防汚加工剤及びそれによって処理された繊維製品
WO2024101393A1 (ja) 撥剤

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031125

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees