JP3501877B2 - 感光性ポリイミド用現像液 - Google Patents
感光性ポリイミド用現像液Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性ポリイミド用現
像液に関し、さらに詳しくは、良好なパターンを与える
ことができる感光性ポリイミド用現像液に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、光照射により溶解度が変化する感
光性ポリイミドが開発されている。例えば、ポリアミッ
ク酸(ポリイミド前駆体)に光架橋剤などを添加した組
成物、ポリアミック酸にアクリロイル基を導入した前駆
体(特公昭55−30207号公報、特公昭55−41
422号公報)、ポリアミック酸にアクリロイル基を塩
の形で導入した前駆体(特公昭59−52822号公
報)、ポリアミック酸にo−ニトロベンジルエステル基
を導入した前駆体などが提案されている。最近、ポリイ
ミド前駆体ではなく、ポリイミド自体を感光化する方法
が開発されている。ポリイミドは、溶剤に溶けにくいた
め、例えば、ポリイミド合成の際のアミン成分として非
対称ジアミンを用いることにより溶剤可溶性のポリイミ
ドを得たり、あるいは、ベンゾフェノンテトラカルボン
酸無水物と芳香族ジアミンとから、溶剤に可溶性で、感
光性を持つポリイミドを得ることが提案されている。 【0003】感光性ポリイミドを用いて微細パターンを
形成するには、その溶液を基板上に塗布して感光膜を形
成した後、光照射により潜像を形成し、該潜像を現像液
で現像して画像を形成する一般のリソグラフィー技術を
採用することができる。ポリイミド前駆体を用いた場合
には、残留した露光部分の被膜を加熱してポリイミド化
する。 【0004】感光性ポリイミドの現像液としては、アル
カリ水溶液を用いるアルカリ現像系と、良溶媒と貧溶媒
とを組み合わせて用いる有機溶媒系とがあるが、これら
の中でも、有機溶媒系の現像液が広く使用されている。
有機溶媒系現像液の良溶媒としては、例えば、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジン、N−アセチル−ε−カプロラク
タム、γ−ブチロラクトン、スルホラン、シクロペンタ
ノン、シクロヘキサノン、ヘキサメチルリン酸トリアミ
ド、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどの双極構
造を有する非プロトン性極性溶媒(双極性非プロトン性
極性溶媒)が用いられており、一方、貧溶媒としては、
例えば、水、アルコール類、芳香族系炭化水素類、ケト
ン類、エステル類等が用いられている。双極性非プロト
ン性極性溶媒としては、これらの中でも、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドンなどが汎用されている。 【0005】従来より、有機溶媒系現像液において、特
定の溶媒を組み合わせて用いることにより、感度、解像
性、パターン形状などを向上させる試みがなされてい
る。例えば、双極性非プロトン性極性溶媒と芳香族炭化
水素と水とを組み合わせた現像液(特開平4−1330
62号公報)、ポリイミド前駆体を感光性基を有する化
合物で変性して得られる光架橋性重合体組成物を用いて
パターンを形成するに際し、現像液として、ジメチルス
ルホキシドを1〜30重量%の割合で含有する混合溶液
を用いる方法(特開平6−51535号公報)、N−メ
チル−2−ピロリドン、キシレン、ジメチルホルムアミ
ド、及び水の混合液(特開平5−241352号公報)
などが提案されている。 【0006】近年、感光性ポリイミドを用いた微細加工
において、感度、解像性、パターン形状などの諸特性に
ついて、より高度な水準が要求されており、現像液に対
しても、さらなる改良が求められている。しかしなが
ら、従来の現像液では、感度、解像性、パターン形状な
どの特性について、高度化した要求水準に達していない
のが現状であり、新たな現像液の開発が求められてい
る。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感
度、解像性、パターン形状などの諸特性に優れたパター
ンを与えることができる感光性ポリイミド用現像液を提
供することにある。発明者らは、前記従来技術の問題点
を解決すべく鋭意研究した結果、良溶媒と貧溶媒とを組
み合わせた有機溶媒系現像液において、双極構造を有す
る非プロトン性極性溶媒として、N,N−ジメチルアク
リルアミドを使用することにより、従来の現像液を用い
た場合と比較して、解像性が向上し、残膜率が高く、現
像残りがなく、しかもパターン表面にしわができること
なく、優れたパターン形状の得られることを見いだし
た。 【0008】貧溶媒としては、水、アルコール類、ケト
ン類、芳香族炭化水素類、及びエステル類からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種を使用することが好ましい。
さらに、貧溶媒としては、水と、アルコール類、ケトン
類、芳香族炭化水素類、及びエステル類からなる群より
選ばれる少なくとも一種の有機溶媒とを併用することが
好ましい。ところで、N,N−ジメチルアクリルアミド
は、ポリイミド前駆体の反応溶媒として知られている
(特開平3−296758号公報)。しかし、N,N−
ジメチルアクリルアミドを感光性ポリイミドの現像液と
して用いることは提案されていない。当然のこととし
て、N,N−ジメチルアクリルアミドを必須成分として
含有する現像液が示す特異な作用効果については知られ
ていなかった。本発明は、これらの知見に基づいて完成
するに至ったものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、双極構造を有する非プロトン性極性溶媒、及び感光
性ポリイミドに対する貧溶媒を含有する感光性ポリイミ
ド用現像液において、双極構造を有する非プロトン性極
性溶媒としてN,N−ジメチルアクリルアミドを用いた
ことを特徴とする感光性ポリイミド用現像液が提供され
る。 【0010】また、本発明によれば、以下のような好ま
しい実施態様が提供される。 (1)N,N−ジメチルアクリルアミドの含有割合が6
0〜95重量%である前記感光性ポリイミド用現像液。 (2)N,N−ジメチルアクリルアミドの含有割合が7
0〜90重量%である前記感光性ポリイミド用現像液。 (3)貧溶媒が、水、アルコール類、ケトン類、芳香族
炭化水素類、及びエステル類からなる群より選ばれる少
なくとも一種である前記感光性ポリイミド用現像剤。 (4)貧溶媒が、水と、アルコール類、ケトン類、芳香
族炭化水素類、及びエステル類からなる群より選ばれる
少なくとも一種の有機溶媒とを組み合わせたものである
前記感光性ポリイミド用現像剤。 (5)水と有機溶媒との使用割合が1:2〜2:1(重
量比)である前記感光性ポリイミド用現像液。 (6)N,N−ジメチルアクリルアミド60〜95重量
%、水2〜25重量%、及びアルコール類、ケトン類、
芳香族炭化水素類、及びエステル類からなる群より選ば
れる少なくとも一種の有機溶媒2〜25重量%を含有す
る前記感光性ポリイミド用現像液。 (7)N,N−ジメチルアクリルアミド70〜90重量
%、水5〜20重量%、及びアルコール類、ケトン類、
芳香族炭化水素類、及びエステル類からなる群より選ば
れる少なくとも一種の有機溶媒5〜20重量%を含有す
る前記感光性ポリイミド用現像液。 【0011】以下、本発明について詳述する。感光性ポリイミド 本発明の現像液の使用対象である感光性ポリイミドと
は、ポリイミドまたはポリイミド前駆体に感光基を導入
したもの、あるいは感光基を有する感光性化合物を配合
して、光に対する感応性を付与したものである。感光基
としては、光により二量化または重合して、ポリマー間
に架橋を生ずるもの、光によって生じるラジカルやイオ
ンなどの活性体がポリマー間に架橋を生じるもの、ある
いは、これらの活性体がポリマーと反応してポリマーの
溶解性を変えるものなどが挙げられる。感光基の具体例
としては、炭素−炭素二重結合、アジド基、キノンジア
ジド基などが挙げられる。また、感光性化合物の具体例
としては、重クロム酸塩、ビスアジド化合物、ナフトキ
ノンジアジド化合物、アミノ基を有するビニル化合物な
どが挙げられる。 【0012】感光性ポリイミドの好ましい具体例として
は、例えば、(1)ジアミン化合物とテトラカルボン酸
またはその無水物とを反応させて得られるポリアミック
酸化合物(ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル
等)に、光重合性アクリロイル基を導入したもの、
(2)ポリアミック酸化合物の末端に、化学線官能基を
導入したもの、(3)ポリアミック酸化合物の溶液(ポ
リイミドワニス)に、メタクリル酸などの感光基を有す
るアミノ化合物を混合したもの、(4)ポリアミック酸
化合物に、光により二量化または重合可能な基をエステ
ル結合で導入したもの、ポリイミドワニスに、N−メチ
ロールアクリルアミド化合物を混合したもの、(5)ポ
リイミドワニスに、アクリルモノマーを混合したもの、
(6)ポリアミック酸化合物の側鎖に、エステル結合、
エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合などの化学結
合により、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリ
ル基、シンナミル基、マレイミド基などの感光性基を導
入したもの、などを挙げることができる。 【0013】感光性ポリイミドには、必要に応じて、光
重合開始剤、光増感剤、架橋助剤などを配合してもよ
い。また、感光性ポリイミドは、通常、各成分を均一に
溶解するに足る量の溶媒に均一に溶解して用いられる。
このような感光性ポリイミドとしては、例えば、特公昭
59−52822号公報、特開昭61−127731号
公報、特開平4−70661号公報、特開平6−777
41号公報に記載された感光性樹脂組成物、市販の旭化
成社製「TL−500」などの「パイメル」シリーズ、
東レ社製「フォトニース UR−5100」などの「フ
ォトニース」シリーズなどが例示される。また、化学線
官能基を導入したポリアミック酸化合物としては、特願
平6−256222号や特願平6−247109号に提
案されているものを好ましく使用することができる。 【0014】以下、ポリアミック酸化合物、及び好まし
い感光性ポリイミドについて、さらに詳しく述べる。ポ
リアミック酸化合物は、ジアミン化合物とテトラカルボ
ン酸またはその無水物とを、無水の条件下、有機極性溶
媒中、0〜100℃で縮重合反応させることにより合成
することができる。このようにして得られたポリアミッ
ク酸化合物の溶液(ポリイミドワニス)に、感光性基を
有する化合物を添加したり、ポリアミック酸化合物に感
光性基を導入したりして感光性ポリイミドを製造する。
ポリアミック酸化合物の末端に化学線官能基を導入する
場合には、ポリアミック酸化合物の合成時に、例えば、
トリメリット酸誘導体類やアミノベンゼン類を存在させ
る方法が好ましい。 【0015】<ジアミン化合物>ジアミン化合物として
は、例えば、2,2′−ジ(p−アミノフェニル)−
6,6′−ビスベンゾオキサゾール、2,2′−ジ(p
−アミノフェニル)−5,5′−ビスベンゾオキサゾー
ル、m−フェニレンジアミン、1−イソプロピル−2,
4−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、
4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジ
アミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエタン、3,3′ジアミノジフェニルエタン、4,
4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノ
ジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスル
フィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、
4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジ
アミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、ベンジジン、4,4″−ジアミノ−p−テルフェニ
ル、3,3″−ジアミノ−p−テルフェニル、ビス(p
−アミノシクロヘキシル)メテン、ビス(p−β−アミ
ノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メ
チル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−
メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス
(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、
1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタ
レン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエ
ン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5
−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キ
シリレンジアミン、p−キシリレンジアミンなどの芳香
族ジアミン類;2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジ
アミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキ
サジアゾールなどの複素環ジアミン類;1,4−ジアミ
ノシクロヘキサンなどの脂環式ジアミン類;ピペラジ
ン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレン
ジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、テト
ラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジ
アミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタ
メチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジ
アミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−
ジメチルヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジア
ミン、ノナメチレンジアミン、5−メチルノナメチレン
ジアミン、2,5−ジメチルノナメチレンジアミン、デ
カメチレンジアミン、1,10−ジアミノ−1,10−
ジメチルデカン、2,11−ジアミノドデカン、1,1
2−ジアミノオクタデカン、2,12−ジアミノオクタ
デカン、2,17−ジアミノアイコサンなどの脂肪族ジ
アミン類のほか、ジアミノシロキサン、2,6−ジアミ
ノ−4−カルボキシリックベンゼン、3,3′−ジアミ
ノ−4,4′−ジカルボキシリックベンジジンなどが挙
げられる。 【0016】これらのジアミンは、それぞれ単独で、あ
るいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、2,2′−ジ(p−アミノフェニル)
−6,6′−ビスベンゾオキサゾール、及び2,2′−
ジ(p−アミノフェニル)−5,5′−ビスベンゾオキ
サゾールは、低熱膨張性で高耐熱性のポリマーが得られ
るので、特に好ましい。 【0017】<テトラカルボン酸またはその酸無水物>
テトラカルボン酸またはその酸無水物としては、例え
ば、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−
1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、2,
2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラ
カルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テ
トラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5
−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,
5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,
2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメ
チル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレ
ン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4,
8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ
ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水
物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テ
トラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン
−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,
3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8
−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−テトラ
クロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸
二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ジフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ジフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、2,3″,4,4″−p
−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2″,
3,3″−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3″,4″−p−テルフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシ
フェニル)−プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水
物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二
無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホ
ン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ス
ルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシ
フェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン−2,
3,8,9−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−
3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ペリレ
ン−4,5,10,11−テトラカルボン酸二無水物、
ペリレン−5,6,11,12−テトラカルボン酸二無
水物、フェナンスレン−1,2,7,8−テトラカルボ
ン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,6,7−テト
ラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,9,
10−テトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物及びその水素添加物;シクロペンタン
−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロ
ブタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,
2]オクタ−7−エン−2−エキソ,3−エキソ,5−
エキソ,6−エキソテトラカルボン酸2,3:5,6−
二無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−エキ
ソ,3−エキソ,5−エキソ,6−エキソテトラカルボ
ン酸2,3:5,6−二無水物などの脂環式酸無水物;
ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水
物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二
無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン
酸二無水物などの複素環誘導体などが挙げられる。これ
らは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。これらの中でも、ピロメリッ
ト酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、及びこれらの組み合わせは、
良好な低熱膨張性、耐クラック性、解像性などを実現す
る上で、特に好ましい。 【0018】<化学線官能基の導入>本発明では、各種
の感光性ポリイミドを使用することができるが、特に、
末端に化学線官能基を導入したポリアミック酸化合物が
好ましい。そのために、ポリアミック酸化合物合成時
に、例えば、トリメリット酸アンハイドライド[トリス
(アクリロイル)ペンタエリスリトール]エステル、ト
リメリット酸アンハイドライド[トリス(メタクリロイ
ル)ペンタエリスリトール]エステルなどトリメリット
酸誘導体(特願平6−256222号)、あるいはp−
アミノ安息香酸〔トリス(メタクリロイル)ペンタエリ
スリトール〕エステルなどのアミノベンゼンカルボン酸
エステル(特願平6−247109号)などを存在させ
ることができる。 【0019】このような化学線官能基を導入したポリア
ミド酸は、ジアミン化合物に、トリメリット酸誘導体
とテトラカルボン酸またはその酸無水物を加え、常法に
より縮合反応させる方法、ジアミン化合物とトリメリ
ット酸誘導体との混合物に、テトラカルボン酸またはそ
の酸無水物を加え、常法により縮合反応させる方法、
ジアミン化合物とアミノベンゼンカルボン酸エステルと
の混合物に、テトラカルボン酸またはその酸無水物を加
え、常法により縮合反応させる方法などにより合成する
ことができる。 【0020】<感光助剤>感光助剤としては、ペンタエ
リスリトールトリアクリレートなどの(メタ)アクリル
酸系化合物が代表的なものである。アクリル酸系化合物
としては、例えば、アクリル酸、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソ
プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ
ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベ
ンジルアクリレート、カルビトールアクリレート、メト
キシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、ブトキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ブチレ
ングリコールモノアクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
アクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロ
フルフリルアクリレート、ペンタエリスリトールモノア
クリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレー
ト、アリルアクリレート、1,3−プロピレングリコー
ルジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアク
リレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピ
レングリコールジアクリレート、2,2−ビス−(4−
アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス−(4−アクリロキシプロピルキシフェニル)プロ
パン、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタ
エリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、トリアクリルホルマール、テトラメチロールメ
タンテトラアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌル酸のアクリル酸エステル、 【0021】 【化1】 (式中、bは、1〜30の整数を表す。)、 【0022】 【化2】 (式中、c及びdは、c+d=2〜30となる整数を表
す。)、 【0023】 【化3】 【0024】 【化4】 等を挙げることができる。 【0025】メタクリル酸系化合物としては、例えば、
メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタ
クリレート、オクチルメタクリレート、エチルヘキシル
メタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エト
キシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレ
ート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、ヒドロキシペンチルメタクリレート、N,N−ジメ
チルアミノメタクリレート、N,N−ジエチルアミノメ
タクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒド
ロフルフリルメタクリレート、メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、アリルメタクリレート、トリメチ
ロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリト
ールモノメタクリレート、1,3−ブチレングリコール
ジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、2,2−ビス−(4−メタクリロキシジエトキシフ
ェニル)プロパン、トリメチロールプロパンジメタクリ
レート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリメタクリレート、テトラメチロールメタンテ
トラメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)
イソシアヌル酸のメタクリル酸エステル、 【0026】 【化5】 (式中、eは、1〜30の整数を表す。)、 【0027】 【化6】 (式中、f及びgは、f+g=1〜30となる整数を表
す。)、 【0028】 【化7】 【0029】 【化8】 等を挙げることができる。 【0030】これらの化合物は、それぞれ単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて使用することができる。こ
れらの中でも、特に、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、及び前記化4の化合物(b=3)が好ましい。
市販品としては、3EG−A(共栄化学社製)、ビスコ
ート300(大阪有機化学社製)などを挙げることがで
きる。感光助剤は、ポリアミック酸化合物100重量部
に対して、通常、10〜40重量部、好ましくは15〜
35重量部、より好ましくは20〜30重量部の割合で
使用することが望ましい。 【0031】<溶剤>感光性ポリイミドを溶解するため
に使用する溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメ
チル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロ
ラクトンなどの極性溶剤が挙げられる。これらの極性溶
剤のほかに、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、
マロン酸ジエチル等のエステル類;ジエチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエー
テル類;ジクロロメタン、1,2−ジクロルエタン、
1,4−ジクロルブタン、トリクロルエタン、クロルベ
ンゼン、o−ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素
類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素類なども使用することができ
る。これらの溶剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以
上を組み合わせて使用することができる。これらの中で
も、N,N−ジメチルアセトアミドやN−メチル−2−
ピロリドンなどが特に好ましい。溶剤の使用量は、各成
分を均一に溶解するのに充分な量とする。 【0032】<光重合開始剤>光重合開始剤としては、
例えば、ミヒラーズケトン、ベンゾイン、2−メチルベ
ンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチ
ルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾ
インブチルエーテル、2−t−ブチルアントラキノン、
1,2−ベンゾ−9,10−アントラキノン、アントラ
キノン、メチルアントラキノン、4,4′−ビス−(ジ
エチルアミノ)ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベン
ゾフェノン、チオキサントン、1,5−アセナフテン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチ
ル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリ
ノ−1−プロパノン、ジアセチルベンジル、ベンジルジ
メチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ジフェニ
ルジスルフィド、アントラセン、フェナンスレンキノ
ン、リボフラビンテトラブチレート、アクリジンオレン
ジ、エリスロシン、フェナンスレンキノン、2−イソプ
ロピルチオキサントン、2,6−ビス(p−ジエチルア
ミノベンジリデン)−4−メチル−4−アザシクロヘキ
サノン、6−ビス(p−ジメチルアミノベンジリデン)
−シクロペンタノン、2,6−ビス(p−ジエチルアミ
ノベンジリデン)−4−フェニルシクロヘキサノン、ア
ミノスチリルケトン、3−ケトクマリン化合物、ビスク
マリン化合物、N−フェニルグリシン、N−フェニルジ
エタノールアミン、3,3′,4,4′−テトラ(t−
ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどを挙
げることができる。光重合開始剤は、ポリアミック酸化
合物100重量部に対して、通常、0〜10重量部、好
ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは1〜5重量
部の割合で使用される。 【0033】<その他の添加剤>感光性ポリイミドに
は、さらに必要に応じて接着助剤、レベリング剤、重合
禁止剤等の各種添加剤を使用することができる。 【0034】感光性ポリイミドの使用方法 感光性ポリイミド、溶媒、及び必要に応じて各種添加剤
を含有する感光性ポリイミド組成物は、先ず、適当な支
持体、例えば、シリコンウェハやセラミック、アルミニ
ウム基板などに塗布する。塗布方法としては、スピンナ
ーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗
布、浸漬、印刷、ロールコーティングなどの方法があ
る。次に、比較的低温でプリベークして塗膜を乾燥後、
所望のパターン形状に活性光線(化学線)を照射する。
化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線など
が使用できる。次いで、未照射部を現像液で溶解除去す
ることによりレリーフパターンを得る。本発明では、現
像液として、N,N−ジメチルアクリルアミドを含む混
合液を使用する。現像方法としては、スプレー、パド
ル、浸漬、及び超音波などの各種方式を採用することが
できる。現像によって形成したレリーフパターンは、リ
ンスする。リンス液としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、酢酸ブチルなどが挙げら
れる。次に、加熱処理を行ってイミド環を形成し、ポリ
アミック酸化合物をポリイミド化して、耐熱性に富む最
終パターンを得る。 【0035】現像液 本発明においては、N,N−ジメチルアクリルアミドを
必須成分として含有する貧溶媒との混合液を感光性ポリ
イミド用現像液として使用する。N,N−ジメチルアク
リルアミドは、感光性ポリイミドに対して良溶媒として
働く。本発明の目的・効果を損なわない限りにおいて、
従来から良溶媒として用いられているその他の溶媒を添
加することができ、その量は、N,N−ジメチルアクリ
ルアミドに対して、通常、10重量%以下、好ましくは
5重量%以下である。 【0036】N,N−ジメチルアクリルアミドは、従来
から感光性ポリイミド用現像液において双極性非プロト
ン性極性溶媒として用いられているN−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホ
ルムアミド、γ−ブチロラクトン等と比べて、露光部へ
の親和性が弱く、膨潤が生じにくい。その結果、パター
ン表面にシワができることなく、高い解像性を得ること
が可能となる。N,N−ジメチルアクリルアミドの使用
割合は、現像液全体を基準にして、通常、60〜95重
量%、好ましくは70〜90重量%である。この割合が
95重量%を超えると露光部への現像液の親和性が強く
なりすぎて膨潤が起こりやすくなり、逆に、60重量%
に満たないと現像残が起こりやすくなるので、何れの場
合も好ましくない。 【0037】感光性ポリイミドに対する貧溶媒として
は、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、
イソブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチル
エチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサン、メチ
ルビニルケトンなどのケトン類;トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族炭
化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソ
プロピルセロソルブなどのエステル類が挙げられるが、
好ましくはアルコール類、芳香族炭化水素類、ケトン類
であり、より好ましくはアルコール類と芳香族炭化水素
類である。これらはそれぞれ単独で、あるいは2種以上
を組み合わせて使用する。 【0038】貧溶媒は、現像液全量基準で、通常、5〜
40重量%、好ましくは10〜30重量%の割合で使用
される。貧溶媒は、2種以上を組み合わせて使用するこ
とが好ましく、水と有機溶媒(アルコール類、ケトン
類、芳香族炭化水素類、エステル類など)とを組み合わ
せて用いることがより好ましい。水と有機溶媒との使用
割合は、通常、1:2〜2:1(重量比)である。有機
溶媒に対する水の量比が2倍量(重量基準)を越える
と、現像後に露光表面の荒れが生じやすくなり、逆に
0.5倍量に満たないと現像時にクラックが入りやすく
なるので、何れの場合も好ましくない。さらに、本発明
の現像液には、現像液の変質を防止するために、この分
野で通常用いられる酸化防止剤や重合禁止剤などを含ん
でいてもよい。 【0039】本発明の好ましい現像液の組成は、N,N
−ジメチルアクリルアミドが60〜95重量%、水が2
〜25重量%、及び有機溶媒(貧溶媒)が2〜25重量
%である。本発明のより好ましい現像液の組成は、N,
N−ジメチルアクリルアミドが70〜90重量%、水が
5〜20重量%、及び有機溶媒(貧溶媒)が5〜20重
量%である。本発明の現像液は、特に、前記東レ社製の
市販品であるイオン架橋タイプの感光性ポリイミド、あ
るいは化学線官能基で末端変性されたポリアミック酸化
合物タイプの感光性ポリイミドに対して、とりわけ高い
効果を得ることができる。 【0040】 【実施例】以下に参考例、合成例、実施例を挙げて本発
明をさらに具体的に説明する。なお、各例中の部及び%
は、特に断りのない限り重量基準である。 【0041】[合成例1]p−アミノ安息香酸[トリス(メタクリロイル)ペンタ
エリスリトール]エステルの合成 (1)反応器に、ペンタエリスリトールトリメタクリレ
ート13.1g、トリエチルアミン4.1g、及び塩化
メチレン35mlを添加し、氷冷下、攪拌下に、p−ニ
トロベンゾイルクロライド6.7g、及び塩化メチレン
25mlを滴下した後、氷冷下で2時間、引き続き室温
で2時間反応させた。反応終了後、反応液にクロロホル
ム及び水を加え、次いで、塩酸を加えて、クロロホルム
層を分取した。減圧下にクロロホルムを留去して得られ
た淡黄色油状物をカラムクロマトグラフィーで精製し
て、p−ニトロ安息香酸[トリス(メタクリロイル)ペ
ンタエリスリトール]エステル15.1g(収率85.
8%)を得た。 (2)反応器に、p−ニトロ安息香酸[トリス(メタク
リロイル)ペンタエリスリトール]エステル15.1
g、塩化第一スズ35.1g、及びテトラヒドロフラン
150mlを加え、氷冷下、攪拌下に、塩化水素ガスを
導入した。氷冷下で1時間、引き続き室温で1時間反応
後、反応液に、水及び炭酸ナトリウムを加えて弱アルカ
リ性とした。次に、クロロホルムで抽出し、減圧下にク
ロロホルムを留去後、残部をカラムクロマトグラフィー
で精製して、p−アミノ安息香酸[トリス(メタクリロ
イル)ペンタエリスリトール]エステル13.8g(収
率92.3%)を得た。 【0042】[合成例2]感光性ポリイミドの合成 反応器に、2,2′−ジ(p−アミノフェニル)−6,
6′−ビスベンゾオキサゾール110.5g(0.26
4mol)、末端変性用アミンとして合成例1で得られ
たp−アミノ安息香酸[トリス(メタクリロイル)ペン
タエリスリトール]エステル10.1g(0.022m
ol)、ジメチルアセトアミド552g、及びN−メチ
ル−2−ピロリドン552gを投入して均一溶液を調製
した後、氷冷下、撹拌下に、酸無水物として3,3′,
4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物8
8.6g(0.276mol)を少量づつ粉体で加え
た。次いで、氷冷下で3時間、引き続き室温下で20時
間反応させて、ポリアミック酸を合成した。 【0043】[実施例1〜4、比較例1〜4]合成例2
で得られたポリアミック酸625.0重量部(固形分1
00重量部)に、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブ
チルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(以下、B
TTB:λmax=340nm、日本油脂社製)2重量
部、N−フェニルグリシン2重量部、及び感光助剤とし
て3EG−A(共栄社化学製)28重量部を添加し、室
温で溶解した。このようにして、調製した感光性ポリイ
ミド組成物をシリコンウエハ上にスピンナーで塗布し、
乾燥機により80℃で30分間乾燥して、厚み約10μ
mの塗膜を得た。塗膜の厚みは、表面形状測定装置P−
10(テンコール社製)で測定した。露光装置PLA−
501F(キャノン社製)に、ライン&スペース(L/
S)解像度評価マスク(凸版印刷社製)をセットして、
ソフトコンタクトモード露光量250mJまたは350
mJで露光した。次いで、下記の組成の現像液1〜4の
いずれか1つでスプレー現像を行い、パターンを得た。 【0044】<現像液1> N,N−ジメチルアクリルアミド 80重量部 イソプロピルアルコール 12重量部 水 8重量部 <現像液2> N,N−ジメチルアクリルアミド 75重量部 イソプロピルアルコール 17重量部 水 8重量部 <現像液3> N,N−ジメチルアセトアミド 75重量部 イソプロピルアルコール 17重量部 水 8重量部 <現像液4> N−メチル−2−ピロリドン 75重量部 イソプロピルアルコール 17重量部 水 8重量部 上記現像液1〜4の内、現像液1及び2が本発明の実施
例に該当する。現像した後、光学顕微鏡にてパターンを
観察し、現像後の膜厚を測定して残膜率を計算した。結
果を表1に示す。 【0045】 【表1】(脚注) (*1)露光後、基板をクリーンベンチ内に3日間放置
した後、現像して得られたパターンを光学顕微鏡にて観
測した結果である。 【0046】表1の結果から本発明の現像液1及び2を
用いると、少ない露光量でも、高感度、高残膜率で、良
好なパターンの得られることが判る。すなわち、本発明
の現像液1及び2を用いると、低い露光量で解像性がよ
く、しわや現像残りのないパターン形成が可能である。
また、露光後、3日放置した後でも性能が全く変化しな
いが、他の配合の現像液3及び4を用いた場合には、し
わや現像残りが発生するなど性能が変化する。 【0047】[実施例5〜8、比較例5〜8]感光性ポ
リイミド組成物として東レ社製の商品名フォトニース
UR−5100をシリコンウエハ上にスピンナーで塗布
し、乾燥機により80℃で30分間乾燥して、厚み約1
0μmの塗膜を得た。塗膜の厚みは、表面形状測定装置
P−10(テンコール社製)で測定した。露光装置PL
A−501F(キャノン社製)に、ライン&スペース
(L/S)解像度評価マスク(凸版印刷社製)をセット
して、ソフトコンタクトモード露光量250mJまたは
350mJで露光した。次いで、前記組成の現像液1〜
4のいずれか1つでスプレー現像を行い、パターンを得
た。結果を表2に示す。 【0048】 【表2】 (脚注) (*1)露光後、基板をクリーンベンチ内に3日間放置
した後、現像して得られたパターンを光学顕微鏡にて観
測した結果である。 【0049】表2からわかるとおり、本発明の現像液1
及び2を用いると、低い露光量で解像性がよく、しわや
現像残りのないパターン形成が可能であることがわか
る。また、露光後、3日放置した後でもまったく性能が
変化しないが、他の配合の現像液3及び4では、しわや
現像残りが発生するなど性能が変化している。 【0050】 【発明の効果】本発明によれば、感度、解像性、パター
ン形状などの諸特性に優れたパターンを与えることがで
きる感光性ポリイミド用現像液が提供される。本発明で
は、良溶媒と貧溶媒とを組み合わせた有機溶媒系現像液
において、双極構造を有する非プロトン性極性溶媒とし
て、N,N−ジメチルアクリルアミドを使用することに
より、従来の現像液を用いた場合と比較して、解像性が
向上し、残膜率が高く、現像残りがなく、しかもパター
ン表面にしわができることなく、優れたパターン形状を
得ることができる。
像液に関し、さらに詳しくは、良好なパターンを与える
ことができる感光性ポリイミド用現像液に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、光照射により溶解度が変化する感
光性ポリイミドが開発されている。例えば、ポリアミッ
ク酸(ポリイミド前駆体)に光架橋剤などを添加した組
成物、ポリアミック酸にアクリロイル基を導入した前駆
体(特公昭55−30207号公報、特公昭55−41
422号公報)、ポリアミック酸にアクリロイル基を塩
の形で導入した前駆体(特公昭59−52822号公
報)、ポリアミック酸にo−ニトロベンジルエステル基
を導入した前駆体などが提案されている。最近、ポリイ
ミド前駆体ではなく、ポリイミド自体を感光化する方法
が開発されている。ポリイミドは、溶剤に溶けにくいた
め、例えば、ポリイミド合成の際のアミン成分として非
対称ジアミンを用いることにより溶剤可溶性のポリイミ
ドを得たり、あるいは、ベンゾフェノンテトラカルボン
酸無水物と芳香族ジアミンとから、溶剤に可溶性で、感
光性を持つポリイミドを得ることが提案されている。 【0003】感光性ポリイミドを用いて微細パターンを
形成するには、その溶液を基板上に塗布して感光膜を形
成した後、光照射により潜像を形成し、該潜像を現像液
で現像して画像を形成する一般のリソグラフィー技術を
採用することができる。ポリイミド前駆体を用いた場合
には、残留した露光部分の被膜を加熱してポリイミド化
する。 【0004】感光性ポリイミドの現像液としては、アル
カリ水溶液を用いるアルカリ現像系と、良溶媒と貧溶媒
とを組み合わせて用いる有機溶媒系とがあるが、これら
の中でも、有機溶媒系の現像液が広く使用されている。
有機溶媒系現像液の良溶媒としては、例えば、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジン、N−アセチル−ε−カプロラク
タム、γ−ブチロラクトン、スルホラン、シクロペンタ
ノン、シクロヘキサノン、ヘキサメチルリン酸トリアミ
ド、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどの双極構
造を有する非プロトン性極性溶媒(双極性非プロトン性
極性溶媒)が用いられており、一方、貧溶媒としては、
例えば、水、アルコール類、芳香族系炭化水素類、ケト
ン類、エステル類等が用いられている。双極性非プロト
ン性極性溶媒としては、これらの中でも、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドンなどが汎用されている。 【0005】従来より、有機溶媒系現像液において、特
定の溶媒を組み合わせて用いることにより、感度、解像
性、パターン形状などを向上させる試みがなされてい
る。例えば、双極性非プロトン性極性溶媒と芳香族炭化
水素と水とを組み合わせた現像液(特開平4−1330
62号公報)、ポリイミド前駆体を感光性基を有する化
合物で変性して得られる光架橋性重合体組成物を用いて
パターンを形成するに際し、現像液として、ジメチルス
ルホキシドを1〜30重量%の割合で含有する混合溶液
を用いる方法(特開平6−51535号公報)、N−メ
チル−2−ピロリドン、キシレン、ジメチルホルムアミ
ド、及び水の混合液(特開平5−241352号公報)
などが提案されている。 【0006】近年、感光性ポリイミドを用いた微細加工
において、感度、解像性、パターン形状などの諸特性に
ついて、より高度な水準が要求されており、現像液に対
しても、さらなる改良が求められている。しかしなが
ら、従来の現像液では、感度、解像性、パターン形状な
どの特性について、高度化した要求水準に達していない
のが現状であり、新たな現像液の開発が求められてい
る。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感
度、解像性、パターン形状などの諸特性に優れたパター
ンを与えることができる感光性ポリイミド用現像液を提
供することにある。発明者らは、前記従来技術の問題点
を解決すべく鋭意研究した結果、良溶媒と貧溶媒とを組
み合わせた有機溶媒系現像液において、双極構造を有す
る非プロトン性極性溶媒として、N,N−ジメチルアク
リルアミドを使用することにより、従来の現像液を用い
た場合と比較して、解像性が向上し、残膜率が高く、現
像残りがなく、しかもパターン表面にしわができること
なく、優れたパターン形状の得られることを見いだし
た。 【0008】貧溶媒としては、水、アルコール類、ケト
ン類、芳香族炭化水素類、及びエステル類からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種を使用することが好ましい。
さらに、貧溶媒としては、水と、アルコール類、ケトン
類、芳香族炭化水素類、及びエステル類からなる群より
選ばれる少なくとも一種の有機溶媒とを併用することが
好ましい。ところで、N,N−ジメチルアクリルアミド
は、ポリイミド前駆体の反応溶媒として知られている
(特開平3−296758号公報)。しかし、N,N−
ジメチルアクリルアミドを感光性ポリイミドの現像液と
して用いることは提案されていない。当然のこととし
て、N,N−ジメチルアクリルアミドを必須成分として
含有する現像液が示す特異な作用効果については知られ
ていなかった。本発明は、これらの知見に基づいて完成
するに至ったものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、双極構造を有する非プロトン性極性溶媒、及び感光
性ポリイミドに対する貧溶媒を含有する感光性ポリイミ
ド用現像液において、双極構造を有する非プロトン性極
性溶媒としてN,N−ジメチルアクリルアミドを用いた
ことを特徴とする感光性ポリイミド用現像液が提供され
る。 【0010】また、本発明によれば、以下のような好ま
しい実施態様が提供される。 (1)N,N−ジメチルアクリルアミドの含有割合が6
0〜95重量%である前記感光性ポリイミド用現像液。 (2)N,N−ジメチルアクリルアミドの含有割合が7
0〜90重量%である前記感光性ポリイミド用現像液。 (3)貧溶媒が、水、アルコール類、ケトン類、芳香族
炭化水素類、及びエステル類からなる群より選ばれる少
なくとも一種である前記感光性ポリイミド用現像剤。 (4)貧溶媒が、水と、アルコール類、ケトン類、芳香
族炭化水素類、及びエステル類からなる群より選ばれる
少なくとも一種の有機溶媒とを組み合わせたものである
前記感光性ポリイミド用現像剤。 (5)水と有機溶媒との使用割合が1:2〜2:1(重
量比)である前記感光性ポリイミド用現像液。 (6)N,N−ジメチルアクリルアミド60〜95重量
%、水2〜25重量%、及びアルコール類、ケトン類、
芳香族炭化水素類、及びエステル類からなる群より選ば
れる少なくとも一種の有機溶媒2〜25重量%を含有す
る前記感光性ポリイミド用現像液。 (7)N,N−ジメチルアクリルアミド70〜90重量
%、水5〜20重量%、及びアルコール類、ケトン類、
芳香族炭化水素類、及びエステル類からなる群より選ば
れる少なくとも一種の有機溶媒5〜20重量%を含有す
る前記感光性ポリイミド用現像液。 【0011】以下、本発明について詳述する。感光性ポリイミド 本発明の現像液の使用対象である感光性ポリイミドと
は、ポリイミドまたはポリイミド前駆体に感光基を導入
したもの、あるいは感光基を有する感光性化合物を配合
して、光に対する感応性を付与したものである。感光基
としては、光により二量化または重合して、ポリマー間
に架橋を生ずるもの、光によって生じるラジカルやイオ
ンなどの活性体がポリマー間に架橋を生じるもの、ある
いは、これらの活性体がポリマーと反応してポリマーの
溶解性を変えるものなどが挙げられる。感光基の具体例
としては、炭素−炭素二重結合、アジド基、キノンジア
ジド基などが挙げられる。また、感光性化合物の具体例
としては、重クロム酸塩、ビスアジド化合物、ナフトキ
ノンジアジド化合物、アミノ基を有するビニル化合物な
どが挙げられる。 【0012】感光性ポリイミドの好ましい具体例として
は、例えば、(1)ジアミン化合物とテトラカルボン酸
またはその無水物とを反応させて得られるポリアミック
酸化合物(ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル
等)に、光重合性アクリロイル基を導入したもの、
(2)ポリアミック酸化合物の末端に、化学線官能基を
導入したもの、(3)ポリアミック酸化合物の溶液(ポ
リイミドワニス)に、メタクリル酸などの感光基を有す
るアミノ化合物を混合したもの、(4)ポリアミック酸
化合物に、光により二量化または重合可能な基をエステ
ル結合で導入したもの、ポリイミドワニスに、N−メチ
ロールアクリルアミド化合物を混合したもの、(5)ポ
リイミドワニスに、アクリルモノマーを混合したもの、
(6)ポリアミック酸化合物の側鎖に、エステル結合、
エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合などの化学結
合により、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリ
ル基、シンナミル基、マレイミド基などの感光性基を導
入したもの、などを挙げることができる。 【0013】感光性ポリイミドには、必要に応じて、光
重合開始剤、光増感剤、架橋助剤などを配合してもよ
い。また、感光性ポリイミドは、通常、各成分を均一に
溶解するに足る量の溶媒に均一に溶解して用いられる。
このような感光性ポリイミドとしては、例えば、特公昭
59−52822号公報、特開昭61−127731号
公報、特開平4−70661号公報、特開平6−777
41号公報に記載された感光性樹脂組成物、市販の旭化
成社製「TL−500」などの「パイメル」シリーズ、
東レ社製「フォトニース UR−5100」などの「フ
ォトニース」シリーズなどが例示される。また、化学線
官能基を導入したポリアミック酸化合物としては、特願
平6−256222号や特願平6−247109号に提
案されているものを好ましく使用することができる。 【0014】以下、ポリアミック酸化合物、及び好まし
い感光性ポリイミドについて、さらに詳しく述べる。ポ
リアミック酸化合物は、ジアミン化合物とテトラカルボ
ン酸またはその無水物とを、無水の条件下、有機極性溶
媒中、0〜100℃で縮重合反応させることにより合成
することができる。このようにして得られたポリアミッ
ク酸化合物の溶液(ポリイミドワニス)に、感光性基を
有する化合物を添加したり、ポリアミック酸化合物に感
光性基を導入したりして感光性ポリイミドを製造する。
ポリアミック酸化合物の末端に化学線官能基を導入する
場合には、ポリアミック酸化合物の合成時に、例えば、
トリメリット酸誘導体類やアミノベンゼン類を存在させ
る方法が好ましい。 【0015】<ジアミン化合物>ジアミン化合物として
は、例えば、2,2′−ジ(p−アミノフェニル)−
6,6′−ビスベンゾオキサゾール、2,2′−ジ(p
−アミノフェニル)−5,5′−ビスベンゾオキサゾー
ル、m−フェニレンジアミン、1−イソプロピル−2,
4−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、
4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジ
アミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエタン、3,3′ジアミノジフェニルエタン、4,
4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノ
ジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスル
フィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、
4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジ
アミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、ベンジジン、4,4″−ジアミノ−p−テルフェニ
ル、3,3″−ジアミノ−p−テルフェニル、ビス(p
−アミノシクロヘキシル)メテン、ビス(p−β−アミ
ノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メ
チル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−
メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス
(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、
1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタ
レン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエ
ン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5
−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キ
シリレンジアミン、p−キシリレンジアミンなどの芳香
族ジアミン類;2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジ
アミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキ
サジアゾールなどの複素環ジアミン類;1,4−ジアミ
ノシクロヘキサンなどの脂環式ジアミン類;ピペラジ
ン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレン
ジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、テト
ラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジ
アミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタ
メチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジ
アミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−
ジメチルヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジア
ミン、ノナメチレンジアミン、5−メチルノナメチレン
ジアミン、2,5−ジメチルノナメチレンジアミン、デ
カメチレンジアミン、1,10−ジアミノ−1,10−
ジメチルデカン、2,11−ジアミノドデカン、1,1
2−ジアミノオクタデカン、2,12−ジアミノオクタ
デカン、2,17−ジアミノアイコサンなどの脂肪族ジ
アミン類のほか、ジアミノシロキサン、2,6−ジアミ
ノ−4−カルボキシリックベンゼン、3,3′−ジアミ
ノ−4,4′−ジカルボキシリックベンジジンなどが挙
げられる。 【0016】これらのジアミンは、それぞれ単独で、あ
るいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、2,2′−ジ(p−アミノフェニル)
−6,6′−ビスベンゾオキサゾール、及び2,2′−
ジ(p−アミノフェニル)−5,5′−ビスベンゾオキ
サゾールは、低熱膨張性で高耐熱性のポリマーが得られ
るので、特に好ましい。 【0017】<テトラカルボン酸またはその酸無水物>
テトラカルボン酸またはその酸無水物としては、例え
ば、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−
1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、2,
2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラ
カルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テ
トラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5
−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,
5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,
2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメ
チル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレ
ン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4,
8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ
ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水
物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テ
トラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン
−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,
3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8
−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−テトラ
クロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸
二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ジフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ジフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、2,3″,4,4″−p
−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2″,
3,3″−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3″,4″−p−テルフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシ
フェニル)−プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水
物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二
無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホ
ン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ス
ルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシ
フェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン−2,
3,8,9−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−
3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ペリレ
ン−4,5,10,11−テトラカルボン酸二無水物、
ペリレン−5,6,11,12−テトラカルボン酸二無
水物、フェナンスレン−1,2,7,8−テトラカルボ
ン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,6,7−テト
ラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,9,
10−テトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物及びその水素添加物;シクロペンタン
−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロ
ブタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,
2]オクタ−7−エン−2−エキソ,3−エキソ,5−
エキソ,6−エキソテトラカルボン酸2,3:5,6−
二無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−エキ
ソ,3−エキソ,5−エキソ,6−エキソテトラカルボ
ン酸2,3:5,6−二無水物などの脂環式酸無水物;
ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水
物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二
無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン
酸二無水物などの複素環誘導体などが挙げられる。これ
らは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。これらの中でも、ピロメリッ
ト酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、及びこれらの組み合わせは、
良好な低熱膨張性、耐クラック性、解像性などを実現す
る上で、特に好ましい。 【0018】<化学線官能基の導入>本発明では、各種
の感光性ポリイミドを使用することができるが、特に、
末端に化学線官能基を導入したポリアミック酸化合物が
好ましい。そのために、ポリアミック酸化合物合成時
に、例えば、トリメリット酸アンハイドライド[トリス
(アクリロイル)ペンタエリスリトール]エステル、ト
リメリット酸アンハイドライド[トリス(メタクリロイ
ル)ペンタエリスリトール]エステルなどトリメリット
酸誘導体(特願平6−256222号)、あるいはp−
アミノ安息香酸〔トリス(メタクリロイル)ペンタエリ
スリトール〕エステルなどのアミノベンゼンカルボン酸
エステル(特願平6−247109号)などを存在させ
ることができる。 【0019】このような化学線官能基を導入したポリア
ミド酸は、ジアミン化合物に、トリメリット酸誘導体
とテトラカルボン酸またはその酸無水物を加え、常法に
より縮合反応させる方法、ジアミン化合物とトリメリ
ット酸誘導体との混合物に、テトラカルボン酸またはそ
の酸無水物を加え、常法により縮合反応させる方法、
ジアミン化合物とアミノベンゼンカルボン酸エステルと
の混合物に、テトラカルボン酸またはその酸無水物を加
え、常法により縮合反応させる方法などにより合成する
ことができる。 【0020】<感光助剤>感光助剤としては、ペンタエ
リスリトールトリアクリレートなどの(メタ)アクリル
酸系化合物が代表的なものである。アクリル酸系化合物
としては、例えば、アクリル酸、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソ
プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ
ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベ
ンジルアクリレート、カルビトールアクリレート、メト
キシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、ブトキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ブチレ
ングリコールモノアクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
アクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロ
フルフリルアクリレート、ペンタエリスリトールモノア
クリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレー
ト、アリルアクリレート、1,3−プロピレングリコー
ルジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアク
リレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピ
レングリコールジアクリレート、2,2−ビス−(4−
アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス−(4−アクリロキシプロピルキシフェニル)プロ
パン、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタ
エリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、トリアクリルホルマール、テトラメチロールメ
タンテトラアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌル酸のアクリル酸エステル、 【0021】 【化1】 (式中、bは、1〜30の整数を表す。)、 【0022】 【化2】 (式中、c及びdは、c+d=2〜30となる整数を表
す。)、 【0023】 【化3】 【0024】 【化4】 等を挙げることができる。 【0025】メタクリル酸系化合物としては、例えば、
メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタ
クリレート、オクチルメタクリレート、エチルヘキシル
メタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エト
キシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレ
ート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、ヒドロキシペンチルメタクリレート、N,N−ジメ
チルアミノメタクリレート、N,N−ジエチルアミノメ
タクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒド
ロフルフリルメタクリレート、メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、アリルメタクリレート、トリメチ
ロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリト
ールモノメタクリレート、1,3−ブチレングリコール
ジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、2,2−ビス−(4−メタクリロキシジエトキシフ
ェニル)プロパン、トリメチロールプロパンジメタクリ
レート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリメタクリレート、テトラメチロールメタンテ
トラメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)
イソシアヌル酸のメタクリル酸エステル、 【0026】 【化5】 (式中、eは、1〜30の整数を表す。)、 【0027】 【化6】 (式中、f及びgは、f+g=1〜30となる整数を表
す。)、 【0028】 【化7】 【0029】 【化8】 等を挙げることができる。 【0030】これらの化合物は、それぞれ単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて使用することができる。こ
れらの中でも、特に、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、及び前記化4の化合物(b=3)が好ましい。
市販品としては、3EG−A(共栄化学社製)、ビスコ
ート300(大阪有機化学社製)などを挙げることがで
きる。感光助剤は、ポリアミック酸化合物100重量部
に対して、通常、10〜40重量部、好ましくは15〜
35重量部、より好ましくは20〜30重量部の割合で
使用することが望ましい。 【0031】<溶剤>感光性ポリイミドを溶解するため
に使用する溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメ
チル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロ
ラクトンなどの極性溶剤が挙げられる。これらの極性溶
剤のほかに、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、
マロン酸ジエチル等のエステル類;ジエチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエー
テル類;ジクロロメタン、1,2−ジクロルエタン、
1,4−ジクロルブタン、トリクロルエタン、クロルベ
ンゼン、o−ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素
類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素類なども使用することができ
る。これらの溶剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以
上を組み合わせて使用することができる。これらの中で
も、N,N−ジメチルアセトアミドやN−メチル−2−
ピロリドンなどが特に好ましい。溶剤の使用量は、各成
分を均一に溶解するのに充分な量とする。 【0032】<光重合開始剤>光重合開始剤としては、
例えば、ミヒラーズケトン、ベンゾイン、2−メチルベ
ンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチ
ルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾ
インブチルエーテル、2−t−ブチルアントラキノン、
1,2−ベンゾ−9,10−アントラキノン、アントラ
キノン、メチルアントラキノン、4,4′−ビス−(ジ
エチルアミノ)ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベン
ゾフェノン、チオキサントン、1,5−アセナフテン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチ
ル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリ
ノ−1−プロパノン、ジアセチルベンジル、ベンジルジ
メチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ジフェニ
ルジスルフィド、アントラセン、フェナンスレンキノ
ン、リボフラビンテトラブチレート、アクリジンオレン
ジ、エリスロシン、フェナンスレンキノン、2−イソプ
ロピルチオキサントン、2,6−ビス(p−ジエチルア
ミノベンジリデン)−4−メチル−4−アザシクロヘキ
サノン、6−ビス(p−ジメチルアミノベンジリデン)
−シクロペンタノン、2,6−ビス(p−ジエチルアミ
ノベンジリデン)−4−フェニルシクロヘキサノン、ア
ミノスチリルケトン、3−ケトクマリン化合物、ビスク
マリン化合物、N−フェニルグリシン、N−フェニルジ
エタノールアミン、3,3′,4,4′−テトラ(t−
ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどを挙
げることができる。光重合開始剤は、ポリアミック酸化
合物100重量部に対して、通常、0〜10重量部、好
ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは1〜5重量
部の割合で使用される。 【0033】<その他の添加剤>感光性ポリイミドに
は、さらに必要に応じて接着助剤、レベリング剤、重合
禁止剤等の各種添加剤を使用することができる。 【0034】感光性ポリイミドの使用方法 感光性ポリイミド、溶媒、及び必要に応じて各種添加剤
を含有する感光性ポリイミド組成物は、先ず、適当な支
持体、例えば、シリコンウェハやセラミック、アルミニ
ウム基板などに塗布する。塗布方法としては、スピンナ
ーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗
布、浸漬、印刷、ロールコーティングなどの方法があ
る。次に、比較的低温でプリベークして塗膜を乾燥後、
所望のパターン形状に活性光線(化学線)を照射する。
化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線など
が使用できる。次いで、未照射部を現像液で溶解除去す
ることによりレリーフパターンを得る。本発明では、現
像液として、N,N−ジメチルアクリルアミドを含む混
合液を使用する。現像方法としては、スプレー、パド
ル、浸漬、及び超音波などの各種方式を採用することが
できる。現像によって形成したレリーフパターンは、リ
ンスする。リンス液としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、酢酸ブチルなどが挙げら
れる。次に、加熱処理を行ってイミド環を形成し、ポリ
アミック酸化合物をポリイミド化して、耐熱性に富む最
終パターンを得る。 【0035】現像液 本発明においては、N,N−ジメチルアクリルアミドを
必須成分として含有する貧溶媒との混合液を感光性ポリ
イミド用現像液として使用する。N,N−ジメチルアク
リルアミドは、感光性ポリイミドに対して良溶媒として
働く。本発明の目的・効果を損なわない限りにおいて、
従来から良溶媒として用いられているその他の溶媒を添
加することができ、その量は、N,N−ジメチルアクリ
ルアミドに対して、通常、10重量%以下、好ましくは
5重量%以下である。 【0036】N,N−ジメチルアクリルアミドは、従来
から感光性ポリイミド用現像液において双極性非プロト
ン性極性溶媒として用いられているN−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホ
ルムアミド、γ−ブチロラクトン等と比べて、露光部へ
の親和性が弱く、膨潤が生じにくい。その結果、パター
ン表面にシワができることなく、高い解像性を得ること
が可能となる。N,N−ジメチルアクリルアミドの使用
割合は、現像液全体を基準にして、通常、60〜95重
量%、好ましくは70〜90重量%である。この割合が
95重量%を超えると露光部への現像液の親和性が強く
なりすぎて膨潤が起こりやすくなり、逆に、60重量%
に満たないと現像残が起こりやすくなるので、何れの場
合も好ましくない。 【0037】感光性ポリイミドに対する貧溶媒として
は、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、
イソブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチル
エチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサン、メチ
ルビニルケトンなどのケトン類;トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族炭
化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソ
プロピルセロソルブなどのエステル類が挙げられるが、
好ましくはアルコール類、芳香族炭化水素類、ケトン類
であり、より好ましくはアルコール類と芳香族炭化水素
類である。これらはそれぞれ単独で、あるいは2種以上
を組み合わせて使用する。 【0038】貧溶媒は、現像液全量基準で、通常、5〜
40重量%、好ましくは10〜30重量%の割合で使用
される。貧溶媒は、2種以上を組み合わせて使用するこ
とが好ましく、水と有機溶媒(アルコール類、ケトン
類、芳香族炭化水素類、エステル類など)とを組み合わ
せて用いることがより好ましい。水と有機溶媒との使用
割合は、通常、1:2〜2:1(重量比)である。有機
溶媒に対する水の量比が2倍量(重量基準)を越える
と、現像後に露光表面の荒れが生じやすくなり、逆に
0.5倍量に満たないと現像時にクラックが入りやすく
なるので、何れの場合も好ましくない。さらに、本発明
の現像液には、現像液の変質を防止するために、この分
野で通常用いられる酸化防止剤や重合禁止剤などを含ん
でいてもよい。 【0039】本発明の好ましい現像液の組成は、N,N
−ジメチルアクリルアミドが60〜95重量%、水が2
〜25重量%、及び有機溶媒(貧溶媒)が2〜25重量
%である。本発明のより好ましい現像液の組成は、N,
N−ジメチルアクリルアミドが70〜90重量%、水が
5〜20重量%、及び有機溶媒(貧溶媒)が5〜20重
量%である。本発明の現像液は、特に、前記東レ社製の
市販品であるイオン架橋タイプの感光性ポリイミド、あ
るいは化学線官能基で末端変性されたポリアミック酸化
合物タイプの感光性ポリイミドに対して、とりわけ高い
効果を得ることができる。 【0040】 【実施例】以下に参考例、合成例、実施例を挙げて本発
明をさらに具体的に説明する。なお、各例中の部及び%
は、特に断りのない限り重量基準である。 【0041】[合成例1]p−アミノ安息香酸[トリス(メタクリロイル)ペンタ
エリスリトール]エステルの合成 (1)反応器に、ペンタエリスリトールトリメタクリレ
ート13.1g、トリエチルアミン4.1g、及び塩化
メチレン35mlを添加し、氷冷下、攪拌下に、p−ニ
トロベンゾイルクロライド6.7g、及び塩化メチレン
25mlを滴下した後、氷冷下で2時間、引き続き室温
で2時間反応させた。反応終了後、反応液にクロロホル
ム及び水を加え、次いで、塩酸を加えて、クロロホルム
層を分取した。減圧下にクロロホルムを留去して得られ
た淡黄色油状物をカラムクロマトグラフィーで精製し
て、p−ニトロ安息香酸[トリス(メタクリロイル)ペ
ンタエリスリトール]エステル15.1g(収率85.
8%)を得た。 (2)反応器に、p−ニトロ安息香酸[トリス(メタク
リロイル)ペンタエリスリトール]エステル15.1
g、塩化第一スズ35.1g、及びテトラヒドロフラン
150mlを加え、氷冷下、攪拌下に、塩化水素ガスを
導入した。氷冷下で1時間、引き続き室温で1時間反応
後、反応液に、水及び炭酸ナトリウムを加えて弱アルカ
リ性とした。次に、クロロホルムで抽出し、減圧下にク
ロロホルムを留去後、残部をカラムクロマトグラフィー
で精製して、p−アミノ安息香酸[トリス(メタクリロ
イル)ペンタエリスリトール]エステル13.8g(収
率92.3%)を得た。 【0042】[合成例2]感光性ポリイミドの合成 反応器に、2,2′−ジ(p−アミノフェニル)−6,
6′−ビスベンゾオキサゾール110.5g(0.26
4mol)、末端変性用アミンとして合成例1で得られ
たp−アミノ安息香酸[トリス(メタクリロイル)ペン
タエリスリトール]エステル10.1g(0.022m
ol)、ジメチルアセトアミド552g、及びN−メチ
ル−2−ピロリドン552gを投入して均一溶液を調製
した後、氷冷下、撹拌下に、酸無水物として3,3′,
4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物8
8.6g(0.276mol)を少量づつ粉体で加え
た。次いで、氷冷下で3時間、引き続き室温下で20時
間反応させて、ポリアミック酸を合成した。 【0043】[実施例1〜4、比較例1〜4]合成例2
で得られたポリアミック酸625.0重量部(固形分1
00重量部)に、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブ
チルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(以下、B
TTB:λmax=340nm、日本油脂社製)2重量
部、N−フェニルグリシン2重量部、及び感光助剤とし
て3EG−A(共栄社化学製)28重量部を添加し、室
温で溶解した。このようにして、調製した感光性ポリイ
ミド組成物をシリコンウエハ上にスピンナーで塗布し、
乾燥機により80℃で30分間乾燥して、厚み約10μ
mの塗膜を得た。塗膜の厚みは、表面形状測定装置P−
10(テンコール社製)で測定した。露光装置PLA−
501F(キャノン社製)に、ライン&スペース(L/
S)解像度評価マスク(凸版印刷社製)をセットして、
ソフトコンタクトモード露光量250mJまたは350
mJで露光した。次いで、下記の組成の現像液1〜4の
いずれか1つでスプレー現像を行い、パターンを得た。 【0044】<現像液1> N,N−ジメチルアクリルアミド 80重量部 イソプロピルアルコール 12重量部 水 8重量部 <現像液2> N,N−ジメチルアクリルアミド 75重量部 イソプロピルアルコール 17重量部 水 8重量部 <現像液3> N,N−ジメチルアセトアミド 75重量部 イソプロピルアルコール 17重量部 水 8重量部 <現像液4> N−メチル−2−ピロリドン 75重量部 イソプロピルアルコール 17重量部 水 8重量部 上記現像液1〜4の内、現像液1及び2が本発明の実施
例に該当する。現像した後、光学顕微鏡にてパターンを
観察し、現像後の膜厚を測定して残膜率を計算した。結
果を表1に示す。 【0045】 【表1】(脚注) (*1)露光後、基板をクリーンベンチ内に3日間放置
した後、現像して得られたパターンを光学顕微鏡にて観
測した結果である。 【0046】表1の結果から本発明の現像液1及び2を
用いると、少ない露光量でも、高感度、高残膜率で、良
好なパターンの得られることが判る。すなわち、本発明
の現像液1及び2を用いると、低い露光量で解像性がよ
く、しわや現像残りのないパターン形成が可能である。
また、露光後、3日放置した後でも性能が全く変化しな
いが、他の配合の現像液3及び4を用いた場合には、し
わや現像残りが発生するなど性能が変化する。 【0047】[実施例5〜8、比較例5〜8]感光性ポ
リイミド組成物として東レ社製の商品名フォトニース
UR−5100をシリコンウエハ上にスピンナーで塗布
し、乾燥機により80℃で30分間乾燥して、厚み約1
0μmの塗膜を得た。塗膜の厚みは、表面形状測定装置
P−10(テンコール社製)で測定した。露光装置PL
A−501F(キャノン社製)に、ライン&スペース
(L/S)解像度評価マスク(凸版印刷社製)をセット
して、ソフトコンタクトモード露光量250mJまたは
350mJで露光した。次いで、前記組成の現像液1〜
4のいずれか1つでスプレー現像を行い、パターンを得
た。結果を表2に示す。 【0048】 【表2】 (脚注) (*1)露光後、基板をクリーンベンチ内に3日間放置
した後、現像して得られたパターンを光学顕微鏡にて観
測した結果である。 【0049】表2からわかるとおり、本発明の現像液1
及び2を用いると、低い露光量で解像性がよく、しわや
現像残りのないパターン形成が可能であることがわか
る。また、露光後、3日放置した後でもまったく性能が
変化しないが、他の配合の現像液3及び4では、しわや
現像残りが発生するなど性能が変化している。 【0050】 【発明の効果】本発明によれば、感度、解像性、パター
ン形状などの諸特性に優れたパターンを与えることがで
きる感光性ポリイミド用現像液が提供される。本発明で
は、良溶媒と貧溶媒とを組み合わせた有機溶媒系現像液
において、双極構造を有する非プロトン性極性溶媒とし
て、N,N−ジメチルアクリルアミドを使用することに
より、従来の現像液を用いた場合と比較して、解像性が
向上し、残膜率が高く、現像残りがなく、しかもパター
ン表面にしわができることなく、優れたパターン形状を
得ることができる。
フロントページの続き
(72)発明者 坂本 圭
神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1
号 日本ゼオン株式会社内
(72)発明者 米田 泰博
神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地
富士通株式会社内
(72)発明者 横内 貴志男
神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地
富士通株式会社内
(72)発明者 山本 昌英
神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地
富士通株式会社内
(72)発明者 石月 義克
神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地
富士通株式会社内
(56)参考文献 特開 昭58−66940(JP,A)
特開 平3−188449(JP,A)
特開 平3−194559(JP,A)
特開 平6−102674(JP,A)
特開 平7−20639(JP,A)
特開 平6−51535(JP,A)
特開 平4−133062(JP,A)
特開 平5−241352(JP,A)
特開 平3−296758(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G03F 7/004 - 7/18
G03F 7/26 - 7/42
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 双極構造を有する非プロトン性極性溶
媒、及び感光性ポリイミドに対する貧溶媒を含有する感
光性ポリイミド用現像液において、双極構造を有する非
プロトン性極性溶媒としてN,N−ジメチルアクリルア
ミドを用いたことを特徴とする感光性ポリイミド用現像
液。
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