JP3499690B2 - 荷電粒子顕微鏡 - Google Patents

荷電粒子顕微鏡

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JP3499690B2
JP3499690B2 JP24379096A JP24379096A JP3499690B2 JP 3499690 B2 JP3499690 B2 JP 3499690B2 JP 24379096 A JP24379096 A JP 24379096A JP 24379096 A JP24379096 A JP 24379096A JP 3499690 B2 JP3499690 B2 JP 3499690B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素子
の微細パターンを観察するのに用いられる荷電粒子顕微
鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体開発においては、微細パターンの
走査型電子顕微鏡(SEM)による観察や、集束イオン
ビーム(FIB)による微細加工技術が必須のものとな
っている。FIBによる微細加工技術においても、加工
対象を特定するために、荷電粒子顕微鏡にによる事前の
観察が必要であり、これら顕微鏡の重要性は益々増大し
ているが、分解能が1nmを下回るようになるにつれて
解決すべき問題も多々生じている。
【0003】図12は従来の走査型電子顕微鏡システム
の概略的な構成を示している。電子光学鏡筒1より、集
束された電子ビームがウェハ3上の点13(点Aと称す
る)を中心として照射される。ウェハはステージ9上に
固定されている。ステージ9は、水平移動機構4、垂直
微小移動機構5の上に載置され、これら機構ににより水
平方向(x−y方向)の移動および上下方向の微小移動
(Δz)が可能となっている。
【0004】これらの機構は第1の支持体6に載置さ
れ、第1の支持体6は傾斜機構7により、回転軸11を
中心としたステージ12の傾斜角度の調節が可能となっ
ている。第1の支持体6は、傾斜機構7を介して第2の
支持体8により保持されており、第2の支持体8は垂直
移動機構19によって、垂直方向(z方向)の位置が粗
調整される。10は垂直移動機構19の駆動装置であ
る。水平移動機構4、垂直微小移動機構5、傾斜機構
7、駆動装置10は、ステージコントローラ12により
制御される。2はシステム全体の匡体である。
【0005】さて、多くの場合に試料を例えば60度に
傾斜して観察したいことがある。このとき、点Aの動き
を示したものが図13である。図13はステージの傾斜
機構7の中心軸11(軸Bと称する)の方向にステージ
を見たものである。
【0006】点Aが軸B上にあるとき(図13(a))
は、ステージ3の表面3aを3bの位置までθ度傾斜さ
せても、点Aの位置は変化しない。しかしながら、点A
の高さが、軸B(11)より高い(図13(b))、あ
るいは低い(図13(c))場合には、点Aは13aか
ら13bへ水平方向、垂直方向ともに移動する。
【0007】傾斜角度をθ、点A(13a)と軸B(1
1)の高さの差をhとすると、傾斜時の点Aの移動量は
水平方向にΔx=hsin(θ)、垂直方向にΔz=
(1−cos(θ))hとなる。多くの場合にウェハ3
の凹凸は100μm程度は有るため、θを60度とする
と、点Aの移動量は水平方向に最大約86μm,垂直方
向に約50μmとなる。
【0008】水平方向の移動量は、電子ビームの観察領
域の広さ例えば□2μm程度より遥かに大きく、また垂
直方向に移動量は焦点深度2μm程度よりも遥かに大き
い。従って、ステージを傾斜させた場合には、水平移動
機構により水平方向に移動させて、点Aを視野中心に移
動させるとともに、電子光学系の焦点を調節することに
よる垂直方向の合わせも必要となる。
【0009】または、小さい角度で傾斜させて、点Aの
移動が最小になるまで、垂直微小移動機構5によってス
テージ9の高さを調節することも可能である。しかし、
いずれの方法も観察作業の効率を著しく低下させる原因
になっていた。
【0010】以上は傾斜観察上の位置合わせの問題であ
ったが、電子ビームの磁場もしくは振動による揺らぎが
原因の像の乱れも、顕微鏡の分解能が1nmを下回るよ
うになるにつれ問題化している。次にこの問題に説明す
る。
【0011】図14は代表的な高分解能走査型電子顕微
鏡の構成を示す。25は電界放出型の電子銃で、非常に
輝度の高い電子ビーム28を発生する。なお、電子銃2
5の周辺部の詳細は省略する。この電子ビーム28はコ
ンデンサレンズ26および対物レンズ27によって更に
縮小され、試料37の表面に照射される。この時、試料
表面から放出される二次電子38を検出器33で検出す
る。なお、36はアパーチャーである。
【0012】電子ビーム28は偏向器29によって試料
37上を二次元的に走査される。これと同期させて、検
出器33の信号を画像表示装置32に表示することによ
り、試料表面の情報が得られる。31は偏向電極29お
よび表示装置32の走査に使用される鋸歯状波電圧発生
器であり、30は偏向器用電源である。
【0013】ところで、走査型電子顕微鏡が置かれてい
る場所では、通常外部に揺動磁場が存在する。また、床
は何らかの振動をしている。あるいは、装置が置かれて
いる大気も振動している。従って、試料上の電子ビーム
の位置は、前記揺動磁場あるいは振動の影響を受けて所
定の位置からずれた位置に位置になることがある。従っ
て、画像表示装置32上の像は本来の試料37上の構造
とは異なったものとなってしまう。
【0014】この問題に対して、特公昭58−2285
4においては、外部磁場の検出手段(図23では39に
相当)を設けて置き、その信号に基づいて電子ビームの
偏向信号を補正することにより、外部磁場の振動によら
ず、常に電子ビームが所定の位置に照射されるようにす
る方法が提案されている。
【0015】また、特開平5−82068では、逆に画
像表示装置のCRTの偏向回路に補正信号を同期させて
入力し、歪の少ない画像を得る方法が提案されている。
しかしながら、本方式においては以下のような問題があ
る。
【0016】外乱を検出し、補正信号を発生させるには
若干の時間がかかる。したがって、ビーム位置の補正は
外乱と完全に同期させることは不可能である。外乱の変
化が速い場合にはその影響は顕著となり、時間遅れのあ
る補正手段を用いることによりかえって像信号が乱れた
ものとなることもある。また、画像表示を単に修正する
場合には、場所によってビームの照射電荷密度が異なる
という事態が起こり、見かけ上の濃淡が生じることがあ
る。
【0017】ところで、対物レンズとしては、試料表面
にも磁場が印加されるいわゆるインレンズあるいはセミ
インレンズと呼ばれる方式が収査が小さいことが知られ
ている。電子銃、コンデンサ、対物レンズの基本的な配
列は図14と同様であるが、偏向器が対物レンズの中に
組み込まれている。
【0018】図15はセミインレンズ方式の対物レンズ
の構造の例を示すものである。ポールピース52開放部
は下を向いている。図の左側にレンズの中心軸に沿った
磁場強度分布の概略を示す。試料46表面に磁場がかか
っているので、二次電子51の軌道はレンズ中心付近に
制限されるため、検出器はレンズのポールピースの外側
に付けたのでは充分な検出効率が得られない。従って、
ポールピース52の内側あるいは上流側に設けられる。
【0019】検出器58は電子捕獲用のバイアスグリッ
ド54とシンチレータ55そして光電子増倍管56の組
み合わせで構成されるのが普通である。バイアスの影響
が電子ビームに及ばない様に、電子ビーム42を取り囲
むようにシールド用のチューブ57が設置されている。
この方式において、電子ビームの偏向領域を広くとるた
めに電磁偏向器44は、検出器58よりも下流に設けら
れる。しかしながら、この場合には次の様な問題が生じ
る。
【0020】図16はこの問題を説明するための図で、
偏向器が働いている状態での電子ビーム42(一次電
子)および二次電子51の軌道を概念的に示すものであ
る。二次電子は旋回して移動するが、簡単のために、二
次電子の軌道は旋回中心の軌道を示している。中心軸付
近の磁場は紙面垂直方向下向き(59の記号で示す)で
あるとする。
【0021】この場合、二次電子は一次電子と逆方向に
偏向されることになる。しかも、一次電子のエネルギー
は、例えば2keV程度、二次電子のエネルギーは通常
高々数10eVであるから、偏向角度自体大きい。従っ
て、一次電子の偏向領域を広くしようとすると、二次電
子は大きく偏向されて途中で失われ、検出器に到達しな
い。従って、二次電子の検出効率を高くしたい場合に
は、一次電子の偏向領域はあまり広くできない(広く走
査できない)という問題が生じていた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した如く、荷
電粒子顕微鏡でステージを傾斜させると、ビームを照射
したい領域が水平および垂直方向に大きくずれてしまう
ことが多く、これが装置の操作性を著しく低下させてい
た。
【0023】また荷電粒子顕微鏡、とりわけ走査型電子
顕微鏡においては、変化の速い外乱による像の乱れを補
正することは困難であった。また、インレンズ方式の対
物レンズを用いる走査型電子顕微鏡において、検出器の
下流に偏向器を設けた場合には、電子ビームの偏向領域
を広くすることは困難であった。
【0024】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、その目的とするところは、操作性が良く、広い範囲
で鮮明な画像が得られる荷電粒子顕微鏡を提供すること
にある。
【0025】さらに詳細に言えば、第1に試料ステージ
を傾斜させてもビームを照射すべき領域が移動しない荷
電粒子顕微鏡を提供することにあり、第2に従来困難で
あった変化の速い外乱による像の乱れを補正できる荷電
粒子顕微鏡を提供することにあり、第3にインレンズ方
式の対物レンズを使用した場合において、二次電子検出
器の下流に偏向器を設けた場合でも偏向領域を広くとれ
る荷電粒子顕微鏡を提供することにある。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の荷電粒子顕微鏡では、荷電粒子ビームを試
料に走査して得られる二次粒子の信号と、前記ビームの
走査位置情報とから、前記試料の表面状態を画像表示す
る荷電粒子顕微鏡において、前記荷電粒子ビームの軌道
を変形する外乱信号を検出する検出手段と、前記検出手
段によって得られた前記外乱信号から、前記ビームの軌
道の変形量を算出し、前記走査位置情報を補正する補正
手段とを具備することを特徴とする。
【0032】あるいは、上記構成に加え、前記検出手段
によって得られた前記外乱信号から、前記ビームの軌道
の変形量を算出するに要する時間だけ、前記画像表示を
遅らせる遅延手段を具備させてもよい。
【0033】上記の外乱信号とは、磁場、床振動、また
は大気振動の信号のいずれかである。上記構成におい
て、前記荷電粒子ビームを前記試料に走査して得られる
前記二次粒子の信号を記憶をする第1の記憶手段と、前
記荷電粒子ビームの走査位置情報を記憶する第2の記憶
手段と、前記荷電粒子ビームの軌道を変形する前記外乱
信号を記憶する第3の記憶手段とをさらに具備し、前記
補正手段は、記憶された前記外乱信号と記憶された前記
走査位置情報とから真のビーム位置情報を求め、得られ
た真のビーム位置情報と記憶された二次粒子信号とから
前記試料の表面状態を画像表示させてもよい。
【0034】前記第1、第2および第3の記憶手段は、
少なくとも2回以上のビーム走査に渡り情報を蓄積する
機能を有することが望ましい。本発明の荷電粒子顕微鏡
においては、外乱と像の信号を独立して記録し、記録さ
れた像の信号を外乱信号の記録に基づいて補正する。も
しくは、外乱信号に伴うビーム軌道のずれを計算し、像
を補正するのに充分な時間だけ像の信号とその記録手段
との間の情報伝達系に遅れを持たせることにより、正し
い像を得るようにしている。また、ビームの照射電荷量
に応じて画像表示の明るさを規格化することにより、見
かけ上の濃淡の発生を回避する。
【0035】上記のように構成された走査型電子顕微鏡
において、外乱によるビーム軌道のずれに伴う像の乱れ
を、外乱の変化が速い場合にでも検出された外乱に基づ
いて正確に補正できる。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
係わる荷電粒子顕微鏡の模式的な断面図である。電子光
学鏡筒101より、集束された電子ビームがウェハ10
3上の点113(点Aと称する)を中心として照射され
る。ウェハ103はステージ109上に固定されてい
る。ステージ109は、水平移動機構104、垂直微小
移動機構105の上に載置され、これら機構ににより水
平方向(x−y方向)の移動および上下方向の微小距離
(Δz)の移動が可能となっている。
【0040】これらの機構は第1の支持体106に載置
され、第1の支持体106は傾斜機構107により、回
転軸111を中心としたステージ112の傾斜角度の調
節が可能となっている。第1の支持体106は、傾斜機
構107を介して第2の支持体108により保持されて
おり、第2の支持体108は垂直移動機構109によっ
て、垂直方向(z方向)の位置が粗調整される。110
は垂直移動機構119の駆動装置である。水平移動機構
104、垂直微小移動機構105、傾斜機構107、駆
動装置110は、ステージコントローラ112により制
御される。102は、装置全体の匡体である。
【0041】本実施形態の特徴的なところは、光源およ
び照明光学系よりなる発光部114、受光光学系および
光検出器よりなる受光部115および高さ演算回路11
6よりなるz軸センサが設けられており、発光部11
4、受光部115がステージの傾斜機構107を支える
部材108に取り付けられていることである。発光部1
14から照射された光117は、ウェハ103のビーム
照射位置113で反射して受光部115で受光されるよ
うに調節される。このz軸センサは、試料上の光の照射
位置の高さを測定するために用いる。
【0042】荷電粒子ビームの照射位置点A(113)
は回転軸111を含む面で、ステージの高さ微調機構1
05の移動方向に平行な面内に来るように予め調整して
おく。点Aがこの面からずれている場合には、ステージ
112の傾斜に伴い点Aの位置が移動する。しかしなが
ら、この点Aの位置を所定の位置から許容範囲、例えば
0.5μm程度以内に納まるように調整することは特に
困難ではない。
【0043】この調整は、例えば次のように行えばよ
い。まず、ステージを水平に保ち、回転軸(傾斜軸)1
11から離れた任意の注目点に荷電粒子ビームを照射し
て、画像表示装置(不図示)に二次電子像を得る。ステ
ージを水平位置前後で傾斜させたときの像の動きを見
る。ステージの水平面が回転軸を含まない場合は、ステ
ージを水平面前後で1方向に傾斜角度を変えて行くと、
像も1方向に移動する。
【0044】ステージの高さを微調機構(垂直微小移動
機構)105で変えて、同様に傾斜角度を1方向に変化
させたとき、ステージの水平位置で前記注目点の像が折
り返す動きをする高さに合わせる。このときビームの照
射位置の高さは回転軸を含む高さ(面)と一致する。
【0045】微調機構105としては、例えばピエゾ素
子と拡大機構を用いれば容易に数nm程度の分解能が得
られ、これはz軸センサの分解能よりも遥かに小さい。
次に、ステージを水平方向に移動させて、ステージを傾
斜させたとき注目点の移動が最小になる位置まで移動さ
せる。このときの注目点の位置は、ほぼ回転軸上にあ
る。以後、ビームの照射位置はこの点に来るように、電
子光学顕微鏡を設定する。また、このときのビーム照射
位置の高さをz軸センサで測定しておき、この高さを基
準位置として、ステージコントローラ112に記憶す
る。
【0046】さて、前述のように発光部114において
光源より発せられた光117は、照明光学系によって、
ウェハ103上の荷電粒子ビームを照射したい点113
(以下点Aと称する)に結像される。受光部115で
は、点Aの像を光検出器上に結像する。ここで、点Aの
高さが例えばウェハの反り等により微小変化すると、受
光部では点Aの動きとなって検出されるため、点Aの高
さの変化が求まる。
【0047】点Aの軸111(軸Bと称する)よりの高
さ(距離)の変化Δhは、像の移動量と光学系から演算
回路によって求められ、その値はステージコントローラ
112に与えられる。ステージコントローラ12では、
ステージの高さ微調機構105を用いて点Aの高さを−
Δhだけ変化させる。これにより、点Aは軸B上にく
る。
【0048】通常のz軸センサの高さ分解能は1μm程
度であるから、ステージ傾斜時の点Aの横方向の移動量
は1μm以下となる。これは、ステージのxy移動機構
を用いてウェハを機械的に移動させずとも、レンズの偏
向収差が充分小さい範囲で、荷電粒子ビームの走査範囲
を移動させることにより、点Aを荷電粒子ビームの照射
領域に納めておくことのできる値である。
【0049】このように本発明によれば、ウェハの反り
等でウェハ表面の高さにばらつきがある場合でも、ステ
ージを傾斜させた時の荷電粒子ビームの照射位置の移動
を最小限にすることが可能となる。
【0050】図1は、本発明の第2の利点をも示してい
る。通常荷電粒子光学系の対物レンズは、レンズと試料
間の距離が小さいほど分解能が良くなる。しかしなが
ら、試料とレンズとの距離が狭いと、試料を大きく傾斜
すると、ステージが対物レンズと衝突するために大きく
傾斜できないという問題がある。従って、必要な傾斜角
度と分解能に応じて、ステージの高さを変更することが
行われる。
【0051】本発明においては、z軸センサの発光部1
14と受光部115とが、共に傾斜機構107の支持部
(第2の支持体)108に取り付けられている。そのた
め、ステージの高さを変えても、z軸センサの発光部1
14と受光部115の軸B(111)との高さ関係は変
化しない。よって、ステージの高さに依らず、ウェハ上
の荷電粒子を照射したい点Aの高さを軸Bの高さに一致
させることが可能となる。
【0052】また、顕微鏡観察点を直接観察できるz軸
センサーの代わりに、予めステージに試料を取り付けた
状態で、観察点以外の場所で高さ分布を測っておき、高
さ分布マップを記憶させるようにしてもよい。この場
合、ある1観察点(第1観察点)でのステージの高さを
実施形態で述べた方法で調節し、それ以外の観察点では
高さマップに基づいて第1観察点との高さの差だけステ
ージ高さを補正する。 (第2の実施形態)図2は、本発明の第2の実施形態に
係る荷電粒子顕微鏡(走査型電子顕微鏡)の全体構成
図、図3は対物レンズ周辺の概略構成を拡大して示した
ものである。図2において、125は電界放出型の電子
銃で、非常に輝度の高い電子ビーム128を発生する。
なお、電子銃の周辺部の詳細は、発明の本質に関係が無
いので記載を省略している。この電子ビーム128はコ
ンデンサレンズ126および対物レンズ127によって
更に縮小され、試料137の表面に照射される。この
時、試料表面から放出される二次電子138を検出器1
33で検出する。なお、136はアパーチャーである。
【0053】電子ビーム128は偏向器129によって
試料137上を二次元的に走査される。これと同期させ
て、検出器133の信号を画像表示装置132に表示す
ることにより、試料表面の情報が得られる。131は偏
向電極129および表示装置132の走査に使用される
鋸歯状波電圧発生器であり、130は偏向器用電源であ
る。
【0054】さらに、本発明の特徴部分として、外乱検
出器139が接続された演算回路122と、遅延回路1
23が備えられている。これらの機能について、以下に
説明する。
【0055】電子ビーム128は、理想的には図3に矢
印121で示すように、試料137の上をラスター状に
走査される。この走査は鋸歯状波電源131に接続され
た偏向器129により行われる。しかしながら、外部か
らの擾乱(外乱)たとえば磁場あるいは振動があると、
軌道が本来軌道からずれてしまう。120はある瞬間に
おける本来の軌道であり、Nはそのときに電子ビームが
照射すべき試料上の位置である。
【0056】Nの座標を(xn ,yn )とする。外乱が
あるために、試料の軌道は128となり、従って試料上
のRに照射される。Rの座標は(xr ,yr )とする。
(xr ,yr )は外乱が分かっていれば、(xn ,y
n )から計算できる。
【0057】今外乱は外部磁場である場合を考える。外
部磁場は装置の近くに置かれた例えばホール素子を用い
た磁場検出器139によって検出される。検出器139
から求められた外乱の情報と、(xn ,yn )とから演
算回路122によって、(xr ,yr )を求める。
【0058】この演算は、例えば次のように行う。予め
検出器で検出される磁場と、ビームの照射位置との関係
をキャリブレーションサンプルを使用して測定してお
く。ビームの照射位置情報は、例えばキャリブレーショ
ンサンプルに形成された微少な金粒子にビームを照射す
ることにより得られる。多くの場合には、装置周辺の外
乱磁場の発生源の磁場の向きと照射位置の磁場の向きは
同一であるので、測定された磁場とビームの照射位置の
ずれの間には高い相関があり、ほぼ一対一で対応する。
【0059】この測定結果から、検出された磁場強度と
実際のビーム照射位置との関係を表として用意し、演算
回路122の中の記憶回路に保存する。演算回路122
は検出器139から求めた磁場と、上記の表とを比べ、
内挿によって外乱がある時のビームの実際の位置(x
r ,yr )を求める。演算回路122での計算時間に相
当する遅れ時間を、遅れ回路123によって二次電子検
出器133の信号を遅らせる。画像表示装置132で
は、この座標情報(xr ,yr )を用いて遅延された信
号を表示する。これにより、外乱によらず正確な画像情
報が得られる。 (第3の実施形態)図4は、本発明の第3の実施形態に
係わる荷電粒子顕微鏡の概略構成を示す図である。本実
施形態は第2の実施形態の変形例で、同一箇所には同一
番号を付してあるので重複する説明を省略する。
【0060】図4に示すように、試料137の上部周辺
の互いに直交する位置に、合わせて2個の検出器139
aを設け、実際にビームが感じる磁場の向きと強さを測
定するようにしている。磁場の向きと強さに対するビー
ム照射位置のずれを予め測定しておいて、上記の測定結
果に基づき外乱が存在するときのビーム照射位置を与え
るようにする。
【0061】このようにすることで、外乱が一種類でな
い場合にもより精度良く対応できる。検出器を、例えば
鏡筒部分に2対、試料室に1対というように、複数組設
けることも精度向上に有効である。この場合には、鏡筒
の各部分において軌道の偏向量を測定しておき、各部分
での偏向量の和としてビームの照射位置を求める位置を
求めることができる。
【0062】上記について図5に示す光学系で説明す
る。図5では、図4で省略した電子銃125から偏向器
129までの光学系も併せて示している。126はコン
デンサレンズで、136はアパーチャーである。クロス
オーバ135は磁場がある場合には軸に垂直に(水平方
向に)移動する。電子銃125とクロスオーバ135の
間の外乱磁場の値は検出器対139cによって測定す
る。従って、検出器対139cの信号からクロスオーバ
位置のずれ、例えばx方向であるとして、dx1が求めら
れる。このdx1の求め方は先に図3の例で述べた方法で
よい。
【0063】次に、クロスオーバ135からレンズ12
7の間の外乱磁場は、検出器対139bによって求めら
れる。ここでの軌道のずれは、実効的にはクロスオーバ
135の移動(dx2,dy2)として与えられる。レンズ
127での縮小率を1/Mとすると、試料137上での
ビームの動きは(dx1+dx2,dy2)/Mで与えられ
る。ただし、レンズでの像の回転の影響は1/Mを行列
として1/Mに含まれるものとする。
【0064】最後に、レンズ127と試料137との間
の外乱磁場は検出器対139aによって求められる。こ
こでの軌道のずれは(dx3,dy3)で与えられる。従っ
て、ビームの試料照射位置124のずれは、((dx1
x2,dy2)/M+(dx3,dy3)で与えられる。照射
を予定した位置を(xn ,yn )、実際にビームが照射
される位置を(xr ,yr )とすると、(xr 、yr
=(xn 、yn )+(dx1+dx2、dy2)/M+
(dx3,dy3)で与えられる。
【0065】なお、図5においては図面が煩雑になるの
で記載を省略しているが、外乱検出器139a,139
b,139cの検出信号は、それぞれ演算回路122に
入力されている。
【0066】以上外乱が磁場の場合について説明した。
外乱が振動の場合にもほぼ同様な方法が適用できる。例
えば、鏡筒に加速度ピックアップを設ける。予め決まっ
た周波数の床振動がある時の鏡筒振動の加速度の向きお
よび大きさに対して、ビーム照射位置を測定すること
で、ビーム照射位置の鏡筒振動に対する応答が求められ
る。変位は加速度に対する線形応答として求められる。
【0067】例えば、単純にステージと鏡筒間の相対振
動の共振周波数をω0 、減衰係数をλで記述できる最も
単純なモデルでは、少なくとも2つの異なる周波数にお
いて応答が求められれば、共振周波数ω0 、減衰係数λ
は求められる。変位は加速度に対する線形応答として求
められる。現実には、もっと複雑な場合が多いので、加
速度と変位の関係を再現する適当なモデルを用いる。シ
ステムが複雑な場合には、特にビームの位置を求める演
算の時間が長くなるので、従来の補正方法では誤差が大
きく、本方式を使用すればその有効性がさらに増すこと
になる。 (第4の実施形態)図6は、本発明の第4の実施形態に
係わる荷電粒子顕微鏡の概略構成図である。本実施形態
は第2の実施形態(若しくは第3の実施形態)の変形例
であり、同一箇所には同一番号を付して、重複する説明
を省略する。
【0068】本実施形態では、走査情報と二次電子検出
器信号と外乱信号とをそれぞれ記憶する手段(それぞれ
参照番号134a,134b,134cで示す)を設
け、記憶された走査情報に対し、記憶された外乱信号に
より、第2若しくは第3の実施形態で述べた補正を行
い、記憶された検出信号と合わせて画像表示するように
している。なお、遅延回路123は、省略若しくは記憶
回路134bに含ませることもできる。
【0069】この場合、本来の位置情報が2次元の離散
的な情報であり、一方補正処理を施した後の座標はこの
離散的に与えられた座標と正確には一致しない。この問
題の解決法を図7を用いて説明する。信号を与えるべき
位置が(Mdx ,Ndy )(M,Nは自然数、dx ,d
y は位置の最小ステップ)と格子点で与えられたとす
る。簡単のために、dx ,dy を省略して(M,N)で
位置を示す。補正後の座標が例えばC(1.3、3.
8)とするとこれに対応する格子点はない。この場合に
は、この点の周囲の4点(1、3)、(2、3)、
(1、4)、(2、4)に対して、この点に対応する信
号を格子点との位置関係に応じて配分させる。通常この
配分は各格子点が代表する領域を通るビームの電流に応
じて行う。
【0070】簡単のため、電子ビームの電流分布が一辺
が、dx の正方形の一様分布であるであると仮定し、d
x =dy とすると、(1、3)、(2、3)、(1、
4)、(2、4)に割り当てられるべき信号量は、各々
0.21対0.09対0.49対0.21に分配され
る。
【0071】ここでは、4点への配分としたが、ビーム
の広がりが格子点の間隔に比べ大きいときには、周囲の
4点の更に周囲の格子点に信号を分配する。現実にはビ
ーム分布は一様ではなく、例えば正規分布に近い分布を
していることが多い。この場合にも各格子点を通過する
電流を求めてそれに応じて配分すれば良いことは容易に
理解できる。
【0072】ビームの電流分布がexp(−(r/a)
2 /2)に比例するとする。ただし、aはビーム半径
で、r2 =x2 +y2 である。関数erf(x)を次の
ように定義する。
【0073】
【数1】
【0074】それぞれの区画への信号量の比は、次の式
で与えられる。 (erf(1.3dy /a)−erf(0.3dy
a))×(erf(0.8dx /a)+erf(0.2
x /a): (erf(1.3dy /a)−erf(0.3dy
a))×(erf(1.2dx /a)+erf(0.2
x /a): (erf(0.3dy /a)+erf(0.7dy
a))×(erf(0.8dx /a)+erf(0.2
x /a): (erf(0.3dy /a)+erf(0.7dy
a))×(erf(1.2dx /a)−erf(0.2
x /a) 容易に分かるように、これ以外の領域にも割当てられ
る。例えば、(1、2)の領域には、(erf(2.3
y /a)−erf(1.3dy /a))×(erf
(0.8dx /a)+erf(0.2dx /a)に比例
して配分される。
【0075】ここで、このままでは位置によって信号の
重みに違いが出ることがある。例えば位置(x1 ,y
1 )は外乱のために電子が一度も照射されず、(x2
2 )には複数回照射されることとすると、見かけ上
(x1 ,y1 )は暗く、(x2 ,y2 )は明るく表示さ
れることになる。
【0076】通常電子ビームの走査の周期と外乱の周期
とが一致しなければ、各点での信号を複数回の走査での
足し合わせにより、各位置での重みは平均化されるの
で、このような問題は避けられる。
【0077】さらに次のようにすることも可能である。
すなわち、走査情報に基づいて各表示位置に対して重み
を与えておき、この重みによって信号量を規格化する。
具体的には、先に説明したように各格子点に信号を分配
する際に、同時に各格子点の代表する領域に照射される
電流の積分量すなわち電荷量を記憶しておき、この電荷
量によって信号を規格化すればよい。
【0078】速い信号がある場合に、1つの信号位置を
指定している時間内に、複数の領域に跨ってビームが移
動することがある。この場合には、ビームが通過した複
数の領域に重み付けをしつつ、各領域を通過するときの
信号を加える。実際にはこの時間を小時間に分割して、
それぞれの時間では平均位置を用いるようにする。
【0079】また、遅く大きな外乱が存在する場合に
は、従来例に見られるように、電子ビームの軌道そのも
のを外乱に応じて補正することを本発明の補正方法と併
用して行うことも有効である。何故なら、このような電
子ビームの軌道そのものの補正によって、かなりの程度
ビームのずれは小さくなり、本発明による補正方法の補
正範囲を小さくできる。この場合には、勿論本来の位置
情報としては補正した軌道の情報を用いることになる。
【0080】ところで、これまではすべて電子顕微鏡を
例にとり説明してきたが、イオンを用いた顕微鏡におい
ても、その観察原理は電子顕微鏡と同じであるので、全
く同様に適用できる。また、二次電子の検出信号に限ら
ず二次イオンを測定するSIMS分析や二次中性粒子を
測定するSNMS、或いはX線、光を測定する装置にも
全く同様に適用できることはいうまでもない。 (第5の実施形態)図8は、本発明の第5の実施形態に
係わる荷電粒子顕微鏡(走査型電子顕微鏡)の対物レン
ズ周辺の模式的な断面図である。本実施形態は、インレ
ンズあるいはセミインレンズ方式の電子顕微鏡に関する
もので、電子銃、コンデンサレンズ、対物レンズの配列
は図14と同様であるが、二次電子検出器の位置と、偏
向器の位置と構成に特徴がある。
【0081】すなわち、図8に示すようにポールピース
152開放部は下を向いている。図の左側にレンズの中
心軸に沿った磁場強度分布の概略を示す。試料146表
面に磁場がかかっているので、二次電子151の軌道は
レンズ中心付近に制限される。
【0082】検出器158は電子捕獲用のバイアスグリ
ッド154とシンチレータ155そして光電子増倍管1
56の組み合わせで構成されている。バイアスの影響が
電子ビームに及ばない様に、電子ビーム142を取り囲
むようにシールド用のチューブ157が設置されてい
る。この方式においても、電子ビームの偏向領域を広く
とるために電磁偏向器144は、検出器158よりも下
流に設けられている。
【0083】この実施形態で特徴的なところは、電磁偏
向器144の内側に静電偏向器161が設けられたこと
である。電磁偏向器と静電偏向器の組み合わせは、例え
ば図9のようになっている。144aないし144dは
電磁偏向器のコイル、145はコアである。また、16
1aないし161dは静電偏向器の電極である。
【0084】ここで、コイル144a,144bに矢印
で示した方向に電流を流し、電極161aに負、電極1
61cに正の電位を与える。これにより、中心軸付近で
は、電場222と磁場159とが直交するようにする。
この時の一次電子と、二次電子の軌道を図10に概念的
に示す。
【0085】今、中心軸上の偏向電場の強さE、偏向磁
場の強さを大きさをB、作用長さを共にLとする。一次
電子のエネルギをU1 、二次電子のエネルギーをU2
する。電子の電荷をe、質量をmとする。一次電子の偏
向角は近似的に、 磁場による分が eBL/(2mU11/2 電流による分が eEL/2U1 合計 eBL/(2mU11/2 +eEL/2U1 で与えられる。
【0086】一方、二次電子の偏向角は、 eBL/
(2mU21/2 −eEL/2U1で与えられる。ここ
で、電場、磁場の作用長さは一次電子と同じであると近
似している。
【0087】今、偏向電場Eを、E=B(2U2 /m)
1/2 に選ぶと、エネルギーがU2 である二次電子の偏向
角は0となる。すなわち、偏向器の影響を全く受けない
ことになり、効率よく検出される。図10はこれらの状
態を模式的に示したものである。151aはエネルギー
がU2 の電子の軌道、151bはU2 よりもエネルギー
が高いときの軌道、151cは逆にU2 よりもエネルギ
ーが低いときの軌道を示す。従って、電場Eの値は、主
に検出したい二次電子のエネルギーに合わせて調節され
る。
【0088】逆に、偏向電場と偏向磁場の比を調節する
ことによって、検出する二次電子のエネルギー領域を選
択することも可能である。例えば、低エネルギーの二次
電子の像に加えて、高エネルギーの反射電子の像がほし
い場合などに便利である。
【0089】また、エネルギーの広い範囲で、二次電子
を検出しようとする場合には、偏向電極に共通に正のバ
イアス電位を与えればよい。図11は電磁コイル、偏向
電極に電流あるいは電位を与える方法を示した回路図で
あるが、図11(b)の例では電源227によって偏向
電極にバイアスを与えている。先の説明は電源227の
バイアスが0の場合である。
【0090】例えば、偏向電極の電位が共通に3kVで
あるとすると、数eVから数百eVまでの電子はエネル
ギーに拘らず、静電偏向器によって軌道を補正される。
この場合に図10に示すように、電極を軸対称な形状に
することで、偏向電極による加速電場の軸対称性を改善
できる。
【0091】ここまでの説明では、簡単のために偏向電
場と偏向磁場の作用長さは等しくとったが、実際には例
えば電極を長くして、偏向電場の作用長さを長くするこ
とで、必要な偏向電場の強さを小さくすることは可能で
ある。上の式から明かなように、偏向電場と偏向磁場と
は比例関係にある。この関係を実現するのは容易であ
る。
【0092】図11(a)は、本発明を実現するような
回路の1つの例を示している。223は電流源であり、
電磁偏向器コイル144a,144bおよび静電偏向器
電極161a、161cに接続されている。これらと直
列に、可変抵抗224a,224bが接続されている。
コイル144a、144cに電流を流すと、電極161
a,161cの電位が電流に比例して変化し、偏向電場
を発生する。偏向電場と偏向磁場との比は、可変抵抗2
24a、224bの抵抗を変えることで調節できる。全
く同じ回路を組むことで、電磁偏向器コイル144b,
144dおよび静電偏向器電極161d,161cの磁
場と電場を比例させて、変化させることができる。
【0093】また、図11(b)に示すように、電流増
幅回路225と電圧増幅回路226に同一の信号発生回
路224からの信号を加えて、同期した偏向電場と偏向
磁場を発生することもできる。また、各静電偏向器に等
しく静電位を与えることも容易である。
【0094】ところで、ここまでは例を用いて本発明を
実現する方法について説明してきたが、各コイル、偏向
器に電流あるいは電位を与える電気回路は、図11に例
示したものに限定されないことはいうまでもない。
【0095】また、電極の材料として導体を用いる場合
に、電磁偏向の周波数が高いときに電極に渦電流が誘起
され、場合によっては渦電流により生ずる磁場による新
たな偏向の影響が無視できない場合も考えられる。その
場合には、電極材料として、高抵抗材料例えば炭化珪素
を用いることで、渦電流の影響を抑えることができる。
【0096】また、静電電極の位置をずらせて、偏向磁
場の小さい場所に配置することも可能である。但し、レ
ンズの磁場による軌道の回転が起きるので、静電偏向に
よる偏向の方向は、所定の偏向角度が得られるように決
定される。これは電子光学的には簡単な計算である。
【0097】
【0098】
【発明の効果】本発明の荷電粒子顕微鏡においては、外
乱によるビーム軌道のずれを信号に取り込んで表示する
際に補正するので、外乱が早い場合でも正確な画像が得
られるという効果がある。
【0099】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる荷電粒子顕微鏡システ
ムの概略構成を示す断面図。
【図2】第2の実施形態に係わる荷電粒子顕微鏡の概略
構成を示す図。
【図3】第2の実施形態における対物レンズ周辺の構成
を模式的に示す図。
【図4】第3の実施形態に係わる荷電粒子顕微鏡の対物
レンズ周辺の構成を模式的に示す図。
【図5】第3の実施形態の変形例の概略構成を示す図。
【図6】第4の実施形態に係わる荷電粒子顕微鏡の概略
構成を示す図。
【図7】第4の実施形態における信号の分配方法を説明
するための図。
【図8】第5の実施形態に係わる荷電粒子顕微鏡の対物
レンズ周辺の概略構成を示す図。
【図9】第5の実施形態における電磁偏向器と静電偏向
器の配置の例を示す図。
【図10】第5の実施形態における一次電子と二次電子
の軌道を示す図。
【図11】第5の実施形態における電磁偏向器と静電偏
向器に、電流あるいは電位を供給するための回路図。
【図12】従来の荷電粒子顕微鏡システムの断面図。
【図13】従来の荷電粒子顕微鏡システムにおいて、試
料ステージを傾けた際に生じる問題点を説明するための
図。
【図14】従来の荷電粒子顕微鏡の概略構成を示す図。
【図15】従来のインレンズ方式の荷電粒子顕微鏡の対
物レンズ周辺の概略構成を示す図。
【図16】従来のインレンズ方式の荷電粒子顕微鏡にお
ける一次電子と二次電子の軌道を示す図。
【符号の説明】
101…電子光学鏡筒 102…匡体 103…ウェハ(試料) 104…水平移動機構 105…垂直微小移動機構 106…第1の支持体 107…傾斜機構 108…第2の支持体 109…試料ステージ 110…垂直移動機構駆動装置 111…回転軸(傾斜軸) 112…ステージコントローラ 113…ビーム照射位置 114…発光部 115…受光部 116…高さ演算回路 117…光線 119…垂直移動機構
フロントページの続き (72)発明者 玉虫 秀一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 若森 英郎 東京都板橋区蓮沼町75番1号 株式会社 トプコン内 (72)発明者 小池 紘民 東京都板橋区蓮沼町75番1号 株式会社 トプコン内 (72)発明者 佐藤 隆 東京都板橋区蓮沼町75番1号 株式会社 トプコン内 (56)参考文献 特開 平7−272661(JP,A) 特開 平7−134964(JP,A) 特開 昭62−208533(JP,A) 特開 平5−290787(JP,A) 特開 平9−43173(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/22 H01J 37/20 H01J 37/24 H01J 37/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子ビームを試料に走査して得られる
    二次粒子の信号と、 前記ビームの走査位置情報とから、前記試料の表面状態
    を画像表示する荷電粒子顕微鏡において、 前記荷電粒子ビームの軌道を変形する外乱信号を検出す
    る検出手段と、 前記検出手段によって得られた前記外乱信号から、前記
    ビームの軌道の変形量を算出し、前記走査位置情報を補
    正する補正手段と、を具備することを特徴とする荷電粒
    子顕微鏡。
  2. 【請求項2】荷電粒子ビームを試料に走査して得られる
    二次粒子の信号と、 前記ビームの走査位置情報とから、前記試料の表面状態
    を画像表示する荷電粒子顕微鏡において、 前記荷電粒子ビームの軌道を変形する外乱信号を検出す
    る検出手段と、 前記検出手段によって得られた前記外乱信号から、前記
    ビームの軌道の変形量を算出し、前記走査位置情報を補
    正する補正手段と、 前記検出手段によって得られた前記外乱信号から、前記
    ビームの軌道の変形量を算出するに要する時間だけ、前
    記画像表示を遅らせる遅延手段と、を具備することを特
    徴とする荷電粒子顕微鏡。
  3. 【請求項3】前記荷電粒子ビームを前記試料に走査して
    得られる前記二次粒子の信号を記憶をする第1の記憶手
    段と、 前記荷電粒子ビームの走査位置情報を記憶する第2の記
    憶手段と、 前記荷電粒子ビームの軌道を変形する前記外乱信号を記
    憶する第3の記憶手段とをさらに具備し、 前記補正手段は、記憶された前記外乱信号と記憶された
    前記走査位置情報とから真のビーム位置情報を求め、得
    られた真のビーム位置情報と記憶された二次粒子信号と
    から前記試料の表面状態を画像表示することを特徴とす
    る請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子顕微
    鏡。
  4. 【請求項4】前記第1、第2および第3の記憶手段は、
    少なくとも2回以上のビーム走査に渡り情報を蓄積する
    機能を有することを特徴とする請求項に記載の荷電粒
    子顕微鏡。
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