JP3500648B2 - 電子鍵盤楽器 - Google Patents

電子鍵盤楽器

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JP3500648B2 JP07108793A JP7108793A JP3500648B2 JP 3500648 B2 JP3500648 B2 JP 3500648B2 JP 07108793 A JP07108793 A JP 07108793A JP 7108793 A JP7108793 A JP 7108793A JP 3500648 B2 JP3500648 B2 JP 3500648B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、電子ピアノ等の電子
鍵盤楽器に関し、特に蓋を楽器本体上面に平行な状態の
まま開閉する機構にしたことにより蓋の開閉に要するス
ペースの低減を図ったものである。 【0002】 【従来の技術】従来、電子鍵盤楽器の蓋開閉機構として
は、図10,11、図12,13及び図14,15に示
すものが知られている。 【0003】図10に示す電子鍵盤楽器にあっては、楽
器本体1の上部に鍵盤2等を覆って回動式の蓋3を設け
たものである。使用時には、図11に示すように蓋3を
手前から前方に回動させて所定の傾斜位置で停止させ、
このような蓋全開状態において鍵盤2で演奏を行なう。 【0004】図12に示す電子鍵盤楽器にあっては、楽
器本体1から突出した部分1Aに鍵盤2を設けると共
に、鍵盤2を覆ってスライド式の蓋4を設けたものであ
る。使用時には、図13に示すように蓋4を手前から前
方にスライドさせて楽器本体1内に収納し、このような
収納状態において鍵盤2で演奏を行なう。 【0005】図14に示す電子鍵盤楽器にあっては、楽
器本体1に鍵盤等を覆って蛇腹式の蓋5を設けると共
に、楽器本体1内に蓋5を巻取るための巻取機構6を設
けたものである。使用時には、図15に示すように蓋5
を巻取機構6で巻取って楽器本体1内に収納し、このよ
うな収納状態において鍵盤で演奏を行なう。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術によ
ると、蓋の開閉に要するスペースが大きく、設置場所等
が制約される不都合があった。 【0007】すなわち、図10,11に示した電子鍵盤
楽器は、蓋3を開いた状態で高さ方向にかさばる。ま
た、図12,13に示した電子鍵盤楽器では、楽器本体
1内に蓋4を収納するスペースを確保する必要があり、
大型化する。さらに、図14,15に示した電子鍵盤楽
器では、楽器本体1内に蓋5及び巻取機構6を収納する
スペースを確保する必要があり、大型化する。 【0008】その他、図10,11の楽器では蓋3の裏
を美しく仕上げる必要があること、図12〜15の楽器
では蓋案内用の溝(又は棚)を腕木等に設ける必要があ
ること、図12〜15の楽器では蓋に美しい仕上げを施
しても使用時には隠されて見えないことなどの問題点も
あった。 【0009】この発明の目的は、上記のような問題点を
解決した新規な蓋開閉機構を有する電子鍵盤楽器を提供
することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】この発明に係る電子鍵盤
楽器は、楽器本体に設けた上部開口及び鍵盤を覆うため
の蓋を有すると共に、前記楽器本体に設けたスピーカを
有する電子鍵盤楽器であって、前記蓋を前記楽器本体の
上面に対してほぼ平行な状態のまま開閉可能とするよう
に前記蓋には複数の支持アームの各一端部を、前記楽器
本体には前記複数の支持アームの各他端部をそれぞれ回
動自在に装着し、前記上部開口には前記蓋を開いた状態
において前記蓋の下方に位置するようにスピーカ放音孔
を配置し、前記蓋を開いた状態において前記スピーカか
ら前記スピーカ放音孔を介して放音を可能にするように
前記蓋と前記楽器本体の上面との間の間隔を設定し、前
記蓋を閉じた状態において前記蓋が前記スピーカ放音孔
を覆う構成にしたことを特徴とするものである。 【0011】 【作用】この発明の構成によれば、閉じた蓋を手前から
前方に押上げると、蓋は、複数の支持アームの回動作用
により楽器本体上面に対して平行な状態のまま開いた状
態となり、鍵盤等が露呈される。従って、この状態で
は、鍵盤で演奏を行なうことができる。また、演奏音
は、スピーカからスピーカ放音孔を経て蓋に反射し、更
に蓋−楽器本体上面間の間隔を経て演奏者や聴衆に向け
て忠実性良く伝達される。 【0012】 また、開いた蓋を手前に引き下げると、
蓋は、複数の支持アームの回動作用により楽器本体上面
に対して平行な状態のまま閉じた状態となり、鍵盤、ス
ピーカ放音孔等を覆うようになる。従って、この状態で
は、鍵盤、スピーカ放音孔等が塵埃等から保護される。 【0013】 【実施例】図1〜9は、この発明の一実施例に係る電子
ピアノを示すもので、図1〜4は、図6のX−X’線に
沿う断面である。 【0014】図1,5,6,8,9は、電子ピアノの蓋
全開状態を示すものである。これらの図において、楽器
本体10には、鍵盤12と、楽器本体上部を覆うカバー
板14とが設けられており、カバー板14で覆われない
部分が上部開口10Aとなっている。 【0015】上部開口10A及び鍵盤12を覆うための
蓋16の下部には3本の支持アーム18A,18B,1
8Cが回動自在に装着されており、18A〜18Cの各
支持アームは、蓋16が楽器本体10の上面に対してほ
ぼ平行になるようにして楽器本体10に回動自在に装着
されている。各支持アームは、一例を図1で18Aにつ
いて示すようにL字状をなしており、一端部Pにて蓋1
6の下部に回動自在に装着され且つ他端部Qにて楽器本
体10に回動自在に装着されている。 【0016】図1において、蓋16の下部には、図4に
示すように蓋16の全閉時に支持アーム18Aを収納す
るための凹部16aが設けられており、支持アーム18
B,18Cについても16aと同様の凹部が設けられて
いる。また、蓋16の鍵盤側の下部には、図4に示すよ
うに蓋16の全閉時に鍵盤12を完全に隠すための前だ
れ板20が蝶番R等により回動自在に装着されている。 【0017】前だれ板20において、蓋16と対向する
部分には鉄片等の磁気吸着性の物体が設けられており、
蓋16において、前だれ板20と対向する部分には磁石
Mが設けられている。前だれ板20を蓋16の下部に当
てると、磁石Mが前だれ板20の磁気吸着性の物体を吸
着して前だれ板20の垂下を防止するようになってい
る。 【0018】図6に示すように、楽器本体10の上部開
口10Aには、制御パネル22、アーム収納孔24A〜
24C、スピーカ放音孔群26R,26L等が露呈され
ている。制御パネル22には、音量制御等の各種操作子
が配置されている。アーム収納孔24A、24B、24
Cは、それぞれ支持アーム18A、18B、18Cを収
納するためのものである。スピーカ放音孔群26R,2
6Lは、図8,9に示すように楽器本体10の下部に設
けたスピーカ26の放音を可能にするものである。蓋1
6の全開状態では、スピーカ放音孔群26R,26Lが
蓋16の下方に位置するが、蓋16の下方の空間から十
分に楽器音が放出されるようになっている。なお、楽器
本体10には、図8,9に示すように3本の脚28A、
28B、28Cが設けられている。 【0019】図1に示したように開いた蓋16を手前に
引き下げていくと、図2〜4に示すように蓋16は楽器
本体上面に対して平行な状態を維持したまま閉じてい
く。このようにして閉じていく過程において、図2,3
に示すように前だれ板20を磁石Mから引き放すと、図
4に示すように蓋16が全閉状態になったとき、鍵盤1
2を前だれ板20により完全に隠すことができる。 【0020】 図7は、図4に示した蓋全閉状態を上か
ら見たものである。図4,7に示すように、蓋16は、
鍵盤12、スピーカ放音孔群26R,26L等を覆って
塵埃等から保護するものであり、前だれ板20を下げる
と、防塵効果が一層向上する。 【0021】図4,7に示したように閉じた蓋16を開
くには、手前から前方に蓋16を押上げればよい。蓋1
6は、図3,2,1に示すように楽器本体上面に対して
平行な状態を維持したまま開いていく。そして、蓋16
を開く途中又は完全に開いた後で、前だれ板20を蓋1
6の下部に当てると、磁石Mの吸引力により前だれ板2
0を蓋16の下部に固定することができる。。 【0022】このようにして蓋16を開いた状態では、
図6に示すように楽器本体10の先端より所定の距離D
だけ蓋16の先端が突出するが、この突出長は、図12
〜15の楽器で必要とする収納スペースに比べて大幅に
少なくできる。また、上方へのかさばりも、図10,1
1の楽器に比べて大幅に少なくできる。 【0023】なお、蓋16は、開いた状態で譜面台とし
て使用することもできる。また、前だれ板20又はその
近傍部分を傾斜させるなどして譜面台を構成してもよ
い。 【0024】 【発明の効果】以上のように、この発明によれば、蓋を
楽器本体上面に対して平行な状態のまま開閉可能として
開閉に要するスペースを低減したので、設置場所等の制
約が緩和される効果が得られる。 【0025】 その上、(イ)図10,11の楽器に比
べて蓋の裏側を美しく仕上げなくてよいこと、(ロ)図
12〜15の楽器に比べて蓋等の収納スペースが不要な
分だけ小型化を図れること、(ハ)蓋に施した美しい仕
上げを使用時にも見せることができるので、図12〜1
5の楽器に比べてインテリア効果が高いこと、(ニ)演
奏音をスピーカ放音孔と蓋−楽器本体上面間の間隔とを
介して演奏者や聴衆に忠実性良く伝達できること、
(ホ)蓋を閉じた状態では、鍵盤、スピーカ放音孔等が
蓋で覆われるため、鍵盤、スピーカ放音孔等が塵埃等か
ら保護されること、(ヘ)楽器本体の下部にてスピーカ
を上方に向けて設ける場合、楽器本体の厚さは、スピー
カの厚さまで小さくすることができ、楽器本体を薄く構
成できることなどの利点もある。
【図面の簡単な説明】 【図1】 この発明の一実施例に係る電子ピアノの蓋全
開状態を示す断面図である。 【図2】 図1の状態より蓋を若干閉じた状態を示す断
面図である。 【図3】 図2の状態より蓋を若干閉じた状態を示す断
面図である。 【図4】 上記電子ピアノの蓋全閉状態を示す断面図で
ある。 【図5】 上記電子ピアノの蓋全開状態を示す上面図で
ある。 【図6】 図5の状態で楽器本体の上部開口内に露呈さ
れる部分を示す上面図である。 【図7】 上記電子ピアノの蓋全閉状態を示す上面図で
ある。 【図8】 上記電子ピアノの蓋全開状態を示す正面図で
ある。 【図9】 上記電子ピアノの蓋全開状態を示す側面図で
ある。 【図10】 従来の電子楽器の第1例を示す断面図であ
る。 【図11】 図10の電子楽器の蓋全開状態を示す断面
図である。 【図12】 従来の電子楽器の第2例を示す断面図であ
る。 【図13】 図12の電子楽器の蓋収納状態を示す断面
図である。 【図14】 従来の電子楽器の第3例を示す断面図であ
る。 【図15】 図14の電子楽器の蓋収納状態を示す断面
図である。 【符号の説明】 10:楽器本体、10A:上部開口、12:鍵盤、1
4:カバー板、16:蓋、18A〜18C:支持アー
ム、20:前だれ板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭47−27922(JP,U) 実公 昭57−31335(JP,Y1) 実公 昭38−5437(JP,Y1) 実公 昭62−26793(JP,Y2) 実公 平7−53106(JP,Y2) 特許2643559(JP,B2) 実用新案登録2515930(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/32 G10B 3/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 楽器本体に設けた上部開口及び鍵盤を覆
    うための蓋を有すると共に、前記楽器本体に設けたスピ
    ーカを有する電子鍵盤楽器であって、 前記蓋を前記楽器本体の上面に対してほぼ平行な状態の
    まま開閉可能とするように前記蓋には複数の支持アーム
    の各一端部を、前記楽器本体には前記複数の支持アーム
    の各他端部をそれぞれ回動自在に装着し、前記上部開口
    には前記蓋を開いた状態において前記蓋の下方に位置す
    るようにスピーカ放音孔を配置し、前記蓋を開いた状態
    において前記スピーカから前記スピーカ放音孔を介して
    放音を可能にするように前記蓋と前記楽器本体の上面と
    の間の間隔を設定し、前記蓋を閉じた状態において前記
    蓋が前記スピーカ放音孔を覆う構成にしたことを特徴と
    する電子鍵盤楽器。
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