JP3500799B2 - 電源回路 - Google Patents

電源回路

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JP3500799B2
JP3500799B2 JP26895595A JP26895595A JP3500799B2 JP 3500799 B2 JP3500799 B2 JP 3500799B2 JP 26895595 A JP26895595 A JP 26895595A JP 26895595 A JP26895595 A JP 26895595A JP 3500799 B2 JP3500799 B2 JP 3500799B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば交流入力電
圧AC100V系とAC200V系に対応するいわゆる
ワイドレンジ対応の電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電源回路として高周波の比較的大
きい電流及び電圧に耐えることができるスイッチング素
子の開発によって、商用電源を整流して所望の直流電圧
を得る電源装置としては、大部分がスイッチング方式の
電源装置になっている。スイッチング電源回路はスイッ
チング周波数を高くすることによりトランスその他のデ
バイスを小型にすると共に、大電力のDC−DCコンバ
ータとして各種の電子機器の電源として使用される。
【0003】またスイッチング電源回路として、例えば
交流入力電圧AC100V系の地域とAC200V系の
地域に対応するように、AC80V〜288Vの交流入
力電圧範囲に対応するようにされた、いわゆるワイドレ
ンジ対応の電源回路が知られている。このようなワイド
レンジ対応の電源回路としては、例えばAC100V系
とAC200V系の場合とで整流平滑回路部の動作を切
換え、AC100V系の場合には倍電圧整流動作とし、
AC200V系の場合には全波整流等の通常の整流動作
とすることにより、交流入力電圧のレベルに関わらずほ
ぼ一定の直流電圧(整流平滑電圧)が得られるようにし
て、後段のスイッチングコンバータに供給するように構
成したものが知られている。
【0004】図12の回路図は、上記のような整流平滑
回路部の動作の切換えが可能とされるワイドレンジ対応
のスイッチング電源回路の一例を示すものとされる。こ
の図に示すスイッチング電源回路においては、商用交流
電源ACに対してコモンモードのノイズを除去するノイ
ズフィルタとしてコモンモードチョークコイルCMCと
アクロスコンデンサCL が設けられている。また、AC
ラインには電源投入のオン/オフのためのメインスイッ
チMSが設けられており、同じくACラインには突入電
流制限抵抗Riを挿入して、電源オン時に平滑コンデン
サに流れる突入電流を抑制するようにしている。商用交
流電源AC対してはブリッジ整流回路D1 が設けられて
いる。このブリッジ整流回路D1 は例えば、ブリッジ整
流を形成する破線内の4本の整流ダイオードDa,D
b,Dc,Ddがスタック化されて1つの部品として構
成されている。
【0005】この電源回路では、2つの平滑コンデンサ
CiA ,CiB が直列に接続されて、上記ブリッジ整流
回路D1 の正極出力端子(整流ダイオードDa,Dbの
接続点)と一次側アース間に挿入するように設けられ
る。この場合、平滑コンデンサCiA ,CiB の接続点
は、後述するスイッチ回路4を介して、ブリッジ整流回
路D1 の負極入力端子(整流ダイオードDc,Ddの接
続点)に対して接続される。そして、直列接続された平
滑コンデンサCiA ,CiB の両端に得られる整流平滑
電圧Eiは後段のスイッチングコンバータSCに入力さ
れる。スイッチングコンバータSCでは、入力された整
流平滑電圧Eiに基づいてスイッチング動作を行い、安
定化された二次側直流出力電圧EO を出力する。
【0006】破線で示すスイッチ回路4は、倍電圧整流
平滑動作と通常の整流平滑動作を切り換えるためのもの
とされる。このスイッチ回路4は、例えば図に示すよう
にトライアックTAなどの両方向性サイリスタをスイッ
チ素子として内蔵すると共に、ほかにこのトライアック
TAのためのオン/オフ制御回路等を内蔵してなるハイ
ブリッドICとされる。この場合、スイッチ回路4に対
しては抵抗R11、コンデンサC11〜C14、及びダイオー
ドD11が外付部品として図のようにして接続される。そ
してこれらの外付部品において、コンデンサC14および
ダイオードD11からなる半波整流回路により交流入力電
圧を直流化した検出電圧が得られる。そして、スイッチ
回路4ではこの検出電圧に基づいて、例えば商用交流電
源としてAC150V以下が供給されている場合は導通
してオン状態となり、AC150V以上が供給されてい
る場合には非導通状態とされてオフとなるように制御さ
れる。なお、他の外付部品である抵抗R11、コンデンサ
11〜C13は、スイッチ回路4内部のトライアックTA
のオン/オフ時のサージ電流や、トライアックTAのゲ
ート信号に混入するノイズ対策等のために設けられる保
護回路を形成するものとされる。
【0007】そこで、上記図12に示す回路構成におい
て、商用交流電源ACに供給される交流入力電圧VAC
してAC100V系(AC150V以下)が供給されて
いる場合の動作について説明する。この場合には、上述
のようにスイッチ回路4のトライアックTAがオンとさ
れて導通可能な状態となる。そして、交流入力電圧VAC
が正の期間の整流電流は、商用交流電源AC→メインス
イッチMS→コモンモードチョークコイルCMCの巻線
Na→整流ダイオードDb→平滑コンデンサCiA →ト
ライアックTA→突入電流制限抵抗Ri→コモンモード
チョークコイルCMCの巻線Nb→商用交流電源ACの
経路で流れることとなる。一方、交流入力電圧VACが負
の期間は、整流電流は商用交流電源AC→コモンモード
チョークコイルCMCの巻線Nb→突入電流制限抵抗R
i→トライアックTA→平滑コンデンサCiB →整流ダ
イオードDa→コモンモードチョークコイルCMCの巻
線Na→メインスイッチMS→商用交流電源ACの経路
で流れる。
【0008】つまり、この際には平滑コンデンサCi
A ,CiB に対するそれぞれ正期間、負期間の充電によ
り、整流平滑電圧Eiとしては交流入力電圧VACのレベ
ルのほぼ倍の200V系の電圧が得られる倍電圧整流平
滑動作となる。
【0009】一方、AC200V系(AC150V以
上)の交流入力電圧VACが供給されている場合には、ス
イッチ回路4のトライアックTAがオフとされる。そし
て、この場合において交流入力電圧VACが正の期間の整
流電流は、商用交流電源AC→メインスイッチMS→コ
モンモードチョークコイルCMCの巻線Na→整流ダイ
オードDb→平滑コンデンサCiA −平滑コンデンサC
B →整流ダイオードDc→突入電流制限抵抗Ri→コ
モンモードチョークコイルCMCの巻線Nb→商用交流
電源ACの経路で流れることになる。また、交流入力電
圧が負の期間は、電流は商用交流電源AC→コモンモー
ドチョークコイルCMCの巻線Nb→突入電流制限抵抗
Ri→整流ダイオードDd→平滑コンデンサCiA →平
滑コンデンサCiB →整流ダイオードDa→コモンモー
ドチョークコイルCMCの巻線Na→メインスイッチM
S→商用交流電源ACの経路で流れる。つまり、この場
合にはブリッジ整流回路D1 により全波整流した整流出
力を直列接続された平滑コンデンサCiA −CiB に充
電して整流平滑電圧を得る全波整流動作が実行されて入
力電圧に対応した200V系の直流電圧Eiが得られ
る。
【0010】このようにしてスイッチ回路4のオン/オ
フが切換わることで、交流電源入力が100V系の場合
は倍電圧整流平滑動作とし、一方、交流電源入力が20
0V系の場合には通常の全波整流平滑動作とすることで
ワイドレンジの交流入力電圧に対応する電源回路が構成
される。
【0011】また、スイッチング電源回路においては、
一般に商用電源を整流すると平滑回路に流れる電流は歪
み波形になるため、電源の利用効率を示す力率が損なわ
れるという問題が生じる。また、歪み電流波形となるこ
とによって発生する高調波を抑圧するための対策が必要
とされている。
【0012】そこで、先に本出願人により力率改善が図
られたスイッチング電源回路が各種提案されているが、
図13は、先に本出願人により出願された発明に基づい
て構成されるスイッチング電源回路の一例を示す回路図
とされる。この図に示す電源回路は、図12の電源回路
と同様に、交流入力電圧AC100V系とAC200V
系とで倍電圧整流平滑動作と全波整流平滑動作の切換え
が行われるワイドレンジ対応の構成に対して、他励式に
よる電流共振形のスイッチングコンバータと、力率改善
のための力率改善回路を備えた構成とされている。な
お、図12と同一部分は同一符号を付して説明を省略す
る。
【0013】図13に示すスイッチング電源回路におい
ては、商用交流電源ACに対して図のように力率改善整
流回路20が設けられている。この力率改善整流回路2
0は、交流入力電圧AC100V系とAC200V系と
で、倍電圧整流平滑動作と全波整流平滑動作に切換えが
可能な整流回路と、後述するようにして力率改善を図る
ための回路構成が備えられて形成されている。力率改善
整流回路20においては、商用交流電源ACの正極ライ
ンに直列にフィルタチョークコイルLN が挿入されてお
り、商用交流電源ACに対して並列に接続されるフィル
タコンデンサCN と共にノーマルモードのローパスフィ
ルタを形成して、高調波電流が商用交流電源ACに流れ
るのを阻止することが可能とされる。この場合、ブリッ
ジ整流回路D1Aを形成する4本の整流ダイオードDF1
F2、DF3、DF4は、後述するように、整流電流経路に
スイッチング周期の高周波電流が流れることに対応して
高速リカバリ型が用いられている。
【0014】上記ブリッジ整流回路D1Aの整流ダイオー
ドDF1、DF2の接続点に対しては、後述するスイッチン
グコンバータの絶縁トランスPITの一次巻線N1 が直
列共振コンデンサC1 を介して接続されており、一次巻
線N1 に得られたスイッチングコンバータのスイッチン
グ出力が直列共振コンデンサC1 の静電容量結合を介し
て、整流電流経路に帰還されるようにしている。また、
上記整流ダイオードDF1、DF2に対しては、それぞれ共
振用コンデンサC2 、C2 が並列に接続されている。
【0015】この力率改善整流回路20の場合、図12
の回路において設けられたトライアックTAに相当する
スイッチ回路4は、電磁リレーRL−1のスイッチ部S
1 とされている。このスイッチ部S1 は、平滑コンデン
サCiA とCiB の接続点とブリッジ整流回路D1Aの負
極入力端子(整流ダイオードDF3、DF4)の接続点を介
するようにして設けられている。
【0016】電磁リレーRL−1は、力率改善整流回路
20内に設けられているリレー駆動回路30によって駆
動される。このリレー駆動回路30においては、商用交
流電源ACを半波整流する整流ダイオードD6 及び平滑
コンデンサC5 からなる半波整流回路が備えられ、この
半波整流回路の出力と一次側アース間に対して抵抗R
1 、R2 が直列に接続される。この抵抗R1 、R2 の分
圧点とトランジスタQ3のベース間にはツェナーダイオ
ードZDが挿入される。この場合、商用交流電源ACに
供給される交流入力電圧VACがAC150V以上の場合
に、抵抗R1 、R2 で分圧される電圧値によってツェナ
ーダイオードZDが導通するように、上記各部品が選定
されているものとされる。つまり、上記各部品によって
交流入力電圧レベルがAC150V以上か否かを検出す
る電圧検出回路が形成される。トランジスタQ3 は電磁
リレーRL−1をドライブする。このトランジスタQ3
のベースと一次側アース間には、抵抗R3 とコンデンサ
6 がそれぞれ接続されている。また、トランジスタQ
3 のコレクタは一次側アースに接地される。またエミッ
タは電磁リレーRL−1のリレー駆動部RD1を介して、
後述する絶縁トランスPITの三次巻線N3 、整流ダイ
オードD4 及び平滑コンデンサC4 により得られる低圧
直流電圧EP のラインと接続されている。リレー駆動部
D1に対しては逆方向電流を流すための保護用ダイオー
ドD5 が並列に接続されている。
【0017】このようにして構成される力率改善整流回
路20の整流動作の切換えは次のようにして行われる。
例えば、AC100V系としてAC150V以下の交流
入力電圧VACが供給されている場合、リレー駆動回路3
0のツェナーダイオードZDは導通しないことから、ト
ランジスタQ3 ではベース電流が抵抗R3 を介して流れ
るようにされてオン状態となる。これにより電磁リレー
RL−1のリレー駆動部RD1には、エミッタ電流が導通
する。そして、リレー駆動部RD1の励磁作用によってス
イッチ部S1 はオン状態とされることになる。これによ
り、図12で説明したと同様にして、交流入力電圧VAC
が正の帰還では整流ダイオードDF1で整流した商用交流
電源ACを平滑コンデンサCiA に充電し、交流入力電
圧VACが負の帰還では整流ダイオードDF1で整流した商
用交流電源ACを平滑コンデンサCiB に充電する倍電
圧整流平滑動作となり、AC100V系のほぼ2倍に相
当する200V系の整流平滑電圧Eiが得られることに
なる。
【0018】これに対して、AC200V系としてAC
150V以上の交流入力電圧VACが供給されている場合
では、リレー駆動回路30のツェナーダイオードZDが
導通することにより、トランジスタQ3 のベース電位が
所定以上に引き上げられてベース電流が流れないように
され、トランジスタQ3 をオフとする。このため、トラ
ンジスタQ3 のエミッタ電流はリレー駆動部RD1を流れ
なくなり、スイッチ部S1 はオフ状態とされることにな
る。この場合には、図12で説明したと同様に、商用交
流電源ACをブリッジ整流回路D1Aにより全波整流し
て、平滑コンデンサCiA −CiB の直列接続に対して
充電をする全波整流平滑動作となり、交流入力電圧VAC
に対応するAC200V系の整流平滑電圧Eiが得られ
ることになる。なお、力率改善整流回路20の力率改善
動作については後述する。
【0019】この図に示すスイッチングコンバータは他
励式による電流共振形コンバータとされる。この場合に
は、例えば2石のスイッチング素子Q11、Q12を備え
て、スイッチング素子Q11のドレインを整流平滑電圧E
iのラインと接続し、スイッチング素子Q11のソースと
スイッチング素子Q12のドレインを接続し、スイッチン
グ素子Q12のソースを一次側アースに接続する、いわゆ
るハーフブリッジ結合により接続されている。これらス
イッチング素子Q11、Q12は、発振ドライブ回路2によ
って交互にオン/オフ動作が繰り返されるようにスイッ
チング駆動されて、整流平滑電圧Eiを断続してスイッ
チング出力とする。なお、スイッチング素子Q11、Q12
には、例えばMOS−FETが用いられる。また、各ス
イッチング素子Q 11、Q12のドレイン−ソース間に対し
て図に示す方向に接続されるDD 、DD は、スイッチン
グ素子Q11、Q12のオフ時に帰還される電流の経路を形
成するクランプダイオードとされる。
【0020】スイッチング素子Q11、Q12のソース−ド
レインの接続点はスイッチング出力点とされ、このスイ
ッチング出力点に対して絶縁トランスPITの一次巻線
1の一端が接続されて、この一次巻線N1 に対してス
イッチング出力を供給するようにされる。また、絶縁ト
ランスPITの一次巻線N1 は直列共振コンデンサC1
と直列に接続され、この直列共振コンデンサC1 のキャ
パシタンス及び一次巻線N1 を含む絶縁トランスPIT
のインダクタンス成分により、スイッチング電源回路を
電流共振形とするための直列共振回路を形成している。
なお、本明細書においては、この直列共振回路について
は特に「一次側直列共振回路」ということにする。
【0021】絶縁トランスPITは、一次巻線N1 に供
給されたスイッチング出力により得られる交番電圧を二
次側に伝送する。この電源回路の場合、絶縁トランスP
ITの二次側では、センタータップが二次側アースに接
地された二次巻線N2 に対して、整流ダイオードD3A
3B及び平滑コンデンサC3 による両波整流回路が設け
られている。これによって、一次巻線N1カから二次巻線
2 に励起された交番電圧は、上記両波整流回路によっ
て直流電圧に変換されて直流出力電圧E0 が得られる。
【0022】また、この電源回路においては、制御回路
1が直流出力電圧EO の変動に基づいて発振ドライブ回
路2を制御し、発振ドライブ回路2からスイッチング素
子Q11、Q12の各ゲートに供給するスイッチング駆動信
号を変化させる(例えば駆動信号のパルス幅可変制御を
行う)ことで、直流出力電圧EO の定電圧制御を行うよ
うにしている。
【0023】起動回路3は、メインスイッチMSがオン
とされた電源投入直後に、整流平滑ラインに得られる電
圧あるいは電流を検出して、発振ドライブ回路2を起動
させるために設けられており、この起動回路3には、絶
縁トランスPITに設けられた三次巻線N3 と整流ダイ
オードD4 、及び平滑コンデンサC4 により供給される
低圧直流電圧EP が供給される。この実施例で用いられ
るような、電界効果型のスイッチング素子は電圧駆動で
あり自励発振が困難になるため、この図のように発振ド
ライブ回路2と起動回路3を設けることが好ましい。
【0024】次に、力率改善整流回路20の力率改善動
作について説明する。この力率改善整流回路20のブリ
ッジ整流回路D1Aの正極入力端子(整流ダイオード
F1、DF2の接続点)に対しては、前述のように一次側
直列共振回路が接続され、この場合には絶縁トランスP
ITの一次巻線N1 に得られるスイッチング出力を、直
列共振コンデンサC1 の静電容量結合を介して整流電流
経路に帰還するようにされている。そして、このように
して帰還されたスイッチング出力は、フィルタチョーク
コイルLN のインダクタンスを介する整流出力電圧に対
してスイッチング周期の交番電圧(スイッチング電圧)
を重畳するように作用し、この重畳されたスイッチング
電圧によって、整流ダイオードDF1、DF2は整流電流を
スイッチング周期で断続するように動作する。整流ダイ
オードDF1、DF2は、倍電圧整流時及び全波整流時の何
れの場合にも整流電流の経路にあることから、上述の動
作は、倍電圧整流時及び全波整流時の何れにおいても行
われることになる。
【0025】この動作により、例えば倍電圧整流動作時
には、整流出力電圧はスイッチング電圧が重畳された状
態で平滑コンデンサCiA 及びCiB に充電されること
になるが、このスイッチング電圧の重畳分によって、平
滑コンデンサCiA 、CiBの各両端電圧をスイッチン
グ周期で引き下げることになる。このため、整流出力電
圧レベルが平滑コンデンサCiA 、CiB の各両端電圧
よりも低いとされる期間にも平滑コンデンサCiA 、C
B への充電電流が流れるようにされる。また、全波整
流動作時では、整流出力電圧はスイッチング電圧が重畳
された整流出力電圧によって直列接続される平滑コンデ
ンサCiA −CiB 充電を行うようにされ、このスイッ
チング電圧の重畳分によって、直列接続された平滑コン
デンサCiA −CiB の両端電圧(整流平滑電圧Ei)
をスイッチング周期で引き下げることになる。このた
め、整流出力電圧レベルが直列接続された平滑コンデン
サCiA −CiB の両端電圧よりも低いとされる期間に
も充電電流が流れるようにされる。この結果、倍電圧整
流動作又は全波整流動作時の何れの場合においても、交
流入力電流IACの平均的な波形が交流入力電圧VACの波
形に近付くようにされ、交流入力電流IACの導通角が拡
大されることになる。このようにして、この図に示す電
源回路では倍電圧整流動作時と全波整流動作時の何れの
場合にも力率が改善されることになる。
【0026】また、この電源回路では、前述のようにブ
リッジ整流回路D1Aの整流ダイオードDF1及びDF2に対
して並列に共振用コンデンサC2 、C2 が設けられてい
る。この場合、共振用コンデンサC2 、C2 はフィルタ
チョークコイルLN などと共に並列共振回路を形成する
ようにされている。そして、この並列共振回路は負荷変
動に対応してその共振インピーダンスが変化するように
されており、このスイッチング電源回路の負荷が軽くな
った時に整流電流経路に帰還されるスイッチング出力を
抑圧するようにしており、これによって、軽負荷時の平
滑コンデンサの端子電圧(整流平滑電圧)の上昇を抑制
することが可能とされている。
【0027】また、この電源回路には電磁リレーRL−
2が設けられる。この電磁リレーRL−2のリレー駆動
部RD2は、上記絶縁トランスPITに設けられた三次巻
線N3 、整流ダイオードD4 、平滑コンデンサC4 によ
り得られる低圧直流電圧EPのラインと一次側アース間
に挿入するように設けられ、そのスイッチ部S12は商用
交流電源ACラインに挿入されている突入電流制限抵抗
Riに並列に設けられている。また、リレー駆動部RD2
に対しては保護用ダイオードD5 が並列に接続されてい
る。例えば、メインスイッチMSがオンとされてこの電
源回路に商用交流電源ACが投入された直後には、低圧
直流電源EP のラインにはまだ電圧は発生しておらず、
電磁リレーRL−2のスイッチ部S12はオフの状態にあ
り、突入電流制限抵抗Riによって、商用交流電源AC
から平滑コンデンサに流入する突入電流は制限される。
そして、200ms〜300ms程度経過すると、低圧
直流電源EPのラインに所要のレベルの電圧が立ち上が
るが、これによって、電磁リレーRL−2のリレー駆動
部RD2が導通してスイッチ部S12をオン状態に切換え、
電流制限抵抗Riをパスさせる経路を形成する。このと
きには既に突入電流は充分に減衰しており、以降は商用
交流電源ACのラインから突入電流制限抵抗Riを省略
した等価の回路となる。
【0028】仮に、電源投入後もそのまま突入電流制限
抵抗Riが挿入されていると、例えばAC200系のP
交流入力電圧が入力されてる場合は特に問題になる程度
ではないが、AC100V系の場合には電力損失が著し
いものとなる。そこで、上記のように構成することで電
源投入直後の突入電流は抑制可能とされるとともに、以
降は突入電流制限抵抗Riを短絡して、その分、電力損
失を軽減させることができる。なお、突入電流制限抵抗
Riは例えば大型セメント抵抗等が用いられ、整流ダイ
オードの最大電流容量規格内に突入電流が抑制されるよ
うにその抵抗値が選定される。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】ところで、機器のサイ
ズやコストなどの観点によれば、スイッチング電源回路
においてもできるだけ部品点数を削減したり小型や安価
な部品を使用するなどして、小型・軽量化及び低コスト
を化を図ることが好ましい。また、電力変換効率等の電
気的特性面においても向上が図られることが好ましい。
特に図12及び図13に示した電源回路では、AC10
0V系時にAC200V系時よりも大きなレベルの交流
入力電流が整流ダイオード及びトライアックTAを流れ
るようにされることから、AC100V系時の電力損失
が大きい。
【0030】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記し
た問題点を解決するため、二つの交流ラインを介して交
流が供給される二つの端子と整流出力が出力される端子
と基準電位に接続される端子とを有し、上記交流が供給
される二つの端子のうちの一方に対して交流ラインの一
方が接続されるブリッジ接続された整流素子、上記交流
が供給される二つの端子のうちの他方に対して上記交流
ラインの一方に接続するための第一スイッチ、上記整流
出力が出力される端子と基準電位との間に接続点を介し
て直列接続される二つの平滑コンデンサ、および、上記
ブリッジ接続された整流素子の他端に接続される第一の
接点と上記二つの平滑コンデンサの接続点に接続される
第二の接点とを有し、切り換えにより上記第一の接点又
は第二の接点を上記交流ラインの他方に接続する第二ス
イッチを備えて形成され、上記交流ラインを介して供給
される交流を整流し、整流された電圧を平滑する整流平
滑回路と、上記整流平滑回路からの整流出力が供給さ
れ、スイッチング動作を行って直流電圧を出力するスイ
ッチングコンバータと、上記整流平滑回路の整流平滑経
路に挿入され、上記二つの平滑コンデンサに流入する突
入電流を抑制する一つ以上の電流制限抵抗と、上記一つ
以上の電流制限抵抗の抵抗値を切り換える切り換え手段
と、上記交流の電圧レベルを検出し、上記交流の電圧レ
ベルが基準電圧より低いとき、第一のレベルの制御信号
を出力し、上記交流の電圧レベルが基準電圧より高いと
き、第一のレベルと異なる第二のレベルの制御信号を出
力する検出手段と、上記スイッチングコンバータからの
直流電圧を駆動電圧として供給される制御手段であっ
て、上記検出手段からの制御信号が第一のレベルのとき
上記第一スイッチを短絡させ、上記第二スイッチを上記
第二の接点を選択するよう切り換えるとともに、上記切
り換え手段を制御して上記一以上の電流制限抵抗の抵抗
値を上記制御信号が第二のレベルのときの抵抗値よりも
小さくし、上記制御信号が第二のレベルのとき上記第一
スイッチを開放させ、上記第二スイッチを上記第一の接
点を選択するよう制御する制御手段とを備えて電源回路
構成することとした。
【0031】 また、上記一以上の電流制限抵抗は一つ
のみ設けられ、上記切り換え手段はこの電流制限抵抗に
並列に設けられた第三のスイッチであり、該第三のスイ
ッチは上記検出手段からの制御信号が第一のレベルのと
き短絡され、第二のレベルのとき開放されることとし
た。また、上記一以上の電流制限抵抗は二つであって、
その一つは上記ブリッジ接続された整流素子の他端と上
記第一スイッチとの接続点と上記第二スイッチの第一の
接点との間に備えられ、他の一つは、上記交流ラインの
他方と第二スイッチとの間に備えられ、上記切り換え手
段として上記第二スイッチが兼用されることとした。
【0032】 また、上記スイッチングコンバータは、
一次側巻線および二次側巻線を有するコンバータトラン
スと、上記コンバータトランスの一次側巻線の一端と直
列共振コンデンサの一端とを直列接続した一次側直列共
振回路と、上記コンバータトランスの一次側巻線の他端
に接続され、上記整流平滑回路からの整流出力を入力し
てスイッチング動作を行い、上記一次側巻線を駆動する
電流共振形のスイッチング手段と、上記一次側直列共振
回路の直列共振コンデンサの他端を上記ブリッジ接続さ
れた整流素子の一端に接続し、上記交流の整流・平滑経
路に対して、スイッチング出力を帰還して力率改善を図
るようにされた力率改善手段とを備えることとした。
【0033】そして、上記構成によれば、例えば交流入
力電圧がAC100V系時の倍電圧整流動作時には、商
用電源の正/負のそれぞれの期間で並列接続された2本
の整流素子に分岐して交流入力電流が流れるようにされ
ることになる。また、本発明では、電磁リレーを備えた
簡略な回路により倍電圧整流動作と全波整流動作の切換
えを行うようにすると共に、AC200系時よりも交流
入力電流が増加するAC100系時においては突入電流
制限抵抗を商用電源ラインから省略する、若しくはAC
200系時よりも突入電流制限抵抗の抵抗値を低いもの
とする回路形態に切換えることが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は本発明の電源回路の実施例
であるスイッチング電源回路の一実施の形態を示す回路
図とされる。なお、先に従来例として示した図12及び
図13と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
この電源回路においては、2つの突入電流制限抵抗Ri
A 及びRiB が設けられている。例えばこの突入電流制
限抵抗RiA 及びRiB の抵抗値は、図12に示す突入
電流制限抵抗Riに対して RiA =RiB =2Ri とされて、突入電流制限抵抗RiA 及びRiB の各抵抗
値は突入電流制限抵抗Riの2倍の抵抗値と等しくなる
ように選定されている。
【0035】また、この図に示す電源回路では電磁リレ
ーRL−11と、この電磁リレーRL−11を駆動する
リレー駆動回路30が備えられている。この場合、電磁
リレーRL−11はいわゆる2回路2接点のものが用い
られる。つまり、リレー駆動部RD11 に対して2つのス
イッチ部S11、S12が備えられて2回路とされ、スイッ
チ部S11、S12は共にリレー駆動部RD11 の励磁作用に
よって端子T1 が端子T2 又は端子T3 に対して連動し
て択一的に切換わるようにされた2接点とされている。
また、リレー駆動回路30は、図13に示したリレー駆
動回路30の構成と同一とされて、この場合にも交流入
力電圧VACのレベルがAC150V以下(AC100V
系)の場合にはトランジスタQ3 がオンとされてリレー
駆動部RD11 に電流が導通し、AC150V以上(AC
200V系)ではトランジスタQ3 がオフとなってリレ
ー駆動部RD11 には電流が流れないようにされる。
【0036】なお、この場合のリレー駆動回路30にお
いては、リレー駆動部RD11 を駆動する駆動電源は、ス
イッチングコンバータSC側から引き出された、例えば
12Vの低圧直流電圧EP が用いられる。また、商用電
源レベルの検出のための分圧抵抗R1 、R2 のうち抵抗
2 は可変抵抗あるいは半固定抵抗などが用いられてお
り、抵抗R2 の抵抗値を調整することによって検出精度
が高められるようにしている。
【0037】電磁リレーRL−11ではリレー駆動部R
D11 に電流が流れている場合にはスイッチ部S11、S12
が共に端子T3 側に切換わり、電流が導通していない場
合には端子T2 側に切換わるように動作する。従って、
本実施の形態では交流入力電圧VACがAC150V以下
では、スイッチ部S11、S12は共に端子T1 が端子T3
と接続され、AC150V以上では共に端子T1 が端子
2 に接続されるように制御されることになる。
【0038】図1に示す電源回路において、上記スイッ
チ部S11はその端子T1 が商用交流電源ACの負極ライ
ンと接続され、端子T2 は突入電流制限抵抗RiB を介
してブリッジ整流回路D1 の負極入力端子(整流ダイオ
ードDc,Ddの接続点)と接続され、端子T3 は平滑
コンデンサCiA ,CiB の接続点と接続される。ま
た、スイッチ部S12はその端子T1 がブリッジ整流回路
1 の負極入力端子と接続され、端子T2 は突入電流制
限抵抗RiA を介して商用交流電源ACの負極ラインと
接続され、端子T3 は商用交流電源ACの正極ラインと
接続されている。
【0039】このようにして構成されるスイッチング電
源回路の動作として、先ず、AC150V以上(AC2
00V系)の交流入力電圧VACが供給される場合には次
のようになる。この場合には、前述のように電磁リレー
RL−11のリレー駆動回路RD11 は電流が導通しない
ことから、スイッチ部S11、S12は共に端子T2 側に切
換わる状態とされる。この状態では、商用交流電源AC
をブリッジ整流回路D1 により全波整流して、直列接続
された平滑コンデンサCiA −CiB に充電する全波整
流平滑動作が行われる回路を形成する。また、商用交流
電源ACの負極ラインと、ブリッジ整流回路D1 の負極
入力端子間に対して、突入電流制限抵抗RiA 、RiB
が並列に接続されることになる。前述のように突入電流
制限抵抗RiA 、RiB は、図13の電源回路に挿入さ
れていた突入電流制限抵抗Riの2倍の抵抗値を有して
いることから、この場合には商用交流電源ACに対して
図13の突入電流制限抵抗Riの抵抗値を直列に挿入し
た場合と回路的には等価となり、電源投入時の突入電流
を抑制することが可能となる。なお、この場合には以降
の継続動作時においても突入電流制限抵抗RiA 、Ri
B の並列接続が商用交流電源ACのラインに挿入される
ことになるが、AC200V系時の場合には、AC10
0V系時と比較して交流入力電流IACのレベルが小さい
ことから、突入電流制限抵抗RiA 、RiB による電力
損失は特に問題となる程度のものではない。なお、具体
的には突入電流制限抵抗RiA 、RiB には、例えば共
に6.8Ωのものが用いられ、従って、並列に接続され
た場合には 6.8Ω/2=3.4Ω の抵抗がACラインに挿入されたのと等価となる。
【0040】また、AC150V以下(AC100V
系)の交流入力電圧VACが供給される場合には次のよう
になる。先ず、この場合の電源起動後の通常動作時にお
いては、交流入力電圧VACがAC150V以下であるこ
とから、前述のように電磁リレーRL−11のリレー駆
動回路RD11 にトランジスタQ3 のエミッタ電流が導通
して、スイッチ部S11、S12は共に端子T3 側に切換わ
る状態とされている。これにより、平滑コンデンサCi
A ,CiB の接続点は商用交流電源ACの負極ラインと
接続される。また、この場合には、スイッチ部S12の端
子T1 と端子T3 が接続されることで、ブリッジ整流回
路D1 の正極入力端子と負極入力端子が短絡される経路
が形成される。また、突入電流制限抵抗RiA 、RiB
は、共に一端がオープンとされることから回路的には削
除されたのと等価となる。
【0041】このようにして形成される回路形態による
と、例えば交流入力電圧VACが正の期間は商用交流電源
ACは整流ダイオードDb、Ddに分岐して整流され、
平滑コンデンサCiA に充電する動作が得られ、また、
交流入力電圧VACが負の期間では、商用交流電源ACは
整流ダイオードDa、Dcに分岐して整流され、平滑コ
ンデンサCiB に充電する動作が得られる。つまり、こ
の場合には、交流入力電圧レベルのほぼ倍の電圧に対応
する整流平滑電圧Eiを生成する倍電圧整流動作のため
の回路形態が得られるものとされるが、本実施の形態で
は、このときの整流電流は整流ダイオードDb−Ddの
並列接続、及び整流ダイオードDa、Dcの並列接続を
流れるように構成される。なお、この構成による作用効
果等については後述する。
【0042】例えば、交流入力電圧AC100V系時に
は、前述のようにAC200V系時よりも交流入力電流
ACのレベルが大きくなるが、上述ようにして形成され
る回路形態では、突入電流制限抵抗RiA 、RiB が商
用交流電源ACのラインから省略されるために、特にA
C100系時において突入電流制限抵抗が挿入されるこ
とによる電力損失の増大の問題は解消されることにな
る。
【0043】ところで、交流入力電圧VACがAC100
V系時とされる場合において、例えば、メインスイッチ
MSがオフの状態からオンに切換えられた電源投入直後
は、スイッチングコンバータSCが起動して12Vの低
圧直流電圧EP が立ち上がるまでには、約200ms〜
300msを要するものとされる。したがって、電源投
入直後の約200ms〜300msにおいては、例え交
流入力電圧がAC100V系とされていても、電磁リレ
ーRL−11のリレー駆動部RD11 は非導通状態にある
ことから、スイッチ部S11、S12においてはそれぞれ端
子T2 側に切換えられた状態とされる。従って、このと
きはAC200V系時の回路形態と同様とされて、商用
交流電源ACのラインに並列に挿入される突入電流制限
抵抗RiA 、RiB によって突入電流は抑制されること
になる。そして、約200ms〜300msが経過する
と、このときには突入電流は減衰しており、また、低圧
直流電圧EP が立ち上がってリレー駆動部RD11 が導通
し、スイッチ部S11、S12が共に端子T3 に切換わるよ
うにされる。そして、前述のようにAC100V系時に
対応する回路形態に切換わるようにされる。
【0044】ここで、図2及び図3に本実施の形態の電
源回路における交流入力電圧VACに対する交流入力電流
ACの動作波形を示す。例えば、図2(a)に示すよう
にAC100V系として交流入力電圧VAC=100Vが
供給されている場合、交流入力電流IACは図2(b)に
示すような波形により、交流入力電圧VACのレベルが平
滑コンデンサCiA 、CiB の各両端電圧よりも高い期
間にのみ流れる。また、図3(a)に示すようにAC2
00V系として交流入力電圧VAC=230Vが供給され
ている場合には、交流入力電流IACは図3(b)に示す
ようになり、交流入力電圧VACのレベルが直列接続され
た平滑コンデンサCiA −CiBの両端電圧よりも高い
期間に流れものとされる。また、図2(b)と図3
(b)を比較して分かるように交流入力電流IACは、交
流入力電圧VAC=100V時と230V時とに対応して
そのレベルが異なっており、前述したように交流入力電
圧VAC=100V時のほうが交流入力電流IACレベルは
大きいものとなる。
【0045】また、図4は負荷電力230W時における
交流入力電圧に対する電力変換効率特性を、本実施の形
態である図1の電源回路と、図12に従来例として示し
たスイッチング電源回路と比較して示す図とされる。こ
の図から分かるように、図1の電源回路と図12の電源
回路では、交流入力電圧VACが150V以上のいわゆる
AC200V系時の全波整流動作時の電力変換効率特性
は同等となるが、交流入力電圧VACが150V以下(A
C100V系時)の倍電圧整流動作時では、図12の電
源回路では、交流入力電圧VACの上昇に応じて電力変換
効率特性が低減していく傾向が顕著となる。
【0046】例えば、図1及び図12の電源回路の場
合、交流入力電圧VACが100V系時(AC100系
時)の倍電圧整流動作時では、交流入力電流IACは、整
流ダイオードD1 、D2 及び平滑コンデンサCiA ,C
B 及びトライアックTAを介して流入するが、例え
ば、交流入力電圧VAC=100V時には、図2に示した
ように交流入力電圧VAC=220V時の2倍程度のピー
クを有する交流入力電流IACが流入する。このために図
12の電源回路では、上記整流ダイオードD1 、D2
順電圧降下電圧が上昇すると共に、トライアックTAの
順電圧降下電圧(例えば順電圧降下電圧VF =1.5
V)に加え、突入電流制限抵抗Riによる電力損失が重
畳されるため、特にAC100系時においては、電力損
失が増加して電力変換効率特性が低下することになる。
【0047】このようなことから、スタック化されたブ
リッジ整流回路D1 やスイッチ回路4のICなどの部品
が発熱するため、これらの部品に対して放熱板を設ける
ことが必要とされていた。また、負荷電力が230W程
度の場合には例えば突入電流制限抵抗Riには1Ω/1
0Wのセメント抵抗を3組直列に接続する、若しくは1
つの3.3Ω/30Wの大型セメント抵抗を挿入して対
応していたことから、直接他の部品と共にプリント基板
に実装することが困難とされていた。
【0048】これに対して、図1に示す電源回路では、
トライアックTAを含むICのスイッチ回路4及び突入
電流制限抵抗Riをパスするための電磁リレーRL−2
などは省略されて、代わりに電磁リレーRL−11を設
けて全波整流回路と倍電圧整流回路の切換えを行うと共
に、AC100V系時には回路から突入電流制限抵抗R
A ,RiB を省略するようにしている。また、倍電圧
整流時には、前述のように、整流電流は整流ダイオード
Db−Ddの並列接続、及び整流ダイオードDa−Dc
の並列接続を介して分流するようにして、整流ダイオー
ドの順電圧降下電圧の上昇を抑制している。これによっ
て、それだけAC100V系時の電力損失は低減され
て、図4に示すように、AC200V系時と同等の電力
効率が得られる程度に向上が図られることになる。例え
ば具体的には、負荷電力230Wで交流入力電圧VAC
100V時には、図12の電源回路では電力変換効率が
85%であったのに対して、図1の電源回路では87.
7%に向上され、また、入力電力は図12の電源回路と
比較して約8.3W低下するという結果が得られた。
【0049】そしてこれに伴って、図12の電源回路で
必要とされたブリッジ整流回路D1及びスイッチ回路4
のICなどの部品に対する放熱板は不要となり、それだ
けコストダウンも図られることになる。さらに本実施の
形態では、例えば突入電流制限抵抗RiA ,RiB に、
それぞれ6.8Ω/15Wの中型巻線抵抗を用いて、他
の部品と共にプリント基板に対して実装することも可能
とされ、上述の部品び放熱板の削除と併せて電源装置の
小型/軽量化を図ることが可能とされる。
【0050】図5は、本発明の他の実施の形態としての
スイッチング電源回路の構成を示す回路図とされ、図1
2及び図1と同一部分は同一符号を付して説明を省略す
る。この場合には、2本の突入電流制限抵抗RiC 、R
D が設けられ、例えば突入電流制限抵抗RiC は1Ω
/15W、突入電流制限抵抗RiD は2.2Ω/20W
とされて、共に中型の巻線抵抗が用いられる。突入電流
制限抵抗RiD は、電磁リレーRL−11のスイッチ部
11の端子T2 とブリッジ整流回路D1 の負極ライン間
に挿入される。また、突入電流制限抵抗RiC は、電磁
リレーRL−11のスイッチ部S11の端子T1 と商用交
流電源ACの負極ライン間に挿入される。この場合、ス
イッチ部S12の端子T2 はオープンとされている。
【0051】このような構成の電源回路において、交流
入力電圧VACがAC150V以上の200V系とされる
場合には、図1の電源回路と同様にリレー駆動回路30
の動作によってスイッチ部S11、S12は共に端子T2
に切換えられることになる。そして、この状態ではブリ
ッジ整流回路D1 により商用交流電源ACを全波整流し
て、直列接続された平滑コンデンサCiA ,CiB に対
して充電を行う全波整流平滑動作となる回路が形成され
る。またこの際、商用交流電源ACの負極ラインに突入
電流制限抵抗RiC 、RiD の直列接続が挿入されるこ
とになる。なお、この場合突入電流制限抵抗RiC 、R
D を合成して得られる抵抗値は、 RiC +RiD =1Ω+2.2Ω=3.3Ω となり、例えば、図1の回路において挿入される突入電
流制限抵抗RiA ,RiB の並列接続により得られる抵
抗値 6.8Ω/2=3.4Ω とほぼ同等となる。
【0052】また、交流入力電圧VACがAC150V以
下の100V系とされる場合には、リレー駆動回路30
によってスイッチ部S11、S12は共に端子T3 側に切換
えられる。これにより、図1の場合と同様に、交流入力
電圧が正の期間では整流ダイオードDb−Ddの並列接
続を介して整流電流を平滑コンデンサCiA に充電し、
負の期間では整流ダイオードDa−Dcの並列接続を介
して整流電流を平滑コンデンサCiB に充電する倍電圧
整流回路が形成される。また、本実施の形態において
は、整流電流の経路(この場合は平滑コンデンサCi
A ,CiB の接続点と商用交流電源ACの負極ライン間
とされる)に突入電流制限抵抗RiC (1Ω/15W)
のみが挿入される形態となる。
【0053】このようにAC100V系時にも突入電流
制限抵抗RiC が挿入されることで、例えば、図1で説
明したように電源投入後200ms〜300ms経過し
て全波整流回路から倍電圧整流回路に切換わった後に、
何らかの原因によって突入電流が充分に減衰しなかった
ような場合でも、突入電流制限抵抗RiC により突入電
流を抑制して回路を保護することができる。なお、突入
電流制限抵抗RiC はAC100V系時には継続的に回
路に挿入されることになるが、その抵抗値は1Ωとされ
るため、例えば問題となる程度の電力損失は生じないも
のとされる。
【0054】また、この図のリレー駆動回路30内にお
いて破線で囲って示す回路部(30A)、つまり分圧用
の抵抗R1 、R2 とツェナーダイオードZDからなる電
圧検出回路部と、トランジスタQ3 とその周辺の部品を
備えてなるリレードライバ部に相当する回路部分につい
て、例えば構成部品をチップ部品と厚膜印刷抵抗として
セラミック基板等に実装し、交流入力電圧VAC=150
V±1Vの誤差範囲で整流動作の切換えが可能なよう
に、抵抗R2 をトリミングしてモジュール化したモジュ
ール回路部30Aとすれば、本実施の形態の電源回路を
構成する部品点数を削減すると共に、無調整化を図るこ
とが可能となる。なお、このようなモジュール回路部3
0Aは、先に示した図1の電源回路に対しても適用が可
能であり、また、以降説明する実施の形態のスイッチン
グ電源回路においてリレー駆動回路30が設けられてい
る場合にも適用が可能とされる。
【0055】図6は、本発明を電流共振形のスイッチン
グコンバータを備えるスイッチング電源回路に適用した
一実施の形態を示す回路図とされる。この場合、スイッ
チングコンバータは2つのスイッチング素子をハーフブ
リッジ結合した他励式とされており、上記各実施の形態
である図1、図5、及び従来例として示した図13の電
源回路と同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0056】この図の電源回路に示す力率改善整流回路
10においては、電磁リレーRL−11のスイッチ部S
11の端子T1 は商用交流電源ACの負極ラインと接続さ
れ、端子T2 はオープンとされ、端子T3 は平滑コンデ
ンサCiA ,CiB の接続点と接続される。また、スイ
ッチ部S12の端子T1 はブリッジ整流回路D1Aの負極入
力端子と接続され、端子T2 は商用交流電源ACの負極
ラインと接続され、端子T3 はブリッジ整流回路D1A
正極入力端子と接続される。
【0057】なお、この実施の形態においては突入電流
制限抵抗Riは、図13の電源回路と同様に電磁リレー
RL−2により、電源投入後200ms〜300ms程
度経過するとパスされるようになっている。
【0058】このような接続形態によると、AC200
V系時(交流入力電圧VAC=150V以上)にはブリッ
ジ整流回路D1Aによる全波整流回路が形成されて商用交
流電源ACを全波整流して平滑コンデンサCiA −Ci
B の直列接続に対して充電する回路形態となる。そし
て、図13の電源回路で説明したと同様の動作によっ
て、交流入力電流IACの導通角が拡大されて力率改善が
図られる。
【0059】そして、AC100系時(交流入力電圧V
AC=150V以下)では、図1及び図5の電源回路と同
様に、交流入力電圧が正の期間では整流ダイオードDF2
−DF4の並列接続を介して整流電流を平滑コンデンサC
A に充電し、負の期間では整流ダイオードDF1−DF3
の並列接続を介して整流電流を平滑コンデンサCiB
充電する倍電圧整流回路が形成される。この場合には、
一次側直列共振回路を介して整流電流経路に重畳された
スイッチング出力によって、交流入力電圧が正の期間で
は整流ダイオードDF2−DF4により整流電流をスイッチ
ング周期で断続する動作を行い、負の期間では整流ダイ
オードDF1−DF3により整流電流を断続する動作を行う
ようにされるが、この場合にも図13にて説明したと同
様の作用によって力率改善が図られることになる。
【0060】ここで、図7及び図8に、上記図6に示す
スイッチング電源回路の交流入力電圧に対する交流入力
電流の動作波形を示す。例えば、図7(a)に示すよう
に交流入力電圧VAC=100Vが供給されて、倍電圧整
流動作とされている場合には、図7(b)に示すように
交流入力電流IACが平滑コンデンサ側に流入するとされ
るτ期間が拡大される、つまり導通角が拡大された波形
が得られ力率改善が図られる。この場合、交流入力電圧
ACの半周期が10msであるとすれば、τ期間が5m
sとなるように力率改善に関わる所要の部品を定数を選
定すれば、0.8程度の力率を得ることができる。ま
た、図8(a)に示すように交流入力電圧VAC=220
Vが供給されて全波整流動作とされている場合において
も、同様に、図8(b)に示すようにτ期間に流れる交
流入力電流IACの導通角が拡大されて力率改善が図られ
る。この場合も、τ期間が5msとなるように力率改善
に関わる所要の部品を定数を選定すれば、0.8程度の
力率を得ることができる。
【0061】また図9に、交流入力電圧に対する電力変
換効率特性(負荷電力230W時)を図6の電源回路と
図13の電源回路と比較して示す。この場合にも、交流
入力電圧がAC150V以下であるAC100V系にお
いては、図13の電源回路よりも図6の電源回路のほう
が電力変換効率が向上されている。これは、図1及び図
5の電源回路で説明したのと同様に、倍電圧整流回路が
形成された場合に、交流入力電流IACが整流ダイオード
F2−DF4の並列接続、又は整流ダイオードDF1−DF3
の並列接続を介して分岐して整流経路に流れるようにさ
れることで、整流ダイオードの順方向電圧降下のレベル
が増大しないようにされ、それだ電力損失が低減される
ことによる。具体的には、負荷電力230Wで交流入力
電圧VAC=100VB時には、図13の電源回路の電力
変換効率が86%であったのに対して、図6の電源回路
では87.2%に向上されている。また、交流入力電力
は図13の電源回路よりも図6の電源回路のほうが約
3.7W低減されている。これにより、例えば図13の
電源回路では、少なくも倍電圧整流動作時に交流入力電
流が流れる整流ダイオードDa,Dbに対して放熱板を
設ける必要があったが、本実施の形態Jである図6の電
源回路では放熱板は不要となり、それだけ基板サイズの
小型化及び低コスト化が図られることにもなる。
【0062】図10は、図6と同様にスイッチングコン
バータに電流共振形が用いられたスイッチング電源回路
に本発明を適用した他の実施の形態の構成を示す回路図
とされ、これまで実施の形態として示した図1、図5、
及び図6と同一部分は同一符号を付して説明を省略す
る。ところで、本実施の形態の電源回路におけるスイッ
チングコンバータは2石のスイッチング素子をハーフブ
リッジ結合した、自励式による電流共振形コンバータと
されることから、先ず、このスイッチングコンバータの
構成について説明する。
【0063】本実施の形態の電源回路のスイッチングコ
ンバータは、図のようにハーフブリッジ結合された2つ
のスイッチング素子Q1 、Q2 が備えられ、平滑コンデ
ンサCiの正極側の接続点とアース間に対してそれぞれ
のコレクタ、エミッタを介して接続されている。このス
イッチング素子Q1 、Q2 の各コレクタ−ベース間に
は、それぞれ起動抵抗RS 、RS が挿入され、抵抗R
B 、RB によりスイッチング素子Q1 、Q2のベース電
流(ドライブ電流)を調整する。また、スイッチング素
子Q1 、Q2の各ベース−エミッタ間にはそれぞれダン
パーダイオードDD 、DD が挿入される。そして、共振
用コンデンサCB 、CB は次に説明するドライブトラン
スPRTの駆動巻線NB 、NB と共に、自励発振用の直
列共振回路を形成している。
【0064】ドライブトランスPRT (Power Regulati
ng Transformer)はスイッチング素子Q1 、Q2 のスイ
ッチング周波数を可変制御するもので、この図の場合に
は駆動巻線NB 、NB 及び共振電流検出巻線ND が巻回
され、更にこれらの各巻線に対して制御巻線NC が直交
する方向に巻回された直交型の可飽和リアクトルとされ
ている。このドライブトランスPRTのスイッチング素
子Q1 側の駆動巻線NB の一端は、抵抗RB 共振用コン
デンサCB を介してスイッチング素子Q1 のベースに接
続され、他端はスイッチング素子Q1 のエミッタに接続
される。また、スイッチング素子Q2 側の駆動巻線NB
の一端はアースに接地されると共に、他端は抵抗RB
共振用コンデンサCB を介してと接続されてスイッチン
グ素子Q2 のベースと接続される。なお、スイッチング
素子Q2 側の駆動巻線NB は、スイッチング素子Q1
の駆動巻線NB と逆の極性の電圧が出力されるようにな
されている。
【0065】絶縁トランスPIT (Power Isolation Tr
ansformer)はスイッチング素子Q1、Q2 のスイッチン
グ出力を二次側に伝送する。この絶縁トランスPITの
一次巻線N1 の一端は、共振電流検出巻線ND を介して
スイッチング素子Q1 のエミッタとスイッチング素子Q
2 のコレクタの接点に接続されることで、スイッチング
出力が得られるようにされている。また、一次巻線N1
の他端は直列共振コンデンサC1 を介して、後述する力
率改善整流回路11における高速リカバリ型の整流ダイ
オードDF1、DF2の接続点(ブリッジ整流回路D1Aの正
極入力端子)に対して接続されて、スイッチング出力を
整流電流経路に帰還するようにしている。そして、上記
直列共振コンデンサC1 及び一次巻線N1 を含む絶縁ト
ランスPITのインダクタンス成分により、スイッチン
グ電源回路を電流共振形とするための一次側直列共振回
路を形成している。
【0066】この場合、制御回路1は、例えば二次側の
直流電圧出力EO と基準電圧を比較してその誤差に応じ
た直流電流を、制御電流としてドライブトランスPRT
の制御巻線NC に供給する誤差増幅器として構成され
る。
【0067】上記構成のスイッチングコンバータのスイ
ッチング動作としては、先ず商用交流電源ACが投入さ
れると、例えば起動抵抗RS 、RS を介してスイッチン
グ素子Q1 、Q2 のベースにベース電流が供給されるこ
とになるが、例えばスイッチング素子Q1 が先にオンと
なったとすれば、スイッチング素子Q2 はオフとなるよ
うに制御される。そしてスイッチング素子Q1 の出力と
して、共振電流検出巻線ND →一次巻線N1 →直列共振
コンデンサC1 に共振電流が流れるが、この共振電流が
0となる近傍でスイッチング素子Q2 がオン、スイッチ
ング素子Q1 がオフとなるように制御される。そして、
スイッチング素子Q2 を介して先とは逆方向の共振電流
が流れる。以降、スイッチング素子Q1 、Q2 が交互に
オンとなる自励式のスイッチング動作が開始される。こ
のように、平滑コンデンサCiの端子電圧を動作電源と
してスイッチング素子Q1 、Q2 が交互に開閉を繰り返
すことによって、絶縁トランスPITの一次側巻線N1
に共振電流波形に近いドライブ電流を供給し、二次側の
巻線N2 に交番出力を得る。
【0068】また、二次側の直流出力電圧EO が低下し
た時は制御回路1によって制御巻線NC に流れる電流が
制御され、スイッチング周波数が低くなるよう(共振周
波数に近くなるように)に制御され、一次巻線N1 に流
すドライブ電流が増加するように制御して、定電圧化を
図っている。なお、以降はこのような定電圧制御方式を
スイッチング周波数制御方式ということにする。
【0069】次に、本実施の形態の電源回路に示す力率
改善整流回路11について説明する。先ず、この力率改
善整流回路11においては、図1の電源回路で説明した
と同様にして、突入電流制限抵抗RiA ,RiB が設け
られ、電磁リレーRL−11のスイッチ部S11及びS12
による倍電圧整流回路と全波整流回路の回路切換え及
び、これに伴う突入電流制限抵抗RiA ,RiB の接続
形態の切換えが行われるものとされることから、ここで
は説明を省略する。
【0070】そして、本実施の形態の力率改善回路11
では、フィルタチョークコイルLNとブリッジ整流回路
1Aの正極入力端子間に対して、チョークコイルCHの
巻線Liが直列に挿入される。この場合、一次側直列共
振回路から整流電流経路に対して帰還されるスイッチン
グ出力電圧は、チョークコイルCHの巻線Liを負荷と
して、巻線Liのインダクタンスを介する整流入力電圧
に対して重畳するようにされる。即ち、本実施の形態で
は、一次側直列共振回路に得られたスイッチング出力
は、チョークコイルCHの磁気結合を介して整流電流経
路に帰還されるように構成される。そして、上記スイッ
チング出力電圧の重畳分によって、倍電圧整流動作時及
び全波整流動作時の何れにおいても、ブリッジ整流回路
1Aを形成する高速リカバリ型の整流ダイオードにより
整流電流を断続するスイッチング動作を促すようにさ
れ、以降は図13及び図6に示した直列共振コンデンサ
1 の静電容量結合を介してスイッチング出力を帰還す
る方式と同様に作用によって、交流入力電流の導通角を
拡大して力率改善が図られることになる。
【0071】図11の回路図は、本発明の他の実施の形
態を示すものとされ、図5、図10及び図13と同一部
分は同一符号を付して説明を省略する。この電源回路の
場合、スイッチングコンバータは図10と同様の自励式
による電流共振形とされている。また、電磁リレーRL
−11による交流入力電圧レベルに応じた倍電圧整流回
路/全波整流回路の切換えは、図5の電源回路と同様と
されている。
【0072】この実施の形態に示す電源回路の力率改善
整流回路12においては、磁気結合トランスMCTが設
けられている。この図に示す磁気結合トランスMCT
は、一次巻線LP と、先に図10に示したチョークコイ
ルCHの巻線に相当する二次巻線Liを磁気的に密結合
して構成される。この場合、磁気結合トランスMCTの
一次巻線LP は図のように一次側直列共振回路と直列に
接続され、二次巻線LiはフィルタチョークコイルLN
とブリッジ整流回路D1Aの正極入力端子間に直列に挿入
されている。また、このような場合には、共振用コンデ
ンサC2 は1つとされて図のように二次巻線Liと並列
に接続されて並列共振回路を形成するようにされている
が、その作用は、図6、図10及び図13の電源回路の
ように整流ダイオードDF1、DF2に設けられていた場合
と同様であり、交流入力電圧レベルが低くなるに従っ
て、整流平滑電圧レベルが上昇する現象を抑制するよう
にされる。
【0073】このように磁気結合トランスMCTが設け
られた力率改善整流回路12では、一次側直列共振回路
に得られたスイッチング出力が、磁気結合トランスMC
Tの一次巻線LP に対して供給される。磁気結合トラン
スMCTでは、その磁気結合を介して、一次巻線LP
供給されたスイッチング出力電圧が二次巻線Liに励起
されて、整流電流経路にスイッチング電圧が重畳される
ことになる。これにより、以降は同様にして倍電圧整流
動作時及び全波整流動作時の何れの場合にも、ブリッジ
整流回路D1Aを形成する高速リカバリ型の整流ダイオー
ドにより整流電流を断続する動作が得られ、この動作に
基づく作用によって交流入力電圧の導通角が拡大されて
力率改善が行われる。
【0074】また、この図に示す電源回路では、ドライ
ブトランスCDT(Converter Drive Transformer)は制
御巻線NC が巻装されない構成とされ、従ってスイッチ
ング周波数は固定とされる。そして、この場合には絶縁
コンバータトランスがPRTとされ、一次巻線N1 及び
二次巻線N2 にその巻回方向が直交するように制御巻線
C が設けられた構成とされている。このような構成で
は、直流出力電圧EO の変動に応じて可変されたレベル
の直流電流が、制御回路1より制御巻線NC に対して制
御電流として供給されるが、これにより、絶縁コンバー
タトランスPRTではその漏洩磁束が可変されて一次巻
線N1 のインダクタンスを変化させることになる。この
インダクタンス変化により、一次側直列共振回路の共振
周波数がスイッチング周波数に対して可変制御され、こ
れにより二次側直流出力電圧EO の定電圧化を図ること
が可能となる(直列共振周波数制御方式)。
【0075】なお、本発明はこれまで説明してきた上記
各実施の形態に示す構成に限定されるものではなく各種
変更が可能とされ、例えば、倍電整流回路/全波整流回
路切換えとこれに伴う突入電流制限抵抗の接続形態の切
換え構成と、力率改善のための回路構成の組み合わせ
は、上記各図に実施の形態として示した組み合わせのパ
ターンに限定されるものでないことはいうまでもない。
同様にして、力率改善整流回路とその後段に接続される
電流共振形スイッチングコンバータの組み合わせパター
ンも、自励発振形/他励発振形、スイッチング周波数制
御方式/直列共振周波数制御方式、スイッチング素子の
ハーフブリッジ結合タイプ/フルブリッジ結合タイプ
(4石のスイッチング素子を組み合わせて形成される)
等、各種方式・タイプの組み合わせパターンが各種考え
られるものである。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ワイドレ
ンジに対応して交流入力電圧がAC100V系時とAC
200V系時とで、倍電圧整流回路と全波整流回路に切
換えるように構成された電源回路及びスイッチング電源
回路において、AC100V系時に対応する倍電圧整流
回路が形成される場合には、整流経路において整流ダイ
オードが並列に接続されるようにすると共に、突入電流
を抑制する突入電流制限抵抗をACラインから省略す
る、若しくはAC200V系時よりも低抵抗となるよう
に回路切換えが行われるように構成することで、特にA
C100V系時に著しい電力損失が大幅に低減され、電
力変換効率を向上させることが可能となるという効果を
有している。また、これに伴って、整流ダイオードに設
けるべき放熱板を不要とすることが可能となる。また、
上述の整流回路の切換えと、突入電流制限抵抗の挿入形
態の切換えを、例えば2回路2接点の電磁リレーを備え
た回路構成によって連動して切換えるように構成するこ
とで、例えばトライアックを備えたIC回路と、このI
C回路に設けられていた放熱板、及び突入電流制限抵抗
をパスする専用のリレー回路などを省略することがで
き、それだけ回路構成部品が削減されて、電源回路の小
型/軽量化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態としてのスイッチング電
源回路の回路図である。
【図2】本実施の形態のスイッチング電源回路の商用交
流電源周期(AC100V時)での交流入力電流の動作
を示す波形図である。
【図3】本実施の形態のスイッチング電源回路の商用交
流電源周期(AC220V時)での交流入力電流の動作
を示す波形図である。
【図4】本実施の形態のスイッチング電源回路の電力変
換効率特性を従来例と比較して示す説明図である。
【図5】他の実施の形態としてのスイッチング電源回路
を示す回路図である。
【図6】更に他の実施の形態としてのスイッチング電源
回路を示す回路図である。
【図7】図6に示す実施の形態のスイッチング電源回路
の商用交流電源周期(AC100V時)での交流入力電
流の動作を示す波形図である。
【図8】図6に示す実施の形態のスイッチング電源回路
の商用交流電源周期(AC220V時)での交流入力電
流の動作を示す波形図である。
【図9】図6に示す実施の形態のスイッチング電源回路
の電力変換効率特性を従来例と比較して示す説明図であ
る。
【図10】更に他の実施の形態としてのスイッチング電
源回路を示す回路図である。
【図11】更に他の実施の形態としてのスイッチング電
源回路を示す回路図である。
【図12】従来例としてのスイッチング電源回路を示す
回路図である。
【図13】従来例としてのスイッチング電源回路を示す
回路図である。
【符号の説明】
1 制御回路 2 発振ドライブ回路 3 起動回路 10、11、12 力率改善整流回路 30 リレー駆動回路 LN フィルタチョークコイル CN フィルタコンデンサ D1 、D1A ブリッジ整流回路 CiA ,CiB 平滑コンデンサ CH チョークコイル MCT 磁気結合トランス PIT(PRT) 絶縁トランス CDT(PRT) ドライブトランス Q1 ,Q2 ,Q11,Q12 スイッチング素子 C1 直列共振コンデンサ N1 一次巻線 C2 共振用コンデンサ

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つの交流ラインを介して交流が供給さ
    れる二つの端子と整流出力が出力される端子と基準電位
    に接続される端子とを有し、上記交流が供給される二つ
    の端子のうちの一方に対して交流ラインの一方が接続さ
    れるブリッジ接続された整流素子、上記交流が供給され
    る二つの端子のうちの他方に対して上記交流ラインの一
    方に接続するための第一スイッチ、上記整流出力が出力
    される端子と基準電位との間に接続点を介して直列接続
    される二つの平滑コンデンサ、および、上記ブリッジ接
    続された整流素子の他端に接続される第一の接点と上記
    二つの平滑コンデンサの接続点に接続される第二の接点
    とを有し、切り換えにより上記第一の接点又は第二の接
    点を上記交流ラインの他方に接続する第二スイッチを備
    えて形成され、上記交流ラインを介して供給される交流
    を整流し、整流された電圧を平滑する整流平滑回路と、 上記整流平滑回路からの整流出力が供給され、スイッチ
    ング動作を行って直流電圧を出力するスイッチングコン
    バータと、 上記整流平滑回路の整流平滑経路に挿入され、上記二つ
    の平滑コンデンサに流入する突入電流を抑制する一つ以
    上の電流制限抵抗と、 上記一つ以上の電流制限抵抗の抵抗値を切り換える切り
    換え手段と、 上記交流の電圧レベルを検出し、上記交流の電圧レベル
    が基準電圧より低いとき、第一のレベルの制御信号を出
    力し、上記交流の電圧レベルが基準電圧より高いとき、
    第一のレベルと異なる第二のレベルの制御信号を出力す
    る検出手段と、 上記スイッチングコンバータからの直流電圧を駆動電圧
    として供給される制御手段であって、上記検出手段から
    の制御信号が第一のレベルのとき上記第一スイッチを短
    絡させ、上記第二スイッチを上記第二の接点を選択する
    よう切り換えるとともに、上記切り換え手段を制御して
    上記一以上の電流制限抵抗の抵抗値を上記制御信号が第
    二のレベルのときの抵抗値よりも小さくし、上記制御信
    号が第二のレベルのとき上記第一スイッチを開放させ、
    上記第二スイッチを上記第一の接点を選択するよう制御
    する制御手段と を備えることを特徴とする電源回路。
  2. 【請求項2】 上記一以上の電流制限抵抗は一つのみ設
    けられ、上記切り換え手段はこの電流制限抵抗に並列に
    設けられた第三のスイッチであり、該第三のスイッチは
    上記検出手段からの制御信号が第一のレベルのとき短絡
    され、第二のレベルのとき開放されることを特徴とする
    請求項1に記載の電源回路。
  3. 【請求項3】 上記一以上の電流制限抵抗は二つであっ
    て、その一つは上記ブリッジ接続された整流素子の他端
    と上記第一スイッチとの接続点と上記第二スイッチの第
    一の接点との間に備えられ、他の一つは、上記交流ライ
    ンの他方と第二スイッチとの間に備えられ、上記切り換
    え手段として上記第二スイッチが兼用されることを特徴
    とする請求項1に記載の電源回路。
  4. 【請求項4】 上記第一スイッチは切り換えにより選択
    される第一の接点および第二の接点を有し、上記第一の
    接点は上記交流ラインの一方に接続され、 上記一以上の電流制限抵抗は二つであって、その一つは
    上記ブリッジ接続された整流素子の他端と上記第一スイ
    ッチとの接続点と上記第二スイッチの第一の接点との間
    に備えられ、他の一つは、上記交流ラインの他方と上記
    第二スイッチの第二の接点との間に備えられ、上記切り
    換え手段として上記第一スイッチおよび第二スイッチが
    兼用されることを特徴とする請求項1に記載の電源回
    路。
  5. 【請求項5】 上記スイッチングコンバータからの直流
    出力電圧が上記制御手段に印加されるまでの間、上記第
    一スイッチおよび上記第二スイッチは上記制御信号が第
    二のレベルのときと同じ状態におかれ、 上記整流平滑回路は、上記スイッチングコンバータから
    の直流出力電圧が上記制御手段に印加されるまでの所定
    時間内に上記突入電流を充分減衰させる整流平滑回路で
    あることを特徴とする請求項2または請求項4に記載の
    電源回路。
  6. 【請求項6】 上記第一スイッチ、上記第二スイッチ、
    および上記制御手段は、それぞれリレーのスイッチおよ
    びリレーの駆動部であることを特徴とする請求項1に
    載の電源回路。
  7. 【請求項7】 上記スイッチングコンバータは、一次側
    巻線および二次側巻線を有するコンバータトランスと、 上記コンバータトランスの一次側巻線の一端と直列共振
    コンデンサの一端とを直列接続した 一次側直列共振回路
    と、 上記コンバータトランスの一次側巻線の他端に接続さ
    れ、上記整流平滑回路からの整流出力を入力してスイッ
    チング動作を行い、上記一次側巻線を駆動する電流共振
    形のスイッチング手段と、上記一次側直列共振回路の 直列共振コンデンサの他端
    上記ブリッジ接続された整流素子の一端に接続し、上記
    交流の整流・平滑経路に対して、スイッチング出力を帰
    還して力率改善を図るようにされた力率改善手段とを備
    えることを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
  8. 【請求項8】 上記力率改善手段は、上記交流の整流・
    平滑経路に直列に挿入されるフィルタチョークコイル
    と、上記フィルタチョークコイルと共にローパスフィル
    タを形成するように設けられるフィルタコンデンサとを
    備え、上記ブリッジ接続された整流素子にスイッチング
    出力が帰還されることを特徴とする請求項7に記載の電
    源回路
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