JP3502734B2 - ゼオライト膜の製造方法 - Google Patents

ゼオライト膜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】ゼオライト膜はゼオライト結
晶中にある数オングストロームの細孔による分子ふるい
効果を利用したガス分離膜、パーベーパレーション分離
膜、メンブレンリアクター膜、ガスセンサー膜等への応
用が考えられる。本発明は、これらの用途に好適な高い
分離性能を有するゼオライト膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゼオライト膜の製造方法として、特公平
4−80726号公報には混合ゾル又は混合ゲルを被覆
した多孔質支持体を水熱処理して微細でシャープな細孔
を有するゼオライト膜を製造する方法が、また、特開平
6−99044号公報には多孔質支持体に被覆する混合
ゾル又は混合ゲル中の水とシリカの比を大きくしてお
き、この合成用の混合物中に多孔質支持体を浸漬して水
熱処理を行い、多孔質支持体上に高い分離性能を有する
ゼオライト膜を製造する方法が開示されている。
【0003】通常、ゼオライト膜の製造に使用する混合
ゾル又は混合ゲルの原料には、シリカ源としてコロイダ
ルシリカ、ケイ酸ナトリウム、水ガラス等が用いられ、
アルミナ源として硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等が使用
される。混合ゾル又は混合ゲルには必要に応じ結晶化促
進剤として臭化テトラプロピルアンモニウム等が添加さ
れる。たとえば、Sano et al., Bull. Chem. Soc.
Jpn. 65(1992)p145〜154にはシリカ源としてコロイ
ダルシリカを、アルミナ源として硝酸アルミニウムを用
い、前述の特開平7−89714号公報ではケイ酸ナト
リウム、無水硫酸アルミニウムを原料として用いて水熱
合成によりゼオライト膜が製造されている。
【0004】これらのゼオライト膜の製造方法におい
て、原料の混合は通常マグネティックスターラ等の攪拌
機が使用されている。しかしこの従来の混合方法で調製
した混合ゾル又は混合ゲルが、その均一性においてゼオ
ライト膜の合成に適しているかどうかについて検討され
た報告はなく、この方法が最適かどうか不明である。
【0005】原料とする混合ゾル又は混合ゲルの均一性
が得られるゼオライト膜の分離性能にどのような影響を
及ぼすかを検討した例として、ZSM−5膜とシリカラ
イト膜の分離性能の比較がある。これらの膜はほぼ同じ
結晶構造を有しているが、シリカライト膜はアルミナ成
分を全く含まず、他方ZSM−5膜はアルミナ成分を含
んでいる。これらの膜は多くの研究者により比較検討さ
れているが、その分離試験データを比較するとシリカラ
イト膜がもっとも良い分離性能を示し、アルミナを含有
するZSM−5膜は低い分離性能しか示さない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を解決し、シリカライト膜においても、アルミナ等の
シリカ以外の金属酸化物を含むゼオライト膜において
も、高い分離性能を示すゼオライト分離膜の製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のゼオライト膜の
製造方法は、平均直径5mm以下の玉石のメディアを用
いるミルで湿式混合した混合ゾル液又は混合ゲル液を合
成原料とし、多孔質支持体上にゼオライト膜を水熱合成
することを特徴とする。
【0008】ZSM−5膜ではシリカに対するアルミナ
の含有比が低いほど高い分離性能の膜が得られる。この
理由は、ゼオライト膜の合成原料とする混合ゾル液又は
混合ゲル液の均一性が低いため、水熱合成されたゼオラ
イト膜の均一性も低く、結晶欠陥が発生していると推定
される。このことは他の結晶系のゼオライト膜(A型、
Y型等の膜)でも当然あてはまる。この原因として、ア
ルミナ成分を含むゼオライトの膜化が困難であるとも考
え得るが、本発明者らが先の出願(特願平8−2847
24)に記載したように、シリカとアルミナの複合ゾル
を原料に用いる水熱合成によって従来よりも高い分離性
能を有するアルミナ含有ゼオライト膜が製膜可能である
ことを確かめた。
【0009】したがって、合成原料とする混合ゾル又は
混合ゲルの均一性がゼオライト膜の分離性能に大きな影
響を及ぼすと解釈できる。上記の例はシリカ成分とアル
ミナ成分の均一性を改善することを旨とするが、ゼオラ
イト膜を製造する原料である混合ゾル又は混合ゲルは、
アルミナ源、シリカ源、アルカリ源、結晶化促進剤等を
混合して調製されるので、原料中のアルカリ成分や結晶
化促進剤についても同様に均一に混合されているのが望
ましいはずである。
【0010】従来、合成原料の混合はマグネティクスタ
ーラで攪拌して行われている。しかし、この混合方法で
均一なゼオライト膜の製造に適するほど原料液が均一に
混合されているかどうか不明であり、混合ゾル液や混合
ゲル液の調製方法と合成されるゼオライト膜の均一性及
び分離性能との間の関係についての報告が今のところ見
当たらないため、これらの関係についても不明である。
合成原料の混合ゾル液又は混合ゲル液の均一性を評価す
るのが非常に困難であるので、本発明者らは合成原料と
する混合ゾル液や混合ゲル液の調製方法、特に合成原料
の混合方法に着目して、合成されるゼオライト膜の特性
との関係を調べ、本発明のゼオライト膜の製造方法に到
達した。
【0011】すなわち、単純なスターラなどで攪拌する
混合方法で調製された混合ゾル液や混合ゲル液を用いて
製造されたゼオライト膜よりも、平均直径が5mm以下
の玉石のメディアを用いて湿式混合するミルで混合した
混合ゾル液や混合ゲル液を用いたゼオライト膜の方が高
い分離性能を有することを確かめた。これは細かい玉石
のメディアを用いる湿式混合によって合成原料中に含ま
れるコロイド粒子等の微細な粒子まで均一に分散される
ため、この合成原料を用いて水熱合成したゼオライト膜
も均一で欠陥のない膜になると考える。従来採用されて
いるスターラ等による合成原料の混合方法では、コロイ
ド粒子等の微細な粒子を均一に分散させることができな
いために、原料液中に成分の偏りができ、この偏りが原
因となって水熱合成されたゼオライト膜中に欠陥が導入
されると推定される。
【0012】
【発明の実施の形態】平均直径が5mm以下の玉石のメ
ディアを用いる湿式混合の手段としては、サブミクロン
オーダの粉体の混合粉砕が容易なミルが好ましい。具体
的には平均直径が5mm以下の細かい玉石を用いるミ
ル、たとえばボールミル、アトリションミル、サンドミ
ル等を使用するが、特に、玉石のメディアを用いる湿式
混合を、混合空間の中心軸を通る平面による縦断面が逆
U字型とされたアニュラー型ないしリング状混合空間に
玉石のメディアを充填し、上部に回転軸を有する下向き
のカップ状ロータのカップ部分を該混合空間中において
その両側に空隙を形成するよう配して回転させ、混合ゾ
ル液又は混合ゲル液をカップ状ロータの下側に設けた供
給口からカップ状ロータの中央部に供給し、混合ゾル液
又は混合ゲル液をカップ状ロータの内面に沿って下方に
移動させた後、カップ状ロータの外面に沿って上方に移
動させ、該混合空間の上側に設けた取出口から湿式混合
された混合ゾル液又は混合ゲル液を排出させるミルによ
って行なうのが好ましい。この取出口には好ましくは玉
石を保持すると同時に液成分を選択的に排出させる玉石
保持・液分離手段(所定スリット幅のスリットなど)が
設けられる。
【0013】この種のミルには、たとえば三菱重工業社
からダイヤモンドファインミルという商品名で市販され
ているものがある。この種のミルでは、微粉末の混合粉
砕は玉石が互いに衝突する個所によってのみでなく、玉
石が接触しつつ転動する玉石の間でこすられて混合粉砕
が進行すると推定される。使用する玉石の平均直径は一
般に0.03〜4mm、0.1〜2mmとするのが好ま
しく、特にダイヤモンドファインミルの場合0.3〜
0.6mm、ボールミルの場合1〜3mmとするのがよ
り好ましい。ダイヤモンドファインミルの場合、実用上
の周速は3m/sec以上とし、好ましくは7〜15m
/secである。ボールミルの場合、実用上の周速は
0.1〜4m/sec、好ましくは0.3〜2m/se
cである。
【0014】本発明において使用できるミルの玉石のメ
ディアの材質としては、アルミナ、ジルコニア、ムライ
ト、めのう、ガラス、窒化珪素、炭化珪素、ステンレス
鋼がある。平均直径が5mmよりも大きい玉石のメディ
アは、ゼオライトの合成原料とする均一な混合ゾル液や
混合ゲル液の調製には適さず、混合ゾル液や混合ゲル液
の均一化効果が小さい。上記玉石の材質の内、嵩比重が
比較的大きく、耐摩耗性にも優れており水熱合成用原料
中に不純物が混入しにくいアルミナ又はジルコニアの玉
石を使用するのが好ましい。又、ミルの容器の材質とし
ては、上記玉石のメディアと同じ材質の他に樹脂も使用
できる。混合ゾルや混合ゲルの液体成分には、水、各種
アルコール等を使用できる。玉石は、玉石を用いた混合
粉砕の後、液体成分から適宜除去される。
【0015】ゼオライト膜の水熱合成法としては、従来
知られている各種の合成法を採用できる。たとえば特願
平7−329907号に記載の方法がある。すなわち、
合成原料にシリカ、アルミナ等のゼオライト骨格金属
源、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属
源及び水を含む混合ゾル液又は混合ゲル液を用い、必要
に応じて結晶化促進剤を添加するのが好ましい。特願平
7−329907号に記載の方法では、シリカ源にシリ
カコロイドゾル、アルミナ源に硝酸アルミニウムを用い
ているが、これらの原料の代わりにシリカとアルミナが
均一に混在する複合コロイドを用いるのが好ましい。ま
たアルカリ金属源としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化セシウムを使用できる。
【0016】結晶化促進剤としては、従来ゼオライトの
合成に使用されている公知のもの、例えば、臭化テトラ
プロピルアンモニウム(以下、TPABrと略す)、臭
化テトラブチルアンモニウムを添加することができる。
本発明の製造方法で合成できる好ましいゼオライト膜の
結晶には、ZSM−5、A型、Y型等の各種ゼオライト
があり、また骨格金属源としてはシリカとアルミナの他
に酸化鉄、酸化クロム、イットリア、セリア、ランタン
等の各種金属酸化物を使用できる。本発明のゼオライト
膜の製造方法は、シリカライトのように結晶骨格がシリ
カのみであるゼオライト膜の製造にも有用であるが、特
に結晶骨格にシリカとシリカ以外の金属酸化物を結晶骨
格に有する均一なゼオライト膜の製造に好適である。
【0017】多孔質支持体として使用できる材質には、
金属とセラミックスがある。多孔質支持体の形状は、ゼ
オライト膜を形成し得る形状であればよく、膜状、板
状、筒状、ペレット状、中空糸状、ハニカム状等の種々
の形状が可能である。多孔質支持体の成形方法には、押
し出し成形法、プレス成形法、鋳込み成形法を必要とす
る多孔質支持体の形状に合わせて選択できる。また多孔
質支持体の構造は、2層以上の層からなる構造としても
よく、表面に近い2層目以降の層についてはディップコ
ート法などの方法で形成できる。
【0018】水熱合成は、密閉容器中に多孔質支持体を
原料液とともに入れ、80〜250℃に3〜180時間
保持して行うのが好ましい。密閉容器内の圧力は常圧で
あってもよく、1気圧以上に保持してもよい。水熱合成
後、ゼオライト膜が形成された多孔質支持体を取り出し
て洗浄、乾燥した後、熱処理を行い、結晶化促進剤等の
熱分解性成分を除去し分離膜とする。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、以下の実施例は本発明の一例であって本発明は
これらの実施例に限定されない。
【0020】[実施例1]出発原料として、水酸化ナト
リウム、TPABr、蒸留水、シリカゾル(触媒化成工
業社製SI−30)を用い、これらの原料を、TPAB
r:Na2O:SiO2:H2O=0.1:0.05:1:
80の比で混合し、ゼオライト膜合成用の混合ゾル液と
した。このゾル液をマグネティックスターラで混合した
後、図1に示す構成を有するダイヤモンドファインミル
(三菱重工業社製)を用いて、ジルコニア製の玉石(平
均直径0.3mm)のメディアにより湿式混合した。
【0021】図1において1は混合空間、2はロータ、
3は回転軸、4は供給口、5は取出口、6はケーシング
である。試験に使用したダイヤモンドファインミルの寸
法は、混合空間の外径が8.9cm、内径が5.3c
m、高さが12cm、ロータが占める部分を除いた内容
積が約0.2リットルであり、ロータは外径8.3c
m、内径5.9cmのものである。使用したミルのケー
シングとロータはいずれもアルミ製である。以下の試験
では混合空間に玉石を充填し、ロータを周速8m/sで
回転させ、原料液の混合空間内の平均滞留時間が2分と
なるように設定して混合粉砕を行なった。
【0022】水熱合成は、この混合ゾル液と円筒型のア
ルミナ多孔質支持体(外径10mm、内径7mm、長さ
100mm、平均細孔径が1μm、気孔率37%のも
の)を原料液とともに内容積が0.3リットルの円柱状
空間を有するオートクレーブに入れ、最初にオートクレ
ーブ内を真空引きして多孔質支持体の細孔内にある空気
を排除して細孔内を合成原料の混合ゾル液で充たした。
次いでオートクレーブを加熱してオートクレーブ内の圧
力を約0.8MPaに保持しつつ170℃で72時間水
熱合成した。
【0023】水熱合成後、ゼオライト膜が形成された多
孔質支持体をオートクレーブから取り出して80℃の温
水で洗浄し、さらに超音波洗浄し、全体の気孔を蒸留水
で置換した後、100℃で24時間乾燥した。その後6
00℃で2時間焼成し、結晶中に残留しているTPAB
rを除去した。得られたゼオライト膜はX線回折の結果
から、シリカライト膜であることを確認した。またX線
回折の結果からこのゼオライト膜の細孔径は約0.6n
mと見積もられ、この値は一般的なシリカライトの細孔
径と一致した。
【0024】[実施例2]ゼオライト膜合成用の混合ゾ
ル液をマグネティックスターラで混合後、平均直径3m
mのアルミナ製玉石(混合ゾル液1リットルに対して2
Kgの玉石を使用)とアルミナ製容器からなる回転ポッ
トミルを用いて24時間湿式混合した以外は、実施例1
と同様にしてシリカライト膜を合成した。得られたゼオ
ライト膜はX線回折により、シリカライト膜であること
が確認された。またX線回折の結果から、ゼオライト膜
の細孔径は約0.6nmと見積もられ、この値は一般的
なシリカライトの細孔径と一致した。
【0025】[実施例3]アルミナ源として硝酸アルミ
ニウムを使用し、ゼオライト膜合成用の混合ゾル液の調
合比をTPABr:Na2O:Al23:SiO2:H2
O=0.1:0.05:0.0025:1:80とした
以外は、実施例1と同様にしてZSM−5膜を合成し
た。このゼオライト膜はX線回折の結果からZSM−5
膜であることが確認された。またX線回折の結果からゼ
オライト膜の細孔径は約0.6nmと見積もられ、この
値は一般的なZSM−5の細孔径と一致した。
【0026】[実施例4]アルミナ源として硝酸アルミ
ニウムを使用し、ゼオライト膜合成用混合ゾル液の調合
比をTPABr:Na2O:Al23:SiO2:H2
=0.1:0.05:0.01:1:80とした以外は
実施例1と同様にしてZSM−5膜を合成した。得られ
たゼオライト膜はX線回折の結果より、ZSM−5膜で
あることが確認された。またX線回折の結果からゼオラ
イト膜の細孔径は約0.6nmと見積もられ、この値は
一般的なZSM−5の細孔径と一致した。
【0027】[比較例1]合成原料の混合ゾル液をマグ
ネティックスターラを用いて混合しただけの混合ゾル液
を使用し、他は実施例1と同様にしてシリカライト膜を
水熱合成して製造した。得られたゼオライト膜はX線回
折の結果から、シリカライト膜であることを確認した。
またX線回折の結果からこのゼオライト膜の細孔径は約
0.6nmと見積もられ、この値は一般的なシリカライ
トの細孔径と一致した。
【0028】[比較例2]合成原料の混合をマグネティ
ックスターラを用いて混合しただけの混合ゾル液を使用
した以外は、実施例3と同様にしてZSM−5膜を水熱
合成して製造した。このゼオライト膜はX線回折の結果
からZSM−5膜であることが確認された。またX線回
折の結果からゼオライト膜の細孔径は約0.6nmと見
積もられ、この値は一般的なZSM−5の細孔径と一致
した。
【0029】[比較例3]合成原料の混合をマグネティ
ックスターラを用いて混合しただけの混合ゾル液を使用
した以外は、実施例4と同様にしてZSM−5膜を水熱
合成して製造した。このゼオライト膜はX線回折の結果
からZSM−5膜であることが確認された。またX線回
折の結果からゼオライト膜の細孔径は約0.6nmと見
積もられ、この値は一般的なZSM−5の細孔径と一致
した。
【0030】[比較例4]玉石として平均直径20mm
のアルミナ玉石を使用した以外は実施例2と同様にして
シリカライト膜を水熱合成した。得られたゼオライト膜
はX線回折の結果からシリカライトであることが確認さ
れた。また、X線回折の結果から、このゼオライト膜の
細孔径が0.6nmと見積もられ、一般的なシリカライ
トの細孔径と一致した。
【0031】上記により試作した各ゼオライト膜を評価
するため、ゼオライト膜によるガス分離試験を行った。
ガス分離試験の結果(分離係数、透過率)を表1にまと
めて示す。ガス分離試験は以下の方法により行った。円
筒状のサンプル7は図2に示したようにゼオライト膜サ
ンプルの一方の開口をアクリル板8で密閉し、他方の開
口を接続部材のスウェージロック9を介してガスクロマ
トグラフに連結する。二酸化炭素10容量%、窒素90
容量%の混合気体を円筒状のサンプル7の外面側から供
給し、ゼオライト膜を透過した気体をガスクロマトグラ
フで分析し、次式(数1)により透過率および分離係数
を算出した。
【0032】
【数1】
【0033】数1において、Qは透過率(mol/m2
・s・Pa)、Aは透過量(mol)、Prは供給側 圧
力(Pa)、Ppは透過側圧力(Pa)、Sは膜面積
(m2)、tは時間(s)を表す 。また分離係数は次式
(数2)により算出した(ガス種1が二酸化炭素、 ガ
ス種2が窒素)。
【0034】
【数2】
【0035】数2において、Prは供給側ガスの全圧
(Pa)、Ppは透過側ガスの全圧(Pa)、Rpは透
過側流量(mol/min)、Paは開放圧(Pa)、
Tは温度(°K)、Toは標準温度(°K)、Poは標
準圧(Pa)、Cp1は透過側ガス(1)の濃度(%)、
Cr1は供給側ガス(1)の濃度(%)、Cp2;透過
側ガス(2)の濃度(%)、Cr2は供給側ガス(2)
の濃度(%)、Q1はガス(1)の透過率(mol/m2
・s・P a)、Q2はガス(2)の透過率(mol/m
2・s・Pa)、α*は分離係数である。
【0036】表1に示した試験結果から、シリカライト
膜で比較すると細かい玉石を用いて混合した混合ゾル液
を用いて水熱合成したゼオライト膜の方が高い分離性能
を示した。また混合方法も、回転ボールミルによる混合
よりも、小さな玉石のメディアを用いたダイヤモンドフ
ァインミルによる湿式混合の方が高い分離性能を示し、
より効果的であることがわかる。また、本発明により製
造したZSM−5膜も同様の結果となり、特に比較例3
のように従来の混合方法では分離性能を有するゼオライ
ト膜が製造できなかった骨格にアルミナを多く含むゼオ
ライト膜でも、本発明の製造方法を用いれば実施例4の
ように高い分離性能を有するゼオライト膜が製造できる
ことが分かる。
【0037】
【表1】
【0038】[実施例5]実施例1で製造したサンプル
を組み込んだエレメントを用いて(25℃)で、二酸化
炭素、窒素、酸素、メタン、プロパン、i−ブタンの各
種純気体の透過試験を行い、透過係数比を測定した。な
お、透過係数比とは左欄に示す2つの各純気体の透過率
の比を表す。結果を表2に示す。表2から実施例1によ
り製造されたゼオライト膜は、種々の気体の分離に有効
であることが確認できる。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】表1に示した結果から明らかなように、
本発明の製造方法によれば、平均直径5mm以下の玉石
のメディアを用いて湿式混合した均一な混合ゾル又は混
合ゲルの原料液を水熱合成に使用することによって、欠
陥が顕著に少ないゼオライト膜を水熱合成でき、その結
果高い分離性能を有するゼオライト膜を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例においてゼオライト膜の原料液
の混合に使用されたミルの概要を示す縦断面図。
【図2】本発明の実施例において、ガス分離試験に供し
たゼオライト膜サンプルの断面図。
【符号の説明】
1:混合空間 2:ロータ 3:回転軸 4:供給口 5:取出口 6:ケーシング 7:ゼオライト膜サンプル 8:接続部材 9:アクリル板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 久富 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (56)参考文献 特開 平5−43219(JP,A) 特開 昭63−291809(JP,A) 特開 平6−79968(JP,A) 特表 平7−502966(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 39/00 B01D 71/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均直径5mm以下の玉石のメディアを用
    いるミルで湿式混合した混合ゾル液又は混合ゲル液を合
    成原料とし、多孔質支持体上にゼオライト膜を水熱合成
    することを特徴とするゼオライト膜の製造方法。
  2. 【請求項2】上記玉石のメディアを用る湿式混合を、混
    合空間の中心軸を通る平面による縦断面が逆U字型とさ
    れた混合空間に玉石のメディアを充填し、上部に回転軸
    を有する下向きのカップ状ロータのカップ部分を該混合
    空間中において回転させ、混合ゾル液又は混合ゲル液を
    カップ状ロータの下側に設けた供給口からカップ状ロー
    タの中央部に供給し、混合ゾル液又は混合ゲル液をカッ
    プ状ロータの内面に沿って下方に移動させた後、カップ
    状ロータの外面に沿って上方に移動させ、該混合空間の
    上側に設けた取出口から湿式混合された混合ゾル液又は
    混合ゲル液を排出させるミルによって行なう請求項1に
    記載のゼオライト膜の製造方法。
  3. 【請求項3】水熱合成するゼオライト膜のゼオライト
    が、シリカとシリカ以外の金属酸化物を結晶骨格に有す
    るものである請求項1又は請求項2に記載のゼオライト
    膜の製造方法。
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