JP7008598B2 - 電子銃および電子線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子銃および電子線装置に関する。
電子顕微鏡に使用される電子銃では、高電圧を安定的に印加するために、通常の使用時よりも高い電圧を印加して意図的に放電を引き起こし、電子銃内部の電極表面の突起物を除去する。これをコンディショニングという。
コンディショニングには、電極にAC電圧を印加して行うACコンディショニングと、DC電圧を印加して行うDCコンディショニングと、がある。
ACコンディショニングは、電極にAC電圧を印加するため、常時、放電が起きず、比較的安全にコンディショニングを行うことができる。ACコンディショニングは、電子銃の製造工程で行うものであり、ユーザーが行うことはできない。ACコンディショニングでは、電子銃のエミッタが取り付けられていない状態で行われる碍子コンディショニングと、エミッタを取り付けた状態で行われる電極コンディショニングの2つのコンディショニングが行われる。
電子銃の製造工程では、ACコンディショニングを行った後に、DCコンディショニングを行う。
DCコンディショニングは、ユーザーが行うこともできる。DCコンディショニングは、電子銃を長時間使用しなかった場合や、ベーキング後の立ち上げ時、電子銃の動作が不安定な場合などに行われる。
DCコンディショニングの際には、エミッタが取り付けられているため、放電によるエミッタの破損を防ぐために、エミッタ近傍の電極をショートさせて、それぞれの電極間で電位差を生じさせないようにしている。
例えば、特許文献1には、電子顕微鏡の内部に設けられている電極スイッチを電子顕微鏡の外部から操作する際に使用される操作部材が開示されている。特許文献1では、コンディショニングを行う際には、ユーザーが操作部材を用いて電極スイッチを操作して、エミッタと、エミッタと電位の異なる電子銃電極と、をショートさせている。
特開平9-161682号公報
しかしながら、電極スイッチが電子顕微鏡の内部の高電圧部分に設けられると、特許文献1のように電子顕微鏡の内部の電極スイッチを電子顕微鏡の外部から操作部材を用いて操作する場合、ユーザーは、操作部材を介しているものの、高電圧部分にアクセスしなければならない。これには危険が伴うため、操作部材で電極スイッチを操作する際には、電子銃に印加されている高電圧をOFFする必要がある。しかしながら、このような高電圧のON/OFFには、数時間かかる場合もあり、時間のロスが大きい。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、高電圧が印加された状態で、エミッタと電子銃電極とをショートさせることができる電子銃を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記電子銃を含む電子線装置を提供することにある。
(1)本発明に係る電子銃は、
電子を所定電圧で加速させて放出する電子銃であって、
エミッタと、
電子銃電極と、
前記エミッタと前記電子銃電極とを同電位にするためのショート機構部と、
を含み、
前記ショート機構部は、
前記エミッタに接続された第1スイッチ電極および前記電子銃電極に接続された第2スイッチ電極が設けられた第1スイッチ部材と、
第3スイッチ電極が設けられた第2スイッチ部材と、
前記第1スイッチ部材および前記第2スイッチ部材の少なくとも一方を動作させて、前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極と前記第3スイッチ電極とが接触している第1状態と、前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極と前記第3スイッチ電極とが離間している第2状態と、を切り替える駆動部と、
を有し、
前記駆動部は、前記第1状態および前記第2状態の両方において、前記所定電圧と同電位である。
このような電子銃では、ショート機構部が所定電圧(高電圧)と同電位であるため、電子銃に所定電圧が印加された状態で、エミッタと電子銃電極とをショートさせることができる。
(2)本発明に係る電子銃において、
前記エミッタに電気的に接続された端子、および前記電子銃電極に電気的に接続された端子が設けられたターミナルプレートを含み、
前記ショート機構部は、前記ターミナルプレートに設けられていてもよい。
このような電子銃では、ショート機構部を簡易な構成で設けることができる。
(3)本発明に係る電子銃は、
エミッタと、
電子銃電極と、
前記エミッタと前記電子銃電極とを同電位にするためのショート機構部と、
前記エミッタに電気的に接続された端子、および前記電子銃電極に電気的に接続された端子が設けられたターミナルプレートと、
を含み、
前記ショート機構部は、
前記エミッタに接続された第1スイッチ電極および前記電子銃電極に接続された第2スイッチ電極が設けられた第1スイッチ部材と、
第3スイッチ電極が設けられた第2スイッチ部材と、
前記第1スイッチ部材および前記第2スイッチ部材の少なくとも一方を動作させて、前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極と前記第3スイッチ電極とが接触している状態と、前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極と前記第3スイッチ電極とが離間している状態と、を切り替える駆動部と、
を有し、
前記ショート機構部は、前記ターミナルプレートに設けられている。
このような電子銃では、ショート機構部がターミナルプレートに設けられているため、ショート機構部を所定電圧(高電圧)と同電位にすることができ、電子銃に所定電圧が印加された状態で、エミッタと電子銃電極とをショートさせることができる。
(4)本発明に係る電子銃において、
前記電子銃電極は、複数設けられ、
前記第1スイッチ部材には、複数の前記第2スイッチ電極が設けられていてもよい。
このような電子銃では、簡易な構成で、エミッタと複数の電子銃電極とをショートさせることができる。
(5)本発明に係る電子銃において、
前記駆動部は、モーターの動作により、前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極を前記第3スイッチ電極に接触させてもよい。
(6)本発明に係る電子銃において、
前記駆動部は、ナット部と、前記ナット部に螺合されているネジ軸と、前記ネジ軸を回転させるモーターと、を有し、
前記モーターで前記ネジ軸を回転させることで、前記第1スイッチ部材を移動させてもよい。
(7)本発明に係る電子銃において、
前記ナット部は、前記第1スイッチ部材に設けられた切欠き部に挿入されていてもよい。
このような電子銃では、ナット部を切欠き部に挿入することで、ナット部を回転しないように固定することができる。
(8)本発明に係る電子銃において、
前記第1スイッチ部材の前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極が設けられた面は、凸面であり、
前記第2スイッチ部材の前記第3スイッチ電極が設けられた面は、凹面であってもよい。
このような電子銃では、第1スイッチ電極および第2スイッチ電極と、第3スイッチ電極と、をより確実に接触させることができる。
(9)本発明に係る電子銃において、
前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極と前記第3スイッチ電極とが離間しているか否かを検出する検出部を含んでいてもよい。
このような電子銃では、電子銃を使用できるか否かを判断できる。
(10)本発明に係る電子銃において、
前記第1スイッチ部材は、回転可能に構成され、
前記第1スイッチ部材には、ミラーが設けられ、
前記検出部は、
前記ミラーに光を照射する発光素子と、
前記ミラーで反射された光を検出する受光素子と、
を有していてもよい。
このような電子銃では、電子銃のモードを検出するための検出部を電子銃チャンバーの外に配置することができる。
(11)本発明に係る電子線装置は、
本発明に係る電子銃を含む。
このような電子線装置では、本発明に係る電子銃を含むため、短時間で電子銃のコンディショニングを行うことができる。
本実施形態に係る電子銃の構成を示す図。 本実施形態に係る電子銃の構成を示す図。 本実施形態に係る電子銃のショート機構部を模式的に示す斜視図。 本実施形態に係る電子銃のショート機構部を模式的に示す斜視図。 本実施形態に係る電子銃のショート機構部を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る電子銃のショート機構部を模式的に示す断面図。 第1スイッチ部材および第2スイッチ部材を模式的に示す斜視図。 第1スイッチ部材および第2スイッチ部材を模式的に示す断面図。 第1スイッチ部材および第2スイッチ部材を模式的に示す断面図。 第1変形例に係る電子銃のショート機構部を模式的に示す図。 第1変形例に係る電子銃のショート機構部を模式的に示す図。 第2変形例に係る電子銃の検出部を模式的に示す図。 第2変形例に係る電子銃の検出部を模式的に示す図。 第2変形例に係る電子銃の検出部を模式的に示す図。 本実施形態に係る電子顕微鏡を模式的に示す図。 本実施形態に係る電子顕微鏡の機能ブロック図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 電子銃
1.1. 電子銃の構成
まず、本実施形態に係る電子銃について図面を参照しながら説明する。図1および図2は、本実施形態に係る電子銃100の構成を示す図である。なお、図1では、電子銃100のオペレーションモードを図示しており、図2では、電子銃100のコンディショニングモードを図示している。
電子銃100は、例えば、ショットキー型電子銃である。なお、電子銃の種類は、特に限定されず、電界放出型電子銃などであってもよい。電子銃100は、図1に示すように、エミッタ2と、サプレッサ電極4と、第1アノード電極6と、第2アノード電極8と、加速電極9と、ショート機構部10と、ターミナルプレート20と、加速管30と、を含む。
エミッタ2は、電子の放出源、すなわち陰極である。エミッタ2では、第1アノード電極6がつくる強電界によって電子が放出される。エミッタ2は、加熱電源1から供給され
る電流によって加熱される。
サプレッサ電極4は、エミッタ2と第1アノード電極6との間に配置されている。サプレッサ電極4には、エミッタ2に対して負の電位が与えられており、エミッタ2から放出された電子を集束させるために用いられる。
第1アノード電極6は、エミッタ2から電子を引き出すために用いられる。
第2アノード電極8は、エミッタ2から放出された電子に対する静電レンズとして機能する。
加速管30は、複数段の加速電極9,9a,9bと、加速電極9,9a,9bの間に配置された碍子31a,31bと、分圧回路32と、を有している。加速電極9,9a,9bは、図示の例では、3段であるが、その段数は特に限定されない。加速管30には、加速電源2aが接続されている。加速電源2aから印加された加速電圧は、分圧回路32によって分圧され、各加速電極に印加される。加速管30は、エミッタ2から放出された電子を与えられた加速電位で加速する。
サプレッサ電極4には、サプレッサ電源4aから必要な電圧が供給される。第1アノード電極6には、第1アノード電源6aから必要な電圧が供給され、第2アノード電極8には、第2アノード電源8aから必要な電圧が供給される。加速電極9は加速電位に保たれ、エミッタ2には加速電源2aから接地電位に対して負の高電圧が印加される。加速電源2aは、加速管30に加速電圧(エミッタ2から放出された電子を加速させるための電圧)を供給する。
ショート機構部10は、エミッタ2と、サプレッサ電極4と、第1アノード電極6と、第2アノード電極8と、加速電極9と、をすべてショート(短絡)させる。ショート機構部10は、例えば、エミッタ2と、サプレッサ電極4と、第1アノード電極6と、第2アノード電極8を、加速電位に接続する。図示の例では、ショート機構部10は、例えば、エミッタ2と、サプレッサ電極4と、第1アノード電極6と、第2アノード電極8を、加速電極9に電気的に接続している。
サプレッサ電極4、第1アノード電極6、第2アノード電極8、および加速電極9は、電子銃100を構成している電子銃電極である。すなわち、電子銃100は、複数の電子銃電極を有している。
ショート機構部10は、複数のスイッチ(スイッチ11、スイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15)と、複数のスイッチのON、OFFを行う駆動部130と、を有している。ショート機構部10は、図示の例では、5つのスイッチ11~15を有している。
スイッチ11は、エミッタ2の一方の電極と加速電極9(加速電位)との間に設けられている。スイッチ11は、エミッタ2の一方の電極と加速電極9とが電気的に接続されている状態(スイッチON)と、これらの電極が電気的に接続されていない状態(スイッチOFF)と、を切り替える。
スイッチ12は、エミッタ2の他方の電極と加速電極9との間に設けられている。スイッチ12は、エミッタ2の他方の電極と加速電極9とが電気的に接続されている状態(スイッチON)と、これらの電極が電気的に接続されていない状態(スイッチOFF)と、を切り替える。
スイッチ13は、サプレッサ電極4と加速電極9との間に設けられている。スイッチ13は、サプレッサ電極4と加速電極9とが電気的に接続されている状態(スイッチON)と、これらの電極が電気的に接続されていない状態(スイッチOFF)と、を切り替える。
スイッチ14は、第1アノード電極6と加速電極9との間に設けられている。スイッチ14は、第1アノード電極6と加速電極9とが電気的に接続されている状態(スイッチON)と、これらの電極が電気的に接続されていない状態(スイッチOFF)と、を切り替える。
スイッチ15は、第2アノード電極8と加速電極9との間に設けられている。スイッチ15は、第2アノード電極8と加速電極9とが電気的に接続された状態(スイッチON)と、これらの電極が電気的に接続されていない状態(スイッチOFF)と、を切り替える。
電子銃100では、駆動部130によって、図1に示す5つのスイッチ11~15をOFFにした状態(オペレーションモード)と、図2に示す5つのスイッチ11~15をONにした状態(コンディショニングモード)と、を切り替えることができる。
オペレーションモードは、電子銃100から電子ビームを発生させて電子顕微鏡を通常使用する状態にしたときに用いるモードである。コンディショニングモードは、DCコンディショニングを行うときに用いるモードである。DCコンディショニングとは、電子銃100を安定して使用できるように、加速管30に、通常使用時よりも高い電圧(例えば加速電圧が-200kVの場合には、-220kV程度)を印加して意図的に放電を引き起こし、加速管30の碍子31a,31bや加速電極9,9a,9b表面の突起物を除去することをいう。
DCコンディショニングの際に、電子銃100をコンディショニングモードにすることで、エミッタ2、サプレッサ電極4、第1アノード電極6、および第2アノード電極8と、加速電極9と、が接続される。これにより、各電極(エミッタ2、サプレッサ電極4、第1アノード電極6、第2アノード電極8、および加速電極9)の間で電位差を生じさせないことができる。この結果、DCコンディショニング時に、放電によるエミッタ2の破損を防ぐことができる。
ターミナルプレート20は、各電極に電源を供給するためのターミナルとして機能する。ターミナルプレート20には、エミッタ2、サプレッサ電極4、第1アノード電極6、第2アノード電極8、および加速電極9の各々に電気的に接続された端子が設けられている。ターミナルプレート20には、例えば、エミッタ2、サプレッサ電極4、第1アノード電極6、第2アノード電極8、および加速電極9の各々に接続された配線と、各電源1,4a,6a,8a,2aに接続された配線と、を接続するための端子が設けられている。
電子銃100では、エミッタ2、サプレッサ電極4、第1アノード電極6、第2アノード電極8、加速電極9、ショート機構部10、ターミナルプレート20、および加速管30は、電子銃チャンバー(図示せず)内に設けられている。
1.2. ショート機構部の構成
図3および図4は、本実施形態に係る電子銃100のショート機構部10を模式的に示す斜視図である。図3および図4では、ショート機構部10を見る方向が異なっている。
ショート機構部10は、図3および図4に示すように、第1スイッチ部材110と、第2スイッチ部材120と、駆動部130と、検出部140と、を含んで構成されている。
ショート機構部10は、ターミナルプレート20に設けられている。
第2スイッチ部材120は、ターミナルプレート20上に配置されている。第1スイッチ部材110は、第2スイッチ部材120に設けられた回転軸に、回転可能に支持されている。駆動部130は、ターミナルプレート20上に支持部材22で支持されたプレート24によって支持されている。すなわち、駆動部130は、支持部材22およびプレート24を介して、ターミナルプレート20に設けられている。検出部140は、プレート24上に設けられている。
ターミナルプレート20の上方には、支持部材22で支持された絶縁性プレート26が配置されている。
ショート機構部10およびターミナルプレート20は、電子銃チャンバー内の高電圧部分(高電圧空間)に配置されており、加速電源2aから供給される高電圧(接地電位に対して負の高電圧)と同電位(またはほぼ同電位)となる。例えば、加速電圧が-200kVの場合、ショート機構部10およびターミナルプレート20は、-200kVとなる。
図5および図6は、本実施形態に係る電子銃100のショート機構部10を模式的に示す断面図である。図7は、第1スイッチ部材110および第2スイッチ部材120を模式的に示す斜視図である。図8および図9は、第1スイッチ部材110および第2スイッチ部材120を模式的に示す断面図である。
なお、図5および図8では、電子銃100のオペレーションモードを図示し、図6および図9では、電子銃100のコンディショニングモードを図示している。また、図7~図9では、便宜上、ショート機構部10を簡略化して図示している。
第1スイッチ部材110は、絶縁性の部材で構成されている。第1スイッチ部材110の第1面112には、スイッチ電極151(第1スイッチ電極)、スイッチ電極152(第1スイッチ電極)、スイッチ電極153(第2スイッチ電極)、スイッチ電極154(第2スイッチ電極)、スイッチ電極155(第2スイッチ電極)が設けられている。第1スイッチ部材110の第1面112は、円筒面の一部を円筒面の中心軸に沿って切り出した凹面である。
スイッチ電極151は、エミッタ2の一方の電極に電気的に接続されている電極である。スイッチ電極152は、エミッタ2の他方の電極に電気的に接続されている電極である。スイッチ電極153は、サプレッサ電極4に電気的に接続されている電極である。スイッチ電極154は、第1アノード電極6に電気的に接続されている電極である。スイッチ電極155は、第2アノード電極8に電気的に接続されている電極である。
第2スイッチ部材120は、例えば、絶縁性の部材で構成されている。第2スイッチ部材120の第2面122には、スイッチ電極160(第3スイッチ電極)が設けられている。第2スイッチ部材120の第2面122は、円筒面の一部を円筒面の中心軸に沿って切り出した凸面である。第2スイッチ部材120の第2面122は、第1スイッチ部材110の第1面112に接触したときに、第1面112に沿うように形成されている。
スイッチ電極160は、加速電位に接続されている。スイッチ電極160は、例えば、
加速電極9に電気的に接続されている。スイッチ電極160は、スイッチ電極151~155と対向するように配置されている。
スイッチ電極151とスイッチ電極160とは、スイッチ11(図1および図2参照)を構成している。スイッチ電極152とスイッチ電極160とは、スイッチ12を構成している。スイッチ電極153とスイッチ電極160とは、スイッチ13を構成している。スイッチ電極154とスイッチ電極160とは、スイッチ14を構成している。スイッチ電極155とスイッチ電極160とは、スイッチ15を構成している。
なお、第2スイッチ部材120を導電性の部材として、第2スイッチ部材120の表面をスイッチ電極160としてもよい。この場合、第2スイッチ部材120は、絶縁部材を介してターミナルプレート20上に配置される。
第1スイッチ部材110は、第2スイッチ部材120に設けられた回転軸124によって支持されている。第1スイッチ部材110は、駆動部130の動作によって、回転軸124を軸として回転する。これにより、図5および図8に示すオペレーションモードと、図6および図9に示すコンディショニングモードと、を切り替えることができる。
オペレーションモードでは、図5および図8に示すように、スイッチ電極151~155と、スイッチ電極160と、が離間している(接触していない)。コンディショニングモードでは、図6および図9に示すように、スイッチ電極151~155と、スイッチ電極160と、が接触している。
駆動部130は、ナット部132と、ネジ軸134と、モーター136と、を含んで構成されている。
第1スイッチ部材110には、切欠き部114が設けられており、切欠き部114の中にナット部132が挿入されている。ナット部132は、回転しないように固定されている。ナット部132は、切欠き部114に挿入されることにより、ナット部132の外周部が切欠き部114の内面で拘束されて、回転しないように固定される。
ナット部132の先端には、ボール133が固定されている。ボール133は、第1スイッチ部材110に接触する部分である。ボール133は、切欠き部114の底面に接触する。ナット部132の先端部にボール133を設けることにより、第1スイッチ部材110が回転しても第1スイッチ部材110に力を安定して加えることができる。
ネジ軸134は、ナット部132に螺合されている。ネジ軸134は、モーター136によって回転する。ナット部132は回転しないように固定されているため、ネジ軸134を回転させることにより、ネジ軸134のナット部132から露出している部分の長さが変わる。
ターミナルプレート20には、第1スイッチ部材110に反時計回りに回転する力を加えるバネ126が設けられている。第1スイッチ部材110の第1面112が第2スイッチ部材120の第2面122に近づくと、第1スイッチ部材110には、バネ126によって反時計回りに回転する力が加わる。
図5に示すオペレーションモードから図6に示すコンディショニングモードに切り替える際には、モーター136によってネジ軸134を緩める方向に回転させて、ネジ軸134のナット部132から露出している部分の長さを長くする。これにより、第1スイッチ部材110は下方に押されて、時計回り回転する。この結果、スイッチ電極151~15
5とスイッチ電極160とが接触して、コンディショニングモードとなる。
図6に示すコンディショニングモードから図5に示すオペレーションモードに切り替える際には、モーター136によってネジ軸134をねじ込む方向に回転させて、ネジ軸134のナット部132から露出している部分の長さを短くする。これにより、第1スイッチ部材110は、バネ126の力により反時計回りに回転する。この結果、スイッチ電極151~155とスイッチ電極160とが離間し、オペレーションモードとなる。
検出部140は、電子銃100の現在のモードを検出する。検出部140は、例えば、スイッチ電極151~155とスイッチ電極160とが離間しているか否かを検出する。すなわち、検出部140は、オペレーションモードであるか否かを検出する。
検出部140は、例えば、リミットスイッチである。検出部140は、接触子142を有している。検出部140は、例えば、第1スイッチ部材110が接触子142に触れている場合にはオペレーションモードであることを通知するための検出信号を出力する。また、検出部140は、例えば、第1スイッチ部材110が接触子142に触れていない場合にはコンディショニングモードであることを通知するための検出信号を出力する。
なお、図示はしないが、さらに、スイッチ電極151~155とスイッチ電極160とが接触しているか否かを検出する検出部を設けてもよい。この場合、2つの検出部によって、駆動部130を制御してもよい。
電子銃100は、例えば、以下の特徴を有する。
電子銃100では、ショート機構部10は、電子を加速させるための高電圧と同電位である。したがって、電子銃100では、電子銃100に高電圧が印加された状態で電子銃100の各電極をショートさせることができる。
また、電子銃100では、ショート機構部10は、ターミナルプレート20に設けられている。ターミナルプレート20には、電子銃100の各電極に電気的に接続されている端子が設けられているため、ショート機構部10と各電極とを接続するための配線(図示せず)の配線長を短くできるなど、簡易な構成でショート機構部10を設けることができる。
電子銃100では、第1スイッチ部材110には、複数のスイッチ電極(スイッチ電極151~155)が設けられている。そのため、電子銃100では、例えば電子銃100の各電極ごとに第1スイッチ部材110を設ける場合と比べて、部品点数を減らすことができ、簡易な構成で電子銃100の各電極をショートさせることができる。
電子銃100では、第1スイッチ部材110のスイッチ電極151~155が設けられた第1面112は凸面であり、第2スイッチ部材120のスイッチ電極160が設けられた第2面122は凹面である。そのため、電子銃100では、例えば、第1スイッチ部材110の第1面112と第2スイッチ部材120の第2面122とが平坦な面である場合と比べて、スイッチ電極151~155とスイッチ電極160とをより確実に接触させることができる。
電子銃100では、スイッチ電極151~155とスイッチ電極160とが離間しているか否かを検出する検出部140を含む。そのため、電子銃100では、電子銃100を使用できるのか否かを判断できる。
1.3. 電子銃の変形例
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
(1)第1変形例
図10および図11は、第1変形例に係る電子銃のショート機構部10を模式的に示す図である。なお、図10は電子銃のオペレーションモードを図示しており、図11は電子銃のコンディショニングモードを図示している。以下、本変形例に係る電子銃において、上述した電子銃100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した電子銃100では、図5および図6に示すように、駆動部130は、モーター136でナット部132に螺合されているネジ軸134を回転させることで、第1スイッチ部材110を移動させて、コンディショニングモードと、オペレーションモードと、を切り替えていた。
これに対して、本変形例では、駆動部130は、電磁石210によって第2スイッチ部材120を移動させて、コンディショニングモードと、オペレーションモードと、を切り替えている。
駆動部130は、図10および図11に示すように、電磁石210と、バネ220と、を含んで構成されている。
電磁石210は、第1スイッチ部材110に固定されている。電磁石210は、磁性材料からなる芯のまわりにコイルを巻いたものであり、コイルに電流を流すことで磁力を発生させる。
バネ220は、ターミナルプレート20と第2スイッチ部材120とを接続している。
本変形例では、第1スイッチ部材110および第2スイッチ部材120は、平板状である。第1スイッチ部材110の第1面112および第2スイッチ部材120の第2面122は、平坦な面である。第2スイッチ部材120は、電磁石210が発生させる磁力が作用するように少なくとも一部が鉄などの強磁性体で構成されている。
第1スイッチ部材110は、第2スイッチ部材120の上方に配置されている。第1スイッチ部材110および第2スイッチ部材120は、鉛直方向に対向するように配置されている。
図10に示すオペレーションモードから図11に示すコンディショニングモードに切り替える際には、電磁石210のコイルに電流を供給して磁力を発生させ、第2スイッチ部材120を引き寄せて上方に移動させる。これにより、第1スイッチ部材110に設けられたスイッチ電極151(および図示はしないがスイッチ電極152,153,154,155)と、第2スイッチ部材120に設けられたスイッチ電極160と、が接触して、コンディショニングモードとなる。
図11に示すコンディショニングモードから図10に示すオペレーションモードに切り替える際には、コイルへの電流の供給を停止する。これにより、第2スイッチ部材120は下方に移動し、第2スイッチ部材120に設けられたスイッチ電極151(および図示はしないがスイッチ電極152,153,154,155)と、第2スイッチ部材120に設けられたスイッチ電極160と、が離間して、オペレーションモードとなる。
本変形例によれば、上述した電子銃100と同様の作用効果を奏することができる。
(2)第2変形例
図12および図13は、第2変形例に係る電子銃の検出部140を模式的に示す図である。なお、図12は電子銃のオペレーションモードを図示しており、図13は電子銃のコンディショニングモードを図示している。以下、本変形例に係る電子銃において、上述した電子銃100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した電子銃100では、検出部140は、リミットスイッチで構成されていた。これに対して、本変形例では、検出部140は、発光素子310と、受光素子(光検出素子)320と、を含んで構成されている。
発光素子310は、第1スイッチ部材110に設けられたミラー302に向けて光を照射する。発光素子310は、例えば、レーザー、LED(light emitting
diode)などである。
受光素子320は、ミラー302で反射された光を受光する。受光素子320は、入射した光を、電気信号に変換する。
ミラー302は、第1スイッチ部材110の側面に設けられている。ミラー302は、発光素子310から出射された光を反射させることができれば特に限定されず、例えば金属ミラーである。
発光素子310および受光素子320は、電子銃チャンバー(図示せず)の外に配置されている。発光素子310から出射された光は、電子銃チャンバーに設けられた窓部304を通過し、ミラー302に照射される。また、発光素子310から出射されてミラー302で反射された光は、窓部304を通過し、受光素子320に入射する。窓部304は、発光素子310から出射される光に対して透明な部材で構成されている。
発光素子310および受光素子320は、図12および図13に示すように、電子銃100がオペレーションモードの場合には、発光素子310から出射されてミラー302で反射された光が受光素子320に入射し、電子銃100がコンディショニングモードの場合には、発光素子310から出射されてミラー302で反射された光が受光素子320に入射しないように構成されている。
したがって、本変形例では、受光素子320の出力信号に基づいて、電子銃100の現在のモードを判断することができる。
本変形例によれば、上述した電子銃100と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、本変形例によれば、検出部140を電子銃チャンバーの外に配置することができる。
なお、上記では、図12および図13に示すように、ミラー302を第1スイッチ部材110の側面に設ける場合について説明したが、ミラー302が設けられる場所は特に限定されず、図14に示すように、ミラー302を第1スイッチ部材110の上面に設けてもよい。
また、上記では、電子銃100がオペレーションモードの場合にはミラー302で反射された光が受光素子320に入射し、電子銃100がコンディショニングモードの場合には、ミラー302で反射された光が受光素子320に入射しないように構成されているが、その逆であってもよい。すなわち、電子銃100がオペレーションモードの場合にはミラー302で反射された光が受光素子320に入射せず、電子銃100がコンディショニングモードの場合には、ミラー302で反射された光が受光素子320に入射するように構成されていてもよい。
(3)第3変形例
上述した電子銃100では、図5および図6に示すように、駆動部130が第1スイッチ部材110を移動させてモードを切り替えていたが、図示はしないが駆動部130が第2スイッチ部材120を移動させてモードを切り替えてもよい。また、図示はしないが駆動部130が第1スイッチ部材110および第2スイッチ部材120の両方を移動させてモードを切り替えてもよい。
(4)第4変形例
上述した電子銃100では、図7に示すように、1つの第1スイッチ部材110に複数のスイッチ電極151~155が設けて、1組のスイッチ部材110,120で5つのスイッチ11~15を構成していたが、図示はしないが、1つの第1スイッチ部材110に1つのスイッチ電極を設けて、5組のスイッチ部材110,120で5つのスイッチ11~15を構成してもよい。
(5)第5変形例
上述した電子銃100では、駆動部130が第1スイッチ部材110を移動させることで、モードの切り替えを行っていたが、図示はしないが、手動で操作部材を操作して、第1スイッチ部材110を移動させることで、モードの切り替えを行ってもよい。すなわち、本変形例では、電子銃が、2つのモード切り替え手段(駆動部130による切り替え、手動による切り替え)をそなえていてもよい。操作部材は、例えば、第1スイッチ部材110にアクセス可能なロッドである。ユーザーが電子銃チャンバーの外からロッドを操作することで、第1スイッチ部材110を回転させてモードを切り替えることができる。
2. 電子顕微鏡
次に、本実施形態に係る電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図15は、本実施形態に係る電子顕微鏡1000を模式的に示す図である。
電子顕微鏡1000は、本発明に係る電子銃を含んで構成されている。ここでは、電子顕微鏡1000が本発明に係る電子銃として、電子銃100を含む例について説明する。なお、図15では、便宜上、電子銃100を簡略化して図示している。
電子顕微鏡1000は、図15に示すように、電子銃100と、照射レンズ1004と、試料ステージ1006と、試料ホルダー1008と、対物レンズ1010と、中間レンズ1012と、投影レンズ1014と、撮像装置1016と、を含んで構成されている。電子顕微鏡1000は、試料Sを透過した電子線で結像する透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)である。
電子銃100は、電子線を放出する。
照射レンズ1004は、電子銃100から放出された電子線を集束して試料Sに照射する。照射レンズ1004は、図示はしないが、複数の電子レンズで構成されていてもよい。
試料ステージ1006は、試料Sを保持する。図示の例では、試料ステージ1006は、試料ホルダー1008を介して、試料Sを保持している。試料ステージ1006によって、試料Sの位置決めを行うことができる。試料ステージ1006は、例えば、試料Sを傾斜させることができるゴニオメータステージである。
対物レンズ1010は、試料Sを透過した電子線で透過電子顕微鏡像を結像するための初段のレンズである。
中間レンズ1012および投影レンズ1014は、対物レンズ1010によって結像された像を拡大し、撮像装置1016上に結像させる。対物レンズ1010、中間レンズ1012、投影レンズ1014は、電子顕微鏡1000の結像系を構成している。
撮像装置1016は、結像系によって結像された透過電子顕微鏡像を撮影する。撮像装置1016は、例えば、CCDカメラ、CMOSカメラ等のデジタルカメラである。
電子顕微鏡1000では、電子銃100から放出された電子線は、照射レンズ1004によって集束されて試料Sに照射される。試料Sに照射された電子線は、試料Sを透過して対物レンズ1010によって結像される。対物レンズ1010によって結像された透過電子顕微鏡像は、中間レンズ1012および投影レンズ1014によってさらに拡大されて、撮像装置1016で撮影される。
電子顕微鏡1000では、電子銃100のDCコンディショニングを行うことができる。具体的には、電子銃100をコンディショニングモードに切り替えて、加速管30に通常使用時の電圧よりも高い電圧を印加する。これにより、DCコンディショニングを行うことができる。
図16は、電子顕微鏡1000の機能ブロック図である。
電子顕微鏡1000は、図16に示すように、操作部1110と、処理部1120と、送信器1130と、受信器1140と、送信器1150と、受信器1160と、を含んで構成されている。
操作部1110は、ユーザーによる操作に応じた操作信号を取得し、処理部1120に送る処理を行う。操作部1110の機能は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
処理部1120は、操作部1110からの操作信号に基づき制御信号を生成する処理や、検出部140からの検出信号に基づき電子銃の現在のモードを判断する処理などの処理を行う。処理部1120の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)でプログラムを実行することにより実現することができる。なお、処理部1120の機能の少なくとも一部を、ASIC(ゲートアレイ等)などの専用回路により実現してもよい。
送信器1130は、処理部1120で生成された制御信号を光信号に変換して、受信器1140に送る。送信器1130は、電子銃チャンバー1001の外に配置されている。送信器1130は、電子銃チャンバー1001に設けられた窓部1002を介して、光信号を受信器1140に送る。
受信器1140は、送信器1130からの光信号を受け付けて、電気信号(制御信号)に変換する。受信器1140は、変換した電気信号(制御信号)を駆動部130(モータ
ー136)に送り、駆動部130を動作させる。受信器1140は、電子銃チャンバー1001内に配置されている。
送信器1150は、検出部140からの検出信号を受け付けて、光信号に変換し、受信器1160に送る。送信器1150は、電子銃チャンバー1001内に配置されている。送信器1150は、電子銃チャンバー1001に設けられた窓部1002を介して、光信号を受信器1160に送る。
受信器1160は、送信器1150からの光信号を受け付けて、電気信号(検出信号)に変換する。受信器1160は、変換した電気信号(検出信号)を処理部1120に送る。処理部1120は、検出信号に基づき電子銃100のモードを判断する処理を行う。
なお、上記では、電子銃チャンバー1001の内と外との通信を、窓部1002を透過する光信号で行う場合について説明したが、この光信号で通信する部分を光ファイバーなどに置き換えてもよい。
電子顕微鏡1000で、電子銃100をDCコンディショニングする方法について説明する。
まず、ユーザーが操作部1110を操作して、コンディショニングモードに切り替える指示を行うと、処理部1120が操作信号に基づき制御信号を生成する。送信器1130はこの制御信号を光信号に変換して受信器1140に送る。受信器1140は、光信号を電気信号(制御信号)に変換して駆動部130(モーター136)に送る。これにより、図6に示すように、モーター136がネジ軸134を回転させて、コンディショニングモードとなる。
このとき、検出部140の接触子142が第1スイッチ部材110から離れるため、検出部140は、コンディショニングモードであることを通知するための検出信号を出力する。送信器1150は、検出部140から出力された検出信号を光信号に変換し、受信器1160に送る。受信器1160は、光信号を電気信号(検出信号)に変換して処理部1120に送る。処理部1120は、検出信号に基づき、コンディショニングモードであると判定する。処理部1120は、電子銃100がコンディショニングモードであることを表示部(図示せず)などに表示して、ユーザーに通知する。
ユーザーは、電子銃100がコンディショニングモードに切り替わったことを確認すると、操作部1110を操作して、DCコンディショニングの開始を指示する。これにより、加速管30に、通常の使用時よりも高い電圧が印加される。
所定時間、DCコンディショニングが行われた後、ユーザーは、操作部1110を操作して、DCコンディショニングの終了を指示する。これにより、加速管30に印加される電圧が通常の使用時の電圧に戻る。
次に、ユーザーが操作部1110を操作して、オペレーションモードに切り替える指示を行うと、処理部1120が操作信号に基づき制御信号を生成する。上述したコンディショニングモードに切り替える際と同様に、この制御信号は駆動部130(モーター136)に送られる。これにより、図5に示すように、モーター136がネジ軸134を回転させて、コンディショニングモードとなる。
このとき、検出部140の接触子142が第1スイッチ部材110に接触するため、検出部140は、オペレーションモードであることを通知するための検出信号を出力する。
そして、上述したコンディショニングモードに切り替える際と同様に、処理部1120は、電子銃100がオペレーションモードであることを表示部(図示せず)などに表示して、ユーザーに通知する。
このように、電子顕微鏡1000では、モードを切り替える際に、高電圧のON、OFFを行わなくてもよい。
電子顕微鏡1000は、高電圧が印加された状態で、電子銃の各電極をショートさせることができる電子銃100を含むため、短時間でDCコンディショニングを行うことができる。
なお、上記では、電子銃100を電子顕微鏡1000に組み込んだ例について説明したが、本発明に係る電子銃を、その他の電子線装置(電子銃が搭載された装置)に組み込むことも可能である。このような電子線装置としては、走査電子顕微鏡(SEM)や、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)などの分析装置、電子ビーム蒸着装置などの加工装置などが挙げられる。また、このような電子線装置として、さらに、電子銃とX線ターゲットとを含んで構成されているX線源が搭載された分析装置(例えばX線光電子分光装置(XPS))などが挙げられる。
なお、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…加熱電源、2…エミッタ、2a…加速電源、4…サプレッサ電極、4a…サプレッサ電源、6…第1アノード電極、6a…第1アノード電源、8…第2アノード電極、8a…第2アノード電源、9…加速電極、9a…加速電極、9b…加速電極、10…ショート機構部、11…スイッチ、12…スイッチ、13…スイッチ、14…スイッチ、15…スイッチ、20…ターミナルプレート、22…支持部材、24…プレート、26…絶縁性プレート、30…加速管、31a…碍子、31b…碍子、32…分圧回路、100…電子銃、110…第1スイッチ部材、112…第1面、114…切欠き部、120…第2スイッチ部材、122…第2面、124…回転軸、126…バネ、130…駆動部、132…ナット部、133…ボール、134…ネジ軸、136…モーター、140…検出部、142…接触子、151…スイッチ電極、152…スイッチ電極、153…スイッチ電極、154…スイッチ電極、155…スイッチ電極、160…スイッチ電極、210…電磁石、220…バネ、302…ミラー、304…窓部、310…発光素子、320…受光素子、1000…電子顕微鏡、1001…電子銃チャンバー、1002…窓部、1004…照射レンズ、1006…試料ステージ、1008…試料ホルダー、1010…対物レンズ、1012…中間レンズ、1014…投影レンズ、1016…撮像装置、1110…操作部、1120…処理部、1130…送信器、1140…受信器、1150…送信器、1160…受信器

Claims (11)

  1. 電子を所定電圧で加速させて放出する電子銃であって、
    エミッタと、
    電子銃電極と、
    前記エミッタと前記電子銃電極とを同電位にするためのショート機構部と、
    を含み、
    前記ショート機構部は、
    前記エミッタに接続された第1スイッチ電極および前記電子銃電極に接続された第2スイッチ電極が設けられた第1スイッチ部材と、
    第3スイッチ電極が設けられた第2スイッチ部材と、
    前記第1スイッチ部材および前記第2スイッチ部材の少なくとも一方を動作させて、前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極と前記第3スイッチ電極とが接触している第1状態と、前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極と前記第3スイッチ電極とが離間している第2状態と、を切り替える駆動部と、
    を有し、
    前記駆動部は、前記第1状態および前記第2状態の両方において、前記所定電圧と同電位である、電子銃。
  2. 請求項1において、
    前記エミッタに電気的に接続された端子、および前記電子銃電極に電気的に接続された端子が設けられたターミナルプレートを含み、
    前記ショート機構部は、前記ターミナルプレートに設けられている、電子銃。
  3. エミッタと、
    電子銃電極と、
    前記エミッタと前記電子銃電極とを同電位にするためのショート機構部と、
    前記エミッタに電気的に接続された端子、および前記電子銃電極に電気的に接続された端子が設けられたターミナルプレートと、
    を含み、
    前記ショート機構部は、
    前記エミッタに接続された第1スイッチ電極および前記電子銃電極に接続された第2スイッチ電極が設けられた第1スイッチ部材と、
    第3スイッチ電極が設けられた第2スイッチ部材と、
    前記第1スイッチ部材および前記第2スイッチ部材の少なくとも一方を動作させて、前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極と前記第3スイッチ電極とが接触している状態と、前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極と前記第3スイッチ電極とが離間している状態と、を切り替える駆動部と、
    を有し、
    前記ショート機構部は、前記ターミナルプレートに設けられている、電子銃。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記電子銃電極は、複数設けられ、
    前記第1スイッチ部材には、複数の前記第2スイッチ電極が設けられている、電子銃。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記駆動部は、モーターの動作により、前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極を前記第3スイッチ電極に接触させる、電子銃。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記駆動部は、ナット部と、前記ナット部に螺合されているネジ軸と、前記ネジ軸を回転させるモーターと、を有し、
    前記モーターで前記ネジ軸を回転させることで、前記第1スイッチ部材を移動させる、電子銃。
  7. 請求項6において、
    前記ナット部は、前記第1スイッチ部材に設けられた切欠き部に挿入されている、電子銃。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項において、
    前記第1スイッチ部材の前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極が設けられた面は、凸面であり、
    前記第2スイッチ部材の前記第3スイッチ電極が設けられた面は、凹面である、電子銃。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項において、
    前記第1スイッチ電極および前記第2スイッチ電極と前記第3スイッチ電極とが離間しているか否かを検出する検出部を含む、電子銃。
  10. 請求項9において、
    前記第1スイッチ部材は、回転可能に構成され、
    前記第1スイッチ部材には、ミラーが設けられ、
    前記検出部は、
    前記ミラーに光を照射する発光素子と、
    前記ミラーで反射された光を検出する受光素子と、
    を有している、電子銃。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の電子銃を含む、電子線装置。
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